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JP3938252B2 - 多翼送風機 - Google Patents

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JP3938252B2
JP3938252B2 JP28241398A JP28241398A JP3938252B2 JP 3938252 B2 JP3938252 B2 JP 3938252B2 JP 28241398 A JP28241398 A JP 28241398A JP 28241398 A JP28241398 A JP 28241398A JP 3938252 B2 JP3938252 B2 JP 3938252B2
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孝昭 中曽根
融 甲斐
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松下エコシステムズ株式会社
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、換気送風機器に使用される多翼送風機に関する。なお、フロントパネルと羽根車間のフロント補助舌部高さ、および羽根車部の主舌部高さ、およびバックパネルと羽根車間のバック補助舌部高さは、いずれも、羽根車の中心線からの高さである。
【0002】
【従来の技術】
従来の多翼送風機は図8および図9に示す構成が一般的であった。
【0003】
以下、その構成について図を参照しながら説明する。
図に示すように多翼送風機本体101は、ベルマウス形状113の吸込口105を設けたフロントパネル102Bと吸込口を持たないバックパネル102Cに挟まれた渦巻き状の通風路102Aをもつスクロールケーシング102とこの内部に電動機103の軸103A端部に係止された複数のブレード104Aから成る羽根車104と、吸込口105、吐出口106を有した構成となっている。
【0004】
上記構成において、電動機103の回転軸が回転することにより羽根車104が回転し、空気107が吸込口105より吸い込まれ、スクロールケーシング102内に流入し、羽根車104の回転により昇圧され、吐出口106から吐出されることとなる。
【0005】
この多翼送風機は羽根車104の外周108における羽根車104の側板109側と主板110側の周速分布が均一ではなく、送風機静圧が大きくなると舌部111周辺で羽根車104の側板109側および主板110側とバックパネル102Cの隙間で逆流112が発生し、とくに舌部111付近での逆流112が大きく発生していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の多翼送風機においては、送風機静圧が大きくなるとフロントパネルおよびバックパネルと羽根車間の舌部周辺で逆流が大きく発生するという課題があり、省エネルギーによる羽根車の効率向上が要求されている。
【0007】
本発明は、このような従来の課題を解決するもので、送風機が圧力時に発生するフロントパネルと羽根車間の逆流による送風機効率の低下を抑えることによって羽根車の特性を向上することができ、またバックパネルと羽根車間のクリアランスが大きい場合において、圧力の低い羽根車裏側へ流れる逆流を抑えることによって羽根車の特性を向上することができ、またフロントパネルと羽根車間の舌部高さ、羽根車部の舌部高さおよびバックパネルと羽根車間の舌部高さの最適化ができ、更に高静圧時の特性を向上することができる多翼送風機を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の多翼送風機は上記目的を達成するために、主板と側板で挟むように取り付けられた複数のブレードを備えた羽根車と、この羽根車の周囲に舌部を起点として渦巻き状の通風路を形成し、前記羽根車の側板側にベルマウス形状の吸込口を設けたフロントパネルと吸込口をもたないバックパネルによって前記渦巻き状通風路を挟むようにスクロールケーシングが形成され、前記主板に回転力を与える軸を備え、前記舌部形状において前記フロントパネルと前記羽根車間のフロント補助舌部舌部曲率半径R1を前記羽根車部の主舌部曲率半径R2より小さくし、前記フロントパネルと前記羽根車間のフロント補助舌部高さを前記羽根車部の主舌部高さより高くし、バックパネルと羽根車間のバック補助舌部曲率半径R3を羽根車部の主舌部曲率半径R2より小さくし、前記羽根車部の主舌部曲率半径を前記主板側から前記側板側に小さくし、バックパネルと羽根車間の補助舌部高さを羽根車部の主舌部高さより高くするものである。
【0011】
本発明によれば、バックパネルと羽根車間のクリアランスが大きい場合において、圧力の低い羽根車裏側へ流れる逆流を抑えることによって羽根車の特性を向上することができる多翼送風機が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明は、主板と側板で挟むように取り付けられた複数のブレードを備えた羽根車と、この羽根車の周囲に舌部を起点として渦巻き状の通風路を形成し、前記羽根車の側板側にベルマウス形状の吸込口を設けたフロントパネルと吸込口をもたないバックパネルによって前記渦巻き状通風路を挟むようにスクロールケーシングが形成され、前記主板に回転力を与える軸を備え、前記舌部形状において前記フロントパネルと前記羽根車間のフロント補助舌部舌部曲率半径R1を前記羽根車部の主舌部曲率半径R2より小さくし、前記フロントパネルと前記羽根車間のフロント補助舌部高さを前記羽根車部の主舌部高さより高くし、バックパネルと羽根車間のバック補助舌部曲率半径R3を羽根車部の主舌部曲率半径R2より小さくし、前記羽根車部の主舌部曲率半径を前記主板側から前記側板側に小さくし、バックパネルと羽根車間のバック補助舌部高さを羽根車部の主舌部高さより高くしたものであり、高静圧時にスクロールケーシング内で羽根車裏側の圧力とバックパネルの圧力差より発生する逆流をバックパネルと羽根車間の舌部高さを高くすることにより流れにくくし、逆流を減らし送風機効率の低下を抑える作用を有する。
【0017】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0018】
【実施例】
参考例1)
従来例と同一箇所には同一番号を付し、詳細な説明は省略する。
【0019】
図1〜図4に示すように、主板110と側板109で挟むように取り付けられた複数のブレード104Aを備えた羽根車104と、この羽根車104の周囲に舌部111を起点として渦巻き状の通風路102Aを形成し、羽根車104の側板109側にベルマウス形状113の吸込口105を設けたフロントパネル102Bと吸込口をもたないバックパネル102Cによって渦巻き状通風路102Aを挟むようにスクロールケーシング102が形成され、主板110に回転力を与える軸103Aを備え、舌部111形状においてフロントパネル102Bと羽根車104間の舌部曲率半径R1を羽根車104部の舌部曲率半径R2より小さくし、フロントパネル102Bと羽根車104間のフロント補助舌部1高さを羽根車104部の主舌部2高さより高くする構成となっている。
【0020】
上記構成により、スクロールケーシング102内で羽根車104外周の圧力とフロントパネル102Bと羽根車104間の圧力差より発生する逆流112をフロント補助舌部1高さを高くすることにより流れにくくするため、送風機が圧力時に発生するフロントパネル102Bと羽根車104間の逆流112による送風機効率の低下を抑えることによって羽根車104の特性を向上することができる。
【0021】
なお、参考例では舌部111曲率半径を羽根車104の主板110側から側板109側へ同等とする多翼送風機を用いたが、舌部111曲率半径を主板110側から側板109側に小さくした多翼送風機を用いてもよく、その作用効果にほとんど差異を生じない。
【0022】
(実施例
図5(参考例2)および図6(実施例1)を参照しながら説明する。
【0023】
なお、従来例および第1参考例と同一箇所には同一番号を付し、詳細な説明は省略する。
【0024】
図に示すように、バックパネル102Cと羽根車104間の舌部111曲率半径R3を羽根車104部の舌部111曲率半径R2より小さくし、バックパネル102Cと羽根車104間のバック補助舌部3高さを羽根車104部の主舌部2高さより高くする構成となっている。
【0025】
上記構成により、バックパネル102Cと羽根車104間において圧力の低い羽根車104裏側へ流れる逆流112をバック補助舌部3高さを高くすることにより流れにくくするため、送風機が圧力時に発生するバックパネル102Cと逆流112による送風機効率の低下を抑えることによって羽根車104の特性を向上することができる。
【0026】
なお、参考例2では舌部111曲率半径を羽根車104の主板110側から側板109側へ同等とする多翼送風機を用いたが、実施例1では舌部111曲率半径を主板110側から側板109側に小さくした多翼送風機を用いる。
【0027】
参考例3)
図7を参照しながら説明する。
【0028】
なお、従来例および第1参考例と同一箇所には同一番号を付し、詳細な説明は省略する。
【0029】
図に示すように、フロントパネル102Bと羽根車104間の舌部111曲率半径をR1、羽根車104部の舌部111曲率半径をR2、バックパネル102Cと羽根車104間の舌部111曲率半径をR3、羽根車104の外径をD、フロントパネル102Bと羽根車104間のフロント補助舌部1高さをA1、羽根車104部の主舌部2高さをA2、バックパネル102Cと羽根車104間のバック補助舌部3高さをA3としたとき、0.475D<A1<0.49D、0.4D<A2<0.475Dおよび0.475D<A3<0.49Dの関係が成り立つ構成となっている。
【0030】
上記構成により、フロントパネル102Bと羽根車104間のフロント補助舌部1高さ、羽根車104部の主舌部2高さ、バックパネル102Cと羽根車104間のバック補助舌部3高さの最適化ができ、更に高静圧時の特性を向上することができる。
【0031】
【発明の効果】
以上の実施例から明らかなように、本発明によれば、送風機が圧力時に発生するフロントパネルと羽根車間の逆流による送風機効率の低下を抑えることによって羽根車の特性を向上し、バックパネルと羽根車間において圧力の低い羽根車裏側へ流れる逆流を抑えることによって羽根車の特性を向上する多翼送風機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例1の側面図
【図2】 同正面図
【図3】 同風量−静圧、風量−効率の特性図
【図4】 同他の参考例の側面図
【図5】 参考例2の側面図
【図6】 本発明の実施例の側面図
【図7】 参考例3の正面図
【図8】 従来の多翼送風機の斜視図
【図9】 同側断面図
【符号の説明】
1 フロント補助舌部
2 主舌部
3 バック補助舌部
101 多翼送風機本体
102 スクロールケーシング
102A 通風路
102B フロントパネル
102C バックパネル
103 電動機
103A 軸
104 羽根車
104A ブレード
105 吸込口
106 吐出口
107 空気
108 外周
109 側板
110 主板
111 舌部
112 逆流
113 ベルマウス形状

Claims (1)

  1. 主板と側板で挟むように取り付けられた複数のブレードを備えた羽根車と、この羽根車の周囲に舌部を起点として渦巻き状の通風路を形成し、前記羽根車の側板側にベルマウス形状の吸込口を設けたフロントパネルと吸込口をもたないバックパネルによって前記渦巻き状通風路を挟むようにスクロールケーシングが形成され、前記主板に回転力を与える軸を備え、前記舌部形状において前記フロントパネルと前記羽根車間のフロント補助舌部舌部曲率半径R1を前記羽根車部の主舌部曲率半径R2より小さくし、前記フロントパネルと前記羽根車間のフロント補助舌部高さを前記羽根車部の主舌部高さより高くし、バックパネルと羽根車間のバック補助舌部曲率半径R3を前記羽根車部の主舌部曲率半径R2より小さくし、前記羽根車部の主舌部曲率半径を前記主板側から前記側板側に小さくし、前記バックパネルと前記羽根車間のバック補助舌部高さを前記羽根車部の主舌部高さより高くした多翼送風機。
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