JP4041924B2 - 減衰力調整式油圧緩衝器 - Google Patents
減衰力調整式油圧緩衝器 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車両の懸架装置等に装着される減衰力調整式油圧緩衝器に関するものである。
【0002】
自動車等の車両の懸架装置に装着される油圧緩衝器には、路面状況、走行状況等に応じて乗り心地や操縦安定性を向上させるために減衰力を適宜調整できるようにした減衰力調整式油圧緩衝器がある。
【0003】
減衰力調整式油圧緩衝器は、一般に、油液を封入したシリンダ内にピストンロッドを連結したピストンを摺動可能に嵌装してシリンダ内を2室に画成し、ピストン部にシリンダ内の2室を連通させる主油液通路およびバイパス通路を設け、主油液通路には、オリフィスおよびディスクバルブからなる減衰力発生機構を設け、バイパス通路には、その通路面積を調整する減衰力調整弁を設けた構成となっている。なお、シリンダ内の一方の室には、ピストンロッドの伸縮にともなうシリンダ内の容積変化をガスの圧縮、膨張によって補償するリザーバがベースバルブを介して接続されている。
【0004】
そして、ソレノイドアクチュエータ等によって減衰力調整弁を操作し、バイパス通路を開いて、シリンダ内の2室間の油液の流通抵抗を小さくすることにより減衰力を小さくし、また、バイパス通路を閉じて2室間の流通抵抗を大きくすることにより、減衰力を大きくすることができる。このように、減衰力調整弁の開閉により減衰力特性を適宜調整することができる。
【0005】
減衰力調整式油圧緩衝器には、減衰力調整弁として、スプール弁を用いてバイパス通路の流量を調整するようにしたものがある。一般に、スプール弁は、油液の漏れ防止等のために高精度で製造されているので、油液の汚染に対して敏感となっており、油液中に混入した摩耗粉等の異物が摺動部に詰ってスプールが固着する虞がある。スプールが固着した場合、減衰力特性は、スプールの固着位置で固定されることになる。このとき、減衰力特性がソフト側で固定された場合、操縦安定性を確保しにくくなる。また、車両の走行状態に応じて、リアルタイムで減衰力を自動調整して、操縦安定性および乗り心地を向上させるようにしたサスペンション制御装置では、一般にソフト側の減衰力を小さく設定しているので、減衰力特性がソフト側で固定されることが操縦安定性確保の上で特に問題となる。
【0006】
そこで、従来、バイパス通路を遮断する遮断弁(フェイルセーフ弁)を別途設けて、スプールが固着した場合には、遮断弁を閉じてバイパス通路を閉鎖することにより、減衰力特性をハード側に固定し、操縦安定性を確保してフェイルセーフを達成するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のバイパス通路に遮断弁を設けたものでは、次のような問題がある。スプール弁の固着が軽微なものであっても、一旦フェイルと判断され、遮断弁が閉じられて減衰力特性がハード側に固定されると、その後は、復帰の機会が与えられていない。特に上記サスペンション制御装置において、減衰力特性が固定されると、走行性能が著しく限定されるので問題となる。また、上記サスペンション制御装置に好適なものとして、伸び側と縮み側とで、独立した油液通路および減衰力調整機構を備え、伸び側と縮み側とで大小異なる種類の減衰力特性の組合せ(例えば、伸び側がハードで縮み側がソフトまたは伸び側がソフトで縮み側がハードの組合せ)を同時に選択できるようにした減衰力調整式油圧緩衝器では、伸び側および縮み側で2系統の遮断弁が必要となり、スペース上および油圧回路の複雑化の問題を生じる。
【0008】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、減衰力調整弁の弁体が固着した場合に、弁体を強制的に一端へ移動させることができる減衰力調整式油圧緩衝器を提供することを目的とする。
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の減衰力調整式油圧緩衝器は、油液が封入されたシリンダと、該シリンダに接続されたリザーバと、前記シリンダ内に摺動可能に嵌装され該シリンダ内を2つのシリンダ室に画成するピストンと、一端が該ピストンに連結され他端が外部へ延出されたピストンロッドと、該ピストンロッドのストロークによって油液が流通する油液通路と、該油液通路に設けられ油液の流動を制御して減衰力を発生させるとともに弁体を操作し移動させることによって減衰力を調整可能とした減衰力調整弁と、前記ピストンロッドのストロークによって加圧された前記シリンダ内の圧力と前記リザーバ内の圧力との差圧によって前記減衰力調整弁の弁体を一端へ移動させる受圧部材と、前記ピストンロッドのストロークによって加圧された前記シリンダ内の圧力と前記リザーバ内の圧力との差圧を前記受圧部材に作用させる圧力通路と、外部からの通電によって前記圧力通路を開閉する開閉弁とを備えてなることを特徴とする。
【0010】
このように構成したことにより、通常は、開閉弁を閉じて受圧部材を固定し、弁体を移動させて減衰力を調整し、弁体が固着した場合には、開閉弁を開き、シリンダ室とリザーバとの差圧によって受圧部材を移動させて、弁体を強制的に一端へ移動させる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0012】
本発明の第1実施形態について図1および図2を参照して説明する。なお、本実施形態の減衰力調整式油圧緩衝器の油圧緩衝器本体を図2に示し、減衰力発生機構を図1に示す。
【0013】
図2に示すように、油圧緩衝器本体1は、油液が封入されたシリンダ2内にピストン3が摺動可能に嵌装されており、このピストン3によってシリンダ2内がシリンダ上室2aとシリンダ下室2bの2室に画成されている。ピストン3には、ピストンロッド4の一端が連結されており、ピストンロッド4は、シリンダ上室2aを通ってその他端側がシリンダ2の外部へ延出されている。シリンダ下室2bには、シリンダ2の底部に設けられたベースバルブ5を介して油液およびガスが封入されたリザーバ6が接続されている。
【0014】
ピストン3には、シリンダ上下室2a,2b間を連通させる油路7およびこの油路7のシリンダ下室2b側からシリンダ上室2a側への油液の流通のみを許容する逆止弁8が設けられている。また、ベースバルブ5には、シリンダ下室2bとリザーバ6とを連通させる油路9およびこの油路9のリザーバ6側からシリンダ下室2b側への油液の流通のみを許容する逆止弁10が設けられている。油圧緩衝器本体1には、シリンダ上室2aに接続する油路11、シリンダ下室2bに接続する油路12およびリザーバ6に接続する油路13を介して、図1に示す減衰力発生機構14が接続されている。
【0015】
図1に示すように、減衰力発生機構14は、略円筒状のケース15の一端部に、リテーナ16によって、比例ソレノイドアクチュエータ17(以下、アクチュエータ17という)が螺着され、他端部に電磁式開閉弁18(以下、開閉弁18という)が螺着されている。ケース15内は、2つのバルブ部材19,20によって3つの油室15a ,15b ,15c に区画されている。バルブ部材19,20は、油室15b ,15c 内に配置された環状の固定部材21,22とともに、アクチュエータ17に螺着された略円筒状のガイド部材23が挿通され、その先端部に、シリンダ部材24の一端部を螺着して、これらと一体的にケース15に固定されている。シリンダ部材24の他端部は、開閉弁18の先端部に嵌合されている。そして、3つの油室15a ,15b ,15c は、それぞれケース15の側壁に設けられた接続孔25,26,27を介して、油路11,12,13に接続されている。
【0016】
バルブ部材19,20には、それぞれ油室15a ,15b 間、油室15b ,15c 間を連通させる油路28,29が設けられている。バルブ部材19,20の油路28,29の外周側には、環状の弁座30,31が突設され、さらにその外周側に弁座30,31よりも突出高さが大きい環状の弁座32,33が突設されている。そして、内側の弁座30,31には、副ディスクバルブ34,35が着座されている。副ディスクバルブ34,35は、その内周部がバルブ部材19,20に固定され、油路28,29の油室15a ,15b 側の油液の圧力を受けて外周部が撓んで開弁して、その開度に応じて減衰力を発生させるようになっている。また、副ディスクバルブ34,35の外周部には、油路28,29の流通を常時許容するオリフィス34a ,35a (切欠)が設けられている。
【0017】
固定部材21,22の外周部には、それぞれ略円筒状の可動部材36,37が摺動可能に嵌合されている。可動部材36,37は、一端部がフローティングディスク38,39を介してバルブ部材19,20の外側の弁座32,33に着座し、一端部の内側に形成されたフランジ部に、内周部がバルブ部材19,20側に固定され複数積層された円板状の板ばね40,41の外周部が液密的に当接されて、閉弁方向すなわち弁座32,33側へ付勢されている。固定部材21,22、可動部材36,37および板ばね40,41によって、パイロット室42,43が形成されている。板ばね40,41の外周部には、油路28,29とパイロット室42,43とを連通させる固定オリフィス40a ,41a (切欠)が設けられている。
【0018】
そして、弁座32、フローティングディスク38、固定部材21、可動部材36、板ばね40およびパイロット室42によって伸び側パイロット型減衰弁A1(以下、伸び側減衰弁A1という)が構成されており、伸び側減衰弁A1は、油路28側からの油液の圧力を受けて開弁して、その開度に応じた減衰力を発生させ、パイロット室42の内圧を閉弁方向に作用するパイロット圧力としてその開弁圧力を調整するようになっている。また、弁座33、フローティングディスク39、固定部材22、可動部材37、板ばね41およびパイロット室43によって縮み側パイロット型減衰弁A2(以下、縮み側減衰弁A2という)が構成されており、縮み側減衰弁A2は、油路29側からの油液の圧力を受けて開弁して、その開度に応じた減衰力を発生させ、パイロット室43の内圧を閉弁方向に作用するパイロット圧力としてその開弁圧力を調整するようになっている。なお、副ディスクバルブ34,35の開弁圧力は、それぞれ、伸び側減衰弁A1および縮み側減衰弁A2の開弁圧力よりも充分低く設定されている。
【0019】
ガイド部材23の側壁には、パイロット室42,43にそれぞれ連通するポート44,45および油室15b ,15c にそれぞれ連通するポート46,47が設けられている。また、ガイド部材23内には、スプール48(弁体)が摺動可能に嵌装されている。スプール48の外周部には、ガイド部材23のポート44,46およびポート45,47のそれぞれに対向する2つの環状溝49,50が設けられている。環状溝49は、スプール48の軸方向位置に応じた流路面積でポート44,46間を連通させ、また、環状溝50は、スプール48の軸方向位置に応じた流路面積でポート45,47間を連通させ、かつ、伸び側のポート44,46間と縮み側のポート45,47間の流路面積が、一方が大のとき他方が小となり、一方が小のとき他方が大となるように配置されており、さらに、スプール48が図中右側のアクチュエータ17のケースに当接するフェイル位置(閉弁位置)まで移動したとき、ポート44,46間およびポート45,47間の連通を遮断するようになっている。
【0020】
上記の構成において、油路11、接続孔25、油室15a 、油路28、油室15b 、接続孔26、油路12によって、シリンダ上下室2a,2b間を連通させる伸び側主通路が形成されており、固定オリフィス40a 、パイロット室42、ポート44、環状溝49およびポート46によって、伸び側減衰弁A1をバイパスする伸び側副通路(油液通路)が形成されている。また、油路12、接続孔26、油室15b 、油路29、油室15c 、接続孔27および油路13によって、シリンダ下室2bとリザーバ6との間を連通させる縮み側主通路が形成されており、固定オリフィス41a 、パイロット室43、ポート45、環状溝50およびポート47によって、縮み側減衰弁A2をバイパスする縮み側副通路(油液通路)が形成されている。
【0021】
ガイド部材23内のシリンダ部材24側の端部には、摺動部材51が摺動可能に嵌装されており、摺動部材51に突設された当接部52がシリンダ部材24内に突出されている。摺動部材51とスプール48との間には、戻しばね53が介装されており、戻しばね53のばね力によって、摺動部材51は、その肩部がシリンダ部材24に当接して固定され、スプール48は、図中右側へ付勢されて、アクチュエータ29のプランジャ54に当接されている。そして、ガイド部材23のポート44,46とスプール48の環状溝49とで伸び側可変オリフィスB1(減衰力調整弁)が構成され、ガイド部材23のポート45,47と環状溝50とで縮み側可変オリフィスB2(減衰力調整弁)が構成されており、アクチュエータ29への通電電流に応じて、スプール48が戻しばね53のばね力に抗して移動して、伸び側可変オリフィスB1および縮み側可変オリフィスB2、すなわち、ポート44,46間およびポート45,47間の流路面積を同時に調整するようになっている。
【0022】
シリンダ部材24内には、フリーピストン55(受圧部材)が摺動可能に嵌装されており、このフリーピストン55によってシリンダ部材24内がガイド部材23側の油室24a と開閉弁18側の油室24b とに画成されている。油室24a は、リザーバ6側への圧力通路を構成する次の通路、すなわち、摺動部材51に設けられた油路56および油路57、スプール48に設けられた油路58並びにガイド部材23に設けられた油路59を介して油室15c に連通され、さらに、接続孔27および油路13を介してリザーバ6に連通されている。油室24b (減衰力調整弁の上流)は、シリンダ2側への圧力通路を構成する次の通路、すなわち、開閉弁18のポート60、弁室61およびポート62を介して油室15a に連通され、さらに、接続孔25および油路11を介してシリンダ上室2aに連通されている。また、フリーピストン55には、油室24a ,24b 間を連通させるオリフィス通路63(油路56に対して流路面積が充分小さく、1/3程度となっている)が設けられている。そして、フリーピストン55は、摺動部材51の当接部52に当接しており、ガイド部材23側に移動したとき、摺動部材51を押圧してスプール48に当接させ、スプール48を前述のフェイル位置まで移動させるようになっている。
【0023】
開閉弁18は、弁室61内にポート60を開閉するポペット64が設けられており、コイル65への通電によって、ポペット64に連結されたアーマチュア66を移動させてポート60,62間を連通、遮断するものであり、ポペット64は、通常、戻しばね67のばね力によってポート60を開いており、コイル65への通電によってポート60を閉じるようになっている。
【0024】
以上のように構成した本実施形態の作用について次に説明する。
【0025】
通常(正常時)は、開閉弁18のコイル65に通電してポート60を閉じる。この状態では、フリーピストン55のオリフィス通路63によって互いに連通された油室24a と油室24b とは同圧力(リザーバ6側の圧力)となるため、フリーピストン55には推力が生じない。よって、フリーピストン55は、戻しばね53のばね力によって摺動部材51に押圧されて開閉弁18側に移動し、摺動部材51は、その肩部がシリンダ部材24に当接して固定され、戻しばね53によってスプール48に所定の初期荷重が付与される。
【0026】
そして、ピストンロッド4の伸び行程時には、ピストン3の移動にともない、ピストン3の逆止弁8が閉じ、シリンダ上室2a内の油液が加圧されて、伸び側主通路(油路11、接続孔25、油室15a 、油路28、油室15b 、接続孔26、油路12)および伸び側副通路(固定オリフィス40a 、パイロット室42、ポート44、環状溝49およびポート46)を通ってシリンダ下室2bへ流れる。また、ピストンロッド4がシリンダ2内から退出した分の油液がリザーバ6から逆止弁10を開いてシリンダ下室2bへ流れる。
【0027】
ピストン速度が小さく、伸び側減衰弁A1の開弁前は、油液が伸び側副通路を通って伸び側減衰弁A1をバイパスすることにより、副ディスクバルブ34、オリフィス34a 、固定オリフィス40a および伸び側可変オリフィスB1によって減衰力が発生する。このとき、副ディスクバルブ34の開弁前は、オリフィス34a によってオリフィス特性(減衰力がピストン速度の2乗にほぼ比例する)の減衰力が発生し、副ディスクバルブ34の開弁後は、その開度に応じてバルブ特性(減衰力がピストン速度にほぼ比例する)の減衰力が発生することにより、ピストン速度の低速域において適切な減衰力を得ることができる。
【0028】
ピストン速度が大きくなり、シリンダ上室2a側の圧力が上昇して伸び側減衰弁A1が開弁すると、その開度に応じて減衰力が発生する。そして、伸び側可変オリフィスB1の流量面積が小さいほど、圧力損失が大きく、その上流側のパイロット室42内のパイロット圧力が高くなり、伸び側減衰弁A1の開弁圧力が高くなる。よって、アクチュエータ29への通電電流によって、伸び側可変オリフィスB1の流路面積を調整することにより、直接オリフィス特性を調整するとともに、伸び側減衰弁A1のパイロット圧力を変化させてバルブ特性を調整することができ、減衰力特性の調整範囲を広くすることができる。
【0029】
ピストンロッド4の縮み行程時には、ピストン3の移動にともない、ピストン3の逆止弁8が開いてシリンダ下室2bの油液が油路7を通ってシリンダ上室2aに直接流入することによってシリンダ上下室2a,2bがほぼ同圧力となるので、減衰力発生機構14の接続孔25,26間では油液の流れが生じない。一方、ピストンロッド4のシリンダ2内への侵入によってベースバルブ5の逆止弁10が閉じ、ピストンロッド4がシリンダ2内に侵入した分の油液が加圧されて、シリンダ下室2bから縮み側主通路(油路12、接続孔26、油室15b 、油路29、油室15c 、接続孔27および油路13)および縮み側副通路(固定オリフィス41a 、パイロット室43、ポート45、環状溝50およびポート47)を通ってリザーバ6へ流れる。
【0030】
ピストン速度が小さく、縮み側減衰弁A2の開弁前は、油液が縮み側副通路を通って縮み側減衰弁A2をバイパスすることにより、副ディスクバルブ35、オリフィス35a 、固定オリフィス41a および縮み側可変オリフィスB2によって減衰力が発生する。このとき、副ディスクバルブ35の開弁前は、オリフィス35a によってオリフィス特性の減衰力が発生し、副ディスクバルブ35の開弁後は、その開度に応じてバルブ特性の減衰力が発生することにより、ピストン速度の低速域において適切な減衰力を得ることができる。
【0031】
ピストン速度が大きくなり、シリンダ2側の圧力が上昇して縮み側減衰弁A2が開弁すると、その開度に応じて減衰力が発生する。そして、縮み側可変オリフィスB2の流量面積が小さいほど、圧力損失が大きく、その上流側のパイロット室43内のパイロット圧力が高くなり、縮み側減衰弁A2の開弁圧力が高くなる。よって、アクチュエータ29への通電電流によって縮み側可変オリフィスB2の流路面積を調整することにより、直接オリフィス特性を調整するとともに、縮み側減衰弁A2のパイロット圧力を変化させてバルブ特性を調整することができ、減衰力特性の調整範囲を広くすることができる。
【0032】
このように、アクチュエータ29への通電電流に応じて、スプール48を移動させることよって、伸び側可変オリフィスB1および縮み側可変オリフィスB2の流路面積をそれぞれ変化させることにより、伸び側と縮み側とでそれぞれ減衰力特性を調整することができる。このとき、伸び側可変オリフィスB1と縮み側可変オリフィスB2の流路面積が、一方が大のとき他方が小となり、一方が小のとき他方が大となるように各ポート44,45,46,47およびスプール48の環状溝49,50が配置されているので、伸び側と縮み側とで大小異なる種類の減衰力特性の組合せ(例えば、伸び側がハードで縮み側がソフトまたは伸び側がソフトで縮み側がハードの組合せ)を同時に選択することができる。
【0033】
また、スプール48の摺動部に異物が詰ってスプール48が固着される等のフェイル発生時には、開閉弁18のコイル65への通電を停止する。なお、フェイルの発生は、▲1▼アクチュエータ17のプランジャ54の変位を検出する、▲2▼アクチュエータ17のコイルのインダクタンス変化を検出する、▲3▼アクチュエータ17のコイルの抵抗変化(電流変化)を検出する、または、▲4▼減衰力の変化を検出する等によって検知することができる。
【0034】
この状態では、開閉弁18のポート60,62および弁室61を介して油室24b と油室15a とが連通されるので、ピストンロッド4のストロークにともなうピストン3の移動によって加圧されたシリンダ上下室2a,2bの高圧の油液が油室24b 内に導入される。一方、油室24a は、比較的低圧のリザーバ6側の圧力となっている(油室24a ,24b 間は、オリフィス通路63によって連通されているが、その通路面積がリザーバ6側への油路に対して充分小さいため、油室24a 内の圧力はほぼリザーバ6と同圧力となる)。このため、油室24a ,24b 間の差圧によって、フリーピストン55がガイド部材23側へ移動する。これにより、フリーピストン55が摺動部材51を押圧してスプール48に当接させ、摺動部材51がスプール48を押圧してフェイル位置まで強制的に移動させて、伸び側および縮み側可変オリフィスB1,B2を閉じる。このようにして、伸び側および縮み側の減衰力特性をハード側へ切り換えることができ、車両の操縦安定性を確保することができる。
【0035】
ここで、図1に基づき、正常時におけるアクチュエータ17によるスプール48の移動領域αと、フェイル発生時における開閉弁18によるスプール48の移動領域βについて説明する。
【0036】
まず、領域αについて説明すると、図1の状態は、伸び側可変オリフィスB1が完全に閉じられた状態(全閉)、および、縮み側可変オリフィスB2が最も開けられた状態(全開)を示し、このとき、減衰力は伸び側ハード/縮み側ソフトを呈する値を示す。この状態からアクチュエータ17によってスプール48を駆動することにより、αの領域内でスプール48は、図中左方に移動して伸び側可変オリフィスB1は徐々に開かれ、一方、縮み側可変オリフィスB2は徐々に閉じられてが減衰力が調整(変更)される。そして、スプール48がαの領域内で図中最左方(スプール48の左端側が摺動部材51の右端側に当接する位置)まで移動したときの減衰力は、伸び側可変オリフィスB1が最も開けられた状態(全開)、また、縮み側可変オリフィスB2が完全に閉じられた状態(全閉)となるので、伸び側ソフト/縮み側ハードを呈する値になる。
【0037】
次に、移動領域βについて説明すると、例えば、図1の状態でフェイルが発生した場合、開閉弁18の作動によりフリーピストン55が移動し、摺動部材51を介してスプール48は図中右方に強制的に移動される。そしてスプール48がβの領域分移動(図中最右方まで移動)すると、伸び側可変オリフィスB1は完全に閉じられた状態(全閉)が維持され、一方、縮み側可変オリフィスB2も完全に閉じられた状態(全閉)となり、その結果、減衰力は伸び側/縮み側共にハードを呈する値になる。
【0038】
また、スプール48が図中最左方(減衰力が伸び側ソフト/縮み側ハードを呈する値にあるとき)にある状態でフェイルが発生した場合について述べると、上記と同様に開閉弁18の作動によりスプール48は図中右方に強制的に移動させられ(α+βの領域分移動)、減衰力は伸び側/縮み側共にハードを呈する値になる。
【0039】
このとき、フリーピストン55には、ピストンロッド4のストロークによってシリンダ2内で発生する大きな変動圧力が作用するため、スプール48には、大きな衝撃荷重が繰り返し作用することになり、スプール48が金属片の噛み込み等によって強固に固着されている場合でも、フェイル位置まで確実に強制的に移動させることができる。また、フリーピストン55によってスプール48を強制的に移動させることにより、スプール48の固着を解消できる可能性が高く、開閉弁18のコイル65への通電を停止した後、通常作動状態に復帰させてスプール48の作動を確認することにより、軽微なスプール48の固着によるフェイルから減衰力制御を復帰することができる。さらに、1つの開閉弁18によって伸び側および縮み側の減衰力特性をハード側に切り換えるようにしたので、油圧回路が複雑になることもなく、油圧緩衝器の小型化を図ることができる。
【0040】
なお、フリーピストン55のオリフィス通路63の流路面積を充分小さくして、油室24b から油室24a へ伝達される圧力を小さくすることにより、油室24a ,24b 間の差圧を維持しやすくなるので、開閉弁18のポート60の流路面積を小さくすることができ、ポペット64の駆動力を低減して開閉弁18を小型化および省電力化することができる。また、フェイル発生時、すなわち、開閉弁18の開弁時に、シリンダ上下室2a,2b側からオリフィス通路63を介してリザーバ6側へ流れる油液の流量を絞って、低ピストン速度域での減衰力の低下を防止することができる。
【0041】
次に、本発明の第2実施形態について、図3を参照して説明する。なお、第2実施形態は、上記第1実施形態に対して、減衰力発生機構の受圧部材の構造が異なる以外は、概略同様の構成であるから、上記第1実施形態のものと同様の部分には同一の番号を付して異なる部分についてのみ詳細に説明する。
【0042】
図3に示すように、第2実施形態に係る減衰力発生機構68では、ガイド部材23の先端部にケース69の一端側が螺着されており、ケース69の他端側には、開閉弁18の先端部が嵌合されている。ケース69の内部には、リテーナ70およびスペーサ71によって可撓性のディスクプレート72(受圧部材)が取付けられており、このディスクプレート72によって、ケース69の内部がガイド部材23内に連通する油室69a と開閉弁18のポート60にスペーサ71の油路71a を介して連通する油室69b とに画成されている。ディスクプレート72には、油室69a と油室69b とを互いに連通させるオリフィス73が設けられている。そして、戻しばね53のばね力によって肩部がケース69に当接して固定された摺動部材51の当接部52の先端がディスクプレート72に当接している。
【0043】
このように構成したことにより、開閉弁18の閉弁時(通常時)には、ディスクプレート72のオリフィス73によって互いに連通された油室69a と油室69b とは、第1実施形態のものと同様、同圧力(リザーバ6側の圧力)となるため、ディスクプレート72には推力が生じない。よって、ディスクプレート72は、初期位置にあり、摺動部材51は、その肩部がケース69に当接して固定され、戻しばね53によって、スプール48に所定の初期荷重が付与される。
【0044】
また、開閉弁18の開弁時(フェイル発生時)には、第1実施形態のものと同様に、ピストンロッド4のストロークにともなうピストン3の移動によって加圧されたシリンダ上下室2a,2bの高圧の油液が油室69b 内に導入され、一方、油室69a は、比較的低圧のリザーバ6側の圧力となっている。このため、油室69a ,69b 間の圧力差によって、ディスクプレート72がガイド部材23側に撓んで摺動部材51を押圧してスプール48に当接させ、摺動部材51がスプール48を押圧してフェイル位置まで強制的に移動させて、伸び側および縮み側可変オリフィスB1,B2を閉じる。
【0045】
これにより、上記第1実施形態のものと同様の作用、効果を奏することができる。さらに、第2実施形態のものでは、ディスクプレート72(受圧部材)に摺動部がなく、構造が簡単であるから、製造コスト低減および油圧緩衝器の小型化を図ることができる。
【0046】
なお、上記第1および第2実施形態では、受圧部材の圧力通路を開閉する開閉弁としてポペット64を用いた電磁式開閉弁18を使用したものを示したが、本発明は、これに限らず、例えば、開閉弁として回転板(シャッタ)を用い、この回転板をモータ等のアクチュエータで駆動する、いわゆるロータリシャッタによって受圧部材の圧力通路を開閉するようにしてもよい。
【0047】
また、上記第1および第2実施形態では、スプールの移動によってオリフィス特性およびバルブ特性を同時に調整することができ、また、伸び側と縮み側とで大小異なる種類の減衰力特性を選択することができる減衰力調整式油圧緩衝器に本発明を適用した場合について説明しているが、これに限らず、本発明は、減衰力調整弁の弁体を移動させることによって減衰力を調整するものであれば、この他の形式の減衰力調整式油圧緩衝器にも同様に適用することができる。
【0048】
さらに、上記第1および第2実施形態では、ソフト側の減衰力をごく小さく設定しているいわゆるセミアクティブサスペンションに適用し、ソフト側でスプールが固着した状態になるのを防止し、スプールを一端に強制移動させてハード側に減衰力を固定してフェイルセーフを達成するものを示したが、本発明はこれに限らず、例えば、減衰力が通常使用領域でソフト(ミディアム)側に設定され、制動時および加速時において減衰力をハード側に調整し、車体の姿勢変化(ノーズダイブ、スクウォット)を抑制するものにおいては、ハード側でスプールが固着した場合、乗り心地の悪化を招くため、ソフト(ミディアム)側に減衰力を固定するようにフェイルセーフを達成するようにしてもよい。
【0049】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の減衰力調整式油圧緩衝器によれば、通常は、開閉弁を閉じて受圧部材を固定し、弁体を移動させることにより、減衰力を調整することができ、弁体が固着した場合には、開閉弁を開き、シリンダ室とリザーバとの差圧によって受圧部材を移動させて、弁体を強制的に一端へ移動させることにより、減衰力特性を切り換えることができ、車両の操縦安定性、乗り心地を確保してフェイルセーフを達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る減衰力調整式油圧緩衝器の油圧緩衝器本体を示す油圧回路図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る減衰力調整式油圧緩衝器の減衰力発生機構の縦断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る減衰力調整式油圧緩衝器の減衰力発生機構の縦断面図である。
【符号の説明】
2 シリンダ
2a シリンダ上室
2b シリンダ下室
3 ピストン
4 ピストンロッド
6 リザーバ
18 電磁式開閉弁(開閉弁)
48 スプール(弁体)
55 フリーピストン(受圧部材)
56,57,58,59 油路(圧力通路)
60,62 ポート(圧力通路)
61 弁室(圧力通路)
72 ディスクプレート(受圧部材)
B1 伸び側可変オリフィス(減衰力調整弁)
B2 縮み側可変オリフィス(減衰力調整弁)
Claims (1)
- 油液が封入されたシリンダと、該シリンダに接続されたリザーバと、前記シリンダ内に摺動可能に嵌装され該シリンダ内を2つのシリンダ室に画成するピストンと、一端が該ピストンに連結され他端が外部へ延出されたピストンロッドと、該ピストンロッドのストロークによって油液が流通する油液通路と、該油液通路に設けられ油液の流動を制御して減衰力を発生させるとともに弁体を操作し移動させることによって減衰力を調整可能とした減衰力調整弁と、前記ピストンロッドのストロークによって加圧された前記シリンダ内の圧力と前記リザーバ内の圧力との差圧によって前記減衰力調整弁の弁体を一端へ移動させる受圧部材と、前記ピストンロッドのストロークによって加圧された前記シリンダ内の圧力と前記リザーバ内の圧力との差圧を前記受圧部材に作用させる圧力通路と、外部からの通電によって前記圧力通路を開閉する開閉弁とを備えてなることを特徴とする減衰力調整式油圧緩衝器。
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