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JP4097514B2 - 放送受信装置 - Google Patents

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JP4097514B2
JP4097514B2 JP2002347126A JP2002347126A JP4097514B2 JP 4097514 B2 JP4097514 B2 JP 4097514B2 JP 2002347126 A JP2002347126 A JP 2002347126A JP 2002347126 A JP2002347126 A JP 2002347126A JP 4097514 B2 JP4097514 B2 JP 4097514B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、データ放送を受信する放送受信装置に関し、詳細には、このような放送受信装置を車載環境で使用する場合の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
衛星デジタル放送、地上波デジタル放送など各種の放送で、文字データのみでなく様々なデータを含んだデータ放送が実施・検討されている。例えば、高品質音声デジタル放送であるDAB(Digital Audio Broadcasting)放送には、音楽、音声番組等のオーディサービス以外にデータサービスが含まれている。DABにおけるデータサービスのチャンネルでは、文字、画像情報等のマルチメメディアデータが、MOT(Multimedia Object Transfer)オブジェクトとして所定の形式で提供される。
【0003】
MOTオブジェクトとして提供されるマルチメデイアデータは、規格上ではパーソナルコンピュータ上で扱うことのできるものを多数含み、主なものとして以下のようなもを含む。
・テキストデータ(HTML,Text(US-ASCII)など)
・静止画データ(GIF,JPEG,BMPなど)
・音声データ(MPEG1 audio Layer 3, AIFFなど)
・動画データ(MPEG4 videoなど)
【0004】
MOTオブジェクトを受信する放送受信装置の構成については、例えば、下記の特許文献1に記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−82971号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
DABにおけるデータ放送は、移動体向けのみならず、家庭向けでの利用も考慮されているので、MOTオブジェクトは様々なファイル形式のデータファイルを含んでいる。したがって、データ放送を車載環境で受信する状況を考えたとき、放送受信装置におけるMOTオブジェクトの再生は以下のような問題を含むことが考慮されなければならない。すなわち、MOTオブジェクトは、ファイル形式によっては、例えばHTMLファイルのように閲覧する為に複雑な操作を必要とするもの、また操作を行う為に画面への注視を必要とするもの等がある。このような、ファイル形式のものを車両の走行中に、ドライバーが放送受信装置を操作して閲覧することは、安全走行上好ましくない。
【0007】
一方、MOTオブジェクトには、静止画像のような、ユーザー操作を必要としないデータファイルも含まれており、このようなものについては、HTMLファイルの場合のような問題は生じない。
【0008】
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、走行中にデータ放送を受信する上での安全性を向上させることのできる放送受信装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そのため、データ放送を受信する放送受信装置に、車両から得られる車速情報を利用し、車両の速度が所定速度以上である場合に、データ放送で提供されるデータファイルのファイル形式のうち所定のファイル形式のデータファイルの再生が禁止されるように制御する制御手段を付加する。この構成によれば、走行中に複雑な操作を必要とするようなデータファイルが再生される事を禁止することができる。
【0010】
再生が禁止される所定のファイル形式は、
1)再生する上で必要な操作の複雑性
2)再生する上で必要な注視時間
3)データファイルが有する階層の深さ
のうちの少なくとも一つの程度が所定の基準よりも低いファイル形式とすることができる。
【0011】
なお、所定のファイル形式には、HTMLファイル形式が含まれていても良い(請求項)。
【0012】
制御手段は、車両の速度が所定速度以上である場合に、所定のファイル形式以外のファイル形式のデータファイルについて再生を許可するように制御を行っても良い(請求項)。この場合、再生が許可されるファイル形式には、静止画像のファイル形式と、テキストファイル形式とが含まれていても良い(請求項)。
【0013】
所定速度は、通常走行速度であるかどうかを識別可能な速度であっても良い(請求項)。或いは、所定速度は、高速走行であるかどうかを識別可能な速度であっても良い(請求項)。
【0014】
なお、制御手段は、車両の速度に関する情報として、車速センサからの情報を用いることができる(請求項)。また、制御手段は、車両の速度に関する情報として、サイドブレーキの使用状態に関する情報を用いることもできる(請求項)。
【0015】
制御手段は、車両の速度が所定速度以上である場合に再生を禁止したデータファイルをメモリに格納するように構成されていても良い(請求項)。なお、データ放送はDAB放送における、MOTオブジェクトを提供するデータ放送であっても良い(請求項1)。再生が禁止されるように制御することは、ユーザからの操作入力を受け付けないこと、および/または表示を行わないことを含んでいても良い(請求項1)。
【0016】
また、上記目的を達成する為に、放送受信装置に、車両の速度が所定速度以上である場合に、データ放送で提供されるデータファイルのファイル形式のうち所定のファイル形式のデータファイルのみ再生が許可されるように、データ放送の再生を制御する制御手段を付加しても良い。再生が許可される所定のファイル形式は、
1)再生する上で必要な操作の複雑性
2)再生する上で必要な注視時間
3)データファイルが有する階層の深さ
のうちの少なくとも一つの程度が所定の基準よりも低いファイル形式とすることができる(請求項1)。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態としての、車載環境で使用されるDAB受信装置10の構成を表している。DAB受信装置10は、DABにおけるデータ放送、すなわちMOTオブジェクトを受信できるように構成されている。
【0018】
また、MOTフォーマットを図2に示す。MOTオブジェクトとは、DABのデータ番組においてマルチメディアデータを提供するために用いられるデータであり、MOTオブジェクトの内容を表すヘッダ部分31とデータ本体33から構成される。先頭部にあるヘッダ部分31には、データ本体33の内容を識別する情報として、Content Type(6bit)、Content Subtype(9bit)が含まれている。これらの情報を用いることによって、ファイル形式を知ることができる。
【0019】
図1のDAB受信装置10において、DAB信号は、受信部(不図示)で受信され所定の復調処理を施された後、DABデコード部11に入力される。DABデコード部11では、制御マイコン17からの制御の下、所定の復調処理によって得られた受信データに対する解読処理が行われ、またデータ番組についての選択が行われる。オーディオ番組等のオーディーデータについては、DABデコード部11から復号部(不図示)に送出され音楽や音声として再生が行われる。
【0020】
MOTデコード部13では、ファイルの抽出が行われ、抽出されたファイルは必要に応じメモリ(不図示)に格納され、再生が行われる際には、モニタ15等へ出力される。制御マイコン17に接続されているキー23を介して、データ番組の再生のためのユーザ操作の受け付けが行われる。なお、制御マイコン17は、番組の選択などDAB受信装置10のあらゆる制御を司っている。
【0021】
上記のようにMOTとは、ファイルを時分割し、パケット方式で転送可能なプロトコルとなっており、様々なファイル形式のファイルがデータ番組として提供される。これらのファイル形式は、例えばHTMLファイルのように、ユーザ操作が必要であり、また操作中に画面に注視する時間が長くなるタイプのファイル形式と、静止画像やテキストデータのようにユーザ操作を必要とせず、また画面に注視する時間も長くはならないタイプのファイル形式を含んでいる。このような、ユーザ操作を必要とせず、また画面に注視する時間も長くはならないタイプのデータを、以下では、簡易ファイル形式と記すことにする。
【0022】
HTMLファイルのように、階層が深いものを走行中に閲覧することは、安全走行上好ましくない。そのため、図1のDAB受信装置10の制御マイコン17は、再生可能なデータ番組と、安全を考慮して再生を禁止すべきデータ番組とを、車速センサ21からの車速情報に応じて決定するように構成されている。
【0023】
DAB受信装置10におけるデータ番組の再生処理のフローチャートを図3および図4に示す。なお、図3の処理は、受信されるMOTオブジェクトを随時再生する場合のものであり、図4の処理は、一旦メモリに格納されたMOTオブジェクトを呼び出して再生する場合のものである。これらの処理は、制御マイコン17による制御の下で実行される。
【0024】
図3のデータ番組再生処理において、まず、MOTオブジェクトをデコードすることによってMOTフォーマットに含まるファイル形式を認識する(S11)。新着ファイルがあれば、モニタ15等を介して通知が行われる(S12)。次に、ステップS13では、ステップS11で認識されたファイル形式についての判定が行われる。その結果、受信したMOTオブジェクトが、ユーザ操作を必要としない簡易ファイル形式であれば、MOTオブジェクトを再生する上でのキー23からの入力の受け付けおよびモニタ15への表示が許可され、すなわちMOTオブジェクトの再生が許可される(S14)。
【0025】
一方、ステップS13での判定の結果、受信したMOTオブジェクトが簡易ファイル形式で無い場合には、ステップS15において車速の判定が行われる。その結果、車速が低速または停止状態であれば処理はステップS14に進み、MOTオブジェクトの再生が許可される。車速が、通常走行状態に相当するものである場合には、処理はステップS16に進み、MOTオブジェクトは再生されること無くメモリに格納される。以上の処理により、通常走行中にMOTオブジェクトが再生されることがない。
【0026】
図4のデータ番組再生処理では、まず、キー23を介しての所定の呼び出し操作の受け付けが行われる(S21)。所定の呼び出し操作が行われると、処理はステップS22に進み、格納されているMOTオブジェクトのファイル形式についての判定が行われる。その結果、MOTオブジェクトが、ユーザ操作を必要としない簡易ファイル形式であれば、MOTオブジェクトを再生する上でのキー23の入力の受け付けおよびモニタ15への表示が許可され、すなわちMOTオブジェクトの再生が許可される(S23)。
【0027】
一方、ステップS22での判定の結果、MOTオブジェクトが簡易ファイル形式で無い場合には、ステップS24において車速の判定が行われる。その結果、車速が低速または停止状態であれば処理はステップS23に進み、MOTオブジェクトの再生が許可される。車速が、通常走行状態に相当するものである場合には、処理はステップS25に進み、MOTオブジェクトは再生されること無くメモリに格納される。以上の処理により、通常走行中にMOTオブジェクトが再生されることがない。なお、このように再生が禁止されたデータはメモリに格納されるので、車両がその後停止した場合などに再生することができる。
【0028】
以上で説明した実施形態に関して様々な変形を行う事ができる。例えば、上述の実施形態では、通常走行速度であるか低速(停止)であるかに応じて、データ番組の再生が可能であるか否かを判定しているが、判定のための速度の基準は、様々なものを考える事ができる。例えば、高速走行中にのみデータ番組の再生を禁止するように、速度判定を行う事も可能である。
【0029】
データ番組の分類の方法も、操作の複雑性、注視時間の有無、階層の深さ以外にも、走行中に再生する事が好ましくないことに対応する他の基準を用いることもできる。車両からの速度に関する情報としては、車速センサからの情報以外にも、サイドブレーキの情報など、他の情報を単独で、または車速センサとの組み合わせとして利用することもできる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、キー操作が多いなど走行中に再生する事が好ましくないようなデータ番組の再生が禁止されるので、走行中のデータ放送受信に関して安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態としての、車載環境で使用されるDAB受信装置の構成を表す図である。
【図2】MOTフォーマットを表す図である。
【図3】図1のDAB受信装置におけるデータ番組の再生処理のフローチャートであって、受信されるMOTオブジェクトを随時再生する場合の処理を表している。
【図4】図1のDAB受信装置におけるデータ番組の再生処理のフローチャートであって、一旦メモリに格納されたMOTオブジェクトを呼び出して再生する場合の処理を表している。
【符号の説明】
10 DAB受信装置
11 DABデコード部
13 MOTデコード部
15 モニタ
17 制御マイコン
21 車速センサ
23 キー

Claims (12)

  1. データ放送を受信する放送受信装置であって、
    車両の速度が所定速度以上である場合に、前記データ放送で提供されるデータファイルのファイル形式のうち所定のファイル形式のデータファイルの再生が禁止されるように前記データ放送の再生を制御する制御手段を備え、
    前記制御手段は、
    1)再生する上で必要な操作の複雑性
    2)再生する上で必要な注視時間
    3)データファイルが有する階層の深さ
    のうちの少なくとも一つの程度が所定の基準よりも高いファイル形式を前記所定のファイル形式として決定すること、を特徴とする放送受信装置。
  2. 前記所定のファイル形式は、HTMLファイル形式を含む、請求項1に記載の放送受信装置。
  3. 前記制御手段は、前記車両の速度が所定速度以上である場合に、前記所定のファイル形式以外のファイル形式のデータファイルについて再生を許可すること、を特徴とする請求項1または請求項に記載の放送受信装置。
  4. 前記再生が許可されるファイル形式は、静止画像のファイル形式と、テキストファイル形式とを含む、請求項に記載の放送受信装置。
  5. 前記所定速度は、通常走行速度であるかどうかを識別可能な速度であること、を特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の放送受信装置。
  6. 前記所定速度は、高速走行であるかどうかを識別可能な速度であること、を特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の放送受信装置。
  7. 前記制御手段は、前記車両の速度に関する情報として、車速センサからの情報を用いること、を特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の放送受信装置。
  8. 前記制御手段は、前記車両の速度に関する情報として、サイドブレーキの使用状態に関する情報を用いること、を特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の放送受信装置。
  9. 前記制御手段は、前記車両の速度が所定速度以上である場合に再生を禁止したデータファイルをメモリに格納すること、を特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の放送受信装置。
  10. 前記データ放送はDAB(Digital Audio Broadcasting)放送における、MOT(Multimedia Object Transfer)オブジェクトを提供するデータ放送であること、を特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の放送受信装置。
  11. 前記再生が禁止されるように制御することは、ユーザからの操作入力を受け付けないこと、および/または表示を行わないことを含む、請求項1から請求項1のいずれかに記載の放送受信装置。
  12. データ放送を受信する放送受信装置であって、
    車両の速度が所定速度以上である場合に、前記データ放送で提供されるデータファイルのファイル形式のうち所定のファイル形式のデータファイルのみ再生が許可されるように前記データ放送の再生を制御する制御手段を備え、
    前記制御手段は、
    1)再生する上で必要な操作の複雑性
    2)再生する上で必要な注視時間
    3)データファイルが有する階層の深さ
    のうちの少なくとも一つの程度が所定の基準よりも低いファイル形式を前記所定のファイル形式として決定すること、を特徴とする放送受信装置。
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