JP4021211B2 - 飛行機の燃料供給装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、翼端側燃料タンク、中央燃料タンクおよび翼根側燃料タンクからなる翼内燃料タンク内の燃料をコレクタタンクを介してエンジンに供給する飛行機の燃料供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
飛行機の主翼に設けられる翼内燃料タンクはスパン方向に分割されて相互に連通する複数の区画を有しており、エンジンに燃料を供給する燃料ポンプが各々の区画に設けられる。翼内燃料タンクに残存する燃料が僅かになった状態で飛行機が左右にバンクすると、翼内燃料タンクの複数の区画間で燃料が移動することで、空になった区画に設けられた燃料ポンプが機能しなくなる可能性がある。そこで従来は、各々の区画に設けられた各々の燃料ポンプの燃料供給量(吐出容量)を、エンジンを運転するのに必要な燃料供給量よりも大きく設定することで、少なくとも一つの燃料ポンプが作動していればエンジンを運転できるようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の如く翼内燃料タンクの複数の区画に対応して複数の燃料ポンプを設け、かつ各々の燃料ポンプの吐出容量をエンジンが必要とする燃料供給量よりも大きく設定すると、複数の燃料ポンプのトータルの吐出容量が極めて大きなものとなってしまう。
【0004】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、エンジンへの必要な燃料供給量を確保しながら、燃料ポンプをできるだけ小型化して重量およびポンプ駆動力を軽減することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、飛行機の翼内に配置された翼端側燃料タンク、中央燃料タンクおよび翼根側燃料タンクからなる翼内燃料タンクと、翼端側燃料タンクから中央燃料タンクへの燃料の移動を許容して逆方向の燃料の移動を規制するフラッパーバルブと、中央燃料タンクから翼根側燃料タンクへの燃料の移動を許容して逆方向の燃料の移動を規制するフラッパーバルブと、エンジンに燃料を供給するコレクタタンクと、翼端側燃料タンクの燃料をコレクタタンクに供給する翼端側燃料ポンプと、中央燃料タンクの燃料をコレクタタンクに供給する中央燃料ポンプと、翼根側燃料タンクの燃料をコレクタタンクに供給する翼根側燃料ポンプとを備えた飛行機の燃料供給装置であって、翼端側燃料ポンプの燃料供給量をVtとし、中央燃料ポンプの燃料供給量をVcとし、翼根側燃料ポンプの燃料供給量をVrとし、コレクタタンクからエンジンへの燃料供給量をVeとしたとき、前記燃料供給量Vt,Vc,Vr,Veを、Vr>Ve、Vt+Vc>Ve、Vc<Veが成立するように設定し、翼根側燃料ポンプを翼根側燃料タンクの翼根寄りの位置に配置し、翼端側燃料ポンプおよび中央燃料ポンプをそれぞれ翼端側燃料タンクおよび中央燃料タンクの翼端寄りの位置に配置したことを特徴とする飛行機の燃料供給装置が提案される。
【0006】
上記構成によれば、翼端側燃料ポンプの燃料供給量Vt、中央燃料ポンプの燃料供給量Vc、翼根側燃料ポンプの燃料供給量Vrおよびコレクタタンクからエンジンへの燃料供給量Veとの関係を、Vr>Ve、Vt+Vc>Ve、Vc<Veが成立するように設定したので、機体が左右一方にバンクしてフラッパーバルブが開くことで燃料が翼根側燃料タンクに集まったときには、エンジンが必要とする燃料供給量Veよりも大きい燃料供給量Vrを有する翼根側燃料ポンプによりエンジンに支障なく燃料を供給することができ、また機体が左右他方にバンクしてフラッパーバルブが閉じることで燃料が翼端側燃料タンク、中央燃料タンクおよび翼根側燃料タンクに閉じ込められたときには、エンジンが必要とする燃料供給量Veよりも大きいトータルの燃料供給量Vt,Vcを有する翼端側燃料ポンプおよび中央燃料ポンプによりエンジンに支障なく燃料を供給することができる。このように、エンジンに必要量の燃料を供給することを可能にしながら、少なくとも中央燃料ポンプの燃料供給量Vcをエンジンへの燃料供給量Veよりも小さくすることができるので、中央燃料ポンプを小型化することができる。
【0007】
しかも機体の左右一方へのバンクにより翼根側燃料タンクに燃料が集まったとき、翼根側燃料タンクの翼根寄りの位置に翼根側燃料ポンプを配置したので、その翼根側燃料ポンプで翼根側燃料タンク内の燃料をエンジンに確実に供給することができ、また機体の左右他方へのバンクにより翼端側燃料タンクおよび中央燃料タンクに燃料が閉じ込められたとき、翼端側燃料タンクおよび中央燃料タンクの翼端寄りの位置に翼端側燃料ポンプおよび中央燃料ポンプを配置したので、その翼端側燃料ポンプおよび中央燃料ポンプで翼端側燃料タンク内および中央燃料タンク内の燃料を確実に供給することができる。
【0008】
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記燃料供給量Vt,Vcを、Vt=Vcが成立するように設定したことを特徴とする飛行機の燃料供給装置が提案される。
【0009】
上記構成によれば、翼端側燃料ポンプの燃料供給量Vtおよび中央燃料ポンプの燃料供給量Vcを等しく設定したので、翼端側燃料ポンプも中央燃料ポンプ同様に小型化することができ、更には翼端側燃料ポンプおよび中央燃料ポンプに同一仕様のものを用いてコストダウンを図ることができる。
【0010】
尚、実施例の左コレクタタンクTCLおよび右コレクタタンクTCRは本発明のコレクタタンクに対応し、実施例の左翼内燃料タンクおよび右翼内燃料タンクは本発明の翼内燃料タンクに対応し、実施例の左主翼WLおよび右主翼WRは本発明の主翼に対応する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0012】
図1〜図4は本発明の一実施例を示すもので、図1は飛行機のエンジンへの燃料供給系を示す図、図2は図1の2部拡大図、図3は右バンク時の作用説明図、図4は左バンク時の作用説明図である。
【0013】
図1および図2に示すように、飛行機の左右の主翼WL,WRに搭載されたエンジンE,Eに燃料を供給する燃料供給系は、胴体に設けられた胴体内燃料タンクTFと、左右の主翼WL,WRの間に設けられた中央翼内燃料タンクTCと、左主翼WLに設けられた左翼内燃料タンクTLと、右主翼WRに設けられた右翼内燃料タンクTRと、左主翼WLに設けられた左コレクタタンクTCLと、右主翼WRに設けられた右コレクタタンクTCRとを備える。胴体内燃料タンクTFは相互に連通する四つの区画11a,11b,11c,11dを有しており、そのうちの一つの区画11dに燃料供給口12が接続される。中央翼内燃料タンクTCは二つの区画13a,13bを有しており、後側の区画13bは胴体内燃料タンクTFの前側の二つの区画11a,11bにそれぞれ連通通路14,14で接続され、それらの連通通路14,14に胴体内燃料タンクTFから中央翼内燃料タンクTCへの燃料の移動を許容して逆方向の燃料の移動を規制するフラッパーバルブ15,15が設けられる。中央翼内燃料タンクTCには、後側の区画13bから前側の区画13aへの燃料の移動を許容して逆方向の燃料の移動を規制するフラッパーバルブ16…が設けられる。
【0014】
左主翼WLの燃料供給系および右主翼WRの燃料供給系は実質的に同一の構造であるため、以下、主として左主翼WLの燃料供給系の構造を説明する。
【0015】
インテグラルタンクよりなる左翼内燃料タンクTLは、翼端側に位置する翼端側燃料タンク17と、翼根側に位置する翼根側燃料タンク19と、翼端側燃料タンク17および翼根側燃料タンク19の間に位置する中央燃料タンク18とに区画され、翼根側燃料タンク19に接するように左コレクタタンクTCLが設けられ、翼根側燃料タンク19および左コレクタタンクTCL間に、翼根側燃料タンク19から左コレクタタンクTCLへの燃料の移動を許容して逆方向の燃料の移動を規制する1個のフラッパーバルブ45が設けられる。翼端側燃料タンク17および中央燃料タンク18の間に、翼端側燃料タンク17から中央燃料タンク18への燃料の移動を許容して逆方向の燃料の移動を規制する2個のフラッパーバルブ20,20が設けられ、中央燃料タンク18および翼根側燃料タンク19の間に、中央燃料タンク18から翼根側燃料タンク19への燃料の移動を許容して逆方向の燃料の移動を規制する2個のフラッパーバルブ21,21が設けられる。
【0016】
中央翼内燃料タンクTCの前側の区画13aからスパン方向に延びる燃料補給通路22が左翼内燃料タンクTLの翼端側燃料タンク17に達しており、その入り口に遠心ポンプよりなる燃料補給ポンプ23が設けられ、その中間部に中央翼内燃料タンクTCから翼端側燃料タンク17への燃料の移動を許容して逆方向の燃料の移動を規制するチェックバルブ24が設けられる。左コレクタタンクTCLとエンジンEとが燃料供給通路25で接続されており、燃料供給通路25の上流端にジェットポンプよりなるメインポンプ26が設けられ、その下流側にチェックバルブ27、シャットオフバルブ29およびギヤポンプよりなるエンジンポンプ30が設けられる。エンジンポンプ30から延びる燃料戻し通路31が、シャットオフバルブ32を介して前記メインポンプ26に接続される。左コレクタタンクTCLの内部に配置された遠心ポンプよりなるサブポンプ33が燃料供給通路25に接続される。左右の主翼WL,WRの燃料供給通路25,25どうしがシャットオフバルブ44を有する連通通路34で接続される。
【0017】
左翼内燃料タンクTLの翼端側燃料タンク17、中央燃料タンク18および翼根側燃料タンク19に、ジェットポンプよりなる翼端側燃料ポンプ35、中央燃料ポンプ36および翼根側燃料ポンプ37がそれぞれ配置される。燃料供給通路25から分岐する燃料戻し通路38が翼端側燃料ポンプ35、中央燃料ポンプ36および翼根側燃料ポンプ37に接続され、翼端側燃料ポンプ35、中央燃料ポンプ36および翼根側燃料ポンプ37が燃料移送通路39,40,41で左コレクタタンクTCLに接続される。翼端側燃料ポンプ35および中央燃料ポンプ36は、好ましくは翼端側燃料タンク17および中央燃料タンク18の翼端寄りの位置に配置され、翼根側燃料ポンプ37は、好ましくは翼根側燃料タンク19の翼根寄りの位置に配置される。
【0018】
次に、上記構成を備えた本発明の実施例の作用を説明する。
【0019】
燃料供給口12から供給された燃料は、胴体内燃料タンクTFの四つの区画11a〜11dを満たし、連通通路14,14およびフラッパーバルブ15,15を経て中央翼内燃料タンクTCの後側の区画13bに流入し、そこからフラッパーバルブ16…を介して前側の区画13aに流入する。中央翼内燃料タンクTCの前側の区画13aの燃料は、燃料補給ポンプ23により燃料補給通路22のチェックバルブ24を介して左翼内燃料タンクTLの翼端側燃料タンク17に供給され、そこからフラッパーバルブ20,20を介して中央燃料タンク18に供給され、そこから更にフラッパーバルブ21,21を介して翼根側燃料タンク19に供給され、そこからフラッパーバルブ45を介して左コレクタタンクTCLに供給され、全ての燃料タンクに燃料が満たされる。
【0020】
尚、燃料補給ポンプ23は、左翼内燃料タンクTLに最初に燃料を供給するときだけでなく、エンジンEが左翼内燃料タンクTLの燃料を消費するのに応じて作動する。具体的には、左翼内燃料タンクTL内の最も低い位置にある翼根側燃料タンク19に、設けたフロートスイッチ42がオフすると、燃料補給ポンプ23が作動して翼端側燃料タンク17に燃料を供給し、最も高い位置にある翼端側燃料タンク17に、設けたフロートスイッチ43がオフすると、燃料補給ポンプ23が作動を停止して燃料の供給を停止する。
【0021】
左翼内燃料タンクTLの翼端側燃料タンク17、中央燃料タンク18および翼根側燃料タンク19内の燃料は翼端側燃料ポンプ35、中央燃料ポンプ36および翼根側燃料ポンプ37により燃料移送通路39,40,41を介して左コレクタタンクTCLに供給される。左コレクタタンクTCL内の燃料はメインポンプ26により燃料供給通路25に圧送され、チェックバルブ27、シャットオフバルブ29およびエンジンポンプ30を介してエンジンEに供給される。エンジンポンプ30はエンジンEに所定量の燃料を所定圧力で供給するもので、余剰となった燃料が燃料戻し通路31を介してメインポンプ26に戻され、ジェットポンプよりなるメインポンプ26を作動させる。メインポンプ26が吐出した燃料の一部は、燃料供給通路25から分岐する燃料戻し通路38を介して翼端側燃料ポンプ35、中央燃料ポンプ36および翼根側燃料ポンプ37に供給され、ジェットポンプよりなる翼端側燃料ポンプ35、中央燃料ポンプ36および翼根側燃料ポンプ37を作動させる。
【0022】
尚、エンジンポンプ30が未だ作動していないエンジンEの始動時や、メインポンプ26の故障時にはサブポンプ33が作動し、エンジンEへの燃料の供給と、翼端側燃料ポンプ35、中央燃料ポンプ36および翼根側燃料ポンプ37への作動用燃料の供給とが賄われる。また左右の主翼WL,WRの燃料供給系の一方が故障した場合、左右の燃料供給通路25,25を接続する連通通路34に設けたシャットオフバルブ44を開弁することで、燃料供給系が故障した側のエンジンEに燃料を供給することができる。
【0023】
さて、エンジンEが燃料を消費することで胴体内燃料タンクTFおよび翼中央燃料タンクTCが空になり、左翼内燃料タンクTLの燃料も残り少なくなったとき、図3に示すように機体が右バンクしたとする。機体が右バンクすると、左翼内燃料タンクTLの翼端側燃料タンク17および中央燃料タンク18内に残存する燃料は、フラッパーバルブ20,20;21,21を通過して翼根側燃料タンク19に流入する。その結果、翼端側燃料ポンプ35および中央燃料ポンプ36は機能しなくなり、翼根側燃料タンク19の翼根寄りに設けられた翼根側燃料ポンプ37およびフラッパーバルブ45だけが左コレクタタンクTCLに燃料を供給することになる。特に、フラッパーバルブ45の設置位置によっては該フラッパーバルブ45を燃料が通過できないことから、左コレクタタンクTCLからエンジンEに向けて供給すべき燃料供給量Veに対して、翼根側燃料ポンプ37の燃料供給量Vrが上回るように設定される(Vr>Ve)。これにより、残存燃料が少ない状態で機体が右バンクしても、左主翼WLのエンジンEに支障なく燃料を供給することができる。
【0024】
逆に、図4に示すように機体が左バンクすると、翼端側燃料タンク17、中央燃料タンク18および翼根側燃料タンク19に残存する燃料はフラッパーバルブ20,20;21,21に阻止されて移動できないため、燃料は翼端側燃料タンク17、中央燃料タンク18および翼根側燃料タンク19の翼端側に集まることになる。このとき、翼端側燃料ポンプ35および中央燃料ポンプ36が翼端側燃料タンク17および中央燃料タンク18の翼端寄りの位置に設けられていることから、少なくとも翼端側燃料ポンプ35および中央燃料ポンプ36が機能して左コレクタタンクTCLに燃料を供給することができる。
【0025】
即ち、機体の左バンク時には少なくとも翼端側燃料ポンプ35および中央燃料ポンプ36が機能するため、翼端側燃料ポンプ35および中央燃料ポンプ36の個々の燃料供給量Vt,VcをエンジンEが必要とする燃料供給量Ve以上に設定する必要はなく、翼端側燃料ポンプ35の燃料供給量Vtおよび中央燃料ポンプ36の燃料供給量Vcの総和がエンジンEが必要とする燃料供給量Veを越えていれば良い(Vt+Vc>Ve)。具体的には、Vc<VeかつVt=Vcに設定される。このようにして、少なくとも中央燃料ポンプ36の燃料供給量VcをエンジンEが必要とする燃料供給量Veよりも小さく設定することができるので、中央燃料ポンプ36を小型化することができる。またVt=Vcとすることで、翼端側燃料ポンプ35も中央燃料ポンプ36同様に小型化することができ、更には翼端側燃料ポンプ35および中央燃料ポンプ36に同一仕様のものを用いてコストダウンに寄与することができる。
【0026】
以上、主として左主翼WL側の燃料供給系について説明したが、右主翼WR側の燃料供給系の作用も同一である。
【0027】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0028】
例えば、実施例では翼端側燃料タンク17および翼根側燃料タンク19の間に単一の中央燃料タンク18を設けているが、中央燃料タンク18の数は複数であっても良い。
【0029】
【発明の効果】
以上のように請求項1に記載された発明によれば、翼端側燃料ポンプの燃料供給量Vt、中央燃料ポンプの燃料供給量Vc、翼根側燃料ポンプの燃料供給量Vrおよびコレクタタンクからエンジンへの燃料供給量Veとの関係を、Vr>Ve、Vt+Vc>Ve、Vc<Veが成立するように設定したので、機体が左右一方にバンクしてフラッパーバルブが開くことで燃料が翼根側燃料タンクに集まったときには、エンジンが必要とする燃料供給量Veよりも大きい燃料供給量Vrを有する翼根側燃料ポンプによりエンジンに支障なく燃料を供給することができ、また機体が左右他方にバンクしてフラッパーバルブが閉じることで燃料が翼端側燃料タンク、中央燃料タンクおよび翼根側燃料タンクに閉じ込められたときには、エンジンが必要とする燃料供給量Veよりも大きいトータルの燃料供給量Vt,Vcを有する翼端側燃料ポンプおよび中央燃料ポンプによりエンジンに支障なく燃料を供給することができる。このように、エンジンに必要量の燃料を供給することを可能にしながら、少なくとも中央燃料ポンプの燃料供給量Vcをエンジンへの燃料供給量Veよりも小さくすることができるので、中央燃料ポンプを小型化することができる。
【0030】
しかも機体の左右一方へのバンクにより翼根側燃料タンクに燃料が集まったとき、翼根側燃料タンクの翼根寄りの位置に翼根側燃料ポンプを配置したので、その翼根側燃料ポンプで翼根側燃料タンク内の燃料をエンジンに確実に供給することができ、また機体の左右他方へのバンクにより翼端側燃料タンクおよび中央燃料タンクに燃料が閉じ込められたとき、翼端側燃料タンクおよび中央燃料タンクの翼端寄りの位置に翼端側燃料ポンプおよび中央燃料ポンプを配置したので、その翼端側燃料ポンプおよび中央燃料ポンプで翼端側燃料タンク内および中央燃料タンク内の燃料を確実に供給することができる。
【0031】
また請求項2に記載された発明によれば、翼端側燃料ポンプの燃料供給量Vtおよび中央燃料ポンプの燃料供給量Vcを等しく設定したので、翼端側燃料ポンプも中央燃料ポンプ同様に小型化することができ、更には翼端側燃料ポンプおよび中央燃料ポンプに同一仕様のものを用いてコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 飛行機のエンジンへの燃料供給系を示す図
【図2】 図1の2部拡大図
【図3】 右バンク時の作用説明図
【図4】 左バンク時の作用説明図
【符号の説明】
17 翼端側燃料タンク
18 中央燃料タンク
19 翼根側燃料タンク
20 フラッパーバルブ
21 フラッパーバルブ
35 翼端側燃料ポンプ
36 中央燃料ポンプ
37 翼根側燃料ポンプ
E エンジン
TCL 左コレクタタンク(コレクタタンク)
TCR 右コレクタタンク(コレクタタンク)
TL 左翼内燃料タンク(翼内燃料タンク)
TR 右翼内燃料タンク(翼内燃料タンク)
WL 左主翼(主翼)
WR 右主翼(主翼)
Claims (2)
- 飛行機の主翼(WL,WR)内に配置された翼端側燃料タンク(17)、中央燃料タンク(18)および翼根側燃料タンク(19)からなる翼内燃料タンク(TL,TR)と、
翼端側燃料タンク(17)から中央燃料タンク(18)への燃料の移動を許容して逆方向の燃料の移動を規制するフラッパーバルブ(20)と、
中央燃料タンク(18)から翼根側燃料タンク(19)への燃料の移動を許容して逆方向の燃料の移動を規制するフラッパーバルブ(21)と、
エンジン(E)に燃料を供給するコレクタタンク(TCL,TCR)と、
翼端側燃料タンク(17)の燃料をコレクタタンク(TCL,TCR)に供給する翼端側燃料ポンプ(35)と、
中央燃料タンク(18)の燃料をコレクタタンク(TCL,TCR)に供給する中央燃料ポンプ(36)と、
翼根側燃料タンク(19)の燃料をコレクタタンク(TCL,TCR)に供給する翼根側燃料ポンプ(37)と、
を備えた飛行機の燃料供給装置であって、
翼端側燃料ポンプ(35)の燃料供給量をVtとし、中央燃料ポンプ(36)の燃料供給量をVcとし、翼根側燃料ポンプ(37)の燃料供給量をVrとし、コレクタタンク(TCL,TCR)からエンジン(E)への燃料供給量をVeとしたとき、
前記燃料供給量Vt,Vc,Vr,Veを、Vr>Ve、Vt+Vc>Ve、Vc<Veが成立するように設定し、
翼根側燃料ポンプ(37)を翼根側燃料タンク(19)の翼根寄りの位置に配置し、翼端側燃料ポンプ(35)および中央燃料ポンプ(36)をそれぞれ翼端側燃料タンク(17)および中央燃料タンク(18)の翼端寄りの位置に配置したことを特徴とする飛行機の燃料供給装置。 - 前記燃料供給量Vt,Vcを、Vt=Vcが成立するように設定したことを特徴とする、請求項1に記載の飛行機の燃料供給装置。
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