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JP2005216974A - 電子部品実装装置における移動台の移動制御方法およびその方法に用いられるマトリックス基板 - Google Patents

電子部品実装装置における移動台の移動制御方法およびその方法に用いられるマトリックス基板 Download PDF

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JP2005216974A JP2004019083A JP2004019083A JP2005216974A JP 2005216974 A JP2005216974 A JP 2005216974A JP 2004019083 A JP2004019083 A JP 2004019083A JP 2004019083 A JP2004019083 A JP 2004019083A JP 2005216974 A JP2005216974 A JP 2005216974A
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Abstract

【課題】 移動台の送り誤差の測定時に用いられる測定カメラと、部品実装時に測定カメラに替えて取り付けられる部品移載装置の部品採取部との位置関係を校正し、部品採取部に採取された部品を基板の所定位置に正確に実装できるようにする。
【解決手段】 移動台24を所定位置(距離X2および距離Y2)に移動して位置決め停止し、部品認識用カメラの上端部材上に基準ゲージGを置いた状態で、測定カメラにより光軸O4から基準マークGmまでの距離Xa,Yaを測定し、部品認識用カメラにより光軸O2から基準マークGmまでの距離Xb,Ybを測定する。次いで、測定カメラを部品移載装置26に替えて移動台を所定位置に停止させた状態で部品認識用カメラ15により吸着ノズル中心O3までの距離Xc,Ycを測定する。これら測定した距離に基づいて吸着ノズル中心O3と測定カメラ光軸O4の位置関係(X1,Y1)を求めて移動台の送り誤差を校正するようにした。
【選択図】 図8

Description

本発明は、基板に電子部品を実装するための電子部品実装装置における移動台の移動制御方法およびその方法に用いられるマトリックス基板に関する。
電子部品実装装置において、電子部品を保持して実装する部品移載装置を交換可能とし、部品実装ラインの現場で作業者が短時間で部品移載装置を交換できるようにすることにより、生産される基板の小型電子部品と大型電子部品の割合、および部品の種類に応じた最適な部品実装ラインを構築する方法が提案されている。
この種の電子部品実装装置では、例えば図1に示すように、基台11に対しXおよびYの2方向に移動可能に支持された移動台24に部品実装ヘッド28を有する部品移載装置26および基板認識用カメラ25が設けられ、基台11には部品認識用カメラ15が固定されている。そして電子部品実装装置10は基板搬送装置12により搬入されて位置決め保持された基板S上に設けられた基板マークSmの位置を基板認識用カメラ25により検出し、この基板マークSmの位置に基づいて位置補正を行ってスライド21および移動台24をX方向およびY方向に移動して、部品供給装置13から部品実装ヘッド28の吸着ノズル29の先端に吸着した部品Pを基板S上の所定の座標位置に実装している。また吸着ノズル29の先端に吸着した部品Pを部品供給装置13から基板S上の所定の座標位置に移動する途中に、吸着ノズル29を部品認識用カメラ15で一旦停止させ、吸着ノズル29の中心線O3(以下、吸着ノズル中心線O3ともいう。)に対する部品Pの芯ずれを部品認識用カメラ15により検出し、これによってもスライド21および移動台24の移動量を補正して、部品Pが基板S上の座標位置に実装されるようにしている。
ところが、基板マークSmの位置に基づく位置補正および部品Pの芯ずれによる移動量の補正を行ったうえで、スライド21および移動台24を移動しても基板S上の実装する位置に正確に部品が位置決めできないことがあった。
これは、スライド21および移動台24にピッチング、ヨーイングおよび直角度ずれを要因とする送り誤差があることによるものであり、この送り誤差を解消するためには、定期的に送り精度の誤差を測定して位置補正をすることが必要であった。
このため、従来では、送り誤差を測定して位置補正するのに例えば特許文献1に記載された技術が用いられていた。この特許文献1に記載された技術では、電子部品実装装置の移動台上の部品移載装置が取り付けられた位置に、部品移載装置に替えて測定カメラを取り付け、位置決め保持された座標基準用の基板の各作業位置の座標を測定カメラおよび基板認識用カメラで検出し、これら各カメラで検出された各作業位置の座標に基づいて再び移動台に部品移載装置を取り付けたときの部品移載装置の真下の作業位置の座標を補正して求め、スライドおよび移動台を移動制御している。
この方法によれば、スライドおよび移動台の送り誤差に影響されることなく部品移載装置を移動できる利点が得られる。
特開平9−186489号公報(第3頁段落番号0015から0018,図2,図6)
しかしながら、この特許文献1に記載された方法では、部品移載装置に替えて取り付けた測定カメラで検出した各作業位置の座標に基づいて送り精度の誤差を補正した後、部品を実装するときに再び測定カメラと部品移載装置を交換するようにしている。このため、部品移載装置の吸着ノズルの中心と測定カメラの光軸とにズレが生じてしまい部品Pを正確に実装できない問題があった。
本発明は、電子部品実装装置において、測定カメラで送り誤差を求めた後、測定カメラに替えて部品移載装置を取り付けても、吸着ノズルに吸着された部品を正確に基板の実装位置に実装できるようにするものである。
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明の構成上の特徴は、基台に設けられて基板の搬入・搬出および位置決め保持を行う基板搬送装置と、前記基台に対しX方向およびY方向の2方向に移動可能に支持された移動台と、前記移動台の移動を制御する移動制御装置と、前記移動台に取り付けられて部品供給装置により供給された部品を部品採取部で採取して前記基板搬送装置上に位置決め支持された前記基板上に実装する部品移載装置と、光軸が前記部品採取部の中心線と所定間隔をおいて前記移動台に固定された基板認識用カメラと、前記基台に固定された部品認識用カメラを備えてなる電子部品実装装置において、測定カメラを部品移載装置に替えて固定し、前記所定間隔の整数分の一に細分化した間隔で互いに直交する仮想基線上の交点に割出しマークを付したマトリックス基板を前記各基線がX軸又はY軸と平行になるように前記基台に固定し、前記マトリックス基板の割出しマークに順次移動台を割り出し停止させ、各割出停止位置において前記基板認識用カメラおよび測定カメラでそれぞれ対応する割出しマークの各光軸からのX、Y誤差を測定し、これら測定されたX、Y誤差の差を前記各割出停止位置における補正値として記憶し、前記部品認識用カメラの視野内に入るように前記基台に設けられた基準マークが、前記測定カメラの視野内に入るように前記移動台を座標原点に対し所定位置に停止し、前記部品認識用カメラおよび測定カメラにより検出された各カメラの光軸と前記基準マークとの各位置関係に基づいて前記移動台が前記所定位置に位置するときの前記部品認識用カメラの光軸と前記測定カメラの光軸との位置関係を算出し、部品移載装置を前記測定カメラに替えて取り付け、前記移動台を前記所定位置に停止し、前記部品認識用カメラで前記部品認識用カメラの光軸と前記部品移載装置の部品採取部の中心線との位置関係を検出し、前記部品認識用カメラの光軸と前記測定カメラの光軸との位置関係および前記部品認識用カメラの光軸と部品採取部の中心線との位置関係から前記測定カメラの光軸と部品採取部の中心線との位置関係を算出して記憶し、前記基板搬送装置により位置決め保持された基板に対し、前記部品を前記部品採取部によって実装するとき、前記部品の実装位置を各割出停止位置における補正値および前記部品認識用カメラの光軸と部品採取部の中心線との位置関係に基づいて補正して前記移動台を移動することである。
上記課題を解決するための請求項2に記載の発明の構成上の特徴は、基台に設けられて基板の搬入・搬出および位置決め保持を行う基板搬送装置と、前記基台に対しX方向およびY方向の2方向に移動可能に支持された移動台と、前記移動台の移動を制御する移動制御装置と、前記移動台に取り付けられて部品供給装置により供給された部品を部品採取部で採取して前記基板搬送装置上に位置決め支持された前記基板上に実装する部品移載装置と、光軸が前記部品採取部の中心線と所定間隔をおいて前記移動台に固定された基板認識用カメラと、前記基台に固定された部品認識用カメラを備え、測定カメラを部品移載装置に替えて固定し、細分化した間隔で互いに直交する仮想基線上の各交点に割出しマークを付したマトリックス基板を前記各基線がX軸又はY軸と平行になるように前記基台に固定し、前記マトリックス基板の各割出しマークに順次移動台を割り出し停止させ、各割出停止位置において前記基板認識用カメラおよび測定カメラでそれぞれ対応する割出しマークの各光軸からのX、Y誤差を測定し、これら各カメラで測定された各割出マークと光軸のX、Y誤差に基づいて移動台の送り誤差を補正するようにした電子部品実装装置における移動台の移動制御方法に用いられるマトリックス基板であって、前記割出しマークの間隔を前記所定間隔の整数分の一倍にしたことにある。
上記のように構成した請求項1に係る発明によれば、移動台の送り誤差の測定時に用いられる測定カメラと、部品実装時に測定カメラに替えて取り付けられる部品移載装置の部品採取部との位置関係を校正することができるので、部品採取部に採取された部品を基板の所定位置に正確に実装できる。
上記のように構成した請求項2に係る発明によるマトリックス基板を用いることにより、移動台を各割出停止位置に停止したとき、測定カメラと基板認識用カメラが視野内に同時に割出しマークを捉えることができ、各カメラがそれぞれ割出しマークを撮像し、これら撮像した割出しマークと各カメラの光軸との誤差を同時に検出できるので、送り誤差の補正動作の時間を短縮することができる。
以下に、図1〜図10に基づいて実施の形態に係る電子部品実装装置における校正方法および装置について説明する。この実施の形態が適用される図1に概略全体構造を示す電子部品実装装置10は、複数台並べて配置され部品実装ラインを構成する。各電子部品実装装置10の基台11上には、それぞれ基板S,SaをY方向に搬送する2個の基板搬送装置12,12aが設けられている。図示は省略したが、各電子部品実装装置10は、それぞれの基板搬送装置12,12aがY方向に連続されるように互いに隣接して配置され、各電子部品実装装置10の基板搬送装置12,12aは互いに連動して作動されて、各基板S,Saを隣の基板搬送装置12,12a上に順次送り込んで、所定位置に位置決め保持するようになっている。
各基板搬送装置12,12aの上側には、Y方向に細長いスライド21が、Y方向と直交するX方向に延びる固定レール20により移動可能に案内支持されたテーブル30の下面に固定され、スライド21のX方向移動はボールねじを介してサーボモータ22により制御されている。スライド21の一側面には移動台24がY方向に移動可能に案内支持されて、その移動はボールねじを介してサーボモータ31により制御されている。移動台24には、基板認識用カメラ25および着脱可能な部品移載装置26が取り付けられている。
また以下の説明では、スライド21および移動台24などの構造および作動は基板搬送装置12側についてのみ述べる。なお本発明は、2個の基板搬送装置を備えた電子部品実装装置10に限らず、1個の基板搬送装置を備えた電子部品実装装置10にも適用可能である。
移動台24に取り付けられる部品移載装置26は、移動台24に対して図2に示す如く測定カメラ23と交換可能である。電子部品実装装置10は、このように交換可能な部品移載装置26および測定カメラ23と、それ以外の全ての部分からなる装着装置基本部の2部分よりなるものである。
図1に示すように、部品移載装置26は、移動台24に着脱可能に取り付けられる支持ベース27と、この支持ベース27にX方向およびY方向と直角なZ方向に昇降可能に案内支持されてボールねじを介してサーボモータ32により昇降が制御される部品実装ヘッド28と、この部品実装ヘッド28から下方に突出して設けられて下端に部品Pを吸着保持する円筒状の吸着ノズル(部品採取部)29よりなるものである。この部品実装ヘッド28および吸着ノズル29の中心線O3はZ方向と平行であり、吸着ノズル29は部品実装ヘッド28に対し中心線O3回りに回転可能に支持されて、サーボモータ(図示省略)により回転角度が制御されるようになっている。基板認識用カメラ25は移動台24に固定されて故障などの場合を除き交換されることはなく、その光軸O1はZ方向と平行である。また、図2に示すように部品移載装置26に替えて移動台24に取り付けられる測定カメラ23は、基板認識用カメラ25と同等の機能を備え、その光軸O4はZ方向と平行である。
電子部品実装装置10の一端側には、並んで設置された複数のフィーダよりなる部品供給装置13が設けられている。基板搬送装置12と部品供給装置13の間となる基台11上には、Z方向と平行な光軸O2を有する部品認識用カメラ15が設けられている。この部品認識用カメラ15は、図3に示すように支持台16を介して基台11上に取り付けられ、その上方には上側が開いた底のない椀状の上端部材(支持部材)17が連結部16aを介して光軸O2と同軸的に取り付けられている。上端部材17の開いた上面は透明なカバーガラス18により覆われ、上端部材17の内面には多数のLEDよりなる側射光源19が設けられて、部品認識用カメラ15により認識される部品Pおよび吸着ノズル29の下端を下側から照明するようになっている。
電子部品実装装置10は、図4に示す制御装置200により制御される。制御装置200は、CPU202,ROM204,RAM206およびそれらを接続するバス208を有するコンピュータを主体とするものであり、バス208に接続された入力インタフェース210には基板認識用カメラ25、部品認識用カメラ15が接続され、また、部品移載装置26に替えて測定カメラ23が取り付けられた場合には、測定カメラ23も入力インタフェース210に接続される。バス208にはまた、出力インタフェース216が接続され、駆動回路218,220,222を介してX軸駆動用サーボモータ22、Y軸駆動用サーボモータ31、およびZ軸駆動用サーボモータ32が接続されるとともに、制御回路224を介して基板認識用カメラ25、および部品認識用カメラ15が接続され、また、部品移載装置26に替えて測定カメラ23が取り付けられた場合には、測定カメラ23も制御回路224に接続される。また、RAM206には、図5に示すように、測定値記憶エリア230、送り誤差記憶エリア232、オフセット量記憶エリア234および位置関係表記憶エリア236がワーキングエリア238と共に設けられている。さらに、ROM204には、送り誤差検出ルーチン,校正ルーチン等、種々のプログラムが記憶されている。
以上のように構成された電子部品実装装置10において基板Sに部品Pを実装する場合には、基板搬送装置12により搬入されて位置決め保持された基板S上に設けられた基板マークSmの位置を基板認識用カメラ25により検出し、この基板マークSmの位置に基づいて位置補正を行ってスライド21および移動台24をX方向およびY方向に移動して、部品供給装置13から部品移載装置26の吸着ノズル29の先端に吸着保持した電子部品Pを基板S上の指令された座標位置に実装するものである。
このように基板Sへの部品Pの実装は、移動台24がX方向およびY方向の2方向に送られることにより行われるのであるが、移動台24の送りに誤差があれば、部品移載装置26の吸着ノズル29は所定の実装位置からずれた位置に移動させられ、部品Pを実装することができない。そのため、本部品実装装置10には、送り誤差を補正する手段が設けられている。
移動台24の送り誤差は、(I)部品Pを実装する基板S上に設けられた基板マークSmの位置を認識する際の基板認識用カメラ25の基準位置への割出し時と、(II)吸着ノズル29の実装位置への割出し時に影響を与える。
このため、送り誤差を補正するには、基板認識用カメラ25の光軸O1および吸着ノズル29の中心線O3の位置決め誤差をそれぞれ検出して求める必要がある。
この位置決め誤差の検出には、図2に示すように、複数の割出しマークQ1〜Qnが付されたマトリクス基板SPが用いられる。この割出しマークQ1〜Qnは、図2に破線で示すように互いに直交する仮想基線Lの交点に付され、特にY方向には測定カメラ23の光軸O4と基板認識用カメラ25の光軸O1の間隔Hに対して整数分の一倍の間隔(本実施の形態ではH/2等分)をもって設けられている。なお、X方向の割出しマークは等間隔に配置されていればよく、その幅寸法の規定はないがここではY方向の割出しマークの間隔と同寸法H/2とする。マトリクス基板SPは部品Pが実装される基板Sの寸法より大きい方形状を成し、割出しマークQ1〜Qnは、部品Pが実装される基板S上において、測定カメラ23の光軸O4および基板認識用カメラ25の光軸O1が移動可能な範囲の全てに渡って配置されている。
位置決め誤差の検出は、マトリクス基板SPを基板搬送装置12上に移動台24が移動されるX軸線、Y軸線と平行となるように固定し、移動台24をそれぞれX軸方向およびY軸方向にH/2ピッチずつ移動させて割出しマークQ1〜Qnを測定カメラ23および基板認識用カメラ25でそれぞれ撮像することにより行われる。
RAM206の位置関係表記憶エリア236には、移動台24の座標位置と測定カメラ23および基板認識用カメラ25でそれぞれ撮像される割出しマークQ1〜Qnの位置関係表が記憶されている、この位置関係表に基づいて移動台24が割り出され、各カメラ23,25に撮像された割出しマークQ1〜Qnと光軸O1および光軸O4の誤差がRAM206の測定値記憶エリア230にそれぞれ記憶される。
図6から図7を用いて誤差検出の動作を詳述する。図6に示すようにマトリックス基板に割出しマークQ1、Q2、Q3、Q4がH/2等分ごとに配置されていたとする。RAM206には、図7に示すように測定カメラ23および基板認識用カメラ25でそれぞれ撮像される割出しマークの位置関係表が記憶されている。移動台24は図7の位置関係表に基づいて図6(1)、(2)に示すようにH/2ピッチ毎に割出し停止され、各割出し位置において測定カメラ23および基板認識用カメラ25よって視野内にある割出しマークがそれぞれ撮像される。即ち、移動台24が図6(1)に示すようにK1に位置決めされたとき、図7より基板認識用カメラ25の視野内に割出しマークQ3が入り、測定カメラ23の視野内に割出マークQ1が入ることがわかることから、基板認識用カメラ25の視野内の割出しマークQ3と光軸O1の位置関係および、測定カメラ23の視野内の割出しマークQ1と光軸O4の位置関係が検出され、光軸O1と割出マークQ3の誤差(Δ1X3、Δ1Y3)および、光軸O4と割出マークQ1の誤差(Δ2X1、Δ2Y1)がRAM206の測定値記憶エリア230に記憶される。次に移動台24がH/2ピッチだけY方向に移動されK2に位置決めされる。移動台24が図6(2)に示すようにK2に位置決めされたとき、基板認識用カメラ25の視野内に割出しマークQ4が入り、測定カメラ23の視野内に割出マークQ2が入ることがわかることから、基板認識用カメラ25の視野内の割出しマークQ4と光軸O1の位置関係および、測定カメラ23の視野内の割出しマークQ2と光軸O4の位置関係が検出され、光軸O1と割出マークQ4の誤差(Δ1X4、Δ1Y4)および、光軸O4と割出マークQ2の誤差(Δ2X2、Δ2Y2)がRAM206の測定値記憶エリア230に記憶される。以上のように図7の位置関係表に従って移動台24を割出してマトリックス基板SP上の割出しマークQ1〜Qnについて基板認識用カメラ25の光軸O1および測定カメラ23の光軸O4との誤差を検出し、それぞれRAM206の測定値記憶エリア230に記憶する。
これら、RAM206の測定値記憶エリア230に記憶された値のうち、基板認識用カメラ25の光軸O1と割出しマークQ1〜Qnとの誤差(Δ1X1、Δ1Y1)〜(Δ1Xn、Δ1Yn)は、部品Pを実装する基板S上に設けられた基板マークSmの位置を認識する際の基板認識用カメラ25の基準位置への割出し時に用いられ、測定カメラ23の光軸O4と割出しマークQ1〜Qnとの誤差(Δ2X1、Δ2Y1)〜(Δ2Xn、Δ2Yn)は、吸着ノズル29の実装位置への割出し時に用いられる。
また、前述のように、この実施の形態の電子部品実装装置10は、装着装置基本部とその移動台24に交換可能に取り付けられる部品移載装置26および測定カメラ23よりなるものであるので、基板マークSmを基準とする基板S上の所定の座標位置に部品Pを正確に実装するためには、測定カメラ23の光軸O4と測定カメラ23を部品移載装置26に交換した後の吸着ノズル29の中心線O3との位置関係(図8のX方向における距離X1およびY方向における距離Y1)を正確に校正する必要がある。
次にこのような校正を行うための作動を、主として図8〜図10により説明する。この作動の開始に先立ち、図9に示すように、無色透明のガラス板上に円形、十字形など色々な形状の基準マークGmを設けた基準ゲージGを、上端部材17のカバーガラス18の上に、基準マークGmが部品認識用カメラ15の視野内に入るように載置される。移動台24は、基準マークGmが測定カメラ23の視野内に入るように所定位置に位置決めして停止される。そのときの電子部品実装装置10の座標原点に対する測定カメラ23の光軸O4の位置関係(図8の距離X2および距離Y2)は、電子部品実装装置10のスライド21および移動台24の座標原点からの移動量としてインダクトシン等の位置検出装置により検出されて制御装置200のRAM206のワーキングエリア238に記録される。
このように、測定カメラ23の光軸O4が座標原点から図8の距離X2および距離Y2移動するように移動台24が所定位置に位置するとき、測定カメラ23は、基準マークGmの画像の位置に基づいて測定カメラ23の光軸O4と基準マークGmとの位置関係(距離Xaおよび距離Ya)を測定する。部品認識用カメラ15は、基準マークGmの画像の位置に基づいて部品カメラ光軸O2と基準マークGmとの位置関係(距離Xbおよび距離Yb)を測定する。
次に図10に示すように、測定カメラ23を部品移載装置26に交換し、制御装置23のRAM206のワーキングエリア236に記録されたスライド21および移動台24の座標原点に対する測定カメラ23の光軸O4の位置関係(図8の距離X2および距離Y2)となる所定位置に移動台24を移動する。この所定位置での停止状態で、吸着ノズル29の先端が基準ゲージGに接近して部品認識用カメラ15の焦点深度内に入る位置(図10の二点鎖線29a参照)まで下降させる。このように、RAM206のワーキングエリア238に記録されたスライド21および移動台24の座標原点に対する測定カメラ23の光軸O4の位置関係(図8の距離X2および距離Y2)となる所定位置に移動台24が位置するとき、部品認識用カメラ15は、吸着ノズル29の先端の画像の位置に基づいて部品認識用カメラ15の光軸O2と吸着ノズル中心線O3との位置関係(距離Xcおよび距離Yc)を測定する。
測定カメラ23の光軸O4が座標原点から図8の距離X2および距離Y2移動するように移動台24が所定位置に位置するとき、測定カメラ23の光軸O4と部品認識用カメラ15の光軸O2との位置関係(X方向における距離X3およびY方向における距離Y3)の校正値は、図8から明らかなように、次の式
X3=Xa+Xb ・・・(1a)
Y3=Ya+Yb ・・・(1b)
により与えられる。
そして、測定カメラ23の光軸O4が座標原点から図8の距離X2および距離Y2移動するように移動台24が所定位置に位置するとき、測定カメラ23の光軸O4と測定カメラ23を部品移載装置26に交換した後の吸着ノズル29の中心線O3との位置関係(X方向における距離X1およびY方向における距離Y1)の校正値は、図8から明らかなように、上式により与えられるX3,Y3と、前述のように測定された部品カメラ光軸O2と吸着ノズル中心線O3との位置関係(距離Xcおよび距離Yc)に基づき、次の式
X1=Xc−X3 ・・・(2a)
Y1=Yc−Y3 ・・・(2b)
により与えられる。
これにより、測定カメラ23の光軸O4と部品移載装置26の吸着ノズル29の中心O3とのズレを求めることができ、最終的には基板認識用カメラ25および測定カメラ23を用いて求めた移動台24の送り誤差に基づき吸着ノズル29に吸着された部品Pを基板Sの所定位置に正確に実装できる。
なお上記各式における各距離Xa,Xb・・・などの正負の符号は、中心線O3、光軸O2,O4の位置関係により異なったものとなる。
以下、移動台24の送り誤差の検出について具体的に説明する。まず、基板搬送装置12上にマトリクス基板SPを移動台24が移動されるX軸線、Y軸線と平行となるように固定する。次に制御装置200の指令によって、予めROM204に記憶されている移動台24と、測定カメラ23および基板認識用カメラ25が撮像可能な割出マークQ1〜Qnの関係基づいてに対して移動台24が順次割り出される。そして、割出しマークが割り出される毎に測定カメラ23および基板認識用カメラ25によって撮像され、マトリックス基板SP上の割出しマークQ1〜Qnについて基板認識用カメラ25の光軸O1および測定カメラ23の光軸O4との誤差をそれぞれRAM206の測定値記憶エリア230に記憶する。
次に、移動台24を前述した図8に示す所定位置(距離X2および距離Y2)に移動して位置決め停止し、部品認識用カメラ15の上端部材17上に基準ゲージGを置いた状態で、測定カメラ23により距離Xa,Yaを測定し、部品認識用カメラ15により距離Xb,Ybを測定する。次いで、測定カメラ23を部品移載装置26に替えて移動台24を所定位置に停止させた状態で部品認識用カメラ15により距離Xc,Ycを測定する。制御装置200は式(1a),(1b)により距離X3,Y3の校正値を演算し、式(2a),(2b)により距離X1,Y1の校正値を演算し、オフセット量記憶エリア234に記憶する。
そして、測定記憶エリア230に記憶された測定カメラ23の光軸O4と割出しマークQ1〜Qnの誤差(Δ2X1、Δ2Y1)〜(Δ2Xn、Δ2Yn)に対し、オフセット量記憶エリア234に記憶された距離X1,Y1の校正値で補正を行い、実装時に吸着ノズル29を位置決めするための最終的な送り誤差(ΔX1、ΔY1)〜(ΔXn、ΔYn)としてRAM206の送り誤差記憶エリア232に記憶される。
この後、部品移載装置26による部品Pの実装時に、基板搬送装置12により搬入されて位置決め保持された基板S上に設けられた基板マークSmの位置を基板認識用カメラ25により検出する。このとき、RAM206に記憶された位置関係表および、基板認識用カメラ25の光軸O1と割出しマークQ1〜Qnとの誤差(Δ1X1、Δ1Y1)〜(Δ1Xn、Δ1Yn)に基づいて基板認識用カメラ25の位置決め誤差を次のように補正する。位置関係表から基板マークSmの指令位置座標の最も近傍にある移動台24の座標が検索され、この座標に移動台24を位置決めしたときに基板認識用カメラ25によって認識される割出しマークQ1〜Qnが検出される。この検出された割出しマークQ1〜Qnの光軸O1と割出しマークQ1〜Qnとの誤差(Δ1X1、Δ1Y1)〜(Δ1Xn、Δ1Yn)に基づいて指令位置座標を補正する。この補正された指令位置座標に移動台24を移動することにより、基板認識用カメラ25の光軸O1は送り誤差のない位置に位置決めされることになる。なお、基板認識用カメラ25の送り誤差は、指令位置座標を囲むの割出しマークQ1〜Qnの送り誤差から比例配分により決定するなど、他の方法によって決定してもよい。
そして、この送り誤差のない位置に移動された基板認識用カメラ25によって基板マークSmが撮像され、基板認識用カメラ25の光軸O1と基板マークのずれが検出されて基板Sの位置決め誤差が求められ、RAM206のワークキングエリア238に記憶される。
以上のような動作によって求められた実装時に吸着ノズル29を位置決めするための最終的な送り誤差および基板Sの位置決め誤差に基づいて基板Sの実装位置に応じて送り指令値(実装位置の座標)に修正を加える等により、吸着ノズル29を精度良く実装位置に移動させることができる。
例えば、送り誤差は割出しマークQ1〜Qnの各々の正規位置(X軸方向とY軸方向との移動指示データにより規定される)に対応付けて記憶されており、それら正規位置を中心とし、隣接する割出しマーク間の距離の半分の距離を1辺とする正方形の領域内においてその正規位置について算出された送り誤差が生ずるものとする。そして、部品Pの実装時には、実装位置を基板Sの位置決め誤差を補正し、この基板Sの位置決め誤差を補正した実装位置が上記正規位置を中心とする領域のいずれに属するかを求め、その正規位置について求められた送り誤差に基づいて移動台24の送り量を修正する。なお、送り量の修正値は、目的とする実装位置を囲む割出しマークQ1〜Qnの正規位置の送り誤差から比例配分により決定するなど、他の方法によって決定してもよい。
なお、上記実施の形態では、マトリックス基板SPに付した割出マークQ1~Qnの間隔を測定カメラ23の光軸O4と基板認識用カメラ25の光軸O1の間の距離Hの半分(H/2)としたが、測定カメラ23の光軸O4と基板認識用カメラ25の光軸O1に対して同時に一致させることができるように割出しマークを配置できれば、これに限られるものではない。例えば、測定カメラ23の光軸O4と基板認識用カメラ25の光軸O1の間の距離Hと同一間隔に配置する場合や測定カメラ23の光軸O4と基板認識用カメラ25の光軸O1の間の距離Hの整数分の一倍の間隔(H/3、H/4等)にすればよい。このように、測定カメラ23の光軸O4と基板認識用カメラ25の光軸O1の間の距離Hと同一間隔に配置する場合や測定カメラ23の光軸O4と基板認識用カメラ25の光軸O1の間の距離Hの整数分の一倍の間隔(H/3、H/4等)に割出しマークQ1〜Qnを配置すれば測定カメラ23の光軸O4と基板認識用カメラ25の光軸O1に対して同時に一致させることができるので、測定カメラ23の光軸O4と基板認識用カメラ25の光軸O1の割出しマークQ1〜Qnとの送り誤差による位置ずれの検出をそれぞれ別々に行わなくて済むため、送り誤差の補正動作の時間を短縮することができる。
実施の形態に係る電子部品実装装置の要部を示す斜視図。 移動台の送り誤差を検出するための方法を説明する図。 基準ゲージを支持する上端部材および部品認識用カメラの支持構造を示す側断面図。 実施の形態に係る電子部品実装装置の制御ブロック図。 RAMの構成を示す概念図。 移動台の送り誤差を検出するための方法を説明する図。 RAMに記憶された位置関係表を示す図。 吸着ノズル中心と測定カメラ光軸の位置関係を校正する方法を説明する図。 測定カメラ光軸と部品認識用カメラ光軸の位置関係を検出する方法を説明する図。 吸着ノズル中心と部品認識用カメラ光軸の位置関係を検出する方法を説明する図。
符号の説明
11…基台、12…基板搬送装置、13…部品供給装置、15…部品認識用カメラ、17…上端部材(支持部材)、23…測定カメラ、24…移動台、25…基板認識用カメラ、26…部品移載装置、29…吸着ノズル(部品採取部)、G,…基準ゲージ、Gm…基準マーク、S…基板、P…部品、O1…基板カメラ光軸、O2…部品カメラ光軸、O3…吸着ノズル中心線、O4…測定カメラ光軸

Claims (2)

  1. 基台に設けられて基板の搬入・搬出および位置決め保持を行う基板搬送装置と、前記基台に対しX方向およびY方向の2方向に移動可能に支持された移動台と、前記移動台の移動を制御する移動制御装置と、前記移動台に取り付けられて部品供給装置により供給された部品を部品採取部で採取して前記基板搬送装置上に位置決め支持された前記基板上に実装する部品移載装置と、光軸が前記部品採取部の中心線と所定間隔をおいて前記移動台に固定された基板認識用カメラと、前記基台に固定された部品認識用カメラを備えてなる電子部品実装装置において、
    測定カメラを部品移載装置に替えて固定し、前記所定間隔の整数分の一倍に細分化した間隔で互いに直交する仮想基線上の各交点に割出しマークを付したマトリックス基板を前記各基線がX軸又はY軸と平行になるように前記基台に固定し、前記マトリックス基板の各割出しマークに順次移動台を割り出し停止させ、各割出停止位置において前記基板認識用カメラおよび測定カメラでそれぞれ対応する割出しマークの各光軸からのX、Y誤差を測定し、これら各カメラで測定されたX、Y誤差を前記各割出停止位置における補正値として記憶し、
    前記部品認識用カメラの視野内に入るように前記基台に設けられた基準マークが、前記測定カメラの視野内に入るように前記移動台を座標原点に対し所定位置に停止し、前記部品認識用カメラおよび測定カメラにより検出された各カメラの光軸と前記基準マークとの各位置関係に基づいて前記移動台が前記所定位置に位置するときの前記部品認識用カメラの光軸と前記測定カメラの光軸との位置関係を算出し、
    部品移載装置を前記測定カメラに替えて取り付け、前記移動台を前記所定位置に停止し、前記部品認識用カメラで前記部品認識用カメラの光軸と前記部品移載装置の部品採取部の中心線との位置関係を検出し、
    前記部品認識用カメラの光軸と前記測定カメラの光軸との位置関係および前記部品認識用カメラの光軸と部品採取部の中心線との位置関係から前記測定カメラの光軸と部品採取部の中心線との位置関係を算出して記憶し、
    前記基板搬送装置により位置決め保持された基板に対し、前記部品を前記部品採取部によって実装するとき、前記部品の実装位置を各割出停止位置における補正値および前記部品認識用カメラの光軸と部品採取部の中心線との位置関係に基づいて補正して前記移動台を移動するようにしたことを特徴とする移動台の移動制御方法。
  2. 基台に設けられて基板の搬入・搬出および位置決め保持を行う基板搬送装置と、前記基台に対しX方向およびY方向の2方向に移動可能に支持された移動台と、前記移動台の移動を制御する移動制御装置と、前記移動台に取り付けられて部品供給装置により供給された部品を部品採取部で採取して前記基板搬送装置上に位置決め支持された前記基板上に実装する部品移載装置と、光軸が前記部品採取部の中心線と所定間隔をおいて前記移動台に固定された基板認識用カメラと、前記基台に固定された部品認識用カメラを備え、測定カメラを部品移載装置に替えて固定し、細分化した間隔で互いに直交する仮想基線上の各交点に割出しマークを付したマトリックス基板を前記各基線がX軸又はY軸と平行になるように前記基台に固定し、前記マトリックス基板の各割出しマークに順次移動台を割り出し停止させ、各割出停止位置において前記基板認識用カメラおよび測定カメラでそれぞれ対応する割出しマークの各光軸からのX、Y誤差を測定し、これら各カメラで測定された各割出マークと光軸のX、Y誤差に基づいて移動台の送り誤差を補正するようにした電子部品実装装置の移動台の移動制御方法に用いられるマトリックス基板であって、前記割出しマークの間隔を前記所定間隔の整数分の一倍にしたことを特徴とするマトリックス基板。
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