JP4015485B2 - 制酸・緩下用錠剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、胃酸過多もしくは胃酸分泌亢進症または便秘に用いられる制酸・緩下用錠剤に関するものであり、より詳しくは、打錠障害、錠剤の黒ずみおよび打錠斑が実質的に存在せず、酸化マグネシウム粒子の含有割合が高くかつ水と共に服用すると口中で速やかに崩壊するため服用しやすい酸化マグネシウム粒子含有錠剤に関する。さらに詳しくは、錠剤中の酸化マグネシウム粒子の含有量が88重量%以上で、かつ崩壊時間が10秒以下である制酸・緩下用酸化マグネシウム粒子含有錠剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の酸化マグネシウム粒子含有錠剤は、粒状の酸化マグネシウム粒子に賦形剤、結合剤、崩壊剤および滑沢剤などを配合し、直接打錠法により製した錠剤である。酸化マグネシウム粒子は硬いので、打錠機を摩耗し、錠剤の黒ずみや打錠斑の発生の原因となる。
【0003】
それを防ぐため、打錠圧を下げて製錠化しようとすると、成形性が低下し打錠出来ないという問題がある。
【0004】
また酸化マグネシウム粒子の付着性による打錠時のスティッキング並びに臼杵の劣化によるキャッピングの打錠障害を惹起する場合があり、酸化マグネシウム粒子の摩耗性により臼杵の耐久性が短く生産コストがかかる。
【0005】
これらの製錠化に伴う障害を極力防止するために、特殊な添加剤を用いて製剤する方法がある。また、硬い粒子を用いた酸化マグネシウム粒子の錠剤は崩壊時間が遅く、制酸・緩下の効能の発揮も遅くなる。酸化マグネシウム粒子を高含有量とする場合は、錠剤が速やかに崩壊しないので崩壊不良になりやすい。それを防ぐため、多量の崩壊剤を配合しているが、その分、錠剤中の酸化マグネシウム粒子の含有割合を減少させることになる。
【0006】
従来、酸化マグネシウム粒子含有錠剤を製剤化する場合、酸化マグネシウム粒子に、結合剤や崩壊剤などの添加剤を配合して打錠化される(例えば、特開平9−40561号公報および特開2001−48792号公報参照)。
【0007】
これら公報によれば、結合剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよび結晶セルロースなどが使用され、これら結合剤は錠剤中1〜10重量%、特に1〜5重量%含有される。
【0008】
また崩壊剤としては、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルメロースおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどが使用され、これら崩壊剤は錠剤中5〜20重量%、特に5〜10重量%含有される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、錠剤中の酸化マグネシウム粒子含有割合が多く、すなわち添加剤が少なく、崩壊時間が短く、しかも製剤時に打錠機を摩耗したり、臼や杵に酸化マグネシウム粒子が実質的に付着せず錠剤化しやすいもので、服用時には飲みやすい錠剤を提供することにある。
【0010】
本発明者らは前記目的を達成するために、酸化マグネシウム粒子の物性および添加剤について研究を重ねた。その結果酸化マグネシウム粒子の平均2次粒子径と添加剤(結合剤、崩壊剤)の種類および添加量が、酸化マグネシウム錠剤の打錠性と崩壊性に影響することが見出された。
【0011】
すなわち、本発明者らの研究によれば、酸化マグネシウム粒子として特定の形状のものを選択しかつ添加剤として特定のものを選択して組合せることによって、錠剤中に含まれる酸化マグネシウム粒子の含有割合が高く、崩壊時間が大変短い錠剤が得られること、しかも打錠時に打錠機を摩耗したり臼や杵に酸化マグネシウム粒子が付着し難く、さらに黒ずみや打錠斑が実質的に認められない錠剤が得られることを見出し本発明に到達した。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、酸化マグネシウム粒子を有効成分とする錠剤であって、該錠剤は、
(i)その中に含まれる酸化マグネシウム粒子は、レーザー回折散乱法で測定された平均2次粒子径が0.5〜10μmであり、
(ii)その中に含まれる酸化マグネシウム粒子の含有割合が88〜97重量%であり、
(iii)結合剤として、結晶セルロースまたはデンプンを1〜8重量%含有し、
(iv)崩壊剤として、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウムおよびカルボキシスターチナトリウムよりなる群から選ばれた少なくとも一種を1〜3.5重量%含有し、かつ
(v)崩壊時間が10秒以下である、
ことを特徴とする制酸・緩下用錠剤が提供される。
【0013】
以下、本発明の制酸・緩下用錠剤およびその製造方法についてさらに詳細に説明する。
【0014】
本発明における酸化マグネシウム粒子は、レーザー回折散乱法で測定された平均2次粒子径が0.5〜10μm、好ましくは1〜7μmである。この粒子径を有する酸化マグネシウム粒子を使用し、後述する特定の結合剤と崩壊剤とを組合せることによって、錠剤中の酸化マグネシウム粒子が88重量%〜97重量%、好ましくは89重量%〜96重量%、特に好ましくは90重量%〜95重量%の高含有割合の錠剤が得られる。
【0015】
打錠化に供する酸化マグネシウム粒子は、粉末状でよく、また顆粒状のいずれでもよいが、顆粒状の方が打錠機の摩耗防止効果に優れ、しかもより高含有量の錠剤を得ることができる。
【0016】
酸化マグネシウム粒子は通常水酸化マグネシウム粒子を焼成して得られるが、本発明者らの研究によれば、レーザー回折散乱法による平均2次粒子径が1〜10μmの水酸化マグネシウムを700〜1,000℃で焼成した酸化マグネシウム粒子を、錠剤にした場合、従来の酸化マグネシウム粒子のように硬くなく、打錠機を摩耗しないことも見出した。
【0017】
本発明の錠剤に使用される結合剤は結晶セルロース、またはデンプン(例えばトウモロコシデンプン)であり、崩壊剤はクロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウムまたはカルボキシスターチナトリウムである。これら崩壊剤は2種以上組み合わせてもよい。崩壊剤としては、特にクロスカルメロースナトリウムまたはカルボキシスターチナトリウムは、従来の崩壊剤と比べて、極めて少量で崩壊するのでその配合量を減らすことができ、さらに経時的変化が非常に少なく、安定性に優れた錠剤を得ることができる。最も好ましい崩壊剤はクロスカルメロースナトリウムである。
【0018】
前記結合剤は、錠剤中1〜10重量%、好ましくは1〜8重量%配合され、また崩壊剤は1〜3.5重量%、好ましくは1〜3重量%配合される。
【0019】
本発明によれば、崩壊剤の配合量を少なくすることができるので、結果として酸化マグネシウム粒子の含有割合を高くすることができる。前述したように、前記崩壊剤は経時変化が極めて少なく、錠剤化後も長時間その崩壊性が低下することなく安定性に優れた錠剤が提供される。すなわち、後述するように、錠剤後、40℃の温度かつ75%の相対湿度(RH)の条件下で6ヶ月間保持した場合でも、錠剤の崩壊時間は10秒以下の特性を保持している。
【0020】
本発明において、酸化マグネシウム粒子単味では乾式造粒時に高圧力で圧縮しなければ成形されない粉末を、前記添加剤(結合剤および崩壊剤)と共に配合した混合末にすることにより、低圧力で錠剤に成形可能となった。高圧力で成形した顆粒は堅く、これを用いて製錠すると錠剤の黒ずみ、打錠斑の発生の他にキャッピングや機械部品の摩耗が激しいが、本発明によれば、下記の如きこれらを防止できる製錠剤の製造方法が提供できた。
【0021】
また、高圧力で成形した顆粒を用いた錠剤は崩壊不良となる場合があるが、本発明方法によれば崩壊時間が短く、また水と共に服用すると口中で速やかに崩壊し錠剤感のない錠剤を得ることができた。
【0022】
すなわち、本発明によれば、
a.(1)レーザー回折散乱法で測定された平均2次粒子径が0.5〜10μmの酸化マグネシウム粒子88〜97重量%、
(2)結晶セルロースまたはデンプンよりなる結合剤1〜10重量%および
(3)クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウムおよびカルボキシスターチナトリウムよりなる群から選ばれた少なくとも一種の崩壊剤1〜3.5重量%
よりなる混合物を調製し、
b.該混合物を、造粒して、平均粒径が0.25〜0.4mmかつ見掛け密度が0.5〜0.7g/mlである顆粒状粒子を得て、
c.次いでこの顆粒状粒子に、0.2〜2重量%の滑沢剤を混合して打錠する、ことを特徴とする酸化マグネシウム粒子を有効成分とする錠剤の製造方法が提供される。
【0023】
次に本発明の錠剤の製造方法について具体的に説明する。
【0024】
先ず、本発明方法は、錠剤化のための原料混合物を調製する。その原料混合物は、(1)平均2次粒子径が0.5〜10μm、好ましくは1〜7μmの酸化マグネシウム粒子88〜97重量%(好ましくは89〜96重量%)、(2)結晶セルロースまたはデンプンよりなる結合剤1〜10重量%(好ましくは2〜8重量%)および(3)クロスカルメロースナトリウムおよびカルメロースカルシウム、カルボキシスターチナトリウムよりなる群から選ばれた少なくとも一種の崩壊剤1〜3.5重量%(好ましくは1〜3重量%)の組成を有する。
【0025】
この原料混合物は、コンテナー型、V型あるいはW型などの混合機を用いて混合し、顆粒状粒子に造粒する。その造粒は低圧力で乾式造粒機を用いて実施することができる。その顆粒状粒子の造粒はロール成形型乾式造粒機にて行なうのが好ましく、この場合のロール圧力は3〜12MPaが好ましく、さらに好ましくは、4〜8MPaである。
【0026】
造粒したシート状成形物は、オシレーター式粉砕機にて顆粒状粒子を得る。オシレーターに装着するスクリーンは目開き0.7〜1.2mmが好ましく、0.8〜1.0mmがより好ましい。
【0027】
かくして、平均粒径が0.25〜0.4mmかつ見掛け密度が0.5〜0.7g/mlの顆粒状粒子が得られる。またこの粒子は安息角が35〜43°であるのが好ましい。このような平均粒径および見掛け密度を有する顆粒状の酸化マグネシウム粒子を打錠化して錠剤を得ることにより本発明の目的とする制酸・緩下用錠剤とすることができる。
【0028】
前記顆粒状粒子は、滑沢剤を混合して打錠機に供給される。使用される滑沢剤としては、例えばステアリン酸およびその塩(Na,Mg,Ca塩)等がある。好ましくはステアリン酸塩、特にステアリン酸カルシウムおよびステアリン酸マグネシウムであるが、最も有効なものは、ステアリン酸カルシウムである。これら滑沢剤は、多すぎると崩壊遅延となり、少なすぎると杵、臼にくっつく。従って、滑沢剤の添加量は0.2〜2重量%が好ましく、さらに好ましくは、0.8〜1.2重量%である。
【0029】
本発明方法によれば、顆粒状粒子を製錠化する際に0.10mm以下の微粉の含有割合が20重量%以下、好ましくは10重量%以下であることが望ましい。製錠操作により微粉を取り除くことなく製錠することも可能である。打錠圧は一錠当りのパンチ圧として5〜12kNが好ましく、6〜10kNがより好ましい。杵の形状はR面の他、隅角R、隅角平面、隅丸平面等のいずれであってもよい。
【0030】
本発明方法により製錠した錠剤は、打錠障害、黒ずみ、打錠斑が生じることなく、高含有割合で酸化マグネシウム粒子を配合させることができ、また、水と共に服用すると口中で速やかに崩壊するために飲みやすい錠剤となる。
【0031】
また本発明の錠剤は、安定性に優れ、後述する加速試験の結果、6ヶ月後であっても崩壊性は変わらず10秒以下を保持していた。
【0032】
本発明の錠剤の大きさおよび形状は、通常の経口用の錠剤と特に変わるものではない。直径は5〜12mm、好ましくは6〜10mm、特に好ましくは6〜9mmが適当である。また厚みは2〜6mm、好ましくは2〜5mm、特に好ましくは2.5〜4.5mmが適当である。さらに一錠当りの重量は100〜1,000mg、好ましくは150〜800mg、最も好ましくは200〜600mgが望ましい。
【0033】
本発明の錠剤は、制酸あるいは緩下用のために経口投与される。その投与量は目的あるいは病状によって左右される。標準的には成人1人当り、1日2gが投与される。この2gは、通常平均的には6〜8錠に相当し、1日に1回〜3回に分けて投与することができる。
【0034】
ここで、「黒ずみ」とは酸化マグネシウム粒子の摩耗性に起因する機械接粒部との摩耗により生じる錠剤の黒色をいい、黒味を帯びるかまたは黒色の点、線または面が観察されたものをいう。
【0035】
ここで、「打錠障害」とは酸化マグネシウム粒子の付着性による杵への粉末が付着するスティッキングおよび酸化マグネシウム粒子の摩耗性による臼杵の劣化もしくは酸化マグネシウム粒子の結合力が弱いことで生じるキャッピングが観察されたものをいう。
【0036】
ここで「打錠斑」とは錠剤の表面に斑点状に粒子が残ることをいい、粒子が硬いために圧縮されにくいことに起因する現象である。
【0037】
【実施例】
以下実施例および比較例を掲げて、本発明をより具体的に説明する。
%は全て重量%を意味する。
【0038】
錠剤硬度、崩壊試験、摩損度、顆粒の粒度分布、顆粒の平均粒子径、安息角、見かけ密度、摩耗性、錠剤の安定性、口中での崩壊性、溶出試験、緩下作用の動物試験は、以下に記載する測定法によって測定された値を意味する。
【0039】
(a)錠剤硬度
Schleuniger錠剤硬度計6D型を用いて、錠剤硬度を測定する。錠剤10個の平均値および標準偏差を求める。
【0040】
(b)崩壊試験
日本薬局方第14局一般試験法の崩壊試験に準じ試験液は水を用いた。
【0041】
(c)摩損度
第13改正日本薬局方第二追補−参考情報による。
【0042】
(d)平均2次粒子径(酸化マグネシウム粒子および水酸化マグネシウム粒子)乾燥した100mlビーカーに試料0.7gを入れ、分散媒の0.2%ヘキサメタ燐酸ソーダ水溶液70mlを加え、超音波ホモジナイザー(日本精機、US−300)で前処理し、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(日機装(株)、マイクロトラック)により粒度分布を測定した。小さい粒子からの積算で50%の点の粒径値を平均2次粒子径とした。
【0043】
(e)顆粒の粒度分布
装置 :エンデコッツ製オクタゴン
使用ふるい:710、500、355、180、150、106μm
試験条件 :振動強度5、飾時間5分、接続10秒、停止2秒
試料約30mLをふるいおよび受器を重ね合わせた容器の上段のふるいにいれ、上ぶたをした後、装置にセットする。上記の条件で試験した後、各々のふるいおよび受器の残留物の重量を量る。(0.01g単位まで)
【0044】
(f)顆粒の平均粒子径
上記粒度分布の大きい粒子から積算し50重量%積算値の粒子の粒径を平均粒子径とした。
【0045】
測定用円板を水平になるようセットする。(高さは約7cm)
電源スイッチを入れる。試料が円板の中心に落下するように調整し、振動調節ダイヤルを調整して試料を速やかに落下させて山を形成する。その際最初は多量に流す。試料が円板上からこぼれ始めたら、山の傾斜のうち、下方2/3の部分にスケールのガイドラインを合わす。指針の目盛を読み、測定値とする。
【0046】
(h)見かけ密度
試料をJIS K5101見掛け比容静置法で使用する容量30mlの受器にロートを用いて山盛りになるまで静かに入れる。
直線のヘラで山盛りを削り取る。
受器の内容物の質量を0.01gの単位まで量る。
【0047】
見掛け密度(g/mL)=F/30
F:受器内の試料の質量(g)
30:受器の容量(mL)
【0048】
(i)摩耗性
肉眼にて錠剤の黒ずみ並びに打錠斑を観察した。
【0049】
(j)錠剤の安定性
錠剤を、ポリ塩化ビニルの4層構造のシート(上からポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレンおよびポリ塩化ビニルの4層)へ充填した後、アルミ泊でピロー包装し、加速試験(40℃、相対湿度75%)を6ヶ月間実施し、崩壊性についての安定性に及ぼす影響を調べた。その結果を表2に示した。
【0050】
(k)口中での崩壊性
錠剤を、12名の健常人を対象に、口中での崩壊試験を実施した。一口の水を口に含み、錠剤を1錠口に入れ、錠剤感が無くなる時間を測定した。その結果を表3に示した。
【0051】
(l)溶出試験
日本薬局方第14局収載の溶出試験法第2方のパドル法(試験液:日本薬局方崩壊試験法の第1液、液温度:37℃、回転数:50rpm、測定時間:60分)にて、上記実施例1および3の本発明酸化マグネシウム錠の溶出試験を実施した。その結果を表4に示した。
【0052】
(m)緩下作用の動物試験
マウスを用いた緩下作用試験を実施した。
(被験物質の調製)
実施例1および実施例3の錠剤を粉砕し、これを0.5%CMCに懸濁させて被験物質を調製した。
(使用動物)
4週齢のICR系雄性マウス(SPF)を入荷時に健康状態を肉眼的に確認し、入荷後1週間の馴化期間をおいて、その間一般状況の観察を行い、順調に発育したものを5週齢で使用した。
(群構成表)
表5に動物試験での群構成等を示した。
【0053】
(試験方法)
試験前日の12:00−17:00の間絶食し、その後固形餌を与えた。試験当日はバットに吸水紙を敷いた個別金網ゲージにマウスを一匹ずつ入れ、投与前に30分間観察した。被験物質をディスポーザブル注射筒および経口ゾンデを用いて強制経口投与し、投与後1時間毎に12時間観察し、最後に24時間の排泄便の状態(軟便〜下痢発現時間および軟便〜下痢を呈した個体数)を計測した。なお、餌および水は実験期間中も継続して与えた。
結果を表6に示した。
【0054】
【0055】
(製造方法)
平均2次粒子径が6.50μmの酸化マグネシウム粒子39.6kg、結晶セルロース2.76kg、トウモロコシデンプン0.84kg、クロスカルメロースナトリウム1.32kgをコンテナー型混合機にて混合後、ロール成形型乾式造粒機にてロール圧力5MPaで造粒した成形物をオシレーター式粉砕機にて顆粒を製した。本顆粒40.81kgとステアリン酸カルシウム0.44kgをコンテナー型混合機にて混合し打錠用顆粒と成し、直径9mm、13R杵を36本装着したロータリー型打錠機にて、打錠圧9kNで製錠し、1錠当たり重量375mg、厚み4.8mmの酸化マグネシウム錠剤を得た。錠剤硬度、崩壊時間、摩損度は表1に示す。
【0056】
顆粒の粒度分布は0.81mmのスクリーン使用時、0.71〜0.81mmが1.4%、0.50〜0.71mmが27.3%、0.355〜0.50mmが20.6%、0.18〜0.355mmが32.3%、0.15〜0.18mmが7.8%、0.106〜0.15mmが7.1%、0.106mm以下が3.4%、平均粒子径0.349mm、安息角38°、見掛け密度0.60g/mLであった。
【0057】
【0058】
(製造方法)
平均2次粒子径が6.5μmの酸化マグネシウム39.6kg、結晶セルロース1.32kg、トウモロコシデンプン0.84kg、クロスカルメロースナトリウム0.96kgをコンテナー型混合機にて混合後、ロール成形型乾式造粒機にてロール圧力6MPaで造粒した成形物をオシレーター式粉砕機にて顆粒を製した。本顆粒39.16kgとステアリン酸カルシウム0.44kgをコンテナー型混合機にて混合し打錠用顆粒と成し、直径9mm、13R杵を36本装着したロータリー型打錠機にて、打錠圧8.5kNで製錠し、1錠当り重量360mg、厚み4.4mmの酸化マグネシウム錠剤を得た。錠剤硬度、崩壊時間、摩損度は表1に示す。
【0059】
顆粒の粒度分布は0.81mmのスクリーン使用時、0.71〜0.81mmが0.1%、0.50〜0.71mmが12.6%、0.355〜0.50mmが22.3%、0.18〜0.355mmが33.6%、0.15〜0.18mmが7.6%、0.106〜0.15mmが11.8%、0.106mm以下が12.0%、平均粒子径0.262mm、安息角40°、見掛け密度0.65g/mLであった。
【0060】
【0061】
(製造方法)
平均2次粒子径が6.5μmの酸化マグネシウム粒子38.25kg、結晶セルロース2.25kg、トウモロコシデンプン0.75kg、クロスカルメロースナトリウム1.05kgをコンテナー型混合機にて混合後、直径8mm、12R杵を36本装着したロータリー型打錠機にて、打錠圧7.5kNで製錠し、1錠当たり重量285mg、厚み4.5mmの本発明酸化マグネシウム錠剤を得た。錠剤硬度、崩壊時間、摩損度は表1に示す。
【0062】
実施例4
平均2次粒子径が3.6μmの酸化マグネシウム粒子を用いた以外は実施例1と同じ処方で、同じ工程および装置を使って、酸化マグネシウム錠剤を得た。錠剤硬度、崩壊時間、摩損度は表1に示す。
【0063】
顆粒の粒度分布は0.81mmのスクリーン使用時、0.71〜0.81mmが0.8%、0.50〜0.71mmが33.9%、0.355〜0.50mmが18.7%、0.18〜0.355mmが18.2%、0.15〜0.18mmが3.0%、0.106〜0.15mmが5.5%、0.106mm以下が19.8%、平均粒子径0.378mm、安息角41°、見掛け密度0.67g/mlであった。
【0064】
【0065】
(製造方法)
平均2次粒子径が6.5μmの酸化マグネシウム粒子33.0kg、結晶セルロース1.8kg、クロスカルメロースナトリウム1.5kgをコンテナー型混合機にて混合後、ステアリン酸カルシウム0.4kgをさらに添加し、同機で混合し打錠用顆粒とした。これを直径9mm、13R杵を36本装着したロータリー型打錠機にて、打錠圧9kNで製錠し、1錠当たり重量367mg、厚み4.1mmの酸化マグネシウム錠剤を製した。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
【表3】
【0069】
比較例1の、酸化マグネシウム粒子を用いた直接打錠法による錠剤は、加速試験の結果、経時的崩壊性に影響が見られ、著しく崩壊時間が遅延した。
【0070】
実施例1および3は、口中での崩壊試験の結果は崩壊試験法の結果とほぼ同一であり、水と共に服用すると10秒以内で錠剤感が無くなるため、飲みやすい錠剤である。本発明の錠剤は、嚥下困難な患者でも服用しやすい優れた錠剤である。
【0071】
【表4】
【0072】
実施例1および3の錠剤は、いずれも15分で85%以上の溶出を示した。
【0073】
【表5】
【0074】
【表6】
【0075】
被験物質は実施例1および実施例3共に投与後9時間までに軟便排泄が全例で認められ、軟便排泄発現効果のピークは3−5時間であった。一方、対照群では実験観察中、全例で軟便の発現は認められず、実施例1および実施例3の本発明の錠剤は緩下効果を呈した。
Claims (12)
- 酸化マグネシウム粒子を有効成分とする錠剤であって、該錠剤は、
(i)その中に含まれる酸化マグネシウム粒子は、レーザー回折散乱法で測定された平均2次粒子径が0.5〜10μmであり、
(ii)その中に含まれる酸化マグネシウム粒子の含有割合が88〜97重量%であり、
(iii)結合剤として、結晶セルロースまたはデンプンを1〜8重量%含有し、
(iv)崩壊剤として、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウムおよびカルボキシスターチナトリウムよりなる群から選ばれた少なくとも一種を1〜3.5重量%含有し、かつ
(v)崩壊時間が10秒以下である、
ことを特徴とする制酸・緩下用錠剤。 - 該酸化マグネシウム粒子は、レーザー回折散乱法で測定された平均2次粒子径が1〜7μmである請求項1記載の制酸・緩下用錠剤。
- 該錠剤は、酸化マグネシウム粒子の含有割合が89〜96重量%である請求項1記載の制酸・緩下用錠剤。
- 該酸化マグネシウム粒子は、レーザー回折散乱法で測定された平均2次粒子径が1〜10μmの水酸化マグネシウム粒子を700〜1000℃の温度で焼成して得られたものである請求項1記載の制酸・緩下用錠剤。
- 崩壊剤としてクロスカルメロースナトリウムまたはカルボキシスターチナトリウムを1〜3.5重量%含有する請求項1記載の制酸・緩下用錠剤。
- 該酸化マグネシウム粒子を、結合剤および崩壊剤と一緒に4〜8MPaの圧力で乾式造粒した顆粒状の酸化マグネシウム粒子から形成された請求項1記載の制酸・緩下用錠剤。
- 平均粒子径が0.25〜0.40mmの顆粒状の酸化マグネシウム粒子から形成された請求項1記載の制酸・緩下用錠剤。
- 見掛け密度が0.50〜0.70g/mlの顆粒状の酸化マグネシウム粒子から形成された請求項1記載の制酸・緩下用錠剤。
- 安息角が35〜43°の顆粒状の酸化マグネシウム粒子から形成された請求項1記載の制酸・緩下用錠剤。
- 打錠された後、錠剤を40℃の温度かつ75%の相対湿度(RH)条件下で6ヶ月保持した場合の錠剤は、その崩壊時間の10秒以下である請求項1記載の制酸・緩下用錠剤。
- a.(1)レーザー回折散乱法で測定された平均2次粒子径が0.5〜10μmの酸化マグネシウム粒子88〜97重量%、
(2)結晶セルロースまたはデンプンよりなる結合剤1〜10重量%および
(3)クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウムおよびカルボキシスターチナトリウムよりなる群から選ばれた少なくとも一種の崩壊剤1〜3.5重量%
よりなる混合物を調製し、
b.該混合物を、造粒して、平均粒径が0.25〜0.4mmかつ見掛け密度が0.5〜0.7g/mlである顆粒状粒子を得て、
c.次いでこの顆粒状粒子に、0.2〜2重量%の滑沢剤を混合して打錠する、
ことを特徴とする酸化マグネシウム粒子を有効成分とする錠剤の製造方法。 - 該顆粒状粒子を、一錠当りのパンチ圧として5〜12kNの打錠圧で打錠する請求項11記載の錠剤の製造方法。
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