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JP4033542B2 - 錠剤供給装置 - Google Patents

錠剤供給装置 Download PDF

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JP4033542B2
JP4033542B2 JP04617898A JP4617898A JP4033542B2 JP 4033542 B2 JP4033542 B2 JP 4033542B2 JP 04617898 A JP04617898 A JP 04617898A JP 4617898 A JP4617898 A JP 4617898A JP 4033542 B2 JP4033542 B2 JP 4033542B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、病院や薬局等で行われる調剤を自動化するための錠剤供給装置に関し、詳しくは、供給剤形の多様化に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9(a)に外観斜視図を示すとともに同図(b)に内部模式図を示した錠剤分包機10は、多数の錠剤フィーダ13と、これらの錠剤フィーダ13から排出された錠剤1を収集する収集機構14,15と、この収集機構14,15から受けた錠剤1を包装する包装装置17とを備え、処方に応じて適宜の錠剤フィーダ13から錠剤を排出させ、それを錠剤収集機構14,15で収集して下方の錠剤投入部16へ送り込み、さらに包装装置17で分包するものである。
【0003】
すなわち、錠剤分包機10の筐体内には、上の方に薬品庫11が設けられるとともに、下の方に包装装置17が設けられ、さらに、これらの間を錠剤収集機構としてのシュート14及びホッパ15が連絡しているが、薬品庫11には、個々にスライドしうる複数の錠剤収納庫12が横に並べて配設され、それぞれの錠剤収納庫12には、数個から数十個の着脱可能な錠剤フィーダ13が縦横に並べて格納されている。
【0004】
各錠剤フィーダ13は、多数の錠剤をストックする容器部と指定錠数だけ錠剤を排出する機構とを具えており、これらには薬品の種類ごとに分けて各種の錠剤が収容されている。具体的には(図9(c)参照)、蓋13aの付いたカセット13bと、隔壁13dの周設された整列盤13cとが、枠板13eに取り付けられていて、筒部13gを介して13cが回転させられると、カセット13b内の錠剤1が隔壁13dの間へ次々に入って整列するとともに、排出口13fから逐次一錠づつ落下するようになっている。さらに、錠剤フィーダ13は、錠剤収納庫12に取り付けられたベース13kに対して容易に着脱しうるように、モータ13jの回転がスプライン軸13iを介して筒部13gに伝達されるものとなっている。
【0005】
錠剤収納庫12には、ほぼ中央を上下に延びた管状のシュート14が組み込まれるとともに、各錠剤フィーダ13の排出口13fがベース13kの貫通口13h及び適宜の延長管路等を経て近くのシュート14に連通している。そして、錠剤フィーダ13から排出された錠剤1は、貫通口13hを経てシュート14へ導かれ、シュート14内を落下して、ホッパ15へ案内される。このようなシュート14は、それぞれの錠剤収納庫12毎に設けらる。これにより、収集機構のうちシュート14は、多数の錠剤フィーダ13間を並行して走る複数の案内路部分となっている。
【0006】
ホッパ15は、薬品庫11の下方であって包装装置17の上方にあたるところに組み込まれ、上部開口が総てのシュート14の下端をカバーするほどに大きく開く一方、下部開口が包装装置17の錠剤投入部16に向けて絞られており、何れのシュート14によって案内された錠剤1でも下部開口へ向けて集めて包装装置17へ送り込むのである。これにより、収集機構のうちホッパ15は、複数の案内路としての総てのシュート14から包装装置17へ至る共通路部分となっている。
【0007】
そして、用量や用法等を記した処方箋等の指定に基づく操作パネル19の操作や図示しないホストコンピュータからの送信などによる調剤指示に応じて、コントローラ18の制御の下、幾つかの錠剤フィーダ13から排出された錠剤1は、所要の時間を掛けながらシュート14を介してホッパ15内へ落下し、そのホッパ15でも更に時間を掛けながら収集されて、その下方の出口から包装装置17の錠剤投入部16へ投入される。このような錠剤収集経路を経て、錠剤1は、包装装置17によって包装帯2に分包される。包装装置17は、包装帯2を所定長ずつ送り出すとともに加熱シーリングしながら分包を行う。
こうして、錠剤の自動分包に際し、適宜の錠剤フィーダ13から収集機構14,15を経て包装装置17へ錠剤1が一錠またはその倍数ごとに供給されるのである。
【0008】
一方、処方によっては錠剤1を1/2錠単位で提供しなければならないことも有り、かかる要請に対処すべく予め錠剤1を半裁しておく装置として、受けた錠剤が切断部に至るとカッターを押し下げて錠剤を2片に分割する錠剤分割機が知られている(特開平3−114241号公報)。これで半裁された錠剤片は、共に落下して下方の容器内に収集され、必要に応じて調剤作業者によって取り出される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来の錠剤分包機では、錠剤の自動供給・自動収集・自動分包が行われ、従来の錠剤分割機では、一錠未満の単位での錠剤供給が行われている。
しかしながら、従来の錠剤分包機では一錠単位での錠剤供給しか行えない一方、従来の錠剤分割機では一括供給するだけで自動分包が行えない。しかも、半裁された錠剤を錠剤分包機の錠剤フィーダで供給しようとすると、割れた錠剤片は整列し難いことから、なかなか排出できなかったり、逆に2片同時に排出されてしまったりするので、錠剤分割機で半裁した錠剤を錠剤分包機で自動分包するのは困難である。
【0010】
このため一錠未満の錠剤を含む調剤については手作業に依存してきたのであるが、その点も含めて調剤作業の更なる自動化が必要である。しかも、その自動化に際して、調剤作業者の作業ミスを防止する等の観点から一錠未満の錠剤であっても従来の一錠単位での錠剤と同様に取り扱えることが要請される。
そこで、調剤作業者が錠剤を一錠単位で取り揃えるだけで後の処理は一錠未満の錠剤を含む調剤であっても自動で進められるような装置を案出することが課題となる。
【0011】
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、一錠未満の錠剤でも自動供給しうる錠剤供給装置を実現することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するためになされた本発明の錠剤供給装置について、その構成および作用効果を以下に説明する。
【0013】
本発明の錠剤供給装置は(、出願当初の請求項1に記載の如く)、受けた錠剤を裁断する裁断手段と、この裁断手段によって裁断された錠剤を個々の裁断片ごとに排出する排出手段とを備えたものである。
【0014】
このような構成の錠剤供給装置にあっては、上流側に別体の錠剤フィーダがセットされ又は錠剤収容部が一体的に連結されて用いられるが、その場合、錠剤は、錠剤フィーダや錠剤収容部から一錠単位で逐次排出され、裁断位置に受け入れられて裁断手段によって二等分や四等分など所定の分割数に裁断され、その後、排出手段によって個々の裁断片ごとに排出される。
これにより、基本の一錠単位で保持・収容されていた錠剤を一錠未満の単位で後続の包装装置等に自動供給することができる。
【0015】
このように錠剤を一錠未満の単位で供給しうるようにしたことにより、全部または一部に半錠等での投薬を必要とするような調剤に関してもそうでない調剤とほぼ同様の自動化が達成される。
したがって、この発明によれば、一錠未満の錠剤でも自動供給しうる錠剤供給装置を実現することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
このような解決手段で達成された本発明の錠剤供給装置について、これを実施するための形態を説明する。
【0017】
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施形態は、上述した解決手段の錠剤供給装置であって、前記裁断手段は錠剤の裁断を選択的に行うものであることを特徴とする。
この場合、同種の錠剤でも選択に従って裁断されたり裁断されないままで供給されたりする。これにより、錠剤が一錠単位と一錠未満の単位との何れの単位でも供給されることとなる。
このように錠剤の供給単位を選択可能なようにしたことにより、同種の錠剤を一錠単位での供給用とそれ未満の単位での供給用とに分けて準備しておく必要が無くなる。
【0018】
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施形態は、上述した解決手段および実施形態の錠剤供給装置であって、前記裁断手段および前記排出手段による錠剤の通過経路のうち何れかのところに臨む清掃手段が設けられていることを特徴とする。
このような錠剤供給装置にあっては、錠剤を裁断した際に発生する屑や粉は、清掃手段によって錠剤供給装置から除去される。また、処方によっては未裁断の錠剤を供給しなければならなくなったときに未だ錠剤の裁断片が供給されずに残っている場合も有り得るが、この場合、供給の不要な裁断片は、清掃手段によって錠剤の通過経路から取り除かれ、未裁断の錠剤は、そこを妨げられることなく通過して排出される。これにより、錠剤が一錠単位であろうと一錠未満の単位であろうと必要に応じて適宜の単位で供給されることとなる。
このように錠剤の供給単位を適宜に選択しうるようにしたことにより、自動調剤に際して広い範囲の処方指示に木目細かく応えることができる。
【0019】
【第1実施例】
本発明の錠剤供給装置の一実施例およびそれを搭載した錠剤分包機について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。
図1(a)は、錠剤分包機の内部模式図であり、従来例の図9(b)に対応している。なお、外観図は割愛したが図9(a)に示した外観がこの錠剤分包機にも適合する。
図1(b)は、錠剤供給装置と錠剤フィーダとの連結状態等を示している。
【0020】
また、図2は、錠剤供給装置の内部構造を示す縦断正面図であり、図3は、その裁断機構を示すA−A横断面図であり、図4は、その選択機構を示すB−B横断面図であり、図5は、その排出機構を示すC−C横断面図である。
なお、取り付け板や支軸などの図示は、これを割愛した。また、従来例と同様の構成要素には同一の符号を付して示したので、その再度の説明は割愛し、以下、従来例との相違点を中心に述べる。
【0021】
この錠剤分包機20が従来例の錠剤分包機10と相違するのは(図1(a)参照)、薬品庫11のうちホッパ15に近いところに錠剤供給装置30が装着されている点である。また、これに付随してコントローラ18は錠剤供給装置30の動作制御も行うものとなっている。
【0022】
この錠剤供給装置30は、錠剤収納庫12(錠剤フィーダ格納庫)に格納された錠剤フィーダ13のうち最下の錠剤フィーダの一つに組み合わせて装着しうるよう、横長で薄めに形成されている。具体的には、横に並んだ2台の錠剤フィーダ13が占める空間に納まる大きさであって、高さが更に低くなるように、直方体に纏められている。このような錠剤供給装置30は、錠剤フィーダ13より下でホッパ15よりも上のところで錠剤収納庫12の底部に取着されて、錠剤フィーダ13の装着数を減じること無く且つホッパ15の引き出し作業等を妨げることも無く、錠剤分包機20の機能を拡張するものとなっている。
【0023】
そして、錠剤供給装置30には(図1(b)参照)、錠剤フィーダ13の装着されたベース13kの貫通口13hにフレキシブルホース等の管路を用いて連通させられる錠剤受入口31が上面に形成されるとともに、ホッパ15の上部開口に向けて開いた錠剤排出口32が下面に形成され、さらにこれらの間を繋ぐように錠剤半裁機構40及び錠剤搬出機構50が内蔵され、吸引排出機構60も組み込まれる。これにより、錠剤供給装置30は、上方に格納された錠剤フィーダの錠剤排出口に向けて錠剤受入口が形成されたものとなっている。
【0024】
錠剤供給装置30の内部には(図2参照)、ボックス34に囲まれた背の低い空間に各種作動部材を納めるため、上から下へ順に、錠剤受入口31を形成するチューブ33が配置され、カッターカム41にて駆動される裁断機構41〜43(錠剤半裁機構40)が配置され(A−A面を参照)、シャッターカム44にて駆動される選択機構44〜46(錠剤半裁機構40)が配置され(B−B面を参照)、プッシュカム51にて駆動される錠剤搬出機構51〜58(搬出機構50)が配置されている(C−C面を参照)。これらのカッターカム41,シャッターカム44,及びプッシュカム51は、モータ36によって駆動される共通のシャフト35に取り付けられていて、同期しながら回転するようになっている。
【0025】
チューブ33は、受けた錠剤1を落下させながら立てるために、上部が漏斗状に形成され、下部が錠剤1の縦断面より僅かに広い横断面長方形の内腔を持った筒体に形成されている(図2,図3参照)。
錠剤半裁機構40のうち裁断機構41〜43は(図3参照)、一端部がカッターカム41のカム面に当接して追従するよう水平に軸支されたカッターレバー42と、カッターレバー42の他端部に装着されたカッター43とを具えて、カッターカム41が1回転する間にカッター43が、カット位置と(図中の実線部を参照)、待避位置(図中の二点鎖線部を参照)とを往復移動するようになっている。
【0026】
チューブ33には下端から錠剤1の半径分だけ上のところにカッター43の刃を出し入れできるだけの切欠が形成されており、チューブ33の下部の内腔に錠剤1が入っているときにカッター43がカット位置に来ると、その錠剤1は、チューブ33内でカッター43によって切断され、上下の2片に分かれることとなる。そして、カッター43が待避するまで、上側の錠剤片はチューブ33及びカッター43によって囲まれて自然落下を阻止される。これにより、錠剤供給装置30は、受けた錠剤を裁断するとともに、上側の錠剤片を一旦留め置くものとなっている。
【0027】
錠剤半裁機構40のうち選択機構44〜46は(図4参照)、一端部がシャッターカム44のカム面に当接して追従するよう水平に軸支されたシャッターレバー45と、一端部がシャッターレバー45の他端部に当接するよう水平に軸支されたシャッター46とを具えて、シャッターカム44が1回転する間にシャッター46が、開位置と(図中の実線部を参照)、閉位置(図中の二点鎖線部を参照)とを往復移動するようになっている。シャッター46は、チューブ33の下端の直ぐ下のところに設置されていて、開位置でチューブ33の下端から外れてそこの開口を解放する一方、閉位置でチューブ33の下端開口を塞ぐものとなっている。
【0028】
また、このシャッター46は、シャッターレバー45と分離可能な別部材からなり、図示しない牽引ワイヤによってシャッターレバー45から離れる方向Dにバネ力以上の力で強制的に引かれると、シャッターカム44やシャッターレバー45の動作状態に拘わらずチューブ33の下端開口を解放する。チューブ33は下端開口が塞がれていると、受け入れた錠剤1をカッター43による切断位置に保持するが、その開口が解放されていると、受け入れた錠剤1を切断位置に止めること無く通過させてしまう。これにより、錠剤半裁機構40は、錠剤の裁断をシャッター46の強制牽引の有無に応じて選択的に行うものとなっている。
【0029】
錠剤搬出機構50は(図5参照)、一端部が回転可能に軸支され中間部がプッシュカム51のカム面に当接して追従するよう水平に軸支されたプッシュカムレバー52と、一端部がプッシュカムレバー52の他端部の長穴内で往復移動しうるよう水平に軸支されたプッシュカップレバー53と、チューブ33の下方のところから錠剤排出口32の上方のところまで延びたガイド56とを具えて、プッシュカム51が1回転する間にプッシュカップレバー53の他端部がガイド56のほぼ全長に亘って大きく往復移動するようになっている。
【0030】
プッシュカップレバー53の他端部のうちチューブ33の真下に当たるところには錠剤1の通過可能なプッシュカップエントリ54が貫通形成され、その先には錠剤1を遊ばせた状態で保持する空間として下方に向けて開口したプッシュカップ55が形成されている。これに対し、ガイド56には、ほぼ全域に亘って上方から浅い溝57が掘られ、さらにその溝底のうち錠剤排出口32の上方のところには錠剤排出口32に通じる貫通口58も形成されている。そして、ガイド56は、チューブ33下方の受入位置でプッシュカップエントリ54を介して受けた錠剤1を、プッシュカップ55及び溝57内に保持しながら移動して、貫通口58のところの排出位置へ水平に移送する。これにより、錠剤半裁機構40によって裁断された錠剤、及び裁断されずに錠剤半裁機構40を通過した錠剤が、錠剤排出口32を介してホッパ15へ排出されるようになっている。
【0031】
吸引排出機構60は、その詳細な図示は割愛したが、別体の吸引機から延びた吸引ホースの先端がプッシュカップレバー53の移動を妨げ無いようガイド56のうち貫通口58の近傍のところに取り付けられて、溝57及びプッシュカップ55の内側を吸引排気するものである。この吸引排気により、溝57やプッシュカップ55内の錠剤1またはその欠片は、貫通口58から排出される前に、吸い出されて清掃される。また、この吸引排出機構60には、吸引機による吸引力を断続する切換手段が付設されていて、溝57等の清掃は選択的に行える。これにより、吸引排出機構60は、裁断手段および排出手段による錠剤の通過経路のうち排出直前のところに臨んで、プッシュカップレバー53等の実装を制約しないものとなっている。
【0032】
この実施例の錠剤供給装置および錠剤分包機について、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。図6は、そのその動作説明図であり、(a)が裁断・選択・排出用の各カムの初期状態を示し、(b)が各作用部材の作動状態を各カムの回転に対応させて示したタイムチャートであり、(c)〜(g)が各作動状態における錠剤1等の動きを示した簡略図である。
【0033】
処方箋等に基づく調剤指示に応じたコントローラ18の制御の下、幾つかの錠剤フィーダ13から排出された錠剤1は、所定の時間を掛けながらシュート14を介してホッパ15内へ落下して行くが、その際、錠剤供給装置30を用いた半錠ごとの錠剤供給が必要になると、錠剤供給装置30は錠剤1を受け入れるための初期状態となり、これに連結された錠剤フィーダ13から錠剤1の排出が行われる。このとき、錠剤供給装置30は、各カム41,44,51の回転角度が基準状態(0゜)になっていて(図6(a)参照)、カッター43がチューブ33の切断位置から出、シャッター46がチューブ33の下端を閉じ、プッシュカップ55はチューブ33直下の受入位置に来ている(図6(b)参照)。この状態のところに錠剤フィーダ13から来た錠剤1は、チューブ33に受け入れられてシャッター46によって止められチューブ33の切断位置に保持される(図6(c)参照)。
【0034】
それから、各カム41,44,51が回転して切断状態になると(図6(b)における50゜〜90゜のところを参照)、カッター43がチューブ33の切断位置に入り、シャッター46が外れてチューブ33の下端が開く。プッシュカップ55はチューブ33直下の受入位置のままである。そして、チューブ33内の錠剤1は、カッター43によって切断されて上下に分かれ、上半錠がカッター43に載ってチューブ33内に止まる一方、下半錠がガイド56上に落下する(図6(d)参照)。
【0035】
続いて、各カム41,44,51の回転が排出状態に進むと(図6(b)における120゜〜150゜のところを参照)、カッター43及びシャッター46はそのままで、プッシュカップ55がチューブ33直下の受入位置から貫通口58のところの排出位置まで移動する。そうすると、錠剤1は、上半錠をチューブ33内に残したままで、下半錠がガイド56によって貫通口58及び錠剤排出口32へと案内される(図6(e)参照)。
【0036】
さらに、各カム41,44,51が半回転したところで(図6(b)における180゜のところを参照)、プッシュカップ55が受入位置に戻る。
こうして、各カム41,44,51が半回転だけ駆動される間に、錠剤フィーダ13から排出され錠剤供給装置30に受け入れられた錠剤1が裁断され、その下半錠の裁断片が錠剤供給装置30からホッパ15へ排出される。この錠剤1の裁断片は、他の錠剤フィーダ13から排出された錠剤1と共に、そのホッパ15でも更に時間を掛けながら収集されて、その下方の出口から包装装置17の錠剤投入部16へ投入され、さらに包装装置17によって包装帯2に分包される。
【0037】
引き続き半錠の錠剤を供給する必要があれば、他の幾つかの錠剤フィーダ13からの錠剤排出とシュート14及びホッパ15による錠剤収集と並行して、各カム41,44,51の回転が進められる(図6(b)における210゜〜270゜のところを参照)。なお、連結された錠剤フィーダ13からの錠剤排出は無い。この状態では、カッター43がチューブ33の切断位置から出る一方、シャッター46はチューブ33の下端を解放したままであり、プッシュカップ55はチューブ33直下の受入位置のままである。そして、チューブ33内の錠剤1の上半錠は、ガイド56上に落下する(図6(f)参照)。
【0038】
続いて、各カム41,44,51の回転が2度目の排出状態に進むと(図6(b)における300゜〜330゜のところを参照)、プッシュカップ55がチューブ33直下の受入位置から貫通口58のところの排出位置まで移動して、錠剤1の上半錠は、ガイド56によって貫通口58及び錠剤排出口32へと案内される(図6(g)参照)。さらに、各カム41,44,51が一回転し終えたところで(図6(b)における360゜のところを参照)、シャッター46がチューブ33の下端開口を閉めるとともに、プッシュカップ55が受入位置に戻る。
【0039】
そして、このようにして各カム41,44,51が後半の半回転を駆動される間に、前半の半回転の後も錠剤供給装置30内に残っていた錠剤1の上半分が、錠剤供給装置30からホッパ15へ排出される。この錠剤1の裁断片は、他の錠剤フィーダ13から排出されシュート14にて案内された錠剤1と共に、そのホッパ15でも更に時間を掛けながら収集されて、その下方の出口から包装装置17の錠剤投入部16へ投入され、さらに包装装置17によって包装帯2に分包される。
【0040】
こうして、錠剤の自動分包に際し、適宜の錠剤フィーダ13から収集機構14,15を経て包装装置17へ錠剤1が一錠またはその倍数ごとに供給されるとともに、錠剤供給装置30及びこれに連結された錠剤フィーダ13からは、半裁された錠剤が個々の裁断片ごとにホッパ15へ排出されて、一錠未満の錠剤を含んだ供給・収集・分包が行われるのである。しかも、一錠単位での錠剤供給がシュート14を介して行われるのと並行して、一錠未満での錠剤供給は錠剤供給装置30を介してシュート14をバイパスしながら行われるので、一錠未満での錠剤供給も速やかに行われる。
【0041】
次に、半錠ごとの錠剤供給の後に同じ錠剤を一錠単位で供給する必要が生じた場合について述べる。この場合、錠剤供給装置30では、シャッター46が強制牽引されて(図4のD参照)チューブ33の下端開口が常時開状態になるとともに、カム41,44,51が各分包サイクルごとに半回転では無く一回転する。また、錠剤供給装置30に連結された錠剤フィーダ13は、各分包サイクルごとに錠剤1を排出する。すると、錠剤フィーダ13から錠剤供給装置30に来た錠剤1は、チューブ33に受け入れられると、シャッター46によって止められること無く直ちにガイド56上に落下する(図6(h)参照)。
【0042】
そして、各カム41,44,51が一回転する間に、カッター43によって分割されること無く、プッシュカップ55及びガイド56によって錠剤排出口32へ案内されて、ホッパ15へ排出される。
こうして、錠剤の自動分包に際し、一錠未満での錠剤供給を担う錠剤フィーダ13及び錠剤供給装置30からも、一錠単位での錠剤供給が行われる。しかも、何れの単位による錠剤供給であっても、処方に応じて適宜選択して行うことができる。
【0043】
なお、半錠ごとの錠剤供給から一錠単位での供給に移行する際に錠剤供給装置30のチューブ33内に錠剤1の裁断片が残っていた場合、錠剤供給装置30では、シャッター46の強制牽引に続けて、吸引排出機構60を作動させるとともに、その作動を継続させながら各カム41,44,51が基準位置まで回転する。そうすると、残っていた裁断片は、ガイド56に案内されて貫通口58の方へ送られるが、そこへ至る前に吸引排出機構60によって除去される。そして、吸引排出機構60を停止させてから、上述したようにして一錠単位での供給が行われる。
こうして、何れの単位による錠剤供給が選択されても、確実に切り換えて処理することができる。
【0044】
【第2実施例】
図7の模式図に別の実装状態を示した錠剤分包機70は、錠剤供給装置30が薬品庫11の中に装着されている点で、上述した錠剤分包機20と相違する。この錠剤供給装置30は、上述したように横に並んだ2台の錠剤フィーダ13が占める空間に納まる大きさに纏められていて、錠剤フィーダ格納庫に対し一対の錠剤フィーダに代えて格納しうるように形成されたものとなっていることから、薬品庫11内の錠剤収納庫12に装着された多数の錠剤フィーダ13のうち左右に隣接した2個の錠剤フィーダ13を外して、そこに確保された空間に納められる。また、その直ぐ上に装着されている錠剤フィーダ13の一つの錠剤排出口に対して錠剤受入口31が連通させられるとともに、錠剤排出口32が近くのシュート14へ連通させられる。
【0045】
このような錠剤分包機70及び錠剤供給装置30は、錠剤1の供給に際して錠剤1の裁断片もシュート14を介して行われることを除き上述したのと同様に動作し使用することができる。
しかも、この場合、多数の錠剤フィーダ13のほぼ任意のものに対して錠剤供給装置30を組み合わせることができるうえ、錠剤供給装置30を組み合わせる錠剤フィーダ13の個数についても制限が無くなる。
【0046】
【第3実施例】
図8の模式図に他の実装状態を示した錠剤分包機80は、錠剤供給装置30が薬品庫11の下方に装着されている点で、上述した錠剤分包機20と相違する。すなわち、錠剤供給装置30に加えてこれに連結される錠剤フィーダ13もホッパ15の横に設置され、その際、横幅の大きい錠剤供給装置30が下になり錠剤フィーダ13がその上になり而も一方の端に寄り、ホッパ15の傾斜を利用して錠剤フィーダ13と錠剤供給装置30の大部分とがホッパ15の斜め下側に納められる。また、錠剤供給装置30の錠剤排出口32は、ホッパ15の傾斜面途中に形成された連通口に連結させられる。
【0047】
このような錠剤分包機80及び錠剤供給装置30も、第1実施例に関して述べたのと同様に動作し使用することができる。
しかも、この場合、ホッパ15の形状に基づく未利用空間を使用して錠剤フィーダ13を増やすことができたことに加えて、裁断処理等に時間を要する一錠未満での錠剤自動供給を行っても、続くホッパ15による収集距離が短縮されていて収集処理が短時間で済むので、錠剤供給から分包までのサイクルは高水準を維持することができる。
【0048】
【他の実施例】
なお、以上の実施例では、錠剤供給装置30がベース13kを介して間接的に錠剤フィーダ13へ連結されるようになっているが、これに限られるわけで無く、錠剤供給装置30にベース13kやモータ13jを組み込んで、錠剤フィーダ13が直に錠剤供給装置30へ装着されるようにしても良い。
また、吸引排出機構60の作動は、不要な半錠を除去する場合に限られず、裁断や,衝突,摺動などに起因して生じた小片を除去する場合など、錠剤通過経路や装置内の清浄を維持するために適宜行っても良い。
【0049】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の錠剤供給装置にあっては、錠剤を一錠未満の単位で供給しうるようにしたことにより、全部または一部に半錠等での投薬を必要とするような調剤に関してもそうでない調剤とほぼ同様の自動化を達成することができたという有利な効果が有る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の錠剤供給装置の一実施例について、それを搭載した錠剤分包機の内部模式図、および錠剤フィーダとの連結状態等を示す図である。
【図2】 錠剤供給装置の内部構造を示す縦断正面図である。
【図3】 その裁断機構を示すA−A横断面図である。
【図4】 その選択機構を示すB−B横断面図である。
【図5】 その排出機構を示すC−C横断面図である。
【図6】 その動作説明図である。
【図7】 別の実装状態を示す模式図である。
【図8】 他の実装状態を示す模式図である。
【図9】 従来の錠剤分包機の斜視図および内部模式図と、錠剤フィーダの縦断側面図である。
【符号の説明】
1 錠剤(玉剤)
2 包装帯
10 錠剤分包機
11 薬品庫(薬品棚部、錠剤収納庫格納部)
12 錠剤収納庫(錠剤フィーダ格納ユニット)
13 錠剤フィーダ
14 シュート(案内路、上部錠剤収集経路、錠剤収集機構)
15 ホッパ(共通路、下部錠剤収集経路、錠剤収集機構)
16 錠剤投入部(収集錠剤投入口)
17 包装装置
18 コントローラ(制御装置)
20 錠剤分包機
30 錠剤供給装置
31 錠剤受入口(錠剤通過経路)
32 錠剤排出口(錠剤通過経路)
33 チューブ(錠剤受入部材、裁断錠剤保持部、錠剤通過経路)
34 ボックス(箱体、外枠、筐体)
35 シャフト(回転軸、伝動体)
36 モータ(回転源、駆動源)
40 錠剤半裁機構(裁断機構、選択機構)
41 カッターカム
42 カッターレバー
43 カッター
44 シャッターカム
45 シャッターレバー
46 シャッター
50 錠剤搬出機構(排出機構)
51 プッシュカム
52 プッシュカムレバー
53 プッシュカップレバー
54 プッシュカップエントリ
55 プッシュカップ
56 ガイド(案内部材)
57 溝(錠剤通過経路)
58 貫通口(錠剤通過経路)
60 吸引排出機構(清掃機構)
70 錠剤分包機
80 錠剤分包機

Claims (3)

  1. 受けた錠剤を錠剤受入口から入れて選択的に裁断する裁断手段と、この裁断手段によって裁断された錠剤裁断片および裁断されなかった錠剤を個々に錠剤排出口から排出する排出手段とを備え、前記錠剤受入口から前記排出口へ至る一本の錠剤通過経路が前記の裁断片にも未裁断の錠剤にも共用されるようになっていることを特徴とする錠剤供給装置。
  2. 前記錠剤通過経路に臨む清掃手段が設けられ、前記裁断片のうち供給の不要なものが前記清掃手段によって前記錠剤通過経路から取り除かれるようになっていることを特徴とする請求項1記載の錠剤供給装置。
  3. 前記裁断手段が錠剤裁断時には前記錠剤通過経路を断つ態様で切り込むことにより前記錠剤通過経路の中の錠剤を通過方向の先後に分割するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の錠剤分包機。
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