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JP4062341B2 - イオン化質量分析計,分析方法およびそれを用いた計測システム - Google Patents

イオン化質量分析計,分析方法およびそれを用いた計測システム Download PDF

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JP4062341B2 JP2006135196A JP2006135196A JP4062341B2 JP 4062341 B2 JP4062341 B2 JP 4062341B2 JP 2006135196 A JP2006135196 A JP 2006135196A JP 2006135196 A JP2006135196 A JP 2006135196A JP 4062341 B2 JP4062341 B2 JP 4062341B2
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Description

本発明は、イオン源、及びこれを用いた質量分析計,分析方法及びこれを用いた計測システム、あるいはイオン源を用いたモニタに関するものである。
これまでに、気体や液体中などの微量成分を高感度に検出する方法として、計測対象の試料をイオン化して生成したイオンを質量分析計により高感度に検出する方法が行われてきた。
試料のイオン化法には種々の方法があるが、その中のひとつはコロナ放電を用いた大気圧化学イオン化法である。この方法は、特許文献1に記載のように、高電圧を印加することにより針電極先端に生成したコロナ放電領域に、試料を導入しイオン化する方法である。このとき、試料はコロナ放電により直接イオン化される場合(一次イオン化)に加えて、イオン分子反応でイオン化される場合(二次イオン化)があるため、結果的に試料分子が高効率にイオン化されることになる。
一方、コロナ放電によるイオン化法には、特許文献2に記載のように、試料ガスを直接コロナ放電領域に導入せずにイオン化する方法が提案されている。すなわち、別に設けたコロナ放電領域で生成した一次イオンを用いて、イオン分子反応によりコロナ放電領域を通過しない試料分子を効率的に二次イオン化するという方法である。これにより、シランガスのようにコロナ放電を用いて直接イオン化すると、放電生成物によりイオン源が極度に汚染されイオン化できなくなるような場合に非常に有効となる。
さらに、特許文献3に記載の方法がある。この例では、試料を搬送するためのキャリアガスが真空下の質量分析部に導入されるのを防止するため、コロナ放電領域とイオンを真空中に取込むための細孔間にカーテンガスを流す方法が開示されている。この工夫により、クライオポンプのような真空排気系を用いた場合に排気効率を向上させることができる。
特開昭51−8996号 特開平6−310091号 米国特許4023398号
しかし、特許文献1に記載されている従来例では、測定試料濃度が低い場合(例えば、空気中の微量成分を測定する場合や、液体中の微量成分を測定する場合等)、測定試料のイオンに比較して多量に存在する成分のイオンあるいは多量に存在する成分由来のイオン(例えば、イオン分子反応により生成したイオン等)の強度が極端に強くなる。従って、微量の測定試料のイオンに合わせて検出器の感度設定を行うと、多量に存在する成分のイオンあるいは多量に存在する成分由来のイオンが検出器に到達し、大電流が一挙に流れることになり検出器を傷め、電流の増幅率が徐々に悪化する等の問題があった。また、多量に存在する成分に相当する分子あるいは多量に存在する成分由来のイオンに相当する分子が、目的とする試料の分子よりイオンになりやすい場合、目的とする試料のイオンの生成効率が悪化し、結果的に感度が低下するという問題があった。さらに、イオンを溜め込んだ後に高周波電圧を走査することによって溜め込まれたイオンの質量分析を行うイオントラップ型質量分析計では、イオンを溜め込む際、印加する高周波電圧の振幅に対応する質量数以下のイオンは、イオントラップ質量分析部を通過した後直接検出器に到達する。従って、前記イオンが多量に存在する場合、検出器を傷め、電流の増幅率が徐々に悪化するという問題があった。
また、特許文献3で記載されている方法では、カーテンガスを用いることによりキャリアガスが真空中に導入されないようにする工夫はされているが、得られる質量スペクトルは上記の従来例のものと本質的に変わらず、上記の従来例と同様の問題を含んでいた。
従って、本発明は目的とする試料のイオンを効率的に生成するためのコロナ放電を用いたイオン源およびこれを用いた装置を提供することを目的とする。
そこで、高電圧を印加することにより針電極先端に生成するコロナ放電において、当該コロナ放電の領域に対する試料の導入方向とコロナ放電によりイオンを引き出す方向がほぼ対向している構成にすることによって、目的とする試料のイオンの生成効率を大幅に向上させる。
コロナ放電の領域に対する試料の導入方向とコロナ放電によりイオンを引き出す方向がほぼ対向する構造とすることにより、次のような効果が生じる。例えば、乾燥空気中のクロロフェノール類(CP)を、負のコロナ放電を用いて観測する場合の主なイオン分子反応は以下のようになる。
+e → O
(負のコロナ放電)
+N → 2NO
(負のコロナ放電)
+NO→NO
+CP→(CP−H)+HO
ここで、(CP−H)はCPからプロトンの抜けた負イオンを表わす。上式からわかるように、基本的に、負のコロナ放電で生成したO が介在した反応となる。NはOとの負のコロナ放電下での反応により中間体NOを経てNO に容易に変化し、強度の強いイオンとなって観測される。NO は酸性度が高いので、CPとは反応しない。従って、CPに比較してNの濃度が非常に高い場合、観測されるのはNO がほとんどで、(CP−H)はわずかにしか観測されない。
このような反応過程の中で、O +NO→NO の反応を抑制できれば、O の減少を抑えることができる。これにより、O +CP→(CP−H)+HOの反応が進行する。大量に生成するNO は大幅に低減でき、従って、目的とする(CP−H)の生成量を増加することができる。NO の生成反応を抑制するには、O とNOとの存在領域が重複しないことが重要となる。そのひとつの方法は、電界によりイオンの進行する方向と流れにより中間体の進行する方向とが異なる構成とし、コロナ放電領域における中間体の存在時間を極力短くすれば良い。特に、前記の2方向がほぼ対向する場合には大きな効果を発揮することになる。このとき、前記の反応過程は、NOの中間体の存在を無視できることになる。従って、上記の反応は実質的に
+e → O
(負のコロナ放電)
+CP→(CP−H)+HO
となる。この反応形態は、(CP−H)を高感度に測定する観点から非常に望
ましいものとなる。
本発明は、質量分析部と高電圧を印加することにより針電極先端にコロナ放電を生じさせて試料のイオン化を行うイオン源とを備えたイオン化質量分析計において、前記イオン源は、コロナ放電の領域における試料の導入方向とコロナ放電により生じたイオンの引き出し方向が対向して構成されるイオン化質量分析計および方法を提供する。
本発明によれば、コロナ放電の領域に対する試料の導入方向とコロナ放電によりイオン引き出す方向を対向しているので、コロナ放電領域における中間体の存在時間を短くすることができるため、目的とする試料のイオンを効率的に生成することができる。また、本発明によれば目的とする試料のイオンを選択性の高い高感度測定を行うことができる。
図面を使って、本発明の実施の形態を説明する。
ダイオキシンモニタへの応用例
本発明のイオン源をダイオキシンモニタの応用例について説明する。
本発明のイオン源を用いた質量分析装置は焼却炉等に直接接続し、焼却炉等からの排ガス成分を連続してモニタリングすることも可能である。特に、焼却炉から排出されるダイオキシン類やダイオキシン類の前駆体であるクロロベンゼン類、クロロフェノール類、炭化水素類を計測し、その結果から焼却炉の燃焼状態を制御すれば、焼却炉からのダイオキシン類の発生量を大幅に低減することが可能となる。
図1、図2は、本発明の実施例におけるモニタリングシステムの構成を示す図である。この場合には、焼却炉90の煙道30等から試料ガスを採取する試料ガス採取部31、採取した試料ガス中から測定対象物質を検出するモニタ部32、さらには検出結果を燃焼制御に生かす燃焼制御装置69等からなる。モニタ部は本発明のイオン源を用いた質量分析装置に対応する。
試料ガス採取部31は、排ガス導入管63、フィルタ64、排ガス導出管65よりなり、採取した試料ガスを安定にかつ途中で測定対象物質の吸着,凝縮などによる損失がなく、かつ一定流量でモニタ部32に送り込む、あるいは煙道30に戻す役目を果たしている。そのために、試料採取部全体は100℃から300℃程度に加熱されている。フィルタ64は、焼却炉排ガス中に含まれるダスト等がモニタ部32に導入されないようにするためのもので、排ガス導入配管63やモニタ部32等の汚染をできるだけ低減するため煙道30近くに設けられている。モニタ部32では、送り込まれた試料ガス中の測定対象物質を選択的にかつ高効率でイオン化し、生成したイオンを質量分析部100で質量分析することにより、測定小象物質を連続的に検出する。
測定対象物質に由来する質量数におけるイオン電流値と、あらかじめ作成された標準物質の量とイオン電流値の関係(検量線)から、対象物質の存在量を求めることができる。例えば、2,3−ジクロロフェノール(分子量162、観測されるイオンの質量数161)の場合、試料ガスの濃度に対するイオン強度の変化を測定し、検量線を作成する。これをもとに、観測されたイオン強度から、そのときの試料ガスの濃度データを推定する。得られたデータはさらに整理され、成分の濃度、その他のパラメータとともに記憶されるとともに、必要によりCRTやプリンタに出力される。また、信号ライン68を介して、ごみ焼却場における燃焼制御のためのデータとして燃焼制御装置69に送られ、焼却炉90における燃焼制御が行われる。
ダイオキシンの前駆体であるクロロベンゼン類は、電子を1個捕獲して分子イオンMを生成する。クロロフェノール類は擬分子イオン(M−H)を与える。塩素原子を3個含むトリクロロフェノールでは、Mが観測される場合もある。ダイオキシン類は分子イオンMの他に、(M−Cl) ,(M−Cl+O) などを与える。これら特徴ピークを選択的に検出すれば選択性の高い高感度測定ができる。
クロロベンゼン、クロロフェノール類の濃度からダイオキシン濃度を推定するには、あらかじめ求められた両者の相関関係を用いる。焼却炉等の方式、型等によって相関関係がやや異なることもあるため、より高精度でダイオキシン濃度を推定するには、モニタを設置する焼却炉ごとに相関関係のデータを求めておくことが好ましい。
イオントラップ質量分析計を用いると、通常の質量分析計に比較して、さらに高い選択性を得ることができる。それは、イオントラップ質量分析部内部に捕捉した分子イオンにエネルギを注入し、電極内のバッファガス(Heなど)分子と衝突させて分子イオンを解離するMS/MS法である。有機塩素化合物の場合、分子イオンから塩素原子が一または二個脱離するイオンがMS/MS法で観察される。例えば、2,4ジクロロフェノールの場合、負のコロナ放電を用いてイオン化すると、(M−H) (M:分子,H:水素)という負イオンが生成する。この負イオンをMS/MS法により解離すると、塩素原子が一個脱離した負イオンが生成する。この負イオンを観測するということは、非常に高い選択性を得ることができる。このピーク強度から塩素原子が一個脱離した負イオンの量を定量すれば、排ガス中のジクロロフェノールの量を推定できる。測定すべき分子種が複数ある場合にはこの測定過程を繰り返せばよい。ダイオキシン類の場合、脱塩素の他に、脱COCl過程が観察される。特に、脱COClはダイオキシン類にのみ観察される過程であり、逆にこの過程が観察されれば、TCDDや毒性の高いダイオキシンの存在が証明されたといえる。有機塩素化合物では塩素数が増加すると化学的に安定な物質となるので、塩素数の多いダイオキシン類やダイオキシン前駆体等では、測定対象のイオンではなく、このイオンにオーバーラップする夾雑物を衝突により解離し、測定対象のイオンを高感度に測定することも有効である。
以上の例では、主に、負イオン化モードの大気圧化学イオン化法を用いた場合について述べてきた。排ガス中には種々の成分が含まれているが、ベンゼンなどに代表される芳香族化合物の炭化水素系化合物や塩素数の少ない化合物については、正イオン化モードの大気圧化学イオン化法による測定も可能である。例えば、ベンゼンやモノクロロベンゼンでは、正イオン化モードの大気圧化学イオン化法によりMのイオン種が生成する。従って、実際の試料ガス測定では、正負イオン化モードを交互に測定することによって、試料ガス中の情報量を増やすことも有効である。
ここでは主としてごみ焼却場から排出される排ガス中のダイオキシン、その関連化合物の測定や実施例を記述した。金属精錬プロセスの過程で出る排ガスや大気中に含まれるダイオキシンやその関連化合物についても同様の装置、方法で測定が達成できる。また、モニタ装置により焼却炉などの排ガスにどれだけのダイオキシン類が含まれているか、変動がどのくらいあるのか、直接把握が可能になり、ダイオキシンモニタのリアルタイム化が達成できる。焼却炉内の多くの場所でのダイオキシン類の濃度測定が可能になる。さらに、焼却炉において燃焼をはじめてから排ガスが煙突から大気中に排出されるまで、排ガスは多くの温度の異なる空間を経るとともに、排ガス中における多くの化学反応プロセスを経て排出される。この複雑なプロセス一つ一つにおけるダイオキシン生成,分解などを追跡することが可能になる。当然、プロセス条件を変更,最適化したダイオキシン類の削減を図るための情報を入手可能になる。
図3は、高電圧を印加することにより針電極先端に生成するコロナ放電において、コロナ放電領域に対する試料の導入方向とコロナ放電によりイオンを引き出す方向がほぼ対向していることを特徴とするイオン源の構成を示したものであり、図1の一部拡大図である。コロナ放電領域に対する試料の導入方向とコロナ放電によりイオンを引き出す方向がほぼ対向していることが上記の三つの従来例と大きく異なる点である。図4は、同じイオン源の一部の立体構成を示した図である。
試料導入配管1を通して導入された試料は、いったんイオンドリフト部2に導入される。このイオンドリフト部2はほぼ大気圧状態にある。イオンドリフト部2に導入された試料の一部は、コロナ放電部3に導入され、残りは試料導出配管4を通してイオン源外に排出される。コロナ放電部3に導入された試料は、高電圧を印加することにより針電極5の先端に生成するコロナ放電領域6に導入され、イオン化される。このとき、針電極5から対向電極7に向かってドリフトするイオンの流れにほぼ対向するような方向に試料が導入される。生成したイオンは電界により対向電極7の開口部8を通して、イオンドリフト部2に導入される。このとき、対向電極7と第1イオン取込細孔9の間に電圧を印加することにより、イオンをドリフトさせ効率良く第1イオン取込細孔9に導入できる。第1イオン取込細孔9から導入されたイオンは、第2イオン取込細孔11及び第3イオン取込細孔12を通して、真空下の質量分析部100に導入される。第1イオン取込細孔9、第2イオン取込細孔11及び第3イオン取込細孔12が存在する領域は、ほぼ大気圧状態にあるイオンドリフト部2と真空下にある質量分析部を結合するための差動排気領域である。また、コロナ放電領域6に導入される試料の流量を制御することはイオンを安定に、かつ高感度に計測する上で重要となる。そのためにコロナ放電部3にはイオン源試料導出配管13及びイオン源流量制御器14を設けてある。また、イオンドリフト部2やコロナ放電部3における試料の吸着を防ぐ観点から、これらの領域を加熱することは重要である。イオン源試料導出配管13を通過する試料流量及び試料導出配管4を通過する試料流量は、これらの後に設けられた、ダイアフラムポンプのような吸引ポンプ70の容量及び配管のコンダクタンスにより決定することができる。このように、本発明のイオン源の特徴のひとつは、試料をコロナ放電領域に導入するための吸引ポンプ70を、試料導入配管1ではなく、イオン源試料導出配管13あるいは試料導出配管4側に設けることができる点にある。すなわち、吸引ポンプ70を試料導入配管1側に配置した場合に問題となる吸引ポンプ70内部における試料の吸着等がなくなる。
以下、さらに詳細な実施例について述べる。
試料導入配管1を通して導入された試料は、いったんイオンドリフト部2に導入され、イオンドリフト部2に導入された試料の一部は、コロナ放電部3(3aはその構成本体、3b以下についても同じ。)に導入され、残りは試料導出配管4を通してイオン源外に排出される。試料導入配管1を通して導入される試料に対してイオン源試料導出配管13を通過する試料の流量は10〜2000ml/min 程度である。なお、試料導入配管1及び試料導出配管4には1/4インチステンレス製電解研磨配管や内面を石英ガラスでコートしたステンレス製配管などを用いる。コロナ放電部3に導入された試料は、高電圧を印加することにより針電極5の先端に生成するコロナ放電領域6に導入され、イオン化される。正イオンを生成させる場合には1〜6kV程度、負イオンを生成させる場合には−1〜−6kV程度を針電極5に印加する。このとき、針電極5先端とまわりのコロナ放電部3aの外壁間ではなく、針電極5先端と対向電極7a間で放電を起こさせることが重要である。針電極5先端で生成したイオンを対向電極7a方向に移動させる電界を形成するためである。従って、針電極5先端とまわりのコロナ放電部3aの外壁間距離(5mm程度)よりも、針電極5先端と対向電極7a間距離(3mm程度)が短くなっている。このとき、針電極5から対向電極7(針電極5と対向電極7との間の距離3mm程度)に向かってドリフトするイオンの流れにほぼ対向するような方向に、試料が導入される。針電極5先端のコロナ放電部で生成したイオンは電界により、対向電極7(直径30mm、厚さ2mm程度)の開口部8(直径2mm程度)を通して、イオンドリフト部2に導入される。このとき、対向電極7と第1イオン取込細孔9の間に電圧を印加することにより、イオンを電界によりドリフトさせ効率良く第1イオン取込細孔9に導入するようにする。対向電極7と第1イオン取込細孔9の間に印加する電圧差は、その距離にも依存するが、これらの電極間距離が1−10mm程度のときで、絶対値で10Vから2000V程度である。正イオンを測定する場合には、対向電極7の電圧は第1イオン取込細孔9より高く設定し、実際には対向電極100から2000V程度、第1イオン取込細孔10から200V程度である。逆に、負イオンを測定する場合には、正イオン測定の場合とは逆で、対向電極−100から−2000V程度、第1イオン取込細孔−10から−200V程度である。負イオンを測定する場合に、本発明のイオン源において各電極に印加する電圧の例を図7に示した。このときの針電極5先端と対向電極7a間距離は3mm、対向電極7と第1イオン取込細孔9間距離は、7mmである。なお、試料ガス導入配管1やコロナ放電部3a等が接地されていることは感電を防ぐ観点から重要である。また、コロナ放電用針電極5には、図7のように、定電圧電源を用いる場合に加えて、放電電流を常に一定に保持するという観点から、定電流電源を用いることは有効である。また、コロナ放電領域6に導入される試料の流量を制御することはイオンを安定に、かつ高感度に計測する上で重要となる。そのためにコロナ放電部3にはイオン源試料導出配管13及びイオン源流量制御器14を設けてあり、10から2000ml/min 程度まで流量制御できるようになっている。イオンドリフト部2やコロナ放電部3における試料の吸着を防ぐ観点から、これらの領域を一様に加熱することは重要で、カートリッジヒータやセラミックヒータを用いて、50から400℃程度まで加熱できるようになっている。この温度は測定する試料に依存する。
尚、71は内筒、72,73は絶縁物である。
一方、上記では、針電極5、対向電極7、第1イオン取込細孔9など金属製としか述べていないが、塩化水素などの腐食性のガスを使用する場合には、これらのコロナ放電に関係する電極をメッキすることは長時間の安定した運転の観点から重要となる。メッキとしては、金などの貴金属によるメッキやハードクロムメッキなどが有効である。
以下、質量分析部などについて詳細に説明する。生成したイオンを分析するに当たっては、いろいろな種類の質量分析計を使用できるが、以下では、イオン溜め込み型のイオントラップ質量分析計を用いた場合について述べる。同じ高周波電界を用いて質量分離を行う四重極質量分析計や磁場内での質量分散を用いた磁場型質量分析計などの他の質量分析計を用いた場合でも同様である。
上記本発明に使用されるイオン源により生成した負イオンは、ヒータ(図示せず)により加熱された、第1のフランジ型電極10に設けられた第1イオン取込細孔9(直径0.3mm程度,長さ0.5mm程度)、第2イオン取込細孔11(直径0.3mm程度,長さ0.5mm程度)、第3イオン取込細孔12(直径0.3mm程度,長さ0.5mm程度)を通過する。これらの細孔はヒータ(図示せず)により、100から300℃程度に加熱される。また、第1イオン取込細孔9と第2イオン取込細孔11、第3イオン取込細孔12間には電圧が印加できるようになっており、イオン透過率を向上させると同時に、残留する分子との衝突により、断熱膨張で生成したクラスタイオンの開裂を行い、試料分子のイオンを生成させる。差動排気部は、通常、ロータリポンプ、スクロールポンプ、またはメカニカルブースタポンプなどの荒引きポンプにより排気される。この領域の排気にターボ分子ポンプを使用することも可能である。図1では、差動排気部の排気にスクロールポンプ70(排気容量900l/min 程度)、質量分析部の排気にターボ分子ポンプ30(排気容量200−300l/min 程度)を用いた場合を示している。ターボ分子ポンプ30の背圧側を排気するポンプとして、スクロールポンプ29を兼用している。第2イオン取込細孔11と第3イオン取込細孔12間の圧力は0.1 から10Torrの間にある。また、第1イオン取込細孔9と第3イオン取込細孔12と、ふたつの細孔を用いた差動排気部にすることも可能である。ただし、上記の場合に比較して、流入するガス量が増えるので、使用する真空ポンプの排気速度を増やす、細孔間の距離を離すなどの工夫が必要となる。また、この場合も、両細孔間に電圧を印加することは重要となる。
生成したイオンは第3イオン取込細孔12を通過後、収束レンズ15により収束される。この収束レンズ15には、通常3枚の電極からなるアインツエルレンズなどが用いられる。イオンはさらにスリット付き電極16を通過する。収束レンズ15により、第3イオン取込細孔12を通過したイオンはこのスリット部分に収束し、収束されない中性粒子などはこのスリット部分に衝突し質量分析部側に行きにくい構造となっている。スリット付き電極16を通過したイオンは、多数の開口部を備えた内筒電極17と外筒電極18よりなる二重円筒型偏向器19により偏向かつ収束される。二重円筒型偏向器19では、内筒電極の開口部より滲みだした外筒電極の電界を用いて偏向かつ収束している。この詳細は、既に特開平7−85834に開示している。
二重円筒型偏向器19を通過したイオンは、イオントラップ質量分析部に導入される。ゲート電極20,エンドキャップ電極21a、21b、リング電極22、つば電極23a、23b、23c、23d、絶縁リング24a、24b、イオン取り出しレンズ25より構成される、イオントラップ質量分析部の拡大図を図5に示した。ゲート電極20は、イオントラップ質量分析部内に捕捉したイオンをイオントラップ質量分析部外に取り出す際に、外部からイオンが質量分析部内に導入されないようにする役目をする。図5に示すように、イオン取り込み細孔27を通過してイオントラップ質量分析部内に導入されたイオンは、イオントラップ質量分析部内部に導入されたヘリウムなどのバッファーガスと衝突してその軌道が小さくなった後、エンドキャップ電極21a、21bとリング電極22間に印加された高周波電圧を走査することによって質量数毎にイオン取り出し細孔28からイオントラップ質量分析部外に排出され、イオン取り出しレンズ25を経てイオン検出器26により検出される。検出されたイオンは増幅器42によって増幅後、データ処理装置43に転送される。バッファーガスを導入した際のイオントラップ質量分析部内部の圧力は10−3から10−4Torr程度である。イオントラップ質量分析部100は、質量分析部制御部により制御される。イオントラップ質量分析計のメリットのひとつは、イオンを捕捉する特性を有するので、試料の濃度が希薄でも溜め込む時間は伸ばせば検出できる点にある。従って、試料濃度が低い場合でも、イオントラップ質量分析部のところでイオンの高倍率濃縮が可能となり、濃縮などの試料の前処理を非常に簡便化できる。
図6には、対向電極7の形状をいくつか示した。イオンと試料とは図6(a)、(b)、(c)に示すようにしてコロナ放電図6(a)に示したのは、通常の円盤状のもので、開口部8bから試料がコロナ放電部に導入され、しかもイオンを引き出している。図6(b)に示したのは、開口部8cを複数有するもので、中心部をイオンが通過し、周辺の開口部8cを試料が通過する形態となっている。図6(c)は、円盤状であるが、開口部8dの厚みが薄くなっている場合である。この形状にすることにより、開口部8dを通過するイオンは加速されやすくなるという特徴を有する。
図8は図3の代案を示す。この例は、図3と基本的に同一であり、同一構成には同一番号を付し、説明を繰り返さない。
図3の例の場合は、イオンドリフト部がひとつの場合であるが、これを複数設けることも可能である。図8には、第1のイオンドリフト部2に加えて、これに隣接して第2イオンドリフト部38を設けた場合である。動作の一例は以下のようになる。試料ガスは試料導入配管1bから導入され、試料導入配管4bから排出される。このとき、空気のような反応ガスを反応ガス導入配管39から導入し、その一部をコロナ放電部側に導入すると、実施例(1)で述べたような原理に基づき、主にO が対向電極7a、イオンドリフト部2を通過してくる。試料導入配管1bから導入された試料ガス、例えば、クロロフェノール等を含む空気に、第2対向電極66を通してO が打ち込まれると、クロロフェノールのイオンが生成する。対向電極7と第2対向電極66、第2対向電極66と第1イオン取込細孔9間にはイオンを加速するための電界を設ける。対向電極7と第2対向電極66の電極間距離、第2対向電極66と第1イオン取込細孔9間距離はともに1から10mm程度である。負イオン測定では、イオン取込細孔9に−10V程度が印加される場合、対向電極7と第2対向電極66には、それぞれ−1kV、−2kV程度が印加される。これらの電圧は、イオンドリフト部2におけるO の滞在時間、すなわち反応時間を制御することになり、イオンドリフト部2でのO の反応が問題となる場合には、電圧を高めにして滞在時間を短くする工夫をしてもよい。イオンは第1イオン取込細孔9から質量分析部に取り込む。この構成の大きな利点は、試料ガスが焼却炉排ガスのような場合、コロナ放電領域に直接排ガスを導入しないで済む点にある。これによって針電極の汚染を防ぎ、長い使用が可能になる。
図9は図3の代案を示す。この例は、図3と基本的に同一であり、同一構成には同一番号を付し、説明を繰り返さない。
図3の場合は、対向電極7aと第1イオン取込細孔9間でイオンをドリフトさせているが、図9では、これに加えて、第1イオン取込細孔9の前にカウンターガス出口電極72を設ける。第1イオン取込細孔9とカウンターガス出口電極72間の距離は、0.1から5mmである。カウンターガス出口電極72の中心には2mm程度の開口部があり、カウンターガス導入口71から導入された空気が対向電極7aに向かって流れる。第1イオン取込細孔9の口径(0.25mm程度)に比較すると、カウンターガス出口電極72の中心は大きくなっている。このとき、カウンターガス出口電極72と第1イオン取込細孔9間では、電界によりイオンが第1イオン取込細孔の方向にドリフトされる。第1イオン取込細孔9とカウンターガス出口電極72間の距離が0.5mmのとき、両電極間の電圧差は10−500V程度である。このような構造にすることによって、第1イオン取込細孔9には液滴、ダストを含む粒子が入りにくく、イオンのみが効率よく導入される構造となる。
本発明に使用されるイオン源における重要なパラメータのひとつは、試料導入配管1からコロナ放電部3に導入する試料の流量である。この流量をある値以上にし、かつ制御することにより、試料のイオンを高感度に、かつ安定に測定することができる。試料導入配管1からコロナ放電部3に導入する試料の流量とジクロロフェノール等のイオン強度との関係を図10に示した。このとき、負のコロナ放電電流は5μA、対向電極とイオン取込細孔間の距離は7mmで、この間の電圧は800Vとした。この図からわかるように、試料導入配管からコロナ放電部に導入する試料の流量をおよそ100ml/min 以上にすることによって、ジクロロフェノール(図中の(DCP−H)に対応)のイオン強度が大きく上昇していることがわかる。その一方で、NO (質量数62に相当するイオン),CO あるいはN (質量数60に相当するイオン)等の強度は流量とともに減少しており、本発明のイオン源では、コロナ放電領域に導入する試料の流量をある値(例えば、100ml/min)以上にすることの有用性はこのことからもわかる。
これは、コロナ放電領域に導入する試料の流量を増加していくと、コロナ放電領域で生成した中間体(NO)の線速度も増加し、従って、コロナ放電領域における中間体の存在時間が短くなることで説明できる。その結果、NO の生成が抑制されることになり、ジクロロフェノール(図中の(DCP−H)に対応)のイオン強度が大きく上昇することになる。コロナ放電領域に導入する試料の流量を増加することのメリットは、まさにこの点にある。
CO 信号強度は、300ml/min 以上になると減少し、400ml/min 以上になるとO 、(DCP−H)の信号強度は、NO 、CO のいずれかの信号強度よりも大きくなり、感度より計測がよりよく達成されるようになる。このように、逆流量をコントロールすることによって、信号強度をコントロールすることができる。
本発明のイオン源を用いることにより、空気中の微量成分の検出を高感度で行うことができる。図11(a)(b)(c)に、空気中のジクロロフェノール(濃度:5μg/Nm)を用いて、従来のイオン源を用いる場合と本発明を用いる場合に得られる質量スペクトルの差を示した。このとき、負のコロナ放電電流は5μA、対向電極とイオン取込細孔間の距離は7mmで、この間の電圧を800V(対向電極印加電圧−850V,イオン取込細孔印加電圧−50Vとした。従来のイオン源では、NO が極端に強く観測されているが、クロロフェノール由来の負イオン(CP−H) はわずかしか観測されていない(図11(a))。これに対し、本発明のイオン源では、NO に対する(CP−H) の相対強度に加えて、絶縁感度も大幅に向上していることがわかる(図11(b)(c))。ここで、図11(b)(c)は、本発明のイオン源を用いて、コロナ放電領域に導入する試料の流量をそれぞれ200,550ml/min とした場合に得られるマススペクトルである。
危険物探知装置への応用
次に、本発明のイオン源を危険物探知装置に応用した例について説明する。
図12、図13は、空港等公共施設での爆発物や麻薬検知用の危険物探知装置33の構成を示す図である。ニトロ系化合物に代表される爆発物を検出するにあたり、本発明のイオン源を備えた質量分析計を用いたシステムは有効である。図14に、ニトロ系化合物であるTNTとRDXのマススペクトルを示した。Mや(M+NO)等が観測されていることがわかる。
危険物探知に当たっては、試料ガスを吸引するプローブあるいはダクトを用いて、オフラインあるいはオンラインで荷物35あるいは貨物から漏洩してくる危険物の蒸気を吸引,イオン化、検出することにより、危険物の存在の有無を判定することになる。図12(a)では、試料ガス吸引部44、吸引配管46、吸引口47よりなる吸引するプローブを用いた場合、図12(b)では、試料ガス搬送配管52、コロナ放電部3へと続くダクト53を用いた場合を示している。また、図13のように、ボーディングパスやパスポートのような検査品54を対象とすることも可能である。このとき、検査品54を検査品走査部55内に納めた移動機構部57により、試料ガス搬送配管52の下において移動させ、検査品54について危険物の蒸気を吸引し、試料ガス搬送配管52、コロナ放電部3を経て、生成したイオンは質量分析部100により検出される。このとき、検査品54を検査品加熱部57により室温より高温(40−60℃程度)に加熱することは有効である。移動した検査品54は、検査後、検査品サポート56上に保持される。
ニトロ化合物に代表される危険物は、有効塩素化合物と同様に、負のコロナ放電により負のイオンとなりやすく、本システムは危険物探知に有効である。通常、危険物探知装置33における表示装置45では、生成したイオン強度の時間変化(マスクロマトグラム)などを表示させる。分析すべき蒸気中にTNTのような危険物が存在すると、TNTの分子量に対応するイオンの強度が増加する。本危険物探知装置33により異常が検出できなかった場合には荷物を通過させることになるが、異常が検出された場合には、詳細な再検査を行うことになる。TNTの分子量に対応するイオンの強度にある閾値を設けておき、それよりもイオン強度が増加した場合には蒸気中にTNTが存在すると判断することになる。このとき、単なるスパイクノイズと区別するために、ある一定時間以上観測されれば、それをシグナルとみなすようなアルゴリズムを用いる。このようなアルゴリズムを加えることによって、誤作動を低減することができる。この様子を図15に示した。このとき、最終表示としては、次のような場合が考えられる。表示器に、ある検出すべきイオンに対応する物質のインジケータを表示しておき、上記のようなアルゴリズムによって、例えば、Aが検出されたとすれば、Aを点滅させることによって、Aが検出されたことを知らせる。このとき、どの程度の濃度か(簡単には、量が多いか少ないかといった程度の情報でよい)を知らせる量のインジケータや、アラームを同時に設けてもよい。これは他の危険物にも共通の考え方である。このような検査装置構成にすることによって、次のような効果がある。すなわち、プラスチック爆弾のような場合、荷物内部に爆発物が厚い固まりとして存在すればX線検査装置により観測される可能性もあるが、薄いシート状で存在すると、X線はほとんど透過してしまい観測されにくい。このとき、危険物探知装置により検査を行うと、爆発物がシート状であったとしてもその蒸気が荷物内部あるいは荷物外部に漏れていれば危険物を探知できることになり、危険物を検出する可能性はX線検査装置弾独の場合よりもさらに高くなる。また、再検査の場合にも、荷物内部にある物質が爆発物であるかどうかをその蒸気の分析からその場ですぐにチェックでき、しかもその種類をも分析できる。この場合、X線検査装置よりも有用となる。
一方、麻薬等の薬物探知も同様に考えることができる。この場合には、麻薬や覚醒剤等の物質が主に窒素を含みプロトンとの親和力が強いことを利用して、正のコロナ放電を用いて、麻薬に由来する生成した正イオンを検出することになる。生成するイオンの主な形態は、(M+H)で分子にプロトンが付加した形になっている。
危険物探知装置には、キャスター50を設け、移動可能にすることは重要である。また、簡便なモニタ制御部49を設け、装置の立ち上げを容易にすることも重要である。
液体クロマトグラフ質量分析計への応用
本発明のイオン源は、液体クロマトグラフの検出器に質量分析計を用いる液体クロマトグラフ質量分析計に用いるイオン源にも適用できる。液体クロマトグラフ質量分析計の装置構成を図16に示した。すなわち、液体クロマトグラフ36からの溶出液を適当な霧化器37(細管59よりなり、加熱やガスにより噴霧するもの)で噴霧した後、本発明のイオン源に導入して試料をイオン化し、生成したイオンを質量分析計により検出する方法である。本発明によるイオン源を用いると、試料が高効率にイオン化できるので、検出感度も大きく向上する。図17には、霧化器37に加熱タイプのものを示した。すなわち、細管59に金属ブロック60が溶接されており、その金属ブロック60は熱電対62とカートリッジヒータ61により温度制御が可能になっている。液体クロマトグラフ36からの溶出液は、細管59の末端において微小液滴に変換される。
本発明のイオン源を備えた質量分析計による、ダイオキシンモニタを目的とした例を示す図。 本発明のイオン源を備えた質量分析計による、ダイオキシンモニタを目的とした例を示す図。 イオン源の詳細図。 本発明のイオン源の説明図。 質量分析計のイオントラップ部の構成図。 イオンと試料との対向関係を示す図。 イオンと試料との対向関係を示す図。 イオンと試料との対向関係を示す図。 イオン源における電圧印加例。 図3の代替案を示す構成図。 図3の代替案を示す構成図。 特性線図。 本発明のイオン源により得られるマススペクトルの例を示す図。 本発明のイオン源により得られるマススペクトルの例を示す図。 本発明のイオン源により得られるマススペクトルの例を示す図。 本発明のイオン源を備えた危険物探知の一実施例を示す構成図。 本発明のイオン源を備えた危険物探知の一実施例を示す構成図。 本発明のイオン源を備えた危険物探知の一実施例を示す構成図。 本発明のイオン源を備えた危険物探知の一実施例を示す構成図。 本発明のイオン源により得られるマススペクトルの例を示す図。 危険物探知の検出アルゴリズムを示す図。 本発明のイオン源を備えた質量分析計の一実施例についての断面構成図。 液体クロマトグラフ質量分析計に用いる霧化器の例の構成図。
符号の説明
1…試料導入配管、2…イオンドリフト部、3a,3b,3c,3d…コロナ放電部、4…試料導出配管、5…針電極、6…コロナ放電領域、7a,7b,7c,7d…対向電極、9…第1イオン取込細孔、10…フランジ型電極、11…第2イオン取込細孔、12…第3イオン取込細孔、13…イオン源試料導出配管、14…イオン源流量制御器、15…収束レンズ、16…スリット付き電極、17…内筒電極、18…外筒電極、19…二重円筒型偏向器、20…ゲート電極、21a,21b…エンドキャップ電極、22…リング電極、23a,23b…つば電極、24a,24b…絶縁リング、25…イオン取り出しレンズ、26…イオン検出器、27…イオン取り込み細孔、28…イオン取り出し細孔、29…スクロールポンプ、30…ターボ分子ポンプ、31…試料ガス採取部、32…モニタ部、33…危険物探知装置、34…ダクト、35…荷物、36…液体クロマトグラフ、37…霧化器、38…第2イオンドリフト部、39…反応ガス導入配管、40…反応ガス導出配管、41…第2対向電極、42…増幅器、43…データ処理装置、44…試料ガス吸引部、45…表示装置、46…吸引配管、47…吸引口、48…検査台、49…モニタ制御部、50…危険物モニタ、52a、52b…試料ガス搬送配管、53…ダクト、54a,54b,54c…検査品、55…検査品走査部、56…検査品サポート、57…検査品加熱部、58…移動機構部、59…細管、60…金属ブロック、61…カートリッジヒータ、62…熱電対、63…非ガス導入配管、64…フィルタ、65…排ガス導出配管、66…第2対向電極、67…サンプリングノズル、68…信号ライン、69…燃焼制御装置、70…吸込ポンプ、71…カウンターガス導入口、72…カウンターガス出口電極、87a,87b,87c,87d…開口部、90…焼却炉、100…質量分析部。

Claims (3)

  1. 反応ガスが導入される第1の室と、前記反応ガスのイオンをコロナ放電により生成する第1の電極を備えた第2の室と、前記第1の室と前記第2の室の間に、前記反応ガスを第1の室から前記第2の室へ導入し、生成された前記反応ガスのイオンを前記第2の室から第1の室へ引き出す開口部を有する第2の電極と、試料ガスが導入される第3の室と、前記第1の室と前記第3の室の間に、前記第2の室から前記第1の室へ引き出された前記反応ガスのイオンを、前記第3の室へさらに引き出す開口部を有する第3の電極とを有し、前記第3の室において、導入された前記試料ガスと前記反応ガスのイオンとが反応して前記試料ガスのイオンが生成されることを特徴とするイオン源。
  2. 請求項1に記載のイオン源において、前記第1の電極と前記第2の電極の間に放電領域を有することを特徴とするイオン源。
  3. 請求項1に記載のイオン源において、前記第1の電極への電圧印加により前記第2の電極との間で生じる放電の領域において、前記反応ガスが導入される方向と、生成された前記反応ガスのイオンの進行方向とが対向することを特徴とするイオン源。
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