JP4034453B2 - 電動機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動機に関するもので、特に整流子へのオイル付着防止構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電動機において、その整流子へのオイル付着防止構造は、図3に示すように、電動機51に出力を伝える回転軸52、回転軸52の両端を軸支する含浸メタル53,54、含浸メタル53、54へ油を供給する給油パッキン55,56、含浸メタル53から整流子57へ油の飛散を防止する椀状無底の油飛散防止リング(以下、スプラッシュリングという)58、電動機51の外枠であるエンドフレーム59、ヨーク59a、で主に構成され、図中X方向を鉛直上方向に向けて車両に装着される。
【0003】
エンドフレーム59の軸受収納部60には、給油パッキン55、含浸メタル53を収納し、軸受保持具61の外周部をエンドフレーム59の内周壁に圧入してこれらを保持する。また回転軸52にはスプラッシュリング58を圧入し、その凹部側にスラストワッシャ62を挿入する。そして、この回転軸52をエンドフレーム59開口側よりスプラッシュリング58の凹部側が含浸メタル53に対面するように挿通して、オイル付着防止構造を提供している。このようにすれば、回転軸52を伝い含浸メタル53から漏れだしたオイルは回転軸52の回転に伴う遠心力により飛散し、その飛散したオイルを整流子57に付着するのをスプラッシュリング58が阻止している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この場合スプラッシュリング58の回転軸52への圧入径、回転軸52の径、回転軸52表面の面粗度、回転軸52へのスプラッシュリング58の圧入角度を厳密に管理しないと、スプラッシュリング58圧入内周面と回転軸52外周面との間に隙間が生じることとなり、そこからオイルが漏れて飛散し、整流子57に付着することとなるので、厳密な管理の分コストが高くなってしまう。
そこで、回転軸52にシール部材装着溝を形成して、シール部材、例えばOリングを装着する方法も考えられるが、回転軸52への切削加工は工数が大きく、コストが高くなる。また他の部品でシール部材を保持する方法では部品点数が多くなり、コストが高くなる。
本発明はこのような問題を解決するもので、安価かつ確実な整流子へのオイル付着防止構造を備えた電動機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。ただし、下記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、これに限定されるものではない。
【0006】
請求項1に記載の発明は、ステータ(11)とロータ(31)とを備えて、該ステータ(11)の軸受(15,21)に前記ロータ(31)の両端が支持され、前記ロータ(31)の回転軸(32)が略鉛直方向に設置されて、前記回転軸(32)の反重力側の端部には整流子(34)、油飛散防止リング(39)が設けられる電動機(10)において、前記油飛散防止リング(39)にはシール部材挟持部(39a)を設け、該シール部材挟持部(39a)はシール部材(40)を前記回転軸(32)との間で挟持させ、その上部にはスラストワッシャ(36)が前記回転軸(32)に挿通して裁置されて、前記ステータ(11)の軸受(21)との間に隙間(B)が形成されると共に、前記ロータ(31)と前記ステータ(11)との磁気中心をずらし、その距離(A)はシール部材がスラスト方向に移動する前記隙間(B)よりも大きいことを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載される電動機において、前記シール部材挟持部(39a)は前記シール部材(40)を挟持する当接面(39b)を有し、該当接面(39b)の前記シール部材(40)との摩擦抵抗は、前記回転軸(32)が前記シール部材(40)と当接する外周面(32b)の前記シール部材(40)との摩擦抵抗よりも大きいことを特徴としている。
【0008】
【作用】
請求項1に記載の発明によれば、電動機回転中に軸受から油が漏れ出すので、そのときにはステータとロータとの磁気中心が一致するようにロータが鉛直上方向に移動し、シール部材がスラストワッシャに押しつけられてよりシール性が高められる。その結果、軸受から漏れだした油は油飛散防止リングと回転軸との隙間に入り込もうとするが、シール部材によりシール性が確保される。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、電動機回転中は勿論、電動機が停止し、ロータが重力により鉛直下方向に移動しても、シール部材と油飛散防止リングとの摩擦抵抗がシール部材と回転軸との摩擦抵抗よりも大きいので、シール部材が油飛散防止リングから脱落することはない。従って、電動機の回転中、停止中にかかわらず、回転軸と油飛散防止リングとの間は常にシール部材によりシール性が確保される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明を電動機10において具体化した一実施の形態を図1及び図2に従って説明する。
図1は要部断面の説明図であり、この図に示すように、本発明のステータ11はヨーク12とエンドフレーム13にて構成される。ヨーク12は、その内周側壁12a内周に接着された複数のマグネット14、ヨーク12端部に装着されるヨーク側軸受15、ヨーク側軸受15に給油を行うためにその外周に配置されたヨーク側給油パッキン16、ヨーク側軸受15及びヨーク側給油パッキン16を保持するヨーク側軸受保持具17で主に構成される。
【0011】
エンドフレーム13は、図示しないターミナル、ピグテールから給電される複数のブラシ18、ブラシ18を保持するブラシホルダ19、ブラシホルダ19に装着され後述する整流子34へブラシ18を押圧する複数のスプリング20、エンドフレーム13端部に装着されるエンドフレーム側軸受21、エンドフレーム側軸受21に給油を行うためにその外周に配置されたエンドフレーム側給油パッキン22、エンドフレーム側軸受21及びエンドフレーム側給油パッキン22を保持するエンドフレーム側軸受保持具23で主に構成される。
【0012】
ロータ31は、回転軸32、回転軸32に圧入されるコア33、回転軸32に圧入されブラシ18と通電する整流子34、その整流子34の爪に溶着されコア33に巻装された巻線35、回転軸32に挿入されるエンドフレーム側スラストワッシャ36及びヨーク側スラストワッシャ37、回転軸32に圧入されるロータ保持プレート38及びスプラッシュリング39、弾力性を有し回転軸32とスプラッシュリング39との間に挟持されたシール部材の樹脂製Oリング40とで、主に構成される。
【0013】
更にヨーク12、エンドフレーム13、ロータ31についての組付け方法について詳述する。ヨーク12には、ヨーク側給油パッキン16、ヨーク側軸受15を保持するために、ヨーク側軸受保持具17の外周をヨーク12の軸受収納部41の内壁41aに圧入して保持している。また、ヨーク12の内周側壁12aには複数のマグネット14が接着固定されている。
【0014】
また、エンドフレーム13にはブラシホルダ19が一体成形されている。そして、その端部にはヨーク12と同様な方法、即ちエンドフレーム側給油パッキン22、エンドフレーム側軸受21を保持するために、エンドフレーム側軸受保持具23の外周をエンドフレーム13の軸受収納部42の内壁42aに圧入して保持している。尚、ヨーク側軸受15及びエンドフレーム側軸受21は外形を球形状とし、調芯機能を有しており、これもまた回転軸の精度を高めず安価で確実なオイル付着防止構造を提供するための補助的なものである。
【0015】
更に、ロータ31の回転軸32には、コア33及び整流子34が所定の位置に圧入されて、巻線35はコア33のティース間に巻装され、その端部が整流子34の爪に溶着されている。そして、回転軸32の両端からプレス加工にて形成されたロータ保持プレート38及びスプラッシュリング39を、その凹部がそれぞれヨーク側軸受15及びエンドフレーム側軸受21に対面するよう、それぞれ所定の位置まで圧入する。尚、本実施形態ではロータ保持プレート38、スプラッシュリング39はプレス加工された同じ部品である。その結果、回転軸32への圧入穴寸法精度が等しくなり、部品の共有化と共に回転軸32への圧入が容易で、回転軸32を余分に加工する必要がない。そして、弾力性を有する樹脂性Oリング40をスプラッシュリング39の挟持部39aへ挿入し、回転軸32の外周面32bと挟持部39aの内周面39bとの隙間を密閉する。
【0016】
このようにヨーク12、エンドフレーム13、ロータ31の組付けを完了し、次にそれぞれを組み付ける。まず、図1に示すように、ヨーク12開口側から軸受穴15aにロータ13の回転軸32をロータ保持プレートの取付側よりヨーク側スラストワッシャ37とともに挿入する。そして、エンドフレーム13の軸受穴21aをヨーク12開口側より回転軸32に挿入し、ネジ43でヨーク12とエンドフレーム13とを数カ所固定し、図示しないホルダーにて回転軸32の出力軸側32を鉛直上方向に向けて車両に装着する。
【0017】
ところで本実施形態は、上記のように組み付けたとき、各寸法の設定は図1及び図2のようにするだけでよい。ロータ31とステータ11とはヨーク側スラストワッシャ37がヨーク側軸受15に当接することで位置される。このとき、ロータ31の磁気中心とステータ11との磁気中心のずれの距離はAである。また、スプラッシュリング39の回転軸32への圧入位置により、エンドフレーム側スラストワッシャ36とエンドフレーム側軸受21との隙間の距離はBであり、磁気中心のずれの距離Aよりも小さく設定する。このようにすれば、電動機10の回転中はステータ11とロータ31との磁気中心が一致するよう、スラスト方向(図1中X方向)にロータ31が移動する。そして、このときの設定が上記のようになっているので、確実にOリング40をスラストワッシャ36で押しつけるので確実なシールとなる。
【0018】
更に本実施形態では、Oリング40とスプラッシュリング39との摩擦抵抗を、Oリング40と回転軸32との摩擦抵抗よりも大きく設定している。具体的には、Oリング40の弾性力を利用して、回転軸32への押圧力よりもスプラッシュリング39への押圧力を大きくすることで摩擦抵抗を大きくしている。他の実施形態としては、次のようなものがある。(1)回転軸32とスプラッシュリング39との材質を異ならせ、摩擦抵抗の大きな方でスプラッシュリング39を製作する。(2)スプラッシュリング39のOリング40との接触面にディンプル加工する等してその表面粗度を回転軸32のものより大きくする。(3)例えば、Oリング40の断面形状を略半円状としてスプラッシュリング39が接触するほうを直径側とし、Oリング40とスプラッシュリング39との接触面積をOリング40と回転軸32との接触面積よりも増加させる。(5)上記を組み合わせる。
【0019】
このようにすれば電動機10回転中は勿論、電動機10が停止し、ロータ31が重力により鉛直下方向に移動しても、Oリング40とスプラッシュリング39との摩擦抵抗がOリング40と回転軸32との摩擦抵抗よりも大きいので、Oリング40がスプラッシュリング39から脱落することはない。従って、電動機10の回転中、停止中にかかわらず、回転軸32とスプラッシュリング39との間は常にOリング40によりシール性が確保される。
【0020】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1記載の電動機によれば、電動機回転中に含浸メタルから油が漏れ出すので、その時にシール性を確保する。またこのとき寸法の設定だけでよいので、安価かつ確実な整流子へのオイル付着防止構造を備えた電動機を提供することができる。更に請求項2記載の電動機によれば、上述したように電動機停止中であっても、回転軸とスプラッシュリングとの間は常にOリングによりシール性が確保され、安価でより確実にオイル漏れを防止し整流子へのオイル付着を防止する電動機とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明である電動機の実施形態例を示す要部断面図である。
【図2】 本発明である電動機の実施形態例を示す要部拡大断面図である。
【図3】 従来の技術を説明する要部断面図である。
【符号の説明】
10…電動機、11…ステータ、15…(ヨーク側)軸受、
21…(エンドフレーム側)軸受、31…ロータ、 32…回転軸、
34…整流子、36…スラストワッシャ、39…油飛散防止リング、
39a…シール部材挟持部、40…シール部材
Claims (2)
- ステータとロータとを備えて、該ステータの軸受に前記ロータの両端が支持され、前記ロータの回転軸が略鉛直方向に設置されて、前記回転軸の反重力側の端部には整流子、油飛散防止リングが設けられる電動機において、前記油飛散防止リングにはシール部材挟持部を設け、該シール部材挟持部はシール部材を前記回転軸との間で挟持させ、その上部にはスラストワッシャが前記回転軸に挿通して裁置されて前記ステータの軸受との間に隙間が形成されると共に、
前記ロータと前記ステータとの磁気中心をずらし、その距離はシール部材がスラスト方向に移動する前記隙間よりも大きいことを特徴とする電動機。 - 請求項1に記載される電動機において、
前記シール部材挟持部は前記シール部材を挟持する当接面を有し、該当接面のシール部材との摩擦抵抗は、前記回転軸が前記シール部材と当接する外周面の前記シール部材との摩擦抵抗よりも大きいことを特徴とする電動機。
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