JP4035212B2 - 発泡性化粧料製品、その使用方法および発泡性化粧料製品に用いる容器 - Google Patents
発泡性化粧料製品、その使用方法および発泡性化粧料製品に用いる容器 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は発泡性化粧料製品、その使用方法および発泡性化粧料製品に使用する容器に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来よりオイル・イン・ウォーター型の化粧料としては、乳液、クリーム、パック剤、シェービングフォームなどがあり、これらは樹脂製の容器やポンプを備えた容器、エアゾール製品などの形で使用されている。
【0003】
これらの製品を皮膚にぬる際、とくに冬季には冷たく感じることがある。また、シェービングフォームのばあい、使用する前に髭を蒸しタオルなどで蒸らしておくと、髭を剃りやすいが、手間がかかる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記のごとき従来の化粧料の欠点を改良した化粧料製品をうるためになされたものであり、
25℃においては容器から噴出しうる1kg/cm 2 G以上の蒸気圧を実質的に有さない水を含有する発泡性化粧料組成物を内容物とする発泡性化粧料製品であって、30〜80℃に加熱することによって容器から噴出しうる1kg/cm 2 G以上の蒸気圧を生じる、
噴出口を有する非金属耐圧容器に充填された発泡性化粧料製品(請求項1)、
加熱することにより増加する蒸気圧が実質的に沸点10〜90℃のパラフィン系炭化水素の分圧による請求項1記載の発泡性化粧料製品(請求項2)、
前記パラフィン系炭化水素の炭素数が5〜6である請求項2記載の発泡性化粧料製品(請求項3)、
前記加熱が電磁波(マイクロ波)による加熱である請求項1または2記載の発泡性化粧料製品(請求項4)、
前記非金属耐圧容器が電磁波によって影響を受けない物質のみからなる請求項1記載の発泡性化粧料製品(請求項5)、
前記非金属耐圧容器が、高分子樹脂、ガラス、エラストマー、ゴム、天然繊維のうちの1種以上からなる請求項1または5記載の発泡性化粧料製品(請求項6)、
請求項1、2、3、4、5または6記載の発泡性化粧料製品を加熱することによって、容器から噴出しうる蒸気圧を生じせしめたのち噴出させて使用することを特徴とする発泡性化粧料製品の使用方法(請求項7)、
前記加熱が電磁波(マイクロ波)による加熱である請求項7記載の使用方法(請求項8)、
請求項1、2、3、4、5または6記載の発泡性化粧料製品に用いる容器であって、非金属製のエアゾール容器からなる容器(請求項9)、
(a)容器本体と、(b)該容器本体の開口に固着され、樹脂および/またはゴムで形成された弁とからなる請求項9記載の容器(請求項10)、
(a)1回で使い切ることができる程度の量の内容物を収容する容器本体と、(b)該容器本体の開口を密封する密封部とからなる請求項9記載の容器(請求項11)、および
前記容器本体が透明または半透明である請求項10または11記載の容器(請求項12)
に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の発泡性化粧料製品は、常温(25℃)においては容器から噴出しうる蒸気圧を実質的に有さない、すなわち1kg/cm2G以下、さらには0.8kg/cm2G以下の蒸気圧を有する水を含有する発泡性化粧料組成物を内容物とする発泡性化粧料製品であって、加熱することによって、すなわち30℃以上、さらには35℃以上で上限は80℃、さらには70℃に加熱することによって、容器から噴出しうる蒸気圧を生じる、噴出口を有する非金属耐圧容器に充填された発泡性化粧料製品である。
【0006】
前記水を含有する発泡性化粧料組成物は、たとえばオイル・イン・ウォーター型エマルジョンタイプの化粧料組成物で、発泡性である限りとくに限定はなく、たとえばシェービングフォーム、クリーム、ファンデーション、乳液などの発泡性化粧料組成物が具体例としてあげられる。
【0007】
前記発泡性化粧料組成物がオイル・イン・ウォーター型エマルジョンタイプの組成物のばあい、べたつかず、さらっとした感触がえられ、また、発泡性の組成物であるため、のばしやすい。
【0008】
化粧料組成物をオイル・イン・ウォーター型エマルジョンタイプの化粧料組成物にするためには、該組成物中に少なくとも乳化されるべきオイルに相当するもの(油性成分)、媒体となる水、乳化剤が含有されていることが必要であり、また、発泡性の組成物にするためには、該組成物中に少なくとも発泡剤が含有されていることが必要である。
【0009】
前記乳化されるべきオイルに相当するものとしては、ヒマシ油、オリーブ油などの油脂類、鯨ロウ、ラノリンなどのロウ類、流動パラフィン、スクワラン、ワセリンなどの炭化水素類、ステアリン酸、ミリスチン酸、ヤシ油脂肪酸などの脂肪酸類、ラノリンアルコール、セトステアリルアルコール、セタノール、オレイルアルコールなどの高級アルコール類、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、グリセリンモノステアリン酸エステル、モノラウリン酸プロピレングリコールなどの脂肪酸エステル類、メチルポリシロキサンなどのシリコーン油類などがあげられる。
【0010】
前記水は、媒体としての作用の他に、たとえば電子レンジなどの電磁波(マイクロ波)で本発明の発泡性化粧料製品を所定の温度に加熱するばあいの効率をよくするとともに、使用時の引火性を低減させ、すぐれた使用感(ベタつかない、洗い流しやすさなど)をうるなどのために使用される。
【0011】
また、前記乳化剤としては、たとえばポリグリセリン脂肪酸エステルなどのエステル型乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどのエーテル型乳化剤、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンモノオレイン酸エステル、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどのエーテルエステル型乳化剤などのノニオンタイプの乳化剤、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウムなどの脂肪酸石けん、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩などのアニオンタイプの乳化剤、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウムなどのカチオンタイプの乳化剤などが使用可能であるが、発泡させやすい、皮膚や粘膜刺激性が少ないなどの点から、ノニオンタイプの乳化剤が好ましい。
【0012】
噴射剤としても作用する前記発泡剤としては、沸点が10〜90℃、さらには20〜80℃のパラフィン系炭化水素などが、使用時に適度な温感がえられ、使い勝手がよいなどの点から好ましいものとしてあげられる。沸点が低すぎるばあいには、常温でも容器から噴出しうる蒸気圧を有するようになり、従来のエアゾール製品とかわらなくなる。また、使用したばあいに冷感が強くなる。一方、沸点が高すぎるばあいには、使用時に水の沸点付近まで加熱する必要があるため、ヤケドの原因となる。
【0013】
前記発泡剤としては、沸点が所定の範囲にあり、発泡性化粧料組成物原料として不適当なほど毒性や刺激性が強いなどの問題がない限りとくに限定なく使用されうる。好ましい発泡剤の具体例としては、たとえばn−ペンタン、2−メチルブタン、n−ヘキサン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルペンタン、2,3−ジメチルペンタンなどの炭素数5〜6の直鎖状や分枝鎖状のアルカン類があげられる。
【0014】
前記発泡剤は、水を含有する化粧料組成物、たとえばオイル・イン・ウォーター型エマルジョン中に直接混合したものとして含まれるが、沸点が10〜90℃、さらには20〜80℃であるため、通常、エアゾール製品に使用されるプロペラントのように常温では高圧になることがなく、高度の耐圧容器を使用する必要はない。また、噴射時の気化熱により非常に冷たく感じることもない。
【0015】
前記発泡性化粧料組成物における各成分の割合としては、発泡性シェービングフォームのばあい、水40〜80%、さらには50〜70%、乳化剤0.2〜20%、さらには1.0〜10%、有効成分であるプロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリンなどの保湿剤、香料など1〜30%、さらには3〜20%、油性成分3〜30%、さらには5〜20%、発泡剤1〜30%、さらには2〜20%であるのが、発泡性がよく、全量使いきることができる点から好ましく、また、発泡性乳液のばあい、水40〜80%、さらには50〜70%、乳化剤0.2〜20%、さらには1〜10%、有効成分であるメトキシ桂皮酸誘導体などの紫外線吸収剤など1〜20%、さらには2〜10%、油性成分3〜50%、好ましくは5〜40%、発泡剤1〜20%、さらには2〜20%であるのが、使用感にすぐれている点から好ましく、さらに発泡性ファンデーションのばあい、水40〜80%、さらには50〜70%、乳化剤0.2〜20%、さらには1〜10%、有効成分である黄酸化鉄、二酸化チタン、タルク、カオリン、ベントナイトなどの着色顔料、白色顔料、体質顔料などの無機顔料など1〜25%、さらには5〜20%、油性成分5〜40%、好ましくは10〜30%、発泡剤1〜30%、さらには2〜20%であるのが、粉体(顔料)の分散性の点から好ましい。
【0016】
ヘアクリームのばあい、水40〜70%、さらには40〜60%、乳化剤0.2〜20%、さらには1〜10%、有効成分であるグリセリンなどの保湿剤、香料など3〜30%、さらには5〜20%、油性成分10〜50%、さらには20〜50%、発泡剤1〜30%、さらには2〜20%が毛髪への付着性の点から好ましい。
【0017】
本発明に用いる発泡性化粧料組成物には、前記の成分以外に、たとえば発泡性化粧料組成物の粘度が低いばあいに用いられるヒドロキシプロピルセルロース、キサンタンガム、ビーガム、トラガントゴム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ペクチン、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウムなどの粘度調整剤、グリチルリチン酸誘導体、アラントイン、アズレンなどの抗炎症剤、酸化亜鉛、アラントインヒドロキシアルミニウム、クエン酸などの収れん剤、メントール、カンフルなどの清涼化剤、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸ブチルなどの防腐剤、トリエタノールアミンなどのpH調整剤などを加えてもよい。
【0018】
前記発泡性化粧料組成物の性状は、液状であっても、粘稠液状であっても、またペースト状であってもよいが、そののち発泡させて使用するため、使用温度で噴出させることができ、20℃の温度である程度の粘度(たとえば100〜200000cP程度)を有するものが好ましい。
【0019】
本発明の発泡性化粧料製品は、前記発泡性化粧料組成物を、後述するごとき噴出口を有する非金属容器に充填し、常温においては容器から噴出しうる蒸気圧を実質的に有さないが、容器全体を加熱することによって容器から噴出しうる蒸気圧が生じるようにしたものである。
【0020】
本発明においては、通常のエアゾール製品と異なり、噴出口を有する非金属容器が使用されるが、その理由は、使用する発泡剤の沸点が10〜90℃であるため、常温では容器から噴出しうる蒸気圧を実質的に有さず、したがって高度な耐圧性が要求される従来から使用されているエアゾール容器を使用しなければならないといった制限がなく、使用時の加熱によって生じる噴出に必要な圧力に耐える容器であればよいからである。
【0021】
前記噴出口を有する非金属容器とは、電磁波(マイクロ波)を反射しない材質から製造された従来のエアゾール容器と同様の容器または1回で使い切る程度の量の内容物を収容しうる程度の容積を有する密封容器のことであり、その大きさ、形状としては、噴射可能な圧力をうるために内容量が300cm3以下、好ましくは100cm3以下のごとき大きさ、円筒形(たとえばペットボトル)のごとき形状のものが内圧による応力の集中がない点から好ましい。
【0022】
なお、前記非金属容器の噴出口としては、発泡性化粧料組成物を噴出するためのスプリングを有しない弁(1回使い切りタイプの密封容器のばあいは切開などで開封できる密封部)がとりつけられているのが、マイクロ波を反射しない点から好ましい。
【0023】
前記電磁波を反射しない材質の具体例としては、高分子樹脂、ガラス、エラストマー、ゴム、天然繊維などの1種以上から製造された容器があげられる。これらのうちでは高分子樹脂製容器が成形のしやすさの点から、また、ガラス製容器がほとんどの物質に対して不活性である点から好ましい。
【0024】
前記高分子樹脂の具体例としては、たとえばナイロン、ジュラコン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートなどがあげられる。これらのうちではポリエチレンテレフタレートが内容物に対する安定性の点から好ましい。
【0025】
前記高分子樹脂から容器を製造するばあい、内容量300cm3以下、好ましくは100cm3以下のごとき大きさで、円筒形のごとき形状を有し、内圧による応力の集中がない容器が好ましく製造される。
【0026】
また、前記ガラス容器の具体例としては、たとえば内・外面にポリエチレンテレフタレートをラミネートした開口部を有する有底筒状ガラス容器などがあげられる。
【0027】
また、前記エラストマー製、ゴム製の容器の具体例としては、開口部を有する円筒形のポリエステル系エラストマーなどがあげられる。
【0028】
さらに、前記天然繊維からの容器の具体例としては、開口部を有する円筒形のクラフト紙などの厚さ0.5〜5mmの紙に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネートなどの樹脂を0.8〜2.0g/m2コーティングした紙があげられる。これらのうちでは外面または内面を合成樹脂で覆ったものが強度の点から好ましい。
【0029】
前記ガラス容器を製造するばあい、内容量300cm3以下、好ましくは100cm3以下のごとき大きさで、円筒形のごとき形状を有し、内圧による応力の集中がない容器が好ましく製造される。
【0030】
つぎに、本発明の発泡性化粧料製品に用いる容器について図面を参照しながらさらに詳細に説明する。図1は本発明の発泡性化粧料製品に用いる容器の一実施例を示す弁を有する容器の正面図、図2は図1の容器の主要部の断面説明図、図3は図1の容器に適用できる正立用スパウトの断面説明図、図4は図1の容器に適用できる倒立用スパウトの断面説明図および図5は図1の容器に適用できるくちばし付きボタンの断面説明図である。
【0031】
図1〜2に示される容器は、容器本体1と、キャップ2と、弁3(弁3は傾動可能な弁棒4と、保持部5と、弾性部材であるパッキン6とからなる)とから構成され、これらの各構成要素はすべて非金属材料から作製されている。
【0032】
容器本体1としては、前述のようにガラスびんまたはペットボトルなどが用いられる。とくに容器本体1が透明または半透明であれば、容器本体1の内容物を外部から視認できるため好ましい。
【0033】
また、前記容器本体1がガラスで作製されるばあいには、容器本体1の外面の少なくとも一部、すなわち全部または適宜の部分にポリエチレンテレフタレートなどをコーティングするなどして保護部材の被覆をすることにより、ガラス製の容器本体1の耐衝撃性を向上することができる。また衝撃などにより容器が破裂したばあいであっても、破片などが飛び散らない。
【0034】
キャップ2は、ナイロン、ジュラコンなどの樹脂などからなり、その上面にはステム挿入口2aが開口されている。キャップ2は、容器本体1の開口1aを有する首部1bに固着されている。なお、図1〜2の例では、キャップ2が容器本体1にねじ止めされた例が示されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、圧入、接着などその他の固着方法でもよい。
【0035】
弁棒4は、ナイロン、ジュラコンなどの非金属材料から作製され、リング状のつば部4aがキャップ2のつば受け部2bに係合することにより、キャップ2に傾動自在に取り付けられている。なお、弁棒4は、パッキン6によって常時上方へ付勢されている。
【0036】
保持部5は、ナイロン、ジュラコンなどの非金属材料から作製されている。
【0037】
保持部5は、弁棒4を収容するための空間部5a、および当該空間部5aと容器本体1内部とのあいだを連通する開口5bが形成されている。
【0038】
保持部5は、キャップ2と容器本体1との固着によりキャップ2の内部に固着されている。
【0039】
パッキン6は、前記弁棒4と保持部5とのあいだに配設されている。前記弁棒4が図2に示されるように傾動するとき、パッキン6は弁棒4が元の位置に戻るように復元力を弁棒4に与える。それとともにパッキン6は、弁棒4の上流側開口4bと保持部5の開口5bとを連通する隙間6aができるように弾性変形する。
【0040】
なお、本実施例では弾性部材の例として、パッキンを例にあげて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他にも弾力性のある樹脂(可撓性を有する)などの非金属製の弾性材料を用いてもよい。
【0041】
また、図1〜2に示される容器には、小型製品用であるMP用(Mini Products)のスパウト8が弁棒4に取り付けられている。なお、本発明はスパウト(またはボタン)についてとくに限定するものではなく、種々の形状および構造のスパウトを採用することができる。たとえば、容器を正立(スパウトを上にする)させて用いるための正立用スパウト9(図3参照)、容器を倒立(スパウトを下にする)させて用いるための倒立用スパウト10(図4参照)、およびボタン本体11aに小さい噴射口を有するくちばし11bが設けられたくちばし付きボタン11などを前記スパウト8の代わりに用いることができる。なお、図3〜4において、9a、10aは上流側開口、9b、10bは下流側開口、9c、10cは指で押される部分である。
【0042】
前述のごとく構成された容器は、図2に示されるように、スパウト8を横(図2の左方向)に押すことにより、弁棒4が傾動し、パッキン6に隙間6aができる。それにより、容器本体1の内容物は、チューブ12、保持部5の開口5b、空間部5a、隙間6a、弁棒4の上流側開口4b、弁棒4内部そしてスパウト8の順で通り、外部に噴射される。スパウト8への横方向の操作力をなくせば、弁棒4はパッキン6の復元力によって元の位置に復帰する。それにより、隙間6aは閉じられ、内容物の噴射は止まる。
【0043】
なお、本実施例では、容器の例として、傾動可能な弁棒を有する容器を例にあげて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、非金属製のエアゾール容器であれば、いかなる形状および構造のものでもよく、上下動可能な弁棒および当該弁棒を元の位置に押し上げる弾性部材を備える容器であってもよい。
【0044】
つぎに図6〜8を参照しながら1回使い切りタイプの密封容器について説明する。図6〜8に示される容器12、13、14は、容器本体12a、13a、14aの内部に1回で使い切ることが出来る程度の量(1〜10cm3程度)の内容物を収容することが出来る。使用の際には、電子レンジなどで内容物が収容された容器を加熱し、そののち容器12、13、14の開口12b、13b、14bを開封することにより、加熱された内容物(前記発泡性化粧料組成物)をうることができる。容器12、13、14は1回使い切りタイプなので、弁が不要であり、簡単な構成である。
【0045】
これら容器12、13、14は、簡単な構成でしかも電子レンジなどで加熱できるように、ナイロン、ジュラコンなどの樹脂などから作製されている。
【0046】
図6に示される容器12は、有底筒状の容器本体12aと、該容器本体12aの開口12bを密封する密封部12cとから構成されている。容器本体12aにおける開口12bのくびれた周辺部12dに密封部12cが熱溶着されることにより、開口12bが密封されている。開封するばあいには、前記周辺部12dを切開すればよい。
【0047】
図7に示される容器13は、平たい袋状の容器本体13aと、該容器本体13aの開口13bを密封する密封部13cとから構成され、容器本体13aおよび密封部13cが一体形成されたものである。
【0048】
容器13は、2枚のシートを重ね合わせ、周辺部をヒートシールし、シートの一方の側端から開口13bの部位までミシン目13dを形成するなどにより作製される。図7に示される容器13において、ミシン目13dより下の部分が容器本体13a、上の部分が密封部13cに相当する。開封するばあいには、密封部13cをミシン目13dに沿って容器本体13aから切り離せばよい。
【0049】
図8に示される容器14は、有底筒状の容器本体14aと、該容器本体14aの開口14bを密封するキャップ14cとから構成されている。図8の容器14では、容器本体14aおよびキャップ14cが互いにネジ部14dで脱着自在に固着されている。なお、図示されていないが、ネジ部14dを設ける代わりにキャップ14cを容器本体14aの開口14bの周辺部分に圧入してもよい。
【0050】
つぎに、本発明に用いる組成物の調製法について例をあげて説明する。
【0051】
化粧料成分と発泡剤とが直接混合している組成物のばあい、発泡剤の沸点以上の高温にして調製する必要のある成分をまず調合したのち、発泡剤の沸点以下の低温でも調合できる成分および発泡剤を調合してエマルジョン化することにより、本発明に用いるオイル・イン・ウォーター型エマルジョンタイプの発泡性化粧料組成物が調製される。
【0052】
また、化粧料成分のみをエマルジョン化させたものと発泡剤を混合して、本発明に用いるオイル・イン・ウォーター型エマルジョンタイプの発泡性化粧料組成物を調製してもよい。
【0053】
本発明の発泡性化粧料製品は、このようにして調製された発泡性化粧料組成物を前述のごとき容器に入れたものである。
【0054】
前記非金属容器に発泡性化粧料組成物を充填するに際しては、原液を氷水、ドライアイス・エタノール浴などで冷却し、i−ペンタンなどの発泡剤を原液と混合して容器に充填する。弁を有する容器のばあいは液を容器に充填し、弁にて密封したのち発泡剤を充填し、充分振盪して原液と発泡剤とを乳化させるなどの方法により行なうこともできる。このばあい、原液は水相、油相それぞれを別個に容器に充填してもよい。
【0055】
このようにして製造された本発明の発泡性化粧料製品は、たとえば電子レンジで所定の時間電磁波(マイクロ波)を照射し所定の温度になるように加熱し、容器から噴出しうる蒸気圧を生じせしめられたのち噴出せしめられることによって使用される。
【0056】
電子レンジでの加熱は、たとえば容器に印刷した加熱時間と温度との関係図、容器に付着せしめたインジケータ(たとえば感温塗料の色変化)などを参考にして行なえばよい。加熱時間は内容量の多少によっても異なるが、本発明で使用する非金属耐圧容器は透明〜内容物がすけてみえるものが多いため、内容量の多少の判定にも好都合である。
【0057】
【実施例】
つぎに本発明を実施例に基づいて説明する。
【0058】
実施例1
下記組成の乳液原液を製造し、樹脂を容器の内・外面ともにラミネートしたガラス容器(満注量100cm3)の噴出口を有する非金属耐圧容器に下記エアゾール処方で充填した内容物60gからなる発泡性乳液製品を製造した。
【0059】
【0060】
えられた発泡性乳液製品の25℃での内圧は0.6kg/cm2Gであった。
該発泡性乳液製品を電子レンジ(シャープ(株)製のRE−D5−H)で15秒間熱したところ、35℃、内圧1.3kg/cm2Gになった。
【0061】
加熱後、内容物を噴出させたところ、微発泡の白濁した液状の噴出物がえられ、乳液としてとどこおりなく使用することができた。
【0062】
前記使用を繰り返し、内容物の量が10gになったとき、電子レンジで10秒間加熱することにより、内容物の温度を40℃、内圧1.1kg/cm2Gにすることができ、乳液として使用することができた。
【0063】
実施例2
実施例1で使用した乳液原液、エアゾール処方を下記のように変更した他は実施例1と同様にして、内容物60gからなる発泡性ファンデーション製品を製造した。
【0064】
【0065】
えられた発泡性ファンデーション製品の25℃での内圧は0.8kg/cm2Gであった。該発泡性ファンデーション製品を電子レンジで15秒間加熱したところ、39℃、内圧1.5kg/cm2Gになった。
【0066】
加熱後、内容物を噴出させたところ、微発泡性の噴出物がえられ、ファンデーションとしてとどこおりなく使用することができた。
【0067】
前記使用を繰り返し、内容物の量が10gになったとき、電子レンジで10秒間加熱することにより、内容物の温度を37℃、内圧1.2kg/cm2Gにすることができ、ファンデーションとして使用することができた。
【0068】
実施例3
実施例1で使用した乳液原液、エアゾール処方を下記のように変更した他は実施例1と同様にして、内容物60gからなる発泡性シェービングフォーム製品を製造した。
【0069】
【0070】
えられた発泡性シェービングフォーム製品の25℃での内圧は0.5kg/cm2Gであった。該発泡性シェービングフォーム製品を電子レンジで15秒間加熱したところ、40℃、内圧1.4kg/cm2Gになった。
【0071】
加熱後、内容物を噴出させたところ、やや粘性を有する泡状の噴出物がえられ、シェービングフォームとしてとどこおりなく使用することができた。
【0072】
前記使用を繰り返し、内容物の量が10gになったとき、電子レンジで10秒間加熱することにより、内容物の温度を40℃、内圧1.1kg/cm2Gにすることができ、シェービングフォームとして使用することができた。
【0073】
【発明の効果】
本発明の発泡性化粧料製品は本発明に用いる発泡性化粧料組成物を噴出口を有する非金属容器に入れたものであり、使用する前に製品全体を、たとえば電子レンジで所定の温度まで加熱し、内圧を必要圧に高めて噴出させることによって、暖かく、皮膚への浸透性もよく、使用感に優れた発泡性化粧料にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発泡性化粧料製品に用いる容器の一実施例を示す弁を有する容器の正面図である。
【図2】図1の容器の主要部の断面説明図である。
【図3】図1の容器に適用できる正立用スパウトの断面説明図である。
【図4】図1の容器に適用できる倒立用スパウトの断面説明図である。
【図5】図1の容器に適用できるくちばし付きボタンの断面説明図である。
【図6】本発明の発泡性化粧料製品に用いる容器の他の実施例を示す1回使い切りタイプの密閉容器の一例を示す断面説明図である。
【図7】本発明の発泡性化粧料製品に用いる容器の他の実施例を示す1回使い切りタイプの密閉容器の他の例を示す断面説明図である。
【図8】本発明の発泡性化粧料製品に用いる容器の他の実施例を示す1回使い切りタイプの密閉容器のさらに他の例を示す断面説明図である。
【符号の説明】
1 容器本体
2 キャップ
4 弁棒
5 保持部
6 パッキン
Claims (12)
- 25℃においては容器から噴出しうる1kg/cm 2 G以上の蒸気圧を実質的に有さない水を含有する発泡性化粧料組成物を内容物とする発泡性化粧料製品であって、30〜80℃に加熱することによって容器から噴出しうる1kg/cm 2 G以上の蒸気圧を生じる、噴出口を有する非金属耐圧容器に充填された発泡性化粧料製品。
- 加熱することにより増加する蒸気圧が実質的に沸点10〜90℃のパラフィン系炭化水素の分圧による請求項1記載の発泡性化粧料製品。
- 前記パラフィン系炭化水素の炭素数が5〜6である請求項2記載の発泡性化粧料製品。
- 前記加熱が電磁波(マイクロ波)による加熱である請求項1または2記載の発泡性化粧料製品。
- 前記非金属耐圧容器が電磁波によって影響を受けない物質のみからなる請求項1記載の発泡性化粧料製品。
- 前記非金属耐圧容器が、高分子樹脂、ガラス、エラストマー、ゴム、天然繊維のうちの1種以上からなる請求項1または5記載の発泡性化粧料製品。
- 請求項1、2、3、4、5または6記載の発泡性化粧料製品を加熱することによって、容器から噴出しうる蒸気圧を生じせしめたのち噴出させて使用することを特徴とする発泡性化粧料製品の使用方法。
- 前記加熱が電磁波(マイクロ波)による加熱である請求項7記載の使用方法。
- 請求項1、2、3、4、5または6記載の発泡性化粧料製品に用いる容器であって、非金属製のエアゾール容器からなる容器。
- (a)容器本体と、
(b)該容器本体の開口に固着され、樹脂および/またはゴムで形成された弁とからなる請求項9記載の容器。 - (a)1回で使い切ることができる程度の量の内容物を収容する容器本体と、
(b)該容器本体の開口を密封する密封部とからなる請求項9記載の容器。 - 前記容器本体が透明または半透明である請求項10または11記載の容器。
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