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JP3630736B2 - モータ用軸部材の固定方法 - Google Patents

モータ用軸部材の固定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、スピンドルモータ等の軸固定型モータにおいて、モータ用支持部材に対し軸部材を実質状垂直に固定するモータ用軸部材の固定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、円盤状記録媒体を回転駆動するスピンドルモータ等のブラシレスモータにおいては、励磁状態において磁界を発生するステータコイルを備えたステータと、このステータコイルの磁界との電磁相互作用により回転力を得るロータマグネットを有するロータと、ロータマグネットの回転位置を検出する手段とを有する構造のものがよく知られている。そして、軸固定型のモータでは、ブラケットやベース等のモータ用支持部材にシャフトを垂直状に固定し、このシャフトに軸受を介してロータを回転自在に支持すると共に、シャフトまたは支持部材にステータを、これにロータマグネットが若干の隙間を介して対向するように固定する構成となっている。
【0003】
ところで、従来よりシャフトを支持部材に固定する場合、支持部材に下孔を透設し、この下孔にシャフトの端部を挿入して支持部材に対しシャフトを垂直状にしているが、支持部材にシャフトを固着する手段としては、接着剤を用いた接着法、圧入法(焼き嵌め及び接着剤を併用した圧入を含む)、溶接法等が採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来のこの種モータ用軸部材つまりシャフトの固定構造では、接着法の場合、支持部材の下孔内面とシャフトの外周面との間に接着剤を保持する必要上、下孔とシャフトとの嵌め合いを緩くしたり下孔内面に環状の接着剤保持溝を形成することが行われるが、前者の場合、支持部材側及びシャフト側を互いの相対位置を高精度に維持した状態で接着剤の硬化を待たねばならず、特殊な治具が必要であるだけでなく、信頼性が低いといった問題があり、後者の場合、モータの薄型化に伴い下孔の軸方向寸法が小さくなるため、接着剤保持溝を形成することが非常に困難になる問題がある。
【0005】
また、圧入法の場合、シャフトにかじりが生じる欠点があり、しかもプレス機等で大きな荷重を付与する必要があり、装置が大掛かりになる問題がある。特にモータの小型薄型化に対しては支持部材の厚みも小さくなるため十分な強度を確保することが出来なくなる。ここで、焼き嵌めの場合は、潤滑剤使用の動圧軸受を用いたモータでは潤滑剤の漏れを生じる虞があるため採用することができず、接着剤併用の場合は、圧入時にシャフトに塗布した接着剤がしごき出されてしまう難点がある。
【0006】
ところで、磁気ディスクを回転駆動するスピンドルモータにおいては、近年の小型薄型化の要請に対してもシャフトの固定強度を十分に確保する観点から溶接法を採用したものがあり、例えば、特開平6ー253520号公報には、シャフトの基端部にフランジ部(鍔部)を設ける一方、ブラケットの中央に段付き孔部を形成し、フランジ部の下面を孔部の内周縁上面に当接した状態で両者をスポット溶接つまりプロジェクション溶接したものが示されている。
【0007】
しかしながら、この種の溶接法では、シャフトをいわゆるフランジ型とする必要があり、コストアップを招き、しかもブラケットをプレス等で凸加工して段付き孔部を形成する必要があり、予備加工に時間が掛かる問題がある。
【0008】
本発明は、従来の技術の有するこのような問題点に留意してなされたものであり、その目的とするところは、支持部材に対する軸部材の直角度を容易に得た上で軸部材を確実に固定でき、簡単かつ安価に信頼性の高いモータ用軸部材の固定方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第1の発明のモータ用軸部材の固定方法においては、モータ用支持部材における軸部材の固定位置にこの軸部材がルーズ嵌合する寸法の下孔を透設し、下孔の内側に、棒状治具本体に最大外径が前記下孔の内径より大きくなるように複数個の突部を設けた塑性加工用治具を挿入して、下孔の内面に複数条の溝を塑性加工すると共に、下孔の内面の隣合う溝間に内方への盛り上がり部を複数個形成し、軸部材の外径にほぼ等しいサイジング工具を下孔に通して各盛り上がり部の頂部を切除または押しつぶし、下孔に軸部材を嵌挿し、支持部材と軸部材との間に電流を流して支持部材と軸部材とをプロジェクション溶接することを特徴とするものである。
【0010】
この場合、複数条の溝を軸線方向に形成することが望ましく、さらに、塑性加工用治具は、棒状治具本体に複数個の球体を埋め込んで構成するのがよい。
【0011】
また、上記目的を達成するために、第2の発明のモータ用軸部材の固定方法においては、モータ用支持部材における軸部材の固定位置にこの軸部材が嵌合する下孔を透設し、この下孔の内側に、棒状治具本体に最大外径が下孔の内径より大きくなるように複数個の突部を設けた加工用治具を挿入して、下孔の内面に軸線方向の複数条の接着剤保持用溝を形成し、軸部材の外周面に接着剤を塗布した後に、この軸部材を下孔に圧入して軸部材を支持部材に固定することを特徴とするものである。
【0012】
この場合、前記下孔における軸部材の圧入方向下流側を接着剤保持用溝を有さない圧入部とし、下孔における他の部分を接着剤保持用溝を有し軸部材が緩く圧入される軽圧入部とすることが望ましい。そして、下孔における圧入部と軽圧入部との間に、接着剤保持用の環状溝を設けるとなおよい。
【0013】
【作用】
前述のように構成された本発明のモータ用軸部材の固定方法にあっては、第1の発明の場合、モータ用支持部材の下孔の内側に塑性加工用治具を挿入して下孔の内面に複数条の溝を塑性加工し、その後、この下孔にサイジング工具を通して隣合う溝間に形成された塑性加工による盛り上がり部の頂部を切除または押しつぶすことにより、下孔に嵌挿した軸部材と支持部材とを複数条の突起状接合部で接合させることができ、その後のプロジェクション溶接によりこの突起状接合部を溶融させて支持部材と軸部材とを固定できる。この場合、下孔の内面に塑性加工される複数条の溝を軸線方向とすれば、支持部材と軸部材との溶接線を軸線方向に形成できるため、軸部材の支持部材に対する垂直度を高めることが可能になる。
【0014】
また、第2の発明の場合、モータ用支持部材の下孔の内側に加工用治具を挿入して、下孔の内面に軸線方向の複数条の接着剤保持用溝を形成したので、外周面に接着剤を塗布した軸部材を下孔に圧入した際、接着剤が全てしごき出されることなく保持用溝で保持され、下孔の保持用溝以外の内面で軸部材が圧入された上で接着剤により支持部材に固定され、確実な固定構造が得られる。
【0015】
【実施例】
本発明の実施例につき、図1〜図7を参照して説明する。
図1〜図4は、第1の発明に対応する第1の実施例のディスク回転用スピンドルモータを示したものである。
【0016】
図2において、磁気ディスク駆動装置の一部をなしモータ用支持部材となるベース部材2は例えばアルミ合金により形成されており、ベース部材2に凹設された環状凹部4には、その中心部に環状ボス部6、径方向中央部に中間段部8がそれぞれ形成されている。この環状ボス部2には下孔10が穿設され、これに軸部材となるシャフト12の下端部が挿入されて固定されている。シャフト12は鉄系合金材等から形成されている。
【0017】
ベース部材2の中間段部8の上部外周にはステータ14が外嵌して固定されている。ステータ14は、電磁鋼板を複数枚積層してなるステータコアにコイルを巻回して構成されている。中間段部8の上面には、回路基板16が貼り付けて固定され、これにステータ14から引き出されたコイル線が接続され、ベース部材2に埋設したゴムコネクタ18を介してモータ外部へ導出される。
【0018】
ベース部材2に固定されたシャフト12の上部には、半径方向外向へ全周にわたり張り出して形成されたスラスト板20がシャフト12に一体かつ同軸状に設けられている。スラスト板20の上下両面には、図3に示すように、シャフト12の軸心に対して直交するスラスト軸受面20a、20bが実質上平行に形成されており、この両スラスト軸受面20a、20bに、図示省略するが、所定の間隔で設けられたヘリングボーン状の動圧グルーブが周方向に例えばプレス成形により形成されている。スラスト板20の外周部の上下両面には、潤滑剤シール用の面取り状テーパ部が形成されている。
【0019】
シャフト12に対して回転支持されるロータハブ22は、スリーブ体24、ハブ体26、ヨーク28、ロータマグネット30及びスラストブッシュ32から構成されている。スリーブ体24は、銅系合金等を用いて形成され、筒状の垂下部34と、この垂下部34よりも大径でこれと同軸状に設けられた筒状の大径周壁36と、垂下部34と大径周壁36とを連結した環状基部38とから構成されている。垂下部34の内周面にはラジアル軸受面が形成され、これに周方向に配列されたヘリングボーン状の動圧グルーブが上下二段に例えば塑性加工により設けられている。
【0020】
スリーブ体24の垂下部34の内周面とシャフト4の外周面とは、僅かな隙間をもって軸方向に沿って対向配置されており、この隙間にオイル等の潤滑剤が充填されている。これにより、ロータハブ22はシャフト12に対してラジアル方向に動圧軸受支持される。この実施例では、ラジアル動圧軸受として、動圧グルーブがスリーブ体24側に設けられているが、これとは逆にシャフト12側に設けてもよい。
【0021】
スラストブッシュ32は略円盤環状をなし、中央部にシャフト4の上端部が挿通されている。スラストブッシュ32は、その外周側においてスリーブ体24に固定されている。すなわち、スラストブッシュ32における外周側下面が環状基部36の段部上に載置され、またスラストブッシュ32の外周面と大径周壁36の上部内周面とが当接されて保持され、この状態で大径周壁36の上壁が軸側へ塑性変形加工等により加締められ、スラストブッシュ32がスリーブ体24にきつく固定される。
【0022】
この時、スラストブッシュ32の下面と、スリーブ体24の垂下部34の上面とは、それぞれ僅かな隙間をもって、スラスト板20の上下スラスト軸受面20a、20bに対向配置され、このそれぞれの隙間にオイル等の潤滑剤が充填されている。従って、スラストブッシュ32の下面とスラスト板20の上側スラスト軸受面20a、及びスラスト板20の下側スラスト軸受面20bと垂下部34の上面によりスラスト動圧軸受部が構成され、これにより、ロータハブ22を軸方向に位置規制すると共に、回転支持を行なう。
【0023】
スラストブッシュ32の内周上部には、シャフト12の上端部外側を覆うように内方突出部31が一体に設けられている。この内方突出部31とシャフト12とはラビリンス状ギャップを形成しており、上側スラスト動圧軸受部の潤滑剤が外部に飛散することを防止している。なお、スラスト動圧軸受として、動圧グルーブがスラスト板20に設けられたものとは別に、スラストブッシュ32の下面及び垂下部34の上面に設けられていてもよい。
【0024】
スラスト板20の外周側には、これを包囲するように環状空間40が形成されている。この環状空間40は、スラスト板20の上下のスラスト動圧軸受部を分離する機能、及び両スラスト動圧軸受部に保持された潤滑剤が万一外周方向に漏れ出してもこれが外部に流出することがないよう保持する機能を有する。環状空間40は、環状基部38に形成された空気抜き孔41を通して外気と連通されている。これは、環状空間40が密閉されると外気の圧力差によって潤滑剤の飛散を招く危険があるからである。
【0025】
スリーブ体24の大径周壁36の外周部にはアルミ合金等により形成されるハブ体26が固定されており、このハブ体26の下部内周に環状のヨーク28を介してロータマグネット30が配設されている。なお、図示省略の磁気ディスクは、ハブ体26の外周部に嵌め込まれて装着され、下方に形成された鍔部にて受け止められ、図外のクランプ手段により固定される。スリーブ体24の上面すなわちハブ体26の内側上面には、キャップ42が嵌着されている。
【0026】
ところで、前記実施例では、シャフト12のベース部材2への固定はプロジェクション溶接により行われている。この場合、次の要領で溶接が行われる。すなわち、ベース部材2における環状ボス部6に、図4の(a)に示すように、シャフト12がルーズ嵌合する寸法の下孔10を透設する。つぎに、下孔10の内側に、棒状治具本体に最大外径が前記下孔の内径より大きくなるように複数個のボールを設けた塑性加工用治具(図示せず)を軸線方向に挿入し、図4の(b)に示すように、下孔10の内面に複数条の溝43を塑性加工により周方向等間隔に形成する。この時、下孔10の内面の隣合う溝43間には塑性加工による内方への盛り上がり部44が形成され、各盛り上がり部44の頂点を結ぶ円がシャフト12の外径より小さくなる。
【0027】
なお、塑性加工用治具としては、前記垂下部34の内周面における上下二段のヘリングボーン状動圧グルーブの形成用治具と同じものを使用することができ、棒状治具本体に設けたボールの数が少ない場合には、治具を下孔10に通す際に往路と復路とで角度を変えてボールの位置をずらせることで所望の数の溝43を形成することができる。
【0028】
次に、シャフト12の外径にほぼ等しいサイジング工具、例えば剛球を、下孔10の内側に軸方向に通し、各盛り上がり部44の頂部を塑性変形つまり押しつぶすことにより除去する。その後、下孔10にシャフト12を嵌挿するが、この時、図4(b)から明らかなように、シャフト12に対して下孔10の内面が、各盛り上がり部44に相当する位置つまり各サイジング面のみで接合することになる。そして、この状態でベース部材2とシャフト12との間に電流を流し、ベース部材2とシャフト12とをプロジェクション溶接する。すなわち、ベース部材2とシャフト12との間に流れる電流は、断面積が非常に小さいシャフト12とベース部材2との接合部つまり各盛り上がり部44の頂部のサイジング面部位を流れる際、抵抗が非常に大きくなるため、この部分が発熱して溶融し、両者が溶着される。
【0029】
ここで、下孔10の複数個の盛り上がり部44は、ほぼ周方向等間隔の位置に配置されているため、シャフト12の固着箇所はほぼ全周に渡り、強固な固定状態が得られ、しかも、各盛り上がり部44がシャフト12の軸線方向に形成されているため、シャフト12の倒れ等を生じることもなく、ベース部材2に対する垂直状態を容易かつ確実に得ることができる。
【0030】
つぎに、第2の発明に対応する第2の実施例につき、図5ないし図7を用いて説明する。なお、これらの図面において前記と同一符号のものは同一もしくは相当するものを示すものとする。
これらの図面において第1の実施例と異なる点は、ベース部材2におけるシャフト12の固定構造であり、さらに固定シャフト構造でありながらディスククランプ用ねじをセンタータップ構造とした点である。
【0031】
すなわち、ベース部材2の環状ボス部6に透設された下孔46は、図6に示すように、シャフト挿入側(モータ側)から、案内部48、軽圧入兼接着剤保持用長圧入部50、接着剤保持用環状溝部52及び短圧入部54からなっている。
【0032】
案内部48は、シャフト12の外径より若干大きい内径に孔加工された部分であり、シャフト12の下孔46への挿入を容易に案内する。長圧入部50は、シャフト12の傾きつまりベース部材2に対する垂直度を保持し、かつ圧入固定と接着固定とを併用する部分であり、この併用区間を軽圧入として長くしている。具体的には、次のようにして形成される。
【0033】
すなわち、まず下孔46における長圧入部50の部分に、シャフト12の外径にほぼ等しい孔加工を施こす。その後、この孔の内側に、棒状治具本体に最大外径がこの孔の内径より大きくなるように複数個のボールを設けた加工用治具を挿入し、この孔の内面に軸線方向の複数条の接着剤保持用溝56を形成し、さらにこの孔にサイジング工具を挿入し、溝加工により内方に盛り上がった部分を除去し、これにより長圧入部50が形成される。
【0034】
環状溝部52は、接着剤を保持するためのものであり、長圧入部50の下端に各接着剤保持用溝56が連通するように溝加工される。短圧入部54は、シャフト12の下端がきつく圧入される部分であり、シャフト12の外径に等しいか僅かに小さい内径に孔加工されている。
【0035】
このような構成の下孔46に対し、シャフト12の下部外周面に接着剤を塗布した後、このシャフト12をその下部より下孔46に挿入かつ圧入する。下孔46の案内部48はシャフト12より大径に形成されているので、シャフト12の下孔46への挿入が容易に案内され、その作業性が良好なものになる。下孔46の長圧入部50では、シャフト12が軽圧入され、その長さが比較的長く設定されているので、シャフト12の傾きが垂直状態に保持される。シャフト12に塗布された接着剤の一部は保持用溝56に保持され、シャフト12の固定状態を確実に保持する。
【0036】
シャフト12の下端部は、短圧入部54できつく圧入され、これにより抜け強度が確保され、この短圧入部54への圧入過程においてシャフト12の下端部の接着剤がしごき出されるが、この接着剤は環状溝52で保持され、外部に流出することはない。
【0037】
ところで、シャフト12の上端部には、上面に開口した遊挿口58が形成されており、これにキャップ60の中心の軸部62が遊挿されている。キャップ60はロータハブ22の上面に一体に嵌着され固定されており、軸部62には上面に開口したクランプ用ねじ孔64が形成されている。そして、ロータハブ22のハブ体6に磁気ディスクを装着し、クランプをねじ孔64にねじを螺合して締着する。この結果、軸固定タイプでありながらセンタータップ方式を採用できることになる。この場合、キャップ60とスラストブッシュ32とを一体構造としてもよい。
【0038】
以上、本発明のスピンドルモータの実施例について説明したが、本発明の主旨を逸脱しない範囲で設計変更乃至修正等自由である。例えば、第2の実施例では、環状ボス部6にある程度の軸方向長さが確保されているため、案内部48、軽圧入兼接着剤保持用長圧入部50、接着剤保持用環状溝部52及び短圧入部54を設ける構成としているが、ベース部材自身に厚みがない場合には、このベース部材のシャフト固定位置に透設した下孔の内面に、その全長に渡って軸線方向に複数条の接着剤保持用溝を形成し、圧入と接着剤とを併用してシャフトを固定するようにしてもよい。
【0039】
また、前記実施例では、ベース一体型スピンドルモータに適用し、磁気ディスク駆動装置のベース部材をモータ用支持部材とした場合について説明したが、ブラケット型スピンドルモータの場合、つまり磁気ディスク駆動装置のベース部材にスピンドルモータのブラケットを取り付けるタイプの場合、ブラケットをモータ用支持部材として前記と同様に実施することができる。
【0040】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、次に記載するような効果を奏する。
請求項1に記載のモータ用軸部材の固定方法によると、モータ用支持部材の下孔の内側に塑性加工用治具を挿入して下孔の内面に複数条の溝を塑性加工し、その後のサイジング加工により盛り上がり部の頂部を切除または押しつぶして複数条の突起を形成し、その後のプロジェクション溶接によりこの突起を溶融させて支持部材と軸部材とを固定するようにしたので、従来のようにプロジェクション溶接する場合にシャフトにフランジ部を形成したりブラケットに段付き孔部をプレス加工等で形成する必要がなく、下孔に塑性加工用治具を挿入しサイジング工具を挿入するだけでよく、予備加工が非常に簡単になる効果がある。
【0041】
また、この場合に、下孔の内面に塑性加工される複数条の溝を軸線方向とすれば、支持部材と軸部材との溶接線を軸線方向に形成できるため、軸部材の支持部材に対する垂直度を高めることが可能になるメリットが得られる。さらに、塑性加工用治具を棒状治具本体に複数個の球体を埋め込んで構成した場合、動圧軸受構造のスピンドルモータで多用されている動圧溝加工用治具をそのまま下孔の溝加工に適用でき、別途治具を用意する必要がない。
【0042】
請求項4に記載のモータ用軸部材の固定方法によると、モータ用支持部材の下孔の内側に加工用治具を挿入して下孔の内面に軸線方向の複数条の接着剤保持用溝を形成したので、外周面に接着剤を塗布した軸部材を下孔に圧入した際、接着剤が全てしごき出されることなく保持用溝で保持され、下孔の保持用溝以外の内面で軸部材が圧入された上で接着剤により支持部材に固定され、確実な固定構造が得られる。
【0043】
そして、下孔における軸部材の圧入方向下流側を接着剤保持用溝を有さない圧入部とし、下孔における他の部分を接着剤保持用溝を有し軸部材が緩く圧入される軽圧入部とすることにより、軸部材の抜け強度を所定確保した上で軸部材の垂直度を得、確実な固定構造とすることができる。さらに、下孔における圧入部と軽圧入部との間に接着剤保持用の環状溝を設ければ、軸部材の圧入部への圧入時にしごき出された接着剤をこの環状溝で保持でき、接着剤の流出を防止できるだけでなく、接着固定の固定強度がさらに高まる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるモータ用軸部材の固定方法の第1の実施例を示すスピンドルモータのベース部材とシャフトとの結合部の一部除去断面図である。
【図2】図1のスピンドルモータの全体構成を示す断面図である。
【図3】図2のスピンドルモータの動圧軸受部を示す拡大断面図である。
【図4】図1の環状ボス部の平面図を示し、(a)は下孔の孔加工時、(b)は塑性加工時である。
【図5】本発明によるモータ用軸部材の固定方法の第2の実施例を示すスピンドルモータの全体断面図である。
【図6】図5のベース部材とシャフトとの結合部の一部除去断面図である。
【図7】図6の切断平面図である。
【符号の説明】
2 ベース部材
10,46 下孔
12 シャフト
43 溝
44 盛り上がり部
50 長圧入部
52 環状溝
54 短圧入部
56 保持用溝

Claims (6)

  1. モータ用支持部材に対し軸部材を実質状垂直に固定するモータ用軸部材の固定方法であって、
    前記支持部材の前記軸部材固定位置に前記軸部材がルーズ嵌合する寸法の下孔を透設し、前記下孔の内側に、棒状治具本体に最大外径が前記下孔の内径より大きくなるように複数個の突部を設けた塑性加工用治具を挿入して、前記下孔の内面に複数条の溝を塑性加工すると共に、前記下孔の内面の隣合う前記溝間に内方への盛り上がり部を複数個形成し、前記軸部材の外径にほぼ等しいサイジング工具を前記下孔に通して前記各盛り上がり部の頂部を切除または押しつぶし、前記下孔に前記軸部材を嵌挿し、前記支持部材と前記軸部材との間に電流を流して前記支持部材と前記軸部材とをプロジェクション溶接することを特徴とするモータ用軸部材の固定方法。
  2. 前記複数条の溝は、軸線方向に形成されている請求項1記載のモータ用軸部材の固定方法。
  3. 前記塑性加工用治具は、前記棒状治具本体に複数個の球体を埋め込んでなる請求項1記載のモータ用軸部材の固定方法。
  4. モータ用支持部材に対し軸部材を実質状垂直に固定するモータ用軸部材の固定方法であって、
    前記支持部材の前記軸部材固定位置に前記軸部材が嵌合する下孔を透設し、前記下孔の内側に、棒状治具本体に最大外径が前記下孔の内径より大きくなるように複数個の突部を設けた加工用治具を挿入して、前記下孔の内面に軸線方向の複数条の接着剤保持用溝を形成し、前記軸部材の外周面に接着剤を塗布した後、前記軸部材を前記下孔に圧入して前記軸部材を前記支持部材に固定することを特徴とするモータ用軸部材の固定方法。
  5. 前記下孔における前記軸部材の圧入方向下流側は接着剤保持用溝を有さない圧入部とされ、前記下孔における他の部分は前記接着剤保持用溝を有し前記軸部材が緩く圧入される軽圧入部とされている請求項4記載のモータ用軸部材の固定方法。
  6. 前記下孔における前記圧入部と前記軽圧入部との間には、接着剤保持用の環状溝が設けられている請求項5記載のモータ用軸部材の固定方法。
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