JP4096720B2 - 光透過性タッチパネル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種電子機器の入力操作に用いられる光透過性タッチパネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、LCD等の表示素子の前面に装着された光透過性タッチパネルを通して表示素子に表示された文字や記号、絵柄等の視認を行うと共に、その上面を操作して文字の選択や決定等を行う各種電子機器が増えているため、文字や記号等の表示の視認が良好に行える光透過性タッチパネルが求められている。
【0003】
このような従来の光透過性タッチパネルについて、図2を用いて説明する。
【0004】
図2は従来の光透過性タッチパネルの断面図であり、同図において、1は導光板であり、2はこの導光板1の上面に形成された凹凸を有するプリズム面である。
【0005】
また、3はこの導光板1上に載置された光透過性の下基板で、この上面には、光透過性の下導電層4が形成され、下導電層4の両端には一対の下電極(図示せず)が設けられている。
【0006】
そして、5は光透過性の上基板で、この下面には、光透過性の上導電層6が形成されている。
【0007】
また、この上導電層6下面には、一対の上電極(図示せず)が下電極とは直交方向の両端に設けられると共に、上導電層6と所定の間隔を保つための複数のドットスペーサ(図示せず)が所定の間隔で形成されている。
【0008】
そして、8は不織布やポリエステルフィルム等の額縁状のスペーサで、この上下面に塗布形成された粘着剤(図示せず)によって、上基板5と下基板3が外周を貼合わされ、上基板5下面の上導電層6と下基板3上面の下導電層4が所定の間隔を空けて対向するようにして、光透過性タッチパネルが構成されている。
【0009】
以上の構成において、上電極と下電極が電子機器の検出回路(図示せず)に接続され、上基板5上面を指或いはペン等で押圧操作すると、上基板5が撓み、押圧された箇所の上導電層6が下導電層4に接触し、上電極間及び下電極間の抵抗比によって、この押圧された位置を検出するように構成されている。
【0010】
また、左側方に配置された光源(図示せず)から導光板1に入射した光はこの導光板1上面のプリズム面2で下方に反射し、導光板1下方に配置されたLCD等の表示素子9を照光する。
【0011】
そして、この照光した光が表示素子9下面の反射板(図示せず)等で反射し、その反射光が導光板1、下基板3、下導電層4、上導電層6、上基板5を順次透過して、上方から表示素子に表示された文字や記号等の表示の視認が良好に行えるように構成されている。
【0012】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【0013】
【特許文献1】
特開平12−347041号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の光透過性タッチパネルにおいては、上基板5上面への押圧摺動操作を繰り返すと、プリズム面2の凸部が磨耗して、表示素子9を照光する光の量が減り、この表面が暗くなるため、表示素子9に表示された表示の視認が行い難くなるという課題があった。
【0015】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、上基板上面への押圧摺動操作を繰り返しても、表示素子に表示された表示の視認が良好に行える光透過性タッチパネルを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、以下の構成を有するものである。
【0017】
本発明の請求項1に記載の発明は、導光板の上面に形成された樹脂層が導光板の上面の凹凸を埋めて上面を平滑にすると共に、樹脂層の屈折率を導光板の屈折率よりも小さくして構成された導光ユニットの上方に、上面に下導電層が形成された下基板と、下面に上記下導電層と所定の間隙を空けて対向する上導電層が形成された上基板を配置して光透過性タッチパネルを構成したものであり、光透過性タッチパネルの上基板上面でペン等の押圧摺動操作を繰り返しても、樹脂層が導光板上面の凹凸を埋めて上面を平滑にしているため、導光板の凸部が磨耗することがなく、下方に配置された表示素子の表面への照光が良好に行われると共に、表示素子からの反射光が導光板から樹脂層に向けて上方へ良好に透過することによって、表示素子に表示された表示の視認が良好に行える光透過性タッチパネルを得ることができるという作用を有する。
【0018】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、導光板の下面に可視波長以下の凹凸を形成したものであり、導光板上面のプリズム面で下方に反射した可視光が導光板下面を透過しやすくなるため、この導光板下方に配置された表示素子の表面への照光を更に良好に行うことができるという作用を有する。
【0019】
請求項3に記載の発明は、請求項1記載の発明において、導光板の下面に反射防止膜を形成したものであり、導光板上面のプリズム面で下方に反射した光が導光板下面をあまり反射されずに透過するため、この導光板下方に配置された表示素子の表面への照光を更に良好に行うことができるという作用を有する。
【0020】
請求項4に記載の発明は、請求項1記載の発明において、下基板に代えて、上面に樹脂層を形成した導光板を配置したものであり、下基板が不要となるため、光透過性タッチパネルの薄型化を図ることができるという作用を有する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1を用いて説明する。
【0023】
なお、従来の技術の項で説明した構成と同一構成の部分には同一符号を付して、詳細な説明を簡略化する。
【0024】
(実施の形態)
図1は本発明の一実施の形態による光透過性タッチパネルの断面図であり、同図において、1は光透過性で屈折率が約1.5のアクリル樹脂製の厚さ1mm前後の導光板である。
【0025】
そして、2はこの導光板1の上面に深さ10μm前後で150μm前後の間隔で形成された左側が緩い傾斜、右側が急な傾斜となった凹凸状のプリズム面である。
【0026】
また、13は光透過性で導光板1より小さな屈折率の樹脂層で、導光板1上面の凹凸を埋めて上面を平滑にするように印刷等によって形成されて、導光ユニット12が構成されている。
【0027】
そして、樹脂層13には、屈折率が約1.3のフッ素系樹脂や屈折率が約1.0の多孔質のシリカなどのエアロゲルが用いられている。
【0028】
また、3はガラスまたはアクリルやポリカーボネート樹脂、或いはこれらにポリエチレンテレフタレートやポリカーボネートフィルム等を貼合わせたもの等の光透過性の下基板で、この上面には、酸化インジウム錫や酸化錫等の光透過性の下導電層4がスパッタリング等によって形成され、この下導電層4の両端には一対の下電極(図示せず)が設けられている。
【0029】
そして、樹脂層13上面にこの下基板3下面が、アクリル系やポリエステル系樹脂等の熱可塑性樹脂からなる接着剤(図示せず)によって貼合わされている。
【0030】
また、5はポリエチレンテレフタレートやポリカーボネートフィルム等の光透過性の上基板で、この下面には、下導電層4と同様の光透過性の上導電層6が形成されている。
【0031】
そして、この上導電層6下面には、一対の上電極(図示せず)が下電極とは直交方向の両端に設けられると共に、上導電層6と所定の間隔を保つための複数のドットスペーサ(図示せず)がエポキシやシリコン等の絶縁材料によって所定の間隔で形成されている。
【0032】
また、8は不織布やポリエステルフィルム等の額縁状のスペーサで、この上下面に塗布形成された粘着剤によって、上基板5と下基板3が外周を貼合わされ、上基板5下面の上導電層6と下基板3上面の下導電層4が所定の間隔を空けて対向するようにして、光透過性タッチパネルが構成されている。
【0033】
以上の構成において、上電極と下電極が電子機器の検出回路(図示せず)に接続され、上基板5上面を指或いはペン等で押圧操作すると、上基板5が撓み、押圧された箇所の上導電層6が下導電層4に接触し、上電極間及び下電極間の抵抗比によって、この押圧された位置を検出するように構成されている。
【0034】
なお、上基板5上面でペン等の押圧摺動操作を繰り返しても、下基板3と導光板1の間に形成された樹脂層13がこの導光板1上面の凹凸を埋めて上面を平滑にしているため、この導光板1の凸部が磨耗することはなく、下方に配置された表示素子9の表面への照光が良好に行われる。
【0035】
そして、左側方に配置された光源(図示せず)から導光板1に入射した光はこの導光板1上面のプリズム面2で下方に反射し、導光板1下方に配置されたLCD等の表示素子9を照光する。
【0036】
また、この照光した光が表示素子9下面の反射板(図示せず)等で反射し、その反射光が導光板1、樹脂層13、下基板3、下導電層4、上導電層6、上基板5を順次透過して、上方から表示素子9に表示された文字や記号等の表示の視認が良好に行えるように構成されている。
【0037】
なお、この時、樹脂層13の屈折率が導光板1の屈折率よりも小さいため、表示素子9からの反射光が導光板1から樹脂層13に向けて上方へ良好に透過する。
【0038】
このように本実施の形態によれば、導光板1の上面に形成された樹脂層13が導光板1の上面の凹凸を埋めて上面を平滑にすると共に、樹脂層13の屈折率を導光板1の屈折率よりも小さくして導光ユニット12を構成し、更にこの上方に上面に下導電層4が形成された下基板3と、下面に上導電層6が形成された上基板5を配置して光透過性タッチパネルを構成することによって、光透過性タッチパネルの上基板5上面でペン等の押圧摺動操作を繰り返しても、樹脂層13が導光板1上面の凹凸を埋めて上面を平滑にしているため、導光板1の凸部が磨耗することがなく、下方に配置された表示素子9の表面への照光が良好に行われると共に、表示素子9からの反射光が導光板1から樹脂層13に向けて上方へ良好に透過することによって、表示素子9に表示された表示の視認が良好に行える光透過性タッチパネルを得ることができるものである。
【0039】
また、導光板1下面に可視波長以下の凹凸を形成することによって、導光板1上面のプリズム面2で下方に反射した可視光が導光板1下面を透過しやすくなるため、この導光板1下方に配置された表示素子9の表面への照光を更に良好に行うことができる。
【0040】
なお、導光板1の下面に屈折率の小さいフッ素系樹脂、シリカ、フッ化マグネシウム等の光透過性で反射率を減少させる反射防止膜を真空蒸着やスパッタリング等によって形成することによって、プリズム面2で下方に反射した光が導光板1下面をあまり反射されずに透過するため、この導光板1下方に配置された表示素子9の表面への照光を更に良好に行うことができる。
【0041】
また、導光板1の下面に光透過性で上記屈折率の小さいものとチタニア、酸化インジウム錫等の屈折率の大きいものを複数交互に重ねて反射防止膜を形成しても、上記と同様に表示素子9の表面への照光を更に良好に行うことができる。
【0042】
そして、下基板3に代えて、樹脂層13の上面に下導電層4をスパッタリングや印刷等によって形成し、この下導電層4と上基板5の上導電層6が所定の間隙を空けて対向するように、スペーサ8を挟んで外周を貼合わせて光透過性タッチパネルを構成することによって、下基板3が不要となるため、光透過性タッチパネルの薄型化を図ることができる。
【0043】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、上基板上面への押圧摺動操作を繰り返しても、表示素子に表示された表示の視認が良好に行える光透過性タッチパネルを得ることができるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による光透過性タッチパネルの断面図
【図2】従来の実施の形態による光透過性タッチパネルの断面図
【符号の説明】
1 導光板
2 プリズム面
3 下基板
4 下導電層
5 上基板
6 上導電層
8 スペーサ
9 表示素子
12 導光ユニット
13 樹脂層
Claims (4)
- 表示素子を照光するための導光ユニットと、上記導光ユニットの上方に配置され、上面に下導電層が形成された下基板と、下面に上記下導電層と所定の間隙を空けて対向する上導電層が形成された上基板とからなる光透過性タッチパネルであって、上記導光ユニットは、側方に配置された光源から入射した光を下方に反射する凹凸状のプリズム面が上面に形成された導光板と、上記導光板の上面に形成された樹脂層からなり、上記樹脂層が上記導光板の凹凸を埋めて上面を平滑にすると共に、上記樹脂層の屈折率が上記導光板の屈折率よりも小さいことを特徴とする光透過性タッチパネル。
- 導光板の下面に可視波長以下の凹凸を形成した請求項1記載の光透過性タッチパネル。
- 導光板の下面に反射防止膜を形成した請求項1記載の光透過性タッチパネル。
- 下基板に代えて、樹脂層の上面に下導電層を形成した請求項1記載の光透過性タッチパネル。
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