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JP2918798B2 - 水溶性グラフト重合体、その製法および用途 - Google Patents

水溶性グラフト重合体、その製法および用途

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Publication number
JP2918798B2
JP2918798B2 JP1704495A JP1704495A JP2918798B2 JP 2918798 B2 JP2918798 B2 JP 2918798B2 JP 1704495 A JP1704495 A JP 1704495A JP 1704495 A JP1704495 A JP 1704495A JP 2918798 B2 JP2918798 B2 JP 2918798B2
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JP
Japan
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water
weight
graft polymer
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喜浩 前田
繁 山口
秀幸 西林
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エチレンオキサイドを
主成分とするポリエーテルに、(メタ)アクリル酸およ
びマレイン酸等のエチレン性不飽和ジカルボン酸を高い
グラフト率の、いいかえるとポリエーテルにグラフトし
ていない単量体の重合体が少なく、かつ耐ゲル性の良好
な水溶性グラフト重合体の製造方法に関する。
【0002】また、本発明はポリエーテル化合物に(メ
タ)アクリル酸およびエチレン性不飽和ジカルボン酸が
グラフトしてなり、耐ゲル性が0.16以下である水溶
性グラフト重合体に関する。
【0003】さらに、本発明は該水溶性グラフト重合体
を含有してなる洗剤組成物に関する。
【0004】
【従来の技術】ポリエーテル化合物に(メタ)アクリル
酸をグラフト重合する試みは、現在までにポリウレタン
等の種々の用途分野で行われている。例えば、特開昭5
5−71710号公報には、全仕込量に対し3〜15重
量%のアクリル酸をポリオキシアルキレン化合物にグラ
フト重合した重合体とその製造方法が開示されている。
しかし、この場合には、得られるグラフト重合体を、ビ
ルダーや無機顔料等の分散剤に用いた場合、耐ゲル性が
悪いという問題がある。
【0005】また、全仕込量に対し25重量%以上親水
性エチレン性不飽和単量体をグラフト重合した場合、や
はりカルボン酸密度が高すぎるため上記用途に用いた場
合、耐ゲル性が悪いという問題がある。
【0006】また、特開昭59−62614号公報に
は、少なくとも1つの疎水基を有するポリグリコールエ
ーテルに、グラフト重合体基準で少なくとも20重量%
以上の親水性エチレン性不飽和単量体をグラフト重合し
たグラフト重合体とその製造方法において、水またはト
ルエンの溶媒を用いる方法、または無溶媒でも反応温度
が90℃以下である方法が開示されている。この方法で
得られるグラフト重合体のグラフト効率は低く、グラフ
トしていない重合体が多く存在する。このグラフト重合
体をビルダーや無機顔料等の分散剤に用いた場合、満足
な性能が出ず、また液体洗剤用のビルダーとして用いた
場合、重合体が分離してしまうという問題がある。
【0007】さらに、特開平3−177406号公報に
も、水溶媒中で重合して得られる同様のグラフト重合体
が開示されている。しかし、開示された水溶媒中でグラ
フト重合する重合方法は、グラフト効率が悪く、得られ
る重合体の多くは、グラフトしていないポリカルボン酸
であり、上記用途に使用する場合、耐ゲル性が非常に悪
く目的の性能が得られないという問題がある。
【0008】このように従来の技術では、グラフト効率
が高く、なおかつ耐ゲル性が良いグラフト重合体を、容
易に製造することはできなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、(メタ)ア
クリル酸、マレイン酸等のエチレン性不飽和ジカルボン
酸が、グラフト率が高くポリエーテルにグラフトされ、
なおかつ耐ゲル性の良い水溶性グラフト重合体の製造方
法を提供することを課題とする。
【0010】また、本発明はポリエーテル化合物に(メ
タ)アクリル酸およびエチレン性不飽和ジカルボン酸が
グラフトしてなり、耐ゲル性が0.16以下である水溶
性グラフト重合体を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を改善し、グラフトしない重合体が少なく、耐ゲル性
が改善された水溶性グラフト重合体の製造方法について
鋭意検討を重ねた結果本発明を完成するに至った。
【0012】本発明は、エチレンオキサイドを50mo
l%以上構成単位として有する数平均分子量200以上
のポリエーテル化合物(A)に、(メタ)アクリル酸
(b1)40〜90mol%、およびエチレン性不飽和ジ
カルボン酸(b2)10〜60mol%からなる単量体成
分(B)を、ポリエーテル化合物(A)に対して5重量
%以上25重量%未満の使用量でグラフト重合して、水
溶性グラフト重合体を得るに際し、ポリエーテル化合物
(A)に単量体成分(B)を重合開始剤の存在下で実質
的に溶媒を用いず、かつ(b2)の半量以上を予めポリエ
ーテル化合物(A)に混合したのち、残部の単量体成分
(B)および重合開始剤を添加し、120℃以上の温度
でグラフト重合反応させることを特徴とする製造方法で
ある。
【0013】また、本発明はポリエーテル化合物に(メ
タ)アクリル酸およびエチレン性不飽和ジカルボン酸が
グラフトしてなり、耐ゲル性が0.16以下である水溶
性グラフト重合体である。
【0014】本発明で用いられるポリエーテル化合物
(A)は、エチレンオキサイドを50mol%以上構成
単位として有する数平均分子量200以上のものであ
り、エチレンオキサイド、および他のアルキレンオキサ
イドを、水またはアルコールを開始点として公知の方法
で重合することにより得られる。
【0015】ポリエーテルを得るためのアルコールとし
ては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノー
ル、n−ブタノール等の炭素数1〜22の1級アルコー
ル;炭素数3〜18の2級アルコール;t−ブタノール
等の3級アルコール;エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、プロ
ピレングリコール等のジオール類;グリセリン、トリメ
チロールプロパン等のトリオール類;ソルビトール等の
ポリオール類が例示される。
【0016】エチレンオキサイドと共重合可能な他のア
ルキレンオキサイドとしては、特に限定はないがプロピ
レンオキサイド、ブチレンオキサイドが好ましい。ま
た、エチレンオキサイドと共重合可能な他のアルキレン
オキサイドを、全体として50mol%未満にする必要
がある。50mol%以上になると、得られるグラフト
重合体のグラフト率が低下する。さらに、ポリエーテル
化合物(A)として、上記のようにして得られたポリエ
ーテルのすべての末端、または一部の末端の水酸基を炭
素数2〜22の脂肪酸、コハク酸、無水コハク酸、マレ
イン酸、無水マレイン酸、アジピン酸等のジカルボン酸
でエステル化したものも挙げられる。
【0017】また、これらのポリエーテルの分子量は2
00以上である。分子量が200より小さいと、グラフ
トしないポリエーテルが多くなるという問題がある。ま
た分子量が20000以上と高すぎると耐ゲル性が悪く
なると言う問題が生じるため、20000以下であるこ
とが好ましく、より好ましくは6000以下である。
【0018】本発明では、ポリエーテル化合物(A)
に、(メタ)アクリル酸(b1)40〜90mol%、お
よびエチレン性不飽和ジカルボン酸(b2)10〜60m
ol%からなる単量体成分(B)を、ポリエーテル化合
物(A)に対して5重量%以上25重量%未満の使用量
でグラフト重合する必要がある。5重量%より少ない
と、得られるグラフト重合体のカルボン酸密度が少なす
ぎて、各種の性能、例えば多価金属イオンキレート能、
分散能等の性能が満足されない。また、25重量%以上
ではカルボン酸密度が高過ぎて耐ゲル性が悪くなる。
(B)の(A)に対するグラフト重合の使用量は、7〜
23重量%がより好ましく、10〜20重量%が最も好
ましい。
【0019】(メタ)アクリル酸(b1)とエチレン性不
飽和ジカルボン酸(b2)の共重合割合は、(b1)が40
〜90mol%、(b2)が10〜60mol%である。
ここで、(b2)が10mol%未満であると、グラフト
重合体の側鎖部分の分子量が高くなり耐ゲル性が悪くな
る。言い換えると、エチレン性不飽和ジカルボン酸(b
2)を添加することにより、側鎖部分の分子量をコント
ロールすることができ、それにより耐ゲル性を良くする
ことができる。また、(メタ)アクリル酸(b1)が40
mol%より少ないと、マレイン酸(b2)のグラフト重
合体への導入率が低下し、残存する単量体が多くなると
いう問題がある。
【0020】グラフト重合は、重合開始剤の存在下で、
実質的に溶媒を用いずに行われる。重合開始剤として
は、公知のラジカル開始剤を使用することができるが、
有機過酸化物が特に好ましい。
【0021】有機過酸化物として例えば、メチルエチル
ケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイ
ド等のケトンパーオキサイド類;t−ブチルハイドロパ
ーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソ
プロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メンタ
ンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン
−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3
−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等のハイ
ドロパーオキサイド類;ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオ
キサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)p
−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)p−ジイソプロピルヘキシン等のジアル
キルパーオキサイド類;t−ブチルパーオキシアセテー
ト、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパー
オキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフ
タレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイル
パーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロ
ピルカーボネート等のパーオキシエステル類;n−ブチ
ル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレエー
ト、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン等の
パーオキシケタール類;ジベンゾイルパーオキサイド等
のジアシルパーオキサイド類などが挙げられる。
【0022】重合開始剤の量は、特に制限は無いが、単
量体(B)に対して好ましくは0.1〜15重量%、よ
り好ましくは0.5〜10重量%使用する。これより少
なくても多くても、ポリエーテルへの単量体のグラフト
効率が低下する。また、重合開始剤はあらかじめポリエ
ーテルに添加しておくこともできるが、添加する単量体
と同時に添加することもできる。
【0023】グラフト重合は実質的に無溶媒で行われ
る。水またはアルコール、トルエン等の有機溶剤を用い
ると、ポリエーテルへの単量体のグラフト効率が低下す
る。開始剤、モノマー添加の為に溶剤を使用する場合に
は、その量を極力少なく、好ましくは全量に対して5重
量%以下にするか、添加後反応系からただちに留去する
ことが好ましい。
【0024】重合温度は120℃以上、好ましくは12
0℃以上160℃以下で行われる。120℃より低いと
ポリエーテルへの単量体のグラフト効率が低下する。ま
た、160℃より高い温度では、ポリエーテルおよびグ
ラフトポリマーの熱分解が起こるおそれがある。
【0025】グラフト重合の際、ポリエーテル化合物
(A)は、その一部または全量を初期に仕込むことが好
ましい。また、エチレン性不飽和ジカルボン酸(b2)は
使用量の半量以上をポリエーテル化合物(A)と共に初
期に仕込むことが好ましい。そして、残りの単量体と開
始剤を、ポリエーテルを120℃以上に加熱した後、別
々に滴下する。この時、ポリエーテル化合物(A)の一
部を初期に仕込む場合は、残りのポリエーテル化合物
(A)は、開始剤または単量体と混合して滴下すること
もできる。
【0026】得られた重合体は分散剤、スケール防止剤
として、そのまま水やアルコール等の溶剤に溶解して使
用することもできるが、塩基を添加して使用することも
できる。塩基としては、例えばナトリウム塩、カリウム
塩等の1価金属塩、カルシウム塩等の2価金属塩、アル
ミニウム塩等の3価金属塩、アンモニウム塩、モノエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン塩
を挙げることができる。その際には、溶剤として水が好
ましい。
【0027】本発明の製造方法により得られる水溶性グ
ラフト重合体は、適度なカルボン酸密度であり、適度な
分子量であるため固体粒子の分散作用に非常に優れてい
る。また、グラフト率も高く耐ゲル性も良いことから、
液体洗剤に配合した場合でも均一な溶液となり、沈殿、
分離等が生じないため洗剤組成物として使用できる。ま
た、本発明の製造方法により得られる水溶性グラフト重
合体を含む洗剤組成物は、水溶性グラフト重合体を0.
1%〜15%、および界面活性剤および必要に応じて酵
素を配合して使用することができる。
【0028】界面活性剤としては、アニオン界面活性
剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤およびカチオ
ン界面活性剤を使用することができる。
【0029】アニオン界面活性剤としては、例えば、ア
ルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルまたはアルケニ
ルエーテル硫酸塩、アルキルまたはアルケニル硫酸塩、
α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸または
エステル塩、アルカンスルホン酸塩、飽和または不飽和
脂肪酸塩、アルキルまたはアルケニルエーテルカルボン
酸塩、アミノ酸型界面活性剤、N−アシルアミノ酸型界
面活性剤、アルキルまたはアルケニルリン酸エステルま
たはその塩等を挙げることができる。
【0030】ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポ
リオキシアルキレンアルキルまたはアルケニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、高
級脂肪酸アルカノールアミドまたはそのアルキレンオキ
サイド付加物、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリコ
キシド、脂肪酸グリセリンモノエステル、アルキルアミ
ンオキサイド等を挙げることができる。
【0031】両性界面活性剤としては、カルボキシ型ま
たはスルホベタイン型両性界面活性剤等を挙げることが
でき、カチオン界面活性剤としては、第4アンモニウム
塩等を挙げることができる。
【0032】これらの界面活性剤の配合量は、5〜70
重量%配合するのが好適であり、20〜60重量%の配
合がより好ましい。但し、ノニオン性界面活性剤を使用
する場合には、ノニオン性界面活性剤の濃度を50重量
%以上とすることが、洗剤のコンパクト化、洗浄力向上
の目的で好ましく60重量%以上が更に好ましく、70
重量%以上が、最も好ましい。
【0033】本発明の製造方法により得られる水溶性グ
ラフト重合体を含む洗剤組成物に配合される酵素として
は、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ等を使用する
ことができる。特に、アルカリ洗浄液中で活性が高いプ
ロテアーゼ、アルカリリパーゼおよびアルカリセルラー
ゼ等が好ましい。酵素の配合量は、0.01〜5重量%
が好ましい。この範囲を外れると、界面活性剤とのバラ
ンスがくずれ、洗浄力を向上させることができない。
【0034】本発明の製造方法により得られる水溶性グ
ラフト重合体を含む洗剤組成物には、必要に応じて、公
知のアルカリビルダー、キレートビルダー、再付着防止
剤、蛍光剤、漂白剤、香料等の洗剤組成物に常用される
成分を配合してもよい。また、ゼオライトを配合しても
よい。アルカリビルダーとしては、珪酸塩、炭酸塩、硫
酸塩等を用いることができる。キレートビルダーとして
は、ジグリコール酸、オキシカルボン酸塩、EDTA
(エチレンジアミン四酢酸)、DTPA(ジエチレント
リアミン六酢酸)、クエン酸等を必要に応じて使用する
ことができる。
【0035】さらに、本発明の製造方法により得られる
水溶性グラフト重合体は、水に難溶性の無機物または有
機物の分散剤として良好な性能を発揮する。たとえば、
紙コーティングに用いられる重質ないし軽質炭酸カルシ
ウム、クレイ等の無機顔料の分散剤、セメント、石炭な
どの水スラリー用分散剤として良好な性能を発揮する。
その他にも、冷却水系、ボイラー水系、海水淡水化装
置、パルプ蒸解釜、黒液濃縮釜でのスケール防止の水処
理剤、染色助剤や繊維の帯電防止助剤等の繊維処理剤に
も使用することができる。
【0036】さらに、本発明の製造方法により得られる
水溶性グラフト重合体は、架橋剤で架橋することで吸水
性樹脂として使用することができる。本発明の製造方法
により得られる水溶性グラフト重合体はグラフト率が高
いため、架橋剤で架橋してなる吸水性樹脂は可溶分が少
なく、また、ポリエーテルを主鎖に含むために耐塩性の
高い吸水性樹脂が得られる。架橋は公知の方法で行われ
特に制限はないが、好ましくはグラフト重合体のカルボ
ン酸と架橋剤の反応で行われる。
【0037】
【実施例】
(実施例1)温度計、攪拌機、窒素導入管、還流冷却器
を備えたガラス製反応器に、平均分子量1100のモノ
メトキシポリエチレングリコール100重量部、マレイ
ン酸10重量部を仕込んで、窒素気流下、加熱して溶融
混合させ、攪拌下で145℃まで昇温した。次に、温度
を145〜147℃に保ちながら、アクリル酸13重量
部、ジ−t−ブチルパ−オキサイド1.2重量部を別々
に、2時間にわたって連続的に滴下し、その後30分間
攪拌を続けた。冷却後、水酸化ナトリウム水溶液(48
%溶液)を、攪拌しながらpH7.5となる量加え、グ
ラフト重合体1のナトリウム塩水溶液を得た。
【0038】(実施例2)温度計、攪拌機、窒素導入
管、還流冷却器を備えたガラス製反応器に、平均分子量
1100のモノメトキシポリエチレングリコール100
重量部、マレイン酸7重量部を仕込んで、窒素気流下、
加熱して溶融混合させ、攪拌下で145℃まで昇温し
た。次に、温度を145〜147℃に保ちながら、アク
リル酸10重量部、ジ−t−ブチルパ−オキサイド0.
9重量部を別々に、2時間にわたって連続的に滴下し、
その後30分間攪拌を続けた。冷却後、水酸化ナトリウ
ム水溶液(48%溶液)を、攪拌しながらpH7.5と
なる量加え、グラフト重合体2のナトリウム塩水溶液を
得た。
【0039】(比較例1)温度計、攪拌機、窒素導入
管、還流冷却器を備えたガラス製反応器に、平均分子量
1100のポリエチレングリコール100重量部を仕込
んで、窒素気流下、加熱して溶融させ、攪拌下で145
℃まで昇温した。次に、温度を145〜147℃に保ち
ながら、アクリル酸23重量部、ジ−t−ブチルパ−オ
キサイド1.2重量部を別々に、2時間にわたって連続
的に滴下し、その後30分間攪拌を続けた。冷却後、水
酸化ナトリウム水溶液(48%溶液)を加えてpH7.
5にまで中和し、比較グラフト重合体1のナトリウム塩
水溶液を得た。
【0040】(比較例2)温度計、攪拌機、窒素導入
管、還流冷却器を備えたガラス製反応器に、平均分子量
1100のモノメトキシポリエチレングリコール100
重量部、マレイン酸14.6重量部を仕込んで、窒素気
流下、加熱して溶融混合させ、攪拌下で145℃まで昇
温した。次に、温度を145〜147℃に保ちながら、
アクリル酸19.7重量部、ジ−t−ブチルパ−オキサ
イド1.2重量部を別々に、2時間にわたって連続的に
滴下し、その後30分間攪拌を続けた。冷却後、水酸化
ナトリウム水溶液(48%溶液)を、攪拌しながらpH
7.5となる量加え、比較グラフト重合体2のナトリウ
ム塩水溶液を得た。
【0041】(比較例3)温度計、攪拌機、窒素導入
管、還流冷却器を備えたガラス製反応器に、平均分子量
2000のモノメトキシポリエチレングリコール100
重量部、マレイン酸20.4重量部を仕込んで、窒素気
流下、加熱して溶融混合させ、攪拌下で145℃まで昇
温した。次に、温度を145〜147℃に保ちながら、
アクリル酸29.6重量部、ジ−t−ブチルパ−オキサ
イド2.5重量部を別々に、2時間にわたって連続的に
滴下し、その後30分間攪拌を続けた。冷却後、水酸化
ナトリウム水溶液(48%溶液)を、攪拌しながらpH
7.5となる量加え、比較グラフト重合体3のナトリウ
ム塩水溶液を得た。
【0042】(実施例3)実施例1,2及び比較例1,
2及び3で得られたグラフト重合体の耐ゲル性試験を以
下の測定方法で行い、結果を表1にまとめた。
【0043】測定方法 1.硝酸亜鉛6水和物10g、塩化カルシウム2水和物10
g、グラフト重合体のナトリウム塩水溶液(濃度25重
量%)を10g、さらにイオン交換水10gを加え、 トー
タル40gの試験液を調整した。
【0044】2.この試験液を密閉し、80℃の恒温槽中
に30分間静置した後、島津分光光度系で1cm石英セルで
UV波長380nmで吸光度を測定した。
【0045】3.得られた数値をもって耐ゲル性とし
た。
【0046】即ち、ゲル化度の値が小さい方が耐ゲル性
に優れており、0.5以下が好ましく、0.2以下がよ
り好ましい。
【0047】(実施例4)実施例1,2及び比較例1,
2,3で得られたグラフト重合体の洗剤組成物としての
性能を評価するため、以下に示す洗浄性試験を行い、結
果を表5に示した。
【0048】試験法 1.表2に示した成分の人工汚垢を四塩化炭素中に分散
させて人工汚垢液を調整し、綿の白布をこの人工汚垢液
を通した後、乾燥、切断することにより、10cm×1
0cmの汚染布を作成した。
【0049】2.表3に示した洗剤組成物を用いて、表
4に示した洗濯条件で汚染布の洗濯を行い、汚染布を乾
燥した後、反射率の測定を行なった。
【0050】3.以下の式から洗浄率を求めた。
【0051】洗浄率=(洗浄後の反射率−洗浄前の反射
率)/(白布の反射率−洗浄前の反射率)×100 (実施例5)実施例1,2及び比較例1,2,3で得ら
れたグラフト重合体の洗剤組成物としての性能を評価す
るため、以下に示す洗浄性試験を行い、結果を表9に示
した。
【0052】試験法 1.表6に示した成分の人工汚垢を四塩化炭素中に分散
させて人工汚垢液を調整し、綿の白布をこの人工汚垢液
を通した後、乾燥、切断することにより、10cm×1
0cmの汚染布を作成した。
【0053】2.表7に示した洗剤組成物を用いて、表
8に示した洗濯条件で汚染布の洗濯を行い、汚染布を乾
燥した後、反射率の測定を行なった。
【0054】3.以下の式から洗浄率を求めた。
【0055】洗浄率=(洗浄後の反射率−洗浄前の反射
率)/(白布の反射率−洗浄前の反射率)×100
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】
【0060】
【表5】
【0061】
【表6】
【0062】
【表7】
【0063】
【表8】
【0064】
【表9】
【0065】
【発明の効果】本発明で得られた水溶性グラフト重合体
は、エチレンオキサイドを50mol%以上構成単位と
して有する数平均分子量200以上のポリエーテル化合
物(A)に対して、(メタ)アクリル酸(b1)40〜9
0mol%およびエチレン性不飽和ジカルボン酸(b2)
10〜60mol%からなる単量体成分(B)を5重量
%以上25重量%未満の量でグラフト重合することで、
耐ゲル性に優れ、洗剤組成物としての性能も優れている
ことが明確であると言える。
【0066】従って本発明では、グラフトされる単量体
の仕込量を特定範囲とし、さらに単量体成分の中でエチ
レン性不飽和ジカルボン酸を10mol%以上含有させ
ることで耐ゲル性が向上し、洗浄力向上作用も大きく改
良された水溶性グラフト重合体が見い出されたものであ
る。
フロントページの続き (72)発明者 西林 秀幸 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地 の1 株式会社日本触媒 高分子研究所 内 (56)参考文献 特開 平3−177406(JP,A) 特開 平7−53645(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 283/06

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレンオキサイドを50mol%以上構
    成単位として有するポリエーテル化合物(A)に、(メ
    タ)アクリル酸(b1)40〜90mol%およびエチレ
    ン性不飽和ジカルボン酸(b2)10〜60mol%から
    なる単量体成分(B)をポリエーテル化合物(A)に対
    して5重量%以上25重量%未満の比率でグラフトして
    なり、耐ゲル性が0.16以下である水溶性グラフト重
    合体。
  2. 【請求項2】 エチレンオキサイドを50mol%以上
    構成単位として有する数平均分子量200以上のポリエ
    ーテル化合物(A)に、(メタ)アクリル酸(b1)40
    〜90mol%およびエチレン性不飽和ジカルボン酸
    (b2)10〜60mol%からなる単量体成分(B)を
    ポリエーテル化合物(A)に対して5重量%以上25重
    量%未満の使用量でグラフト重合して水溶性グラフト重
    合体を得るに際し、ポリエーテル化合物(A)に単量体
    成分(B)を重合開始剤の存在下で実質的に溶媒を用い
    ず、かつ単量体成分(b2)の使用量の半量以上を予めポ
    リエーテル化合物に混合したのち、残部の単量体成分
    (B)および重合開始剤を添加し、120℃以上の温度
    でグラフト重合反応させることを特徴とする水溶性グラ
    フト重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の水溶性グラフト重合
    体、および界面活性剤を含有してなる洗剤組成物。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の製造方法で得られる水
    溶性グラフト重合体、および界面活性剤を含有してなる
    洗剤組成物。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の製造方法で得られる水
    溶性グラフト重合体0.1%〜15%、およびノニオン
    性界面活性剤50%以上を含有して成る洗剤組成物。
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