JP4079396B2 - 体腔内用超音波探触子 - Google Patents
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Description
本発明は、バイオプシアダプタを装着して使用する体腔内用超音波探触子に関する。
【0002】
【従来の技術】
バイオプシアダプタを使用する超音波探触子として体腔内用探触子がある。体腔内用探触子は、患者同士の感染の防止,安全衛生上の理由から、近年は体腔内用探触子単体で使用するときも、バルーンを被せて使用する。バイオプシアダプタを使用するときは、体腔内用探触子へバルーンを被せ、その後バイオプシアダプタを装着して使用することとなる。使用後バルーンは焼却し、体腔内用探触子は消毒し再使用し、バイオプシアダプタは人間の体内に針を入れ、対象部を抽出してくる際に血液等が付着するため滅菌して再使用している。バルーンは体腔内用探触子の音響特性の劣化を防ぐため、厚さ0.1ミリ程度の天然ゴムで形成され、一方体腔内用探触子の材料は消毒時の温度にて軟化しないように、耐熱仕様のエンジニアリングプラスチックを使用している。またバイオプシアダプタの材料は滅菌時の高温で軟化しないような材料、例えば耐熱仕様のエンジニアリングプラスチックや金属を使用している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この耐熱仕様のエンジニアリングプラスチックは硬い機械的特性を持つ。このため、バルーンを体腔内用探触子に被せバイオプシアダプタをかん合部にかん合するとき、慎重に扱わないとバイオプシアダプタがバルーンを局部的に圧縮し引き伸ばし、強度的に弱いバルーンが部分的に引き伸ばされ破損することことがあった。
【0004】
本発明の目的は、上記問題に鑑みて成されたもので、体腔内用超音波探触子にバルーンを被せた上からバイオプシアダプタを装着してもバルーンが破損しないようにした体腔内用超音波探触子を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、患者の感染の防止、安全衛生に供するため体腔内用探触子(1)に被せるバルーン(3)と、前記体腔内用探触子(1)によって検知された情報を基に、前記患者の対象部を針で刺して生体の組織を抽出する際の針のガイドの役目をするバイオプシアダプタ(2)と、前記バルーン(3)を被せた上で前記体腔内用探触子(1)と前記バイオプシアダプタ(2)をかん合するかん合部と、を備えた体腔内用超音波探触子において、前記体腔内用探触子(1)の先端部の側面に接着剤(8)により接着されるゴムを含む材質でなり、前記バルーン(3)を介して前記バイオプシアダプタ(2)の先端の内面が当接するように、前記バイオプシアダプタ(2)の先端を係止するための凹部(5)を有する第一の粘弾性体(4)を備えたことで達成される。
また、前記体腔内用探触子(1)の中央部の左右側面に設けられ、前記バイオプシアダプタ(2)と前記体腔内用探触子(1)との係合に際して位置決め用ガイドとなるU字形切り欠き部(7)と、前記バイオプシアダプタ(2)を前記体腔内用探触子(1)に固定する固定孔(9)を有する第二の粘弾性体(6)をさらに備えたことで達成される。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態をバイオプシアダプタを使用する体腔内用探触子を例にとり図に沿って説明する。図1は本発明による体腔内用探触子にバルーンを被せ、その上からバイオプシアダプタを装着した状態を示す側面図で、図2は図1のA−A線に沿った断面図,図3は図1のB−B線に沿った断面図を示す。
【0007】
各々の図において、符号1は体腔内の情報を検知する体腔内用探触子,2は体腔内用探触子で検知した情報を基に、対象部を針で刺して生体の組織を抽出する際の針のガイドの役目をするバイオプシアダプタ,3は患者の感染の防止,安全衛生上の理由から使用時に、体腔内用探触子1に被せる薄肉のゴムで成形されたバルーンである。4は体腔内用探触子1の先端部左右側面に接着されたゴム等の材質でなる第一の粘弾性体,5は体腔内用探触子1の先端部に備えられた第一の粘弾性体4に形成されたバイオプシアダプタ2の先端を係止するための凹部,6は体腔内用探触子1の中央部左右に備えられ、バイオプシアダプタ2とかん合するゴム等の材質で形成される第二の粘弾性体,7は前記バイオプシアダプタ(2)と前記体腔内用探触子(1)との係合に際して位置決め用ガイドとなるU字形切り欠き部,8は接着剤,9は第二の粘弾性体6を体腔内用探触子1に固定する固定孔を示す。
【0008】
次に、バイオプシ術を行う際に図1に示すように、バルーン3とバイオプシアダプタ2を体腔内用探触子1へ取り付ける手順を説明する。先ず探触子1の先端部より中央部を越え全周にバルーン3を被せる。次に、バイオプシアダプタ2のU字形切り欠き部7を体腔内用探触子1の第二の粘弾性体6に挿入し、第二の粘弾性体6を中心にしバイオプシアダプタ2を回動させ、その先端部をバルーン3を介して凹部5に当接すると、バイオプシアダプタ2は、バルーン3の上から体腔内用探触子1へ装着された構成となる。
【0009】
第一の粘弾性体4と第二の粘弾性体6の作用を次に説明する。
図2において、体腔内用探触子1の先端両側面に接着剤8で固定された第一の粘弾性体4の上にバルーン3が被せられ、その上にバイオプシアダプタ2を装着すると、第一の粘弾性体4の凹部5にバルーン3を介してバイオプシアダプタ2の先端の内面が当接する。この状態において、バイオプシアダプタ2の先端が若干傾いたり、位置ずれして凹部5に挿入されても第一の粘弾性体4はゴム等で成形されているので、バイオプシアダプタ2の挿入圧力に対して変形してくれるので、バルーン3は所定量以上の圧力または引き伸ばし力を受けずに破れを防止できる。
【0010】
図3において、体腔内用探触子1の中央部の一対の固定孔9に固定された第二の粘弾性体6の上からバルーン3が被せられ、その上にバイオプシアダプタ2のU字形切り欠き部7を当接させる。U字形切り欠き部7にはバルーン3を介し第二の粘弾性体6が挿入される。この状態において、挿入される際にU字形切り欠き部7中心が少しずれたり、第二の粘弾性体6の中心が傾いていても第二の粘弾性体6は変形してくれるのでバルーン3には大きな圧力が加わらず破損することはない。
【0011】
本実施例においては、体腔内用探触子1と,バルーン3と,バイオプシアダプタ2のかん合部の中の体腔内用探触子1の先端部両側面に第一の粘弾性体4を固定し、体腔内用探触子1の中央部の一対の固定孔9に第二の粘弾性体6が固定されているが、ゴム等の第一の粘弾性体4と第二の粘弾性体6がバイオプシアダプタ2側に接着または取り付けられる例でも、またゴム等の第一の粘弾性体4と第二の粘弾性体6がバルーンに接着または挿入される例でも本発明の一実施形態に入ることは勿論であり、第一の粘弾性体4と第二の粘弾性体6が体腔内用探触子1またはバイオプシアダプタ2,またはバルーン3のいずれの側に固定されていても良いものとする。
【0012】
【発明の効果】
本発明によれば、バイオプシアダプタを使用する体腔内探触子において、バルーンと体腔内探触子のかん合部に粘弾性体を備えているので、バルーンの上にバイオプシアダプタを被せても粘弾性体の変形によりバルーンの破損は防止できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による体腔内用探触子にバルーンを被せその上からバイオプシアダプタを装着した状態を示す側面図。
【図2】図1のA−A線に沿った断面図。
【図3】図1のB−B線に沿った断面図。
【符号の説明】
1 体腔内用探触子
2 バイオプシアダプタ
3 バルーン
4 第一の粘弾性体
5 第一の粘弾性体の凹部
6 第二の粘弾性体
7 U字形切り欠き部
Claims (2)
- 患者の感染の防止、安全衛生に供するため体腔内用探触子(1)に被せるバルーン(3)と、
前記体腔内用探触子(1)によって検知された情報を基に、前記患者の対象部を針で刺して生体の組織を抽出する際の針のガイドの役目をするバイオプシアダプタ(2)と、
前記バルーン(3)を被せた上で前記体腔内用探触子(1)と前記バイオプシアダプタ(2)をかん合するかん合部と、を備えた体腔内用超音波探触子において、
前記体腔内用探触子(1)の先端部の側面に接着剤(8)により接着されるゴムを含む材質でなり、前記バルーン(3)を介して前記バイオプシアダプタ(2)の先端の内面が当接するように、前記バイオプシアダプタ(2)の先端を係止するための凹部(5)を有する第一の粘弾性体(4)を備えたことを特徴とする体腔内用超音波探触子。 - 前記体腔内用探触子(1)の中央部の左右側面に設けられ、前記バイオプシアダプタ(2)と前記体腔内用探触子(1)との係合に際して位置決め用ガイドとなるU字形切り欠き部(7)と、前記バイオプシアダプタ(2)を前記体腔内用探触子(1)に固定する固定孔(9)を有する第二の粘弾性体(6)をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の体腔内用超音波探触子。
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