JP3936898B2 - 時刻情報取得方法及び電波修正時計 - Google Patents
時刻情報取得方法及び電波修正時計 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、時刻情報を含む複数の周波数から1つの周波数を択一的に選択受信して時刻情報を獲得する改良された方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、日本では総務省通信総合研究所が送信周波数40kHz(福島局)及び60kHz(福岡局)の2つの送信周波数を使用して時刻情報を含んだ長波標準電波を発信・運用している。この長波標準電波に含まれる時刻情報の信号は、1分間を1サイクルとして、分情報、時情報、1月1日からの通算日情報、下2桁年情報などの情報を含んだバイナリコードを直列に送信している。具体的には、1秒周期フレーム内の矩形パルスを使用して、1ビット情報の“0”、“1”を矩形パルス幅(継続時間)の800ms、500msで表し、マーカP情報を、同じ1秒周期フレーム内のパルス幅が200msの矩形パルスを使用して表している。
【0003】
このような長波標準電波を受信して時刻情報を更新すると正確な時刻更新ができるから、定期的に時刻情報を含む長波標準電波を受信して修正する装置を用いた電波修正時計が製造されている。この場合、時刻情報を含んだ電波が送信周波数40kHzと60kHzの複数あるから、それだけ電波修正時計が時刻情報を受信できる確率が高くなる。すなわち、時刻情報を含んだ複数の送信周波数40kHz及び60kHzの電波の中のどちらか1つ受信状態の良い方の周波数を選択的に受信して時刻情報を獲得して時刻修正に利用すれば、電波修正時計を広い使用範囲・用途に使用することができる。
【0004】
2001年3月30日に出願された先願の特願2001−99859号には、時刻情報を受信する前に、時刻情報を含む2つの周波数40kHz及び60kHzの電波の各々の受信状態を比較して受信しやすい方の周波数を選択して(すなわち、局選択して)、受信を行なう時刻情報取得方法及びその装置が提案されている。また、他の例としては、一方の周波数で一度受信に成功すると、以降は、この周波数の受信を所定回数に失敗した後で局選択を実施するまでは、同じ周波数(すなわち、同じ局)で受信を続けるというものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、時刻情報を受信する前に、時刻情報を含む2つの周波数40kHz及び60kHzの電波の各々の受信状態を比較して受信しやすい方の周波数を選択して受信する操作を行なうと、2つの電波を受信してその受信状態の比較、選択及び受信動作に要する時間だけ受信時間が長くなる。このため、電力を消費し、電池を使用する場合は電池寿命が短くなるという問題点を有していた。
【0006】
また、一方の周波数で一度受信に成功すると以降は所定回数連続して受信に失敗するまで、同じ周波数で受信するようにして、電力消費の大きい局選択操作を極力少なくする工夫をしている場合、所定回数をあまり大きくすると電力節約にはなるが、時刻情報の取得と時刻の修正が困難になる。逆に、所定回数を小さくしずぎると電力節約にならない。
本発明は、上記の問題点を解決することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された本発明は、複数の周波数で送信される標準時刻を含む電波の中から1つの周波数の電波を選択的に受信する受信動作を間欠的に行い、前記受信動作中に受信に成功した前記電波から前記標準時刻情報を取得する時刻情報取得方法であって、1回の受信動作時に1つの周波数の電波の受信のみを行い、当該1つの周波数の電波の受信に失敗した場合、次回の受信動作時は前回の受信動作で受信に失敗した周波数とは異なる周波数の電波のみを受信する時刻情報取得方法を提供する。
【0009】
請求項1に記載された本発明は、複数の周波数で送信される標準時刻を含む電波の中から1つの周波数の電波を選択的に受信する受信動作を間欠的に行い、前記受信動作中に受信に成功した前記電波から前記標準時刻情報を取得する時刻情報取得方法であって、1回の受信動作時に1つの周波数の電波の受信のみを行い、当該1つの周波数の電波の受信に失敗した場合、次回の受信動作時刻が所定の時刻の場合は前記複数の周波数の電波を受信して各々の受信状態を比較して前記1つの周波数の電波を選択して受信し、次回の受信動作時刻が前記所定の時刻と異なる場合は前回の受信動作で受信に失敗した周波数とは異なる周波数の電波のみを受信する時刻情報取得方法を提供する。
【0010】
請求項1に記載された本発明によれば、1回の受信動作時に1つの周波数の電波の受信のみを行い、当該1つの周波数の電波の受信に失敗した場合、次回の受信動作時刻が所定の時刻の場合は前記複数の周波数の電波を受信して各々の受信状態を比較して前記1つの周波数の電波を選択して受信し、次回の受信動作時刻が前記所定の時刻と異なる場合は前回の受信動作で受信に失敗した周波数とは異なる周波数の電波のみを自動的に選択して受信する。これは、電力の消耗が大きい受信状態の比較による選択操作はむやみに行なうのではなく、例えば1日の中で比較的雑音源が少なくて電波の受信状態の良い深夜等の所定時刻で行なうことで時刻情報の獲得の可能性を向上させ、その他の時間帯は、前回受信に失敗した周波数は次回にも失敗する確率が高いという経験則を使用して、異なる周波数を自動的に選択することにより、電力の浪費を避けている。この方法によれば、例えば雑音源の少ない時間を選んで少なくと1日1回は電波の受信状態の比較をして良い方を選択して受信することで、電源電池の節約と時刻情報の獲得の可能性を向上できる。
【0011】
請求項2に記載された本発明は、複数の周波数で送信される標準時刻を含む電波の中から1つの周波数の電波を選択的に受信する受信動作を間欠的に行い、前記受信動作中に受信に成功した前記電波から前記標準時刻情報を取得する時刻情報取得方法であって、1回の受信動作時に前記複数の周波数の電波を受信して各々の受信状態を比較して前記1つの周波数の電波を選択して受信する受信動作を行った際に前記比較結果によりいずれの周波数も受信不良と判断されて受信に失敗した場合、次回の受信動作時は選択可能な複数の周波数のうち予め選択された特定の1つの周波数の電波のみを受信する時刻情報取得方法を提供する。
【0012】
請求項2に記載された本発明によれば、受信状態の比較操作をしても、いずれの周波数も受信できなかった場合は、次回の受信動作時は比較動作せずに特定周波数、例えば、40kHz、の電波を受信するようにする。複数の周波数の電波の各々の受信状態を比較して良い方を選択受信する動作でいずれの周波数の受信にも失敗した場合は、例えば、近くに強い雑音を出す雑音源が存在するか又は複数の電波の伝搬状態が共に不良な場合等の可能性があり、次回の受信動作時も時間的に前回と近接しているため、同様な状態が継続していて、たとえ比較選択動作しても同様に受信に失敗する可能性が高い。従って、このような場合は、電力の消耗の大きい比較選択動作を止めて、受信に成功するまで特定の周波数の電波の受信を行なう。このようにすれば、無駄な比較選択受信操作による電力の浪費を回避する共に、時間が経つことにより電波の伝搬状態の回復又は雑音源が消滅して、特定の周波数の電波の受信が可能になることを待って受信の成功と時間情報の獲得ができる。
【0013】
請求項3に記載された本発明は、選択可能な複数の周波数のうち前記特定の1つの周波数の電波の受信に失敗した場合、その次の受信動作時は選択可能な複数の周波数のうち、前回選択した前記特定の1つの周波数と異なる周波数の電波のみを受信する請求項3に記載の時刻情報取得方法を提供する。
【0014】
請求項3に記載された本発明によれば、受信状態の比較操作をしても、いずれの周波数も選択受信できなかった場合は、次回以降の受信動作は比較操作せずに1回受信動作を行うごとに交互に周波数を変えて電波を受信するようにする。複数の周波数の電波の各々の受信状態を比較して良い方を選択して受信する操作でいずれの周波数の受信に失敗した場合は、上記のように例えば、近くに強い雑音を出す雑音源が存在するか又は複数の電波の伝搬状態が共に不良な場合等の可能性があり、次回の定期的に受信操作する際も時間的に近接しているため、同様な状態が継続していて、たとえ比較選択操作しても同様に受信に失敗する可能性が高い。従って、このような場合は、電力の消耗の大きい比較選択操作を止めて、受信に成功するまで受信動作を行なうごとに周波数を交互に変えて受信動作する。このようにすれば、無駄な比較選択操作による電力の浪費を回避する共に、時間が経つことにより電波の伝搬状態の回復又は雑音源が消滅して、いずれかの周波数の電波の受信が可能になることを待って受信の成功と時間情報の獲得ができる。
【0015】
請求項4に記載された本発明は、請求項3において、1回の受信動作で1つの周波数の電波のみを受信する受信動作を所定回数連続して失敗した場合、次回の受信動作時は前記複数の周波数の電波を受信して各々の受信状態を比較して前記1つの周波数の電波を選択して受信する時刻情報取得方法を提供する。
【0016】
請求項4に記載された本発明によれば、1回の受信動作で1つの周波数の電波のみを受信する受信動作を所定回数連続して失敗した場合、次回の受信動作時は前記複数の周波数の電波を受信して各々の受信状態を比較して前記1つの周波数の電波を選択して受信することにより、周期的な電波事情によりいずれの周波数の電波も受信ができないという状況から抜け出ることができる。
【0017】
請求項5に記載された本発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の時刻情報取得方法を実施する時刻情報取得装置と、時刻を計時する時刻計時部と、前記時刻情報取得装置が取得した前記標準時刻情報に基づき前記時刻計時部の計時時刻を修正する時刻修正部とを含む電波修正時計を提供する。
【0018】
請求項5に記載された本発明によれば、電波修正時計が請求項1乃至4のいずれかに記載の時刻情報取得方法を実施する時刻情報取得装置を含むことにより、電波による時刻修正を確実にできると共に選局操作による電力の浪費を極力少なくして電池寿命を伸ばすことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、添付図面中の同じ構成については、同じ参照符号を付して重複説明を省略する。
【0020】
図1は、本発明の実施の形態による電波修正時計1の構成を概略的に示すブロック図である。電波修正時計1は、アンテナ2により複数の周波数、40kHz及び60kHz、で送信されている時刻情報を含んだ長波標準時刻(JJY)電波を受信する。アンテナ2は、周波数選択手段3により、40kHz又は60kHzの周波数の長波標準時刻電波の1つを選択して受信する。
【0021】
周波数選択手段3は、例えば、図2に示されるような同調回路であり、コイルLとコンデンサC1とコンデンサC2とが並列に接続されていて、以下に詳細に説明する本発明の周波数選択方法に従って、図1の制御部4からの周波数切換信号fにより、スイッチSWがオン又はオフに切り換えられて、その同調周波数を40kHz又は60kHzのいずれかに切り換えて、受信周波数を選択するようになっている。
【0022】
再び図1を参照して説明する。周波数選択手段3により選択的に受信された周波数、40kHz又は60kHz、の長波標準時刻電波は、電波受信ブロック5に出力される。電波受信ブロック5は、受信された長波標準時刻電波を検波して、含まれている時刻コードを制御部4へ出力する。
【0023】
図3は、検波された時刻コードを示す。時刻コードは、1分間サイクルのバイナリーコードで表されている。バイナリーコードの各々は1秒周期フレーム内の矩形パルスを使用して表されている。この矩形パルスの立下り端(又は、矩形パルスの極性を反対にした場合は立上り端)が、各秒の開始に時間的に一致して同期している。1ビット情報の“0”又は“1”は、矩形パルスの幅(継続時間)が800ms又は500msであるかにより表す。マーカP情報は、同じ1秒周期フレーム内のパルス幅が200msの矩形パルスを使用して表している。
【0024】
各分の始まりと終わりには、200ms幅のマーカー信号MとP0がそれぞれ存在する。従って、2つのマーカ信号P0とMが連続すると、2番目のマーカー信号Mの立下り端が毎分の始まりを表すことになる。そして、毎分の始まりから次ぎのマーカ信号P1までの矩形パルスにより表されるバイナリーコードが、分情報のコードを表す。次ぎのマーカ信号P2までの矩形パルスが時情報のコードを表す。次ぎの2つのマーカ信号P3とP4までの矩形パルスが、1月1日からの通算日及びパリティのコードを表し、次ぎのマーカ信号P5までの矩形パルスが、西暦下2桁のコードを表し、そして、最後のマーカ信号P0まてが、曜日及びうるう秒のコードを表す。
【0025】
再び、図1を参照して説明する。制御部4は検波された時刻コードの矩形パルスの立下り端を読み込んで、その立下り端の間隔が所定の範囲(本実施の形態では、例えば、1秒±5ms)に入っているかどうかを判定し、入っている場合にはOK信号を、入っていない場合にはNG信号を受信状態記憶手段6に出力する。矩形パルスの立下り端の間隔は、長波標準電波の受信状態が良好であるならば、正確に1秒である。しかし、雑音等により、受信状態が不良であるとこの間隔は、1秒から変動する。受信状態記憶手段6は、受信周波数、40kHz又は60kHz、別に、OK信号とNG信号の数をそれぞれ計数するOKカウンタとNGカウンタを有する。なお、上記所定の範囲は適宜変更可能である。
【0026】
制御部4は、周波数選択手段3への周波数切換信号fを交互に切り換えて、複数の周波数40kHz及び60kHzの長波標準時刻電波の1つを選択的に受信し、受信された電波を電波受信ブロック5で検波し、各々の周波数について所定時間の間に検波された時刻コードの矩形パルスの立下り端の間隔を判定した結果、受信状態記憶手段6の周波数別のOKカウンタの計数が比較的大きい方の周波数の電波を受信状態が良いと判断し、又は、周波数別のNGカウンタの計数が比較的少ない方の周波数の電波を受信状態を良いと判断することができる。
【0027】
制御部4は、さらに、受信された電波について、所定時間の間、検波された時刻コードの矩形パルスの立下り端の間隔を判定した結果、受信状態記憶手段6の内のOKカウンタの数が所定数以上の場合、又は、NGカウンタの数が所定数以下の場合はその周波数を送信している送信局からの電波の受信に成功した、すなわち、局選択に成功した、と判断することができる。上記OKカウンタが所定数以下の場合、又は、NGカウンタの数が所定数以上の場合は受信、すなわち、局選択、に失敗したと判断することができる。これは、上記の比較方法により、他の周波数の電波よりも相対的に受信状態が良いと判断されても、実際に受信して時刻情報を獲得するには不十分の場合もあり、受信して時刻情報の読出しに適するかを、OKカウンタの数が所定数以上(又は、NGカウンタの数が所定数以下)か判断した後、局選択に成功したかどうかを判断する。
【0028】
制御部4は、上記の様にして、受信状態が良い方の周波数を選択し、その電波が時刻情報の獲得のための受信に適する、すなわち、局選択に成功した、と判断した場合は、その周波数の選択結果、40kHz又は60kHz、を周波数選択結果記憶手段7に送り、周波数を記憶する。
【0029】
制御部4は、上記の様にして、受信状態が良い方の周波数を選択して、その電波が時刻情報の獲得のための受信には適さない、すなわち、局選択に失敗したと判断した場合も同様に、その周波数の選択結果(受信状態が良い方の周波数)、40kHz又は60kHz、を周波数選択結果記憶手段7に送る。そして、受信結果記憶手段8内の計数カウンタの数nに1を加える。
【0030】
制御部4は、局選択に成功したと判断された周波数の電波を所定時間、例えば4分間、連続的に受信するように周波数選択手段4へ周波数切換信号fを送り、その周波数の電波を所定時間連続的に受信し、検波して、図3に示される時刻コードを読み取る。所定受信時間の間、少なくとも2回、時刻コードの読取りが成功し、且つ、その時刻コードの間に矛盾がないならば、時刻情報の獲得に成功したと判断する。少なくとも2回、時刻コードの読取りに成功することが必要なのは、時刻コードの読取りは1回だけでは不十分であり、少なくとももう一度その後に読み取られた時刻コードと比較して、矛盾がないことを検証する必要があるからである。
【0031】
制御部4は、時刻情報の獲得に成功したならば、受信成功として、受信結果記憶手段8内の計数カウンタの数nをゼロにリセットする。そして、獲得された時刻情報に基づいて、内部時計9を修正すると共に、時刻表示ブロック10による時刻のアナログ表示又はデジタル表示を修正する。
【0032】
制御部4は、もし、所定時間の間で時刻コード読取りに成功しなければ、受信に失敗したとして、受信結果記憶手段8内の計数カウンタの数nに1を加える。
【0033】
次ぎに、図4を参照して、本実施の形態の電波修正時計1の最初の時間合わせの操作、すなわち、電池交換等のリセット時の操作を説明する。時計1の図示しないリセットボタンを押すと(ステップ40)、時計1は局選択モードに強制的に入る。すなわち、時計1は複数の周波数40kHz及び60kHzの電波の交互の受信を開始し(ステップ41)、受信状態を比較し(例えば、所定時間内のOKカウンタの数を比較し)、そして受信状態の良好な方(例えば、OKカウンタの数が大きい方)の周波数の電波を選択する(ステップ42)。もし、受信状態が良好として選択された周波数の電波が時刻情報の獲得に適しているならば(例えば、所定時間内のOKカウンタの数が所定数以上、ステップ43)、局選択された周波数40kHz又は60kHzを周波数選択結果記憶手段7に記憶し(ステップ44)、局選択された周波数の電波の時刻コードを所定時間の間だけ受信する(ステップ45)。
【0034】
もし、受信状態が良好として選択された周波数の電波が時刻情報の獲得に適していないならば(例えば、所定時間内のOKカウンタの数が所定数未満、ステップ43)、局選択のための電波の受信に失敗したことを通知又は表示する(ステップ46)。もし、局選択された周波数の電波から時刻コードの読取りに成功したならば(例えば、所定時間内に時間コードを少なくとも2回、矛盾無く読取ることができた場合、ステップ47)、受信結果記憶手段8内の計数カウンタの内容nをゼロにリセットし(ステップ48)、時計1の内部時計9の時刻を修正し且つ時刻表示も修正する(ステップ49)。そして、受信を終了する(ステップ50)。もし、局選択された周波数の電波からの時刻コードの読取りに失敗したならば(例えば、所定時間内に時間コードを2回矛盾無く読取ることができない場合、ステップ47)、電波受信に失敗した通知又は表示をし(ステップ46)、そして受信を終了する(ステップ50)。
【0035】
次ぎに、図5を参照して、電波修正時計1のリセット後の本発明の1つの実施の形態による周波数選択方法を説明する。電波修正時計1はリセット後、定期的に、例えば、本実施の形態では、1時間おきに、複数の周波数40kHz及び60kHzの標準時刻電波の中から1つを選択して受信して時刻情報を獲得して時刻の修正を行なう。
【0036】
定期的に、例えば、1時間おきに、受信が開始され(ステップ51)、受信結果記憶手段8内の計数カウンタの内容nが読まれて、nが24未満であるかどうかを判断する(ステップ52)。もし、計数カウンタの内容nが24未満であるならば、過去24時間内に、時刻情報の獲得に成功して時刻修正が行なわれたことを意味する。このように、nが24未満ならば、複数周波数の電波を受信・比較・選択する操作をしない。そして、次ぎに、n=0かどうかを判断する(ステップ53)。もし、n=0ならば、直前の時間情報の獲得に成功して時刻修正が行なわれたことを意味するから、周波数選択結果記憶手段7に記憶されている直前に選択された周波数を読取り(ステップ54)、その周波数の電波を受信する。もし、n=0でなければ、少なくとも直前の時間情報の獲得に失敗したことを意味するから、周波数選択結果記憶手段7に記憶されている直前に選択受信した周波数(例えば、40kHz)とは異なる周波数(例えば、60kHz)を選択して、周波数選択結果記憶手段7に記憶する(ステップ55)。そして、周波数選択結果記憶手段7に記憶された選択周波数を読取り(ステップ54)、その周波数の電波を所定時間(数分間、例えば、5分間)にわたって受信する。すなわち、直前の時刻情報獲得に成功した周波数の電波は今回も成功する確率が高いから、その周波数を選択し、失敗した周波数の電波は今回も失敗する確率が高いから、別の周波数を選択する。
【0037】
所定時間の間に受信された電波を検波して時刻コード(図3に示す)を読取り(ステップ56)、その電波から所定時間(例えば、5分間)内で少なくとも2回矛盾の無い時刻コードの受信に成功したかどうかを判断し(ステップ57)、もし、成功したならば、受信結果記憶手段8の計数カウンタの内容nをゼロにリセットし(ステップ58)、受信を終了し(ステップ60)、獲得された時刻コードに基づいて時刻修正をする。もし、時刻コードの受信に失敗したならば、受信結果記憶手段8の計数カウンタの内容nに1を加え(ステップ59)、受信を終了し(ステップ60)、時刻修正をしない。
【0038】
もし、ステップ52で計数カウンタの内容nが24以上であると判断されたならば、過去24時間内に時刻情報の獲得と時刻修正が行なわれていないことを意味し、ステップ61に行き、そして、現在の時計1の内部時刻(内部時計9の時刻)が、2時から5時又は14時から17時であるかどうかを判断する。もし、2時から5時又は14時から17時である場合は、ステップ42の局選択の操作を実行する(図4中に説明した局選択ステップ42と同じ操作)。これは、2時から5時までの時間は、深夜若しくは明け方であり、太陽及び人間の活動による雑音電波源が一番少ないと考えられて電波の受信状態が比較的良い時間帯であり、14時から17時は、この時間帯と12時間の差があり、12時間違いのために選択されている。
【0039】
次ぎのステップ43で、局選択が成功したかどうかを判断する(図4中に上記説明した局選択成功の判断ステップ43と同じ操作)。もし、ステップ43において局選択に失敗したと判断したならば、受信状態の良い方の周波数を周波数選択結果記憶手段7内に記憶して(ステップ64)、受信結果記憶手段内8の計数カウンタの内容nに1を加えて(ステップ59)、受信を終了する(ステップ60)。この場合、時刻は修正されない。もし、ステップ43において局選択に成功したと判断したならば、選択された局の周波数を周波数選択結果記憶手段7内に記憶して、その選択された周波数を所定時間の間、受信する(ステップ54)。そして、ステップ56で上記と同様に受信電波を検波して時刻コードを読み取る。以下、ステップ57、ステップ58又は59、ステップ60が上記と同様に行なわれる。
【0040】
もし、ステップ61において、現在の時刻が、2時から5時又は14時から17時でないと判断された場合は、ステップ55の局切換の操作を実行して、周波数選択結果記憶手段7に記憶されている周波数、例えば、40kHz、とは異なる周波数、例えば、60kHz、を選択して、ステップ54で、周波数選択結果記憶手段7に異なる周波数、例えば、60kHz、を新たに記憶する。これは、前回の時間情報に獲得に失敗した周波数とは異なる周波数を選択して、以降のステップ56で受信するためである。そして、ステップ57、58又は59、60が上記と同様にして行なわれる。
【0041】
図6は、別の実施の形態による電波修正時計1のリセット後の周波数選択方法を説明する。図6の周波数選択方法において、図5で説明した方法と同じ部分には同じ参照符号を付して、説明を省略する。図6の方法で図5と異なる部分は、ステップ61において、2時〜5時の間及び14時〜17時の間の時間外であると判断された場合は、ステップ65に行き、現在の時刻が偶数時の時刻か、奇数時の時刻かを判断する。もし、偶数時(0も含む)の時刻ならば、ステップ66に行き60kHzの周波数を選択し、奇数時の時刻ならばステップ67に行き40kHzの周波数を選択する。そして、このように選択された周波数を周波数選択結果記憶手段7中に記憶する。そして、ステップ54で周波数選択結果記憶手段7に記憶されている選択周波数を読み出して、時刻情報を獲得するため、所定時間の間(例えば、5分間)、選択された周波数の電波を受信する。
【0042】
図7は、さらに別の実施の形態による電波修正時計1のリセット後の周波数選択方法を説明する。この実施の形態では、定期的に、例えば、1時間おきに、受信が開始され(ステップ71)、受信結果記憶手段8内の計数カウンタの内容nが読まれて、nが22未満であるかどうかを判断する(ステップ72)。もし、計数カウンタの内容nが22未満であるならば、過去22時間内に、時刻情報の獲得に成功して時刻修正が行なわれたことを意味する。このように、nが22未満ならば、複数周波数の電波を受信・比較・選択する操作をしない。そして、次ぎに、n=0かどうかを判断する(ステップ73)。もし、n=0ならば、直前の時間情報の獲得に成功して時刻修正が行なわれたことを意味するから、周波数選択結果記憶手段7に記憶されている直前に選択された周波数を読取り(ステップ74)、その周波数の電波を受信する。もし、n=0でなければ、少なくとも直前の時間情報の獲得に失敗したことを意味するから、周波数選択結果記憶手段7に記憶されている直前に選択受信した周波数(例えば、40kHz)とは異なる周波数(例えば、60kHz)を選択して、周波数選択結果記憶手段7に記憶する(ステップ75)。そして、周波数選択結果記憶手段7に記憶されている新たに選択され周波数を読取り(ステップ74)、その周波数の電波を所定時間(例えば、5分間)にわたって受信する。すなわち、直前の時刻情報獲得に成功した周波数の電波は今回も成功する確率が高いから、その周波数を選択し、失敗した周波数の電波は今回も失敗する確率が高いから、別の周波数を選択する。
【0043】
所定時間の間に受信された電波を検波して、時刻コード(図3に示す)を読取り(ステップ76)、その電波から所定時間内で少なくとも2回矛盾の無い時刻コードの受信に成功したかどうかを判断し(ステップ77)、もし、成功したならば、受信結果記憶手段8の計数カウンタの内容nをゼロにリセットし(ステップ78)、受信を終了し(ステップ80)、獲得された時刻コードに基づいて時刻修正をする。もし、時刻コードの受信に失敗したならば、受信結果記憶手段8の計数カウンタの内容nに1を加え(ステップ79)、受信を終了し(ステップ80)、時刻修正をしない。
【0044】
もし、ステップ72で計数カウンタの内容nが22以上であると判断されたならば、過去22時間内に時刻情報の獲得と時刻修正が行なわれていないことを意味し、ステップ81に行く。そして、n=24かどうかを判断する。もし、n=24ならば、過去24時間にわたって時刻情報の獲得に失敗したことを示す。従って、ステップ82に行き、nをゼロにリセットし、n=0にする。そして、局選択のステップ42に行く。もし、ステップ81で、n=24でなければ、前回の時刻獲得と時刻修正から24時を経過していないことを示す。そして、ステップ42に行って、局選択の操作を実行する(図4中に説明した局選択ステップ42と同じ操作)。
【0045】
この方法は、電力の消耗の大きい局選択操作を1日に、最高3回、前回の時間情報の獲得に成功した後から、22時間後から連続して実施することを意味する。これは前回成功した時間帯は、1日の中で電波の受信状態が最も良い時間帯であることを意味しているから、その時間帯に最高3回まで局選択を行なうようにして、電力消費の制限と時間情報の獲得の成功を目指している。
【0046】
次ぎのステップ43で、局選択が成功したかどうかを判断する(図4中に上記説明した局選択成功の判断ステップ43と同じ操作)。もし、ステップ43において局選択に失敗したと判断したならば、受信状態の良い方の周波数を周波数選択結果記憶手段7内に記憶して(ステップ83)、受信結果記憶手段内8の計数カウンタの内容nに1を加えて(ステップ79)、受信を終了する(ステップ80)。この場合、時刻は修正されない。もし、ステップ43において局選択に成功したと判断したならば、選択された局の周波数を周波数選択結果記憶手段7内に記憶して、その選択された周波数を所定時間(例えば、5分間)の間、受信する(ステップ74)。そして、ステップ76で上記と同様に受信電波を検波して時刻コードを読み取る。以下、ステップ77、ステップ78又は79、ステップ80が上記と同様に行なわれる。
【0047】
図8は、さらに別の実施の形態による周波数選択方法を説明する。図8の周波数選択方法において、図7で説明した方法と同じ部分には同じ参照符号を付して、説明を省略する。図8の方法で図7と異なる部分は、ステップ84において、nが5未満かどうかが判断される。nは受信電波から時間情報の獲得成功後、又は、時間情報獲得に24回連続失敗後に受信電波の局選択にも失敗した後、連続して失敗した回数を示す。もし、nが5未満であるならば、ステップ74に行き、周波数選択結果記憶手段7に記憶されている前回受信に選択した周波数をそのまま使用して、所定時間の間(例えば、5分間)、受信して時間コードを取得する。もし、ステップ84において、nが5以上ならば、ステップ75に行き、周波数選択結果記憶手段に記憶されているとのは異なる周波数を選択し、この選択された周波数を周波数選択結果記憶手段7中に記憶する。そして、ステップ74で周波数選択結果記憶手段7に記憶されている選択周波数を読み出して、時刻情報を獲得するため、所定時間の間(例えば、5分間)、選択された周波数の電波を受信する。この方法においては、時刻情報獲得に成功した直後又は局選択に失敗した直後、所定回数(例えば4回)は前回の時間情報獲得に成功した又は局選択に失敗したのと同じ周波数に固定して受信することにより、短期的な事象に原因して失敗した場合、この短期的な事象が止めば受信に成功できることを期待している。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数の周波数で送信される時刻情報を含んだ電波を択一的に選択して受信する方法において、電力を消費する電波の比較選択受信操作を少なくしながら確実に電波を受信して時刻情報の獲得ができるようにしている。従って、電源電池の消耗の防止と電波による正確な時間の修正とができる。
【0050】
請求項1に記載された本発明によれば、電力の消耗が大きい受信状態の比較による選択操作はむやみに行なうのではなく、例えば1日の中で比較的雑音源が少なくて電波の受信状態の良い深夜等の所定時刻で行なうことで時刻情報の獲得の可能性を向上させ、その他の時間帯は、前回受信に失敗した周波数は次回にも失敗する確率が高いという経験則を使用して、異なる周波数を自動的に選択することにより、電力の浪費を避けている。この方法によれば、例えば雑音源の少ない時間を選んで少なくと1日1回は電波の受信状態の比較をして良い方を選択して受信することで、電源電池の節約と時刻情報の獲得の可能性を向上できる。
【0051】
請求項2に記載された本発明によれば、複数の周波数の電波の各々の受信状態を比較して良い方を選択受信する動作でいずれの周波数の受信にも失敗した場合は、例えば、近くに強い雑音を出す雑音源が存在するか又は複数の電波の伝搬状態が共に不良な場合等の可能性があり、次回の受信動作時も時間的に前回と近接しているため、同様な状態が継続していて、たとえ比較選択動作しても同様に受信に失敗する可能性が高い。従って、このような場合は、電力の消耗の大きい比較選択動作を止めて、受信に成功するまで特定の周波数の電波の受信を行なう。このようにすれば、無駄な比較選択受信操作による電力の浪費を回避する共に、時間が経つことにより電波の伝搬状態の回復又は雑音源が消滅して、特定の周波数の電波の受信が可能になることを待って受信の成功と時間情報の獲得ができる。
【0052】
請求項3に記載された本発明によれば、複数の周波数の電波の各々の受信状態を比較して良い方を選択して受信する操作でいずれの周波数の受信に失敗した場合は、上記のように例えば、近くに強い雑音を出す雑音源が存在するか又は複数の電波の伝搬状態が共に不良な場合等の可能性があり、次回の定期的に受信操作する際も時間的に近接しているため、同様な状態が継続していて、たとえ比較選択操作しても同様に受信に失敗する可能性が高い。従って、このような場合は、電力の消耗の大きい比較選択操作を止めて、受信に成功するまで受信動作を行なうごとに周波数を交互に変えて受信動作する。このようにすれば、無駄な比較選択操作による電力の浪費を回避する共に、時間が経つことにより電波の伝搬状態の回復又は雑音源が消滅して、いずれかの周波数の電波の受信が可能になることを待って受信の成功と時間情報の獲得ができる。
【0053】
請求項4に記載された本発明によれば、1回の受信動作で1つの周波数の電波のみを受信する受信動作を所定回数連続して失敗した場合、次回の受信動作時は前記複数の周波数の電波を受信して各々の受信状態を比較して前記1つの周波数の電波を選択して受信することにより、周期的な電波事情によりいずれの周波数の電波も受信ができないという状況から抜け出ることができる。
【0054】
請求項5に記載された本発明によれば、電波修正時計が請求項1乃至4のいずれかに記載の時刻情報取得方法を実施する時刻情報取得装置を含むことにより、電波による時刻修正を確実にできると共に選局操作による電力の浪費を極力少なくして電池寿命を伸ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施の形態による電波修正時計の概略を示すブロック図。
【図2】図1の周波数選択手段の回路を示す図。
【図3】時刻標準電波に含まれる時間情報コードを示すパルスのタイミング・チャート。
【図4】電波受信時計のリセット時に2つの周波数の時刻情報を含んだ電波を比較して選択して受信して時刻修正する方法を示すフローチャート。
【図5】本発明の1つの実施の形態による電波受信時計が定期的に2つの周波数の時刻情報を含んだ電波の1つを選択して受信して時刻修正する方法を示すフローチャート。
【図6】本発明の別の実施の形態による電波受信時計が定期的に2つの周波数の時刻情報を含んだ電波の1つを選択して受信して時刻修正する方法を示すフローチャート。
【図7】本発明の別の実施の形態による電波受信時計が定期的に2つの周波数の時刻情報を含んだ電波の1つを選択して受信して時刻修正する方法を示すフローチャート。
【図8】本発明の別の実施の形態による電波受信時計が定期的に2つの周波数の時刻情報を含んだ電波の1つを選択して受信して時刻修正する方法を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 電波修正時計
2 アンテナ
3 周波数選択手段
4 制御部
5 電波受信ブロック
6 受信状態記憶手段
7 周波数選択結果記憶手段
8 受信結果記憶手段
9 内部時計
10 時刻表示ブロック
Claims (5)
- 複数の周波数で送信される標準時刻を含む電波の中から1つの周波数の電波を選択的に受信する受信動作を間欠的に行い、前記受信動作中に受信に成功した前記電波から前記標準時刻情報を取得する時刻情報取得方法であって、1回の受信動作時に1つの周波数の電波の受信のみを行い、当該1つの周波数の電波の受信に失敗した場合、次回の受信動作時刻が所定の時刻の場合は前記複数の周波数の電波を受信して各々の受信状態を比較して前記1つの周波数の電波を選択して受信し、次回の受信動作時刻が前記所定の時刻と異なる場合は前回の受信動作で受信に失敗した周波数とは異なる周波数の電波のみを受信することを特徴とする時刻情報取得方法。
- 複数の周波数で送信される標準時刻を含む電波の中から1つの周波数の電波を選択的に受信する受信動作を間欠的に行い、前記受信動作中に受信に成功した前記電波から前記標準時刻情報を取得する時刻情報取得方法であって、1回の受信動作時に前記複数の周波数の電波を受信して各々の受信状態を比較して前記1つの周波数の電波を選択して受信する受信動作を行った際に前記複数の周波数の前記比較結果によりいずれの周波数も受信不良と判断されて受信に失敗した場合、次回の受信動作時は選択可能な複数の周波数のうち予め選択された特定の1つの周波数の電波を受信することを特徴とする時刻情報取得方法。
- 前記選択可能な複数の周波数のうち前記特定の1つの周波数の電波の受信に失敗した場合、その次の受信動作時には選択可能な複数の周波数のうち、前回選択した前記特定の1つの周波数とは異なる周波数のうちいずれか1つの電波を受信することを特徴とする請求項2に記載の時刻情報取得方法。
- 請求項3において、1回の受信動作で1つの周波数の電波のみを受信する受信動作を所定回数連続して失敗した場合、次回の受信動作時は前記複数の周波数の電波を受信して各々の受信状態を比較して前記1つの周波数の電波を選択して受信することを特徴とする時刻情報取得方法。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の時刻情報取得方法を実施する時刻情報取得装置と、時刻を計時する時刻計時部と、前記時刻情報取得装置が取得した前記標準時刻情報に基づき前記時刻計時部の計時時刻を修正する時刻修正部とを含むことを特徴とする電波修正時計。
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