JP4080315B2 - 作業ヘッドの移動方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品実装用装置に用いられ、電子部品移載ヘッドなどの作業ヘッドを直動方向に移動させる作業ヘッドの移動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子部品実装用装置においては、電子部品を移送する移載ヘッドなどの各種の作業ヘッドが用いられ、これらの作業ヘッドは一般に移動テーブルによって駆動される。これらの移動テーブルの大部分は直線状のスライドガイドによる直動機構を備えている。この直動機構によって駆動される作業ヘッドなどの被駆動部が直動方向と直交する方向に長いスパンを有する場合には、直動機構には通常複数のスライドガイドが用いられる。そしてこの被駆動部を、ボールねじなどの直動駆動機構によって駆動することにより、作業ヘッドが複数のスライドガイドによってガイドされ直動方向に移動する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが上記複数のスライドガイドを用いた直動機構においては、直動駆動手段を必ずしも被駆動部の重心位置、すなわちスライドガイドに対する直動負荷が均一となる位置に配置できない場合が発生する。このような場合には、各スライドガイドに作用する荷重が不均一となる結果、直動方向に対して被駆動部は水平面内でわずかに傾いた状態で移動する。このため、直動駆動機構への位置指示値と作業ヘッドの実際の位置とは正しく一致せず、位置決め精度が低下することとなっていた。
【0004】
そこで本発明は、位置決め精度を確保することができる作業ヘッドの移動方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の作業ヘッドの移動方法は、作業ヘッドをXY方向へ移動させて電子部品の供給部の電子部品を取り出して搬送路に位置決めされた基板に実装する電子部品実装用装置において作業ヘッドを水平面内でXY方向に移動させる作業ヘッドの移動方法であって、前記水平面内のY方向に相互に平行に配列された第1直動ガイド部および第2直動ガイド部に沿って水平面内で移動する第1直動スライド部および第2直動スライド部のY方向の位置YL,YRをそれぞれ第1位置検出手段および第2位置検出手段によって検出し、作業ヘッドが結合され前記第1直動スライド部および第2直動スライド部を連結する連結部をこの連結部のX方向における一方の側に偏った位置に結合された第1直動駆動機構によって前記Y方向に駆動する際に、前記第1位置検出手段と第2位置検出手段の配設ピッチP、前記作業ヘッドのX方向の位置である前記第1位置検出手段からの距離X、並びに前記第1位置検出手段および第2位置検出手段の位置検出結果YL,YRに基づいて前記作業ヘッドのY方向の位置補正量ΔyをΔy=(YL−YR)×X/Pから求め、この位置補正量Δyだけ前記作業ヘッドをY方向に移動させるように第1直動駆動機構を制御することにより前記作業ヘッドのY方向の位置ずれ誤差を補正する。
【0006】
請求項2記載の作業ヘッドの移動方法は、請求項1記載の作業ヘッドの移動方法であって、前記作業ヘッドは前記連結部に備えられ前記第1方向と直交する第2方向に移動する第2直動駆動機構によってX方向に移動可能となっており、Y方向の位置ずれ誤差補正量を作業ヘッドのX方向の位置に応じて変える。
請求項3記載の作業ヘッドの移動方法は、作業ヘッドをXY方向へ移動させて電子部品の供給部の電子部品を取り出して搬送路に位置決めされた基板に実装する電子部品実装用装置において作業ヘッドを水平面内でXY方向に移動させる作業ヘッドの移動方法であって、前記水平面内のY方向に相互に平行に配列された第1直動ガイド部および第2直動ガイド部に沿って水平面内で移動する第1直動スライド部および第2直動スライド部のY方向の位置YL’,YRを位置検出手段によって検出し、作業ヘッドが結合され前記第1直動スライド部および第2直動スライド部を連結する連結部を前記第1直動スライド部に近接して設けられた第1直動駆動機構によってY方向に駆動する際に、前記位置検出手段と前記第1直動駆動機構の距離P’、前記作業ヘッドの前記第1直動駆動機構からのX方向の距離X’並びに前記第1直動駆動機構および前記位置検出手段の位置検出結果YL’,YRに基づいて前記作業ヘッドのY方向の位置補正量Δy’をΔy’=(YL’−YR)×X’/Pから求め、この位置補正量Δy’だけ前記作業ヘッドをY方向に移動させるように第1直動駆動機構を制御することにより前記作業ヘッドのY方向の位置ずれ誤差を補正する。
【0007】
本発明によれば、相互に平行に配列された第1直動ガイド部および第2直動ガイド部に沿って水平面内で移動する第1直動スライド部および第2直動スライド部の位置をそれぞれ第1位置検出手段および第2位置検出手段によって検出し、作業ヘッドが結合され前記第1直動スライド部および第2直動スライド部を連結する連結部を第1直動駆動手段によってY方向に駆動する際に、位置検出結果に基づいて直動駆動手段を制御して前記作業ヘッドのY方向の位置ずれ誤差を補正することにより、直動駆動機構が被駆動部の重心位置に配置されていない場合においても作業ヘッドの位置決め精度を確保することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
まず本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の平面図、図2、図3は本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の移載ヘッド移動機構の位置補正の説明図である。
【0009】
まず図1、図2を参照して電子部品実装装置について説明する。図1において、基台1の中央部には、X方向に搬送路2が配設されている。搬送路2は、基板3を搬送し位置決めする位置決め部となっている。搬送路2の手前側には、電子部品の供給部4が配置されており、供給部4にはテーピングされた電子部品を供給するテープフィーダ5が多数並設されている。
【0010】
基台1上面の両端部には、それぞれガイドレール6A,6BがY方向に水平に配設されている。ガイドレール6A,6Bは、それぞれ第1方向(Y方向)に相互に平行に配列された第1直動ガイド部および第2直動ガイド部となっている。ガイドレール6A,6Bには、それぞれスライドブロック7A,7Bが摺動自在に嵌合している。スライドブロック7A,7Bは、第1直動ガイド部および第2直動ガイド部に沿って水平面内で移動する第1直動スライド部および第2直動スライド部となっている。
【0011】
スライドブロック7A,7Bは、連結部8によって連結されており、連結部8には中心線から左側に偏った位置に、ナット部材9が結合されており、ナット部材9にはモータ10によって回転駆動される送りねじ11が螺合している。したがって、モータ10を駆動することにより連結部8はY方向に移動する。モータ10、送りねじ11及びナット部材9は、連結部8を第1方向に駆動する第1直動駆動機構となっている。
【0012】
ガイドレール6A,6Bに沿って、リニアスケール17A,17Bが配設されており、リニアスケール17A,17Bは、スライドブロック7A,7BのY方向の位置をそれぞれ検出する。したがってリニアスケール17A,17Bは、それぞれ第1直動スライド部および第2直動スライド部の第1方向の位置を検出する第1位置検出手段、第2位置検出手段となっている。リニアスケール17A,17Bは、原点位置が厳密に一致するように設定され、機械座標系に対して正しいY方向の位置を検出できるようになっている。位置検出結果は、制御部18(制御手段)に送られる。制御部18は、これらの位置検出結果に基づいて、モータ10を制御する。
【0013】
連結部8にはX方向にスライド自在に移動ブロック12が設けられており、移動ブロック12には作業ヘッドである移載ヘッド16が装着されている。移動ブロック12を挿通して設けられたナット部材13には、モータ15によって回転駆動される送りねじ14が螺合している。モータ15を駆動することにより、移載ヘッド16はX方向に移動する。したがって、モータ15、送りねじ14及びナット部材13は、連結部8に備えられ、移載ヘッド16をX方向(第2方向)に移動させる第2直動駆動機構となっている。
【0014】
上記構成により、移載ヘッド16は供給部4及び搬送路2上をXY方向に移動し、供給部4のテープフィーダ5から電子部品を取り出して、搬送路2上に位置決めされた基板3上に移動し、基板3の実装点に電子部品を実装する実装動作が可能となっている。この実装動作において、移載ヘッド16がY方向に移動する際には、連結部8のX方向における一方の側である左側部分に偏った位置に結合された第1直動駆動機構によって駆動される。このため、Y方向の直動駆動力は、連結部8が連結されたスライドブロック7A,7Bに対して左右対称には伝達されない。
【0015】
この結果図2に示すように、スライドブロック7A,7BのY方向の位置YL,YRは必ずしも一致せず、連結部8に結合された移載ヘッド16の実際の位置は、指令位置からΔyだけずれる。この位置ずれは、スライドブロック7A,7Bとガイドレール6A,6Bとの嵌合隙間に起因するガタや、連結部8の撓み変形などによって生じるものである。
【0016】
この位置ずれを補正するため、本実施の形態では以下に説明する方法で位置補正を行う。すなわち、モータ10を駆動して移載ヘッド16のY方向移動を行う際には、リニアスケール17A,17Bによってスライドブロック7A,7Bの位置YL,YRを検出し、位置検出結果を制御部18に送る。制御部18は、モータ15に設けられたエンコーダからのパルス信号によって移載ヘッド16のX方向の位置(一方のリニアスケール17Aからの距離)Xを常に把握しており、Y方向の位置計測点間寸法、すなわちリニアスケール17A,17Bの配設ピッチPと、これらの位置検出結果YL,YR,Xから、(数1)によって移載ヘッド16のY方向の位置補正量Δyを計算によって求める。
【0017】
【数1】
【0018】
そしてモータ10を駆動して、求められた位置補正量Δyだけスライドブロック7A、7Bを移動させる。すなわち移載ヘッド16が結合された連結部8をモータ10を駆動してY方向に駆動する際に、前記位置検出結果に基づいてモータ10を制御部18によって制御することにより、移載ヘッド16のY方向の位置ずれ誤差を補正する。これにより、駆動力の伝達位置が左右対称でないことによるY方向の位置ずれを正しく補正することができる。
【0019】
上記実施の形態では、移載ヘッド16は連結部8に備えられた第2直動駆動機構によってX方向に移動可能となっており、Y方向の位置ずれ誤差の補正量は、移載ヘッド16のX方向の位置に応じて自動的に変えられるようになっている。移載ヘッド16が連結部8に固定的に結合されている場合には、上記X寸法は固定寸法となる。
【0020】
なお、上記実施の形態では、位置検出手段として2つのリニアスケール17A,17Bを用いる例を示したが、連結部8における第1直動駆動機構の配設位置が、いずれかのスライドブロックに近接して設けられている場合には、モータ10のエンコーダからのパルス信号をY方向の位置検出手段からの検出信号の代用として用いてもよい。
【0021】
すなわち、図3に示すように、送りねじ11とリニアスケール17Bとの距離P’、送りねじ11からの移載ヘッド16のX方向の距離X’を、それぞれ前述のP,Xとして置き換え、移載ヘッド16のY方向の位置補正量Δy’を上記(数1)と同様にΔy’=(YL’−YR)×X’/Pより求める。YL’は、上記のようにモータ10のエンコーダからのパルス信号から求められた送りねじ11の位置検出結果であって、図2に示すリニアスケール17Aによる上記検出結果YLの代用となるものである。これにより、Y方向位置検出用のリニアスケールはモータ10による直動駆動機構の反対側のみに設ければよく、機構の簡略化を図ることができる。
【0022】
なお、上記実施の形態では、作業ヘッドとして電子部品実装装置における移載ヘッドの例を示したが、本発明の適用対象はこれに限定されず、ボンド塗布装置や印刷装置など、直動機構を備えた装置であればよい。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、相互に平行に配列された第1直動ガイド部および第2直動ガイド部に沿って水平面内で移動する第1直動スライド部および第2直動スライド部の位置をそれぞれ第1位置検出手段および第2位置検出手段によって検出し、作業ヘッドが結合され第1直動スライド部および第2直動スライド部を連結する連結部を直動駆動手段によって第1方向に駆動する際に、位置検出結果に基づいて直動駆動手段を制御して作業ヘッドの第1方向の位置ずれ誤差を補正するようにしたので、直動駆動手段が被駆動部の重心位置に配置されていない場合においても作業ヘッドの位置決め精度を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の平面図
【図2】本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の移載ヘッド移動機構の位置補正の説明図
【図3】本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の移載ヘッド移動機構の位置補正の説明図
【符号の説明】
6A,6B ガイドレール
7A,7B スライドブロック
8 連結部
9 ナット
10 モータ
11 送りねじ
16 移載ヘッド
18 制御部
Claims (3)
- 作業ヘッドをXY方向へ移動させて電子部品の供給部の電子部品を取り出して搬送路に位置決めされた基板に実装する電子部品実装用装置において作業ヘッドを水平面内でXY方向に移動させる作業ヘッドの移動方法であって、前記水平面内のY方向に相互に平行に配列された第1直動ガイド部および第2直動ガイド部に沿って水平面内で移動する第1直動スライド部および第2直動スライド部のY方向の位置YL,YRをそれぞれ第1位置検出手段および第2位置検出手段によって検出し、作業ヘッドが結合され前記第1直動スライド部および第2直動スライド部を連結する連結部をこの連結部のX方向における一方の側に偏った位置に結合された第1直動駆動機構によって前記Y方向に駆動する際に、前記第1位置検出手段と第2位置検出手段の配設ピッチP、前記作業ヘッドのX方向の位置である前記第1位置検出手段からの距離X、並びに前記第1位置検出手段および第2位置検出手段の位置検出結果YL,YRに基づいて前記作業ヘッドのY方向の位置補正量ΔyをΔy=(YL−YR)×X/Pから求め、この位置補正量Δyだけ前記作業ヘッドをY方向に移動させるように第1直動駆動機構を制御することにより前記作業ヘッドのY方向の位置ずれ誤差を補正することを特徴とする作業ヘッドの移動方法。
- 前記作業ヘッドは前記連結部に備えられ前記第1方向と直交する第2方向に移動する第2直動駆動機構によってX方向に移動可能となっており、Y方向の位置ずれ誤差補正量を作業ヘッドのX方向の位置に応じて変えることを特徴とする請求項1記載の作業ヘッドの移動方法。
- 作業ヘッドをXY方向へ移動させて電子部品の供給部の電子部品を取り出して搬送路に位置決めされた基板に実装する電子部品実装用装置において作業ヘッドを水平面内でXY方向に移動させる作業ヘッドの移動方法であって、前記水平面内のY方向に相互に平行に配列された第1直動ガイド部および第2直動ガイド部に沿って水平面内で移動する第1直動スライド部および第2直動スライド部のY方向の位置YL’,YRを位置検出手段によって検出し、作業ヘッドが結合され前記第1直動スライド部および第2直動スライド部を連結する連結部を前記第1直動スライド部に近接して設けられた第1直動駆動機構によってY方向に駆動する際に、前記位置検出手段と前記第1直動駆動機構の距離P’、前記作業ヘッドの前記第1直動駆動機構からのX方向の距離X’並びに前記第1直動駆動機構および前記位置検出手段の位置検出結果YL’,YRに基づいて前記作業ヘッドのY方向の位置補正量Δy’をΔy’=(YL’−YR)×X’/Pから求め、この位置補正量Δy’だけ前記作業ヘッドをY方向に移動させるように第1直動駆動機構を制御することにより前記作業ヘッドのY方向の位置ずれ誤差を補正することを特徴とする作業ヘッドの移動方法。
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CN103140131A (zh) * | 2011-11-28 | 2013-06-05 | 富士机械制造株式会社 | 双电动机驱动装置的滑块的应变校正方法及双电动机驱动装置 |
CN103140131B (zh) * | 2011-11-28 | 2016-11-30 | 富士机械制造株式会社 | 双电动机驱动装置的滑块的应变校正方法及双电动机驱动装置 |
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