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JP4097228B2 - 新規なチューインガム - Google Patents

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JP4097228B2 JP2006203762A JP2006203762A JP4097228B2 JP 4097228 B2 JP4097228 B2 JP 4097228B2 JP 2006203762 A JP2006203762 A JP 2006203762A JP 2006203762 A JP2006203762 A JP 2006203762A JP 4097228 B2 JP4097228 B2 JP 4097228B2
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Description

本発明は生理的に安全であり、味や香り、食感をそこなうことなく優れた消臭効果を示す新規なチューインガムに関するものである。
これまで、天然物由来の消臭剤としては、ローズマリー又はセイジのような天然香辛料から抽出した水溶性又は非水溶性抗酸化成分からなる魚介類の酸化防止剤(特許文献1参照)、シソ科植物の抽出エキス及び抽出残渣の溶媒抽出物からなる消臭物質(特許文献2参照)、セージ又はローズマリーの極性溶媒及び/又は非極性溶媒による抽出エキス又はその抽出残渣を溶媒抽出処理及び脱色処理して得られる消臭物質(特許文献3参照)、シソ科植物又はその抽出エキスを溶媒抽出処理及びアルカリ処理し、水不溶性有機溶媒層に移行させて得た消臭物質(特許文献4、5参照)、口臭原因物質に対する化学的捕捉作用を有する消臭有効成分とプロポリス又はその溶剤抽出物とを併用した口臭抑制剤(特許文献6参照)、フェノール性化合物又はメディエータとそれを酸化する酵素を含む消臭剤(特許文献7参照)、セージ又はローズマリーの抽出物と1‐メントール又はカルボンとを併用した口臭除去用組成物(特許文献8参照)、ローズマリー、ヒマワリ種子、生コーヒー豆、茶、ブドウの果皮、ブドウの種子、リンゴの各抽出物の中から選ばれた天然抽出物とフェノール性化合物を酸化する酵素とを少なくとも含有する消臭剤組成物(特許文献9参照)、ラッカーゼを封入したカプセルを含有するガム(特許文献10参照)、植物由来消臭成分と、担子菌とを含有する消臭剤(特許文献11参照)、シソ科植物由来の消臭剤とミカン科サンショウ属植物による口臭原因菌代謝阻害作用物質(特許文献12参照)などが知られている。
しかしながら、これらの消臭剤は、独特の味、香気を有するため、食品に配合した場合、食品本来の風味、香りをそこなうという欠点を有し、またローズマリーエキスは消臭効果が十分に発揮できる量でチューインガムのような食品に配合すると、その中に含まれる消臭成分のカルノソールの影響により、苦味が増し、チューインガムとしての風味をそこなう上に、スパイス特有の臭いが口中に残留するため、後味が悪く、チューインガムに求められる清涼感が失われるという欠点があった。
また、このエキス中に含まれるカルノソールなどの油溶性成分が口腔内の唾液に対する溶解性が低いため、ざらつき感を生じ、食感をそこなうという欠点もあった。
特開昭55−18435号公報(特許請求の範囲その他) 特開昭57−204278号公報(特許請求の範囲その他) 特公昭64−1146号公報(特許請求の範囲その他) 特開昭59−6057号公報(特許請求の範囲その他) 特開昭59−6058号公報(特許請求の範囲その他) 特開昭63−264516号公報(特許請求の範囲その他) 特開2005−65750号公報(特許請求の範囲その他) 特公平3−69883号公報(特許請求の範囲その他) 特開平10−212221号公報(特許請求の範囲その他) 特開2004−321077号公報(特許請求の範囲その他) 特開2004−352621号公報(特許請求の範囲その他) 特開2005−289918号公報(特許請求の範囲その他)
本発明は、チューインガム本来が有する風味、香気、食感をそこなうことなく、優れた消臭効果を示す新規なチューインガムを提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、ローズマリーエキスは食品に対し優れた消臭効果を示すにもかかわらず、これをチューインガムに配合した場合、苦味を呈し、チューインガム本来の風味、食感をそこなうという欠点を有するが、これはその中に含まれている油溶性の消臭成分であるカルノソールに起因すること、したがって、このカルノソールを除去すれば上記の欠点を改善しうること、このカルノソールの除去による消臭効果の低下は、特定の菌株由来のラッカーゼを添加することにより補足しうることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、(A)ローズマリー抽出分から油溶性成分を除くことにより得られるカルノソールを含まないローズマリーエキス(B)ホウロクタケ属に属する担子菌由来のラッカーゼとを、質量比1:5ないし2:1の割合で含有してなる消臭剤を、全質量に基づき0.1〜2.0質量%の範囲内で配合したことを特徴とするチューインガムを提供するものである。
本発明において消臭剤の(A)成分として用いるローズマリーエキスは、シソ科マンネロウ属の多年草植物(Rosmarinus officinalis L.)の葉、茎、花その他の組織から抽出されるエキスであって、油溶性の式
Figure 0004097228
で表わされるカルノソール2.5〜30質量%、通常は5〜15質量%を含んでいる。
本発明の(A)成分としては、このカルノソールを除去して、その含有量を0としたローズマリーエキスを用いることが必要である
このローズマリーエキスは、ローズマリーの植物組織を、水や含水エタノール、エタノール、アセトンのような親水性溶媒、酢酸、クエン酸のような酸性溶液、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウムの水溶液のようなアルカリ性水溶液などで抽出したものである。この際の植物組織は生の状態でもよいし乾燥したものでもよい。
このカルノソールの除去は、エタノール抽出液の減圧留去物の懸濁液又は熱水抽出物を加圧ろ過して抽出残渣の油溶性成分を除くか、油溶性成分を吸着用樹脂に吸着させて除くことによって行うことができる。
次に、(B)成分のラッカーゼとしては、例えばホウロクタケ(Trametes)属に属する担子菌の菌株(Trametes sp.Hal株)(生命研菌寄託第14472号)の培養液から得られる分子量約62,000の熱安定性の高いラッカーゼを用いる。このものは、市販の粉末状のもの、例えば大和化成株式会社から製品名「ラッカーゼダイワY120」でもよいし、また安定化のためにゼラチン等のカプセルに封入したものでもよい。
本発明チューインガムに用いる消臭剤における(A)成分と(B)成分との配合割合は、質量比として1:5ないし2:1の範囲内で選ばれる。
このようにして得られる消臭剤は、高い安全性及び優れた消臭効果を有し、チューインガムのベースに配合した場合、ガム本来の風味、香り、食感を損うことがないので、チューインガムの消臭用添加剤として好適に使用することができる。この際の添加量としては、チューインガムの全質量に基づきエキスとし0.1〜2.0質量%の範囲が選ばれる。
本発明によるとなんら健康を害することなく、味や香り、食感をそこなうことなしに、優れた消臭効果を示すチューインガムが提供される。
次に、実施例により本発明を実施するための最良の形態を説明するが、本発明は、これらによってなんら限定されるものではない。
なお、各例中の消臭性の測定は、以下の方法によって行った。
(1)成分消臭率測定方法
消臭剤粉末10mgを30ml容バイアルびんに装入し、予め37℃に保温したリン酸緩衝液(pH7.0)5.0mlを加え、密栓した。次いでバイアルびん中にメチルメルカプタン10ng/μl希釈液50μl(メチルメルカプタン500ngに相当)を加え、37℃で10分間インキュベートさせたのち、ガスタイトシリンジにより、バイアルびん中のヘッドスペースガス5mlを抜き取り、液体窒素によるコールドトラップ装置(GerstelCIS)を装着したGC−MS(GC:Agilent6890A MS:Agilent5973N)とガス分析用HP−PLOTQカラム(30m×0.32mm×20μm)を用い、トラップ条件;−120℃、30秒間、スプリットレス、温度条件;初期温度50℃(1.5分間保持)→20℃昇温/分→120℃(5分間保持)、流量;1.8ml/分において、メチルメルカプタン量を測定した。
このメチルメルカプタンのピーク検出は、成分に由来する特有のMSフラグメントイオン47及び48を選択して検出するSIM法により行い、またコントロールとして1/15Mリン酸緩衝液(pH7.0)のみをバイアルびんに装入したものを用い、次式に従ってメチルメルカプタン消臭率を算出した。
メチルメルカプタン消臭率=(%)[(C−S)/C]×100
C:コントロールのヘッドスペース中のメルカプタン量
S:検体のヘッドスペース中のメチルメルカプタン量
(2)ガム消臭率測定方法
内部の温度が37℃になるように乳鉢を恒温槽で加熱する。別にガムの試料3.5gを秤取して、予め37℃に保持したリン酸緩衝液(pH7.0)10mlに加え、上記乳鉢で10分間すり混ぜることによりサンプルを調製した。次いで、このサンプル5mlを30ml容バイアルびんに秤取し、(1)と同様にして試験した。
参考例1
ローズマリー乾燥葉1.0kgを70%エタノール9.5kgで2時間抽出したのち、抽出液を水流ポンプ(−650mmHg圧下)でろ紙を通してろ過する。次いでろ液を−650mmHgの圧力下で、60℃において減圧濃縮し、濃縮液を5倍容の温水で3回洗浄したのち、再び−650mmHgの圧力下でろ紙によりろ過し、油溶性成分の残渣を除く。この濾液を噴霧乾燥することによりカルノソール含有量0質量%のローズマリーエキス67.9gを得た。
このようにして得たローズマリーエキス10.0gとラッカーゼ(大和化成株式会社製、製品名「ラッカーゼダイワY120」)5.0gとを、すなわちローズマリーエキスとラッカーゼの質量比2:1で混合することにより消臭剤を調製した。
参考例2
ローズマリー乾燥葉1.0kgを熱水7.0kgで2時間抽出したのち、抽出液を水流ポンプ(−650mmHg圧下)でろ紙を通してろ過する。次いでろ液を−650mmHgの圧力下でろ紙によりろ過し、60℃において減圧濃縮した濃縮液を噴霧乾燥することによりカルノソール含有量0質量%のローズマリーエキス71.0gを得た。
このものに、参考例1と同様にしてラッカーゼを混合することにより、消臭剤を調製した。
参考例3
ローズマリー乾燥葉1.0kgを50%エタノール8.0kgで2時間抽出したのち、抽出液を水流ポンプ(−650mmHg圧下)でろ紙を通してろ過する。次いでろ液を樹脂(ダイアイオンHP−20)に通液して、苦味物質カルノソールを吸着除去した通過液を−650mmHgの圧力下で60℃において減圧濃縮した濃縮液を噴霧乾燥することによりカルノソール含有量0質量%のローズマリーエキス100.4gを得た。
このものに、参考例1と同様にしてラッカーゼを混合することにより、消臭剤を調製した。
参考例4
ローズマリー乾燥葉1.0kgを70%エタノール9.5kgで2時間抽出したのち、抽出液を水流ポンプ(−650mmHg圧下)でろ紙を通してろ過する。次いでろ液を−650mmHgの圧力下で、60℃において減圧濃縮後、70℃で熱風乾燥してカルノソール含有量7.5質量%のローズマリーエキス48.9gを得た。
以上のようにして調製した参考例1〜のローズマリーエキス単独のカルノソール含量(質量%)と消臭率(%)を表1に示す。
また、ローズマリーエキスとラッカーゼとの混合物の消臭率(%)を表2に示す。
Figure 0004097228
Figure 0004097228
チューインガムの製造に通常用いられている方法を用い、表3の処方のチューインガムを製造し、その消臭率を測定し、その結果を表7に示す。
Figure 0004097228
実施例と同様にして、表4の処方のチューインガムを製造した。そのものの消臭率を表7に示す。
Figure 0004097228
実施例と同様にして、表5の処方のチューインガムを製造した。そのものの消臭率を表7に示す。
Figure 0004097228
比較例
実施例と同様にして、表6の処方のチューインガムを製造した。そのものの消臭率を表7に示す。
Figure 0004097228
Figure 0004097228
パネラー10名(女子;18才、22才、30才、38才、45才、男子;20才、25才、35才、42才、55才)により、実施例1、2、3及び比較例で製造したチューインガムについて、味、香り、食感について官能試験を行った。その結果、5名以上が良としたものを◎、1名以上4名以下が良としたものを○、全く良としたものがいなかったものを×とした。その結果を表8に示す。
Figure 0004097228
本発明のチューインガムは、消臭用のチューインガムとして有用である。

Claims (2)

  1. (A)ローズマリー抽出分から油溶性成分を除くことにより得られるカルノソールを含まないローズマリーエキス(B)ホウロクタケ属に属する担子菌由来のラッカーゼとを、質量比1:5ないし2:1の割合で含有してなる消臭剤を、全質量に基づき0.1〜2.0質量%の範囲内で配合したことを特徴とするチューインガム
  2. (B)成分がホウロクタケ属に属する担子菌Hal株(Trametes sp.Hal株)の培養液中から得られるラッカーゼである請求項1記載のチューインガム
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