JP4057677B2 - 親水性グラフト重合体とその用途 - Google Patents
親水性グラフト重合体とその用途 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4057677B2 JP4057677B2 JP21962597A JP21962597A JP4057677B2 JP 4057677 B2 JP4057677 B2 JP 4057677B2 JP 21962597 A JP21962597 A JP 21962597A JP 21962597 A JP21962597 A JP 21962597A JP 4057677 B2 JP4057677 B2 JP 4057677B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acid
- phosphate
- monomer
- compound
- polymer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Graft Or Block Polymers (AREA)
- Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、グラフト率の高い、すなわち、純度の高い親水性グラフト重合体とその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
親水性グラフト重合体は、たとえば、ポリエーテル化合物に(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸系単量体をグラフト重合して得られ、洗剤ビルダー、スケール防止剤、潤滑剤、染色助剤、繊維処理剤、有機粒子や無機粒子の分散剤等の用途に供されている。たとえば、特開昭55−71710号公報、特開昭59−62614号公報および特開平7−53645号公報には、親水性グラフト重合体およびその製造方法が開示されている。
【0003】
これらの製造方法では、ポリエーテル化合物に対する不飽和カルボン酸系単量体のグラフト率が低く、原料のポリエーテル化合物が未反応のまま多量に残存する。そのため、得られた親水性グラフト重合体は、いずれも、純度が悪く、上記用途に用いた場合、所望の性能を十分に得ることができないという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、モノエチレン性不飽和単量体のグラフト率が高く、未反応のポリエーテル化合物が少ない、純度の高い親水性グラフト重合体、その製造方法および用途を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、上記のグラフト重合を有機過酸化物と酸性物質の存在下で行えば、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明にかかる重合体は、
下記一般式:
−RCH−CH2 −O−
(但し、Rは水素原子およびメチル基のうちの少なくとも1種であり、1分子中に混在してもよい。)
で示される繰り返し単位を全体の30mol%以上有し数平均分子量が200以上のポリエーテル化合物に、不飽和カルボン酸系単量体を必須成分として含むモノエチレン性不飽和単量体を、グラフト重合させてなる、重合体であって、
前記グラフト重合が有機スルホン酸化合物、リン酸化合物および無機酸から選ばれた少なくとも1種の酸性物質と有機過酸化物の存在下で行われ、かつ、
前記有機スルホン酸化合物が、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、オクタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、クロロベンゼンスルホン酸、1−ナフチルアミン−4−スルホン酸(ナフチオン酸)、ドビアス酸、ペリ酸、ガンマ酸(γ酸)、ジェー酸、コッホ酸、メタニル酸、トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸からなる群から選ばれ、
前記無機酸が、塩酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、過塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸、過ヨウ素酸、硫酸、発煙硫酸、亜硫酸、硝酸、発煙硝酸、マンガン酸、過マンガン酸、クロム酸、重クロム酸からなる群から選ばれ、
前記リン酸化合物が、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、リン酸メチル、リン酸エチル、リン酸プロピル、リン酸ブチル、リン酸オクチル、リン酸ドデシル、リン酸ステアリル、リン酸フェニル、リン酸ジメチル、リン酸ジエチル、リン酸ジプロピル、リン酸ジブチル、リン酸ジオクチル、リン酸ジドデシル、リン酸ジステアリル、リン酸ジフェニルからなる群から選ばれるとともに、
前記酸性物質が、前記モノエチレン性不飽和単量体に対して0.05〜20重量%用いられており、
親水性グラフト重合体の純度が75%以上である、
ことを特徴とする。
この重合体は後述する製造方法で得られる。
【0006】
本発明にかかるスケール防止剤は、上記親水性グラフト重合体を必須成分として含んでいる。
【0007】
【発明の実施の形態】
〔親水性グラフト重合体の製造方法〕
本発明にかかる親水性グラフト重合体の製造方法は、酸性物質および有機過酸化物の存在下、ポリエーテル化合物にモノエチレン性不飽和単量体をグラフト重合させる方法である。
【0008】
本発明で用いられるポリエーテル化合物は、上記一般式で示される繰り返し単位を全体の30mol%以上(好ましくは50mol%以上)有する化合物である。ポリエーテル化合物は、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドを必須成分として含み、必要に応じて他のアルキレンオキシドをさらに含む環状エーテルを、重合の開始点となる被反応化合物の存在下、公知の方法等で重合することにより得られる。
【0009】
ポリエーテル化合物を得るために用いられる他のアルキレンオキシドとしては、たとえば、イソブチレンオキシド、1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシド、トリメチルエチレンオキシド、テトラメチルエチレンオキシド、ブタジエンモノオキシド、スチレンオキシド、1,1−ジフェニルエチレンオキシド、エピフルオロヒドリン、エピクロロヒドリン、エピクブロモドリン、グリシドール、ブチルグリシジルエーテル、ヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、2−クロロエチルグリシジルエーテル、o−クロロフェニルグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェニルAジグリシジルエーテル、メタクリルクロリドエポキシド、シクロヘキセンオキシド、ジヒドロナフタレンオキシド、ビニルシクロヘキセンモノオキシド、オキセタン、テトラヒドロフラン、1,4−エポキシシクロヘキサン等を挙げることができ、これらが1種または2種以上使用される。共重合可能な他のアルキレンオキシドは全体の70mol%未満にする必要がある。70mol%以上になると、モノエチレン性不飽和単量体のグラフト率が低下する。
【0010】
被反応化合物は、環状エーテルの重合の開始点となる化合物であり、その種類や、分子量等については、特に限定はない。被反応化合物としては、たとえば、水;水素;酸素;二酸化炭素;アルコール;ハロゲン化水素;アンモニア;アミン;ヒドロキシルアミン;カルボン酸;酸ハロゲン化物;ラクトン;アルデヒド;ベンゼン等を挙げることができ、これらが1種または2種以上使用される。これらのうち、水、アルコールおよびアミンから選ばれた少なくとも1種は、被反応化合物として好ましい。
【0011】
上記アルコールとしては、たとえば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノールの炭素数1〜22の1級脂肪族アルコール;フェノール、iso−プロピルフェノール、オクチルフェノール、tert−ブチルフェノール、ノニルフェノール、ナフトール等の芳香族アルコール;iso−プロピルアルコールやn−パラフィンを酸化して得られるアルコール等の炭素数3〜18の2級アルコール;tert−ブタノール等の3級アルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、プロピレングリコール等のジオール類;グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール類;ソルビトール等のポリオール類等を挙げることができ、これらが1種または2種以上使用される。
【0012】
上記アミンとしては、たとえば、アニリン、ナフチルアミン、エチレンジアミン等を挙げることができ、これらが1種または2種以上使用される。
環状エーテルの重合の反応形式については、特に限定はなく、▲1▼アルカリ金属の水酸化物、アルコラート等の強アルカリや、アルキルアミン等を塩基触媒として用いるアニオン重合、▲2▼金属および半金属のハロゲン化物、鉱酸、酢酸等を触媒として用いるカチオン重合、および、▲3▼アルミニウム、鉄、亜鉛等の金属のアルコキシド、アルカリ土類化合物、ルイス酸等を組み合わせたものを用いる配位重合のうちのいずれでもよい。
【0013】
ポリエーテル化合物は、上記重合によって得られるポリエーテルから誘導された誘導体でもよい。このような誘導体としては、たとえば、ポリエーテルの末端官能基を変換した末端基変換体や、ポリエーテルと、カルボキシル基、イソシアネート基、アミノ基、ハロゲン基等の基を複数有する架橋剤とを反応させて得られる架橋体等を挙げることができる。末端基変換体としては、上記ポリエーテルの少なくとも1つの末端の水酸基を、酢酸や無水酢酸等の炭素数2〜22の脂肪酸およびその酸無水物、コハク酸、無水コハク酸、アジピン酸等のジカルボン酸でエステル化したものが、好ましい。
【0014】
ポリエーテル化合物の数平均分子量は、200以上である。数平均分子量の上限については、特に限定はないが、好ましくは100000以下である。数平均分子量が200未満であると、グラフト率が低下し、未反応のポリエーテル化合物が多くなるという問題がある。数平均分子量が100000を超えると、粘度が高くなる傾向があり、重合時に取扱いにくくなる。
【0015】
ポリエーテル化合物中の繰り返し単位の数については、特に限定はなく、好ましくはポリエーテル化合物中2個以上、さらに好ましくは3個以上である。繰り返し単位中のRは、その少なくとも1つが水素原子であることが好ましい。
モノエチレン性不飽和単量体は、不飽和カルボン酸系単量体を必須成分として含み、不飽和カルボン酸系単量体と共重合可能な他の不飽和単量体をさらに含むことがある。
【0016】
不飽和カルボン酸系単量体は、エチレン性不飽和カルボン酸、および/または、加水分解によりカルボン酸を生成するエステルである。
エチレン性不飽和カルボン酸としては、たとえば、(メタ)アクリル酸;マレイン酸;フマル酸;無水マレイン酸等を挙げることができ、これらが1種または2種以上使用される。不飽和カルボン酸系単量体が、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸および無水マレイン酸から選ばれた少なくとも1種であると、親水性グラフト重合体の酸価および分散能が高まる。
【0017】
加水分解によりカルボン酸を生成するエステルとしては、上記エチレン性不飽和カルボン酸のエステルであれば特に限定はなく、たとえば、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸ジエチル等のマレイン酸のエステル類;フマル酸モノメチル、フマル酸ジメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸ジエチル等のフマル酸のエステル類;(メタ)アクリル酸メチ、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸のエステル類;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレート類;2−スルホエチル(メタ)アクリレート等のスルホアルキル(メタ)アクリレート類等を挙げることができ、これらが1種または2種以上使用される。上記エステルを用いる場合は、グラフト重合後に、エステル基の一部または全部を加水分解してカルボキシル基に変換する工程が必要となる。したがって、不飽和カルボン酸系単量体は、この変換工程が不必要とさせるという点からは、エチレン性不飽和カルボン酸のみからなることが好ましい。
【0018】
不飽和カルボン酸系単量体と共重合可能な他の不飽和単量体は、不飽和カルボン酸系単量体以外の単量体であれば、特に限定はなく、たとえば、(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有単量体類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;スチレン、スチレンスルホン酸等の芳香族ビニル系単量体類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のトリアルキルオキシシリル基含有ビニル系単量体類;γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン等のケイ素含有ビニル系単量体類;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド誘導体;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系単量体類;(メタ)アクロレイン等のアルデヒド基含有ビニル系単量体類;2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、ヒドロキシアリルオキシプロパンスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−ブテンスルホン酸等のスルホン酸基含有単量体類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール:ビニルピロリドン等のその他官能基含有単量体類等を挙げることができ、これらが1種または2種以上使用される。
【0019】
モノエチレン性不飽和単量体中の不飽和カルボン酸系単量体の割合は、特に限定はないが、親水性グラフト重合体の酸価および分散能を高める上で、好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは65重量%以上、最も好ましくは70重量%以上である。
有機過酸化物は、グラフト重合の重合開始剤として用いられる。有機過酸化物としては、たとえば、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、2−(4−メチルシクロヘキシル)−プロパンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類;ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(tert−ブチルパーオキシ)p−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(tert−ブチルパーオキシ)p−イソプロピルヘキシン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド類;tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−tert−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、tert−ブチルパーオキシビバレート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシマレイン酸、クミルパーオキシオクトエート、tert−ヘキシルパーオキシビバレート、tert−ヘキシルパーオキシネオヘキサノエート、クミルパーオキシネオヘキサノエート等のパーオキシエステル類;n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレエート、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)オクタン等のパーオキシケタール類;アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノイルパーオキサイド、サクシニックアシッドパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、m−トルイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ビス−(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジミリスチルパーオキシジカーボネート、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ジ−アリルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート類;アセチルシクロヘキシルスルフォニルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシアリルカーボネート等のその他有機過酸化物類等を挙げることができ、これらが1種または2種以上使用される。
【0020】
有機過酸化物の使用量は、特に限定はないが、モノエチレン性不飽和単量体に対して好ましくは0.1〜30重量%、さらに好ましくは0.5〜20重量%である。0.1重量%未満であると、ポリエーテル化合物へのグラフト率が低下する傾向がある。他方、30重量%を超えると、有機過酸化物が高価であるため、経済上、好ましくない。有機過酸化物は、同時に、且つ、予めポリエーテル化合物に混合することなく別々に、エチレン性不飽和単量体と添加するのが好ましいが、予めポリエーテル化合物に添加しておくこともでき、モノエチレン性不飽和単量体に添加しておくこともできる。
【0021】
有機過酸化物とともに、有機過酸化物の分解触媒や、還元性化合物を併用してもよい。
有機過酸化物の分解触媒としては、たとえば、塩化リチウム、臭化リチウム等のハロゲン化金属;酸化チタン、二酸化ケイ素等の金属酸化物;塩酸、臭化水素酸、過塩素酸、硫酸、硝酸等の無機酸の金属塩;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ラク酸、イソラク酸、安息香酸等のカルボン酸、そのエステルおよびその金属塩;ピリジン、インドール、イミダゾール、カルバゾール等の複素環アミンおよびその誘導体等を挙げることができ、これらが1種または2種以上使用される。
【0022】
還元性化合物としては、フェロセン等の有機金属化合物;ナフテン酸鉄、ナフテン酸銅、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸マンガン等の、鉄、銅、ニッケル、コバルト、マンガン等の金属イオンを発生できる無機化合物;三フッ化ホウ素エーテル付加物、過マンガン酸カリウム、過塩素酸等の無機化合物;二酸化硫黄、亜硫酸塩、硫酸エステル、重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、スルホキシ酸塩、ベンゼンスルフィン酸とその置換体、パラトルエンスルフィン酸等の環状スルフィン酸の同族体等の硫黄含有化合物;オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、メルカプトエタノール、α−メルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸、チオプロピオン酸、α−チオプロピオン酸ナトリウムスルホプロピルエステル、α−チオプロピオン酸ナトリウムスルホエチルエステル等のメルカプト化合物;ヒドラジン、β−ヒドロキシエチルヒドラジン、ヒドロキシルアミン等の窒素含有化合物;ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、イソバレリアンアルデヒド等のアルデヒド類;アスコルビン酸等を挙げることができ、これらが1種または2種以上使用される。
【0023】
酸性物質は、ポリエーテル化合物へのグラフト率を向上させ、得られる親水性グラフト重合体の分散能を高める働きがある。酸性物質は、有機スルホン酸化合物、リン酸化合物および無機酸から選ばれた少なくとも1種である。
有機スルホン酸化合物としては、たとえば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、オクタンスルホン酸等の脂肪族スルホン酸;ベンゼンスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸等の芳香族スルホン酸;クロロベンゼンスルホン酸、1−ナフチルアミン−4−スルホン酸(ナフチオン酸)、ドビアス酸、ペリ酸、ガンマ酸(γ酸)、ジェー酸、コッホ酸、メタニル酸、トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等の核置換基を有する芳香族スルホン酸等を挙げることができ、これらが1種または2種以上使用される。
【0024】
無機酸としては、たとえば、塩酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、過塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸、過ヨウ素酸、硫酸、発煙硫酸、亜硫酸、硝酸、発煙硝酸、マンガン酸、過マンガン酸、クロム酸、重クロム酸等を挙げることができ、これらが1種または2種以上使用される。
リン酸化合物としては、たとえば、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、リン酸メチル、リン酸エチル、リン酸プロピル、リン酸ブチル、リン酸オクチル、リン酸ドデシル、リン酸ステアリル、リン酸フェニル、リン酸ジメチル、リン酸ジエチル、リン酸ジプロピル、リン酸ジブチル、リン酸ジオクチル、リン酸ジドデシル、リン酸ジステアリル、リン酸ジフェニル等を挙げることができ、これらが1種または2種以上使用される。
【0025】
酸性物質の使用量は、特に限定はないが、モノエチレン性不飽和単量体に対して好ましくは0.05〜20重量%、さらに好ましくは0.1〜15重量%である。酸性物質の使用量が0.05重量%未満であると、未反応のポリエーテル化合物が多量に残存し、モノエチレン性不飽和単量体のグラフト率が低下する傾向がある。他方、酸性物質の使用量が20重量%を超えると、添加量に見合った効果が発揮されないことがある。酸性物質は予めポリエーテル化合物に添加しておくこともできるが、モノエチレン性不飽和単量体に添加することもできる。
【0026】
グラフト重合は、実質的に無溶媒で行われることが好ましいが、反応系全体の20重量%以下の溶媒を使用してもよい。反応系全体の20重量%を超えると、モノエチレン性不飽和単量体のグラフト率が低下することがある。反応系の粘度が高い場合は、少量の溶媒を用いる方が添加する際に好ましい時もあり、溶媒は添加後、留去してもしてもよい。
【0027】
上記溶媒としては、特に限定はないが、使用される単量体の溶媒への連鎖移動定数が可能なかぎり小さいものや、常圧下で反応に用いることができる沸点80℃以上のもの等が好ましい。このような溶媒としては、たとえば、iso−ブチルアルコール、n−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル等のアルコール類;エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル等のジエーテル類;酢酸、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノアルキルエーテルの酢酸エステル、プロピレングリコールモノアルキルエーテルの酢酸エステル等の酢酸系化合物等を挙げることができ、これらが1種または2種以上使用される。上記アルコール類およびジエーテル類中のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等を挙げることができる。
【0028】
グラフト重合の温度は、80℃以上であることが好ましく、さらに好ましくは90〜160℃である。80℃未満の温度では、グラフト重合が進行しにくく、モノエチレン性不飽和単量体のグラフト率が低下する傾向がある。他方、160℃を超える温度では、ポリエーテル化合物および得られた親水性グラフト重合体の熱分解が起こるおそれがある。
【0029】
グラフト重合の際、ポリエーテル化合物は、その一部または全量を初期に仕込むことが好ましい。モノエチレン性不飽和単量体として、たとえば、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸の群より選ばれる少なくとも1つの単量体(A)と、(メタ)アクリル酸とを併用して、ポリエーテル化合物にグラフト重合する場合、単量体(A)のうちの半量以上と、酸性物質とを予めポリエーテル化合物に混合し、80℃以上に加熱した後、加熱した混合物に残部のモノエチレン性不飽和単量体および有機過酸化物を別々に添加して、グラフト重合することが好ましい。この方法により、得られる親水性グラフト重合体の分子量を容易に調整できるようになる。
〔親水性グラフト重合体およびその用途〕
本発明にかかる親水性グラフト重合体は、上記ポリエーテル化合物に、上記モノエチレン性不飽和単量体をグラフト重合させてなる重合体である。この親水性グラフト重合体の純度は、少なくとも75%以上であり、好ましくは80%以上、さらに好ましくは85%以上である。純度が75%未満であると、純度が低く、分散能が低下するため、後述のスケール防止剤等の用途に用いた場合、所望の性能を十分に得ることができない。
【0030】
本発明の親水性グラフト重合体は純度が高く、分散能が高い。そのため、後述のスケール防止剤や、洗剤用ビルダー、繊維処理剤、顔料分散剤、有機、無機固体粒子分散剤、製紙用助剤、セメント添加剤、CWM用分散剤、発泡剤、泡強化剤、相溶化剤、可溶化剤、防錆剤、乳化剤、染色用助剤等の用途に好ましく用いられる。
【0031】
この親水性グラフト重合体は、そのまま水やアルコール等の溶剤に溶解して、上記用途に使用することもできるが、塩基を添加してカルボン酸の塩に変換して使用してもよい。塩基としては、たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸リチウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の炭酸塩;アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類等を挙げることができ、これらが1種または2種以上使用される。溶剤としては水が好ましい。
【0032】
本発明の親水性グラフト重合体を製造する方法については、特に限定はなく、好ましいものとして上記製造方法を挙げることができる。この製造方法で得られた親水性グラフト重合体は、モノエチレン性不飽和単量体のグラフト率が高く、その純度が高い。
本発明にかかるスケール防止剤は、この親水性グラフト重合体を必須成分として含み、炭酸カルシウム等の水に難溶性の無機粒子を強力に分散させ、スケールの発生を防止する。
【0033】
スケール防止剤は、親水性グラフト重合体の耐ゲル化性が高いと、スケール防止能がさらに向上する。上記親水性グラフト重合体は、従来のポリカルボン酸系ポリマーと比較して、高い耐ゲル化性を有する。耐ゲル化性の高い親水性グラフト重合体としては、スルホン酸基および/または水酸基を含有する親水性グラフト重合体を挙げることができ、たとえば、ポリエーテル化合物に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類や、スルホン酸基含有単量体類等のモノエチレン性不飽和単量体をグラフト重合させて得ることができる。
【0034】
スケール防止剤は、親水性グラフト重合体以外の他の成分を含むものであってもよい。上記他の成分としては、たとえば、有機スルホン酸;重合リン酸塩、ホスホン酸塩等のリン酸化合物;亜鉛、クロム、マンガン等の金属塩;腐食防止剤;スライムコントロール剤;キレート剤;清罐剤;脱酸素剤;防食剤;スラッジ分散剤;スケール溶解除去剤;キャリオーバ防止剤;保罐剤;イオン交換樹脂洗浄剤;OSR型洗浄剤等を挙げることができる。これら他の成分は1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。その配合量は特に限定されるものではない。
【0035】
本発明のスケール防止剤は、冷却水系、ボイラー水系、海水淡水化装置、オイルフィード、パルプ溶解釜、黒液濃縮釜等の水系に、そのまま添加すればよく、その添加量は1〜100ppmである。スケール防止剤が上記親水性グラフト重合体以外の他の成分を含む場合には、別々に添加することもできる。
本発明のスケール防止剤は、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、リン酸亜鉛、水酸化亜鉛、塩基性炭酸亜鉛、ケイ酸塩、シリカ、鉄等のスケールの防止、除去に用いることができる。
【0036】
【実施例】
以下に実施例によりさらに詳細に本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
−実施例1−
温度計、攪拌機、窒素導入管、還流冷却器を備えたガラス製反応器に、数平均分子量530のフェノキシポリエチレングリコール(フェノールにエチレンオキサイドを平均10モル付加させて得られたもの)100重量部、マレイン酸51.8重量部およびp−トルエンスルホン酸・1水和物5重量部を仕込み、仕込物を窒素気流下、加熱して溶解させ、攪拌下128℃まで昇温した。次に、温度を125〜131℃に保ちながら、アクリル酸48.2重量部、パーブチルZ(tert−ブチルパーオキシベンゾエート98%含有、日本油脂(株)製)10重量部を、別々に、1時間にわたって連続的に滴下し、その後1時間攪拌を続けてグラフト重合体を得た。
【0037】
得られたグラフト重合体のグラフト率は93%、その純度は96.5%であった。このグラフト重合体について下記のスケール防止性能試験を行ったところ、スケール抑制率は50%であった。
〔スケール防止性能試験〕
NaOH水溶液および/またはHCl水溶液を用いて調整した、グラフト重合体5mg/l、塩化カルシウム555mg/l(カルシウム:200mg/l)および炭酸水素ナトリウム420mg/lからなり、pH8.5の試験液100mlを容器に入れ、この容器を密栓し、60℃で20時間静置した。静置後、試験液を0.1μmのメンブランフィルターでろ過し、ろ液をEDTAで滴定し、ろ液中のカルシウムを定量し、その定量値をC(mg/l)とした。グラフト重合体を含まない試験液についても上記と同様にしてカルシウムを定量し、その定量値をB(mg/l)とした。BおよびCを下式に代入し、スケール抑制率を算出した。
【0038】
スケール抑制率(%)=(C−B)/(200−B)×100
−実施例2−
温度計、攪拌機、窒素導入管、還流冷却器を備えたガラス製反応器に、数平均分子量470のメトキシポリエチレングリコール(メタノールにエチレンオキサイドを平均10モル付加させて得られたもの)100重量部、マレイン酸52.3重量部および硫酸4.5重量部を仕込み、仕込物を窒素気流下、加熱して溶解させ、攪拌下126℃まで昇温した。次に、温度を124〜129℃に保ちながら、アクリル酸47.5重量部、パーブチルZ(tert−ブチルパーオキシベンゾエート98%含有、日本油脂(株)製)10重量部を、別々に、1時間にわたって連続的に滴下し、その後1時間攪拌を続けてグラフト重合体を得た。
【0039】
得られたグラフト重合体のグラフト率は89%、その純度は94.5%であった。このグラフト重合体について上記スケール防止性能試験を行ったところ、スケール抑制率は48%であった。
−実施例3−
温度計、攪拌機、窒素導入管、還流冷却器を備えたガラス製反応器に、数平均分子量530のフェノキシポリエチレングリコール(フェノールにエチレンオキサイドを平均10モル付加させて得られたもの)110重量部、マレイン酸53.2重量部およびリン酸6重量部を仕込み、仕込物を窒素気流下、加熱して溶解させ、攪拌下128℃まで昇温した。次に、温度を125〜130℃に保ちながら、アクリル酸49.4重量部、パーブチルZ(tert−ブチルパーオキシベンゾエート98%含有、日本油脂(株)製)10重量部を、別々に、1時間にわたって連続的に滴下し、その後1時間攪拌を続けてグラフト重合体を得た。
【0040】
得られたグラフト重合体のグラフト率は93%、その純度は96.5%であった。このグラフト重合体について上記スケール防止性能試験を行ったところ、スケール抑制率は51%であった。
−比較例−
温度計、攪拌機、窒素導入管、還流冷却器を備えたガラス製反応器に、数平均分子量2000のメトキシポリエチレングリコール(メタノールにエチレンオキサイドを平均45モル付加させて得られたもの)7重量部およびマレイン酸13.9重量部を仕込み、仕込物を窒素気流下、加熱して溶解させ、攪拌下145℃まで昇温した。次に、温度を145〜147℃に保ちながら、アクリル酸19重量部、パーブチルD(ジ−tert−ブチルパーオキシド98%含有、日本油脂(株)製)1.7重量部を、別々に、1時間にわたって連続的に滴下し、その後1時間攪拌を続けて、比較グラフト重合体を得た。
【0041】
得られた比較グラフト重合体のグラフト率は75%、その純度は74%であった。この比較グラフト重合体について上記スケール防止性能試験を行ったところ、スケール抑制率は40%であった。
【0042】
【発明の効果】
本発明にかかる親水性グラフト重合体の製造方法は、モノエチレン性不飽和単量体のグラフト率が高くて、未反応のポリエーテル化合物が少ない。
本発明にかかる親水性グラフト重合体は、未反応のポリエーテル化合物が少ないため、純度が高く、分散能が高い。
【0043】
本発明にかかるスケール防止剤は、スケール防止能が高く、炭酸カルシウム等のスケールの防止、除去に有効である。
Claims (5)
- 下記一般式:
−RCH−CH2 −O−
(但し、Rは水素原子およびメチル基のうちの少なくとも1種であり、1分子中に混在してもよい。)
で示される繰り返し単位を全体の30mol%以上有し数平均分子量が200以上のポリエーテル化合物に、不飽和カルボン酸系単量体を必須成分として含むモノエチレン性不飽和単量体を、グラフト重合させてなる、重合体であって、
前記グラフト重合が有機スルホン酸化合物、リン酸化合物および無機酸から選ばれた少なくとも1種の酸性物質と有機過酸化物の存在下で行われ、かつ、
前記有機スルホン酸化合物が、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、オクタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、クロロベンゼンスルホン酸、1−ナフチルアミン−4−スルホン酸(ナフチオン酸)、ドビアス酸、ペリ酸、ガンマ酸(γ酸)、ジェー酸、コッホ酸、メタニル酸、トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸からなる群から選ばれ、
前記無機酸が、塩酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、過塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸、過ヨウ素酸、硫酸、発煙硫酸、亜硫酸、硝酸、発煙硝酸、マンガン酸、過マンガン酸、クロム酸、重クロム酸からなる群から選ばれ、
前記リン酸化合物が、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、リン酸メチル、リン酸エチル、リン酸プロピル、リン酸ブチル、リン酸オクチル、リン酸ドデシル、リン酸ステアリル、リン酸フェニル、リン酸ジメチル、リン酸ジエチル、リン酸ジプロピル、リン酸ジブチル、リン酸ジオクチル、リン酸ジドデシル、リン酸ジステアリル、リン酸ジフェニルからなる群から選ばれるとともに、
前記酸性物質が、前記モノエチレン性不飽和単量体に対して0.05〜20重量%用いられており、
親水性グラフト重合体の純度が75%以上である、
ことを特徴とする、重合体。 - 前記モノエチレン性不飽和単量体中の前記不飽和カルボン酸系単量体の割合が60重量%以上である、請求項1に記載の重合体。
- 前記不飽和カルボン酸系単量体が、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸および加水分解によりカルボン酸を生成するエステルから選ばれた少なくとも1種であり、前記エステルが、(メタ)アクリル酸エステル、マレイン酸エステルおよびフマル酸エステルから選ばれた少なくとも1種である、請求項1または2に記載の重合体。
- 前記繰り返し単位中のRの少なくとも1つが水素原子である、請求項1から3までのいずれかに記載の重合体。
- 請求項1から4までのいずれかに記載の重合体を必須成分として含んでいるスケール防止剤。
Priority Applications (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21962597A JP4057677B2 (ja) | 1997-08-14 | 1997-08-14 | 親水性グラフト重合体とその用途 |
US08/993,673 US6166149A (en) | 1996-12-27 | 1997-12-16 | Hydrophilic graft polymer, production process therefor, composition containing the polymer, and use thereof |
EP97122443A EP0850963B1 (en) | 1996-12-27 | 1997-12-18 | Hydrophilic graft polymer, production process therefor, composition containing the polymer, and use thereof |
TW086119189A TW492982B (en) | 1996-12-27 | 1997-12-18 | Hydrophilic graft polymer, production process therefor, composition containing the polymer, and use thereof |
DE69726250T DE69726250T2 (de) | 1996-12-27 | 1997-12-18 | Hydrophiles Pfropfpolymer, Verfahren zu dessen Herstellung, Zusammensetzung mit diesem Polymer und dessen Verwendung |
KR1019970073439A KR100312115B1 (ko) | 1996-12-27 | 1997-12-24 | 친수성가교고분자,이의제조방법,이고분자를함유하는조성물및이의용도 |
CNB971263183A CN1152069C (zh) | 1996-12-27 | 1997-12-26 | 亲水接枝共聚物的制备方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21962597A JP4057677B2 (ja) | 1997-08-14 | 1997-08-14 | 親水性グラフト重合体とその用途 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007131872A Division JP2007246916A (ja) | 2007-05-17 | 2007-05-17 | 親水性グラフト重合体、その製造方法および用途 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1160652A JPH1160652A (ja) | 1999-03-02 |
JP4057677B2 true JP4057677B2 (ja) | 2008-03-05 |
Family
ID=16738470
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21962597A Expired - Fee Related JP4057677B2 (ja) | 1996-12-27 | 1997-08-14 | 親水性グラフト重合体とその用途 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4057677B2 (ja) |
Families Citing this family (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1180288A (ja) * | 1997-08-29 | 1999-03-26 | Nippon Shokubai Co Ltd | 親水性グラフト重合体含有組成物およびその用途 |
JP4473351B2 (ja) * | 1997-12-12 | 2010-06-02 | 株式会社日本触媒 | スケール防止剤およびそれを用いたスケール防止方法 |
SG98009A1 (en) | 1999-12-28 | 2003-08-20 | Nippon Catalytic Chem Ind | Anti-shrinkage agent for hydraulic material |
JP4782940B2 (ja) * | 2001-04-27 | 2011-09-28 | 株式会社日本触媒 | 親水性グラフト重合体の製造方法 |
JP5345274B2 (ja) * | 2006-03-24 | 2013-11-20 | 株式会社日本触媒 | 炭化水素基含有グラフト重合体およびその製造方法 |
JP2010209136A (ja) * | 2009-03-06 | 2010-09-24 | Nippon Shokubai Co Ltd | 重合体組成物およびその製造方法 |
JP5805265B1 (ja) * | 2014-05-07 | 2015-11-04 | 伯東株式会社 | 水処理用組成物及び水処理方法 |
US20210221724A1 (en) * | 2018-06-01 | 2021-07-22 | Dow Global Technologies Llc | Acid grafted eo-po copolymers as silica scale inhibitors |
CN111560135B (zh) * | 2019-12-31 | 2023-08-22 | 华合新材料科技股份有限公司 | 一种基于静电自组装的高流动、高抗冲、低散发的pp/pe复合材料及其制备方法 |
CN113150219B (zh) * | 2021-02-09 | 2022-10-04 | 武汉理工大学 | 一种高适应性抗泥型减水剂及其制备方法 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CA1133504A (en) * | 1978-11-24 | 1982-10-12 | Robert J. Knopf | Carboxylated polyalkylene oxides |
JPS58108283A (ja) * | 1981-12-22 | 1983-06-28 | Sannopuko Kk | 粘弾性調整剤および粘弾性調整法 |
JPS58108263A (ja) * | 1981-12-22 | 1983-06-28 | Sannopuko Kk | 塗料用粘弾性調整剤および粘弾性調整法 |
JPS58109700A (ja) * | 1981-12-22 | 1983-06-30 | サンノプコ株式会社 | 紙の表面処理剤および表面処理法 |
EP0098803B1 (de) * | 1982-07-06 | 1986-07-30 | Ciba-Geigy Ag | Wasserlösliche oder in Wasser dispergierbare Pfropfpolymerisate, deren Herstellung und Verwendung |
JP2945822B2 (ja) * | 1993-08-18 | 1999-09-06 | 株式会社日本触媒 | 水溶性グラフト重合体の製造方法 |
JP2918798B2 (ja) * | 1995-02-03 | 1999-07-12 | 株式会社日本触媒 | 水溶性グラフト重合体、その製法および用途 |
JP3088085B2 (ja) * | 1996-12-27 | 2000-09-18 | 株式会社日本触媒 | スケール防止剤 |
-
1997
- 1997-08-14 JP JP21962597A patent/JP4057677B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1160652A (ja) | 1999-03-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6166149A (en) | Hydrophilic graft polymer, production process therefor, composition containing the polymer, and use thereof | |
JP2007246916A (ja) | 親水性グラフト重合体、その製造方法および用途 | |
JP4057677B2 (ja) | 親水性グラフト重合体とその用途 | |
JP4024375B2 (ja) | グラフト重合体及びその製造方法並びに用途 | |
JP5189982B2 (ja) | 親水性グラフト重合体 | |
US6447696B1 (en) | Grafted polymer and its production process and use | |
JP4473351B2 (ja) | スケール防止剤およびそれを用いたスケール防止方法 | |
JP4523126B2 (ja) | スケール防止剤 | |
JP4782940B2 (ja) | 親水性グラフト重合体の製造方法 | |
JP3088085B2 (ja) | スケール防止剤 | |
JPH1180288A (ja) | 親水性グラフト重合体含有組成物およびその用途 | |
US5574120A (en) | Process for the preparation of dicarboxylic acid terpolymers for detergents and cleaning agents | |
JP3980691B2 (ja) | スケール防止剤およびそれを用いたスケール防止方法 | |
JP2007314790A (ja) | グラフト重合体及びその製造方法並びに用途 | |
WO2001010920A1 (en) | Process for producing (meth)acrylic acid polymer | |
JP4996342B2 (ja) | グラフト重合体の製造方法 | |
JP3874917B2 (ja) | (メタ)アクリル酸系重合体の製造方法 | |
EP1123942B1 (en) | Amino-group-containing polymer (salt) and production process therefor | |
JP2002332391A (ja) | グラフト重合体組成物、その製造方法およびその用途 | |
JPH11183384A (ja) | 水性系中のグラフト重合体の検出方法 | |
EP1383805A2 (en) | Method for producing chemical reactive substance and polycarboxylic acid produced thereby | |
JP2002249471A (ja) | エステルの製造方法 | |
JP2009084335A (ja) | ポリアルキレングリコール系水溶性重合体、その製造方法およびそれを用いた用途 | |
JP2009242611A (ja) | 共重合体の製造方法 | |
JP2001294616A (ja) | アミノ基含有重合体(塩)およびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040226 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050627 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050726 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050922 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070320 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070517 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20070706 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20071211 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20071214 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101221 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111221 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |