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JP4712819B2 - 電子部品の実装方法 - Google Patents

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JP4712819B2
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Description

本発明は、部品供給装置から電子部品を吸着ヘッドにより取出してプリント基板上に実装する表面実装機を用いた電子部品の実装方法に関するものである。
従来から、部品吸着用のヘッドを有するヘッドユニットによりIC等の電子部品を部品供給部から吸着し、この部品を所定の作業位置に位置決めされているプリント基板上に搬送して搭載(実装)するようにした表面実装機は一般に知られている。この種の表面実装機において、実装作業に先立ちプリント基板上に予め設けられている複数個の位置基準マークをヘッドユニットに搭載されたカメラで撮像することによりプリント基板の歪み、及びプリント基板とヘッドとの相対的な位置関係(装置本体に対するプリント基板の位置ずれ)を調べ、この関係に基づき、電子部品の実装位置のデータ修正することにより、部品の実装精度を高めることが行われている(例えば特許文献1、2)。
特公平7−38519号公報 特開2007−12914公報
また、近年では、タクトタイムの短縮化の要請から、ヘッドユニットに複数台のカメラを搭載して、基板上に予め付された複数個の位置基準マークを複数台のカメラにより分担して撮影する試みがなされている。このように、独立した複数台のカメラを用いて位置基準マークの位置を画像認識する場合には、カメラ同士が独立しているが故に撮影結果より認識される位置基準マークの位置の誤差、より詳しく言えば位置基準マーク同士のマーク間距離についての誤差(単一のカメラによるときのマーク間距離の誤差より、複数のカメラによるときのマーク間距離の誤差が大きくなり勝ち)が生じやすく、この点を改良する必要があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、基板上に付された複数個の位置基準マークを、複数台のカメラにより分担して撮影しつつも、基板上に付された各位置基準マークの位置を正確に画像認識することにより、基板の状態(歪み、停止位置、停止姿勢)をより正確に把握し、実装位置のデータ修正精度、引いては実装精度の向上を図ることを目的とする。
本発明は、基台と、複数個の位置基準マークが予め付された基板を前記基台上に搬入する搬送装置と、前記基台上において電子部品を供給する部品供給装置と、吸着ヘッドと、前記吸着ヘッドを昇降可能に支持するヘッドユニットと、前記ヘッドユニットに設けられる複数個の基板認識カメラと、駆動軸を有し前記ヘッドユニットを前記基台上にて水平方向に移動させるヘッド駆動手段とを備えた表面実装機を用いた電子部品の実装方法であって、(1)前記ヘッド駆動手段を駆動させて前記ヘッドユニットを前記駆動軸に沿って前記基台上にて水平移動させることにより、予め設定された基台上の各カメラ撮影位置に前記各基板認識カメラをそれぞれ移動させて、各カメラ撮影位置近傍に位置する、前記基板上の位置基準マークの画像を撮影し、(2)予め設定されたカメラ撮影位置間の相対距離に対する現実の撮影位置間の相対距離の誤差を算出し、(3)前記撮影により得られた各カメラ撮影位置での各画像データと、前記相対距離の前記誤差とに基づいて前記基台上における前記基板上の位置基準マークの位置を認識し、その後認識された前記基板上の位置基準マークの位置に従って前記基板に対する電子部品の実装位置を決定(データ修正)すると共に、前記ヘッドユニットを駆動軸に沿って設定された軸位置に移動させて、前記基台上に設けたベースマークを前記基板認識カメラにより撮影し、撮影により得た画像中のベースマークの位置から前記設定された軸位置に対する前記ヘッドユニットの実際の停止位置の誤差を読み取る読取試験を、異なる軸位置にて複数回行い、得られた各回の誤差に関するデータに基づいて予め設定されたカメラ撮影位置前記相対距離に対する現実の撮影位置前記相対距離の前記誤差を算出するようにし、更に前記読取試験において、前記基台上に設けられた単一個のベースマークを、前記ヘッドユニットに所定距離あけて搭載された2台の前記基板認識カメラによりそれぞれ撮影する試験方法を用いたところに特徴を有する。
本発明によれば、予め設定された各カメラ撮影位置に対する現実の撮影位置の誤差、或いは予め設定された各カメラ撮影位置の相対距離に対する現実の撮影位置の相対距離の誤差が補正されるから、基板上に付された複数個の位置基準マークを、複数台のカメラにより分担して撮影しつつも、基板上に付された各位置基準マークの位置、引いては各基準位置マーク同士のマーク間距離を正確に画像認識できる。よって、基板の状態(停止位置、停止姿勢、歪み)をより正確に把握でき、実装位置のデータ修正精度、引いては基板に対する電子部品の実装精度を高くできる。また、本発明では、比較的簡単な試験方法で誤差に関するデータを取得できる。また、本発明では、基台上に設けるベースマークの個数が単一個で済む。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図11によって説明する。
1.表面実装機の全体構成
図1は表面実装機の平面図、図2はヘッドユニットの支持構造を示す部分拡大図である。図1に示すように、表面実装機1は上面が平らな基台10上に各種装置を配置している。尚、以下の説明において、基台10の長手方向(図1、図2の左右方向)をX方向と呼ぶものとし、Y方向、Z方向をそれぞれ図1〜図2の向きに定めるものとする。
基台10の中央には、プリント配線基板搬送用の搬送コンベア(以下、単にコンベアと呼ぶ)20が配置されている。搬送コンベア20はX方向に循環駆動する一対の搬送ベルト21を備えており、隣接する装置との間にてプリント配線基板(以下、単に基板)PKを受け渡す機能を担っている。
基板PKは、図3にて示すように、X軸方向に長い長方形状をなしており、基板隅の2箇所(本例では、右上隅と、左下隅)には、フィデューシャルマーク(位置基準マーク)Fa、Fbが予め付されている。
また、基台中央には、搬送コンベア20上に位置して実装作業位置(図1中の二点鎖線で示す位置)Gが設定されている。係る実装作業位置Gの周囲4箇所には部品供給部25が設けられ、そこには部品供給装置としてのフィーダ28がX軸方向に整列状に設置されている。各フィーダ28は、部品供給テープが巻回されたリール(不図示)、リールから部品供給テープを引き出す電動式の送出装置(不図示)などから構成されている。
部品供給テープには電子部品5が一定間隔にて保持されており、送出装置を駆動させると、部品供給テープの引き出しに伴い、電子部品5が一つずつ供給される。そして、供給された電子部品5は、部品搭載装置30の吸着ヘッド65により吸引保持されて、実装作業位置G上にて停止する基板PK上に実装される構成となっている。
また、基台10上であって搬送コンべア20のY軸方向の両側には、部品認識カメラ15が一対設置されている。この部品認識カメラ15は、吸着ヘッド65により吸着保持された電子部品5を撮影するためのものである。
部品搭載装置30は大まかにはX軸サーボ機構、Y軸サーボ機構、Z軸サーボ機構及び、これら各サーボ機構の駆動によりX軸、Y軸、Z軸方向に移動操作される吸着ヘッド65などから構成される。
具体的に説明してゆくと、図1、図2に示すように基台10上には一対の支持脚41が設置されている。両支持脚41は実装作業位置Gの両側(X軸方向両側)に位置しており、共にY方向(図1では上下方向)にまっすぐに延びている。
両支持脚41にはY方向に延びるガイドレール42が支持脚上面に設置されると共に、これら左右のガイドレール42に長手方向の両端部を嵌合わさせつつヘット支持体51が取り付けられている。
また、図1において右側の支持脚41にはY方向に延びるY軸ボールねじ軸45が装着され、更にY軸ボールねじ軸45にはボールナット(不図示)が螺合されている。そして、Y軸ボールねじ軸45の軸端部にはY軸モータ47が設けられている。
同Y軸モータ47を通電操作すると、Y軸ボールねじ軸45に沿ってボールナットが進退する結果、ボールナットに固定されたヘッド支持体51、ひいては次述するヘッドユニット60がガイドレール42に沿ってY方向に水平移動する(Y軸サーボ機構)。
図2に示すように、ヘッド支持体51にはX方向に延びるガイド部材53が設置され、更に、ガイド部材53に対してヘッドユニット60が、移動自在に取り付けられている。このヘッド支持体51には、X方向に延びるX軸ボールねじ軸55が装着されており、更にX軸ボールねじ軸55にはボールナットが螺合されている。
そして、X軸ボールねじ軸55の軸端部にはX軸モータ57が設けられており、同X軸モータ57を通電操作すると、X軸ボールねじ軸55に沿ってボールナットが進退する結果、ボールナットに固定されたヘッドユニット60がガイド部材53に沿ってX方向に移動する(X軸サーボ機構)。
従って、X軸サーボ機構、Y軸サーボ機構を複合的に制御することで、基台10上においてヘッドユニット60を水平方向(XY方向)に移動操作出来る構成となっている。尚、X軸サーボ機構、Y軸サーボ機構が、本発明のヘッド駆動手段に相当するものである。
係るヘッドユニット60には、ユニットケーシング61の下面から下向きに突出するようにして吸着ヘッド65が装着されている。吸着ヘッド65はユニットケーシング61に対して昇降動作自在とされ、先端には吸着ノズル66が設けられている。これら各吸着ノズル66には図外の負圧手段から負圧が供給されるように構成されており、ヘッド先端に吸引力を生じさせるようになっている。
そして、ヘッドユニット60にはZ軸モータ(不図示)、Z軸ボールねじ軸(不図示)を主体とするZ軸サーボ機構が設けられ、Z軸モータの駆動により吸着ヘッド65をヘッドユニット60に対して昇降操作出来る構成となっている。
これにより、上記X軸サーボ機構、Y軸サーボ機構を複合的に制御して、ヘッドユニット60を部品供給部25上に移動させた後、部品供給部25より供給される電子部品5の高さ位置に、吸着ヘッド65を下降させてやることで、供給される電子部品5を吸着ヘッド65により吸着保持出来る。
本実施形態のものは、上記吸着ヘッド65がユニットケーシング61にX軸方向に列をなして複数本設けられており、部品供給部25から複数個の電子部品5を取り出すことが出来る構成となっている。また、各吸着ヘッド65はヘッドユニット60に付設されるR軸モータ(不図示)の駆動により、各吸着ヘッド65ごとに軸周りの回転動作が可能な構成となっている。
また、上記ユニットケーシング61であってX軸方向両側の各側面には、撮像面を下に向けた状態で基板認識カメラ71、75が固定されている。これら基板認識カメラ71、75は、実装作業位置G上にある基板PKの任意位置を撮影して、基板PKを画像認識するものである。
2.装置の電気的構成
表面実装機1はコントローラ110により装置全体が制御統括されている。コントローラ110はCPU等により構成される演算処理部111を備える他、実装プログラム記憶手段112、搬送系データ記憶手段113、モータ制御部115、画像処理部116、記憶手段118を設けている。
実装プログラム記憶手段112にはX軸モータ57、Y軸モータ47、Z軸モータ、R軸モータなどからなるサーボ機構を制御するための実装プログラムが格納され、搬送系データ記憶手段113には搬送コンベア20など搬送系を制御するためのデータが記憶されている。
モータ制御部115には各軸モータ47、57が電気的に連なっている。そして、各軸モータ47、57にはモータの回転状況に応じたパルス信号を出力するエンコーダ59がそれぞれ付設されている。
エンコーダ59から出力されるパルス信号は、インターフェースを通じてコントローラ110に取り込まれる構成となっている。これにより、演算処理部111にて、各軸モータ47、57の回転量に関する情報を取得することが可能となり、演算処理部111はモータ制御部115と共に各軸モータ47、57を制御して、吸着ヘッド65を基台10上の任意の位置に移動操作できる構成となっている。
また、画像処理部116には部品認識カメラ15、基板認識カメラ71、75が電気的に連なっており、これら各カメラ、すなわち部品認識カメラ15、基板認識カメラ71、基板認識カメラ75から出力される撮像信号がそれぞれ取り込まれるようになっている。そして、画像処理部116では、取り込まれた撮像信号に基づいて、部品画像の解析並びに基板画像の解析がそれぞれ行われるようになっている。
3.一連の部品実装処理
次に、上記表面実装機1にて行われる一連の部品実装処理について簡単に説明する。本実施形態のものは、図1に示す右側が入り口となっており、部品未実装の新規基板PKは図1に示す右側より搬送コンベア20を通じて機内へと搬入される。搬入された基板PKは、搬送コンベア20により基台中央の実装作業位置Gに搬送され、その位置で停止、位置決めされる(S10:基板搬入処理)。
そして、基板PKの位置決めに続いて、演算処理部111の指令のもと、基板認識カメラ71、75により基板PK上のフィデューシャルマークFa、Fbを撮影する処理が行われる。具体的には、所定待機位置(X軸方向の軸位置がX1)にあるヘッドユニット60を基台10上にてXY方向に水平移動させることにより、図3の(b)にて示すようにヘッドユニット60に搭載された基板認識カメラ71をカメラ撮影位置Aに移動させ、その位置でフィデューシャルマークFaの撮影を行い、次いで基板認識カメラ75をカメラ撮影位置Bに移動させ、その位置にてフィデューシャルマークFbの撮影を行う(S20:マーク撮影処理)。
このように異なる二つの基板認識カメラ71、75を用いて各フィデューシャルマークFa、Fbを撮影すれば、単一のカメラを用いて両マークを個々に撮影する場合に比べて、ヘッドユニット60の移動量を短くでき、撮影に要する時間を短くできる。
尚、ここでいうカメラ撮影位置Aというのは、基板PKが実装作業位置に正確に停止した場合のフィデューシャルマークFaの真上に相当する位置であり、係るカメラ撮影位置Aは基台10上におけるX座標、Y座標が予め設定されている。また、カメラ撮影位置Bは、基板PKが実装作業位置Gに正確に停止した場合のフィデューシャルマークFbの真上に相当する位置であり、係るカメラ撮影位置Bは基台10上におけるX座標、Y座標が予め設定されている。
撮影により得られた画像は画像処理部116に取り込まれ、演算処理部111により画像解析がなされる。この画像解析では、後述する誤差Ua、Ubに関するデータを加味した上で、基台10上のカメラ撮影位置Aに基板認識カメラ71の画像データを割り当て(より具体的には、カメラ撮影位置Aに画像中心が一致するように割り当てる)、また基台10上のカメラ撮影位置Bに基板認識カメラ71の画像データを割り当てる(より具体的には、カメラ撮影位置Bに画像中心が一致するように位置を割り当てる)処理が行われる。かくして、各画像データと基台10との相対的な位置関係が取得される。
その後、演算処理部111により、各画像データの画像中心に対する各フィデューシャルマークFa、Fbの位置のずれ量Δa、Δbが検出(図6のa参照)され、検出されたずれ量Δa、Δbに基づいて基台10上における各フィデューシャルマークFa、Fbの具体的な位置、引いてはマーク間距離(Dx、Dy/図3参照)が算出される(S30:誤差算出処理/位置認識処理)。
そして、算出された結果に基づいて、基台10上における基板PKの停止位置、停止姿勢(角度ずれ)、基板PKの歪みが検出され、その後、検出された基板PKの状態(停止位置、停止姿勢、歪み)に適合するように、基板PKに対する電子部品5の実装位置をデータ修正する処理が演算処理部111によりなされ(S40:実装位置決定処理)、その後、以下の要領に従って、基板PKに対する電子部品5の実装処理が行われる(S50:実装処理)。
すなわち、まず、フィーダ28によって供給される電子部品5を、吸着ヘッド65により吸着保持してフィーダ28から取り出す処理が行われる。そして、取り出された電子部品5は、吸着ヘッド65により、実装作業位置Gに停止した基板PK上に移送される。
この移送途中、部品認識カメラ15の上方の撮影領域を電子部品5が横切り、その通過タイミングに合わせて部品認識カメラ15により各電子部品5の撮影が行われる。そして、部品認識カメラ15より出力される各画像データは画像処理部116へ送られ、そこで、吸着ヘッド65による各電子部品5の吸着位置ずれが調べられる。
そして、吸着位置ずれがある場合には、上記移送の途中にて、各吸着ヘッド65ごとに電子部品5の吸着位置ずれを矯正する処理(R軸モータを駆動させ吸着ノズル66を回転させるなど)が行なわれる。
その後、電子部品5が目標となる実装位置(実装作業位置Gにて位置決めされた基板PK上の位置)に達したころで、吸着ヘッド65が下降操作され、この下降に伴い姿勢矯正後の各電子部品5が、基板PK上の実装位置に実装される。
このような処理が繰り返し行われることで、基板PKに対する電子部品5の実装処理が進められる。そして、全ての電子部品5について実装処理が完了すると、基板PKの位置決めが解かれ、その後、搬送コンベア20が再駆動する。これにより、実装処理済み基板PKは図1における左方向に送られ、機外に搬出される。また、これと並行して部品未実装の新規基板PKが基台10上に搬入されることとなる。
4.位置認識処理とその誤差
既に説明してあるように、本実施形態では、基板PK上に付された各フィデューシャルマークFa、Fbの位置(基台10に対する相対的な位置)を画像認識し、認識された位置に基づいて実装位置をデータ修正しているが、係る画像認識を行うにあたり、各フィデューシャルマークFa、Fbを撮影した各基板認識カメラ71、75の画像と基台10との相対的な位置関係を特定する必要があり、それを、基台10上のカメラ撮影位置Aにカメラ71の画像データに割り当て、また基台10上のカメラ撮影位置Bにカメラ75の画像データに割り当てることで実行している。
従って、各フィデューシャルマークFa、Fbの位置(基台10に対する相対的な位置)を正確に画像認識するには、カメラ撮影位置Aにて基板認識カメラ71によりフィデューシャルマークFaの撮影が行われ、またカメラ撮影位置Bにて基板認識カメラ75によりフィデューシャルマークFbの撮影が行われることが前提となる。
その一方、基板認識カメラ71、75の移動操作は、X軸モータ57、Y軸モータ47を回転させることにより行われるが、実際には、例えば、X軸モータ57を同じ量回転させたとしても、X軸ボールねじ軸55が熱膨張し伸長しているときには、それがない場合に比べて軸方向への移動量(変位量)が多くなる。
そのため、X軸モータ57を所定量だけ正確に回転させても、基板認識カメラ71、75が上記各カメラ撮影位置A、Bからずれた位置にて停止し、ずれた位置で各フィデューシャルマークFa、Fbの撮影が行われてしまう。しかも、カメラ71のカメラ撮影位置Aに対する停止位置の誤差Uaと、カメラ75のカメラ撮影位置Bに対する停止位置の誤差Ubは、通常異なる。
そのため、図6の(b)にて示すように、現実のカメラ撮影位置間の距離「L0'」は設定値「L0」とは異なる長さとなる。すると、位置認識処理では、現実にはカメラ撮影位置間の距離が「L0'」の状態で撮影が行われた両画像データに対して、カメラ撮影位置間の距離が「L0」であるものとして基台10上の位置を割り当ててしまう結果、各マークFa、Fbの位置(基台に対する相対的な位置)、マークFa、Fb同士の位置関係を正確に認識出来ず、基板PKの状態(停止位置、停止姿勢、歪み)を誤認識してしまう。
5.読取試験
そこで、本実施形態のものは、基台10上であって基板認識カメラ71、75にて読み取り可能な位置(基台中央であって、図1に示す下側に位置する部品認識カメラ15の近傍位置)に、ベースマークBMを予め設け、係るベースマークBMをヘッドユニット60に搭載される両基板認識カメラ71、75にてそれぞれ撮影している。そして、撮影により得られた画像からベースマークBMの位置を読み取って、撮影画像の画像中心に対するベースマークBMの位置ずれの量を検出している(読取試験)。
尚、読取試験は、表面実装機の稼動開始時、及びX軸ボールねじ軸55に熱膨張が発生することが予見できるようなタイミング、例えば表面実装機1の連続稼動時間が所定時間に達したときなどに実行される。また、本実施形態において読取試験、及び同試験の結果を位置認識処理に反映させる処理を基板認識カメラ71、75の並び方向であるX軸方向にのみ行うこととしているが、これは、Y軸方向については誤差自体がそれほど大きくなく実装精度に与える影響が無視できる程小さいからである。
では、読取試験の内容について具体的に説明する。読取試験が開始されると、まず、コントローラ110の指令の下、X軸モータ57が駆動され、ヘッドユニット60は、図7の(a)に示すようにモータ57側の軸端にあたる軸位置X0に移動する。
そして、X軸モータ57の駆動と並行してY軸モータ47が駆動される。これにより、ヘッドユニット60のY軸方向に関する位置が調整され、ヘッドユニット60に搭載された基板認識カメラ71、75のカメラ中心のY座標がベースマークBMのY座標に合致する状態になる。
かくして、Y軸方向の位置調整が完了すると、次いで、コントローラ110の指令の下、X軸モータ57が再駆動される。これにより、ヘッドユニット60引いてはヘッドユニット60に搭載された両基板認識カメラ71、75が基台10上をX軸方向に移動し始める。
一方、X軸モータ57の駆動により、X軸モータ57に付設されるエンコーダ59から、X軸モータ57の回転状況に応じたパルス信号が出力される。そして、出力されるパルス信号に基づいてヘッドユニット60のX軸方向の移動量が読み取られ、コントローラ110はヘッドユニット60が第一軸位置(本発明の「設定された軸位置」に相当)X1に停止するように、X軸モータ57を停止制御する。
係る第一軸位置X1は図7にて示すように軸位置X0からの変位量T1が、軸位置X0における基板認識カメラ75の中心からベースマークBMの中心位置までの差分距離に設定してある。そのため、X軸ボールねじ軸55が常温の状態(熱伸長していない状態)であれば、移動後には、図8の(a)に示すように基板認識カメラ75の撮影画像の画像中心にベースマークBMの中心が合致した状態となる。
その一方、X軸ボールねじ軸55が摩擦熱により昇温した状態(熱伸長した状態)であれば、移動後には、図8の(b)に示すように、基板認識カメラ75の撮影画像の画像中心に対して、ベースマークBMの中心がX軸方向に位置ずれした状態となる。
そして、同軸位置X1にて、基板認識カメラ75によりベースマークBMの撮影が行われ(第一回目の撮影)、得られた画像から画像中心に対するベースマークBMのX軸方向に関する位置ずれ量U1が検出される。
かくして、第一回目の撮影が行われると、次に、コントローラ110の指令のもと、X軸モータ57が再駆動される。そして、X軸モータ57に付設されるエンコーダ59から出力されるパルス信号に基づいてヘッドユニット60のX軸方向の移動量が読み取られ、コントローラ110はヘッドユニット60が第二軸位置(本発明の「設定された軸位置」に相当)X2に停止するように、X軸モータ57を停止制御する。
係る第二軸位置X2は軸位置X0からのトータル変位量T2が、変位量T1に対して両基板認識カメラ71、75のX軸方向についてのカメラ間距離Tcを加えた数値に設定してある。
T2=T1+Tc
Tc:基板認識カメラ71と基板認識カメラ75とのカメラ間距離(X軸方向)
そのため、X軸ボールねじ軸55が常温の状態(熱伸長していない状態)であれば、移動後には、基板認識カメラ71がベースマークBMの丁度真上に位置し、撮影により得られる画像は図9の(a)に示すように基板認識カメラ71の撮影画像の画像中心にベースマークBMの中心が合致した状態となる。
その一方、X軸ボールねじ軸55が摩擦熱により昇温した状態(熱伸長した状態)であれば、移動後には、図9の(b)に示すように、基板認識カメラ71の撮影画像の画像中心に対して、ベースマークBMの中心がX軸方向に位置ずれした状態となる。
そして、第二軸位置X2にて、基板認識カメラ71によりベースマークBMの撮影が行われ(第二回目の撮影)、得られた画像から画像中心に対するベースマークBMの、X軸方向に関する位置ずれ量U2が検出される。
ここで、軸位置に対するボールねじ軸55の熱伸び量は線形として取り扱うことが出来る。よって、軸位置Xと同軸位置Xまでヘッドユニット60を移動させたときの停止位置の誤差Uとの相関を、第一軸位置X1、第一軸位置X1における位置ずれ量U1、第二軸位置X2、第二軸位置X2における位置ずれ量U2に基づいて、下記(1)式にて示す一次の相関関数(本発明の「誤差に関するデータ」に相当)として表すことが出来る。尚、係る一次の相関関数は演算処理部111により算出され、記憶装手段118に記憶される。
U=αX+β・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
α=(U2−U1)/(X2−X1)・・・・・(2)
2β=(U2+U1)−α(X1+X2)・・・(3)
係る一次の相関関数を用いることで、図10にて示すように、任意の軸位置Xに対する誤差Uを推定することが可能となる。
例えば、X軸ボールねじ軸55上においてヘッドユニット60が軸位置X1に待機していたときに、係るヘッドユニット60を所定の軸位置Xaまで移動させた場合、ヘッドユニット60の停止位置の誤差Uaは、以下の数値になると推定できる。
Ua=α(Xa−X1)+U1・・・・・・・・・(4)
その後、更に、ヘッドユニット60を所定の軸位置Xbまで移動させた場合、ヘッドユニット60の停止位置の誤差Ubは、以下の数値になると推定できる。
Ub=α(Xb−X1)+U1・・・・・・・・・(5)
尚、本実施形態では、上記読取試験において、X軸方向の異なる位置にある両基板認識カメラ71、75により共通のベースマークBMを撮影する方法をとっている。従って、所望とする一次の相関関数を算出するには異なる軸位置にて撮影(位置ずれ量Uの検出)が必要であるにも拘わらず、基台10上に設けるベースマークが1つだけで済み、効果的である。
6.誤差算出処理と位置認識処理(S30)
そして、本実施形態の表面実装機1では、既に説明したS30の処理過程において、演算処理部111のもと、各カメラ撮影位置A、Bに対する現実の撮影位置の誤差Ua、Ubを算出し、算出した誤差Ua、Ubと、各カメラ撮影位置A、Bでの各画像データとに基づいて基台10上におけるフィデューシャルマークFa、Fbの具体的な位置等を認識することとしている。
すなわち、図5中のS20のマーク認識処理にて、基板認識カメラ71をカメラ撮影位置Aに移動させたときのヘッドユニット60の軸位置がXaであったとすると、各カメラ撮影位置Aに対する現実の撮影位置の誤差Uaが上記(4)式に基づき演算処理部111により算出される。
また、その後、基板認識カメラ75をカメラ撮影位置Bに移動させたときのヘッドユニット60の軸位置がXbであったとすると、各カメラ撮影位置Bに対する現実の撮影位置の誤差Ubが上記(5)式に基づき演算処理部111により算出される。
尚、これら誤差Ua、Ubは、一次の相関関数と共に記憶手段118に予め記憶しておき、必要に応じて読み出すようにしてもよい。
そして、演算処理部111は、図11にて示すように、カメラ71の画像データに対して、画像中心PaをマークFaの位置に対してX軸方向に上記した誤差Ua分だけ相対的に位置補正した画像データを生成し、位置補正後の画像データを基台10上のカメラ撮影位置Aに割り当てる。
また、カメラ75の画像データを基台10上のカメラ撮影位置Bに割り当てるときにも、演算処理部111はまず、カメラ75の画像データに対して、画像中心PbをマークFbの位置に対してX軸方向に上記した誤差Ub分だけ相対的に位置補正した画像データを生成し、その上で位置を割り当てている(図11参照)。
この位置補正により、カメラ撮影位置Aに対する基板認識カメラ71の現実の撮影位置の誤差が補正され、カメラ撮影位置Bに対する基板認識カメラ75の現実の撮影位置の誤差が補正される。そのため、基板PK上に付された二つのフィデューシャルマークFa、Fbを、二台の基板認識カメラ71、75により分担して撮影しつつも、両マークFa、Fbの基台10上における位置、引いては両マークFa、Fb間のマーク間距離を正確に画像認識できる。以上のことから、基板PKの状態(停止位置、停止姿勢、歪み)を正確に認識できる。
そのため、電子部品5の実装位置を基板PKの状態に合わせて正確にデータ修正できる結果、電子部品の実装精度を高めることが可能となる。
また、上記では、各カメラ撮影位置A、Bに対する現実の撮影位置の各誤差Ua、Ubを個別に算出し、算出された各誤差Ua、Ubと各カメラ撮影位置A、Bでの各画像データとに基づいて基台10上におけるフィデューシャルマークFa、Fbの具体的な位置等を認識した。
これに対して、以下説明するように、カメラ撮影位置Aに対応する軸位置Xaとカメラ撮影位置Bに対応する軸位置Xbの相対距離に着目し、相対距離(Xb−Xa)に対応する誤差「Uba」を算出する構成でもよい。
そして、算出された誤差「Uba」とカメラ撮影位置A、カメラ撮影位置Bでの各画像データと、に基づいて基台10上におけるフィデューシャルマークFa、Fbの具体的な位置等を認識する。
Uba=α(Xb−Xa)・・・・・・・・・・・・(6)
尚、この場合、先に撮影を行う側、すなわち基板認識カメラ71側の画像データについては何ら位置補正を行う必要はなく、後に撮影を行う基板認識カメラ75側の画像データについてのみ誤差「Uba」を考慮した位置補正を行ってやればよい。
例えば、基板認識カメラ71側の画像データについては、そのままカメラ撮影位置Aに位置を割り当てる一方、基板認識カメラ75側の画像データについては、画像中心PbをマークFbの位置に対してX軸方向に上記した誤差「Uba」分だけ相対的に位置補正した画像データを生成し、その上でカメラ撮影位置Bに位置を割り当てるなどする。
このような位置補正方法であっても、両カメラ撮影位置A、Bの相対距離「L0」に対する現実の相対距離「L0'」の誤差を補正できるから、少なくとも各マーク間距離Dx、Dyを正確に算出することが出来、先に説明した構成と同様の作用効果を効することが可能となる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施形態1では、基板認識カメラ71、75をX軸方向に並べて配置するものを例示したが、Y軸方向に並べるなどのレイアウト変更も可能であり、この場合には、実施形態1で説明した位置補正処理をY軸方向について行ってやればよい。
(2)実施形態1では、基板PK上に付された位置基準マークの一例として、基板PKの全体の停止位置、停止姿勢、歪みを検出するフィデューシャルマークを示したが、本発明の適用範囲は、一例として挙げたフィデューシャルマークの認識に限定されるものではなく、例えば、ブロックフィデューシャルマークの認識、ポイントフィデューシャルマークの認識への応用が可能である。尚、ブロックフィデューシャルマークというのは、割り基板の各実装ブロックごとに付加され、各ブロックの位置と角度ずれを検出するものであり、また、ポイントフィデューシャルマークというのは、特定の部品グループ、特定部品の位置と角度ずれを検出ものである。
また、これら位置基準マークFを撮影するにあたり、両基板認識カメラ71、75を用いて常に撮影を行う必要はなく、両基板認識カメラ71、75を用いた方がより効率的(撮影に要する時間の長さが短く、また撮影に要するヘッドユニットの移動経路長が短くなる)である場合にのみ行うようにするとよい。
実施形態1に適用された表面実装機の平面図 ヘッドユニットの支持構造を示す図 プリント基板の平面図 表面実装機の電気的構成を示すブロック図 部品実装処理の流れを示すフローチャート図 各パラメータの検出要領を説明する図 読取試験の説明図 試験により得られた画像を示す図(基板認識カメラ75) 試験により得られた画像を示す図(基板認識カメラ71) 相関関数を示すグラフ 位置補正を示す図
1・・・表面実装機
10.・・・基台
20・・・搬送コンベア(本発明の「搬送装置」に相当)
28・・・フィーダ
30.・・・部品搭載装置
45・・・Y軸ボールねじ軸(本発明の「駆動軸」に相当)
55・・・X軸ボールねじ軸(本発明の「駆動軸」に相当)
57・・・X軸モータ
59・・・エンコーダ
60・・・ヘッドユニット
65・・・吸着ヘッド
71・・・基板認識カメラ
75・・・基板認識カメラ
111・・・演算処理部(本発明の「誤差算出手段」、「位置認識手段」に相当)
PK・・・基板
Fa・・・フィデューシャルマーク(本発明の「位置基準マーク」に相当)
Fb・・・フィデューシャルマーク(本発明の「位置基準マーク」に相当)
B・・・電子部品
BM・・・ベースマーク

Claims (1)

  1. 基台と、複数個の位置基準マークが予め付された基板を前記基台上に搬入する搬送装置と、前記基台上において電子部品を供給する部品供給装置と、吸着ヘッドと、前記吸着ヘッドを昇降可能に支持するヘッドユニットと、前記ヘッドユニットに設けられる複数個の基板認識カメラと、駆動軸を有し前記ヘッドユニットを前記基台上にて水平方向に移動させるヘッド駆動手段とを備えた表面実装機を用いた電子部品の実装方法であって、
    (1)前記ヘッド駆動手段を駆動させて前記ヘッドユニットを前記駆動軸に沿って前記基台上にて水平移動させることにより、予め設定された基台上の各カメラ撮影位置に前記各基板認識カメラをそれぞれ移動させて、各カメラ撮影位置近傍に位置する、前記基板上の位置基準マークの画像を撮影し、
    (2)予め設定されたカメラ撮影位置間の相対距離に対する現実の撮影位置間の相対距離の誤差を算出し、
    (3)前記撮影により得られた各カメラ撮影位置での各画像データと、前記相対距離の前記誤差とに基づいて前記基台上における前記基板上の位置基準マークの位置を認識し、その後認識された前記基板上の位置基準マークの位置に従って前記基板に対する電子部品の実装位置を決定すると共に、
    前記ヘッドユニットを駆動軸に沿って設定された軸位置に移動させて、前記基台上に設けたベースマークを前記基板認識カメラにより撮影し、撮影により得た画像中のベースマークの位置から前記設定された軸位置に対する前記ヘッドユニットの実際の停止位置の誤差を読み取る読取試験を、異なる軸位置にて複数回行い、
    得られた各回の誤差に関するデータに基づいて予め設定されたカメラ撮影位置前記相対距離に対する現実の撮影位置前記相対距離の前記誤差を算出するようにし、
    更に前記読取試験において、前記基台上に設けられた単一個のベースマークを、前記ヘッドユニットに所定距離あけて搭載された2台の前記基板認識カメラによりそれぞれ撮影する試験方法を用いたことを特徴とする電子部品の実装方法。
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