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JP4098833B2 - 移動通信基地局装置 - Google Patents

移動通信基地局装置 Download PDF

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JP4098833B2
JP4098833B2 JP51549798A JP51549798A JP4098833B2 JP 4098833 B2 JP4098833 B2 JP 4098833B2 JP 51549798 A JP51549798 A JP 51549798A JP 51549798 A JP51549798 A JP 51549798A JP 4098833 B2 JP4098833 B2 JP 4098833B2
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Description

技術分野
本発明は、セクタ送受信を行なう移動通信の基地局装置に関し、特に基地局のハードウエア規模を縮小し、かつ伝送品質の向上を図るための移動通信基地局装置に関するものである。
背景技術
セルラシステムの移動通信技術として、指向性アンテナで構成された複数の基地局アンテナを備え、1つのセルの中に複数の扇形のセクタを構成し、個々のセクタで異なる周波数を使用して通信するセクタ送受信方式が開発されている。
このセクタ送受信方式は、より近いセルにおいて同じ周波数を繰り返し使用することが可能となるため、周波数利用効率を高めることができ、加入者容量の増加を図ることができる。
上記セクタ送受信通信方式においては、通信中の移動局が1つのセルから他のセルに移動する場合に、交換機によるセル間のハンドオーバが行なわれ、また、移動局がセクタを横切って移動する場合に、基地局の制御によるセクタ間のハンドオーバが行なわれる。
例えば、特開平7−131845号公報にセクタ送受信を行なう基地局送受信装置が記載されている。この基地局装置は、CDMA(Code Division Multiple Access)移動通信方式に基づいてデータ通信を実行する装置である。第6図に示すように、上記基地局装置は、M(Mはセクタ数を表す正の整数である)個のセクタアンテナ303と、複数の通話チャネルによる送受信信号をセクタごとに定めた周波数で一括して変復調するM個の一括変復調部302-1〜302-Mと、各通信チャネルのベースバンド信号処理を行なうN(Nは通信チャネル数を表す正整数である)個のベースバンド信号処理部301-1〜301-Nとを備えている。なお、第6図において、CLKは各回路を動作させるクロック信号を示している。
ベースバンド信号処理部301-1〜301-Nの各々は、第7図に示すように、送信データSDnから変調方式に応じた送信信号Snを生成する送信信号処理部201と、この送信信号Snを指示されたセクタに出力する送信信号選択回路202と、各セクタで受信された信号RAm(m=1〜M)を指示に従って選択する受信信号選択回路204と、選択された受信信号Rnより自通信チャネルに対応する受信データRDnを検出する受信信号処理部203と、指示に従って各セクタで受信された信号RAmを選択して出力するモニタ信号選択回路206と、モニタ信号選択回路206の選択した受信信号の受信品質をモニタする受信品質モニタ部205と、モニタ信号選択回路206に一定の時間周期で選択すべきセクタの切り換えを指示し、受信品質モニタ部205の検出結果に基づいて最良の受信品質のセクタを選択するように送信信号選択回路202及び受信信号選択回路204に指示を出す制御部207とを具備している。
この基地局送受信装置では、n番目のチャネルの送信データSDn(n=1〜N)がn番目のベースバンド信号処理部301-nの送信信号処理部201に入力する。送信信号処理部201は、この送信データSDnから変調方式に応じた送信信号Snを生成する。この送信信号Snは送信信号選択回路202に入力する。送信信号選択回路202は、制御部207の選択信号SEL1によって指示されたセクタにこの送信信号Sn[Sn,m=Sn(m=SEL1)、Sn,m=0(m≠SEL1)]を出力する。なお、Snは、デジタル信号で表された送信波形である。
ベースバンド信号処理部301-nの送信信号選択回路202から出力された送信信号Sn,mは一括変復調部302-1〜302-Mに入力する。一括変復調部302-mは、各ベースバンド信号処理部301-1〜301-Nから入力した送信信号S1,m〜SN,mを加算し、アナログ信号に変換した後、送信無線信号に変換する。この送信無線信号はセクタのアンテナ303から送信される。信号RFm(m=1〜M)は、m番目のセクタの送受信無線信号を示している。
一方、各セクタのアンテナ303で受信された信号は、一括変復調部302-1〜302-Mに入力する。一括変復調部302-mは、N個の通話チャネルに対応する帯域幅の受信無線信号を一括してベースバンド信号に周波数変換し、デジタル信号への変換を行なった後、出力する。このベースバンド信号RAmは全てのベースバンド信号処理部301-1〜301-Nに供給される。
ベースバンド信号処理部301-nの受信信号選択回路204は、M個の受信信号RA1〜RAMのうち、制御部207の選択信号SEL1で指示されたセクタの受信信号Rn[Rn=RAm(m=SEL1)]を選択し、受信信号処理部203へ出力する。受信信号処理部203は、選択された受信信号Rnより自通信チャネルに対応する受信データRDnを検出する。
また、制御部207は、予め定められた時間周期でモニタ信号選択回路206への選択信号SEL2を切り替える。これを受けて、モニタ信号選択回路206は、M個の受信信号RA1〜RAMの中から選択信号SEL2で指示されたセクタの受信信号RQn[RQn=RAm(m=SEL2)]を選択し、受信品質モニタ部205へ出力する。受信品質モニタ部205は、選択された受信信号RQnの受信品質(受信電力、干渉波電力、判定誤差電力、誤り率など)をモニタし、それを受信品質信号Qnにより制御部207へ報告する。制御部207は、このように受信品質モニタ部205を使って各セクタの受信品質をモニタし、最良の受信品質のセクタを選択する選択信号SEL1を送信信号選択回路202及び受信信号選択回路204へ出力する。
従って、移動局がセクタを横切って移動してもベースバンド信号処理部301-1〜301-Nの内部で自動的に最適なセクタが選択される。
このように、従来の移動通信基地局装置では、移動局がセクタを横切って移動するとき、移動局から受信した受信信号に基づいて最適なセクタを基地局が判断する基地局主導型のハンドオーバ制御が行なわれる。
しかし、従来の基地局装置は、ベースバンド処理部が各セクタからの受信品質信号を基に最良の受信品質のセクタを選択する基地局主導の構成になっているため、セクタごとの受信品質検出及び受信品質からセクタを選択するための比較回路が必要であり、ハードウェア規模が大きくなる、という問題がある。
また、ハンドオーバが、1つのチャネルとの接続を切断して新たなチャネルとの接続に切り替えるハードハンドオーバで行なわれているため、受信データに瞬断が生じ、受信品質が劣化する、という問題がある。
また、基地局からの送信が1系統で行なわれているため、移動局において、複数のセクタからの受信信号を合成しながらハンドオーバするソフトハンドオーバが実施できない、という問題がある。
発明の開示
本発明は以上のような問題点を解決するものであり、基地局のハードウエア規模の拡大を抑え、システムの柔軟性や信頼度を高め、優れた品質の通信を可能にする移動通信基地局装置を提供することを目的としている。
そこで、本発明は、セクタごとの送受信部と、セクタごとのベースバンド処理部と、送受信部とベースバンド処理部との接続を選択するセクタスイッチとを備えた移動通信基地局装置において、ハンドオーバ時に、移動局から得た周辺セクタの情報を基に複数のセクタを選択し、この複数のセクタの送受信部とベースバンド処理部とをセクタスイッチで接続して、セクタ間のソフトハンドオーバを行なうようにした。
このような本発明によれば、移動局のもたらす情報を基にセクタ間ソフトハンドオーバーを実施しているため、基地局のハードウエアの増大を抑えながら、ハンドオーバ時の瞬断や受信レベル低下を防ぎ、高い品質の伝送を実現することができる。
また、ベースバンド処理部をセクタ括り付けにしていないので、1つのセクタのトラフィックが多くなったときでも、それらの変復調処理を幾つかのベースバンド処理部に割り当てることが可能である。また、ベースバンド処理部の故障などにも柔軟に対応することができる。
また、セクタ間ソフトハンドオーバー時の制御を基地局装置の内部だけで実施できるため、移動通信交換局には、セル間のソフトハンドオーバーに必要な情報だけを送れば足りる。そのため、基地局と移動通信交換局との間の伝送量を削減することができ、伝送効率を向上させることができる。
また、本発明は、サービスエリアが複数のセルに分割され、各セルが複数のセクタで構成される移動通信システムの基地局装置において、各セクタで受信した無線信号を受信ベースバンド信号に変換する一方、各セクタの送信ベースバンド信号を送信無線信号に変換する複数の送受信部と、前記受信ベースバンド信号から受信信号を復調する一方、送信信号を前記送信ベースバンド信号に変換する複数のベースバンド処理部と、前記複数の送受信部と前記複数のベースバンド処理部との間の接続を切替えるセクタスイッチと、移動局から送られて来る周辺セクタに関する情報を基にハンドオーバー先のセクタを選定する選定制御部と、前記ハンドオーバー先となるセクタの送受信部に適切な前記ベースバンド処理部が接続されるように前記セクタスイッチを制御する接続制御部とを具備する移動通信基地局装置を構成した。
この構成により、ハンドオーバ時に、複数のセクタの受信信号を最大比合成し、送信信号を複数のセクタを通じて送信するソフトハンドオーバーを、基地局のハードウエア規模を拡大することなく、実現することができる。
また、本発明は、セクタスイッチが、セクタ間ソフトハンドオーバー時に、複数のセクタの送受信部をそれぞれ別のベースバンド処理部に接続し、各ベースバンド処理部により復調された情報信号を合成し、且つ、送信すべき情報信号を各ベースバンド処理部に分配する回路を設けたものであり、セクタ間ソフトハンドオーバー時に接続するベースバンド処理部を、セクタのトラフィックを考慮して選択することができる。
また、本発明は、セクタスイッチが、セクタ間ソフトハンドオーバー時に、複数のセクタの送受信部を同一のベースバンド処理部に接続し、ベースバンド処理部が、各セクタの受信信号をダイバーシチ合成するように構成したものであり、同一のベースバンド処理部により、ソフトハンドオーバー時の最大比合成を行なうことができる。
また、本発明は、ベースバンド処理部が、セクタ間のサイトダイバーシチ、アンテナを選択するスペースダイバーシチ及び遅延波を選択するパスダイバーシチにより得られた受信信号を合成して情報信号を復調するように構成したものであり、高い通信性能を得ることができる。
また、本発明は、ベースバンド処理部が、セクタ間のサイトダイバーシチ、アンテナを選択するスペースダイバーシチ及び遅延波を選択するパスダイバーシチにより得られた受信信号を、同一処理が可能な信号に変換して合成処理するように構成したものである。
この構成により、遅延波を選択するパスダイバーシチ、アンテナを選択するスペースダイバーシチ及びセクタ間のサイトダイバーシチの各々による結果を同一次元の相関出力として出力することができるため、少ない数の逆拡散回路及びRAKE合成回路により、この出力の処理が可能である。
また、本発明は、受信ベースバンド信号から同期を獲得する同期回路をベースバンド処理部から独立して設け、この同期回路が、複数のベースバンド処理部における処理のタイミングを制御するように構成したものであり、大量のデータを複数のコードを使用してデータ伝送(マルチコード伝送)する場合に、複数のベースバンド処理部に対するタイミング制御を一つの同期回路で一元管理することができ、円滑且つ柔軟な復調処理が実現できる。
また、本発明は、送受信部に、拡散コードを用いて送信信号の拡散処理を行う拡散回路を設けた構成にしたものである。
この構成により、送信セクタスイッチを通る信号レートが低くなるので、低速のスイッチを用いることができる。さらに、拡散回路がセクタ単位になるので、拡散回路をベースバンド部に設ける場合より回路が簡単になる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の第1の実施形態の基地局装置の構成を示すブロック図、
第2図は、本発明の第2の実施形態の基地局装置の構成を示すブロック図、
第3図は、本発明の第3の実施形態の基地局装置の構成を示すブロック図、
第4図は、本発明の第4の実施形態の基地局装置の構成を示すブロック図、
第5図は、本発明の第5の実施形態の基地局装置の構成を示すブロック図、
第6図は、従来の移動通信基地局装置の構成を示すブロック図、及び
第7図は、従来の移動通信基地局装置のベースバンド信号処理部の構成を示すブロック図、である。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して具体的に説明する。
(第1の実施の形態)
第1図に、CDMA方式の移動通信における基地局となる第1の実施形態の基地局装置が示されている。第1の実施形態の基地局装置は、セクタごとの送受信信号に対して直交変復調と周波数変換とを行なう基地局送受信装置3と、各チャネルの送受信信号に対する拡散コードによる拡散及び逆拡散処理と合成及び分離とを行なう基地局変復調装置5と、基地局変復調装置5と基地局送受信装置3との接続を選択するセクタスイッチ4と、基地局の各部の動作を制御する制御部(不図示)とを備えている。
基地局送受信装置3はセクタの数mだけ存在し、このセクタ数はサービス、ユーザ数等によって決定される。基地局送受信装置3は、複数のアンテナ1、2(ここではアンテナを2つにしているが、アンテナ数は装置規模等により決定される)と、送信信号の直交変調及び周波数変換を行なう送信RF回路12と、送信無線信号を増幅する送信増幅回路13と、アンテナ2を送信及び受信で共用するための共用回路22と、アンテナ1、2で受信された信号を増幅する受信増幅回路14、15と、受信信号の直交復調及び周波数変換を行なう受信RF回路16、17とを具備している。
また、基地局変復調装置5は、各チャネルの拡散コードによる拡散及び逆拡散処理を行なうN個のベースバンド処理(BB)部6と、各チャネルの信号の合成及び分離を行なう複数のソフトハンドオーバーインターフェース(SHO−IF)部7とから成る。
BB部6は、送信信号を符号化する符号化回路10と、送信信号に対して指定されたチャネルの拡散コードを用いて拡散処理を行なう拡散回路11と、受信信号に対して指定されたチャネルの拡散コードを用いて相関検出を行なう逆拡散回路18と、受信信号から同期を検出して基地局装置のタイミングを制御する同期/タイミング制御回路19と、マルチパスで受信した各受信信号を合成するRAKE合成回路20と、受信信号を復号する復号回路21とを具備する。
SHO−IF部7は、移動通信交換局との間で情報が伝送されるATMセルを合成及び分解するセル組立/分解回路8と、セクタ間ハンドオーバ時にソフトハンドオーバーを行なうSHO合成/分配回路9とを具備している。
この基地局装置は、通常時に次のように動作する。ここで、通常時とはソフトハンドオーバを行わないときである。
通信の開始時あるいはセル間ハンドオーバ時に、基地局制御部は、基地局送受信装置3に対するBB部6及びSHO−IF部7の組み合わせを指定する。
ある移動局への送信データは、移動通信交換局からATMセルで伝送され、基地局変復調装置5のセル組立/分解回路8に入力する。ここでATMセルが分解され、情報信号のみが抽出される。この情報信号は、SHO分配/合成回路9をスルーして、BB回路6の符号化回路10で符号化され、フレームに組み立てられる。フレーム組立された情報信号は拡散回路11において移動局の拡散コードを用いた拡散処理が行なわれ、セクタスイッチ4に出力される。
セクタスイッチ4は、基地局制御部の制御信号により送信すべきセクタを選択し、送信信号を選択したセクタの基地局送受信装置3の送信RF回路12に出力する。
拡散されたユーザごとの信号は、送信RF回路12で加算され、D/A変換、直交変調、周波数変換が行なわれ、送信増幅回路13で増幅され、アンテナ2より無線伝搬路に送信される。
一方、幾通りもの無線伝搬路を通って送られてきた複数の移動局からの多重信号は、アンテナ1、2で受信され、受信増幅回路14、15によりアンテナ1、2ごとに増幅される。受信RF回路16、17は、各アンテナ1、2で受信された受信信号に対して周波数変換、オートゲインコントロール処理、復調処理、A/D変換(サンプリング速度=k/T、1/T=チップ速度、k:正の整数)を行ない、セクタスイッチ4に出力する。
セクタスイッチ4は、基地局制御部の制御信号により、送信時と同一のBB部6(n番目のBB部)を選択して、受信信号を出力する。
n番目のBB部6の逆拡散回路18は、アンテナ1、2ごとの受信信号に対して移動局の拡散コードを用いて相関検出を行なう。また、同期/タイミング制御回路19は、各アンテナ1、2で受信された受信信号のうち、受信レベルの高い上位数サンプルの遅延波のタイミングを選択する。RAKE合成回路20は、選択された各遅延波を独立に復調してRAKE合成を行なう。復号回路21は、合成されたデータを用いて復号を行ない、情報信号を得る。
復号された情報信号は、SHO分配/合成回路9をスルーして、セル組立/分解回路8でATMセル化され、移動通信交換局へ伝送される。
次に、ソフトハンドオーバー時の動作について説明する。
ソフトハンドオーバーを行なうセクタ数は要求品質や装置規模によって決定される。ここでは、2セクタ間でソフトハンドオーバーを行なうものとする。
基地局制御部は、移動局から送られて来る周辺セクタ及びセルに関する情報(受信電力、干渉電力、誤り率等)を基に、ハンドオーバすべきm番目のセクタを決定し、また、トラフィックを考慮して、そのセクタと接続するBB部6(j番目のBB部6)を決定する。
セクタスイッチ4は、基地局制御部の制御信号により、初期接続時のセクタ(これを1番目のセクタとする)の受信RF回路16、17の出力信号を初期接続時のn番目のBB部6に出力し、ハンドオーバ先に決定したm番目のセクタの受信RF回路16、17の出力信号を、ソフトハンドオーバーを行なうj番目のBB部6に出力する。
それぞれのBB部6の逆拡散回路18は、アンテナ1、2ごとの受信信号に対して、移動局の拡散コードを用いて相関検出を行なう。また、同期/タイミング制御回路19は、各アンテナ1、2で受信された受信信号のうち、受信レベルの高い上位数サンプルの遅延波のタイミングを選択し、RAKE合成回路20は、選択されたタイミングの各遅延波を独立に復調し、RAKE合成を行なう。復号回路21は、合成された信号を用いて復号を行ない、情報信号を得る。
n番目及びj番目のBB部6で復号された情報信号は、当初に選定されたSHO−IF部7のSHO分配/合成回路9に入力する。基地局制御部は、移動局から送られた信頼度情報(受信電力、干渉電力、誤り率等)に基づいて、このSHO分配/合成回路9に対し、セクタごとに復号された信号の最大比合成を行なわせる。合成された信号は、セル組立/分解回路8でATMセル化され、移動通信交換局へ伝送される。
一方、移動局への送信データは移動通信交換局からATMセルで伝送され、セル組立/分解回路8が、このセルを分解して情報信号のみを抽出する。SHO分配/合成回路9は、この情報信号をn番目及びj番目のBB部6に分配して出力する。
それぞれのBB回路6の符号化回路10は、この情報信号を符号化し、フレームに組み立てて拡散回路11に出力し、拡散回路11は、この信号に対して移動局の拡散コードを用いて拡散処理を行ない、処理した信号をセクタスイッチ4に出力する。
セクタスイッチ4は、拡散処理された信号を、1番目及びm番目のセクタに振り分ける。
それぞれのセクタにおける基地局送受信装置3の送信RF回路12は、拡散された信号を加算して、直交変調、周波数変換を行ない、変換された信号は送信増幅回路13で増幅された後、アンテナ2より無線伝搬路に送信される。
このような第1の実施の形態によれば、移動局より基地局装置にもたらされる周辺セクタ及びセルの情報(受信電力、干渉電力、誤り率等)から、ハンドオーバすべきセクタを選定しているので、基地局が自ら移動局の各セクタにおける受信レベルを比較する必要がなくなり、回路を簡略化できる。
また、BB部6を、セクタ括り付けにせずに、トラフィックに応じて、選定したセクタに割り当てている。このような柔軟性を持つ構成により、基地局装置のハードウエア規模の一層の削減が可能となる。
また、この基地局装置では、ソフトハンドオーバーを行なっているため、セクタ間ハンドオーバ時に受信データの瞬断が生じない。また、このとき、複数のセクタから送信信号を送信しているため、移動局においてもソフトハンドオーバーが可能となり、通信品質が向上する。
また、セクタ間ハンドオーバの制御は全て基地局で行なわれ、基地局から移動通信交換局には、セル間のソフトハンドオーバー時にのみ、必要な情報が送られる。そのため、基地局と移動通信交換局との間の伝送効率を向上させることができる。
(第2の実施の形態)
第2の実施形態の基地局装置は、ソフトハンドオーバー時の処理を1つのベースバンド部を用いて実行する。
第2図に第2の実施形態にかかる基地局装置の機能ブロックが示されている。この基地局装置は、基地局変復調装置35のN個のBB部36が、移動通信交換局との間で情報が伝送されるATMセルを合成及び分解するセル組立/分解回路37と、送信信号を符号化する符号化回路38と、送信信号に対して移動局の拡散コードを用いて拡散処理を行なう拡散回路39と、受信信号に対して移動局の拡散コードを用いて相関検出を行なう複数の逆拡散回路46、47と、受信信号から同期を検出して基地局装置のタイミングを制御する同期/タイミング制御回路48と、マルチパスで受信した受信信号を合成する複数のRAKE合成回路49、50と、各RAKE合成回路49、50の出力を最大比合成するタイミング調整/合成回路51と、タイミング調整/合成回路51の出力を基に受信信号を復号する復号回路52とを具備している。基地局送受信回路33及びセクタスイッチ34の構成は第1の実施形態(第1図)と同じであり、また、図示されていないが、基地局制御部を備えている点でも変わりがない。
この基地局装置は、通常時(ソフトハンドオーバーを行っていないとき)に次のように動作する。
通信開始時あるいはセル間ハンドオーバ時に、基地局制御部は、BB部36と基地局送受信装置33との組み合わせを選定する。
ある移動局への送信データは、移動通信交換局からATMセルで伝送され、BB部36のセル組立/分解回路37に入力し、ここでATMセルが分解され、情報信号のみが抽出される。この情報信号は、符号化回路38で符号化され、フレームに組み立てられ、拡散回路39において移動局の拡散コードを用いた拡散処理が行なわれ、セクタスイッチ34に出力される。
セクタスイッチ34は、基地局制御部の指示により送信すべきセクタを選択し、送信信号を、選択したセクタの基地局送受信装置45の送信RF回路40に出力する。
拡散されたユーザごとの信号は、送信RF回路40で加算され、D/A変換、直交変調、周波数変換が行なわれ、送信増幅回路41で増幅され、アンテナ32より無線伝搬路に送信される。
一方、幾通りもの無線伝搬路を通って送られてきた複数の移動局からの多重信号は、アンテナ31、32で受信され、受信増幅回路42、43によりアンテナ31、32ごとに増幅される。受信RF回路44、45は、各アンテナ31、32で受信された受信信号に対して周波数変換、オートゲインコントロール処理、復調処理、A/D変換を行ない、セクタスイッチ34に出力する。
セクタスイッチ34は、送信時と同一のBB部36(n番目のBB部36)を選択し、受信信号を出力する。
BB部36の逆拡散回路46、47は、それぞれのアンテナ31、32の受信信号に対して拡散コードを用いて相関検出を行なう。また、同期/タイミング制御回路48は、各アンテナ31、32で受信されたそれぞれの受信信号のうち、受信レベルの高い上位数サンプルの遅延波のタイミングを選択し、RAKE合成回路49、50は、各アンテナ31、32で受信された受信信号の選択された各遅延波を独立に復調し、RAKE合成を行なう。
タイミング調整及び合成回路51は、それぞれのRAKE合成回路49、50の出力を最大比合成する。合成された信号は復号回路52に出力され、復号回路52は、合成されたデータを用いて復号を行ない、情報信号を得る。
復号された情報信号は、セル組立/分解回路37でATMセル化され、移動通信交換局へ伝送される。
次に、ソフトハンドオーバー時の動作について説明する。ここでは、2セクタ間でソフトハンドオーバーを行なうものとする。
基地局制御部は、移動局から送られて来る周辺セクタ及びセルに関する情報(受信電力、干渉電力、誤り率等)を基に、ハンドオーバすべきセクタ(ハンドオーバ先セクタ)を決定する。この決定に基づいて、セクタスイッチ34は、初期接続時のセクタ(ハンドオーバ元セクタ)の受信RF回路44、45の出力信号と、ハンドオーバ先セクタの受信RF回路の出力信号とを、同一のn番目のBB部36に出力する。
このBB部36の同期/タイミング制御回路48は、ハンドオーバ元の同期については既に確立しているので、ハンドオーバ先の同期獲得処理を行なう。その同期が確立すると、逆拡散回路46は、ハンドオーバ元セクタの受信信号に対して拡散コードを用いて相関検出を行ない、逆拡散回路47は、ハンドオーバ先セクタの受信信号に対して拡散コードを用いて相関検出を行なう。
RAKE合成回路49は、逆拡散回路46の出力から、同期/タイミング制御回路48で選択されたタイミングの各遅延波を独立に復調してRAKE合成を行ない、また、RAKE合成回路50は、逆拡散回路47の出力から、同期/タイミング制御回路48で選択されたタイミングの各遅延波を独立に復調してRAKE合成を行なう。
タイミング調整及び合成回路51は、各RAKE合成回路49、50の出力を、セクタ間のタイミングずれを調整しながら、最大比合成する。
復号回路52は、合成された信号を用いて復号を行ない、情報信号を得る。復号された情報信号は、セル組立/分解回路37でATMセル化され、移動通信交換局へ伝送される。
一方、移動局への送信データは、移動通信交換局からATMセルで伝送され、セル組立/分解回路37で情報信号のみが抽出され、符号化回路38で符号化され、拡散回路39で移動局の拡散コードを用いて拡散処理が行なわれ、処理した信号がセクタスイッチ34に出力される。
セクタスイッチ34は、拡散処理された同一信号をハンドオーバ元セクタ及びハンドオーバ先セクタに振り分ける。
それぞれのセクタにおける基地局送受信装置33の送信RF回路40は、拡散された信号を加算して、直交変調、周波数変換を行ない、変換された信号は送信増幅回路41で増幅された後、アンテナ32より無線伝搬路に送信される。
また、セル間ソフトハンドオーバー時には、復号回路52が復号した情報信号と信頼度情報(受信レベル等)とがATMセル化され、移動通信交換局に伝送される。移動通信交換局は、ハンドオーバ元セクタとハンドオーバ先セクタとから受信した情報信号を、この信頼度情報を用いて合成または選択し、所望の情報信号を得る。
このような第2の実施の形態によれば、セクタ間ソフトハンドオーバー時に、同一のベースバンド部を用いて、ハンドオーバ元セクタ及びハンドオーバ先セクタの受信信号をダイバーシチにより最大比合成するため、通信性能が向上する効果が得られる。
また、セクタ間ソフトハンドオーバーは基地局内部で制御され、移動通信交換局には、セル間ソフトハンドオーバー時にのみ、必要な情報が伝えられる。従って、基地局と移動通信交換局との間の伝送量を減らすことができ、伝送効率を高めることができる。
(第3の実施の形態)
第3の実施形態の基地局装置は、第2の実施形態に比べて、回路規模の減少を図ることができる。
第3図に第3の実施の形態にかかる基地局装置の機能ブロックを示している。この基地局装置は、基地局変復調装置65のN個のBB部66が、移動通信交換局との間で情報が伝送されるATMセルを合成及び分解するセル組立/分解回路67と、送信信号を符号化する符号化回路68と、送信信号に対して移動局の拡散コードを用いて拡散処理を行なう拡散回路69と、受信信号から同期を検出して基地局装置のタイミングを制御する同期/タイミング制御回路76と、受信レベルの高い遅延波のパスを選択するパス選択回路77と、選択されたパスの受信信号に対して移動局の拡散コードを用いて相関検出を行なう逆拡散/タイミング調整回路78と、選択された各パスで受信した受信信号を合成するRAKE合成回路79と、RAKE合成回路79の出力を基に受信信号を復号する復号回路80とを具備している。基地局送受信回路63及びセクタスイッチ64の構成は第1の実施形態と同じであり、また、図示されていないが、基地局制御部を備えている点でも変わりがない。
この基地局装置では、通常時(ソフトハンドオーバー無しのとき)における送信が、第2の実施形態と同様に行なわれる。
一方、受信時には、幾通りもの無線伝搬路を通って送られてきた複数の移動局からの多重信号が、アンテナ61、62で受信され、受信増幅回路73、74によりアンテナ61、62ごとに増幅される。受信RF回路74、75は、各アンテナ61、62で受信された受信信号に対して周波数変換、AGC処理、復調処理、A/D変換を行ない、セクタスイッチ64に出力する。
セクタスイッチ64は、送信時と同一のBB部66を選択して、受信信号を出力する。
BB部66の同期/タイミング制御回路76は、各アンテナ61、62で受信されたそれぞれの受信信号のうち、受信レベルの高い上位数サンプルの遅延波のタイミングを選択し、パス選択信号をパス選択回路77に出力する。パス選択回路77は、セクタスイッチ64の出力信号をパス選択信号によって選択し、受信レベルの高い上位数サンプルの遅延波を逆拡散/タイミング調整回路78に出力する。逆拡散/タイミング調整回路78は、この出力信号に対し、拡散コードを用いて相関検出を行なう。RAKE合成回路79は、選択された各遅延波を独立に復調し、RAKE合成を行なう。
RAKE合成回路79の出力信号は復号回路80に出力され、復号回路80は復号を行ない、情報信号を得る。
復号された情報信号は、セル組立/分解回路67でATMセル化され、移動通信交換局へ伝送される。
ソフトハンドオーバー時には、第2の実施形態と同様、セクタスイッチ64は、初期接続時のセクタ(ハンドオーバ元セクタ)の受信RF回路74、75の出力信号と、ハンドオーバ先セクタの受信RF回路の出力信号とを、同一のn番目のBB部66に出力する。
このBB部66の同期/タイミング制御回路76は、ハンドオーバ元セクタの同期については既に確立しているので、ハンドオーバ先セクタの同期獲得処理を行なう。その同期が確立すると、同期/タイミング制御回路76は、受信レベルの高い上位数サンプルの遅延波を選択し、パス選択信号をパス選択回路77に出力する。パス選択回路77は、セクタスイッチ64の出力信号をパス選択信号によって選択し、受信レベルの高い上位数サンプルの遅延波を逆拡散/タイミング調整回路78に出力する。逆拡散/タイミング調整回路78は、この出力信号に対して、セクタ間のタイミングずれを調整しながら、拡散コードを用いて相関検出を行なう。RAKE合成回路79は、選択された各遅延波を独立に復調し、RAKE合成を行なう。
RAKE合成回路79の出力信号は復号回路80に出力され、復号回路80は復号を行ない、情報信号を得る。復号された情報信号は、セル組立/分解回路67でATMセル化され、移動、通信交換局へ伝送される。
ソフトハンドオーバー時の送信信号に対する処理は第2の実施形態と変わりがない。
また、セル間ソフトハンドオーバー時には、復号回路80で復号した情報信号とともに信頼度情報(受信レベル等)がATMセル化され、移動通信交換局に伝送される。移動通信交換局では、ハンドオーバ元基地局とハンドオーバ先基地局からの情報信号を信頼度情報を用いて合成または選択を行ない、所望の情報信号を得る。
このように、この基地局装置は、セクタ間ソフトハンドオーバー時に、同一のベースバンド部を用いて、ハンドオーバ元セクタ及びハンドオーバ先セクタの受信信号を最大比合成しているが、このとき、遅延波を選択するパスダイバーシチと、アンテナを選択するスペースダイバーシチと、セクタ間のサイトダイバーシチとを、同一次元の逆拡散/タイミング調整回路78の相関出力を処理することによって実行できる。例えば、遅延波の区間とアンテナ、セクタの空間との2次元の中から4つの遅延波(タップ数が4の場合)を選択し、このときの逆拡散/タイミング調整回路78の相関出力を合成することによって、これらのダイバーシチを実現することができる。そのため、逆拡散/タイミング調整回路78やRAKE合成回路79を多数もつことなく、高性能の通信を実施することができる。
また、セクタ間ソフトハンドオーバーは基地局内部で制御されるため、第1及び第2の実施形態と同様、基地局と移動通信交換局との間の伝送効率を高めることができる。
(第4の実施の形態)
第4の実施形態の基地局装置は、各BB部の動作のタイミングを一元管理することを可能にしたものである。
第4図に第4の実施形態の基地局装置の機能ブロックが示されている。この基地局装置では、BB部に在った同期/タイミング制御回路106を独立して設置し、タイミングスイッチ107を介してBB部96のタイミング制御を行なうように構成している。その他の構成は第3の実施形態と変わりがない。
この装置の同期/タイミング制御回路106は、受信信号から同期を検出してタイミング信号を出力し、このタイミング信号は、タイミングスイッチ107に入力して、各BB部96に振り分けられる。
通常のデータ伝送時には、同期/タイミング制御回路106は、第3の実施形態と同様、各アンテナ91、92で受信された受信信号のうち、受信レベルの高い上位数サンプルの遅延波のタイミングを選択して、パス選択信号を出力する。このパス選択信号は、タイミングスイッチ99を介して、該当するBB部96に送られ、BB部96は、第3の実施形態と同様の送受信及びソフトハンドオーバー動作を行なう。
また、動画等のデータを高速データ伝送する場合に、複数コード(チャネル)を用いた伝送が行なわれるが、このようなときには、一つの同期/タイミング制御回路106が、タイミングスイッチ107を介して、複数のBB部96と接続し、各BB部96の動作タイミングを一元管理する。
このように、この基地局装置は、同期部を独立して設けたことにより、複数コードを用いる場合のタイミング制御を一元管理することができ、複数コードを並列に使用する高速データ伝送を、円滑に実施することができる。
(第5の実施の形態)
第5の実施形態の基地局装置は、符号化された送信信号を拡散処理する拡散回路を基地局送受信装置に設けて、セクタスイッチを送信セクタスイッチと受信セクタスイッチに分割し、送信セクタスイッチを通る信号をベースバンド周波数にしたものである。
第5図に第5の実施形態にかかる基地局装置の機能ブロックが示されている。この基地局装置は、第1の実施形態の基地局装置ではBB部236にあった拡散回路を基地局送受信装置233に設け、BB部236にある符号化回路211によって符号化されフレームに組み立てられた送信信号を、送信セクタスイッチ235を介して基地局送受信装置233の拡散回路212に入力するように構成したものである。受信信号は、基地局送受信装置233から受信セクタスイッチ234を介してBB部236の逆拡散回路219に入力される。
拡散回路212は、符号化された送信信号に拡散コードを乗算することにより、送信信号を広い周波数帯域に拡散する処理手段である。拡散コードには、ユーザを識別するためにユーザごとに割り当てられるショートコードと、セクタを識別するためにセクタに割り当てられるロングコードがあり、ショートコードは例えば周期が64の短いコードであり、ロングコードは例えば周期が10万程度の非常に長いコードである。
符号化回路211の出力信号が64kbpsのベースバンド信号であり拡散率が64であるとする。まず、各ユーザのベースバンド信号に、そのユーザに割り当てられた周期64のショートコードを、ベースバンド信号の各ビット区間ごとに乗算して、64倍の速度の4.096Mcps(Mega chips per second)の信号に変換する。この信号を各ユーザについて加算したのちに、セクタに割り当てられたロングコードを乗算して、そのセクタの送信データを生成する。ロングコードの乗算は、ショートコードと同じチップ速度で行うので、ロングコードを乗算しても、出力信号のチップ速度は依然として4.096Mcpsのままである。
拡散処理を、BB部236でなく基地局送受信装置233で行う場合は、ユーザ単位ではなくセクタ単位で拡散処理をすることになる。各セクタの拡散回路212を、1つのセクタで同時に利用できるショートコードの数だけのショートコード乗算回路と、加算回路と、ロングコード乗算回路で構成する。BB部236から送信セクタスイッチ235を介して入力される送信フレームを、それぞれ対応するショートコード乗算回路に入力して乗算を行なう。それらの乗算結果を加算してロングコード乗算回路でロングコードを乗算することにより、セクタ単位の拡散処理を行う。
このようにすれば、ロングコード乗算回路はBB部236の回路数だけ必要であったものが、セクタ数だけあればよいようになる。また、ショートコード乗算回路の数は同じであるから、回路数を減少させて、なおかつ送信セクタスイッチ235を通る信号の速度を下げることができる。
移動局からの受信信号は、第1の実施形態と同じくユーザごとに逆拡散処理を行うので、受信セクタスイッチ234を通る信号の速度は逆拡散前のチップ速度となる。したがって、セクタスイッチは送信用の低速の送信セクタスイッチ235と受信用の高速の受信セクタスイッチ234を分けて設けることになる。その他の構成は第1の実施形態と変わりがない。
この基地局装置233は、通常時(ソフトハンドオーバー無しのとき)に次のように動作する。
ある移動局への送信データは、移動通信交換局からATMセルで伝送され、基地局変復調装置237のセル組立/分解回路210に入力し、ここでATMセルが分解され、情報信号のみが抽出される。この情報信号は、SHO分配/合成回路239をスルーして、BB回路236の符号化回路211で符号化され、フレームに組み立てられ、送信セクタスイッチ235に出力される。
送信セクタスイッチ235は、基地局制御部(不図示)の制御信号により送信すべきセクタを選択し、送信信号を選択したセクタの基地局送受信装置233の拡散回路212に出力する。拡散回路212は、複数のBB部236から送信セクタスイッチ235を介して送られてきた送信フレームにショートコードを乗算し、その結果を加算して、さらにロングコードを乗算することにより拡散処理を行う。拡散処理をされた送信信号フレームは送信RF回路213に出力され、送信RF回路213でD/A換、直交変調、周波数変換が行なわれ、送信増幅回路214で増幅され、アンテナ232より無線伝搬路に送信される。
一方、幾通りもの無線伝搬路を通って送られてきた複数の移動局からの多重信号は、アンテナ231、232で受信され、受信増幅回路215、216によりアンテナ231、232ごとに増幅される。受信RF回路217、218は、各アンテナ231、232で受信された受信信号に対して周波数変換、AGC処理、復調処理、A/D変換を行ない、受信セクタスイッチ234に出力する。
受信セクタスイッチ234は、基地局制御部の制御信号により、送信時と同一のBB部236(n番目のBB部)を選択して、受信信号を出力する。これ以降の受信処理は第1の実施形態と同様である。
次に、ソフトハンドオーバー時の動作について説明する。
基地局制御部は、移動局から送られて来る周辺セクタ及びセルに関する情報(受信電力、干渉電力、誤り率等)を基に、ハンドオーバすべきm番目のセクタを決定し、また、トラフィックを考慮して、そのセクタと接続するBB部236(j番目のBB部236)を決定する。
受信セクタスイッチ234は、基地局制御部の制御信号により、初期接続時のセクタ(これを1番目のセクタとする)の受信RF回路217、218の出力信号を初期接続時のn番目のBB部236に出力し、ハンドオーバ先に決定したm番目のセクタの受信RF回路217、218の出力信号を、ソフトハンドオーバーを行なうj番目のBB部236に出力する。これ以降の受信処理は第1の実施形態と同様である。
一方、移動局への送信データは移動通信交換局からATMセルで伝送され、セル組立/分解回路210が、このセルを分解して情報信号のみを抽出する。SHO分配/合成回路239は、この情報信号をn番目及びj番目のBB部236に分配して出力する。
それぞれのBB回路236の符号化回路211は、この情報信号を符号化し、フレームに組み立てて送信セクタスイッチ235に出力する。送信セクタスイッチ235は、送信フレームを1番目及びm番目のセクタに振り分ける。
それぞれのセクタにおける基地局送受信装置233の拡散回路212は送信フレームを拡散処理し、送信RF回路213に出力する。送信RF回路213は、拡散された信号を直交変調、周波数変換を行ない、変換された信号は送信増幅回路214で増幅された後、アンテナ232より無線伝搬路に送信される。
拡散回路212を基地局送受信装置233に設け、セクタスイッチを送信セクタスイッチ235と受信セクタスイッチ234に分割する例を、第1の実施形態を変形した基地局装置について説明したが、第2〜第4の実施形態の基地局装置に同様の変形をすることも可能なことは明らかである。それらの基地局装置の動作も、送信の場合やハンドオーバの動作が第5の実施形態と同様になり、受信動作が第2〜第4の実施形態のものと同様になることは明らかである。
したがって、第2〜第4の実施形態の基地局装置に、拡散回路212を基地局送受信装置233に設け、セクタスイッチを送信セクタスイッチ235と受信セクタスイッチ234に分割する構成を適用しても、送信セクタスイッチに低速のスイッチを使用でき、拡散回路の回路規模を小さくできる。
産業上の利用可能性
以上のように、本発明にかかる移動通信基地局装置は、セクタ送受信を行うセルラシステムの基地局装置におけるセクタ間ソフトハンドオーバーに有用であり、基地局装置のハードウエア規模を縮小し、伝送品質を向上させるのに適している。

Claims (10)

  1. サービスエリアが複数のセルに分割され、各セルが複数のセクタで構成される移動通信システムの基地局装置において、
    各セクタで受信した無線信号を受信ベースバンド信号に変換する一方、各セクタの送信ベースバンド信号を送信無線信号に変換する複数の送受信部と、
    前記受信ベースバンド信号から受信信号を復調する一方、送信信号を前記送信ベースバンド信号に変調する複数のベースバンド処理部と、
    前記複数の送受信部と前記複数のベースバンド処理部との間の接続を切替える1つのセクタスイッチと、
    移動局から送られて来る周辺セクタに関する情報を基にハンドオーバー先のセクタを選定する選定手段と、
    前記ハンドオーバー先となるセクタの送受信部に適切な前記ベースバンド処理部が接続されるように前記セクタスイッチを制御する接続制御手段と、を具備し、
    前記複数のベースバンド処理部は、おのおの、拡散コードを用いて前記送信信号を拡散する拡散手段を有し、
    前記セクタスイッチは、前記複数の送受信部と前記複数のベースバンド処理部との間における前記受信ベースバンド信号と前記送信ベースバンド信号の接続を切替える、
    移動通信基地局装置。
  2. 前記接続制御手段は、セクタ間のソフトハンドオーバー時に、ハンドオーバー元のセクタについて前記送受信部と前記ベースバンド処理部との接続を維持する一方で、前記ハンドオーバー先となるセクタの送受信部と前記ベースバンド処理部とが接続されるように前記セクタスイッチを制御する、請求項1記載の移動通信基地局装置。
  3. セクタ間のソフトハンドオーバー時に、ハンドオーバー元及びハンドオーバー先となる複数のセクタの送受信部に接続された前記各ベースバンド処理部で復調された各受信信号を合成する手段と、
    セクタ間のソフトハンドオーバー時に、送信すべき送信信号を前記各ベースバンド処理部に分配する手段と、
    を備えた請求項1記載の移動通信基地局装置。
  4. 前記接続制御手段は、セクタ間のソフトハンドオーバー中の受信時刻においてハンドオーバー元及びハンドオーバー先となる複数のセクタの送受信部が同一ベースバンド処理部に接続されるように前記セクタスイッチを制御し、
    前記ベースバンド処理部は、複数のセクタの送受信部から出力される受信ベースバンド信号をダイバーシチ合成する
    請求項1記載の移動通信基地局装置。
  5. 前記ベースバンド処理部は、セクタ間のサイトダイバーシチ、アンテナを選択するスペースダイバーシチ及び遅延波を選択するパスダイバーシチにより得られた信号を合成して受信信号を復調する、請求項4記載の移動通信基地局装置。
  6. 前記ベースバンド処理部は、セクタ間のサイトダイバーシチ、アンテナを選択するスペースダイバーシチ及び遅延波を選択するパスダイバーシチにより得られた信号を同一処理が可能な信号に変換して合成処理する、請求項5記載の移動通信基地局装置。
  7. 前記各ベースバンド処理部に入力する前記受信ベースバンド信号から前記各ベースバンド処理部の同期を個別に獲得し、前記各ベースバンド処理部における処理のタイミングを一元管理する同期手段を備えた、請求項1記載の移動通信基地局装置。
  8. 周辺セクタに関する前記情報は、周辺セクタの受信電力、干渉電力及び誤り率の少なくとも一つを含む、請求項1記載の移動通信基地局装置。
  9. 前記接続制御手段は、ハンドオーバー先のセクタと接続する適切なベースバンド処理部を、セクタのトラヒックを考慮して選択する、請求項1記載の移動通信基地局装置。
  10. セクタごとの送受信部と、チャネルごとのベースバンド処理部と、前記送受信部と前記ベースバンド処理部との接続を選択する1つのセクタスイッチとを備えた移動通信基地局装置におけるセクタ間ソフトハンドオーバー方法において、
    移動局から得た周辺セクタの情報を基に複数のセクタを選択し、選択した複数のセクタの送受信部と対応するベースバンド処理部とを前記セクタスイッチで接続して前記移動局との間に複数チャネル確保することにより、セクタ間のソフトハンドオーバを行ない、
    接続されたベースバンド処理部では、拡散コードを用いて送信信号を拡散し、
    前記接続ステップでは、前記セクタスイッチによって受信ベースバンド信号と送信ベースバンド信号の接続を切替える、
    セクタ間ソフトハンドオーバー方法。
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