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JP2011083357A - 錠剤分割装置 - Google Patents

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Yoshito Omura
義人 大村
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Abstract

【課題】簡素な直線状の刃を用いても破片の出難い切込みがなされるよう改良する。
【解決手段】真っ直ぐな刃31,32を具備した裁断機構30にて錠剤10を裁断して半錠10aに分割する錠剤分割装置20について、裁断機構30に四節平行リンクを導入し、その対向二辺に刃31,32を装備して、対向二枚刃31〜32が、平行を保ちながら対向間隙を拡縮させて錠剤裁断を行うとともに、対向間隙拡縮に際して平行方向へ相対的にずれるようにする。これにより、引き切りのように切れ味よく錠剤10が裁断される。また、裁断対象の錠剤10を裁断機構30のところに留め置く受止機構40を昇降機構44にて移動させて対向二枚刃31〜32に対する錠剤10の留置位置を調整する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、錠剤を裁断して幾つかの錠剤裁断片に分割する錠剤分割装置に関する。
錠剤を2片に分割する錠剤分割装置として、一錠ずつ受けた錠剤にカッターを押し下げて錠剤を裁断する従前の錠剤分割機の他、一錠単位で保持・収容されていた錠剤を一錠未満の単位で後続の包装装置等に自動供給できるよう、錠剤通過経路を断つ態様で切り込むことにより錠剤通過経路の中の錠剤を通過方向の先後に分割して錠剤裁断片を個々に排出する錠剤供給装置や(例えば特許文献1参照)、受けた錠剤をカッターの刃で上下に裁断して下側の錠剤裁断片は先に排出するが上側の錠剤裁断片はカッター上に一旦留め置き次のカッター動作にて遅れて排出する錠剤供給装置が実用化されている(例えば特許文献2参照)。また、薬剤を排出可能に収容する薬剤カセットを着脱可能に支持してその排出駆動を行うベース部に、薬剤カセットに付された識別情報を読み取る読取装置を付設した自動調剤装置も開発されている(例えば特許文献3参照)。
特開平11−226088号公報 特開平11−226089号公報 特開2005−192702号公報
ところで、従来の錠剤分割装置では、左右に分割するにしろ、上下に分割するにしろ、ほぼ真っ直ぐな刃を錠剤に向けて例えば斧の如く刃先から垂直に押し込むようにして裁断していた。この裁断手法は簡便である一方、目的の錠剤裁断片だけでなく目的外の無駄な破片が出ることがあり、不所望な破片が出ると比較的細かいとは言ってもその大きさも形も一定しないので、無駄になる分量を予測して予め対処しておくもできなかった。
これに対し、円板状の丸刃を回転させながら錠剤に切り込む裁断手法を用いれば、破片が出難いうえ、その代わりに出る粉塵は安定な僅少量になると、期待される。
しかしながら、回転刃で切り込む場合、一般的な手法では、回転運動をさせながら切込移動も行うことになるため、裁断機構が複雑で原価高になりやすいうえ、スループット(単位時間当り処理量,能率)が低下しがちである。
そこで、両者の利点を兼備した錠剤分割装置を実現することが基本的な課題となるが、具体的には、簡素で能率が良いうえ破片の出難い錠剤分割装置を実現すべく、簡素な直線状の刃を用いながらも切れ味の良い切込みがなされるよう裁断機構を改良することが、技術的な課題となる。
本発明の錠剤分割装置は(解決手段1)、このような課題を解決するために創案されたものであり、真っ直ぐな刃を具備した裁断機構にて錠剤を裁断して複数の錠剤裁断片に分割する錠剤分割装置において、前記刃が対向状態で二枚設けられ、前記裁断機構が、前記対向二枚刃を平行に保ちながらその対向間隙を拡縮させて錠剤裁断を行うものであって対向間隙拡縮に際して前記対向二枚刃を平行方向へ相対的にずらすようになっていることを特徴とする。
また、本発明の錠剤分割装置は(解決手段2)、上記解決手段1の錠剤分割装置であって、前記裁断機構が四節平行リンクを具備したものであり、前記対向二枚刃が前記四節平行リンクの対向二辺に装備されていることを特徴とする。
さらに、本発明の錠剤分割装置は(解決手段3)、上記解決手段1,2の錠剤分割装置であって、裁断対象の錠剤を前記裁断機構のところに留め置く受止機構と、前記受止機構を移動させて前記対向二枚刃に対する前記錠剤の留置位置を調整する錠剤位置調整手段と、前記錠剤の薬剤情報を取得する情報取得手段と、その取得した薬剤情報に基づいて前記錠剤位置調整手段を作動させる制御手段とを備えたことを特徴とする。
このような本発明の錠剤分割装置にあっては(解決手段1)、対向二枚刃が錠剤を挟んで両側から切り込むため、片側だけの切り込みに比べて、それぞれの刃の切込深さが半減するうえ、錠剤の変形も表裏対称に近づくので、破片の発生頻度も量も少なくなる。
しかも、対向二枚刃が平行方向へ相対的にずれながら錠剤に切り込むことから、刃先が錠剤に対し垂直でなく斜めに押し込まれるため、例えば刺身の引き切りのように切れ味が良くなるので、破片の発生頻度も量も更に少なくなる。
したがって、この発明によれば、簡素な直線状の刃を用いながらも切れ味の良い切込みがなされるように裁断機構が改良され、その結果、刃の部分が簡素で能率が良いうえ破片の出難い錠剤分割装置を実現することができる。
また、上述のような所望の機能を裁断機構に発揮させるために裁断機構において刃の枚数が増えるとともにその配置や動作に条件が課されているが、本発明の錠剤分割装置にあっては(解決手段2)、裁断機構を四節平行リンクにて具現化したことにより、裁断機構の複雑化が回避抑制されている。
したがって、この発明によれば、簡素な直線状の刃の使用を踏襲したうえで、その周りにも簡素な機構を採用したことにより、裁断機構全体が簡素で能率が良いうえ破片の出難い錠剤分割装置を実現することができる。
さらに、本発明の錠剤分割装置にあっては(解決手段3)、裁断対象の錠剤の受け止め位置が薬剤情報に基づいて自動調整されるようにしたことにより、種々の錠剤に対して形状が異なっていても切断・裁断が自動的に適切な部位で行われることとなる。
したがって、この発明によれば、簡素で能率が良いうえ破片が出難く更には各種錠剤に自動で対応できる錠剤分割装置を実現することができる。
本発明の実施例1について、錠剤分割装置の構造を示し、要部機構の展開斜視図である。 (a)〜(c)いずれも錠剤通過経路周辺の簡略正面図である。 (a)〜(e)いずれも錠剤通過経路周辺の簡略正面図である。 (a)〜(d)いずれも裁断機構の平面図である。 本発明の実施例2について、錠剤分割装置の要部構造を示し、(a)〜(b)いずれも裁断機構と受止機構の斜視図である。 本発明の実施例3について、錠剤分割装置の構造を示し、(a)が平面図、(b)が正面図、(c)が右側面図、(d)が錠剤カセットを外したところの右側面図である。 (a)が一部断面で示した要部機構の背面図、(b)が錠剤案内部材のAA矢視断面図である。 (a)〜(d)いずれも一部断面で示した錠剤通過経路周辺の背面図である。 本発明の実施例4について、錠剤分割装置の構造を示し、要部機構の簡略立面図である。
このような本発明の錠剤分割装置について、これを実施するための具体的な形態を、以下の実施例1〜4により説明する。
図1〜4に示した実施例1は、上述した解決手段1〜3(出願当初の請求項1〜3)を具現化したものであり、図5に示した実施例2や、図6〜8に示した実施例3、図9に示した実施例4は、その変形例である。
なお、それらの図示に際しては、簡明化等のため、ボルト等の締結具や,モータドライバ等の電気回路,コントローラ等の電子回路の詳細などは図示を割愛し、発明の説明に必要なものや関連するものを中心に図示した。
本発明の錠剤分割装置の実施例1について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図1は、錠剤分割装置20の要部機構の展開斜視図であり、筐体や支持部材などの図示は割愛している。また、図2(a)〜(c)は、いずれも、錠剤通過経路をなす錠剤案内部材25とそれに臨んで設けられた対向二枚刃31〜32及び受止機構40の簡略正面図である。
この錠剤分割装置20は(図1参照)、錠剤カセット15を着脱自在な錠剤フィーダベース部21と、そこの錠剤導入部23と共に錠剤通過経路を囲っている錠剤案内部材25と、錠剤10を上下に裁断する裁断機構30と、裁断機構30の下方で裁断対象の錠剤10を裁断機構30のところに留め置く受止機構40と、受止機構40を上下方向に移動させる昇降機構44とを具えている。なお、錠剤カセット15は、適宜取り替えられるものであり、ベース部21に装着されて錠剤10を一錠ずつ排出できれば足り、その底面にはカセット識別情報が例えばバーコード印刷で付されている(特許文献3参照)。
錠剤フィーダベース部21には(図1,特許文献1〜3参照)、錠剤カセット15の排出駆動を担うギアやモータと、例えばバーコードリーダからなり錠剤カセット15のカセット識別情報を読み取る識別情報読取部22と、カセット錠剤通過経路の先頭部分を囲う錠剤導入部23とが装備されている。また、錠剤導入部23には、錠剤カセット15から排出された錠剤10の投入される貫通穴が形成されており、錠剤カセット15から落下して錠剤導入部23を通過する錠剤10を検出する錠剤検出部材24が付設されている。
裁断機構30は(図1参照)、錠剤通過経路の途中に配設された四節平行リンクを主体にしたものであり、その四節平行リンクの長辺側の対向二辺に二枚の刃31,32を一枚ずつ分けて装備している。その刃31,32は、何れも、真っ直ぐな刃からなり、刃先を向け合う対向状態で、而も平行状態で、対向二枚刃となっている。裁断機構30の四節平行リンクの短辺側の一方には従動ギヤ33が設けられており、これと噛合する駆動ギヤ34が電動モータ35にて双方向回転させられると、四節平行リンクが長方形状に広がって錠剤通過経路を開けたり単板状に閉じて錠剤通過経路を塞いだりし、それに随伴して対向二枚刃31〜32が離接するが、常態では離隔し裁断時に当接するようになっている。
受止機構40も(図1参照)、裁断機構30と同様に錠剤通過経路の途中に配設された四節平行リンクを主体にしたものであるが、刃31,32は装備していない。受止機構40の四節平行リンクの短辺側の一方には従動ギヤ41が設けられており、これと噛合する駆動ギヤ42が電動モータ43にて双方向回転させられると、やはり四節平行リンクが長方形状に広がって錠剤通過経路を開けたり単板状に閉じて錠剤通過経路を塞いだりするが、受止機構40は、常態で閉じて錠剤10を受け止め、錠剤10やその錠剤裁断片である半錠10a等を落下排出させる時には開くようになっている。
錠剤案内部材25は(図1では下端部だけ図示、全体は図2を参照)、全体か少なくとも裁断機構30の近傍部分が相互距離を変えうる複数部材の組み合わせからなり、それの囲っている錠剤通過経路の幅や径を拡縮しうるようになっている。そして、それと上述の昇降機構44とが制御装置の制御に従って協動するようにしたことにより、形状の異なる各種の錠剤について対向二枚刃31〜32に対する錠剤の留置位置を適切に調整する錠剤位置調整手段が具現化されている。具体的には、裁断対象の錠剤の薬剤情報に基づいて錠剤案内部材25が拡縮するとともに受止機構40が上下動することで錠剤留置位置が自動調整されるようになっている。
例えば、小さくて丸い錠剤10については(図2(a)参照)、錠剤案内部材25が幅を狭めるとともに受止機構40が上昇し、大きくて丸い錠剤11については(図2(b)参照)、錠剤案内部材25が幅を広げるとともに受止機構40が下降し、長丸状の錠剤12については(図2(c)参照)、錠剤案内部材25が幅を狭めるとともに受止機構40が下降する。何れの錠剤にしろ、受止機構40に留め置かれたときには、錠剤案内部材25の囲う錠剤通過経路の中で姿勢が安定するとともに、所期の裁断部位が対向二枚刃31〜32の間に位置するようになっている。
この実施例1の錠剤分割装置20について、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。図3(a)〜(e)は、いずれも、錠剤通過経路を囲う錠剤案内部材25とそれに臨んで設けられた対向二枚刃31〜32と受止機構40と錠剤検出部材24,26の簡略正面図であり、図4(a)〜(d)は、いずれも、裁断機構30の平面図である。
錠剤分割装置20に電源を投入した直後の装置始動時や,錠剤分割装置20の錠剤フィーダベース部21に錠剤カセット15を装着した時には、その底面のカセット識別情報が識別情報読取部22にて読み取られ、そのカセット識別情報から制御装置のデータベース検索等によって薬剤情報が取得される。各種薬剤を収容した多数の錠剤カセット15のうち錠剤分割装置20に装着される可能性のあるものについてはそのカセット識別情報と収容薬剤の薬剤情報が予めデータベースに設定されており、それにアクセスすることで、裁断対象の錠剤10を適切に裁断するのに必要な情報,特に形状情報が得られる。
そして、その薬剤情報に基づいて錠剤案内部材25の拡縮と受止機構40の上下動が行われて自動調整されると、裁断機構30の対向二枚刃31〜32が常態の開状態をとるとともに受止機構40が常態の閉状態をとっていることを前提として、錠剤裁断の準備が調う(図3(a)参照)。そして、錠剤カセット15から錠剤10が排出され、その落下が錠剤検出部材24によって検出され、更に所定時間が経過すると、錠剤10が更に落下してから受止機構40により受け止められて対向二枚刃31〜32の間に留め置かれる(図3(b)参照)。その留置位置は、錠剤10を均等に二分割するのであれば、錠剤10の中央が対向二枚刃31〜32の間に来ることとなる。
それから、裁断機構30の対向二枚刃31〜32が刃先を接近させて当接し合い、それによって錠剤10が上下に二分割される(図3(c)参照)。その状態から、先ず、受止機構40が開いて、下側の錠剤裁断片である半錠10bが落下する(図3(d)参照)。次に、対向二枚刃31〜32も開いて、上側の錠剤裁断片である半錠10aも落下する。こうして、裁断対象の錠剤10が一錠ずつ裁断機構30に送り込まれて対向二枚刃31〜32によって裁断され、錠剤裁断片が個々に落下排出される。なお、裁断機構30も受止機構40も開いていれば、錠剤10が単に通過して落下するので、錠剤10を裁断しないでそのまま排出することもできる。
また、裁断機構30にて錠剤10を裁断するときには、四節平行リンクが長方形状になっていて対向二枚刃31〜32が開いていると(図4(a)参照)、その間に錠剤10が入ってきて裁断の準備が調ったら(図4(b)参照)、四節平行リンクが菱形に変形して対向二枚刃31〜32の対向間隙が狭まり(図4(c)参照)、対向二枚刃31〜32の刃先が触れ合うときには錠剤10が完全に切断されるが(図4(d)参照)、その際、対向二枚刃31〜32は平行方向へ相対的にずれるので、錠剤10の表裏から逆向きに引き切り様の切り込みがなされるので、錠剤10は綺麗に裁断される。
図5(a),(b)に裁断機構30と受止機構40の斜視図を示した本発明の錠剤分割装置が上述した実施例1のものと相違するのは、駆動ギヤ42の駆動を駆動ギヤ34と一緒に電動モータ35が行うようになった点である。これにより、電動モータ43が不要になって、その分だけ機構部が簡素化されている。そして、裁断機構30が開くのと並行して受止機構40が閉じる一方(図5(a)参照)、裁断機構30が閉じるのと並行して受止機構40が開くようになっている(図5(b)参照)。
この場合、裁断対象の錠剤を受け入れるときには裁断機構30が開くとともに受止機構40が閉じ(図5(a)参照)、受止機構40にて留め置かれた錠剤を裁断するときには裁断機構30が閉じるとともに受止機構40が開く(図5(b)参照)。裁断機構30の閉動作によって錠剤は上下に分割され、そうすると、下側の半錠は落下するが、上側の半錠は裁断機構30の上にとどまる。そして、もう一回、裁断機構30が開閉するとともに受止機構40が閉開すると、上側の半錠も落下する。
こうして、この場合も、錠剤が上下に分割されて、錠剤裁断片が個々に排出される。
本発明の錠剤分割装置の実施例3について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図6(a)〜(c)は、錠剤カセット15を装着した錠剤分割装置50の全体外観を示し、(a)が平面図、(b)が正面図、(c)が右側面図である。また、図6(d)は、錠剤分割装置50から錠剤カセット15を外したところの右側面図である。さらに、図7は、(a)が一部断面で示した要部機構の背面図、(b)が錠剤案内部材25のAA矢視断面図である。また、図8(a)〜(d)は、いずれも一部断面で示した錠剤通過経路周辺の背面図である。
この錠剤分割装置50は(図6参照)、独立した卓上型の専用機として使いやすいよう、前面上部の傾斜面に表示部53や操作部52を装備した小さな筐体51にコンパクト実装されている。錠剤フィーダベース部21は筐体51の上面に装備され、その斜め下方には裁断機構30と共に錠剤案内部材25が内蔵され、その下には引出可能な半錠受箱55が差し込まれている。制御装置54や電源なども筐体51に内蔵されている。
なお、これらのうち上述の実施例1,2で言及しなかったことは、必ずしも相違点でなく、ここまで説明を遅らせたにすぎない。
この錠剤分割装置50が上述した実施例1の錠剤分割装置20と相違する主な点は(図7参照)、受止機構40及び電動モータ43に代えて受止部材56及び電動モータ57が導入された点と、錠剤案内部材25が拡縮しなくなった点と、錠剤案内部材25が鉛直でなく傾斜している点と、錠剤案内部材25の傾斜に伴って同じ傾斜角だけ裁断機構30と受止部材56も傾斜している点である。
錠剤案内部材25は、錠剤導入部23の直下部分を除いて、錠剤通過経路をなす大部分が全体的に鉛直から角度θほど傾斜するとともに(図7(a)参照)、各部の断面においても鉛直から角度φほど傾斜している(図7(b)参照)。傾斜角θは、錠剤10が錠剤案内部材25の下側内面を転がり落ちるか滑り落ちるよう比較的大きく例えば45゜にされるが、傾斜角φは錠剤10が軽く寄り掛かる程度で良いので傾斜角θより小さく例えばは15゜にされる。このように傾斜させた錠剤案内部材25は、拡縮しない簡素な部材になっていても、落下する錠剤を下側の二辺で接触支持するので、形やサイズの異なる各種錠剤について落下案内時の姿勢を安定させることができるものとなっている。
受止部材56は、開閉変形などしない簡素な単板になったうえ(図7(a)参照)、電動モータ57の駆動によって錠剤案内部材25の囲う錠剤通過経路を上り下りするだけになっている。そして、長丸状の錠剤12を裁断機構30の所に留め置くときには錠剤案内部材25の下端近傍に位置し(図8(a)参照)、大きくて丸い錠剤11については裁断機構30に少し近づき(図8(b)参照)、小さくて丸い錠剤10については裁断機構30に最接近するようになっている(図8(c)参照)。
このような錠剤留置位置の調整動作は上述したのと同様であるが、裁断して出来た半錠10a,10bや裁断せずに通過させる錠剤10を半錠受箱55に落下させるときには、上述したのと異なり、受止部材56が大きく下がるようになっている(図8(d)参照)。すなわち、受止部材56が下がって、受止部材56と錠剤案内部材25との離隔距離が広がり、錠剤案内部材25の下端の先が十分に解放されると、錠剤や錠剤裁断片がそこを通過して落下するようになっている。
この場合、錠剤案内部材25が固定部材になり、受止部材56の動作が単一になって、それらの駆動を担う機構やモータが削減や簡素化されているが、この場合も、滞りなく、錠剤が上下に分割されて、錠剤裁断片が個々に排出される。
図9に要部機構の簡略立面図を示した本発明の錠剤分割装置が上述した実施例3のものと相違するのは、裁断機構30が錠剤案内部材25と受止部材56との間に介挿設置されて錠剤案内部材25の傾斜方向と受止部材56の傾斜方向との真ん中の方向を向いている点である。図示した具体例の場合、裁断機構30が鉛直になっており、錠剤案内部材25が鉛直から反時計回りに45゜ほど傾き、受止部材56が鉛直から時計回りに45゜ほど傾いている。
この場合、裁断機構30を基準にした錠剤案内部材25の線対称位置Bに受止部材56が来ていれば、径の大小に拘わらず円形や球形の丸い錠剤は二等分される。それ以外の形状たとえば長丸状の錠剤が裁断対象のときには、その薬剤情報の示す形状に応じて適宜な位置Cに受止部材56が移動し、さらに錠剤や錠剤裁断片を落下させるときには、裁断機構30や錠剤案内部材25の下端から十分に離れて錠剤通過に適う位置Dまで受止部材56が大きく移動する。そのため、この場合も、滞りなく、錠剤が上下に分割されて、錠剤裁断片が個々に排出される。
[その他]
上記実施例では、識別情報読取部22で読み取ったカセット識別情報から薬剤情報を検索して錠剤の形状を把握するようになっていたが、操作部52を操作して錠剤形状情報や処理錠数を入力し、それを表示部53で目視確認するようにしても良い。あるいは、錠剤案内部材25などに例えばライン型CCDからなる測長器を設け、その測長結果に応じて受止機構40や受止部材56を移動させるようにしても良く、そうすることにより、薬剤情報のデータベースが不要になるので、初期設定やデータ更新の作業が軽減される。
本発明の錠剤分割装置は、上述した実施例のように単独の錠剤分割機として具体化される他、既述した特許文献1,2の装置のように錠剤分包機等に組み込んでも良い。
10…錠剤、10a,10b…半錠(錠剤裁断片)、
11,12…錠剤、15…錠剤カセット、
20…錠剤分割装置、
21…錠剤フィーダベース部、22…識別情報読取部、
23…錠剤導入部(錠剤通過経路)、24…錠剤検出部材、
25…錠剤案内部材(錠剤通過経路)、26…半錠検出部材、
30…裁断機構(四節平行リンク)、31,32…刃、
33…従動ギヤ、34…駆動ギヤ、35…電動モータ、
40…受止機構(四節平行リンク)、41…従動ギヤ、
42…駆動ギヤ、43…電動モータ、44…昇降機構、
50…錠剤分割装置、51…筐体、
52…操作部、53…表示部、54…制御装置、
55…半錠受箱、56…受止部材、57…電動モータ

Claims (3)

  1. 真っ直ぐな刃を具備した裁断機構にて錠剤を裁断して複数の錠剤裁断片に分割する錠剤分割装置において、前記刃が対向状態で二枚設けられ、前記裁断機構が、前記対向二枚刃を平行に保ちながらその対向間隙を拡縮させて錠剤裁断を行うものであって対向間隙拡縮に際して前記対向二枚刃を平行方向へ相対的にずらすようになっていることを特徴とする錠剤分割装置。
  2. 前記裁断機構が四節平行リンクを具備したものであり、前記対向二枚刃が前記四節平行リンクの対向二辺に装備されていることを特徴とする請求項1記載の錠剤分割装置。
  3. 裁断対象の錠剤を前記裁断機構のところに留め置く受止機構と、前記受止機構を移動させて前記対向二枚刃に対する前記錠剤の留置位置を調整する錠剤位置調整手段と、前記錠剤の薬剤情報を取得する情報取得手段と、その取得した薬剤情報に基づいて前記錠剤位置調整手段を作動させる制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載された錠剤分割装置。
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