JP3997066B2 - 電子線を用いたプロセス変動監視システムおよび方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リソグラフィ工程においてウェーハ上のレジスト膜へのパターン露光が適切な露光条件でなされたか否かをレジストパターンの電子線像を用いて監視するシステムおよび方法に関する。特に、露光プロセスを制御し、適正な露光条件を維持するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のリソグラフィ工程の流れについて説明する。
【0003】
レジストパターンは半導体ウェーハ等の基板上に感光材であるレジストを所定の厚さで塗布し、露光器を用いてマスクパターンを露光した後に、現像することによって形成する。形成されたレジストパターンは、測長機能付きの走査型電子顕微鏡(測長SEMまたはCD−SEM)で寸法チェックが行われる。従来の測長SEMでの処理内容は、例えば、寸法精度が厳しい部位を含む領域の電子線像を取得した後(工程1)、寸法が計測され(工程2)、寸法が基準を満たすか否かの判定を行い(工程3)、満たさない場合には露光器の露光量を変更する(工程4、露光量の補正量はΔE)、というものであった。例えばポジ型のレジストの場合、レジスト寸法が大きすぎれば露光量を増やし、レジスト幅が小さすぎれば露光量を減らすことが行われる。露光量を増減量は、作業者の経験と勘に基づいて決定される場合も多い。
【0004】
図17はレジストパターンとエッチング後の膜パターンの関係を示したものである(日本学術振興会荷電粒子ビームの工業への応用第132委員会第98回研究資料「電子ビームテスティングハンドブック」P.255より)。レジストパターンの形状と膜パターンの形状との間にはエッチング条件が同じであれば一定の関係があり、所定の形状の膜パターンを得るためにはレジストパターンもまた所定の形状を有すことが必要である。新規プロセスの着工の際などにはショット(1回の露光単位)ごとにフォーカス,露光量を変えてパターンを焼き付けた図18に示すウェーハを作り(通常こうしたウェーハはFEM:Focus Exposure Matrixと呼ばれる)、各ショットのレジストパターンの寸法計測を行ったり、ウェーハを切断して断面形状を調べるなどして所定のレジストパターン形状が得られるフォーカスと露光量をみつける「条件出し作業」が行われる。なお、特開平11−288879号には条件出し作業を支援するシステムが開示されている。この作業によって、マージンがより広く取れる露光量(E0)、フォーカス値(F0)が決定され、その条件に基づいて製品ウェーハの露光が行われる。しかし種々のプロセス変動(レジストの感光感度の変化、レジスト下の反射防止膜の膜厚変動、露光器の各種センサーのドリフトなど)によって、条件出し作業で決定した条件(E0、F0)では所定の形状のレジストパターンが得られない場合がある。これを検知するのが前述した寸法計測(工程2)の役割であり、従来技術においては、プロセス変動によって引き起こされるレジスト形状の変化を露光量の補正によって補償しようとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術においては、プロセス変動を検知し対策するため、測長SEMを用いてライン幅等の寸法値を調ベ、寸法値が基準を満たさない場合には露光量を補正する、という方法がとられているが、これには以下の第1〜第3の問題がある。
【0006】
第1に、寸法値の変化を伴わないプロセス変動、具体的には露光時のフォーカス変動を検出できないという問題がある。レジストの断面形状は概ね台形の形状を有す。二次電子信号強度は傾斜部の方が平坦部よりも強いため、信号波形は図19(a)のように台形のエッジに相当する箇所にピークをもった形となる。測長SEMでの寸法計測は図19(b)に示すように、ピークの外側部分とベース部分に直線をあてはめて2つの直線の交点を求め、左右の交点間の距離をライン幅とするなどの方法がとられる。図20は、露光量・フォーカスが変わるとライン幅がどのように変化するかを示すため、横軸にフォーカスをとって、露光量別(e0〜e8)にライン幅をプロットしたグラフである。露光量はe0<e1<…<e8であり、露光量が大きいほどライン幅が小さいという関係がある(ポジ型レジストの場合。ネガ型では逆になる)。従って、ライン幅を調べれば露光量の変動は検知可能である。しかし、同グラフから明らかなように、ライン幅はフォーカス変化に対する変化が小さく、特に適正露光量付近(e4)ではフォーカスが変わってもライン幅は殆ど変化しないので、ライン幅を調べてもフォーカス変動は検出されない。一方、ライン幅が変化しなくとも、フォーカスが変わると図20(b)のようにレジストの断面形状は変化する。前述のように、断面形状が変化すればエッチング後の膜パターンの形状にも影響を及ぼすため、フォーカス変動を検出できない従来の技術では、エッチング後の膜パターンの形状不良を大量に生み出すこととなりかねない。
【0007】
第2に露光量のみを補正するのでは、当然ながらフォーカスがずれている場合に対応できないという問題がある。例えば、図20(a)の状況Aの場合、ライン幅が正常よりも大きいためライン幅の計測結果をもとに露光量を増やすことが行われるであろう。しかし、フォーカスずれは直されないので、図20(a)の状況Bとなるに過ぎず、レジストの断面形状は正常とはならないため、やはり、エッチング後の膜パターンの形状不良を大量に生み出すこととなりかねない。
【0008】
第3に上記従来技術においては、正常な露光プロセスを維持するために必要である、プロセス変動を定量的に示す情報が得られないという問題もある。近年のパターンルールの低下に伴い露光量とフォーカスの許容範囲はきわめて小さくなっている。例えばデザインルールが180nmの半導体パターンでは、パターン寸法の変化量は10%以下に制御することが求められており、これを実現するには、プロセス変動を定量的に示す情報、すなわち、露光量のずれが何ミリジュールであり、フォーカスのずれが何ミクロンといった正確な数値が必要となる。上記従来技術では、フォーカスずれの検出は全くなされないし、露光量ずれの検出も不正確といわざるを得ない。何故なら一般に、フォーカスによってもライン幅は変化するからである。従って、上記従来技術では、正常な露光プロセスの維持は望めない。
【0009】
本発明の目的は、フォーカス変動の検知を可能とする手段を提供するものであり、特に、露光量の変動のみならずフォーカス変動の検知が可能で、かつ、検知にとどまらず、プロセス変動を定量的に示す情報、すなわち、露光量とフォーカスの正確な変動量を出力する事が可能なプロセス変動監視システムおよび方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、以下に示すプロセス変動監視システムおよび方法を測長SEM上に構築するようにしたものである。
【0011】
本発明は、電子線像(測長SEMで取得した画像)からレジストパターンのエッジ幅、パターン幅を含む寸法特徴量を算出する手段と、露光条件と寸法特徴量を関連付けるモデルを保有する手段とを有し、露光条件の変動を監視する段階においては、露光条件の変動に対する寸法特徴量の変化傾向が互いに異なる第1パターン部と第2パターン部の電子線像を取得し、第1パターン部および第2パターン部の寸法特徴量を算出し、これら寸法特徴量を露光条件と寸法特徴量を関連付けるモデルに当てはめることによって露光条件の変動量を算出するようにしたものである。
【0012】
また、本発明は、第1のパターン部として、フォーカスがプラス方向にずれるとエッジ幅が増加するように配置されたパターンを、第2のパターン部として、フォーカスがマイナス方向にずれるとエッジ幅が増加するように配置されたパターンを用いるようにしたものである。
【0013】
また、本発明は、前記第1パターン部として残しパターンを、前記第2パターン部として抜きパターンを用いるようにしたものである。
【0014】
また、本発明は、第1のパターン部と、第2のパターン部として、同一画像内の異なった場所を用いるようにすることによってスループットを落とさないようにしたものである。
【0015】
また、本発明においては、露光条件と寸法特徴量を関連付けるモデルとして、第1、第2のパターンの両方、あるいは一方のエッジ幅とフォーカスのずれ量との対応関係、および、第1、第2のパターンの両方、あるいは一方のパターン幅と露光量との対応関係を関係式として記憶するようにしたものである。
【0016】
また、本発明は、エッジ幅とフォーカスずれ量との対応関係、および、パターン幅と露光エネルギー量との対応関係から、プロセスウインドを自動的に算出する機能を有するようにしたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
(1)第1の実施の形態の全体の流れ
図1は本発明第1の実施の形態に係る、CD−SEM上に構築したプロセス変動監視システムを有するリソグラフィ工程の概念図である。図において、破線で囲んだ部分10は半導体基板製造システムにおける製品ウェーハの流れを示し(左から右へと進む)、実線で囲んだ部分20はCD−SEM上に構築したプロセス変動監視のための処理の流れを示している(上から下へと進む)。
【0018】
プロセス変動の監視は、従来の寸法チェックのタイミングで実施すればよい。後述する第1のパターン部と第2のパターン部を含む領域の電子線像を取得した後(工程11)、第1のパターン部における寸法特徴量としてライン幅LW1とエッジ幅EW1を算出し(工程12)、続いて、第2のパターン部における寸法特徴量としてエッジ幅EW2を算出する(工程13)。そして、EW1とEW2に対して、エッジ幅とフォーカスずれ量の関係を示すモデルを当てはめることによってフォーカスずれΔFを算出し(工程14)、さらに、LW1に対して、パターン幅と露光量の関係を示すモデルを当てはめることによって露光量のずれΔEを算出し(工程15)する。そして、これらを露光17のための露光条件にフィードバックする(工程16)。新たに設定された露光条件によって現像18を行い、再び電子線像取得11を行い、新たに設定された露光に基づいてエッチング19などの処理を行う。これによって新たなる半導体基板製造システムが提供されることになる。本発明においては、フォーカス、露光量が最適値から僅かでもずれれば(プロセスウインド内の変動であっても)、それが検知されて露光条件へとフィードバックされるため、正常な露光プロセスの維持が可能となる。本発明の最大の特徴は、僅かなフォーカスずれと露光量ずれを正確に算出する点にある。以下、本発明の実施例の詳細を説明する。
【0019】
(2)CD−SEMの構成
始めに、本発明に係るプロセス変動監視システムで用いるCD−SEMについて説明する。図2はCD−SEMの構成を示すブロック図である。図は、電子光学系200を示す。図2において、電子銃201より出た一次電子線202はビーム偏向器204、ExB偏向器205、対物レンズ206を経てステージ101上におかれたウェーハ100(液晶基板を含む)上に焦点を結んで照射される。電子線が照射されると、試料であるウェーハ100からは二次電子が発生する。ウェーハ100から発生した二次電子は、ExB偏向器205により偏向され、二次電子検出器207で検出される。偏向器204による電子線の二次元走査、あるいは偏向器204による電子線のX方向の繰り返し走査と、ステージ101によるウェーハのY方向の連続的な移動に同期して試料から発生する電子を検出することで、二次元の電子線像が得られる。二次電子検出器207で検出された信号はA/D変換器208によってディジタル信号に変換され、画像処理部300に送られる。画像処理部300はディジタル画像を一時記憶するための画像メモリ記憶媒体である303と、画像メモリ上の画像から寸法特徴量の算出を行うCPU304を有する。さらにまた、予め調べておいた露光条件と寸法特徴量を関連付けるモデルを記述した記憶媒体301を有する。画像処理部300には表示装置302が接続され、必要な装置の操作、検出結果の確認等をグラフィカルユーザーインタフェース(以下、GUIと表記する)によって実現できるようになっている。
【0020】
(3)モデルの構築方法
次に、図1の工程14,15で用いるモデルの構築方法について説明する。図3にモデル構築のフローを示す。本実施例では、製品ウェーハの投入に先立って、FEMウェーハを用いてモデルを構築する。
【0021】
FEMウェーハロードを行い(工程2021)、ウェーハアライメントを行い(工程2022)、始めの測定点に移動する(工程2023)。
【0022】
工程2024では、第1のパターン部と第2のパターン部を含む領域の電子線像を取得する。第1のパターン部としては限界寸法(精度に対する要求が最も厳しい寸法)の残しパターンが、第2のパターン部としては、限界寸法の抜きパターンが適している。図4にパターンの一例を示す。この例では、同一画像上に第1のパターン部(ライン状の残しパターン)と、第2のパターン部(ライン状の抜きパターンの先端)の両方が含まれている。図4(a)は画像取得部30をバイナリのマスクパターンのイメージで示したもので、図では白が透過部、黒が遮光部であり、ポジ型レジストを想定している。現像後のパターンのイメージは図4(b)である。図4(a)で枠で囲んだ部分に相当する箇所の電子線像を取得すると、図4(c)のようにエッジ部が明るく平坦部が暗い画像が得られる。A−B、C−Dの断面形状を図5(a)、図5(b)に示す。図5(a)に示すように、A−B断面である膜パターンは、第1パターン部のライン幅LW1とエッジ幅EW1が検知され、図5(b)に示すようにC−D断面である膜パターンは、第2パターン部のエッジ幅EW2が検知される。第1のパターン部のトップエッジ部は、プラスフォーカス値で丸みを帯び、エッジ幅EW1が広がる。このとき、第2パターン部のエッジ部はベストフォーカス値とさほど変わりはない。また、マイナスフォーカス値では逆のことが検知され、第1のパターン部のエッジ部はベストフォーカス値とさほど変わりはないが、第2パターン部のボトムエッジ部は丸みを帯び、エッジ幅EW2は広がる。このように、第1パターンと第2パターンとでは、フォーカス変動に対するパターンの変化の様子が異なる。第1パターンと第2パターンの両方に着目すれば、フォーカス値がベストフォーカス値よりどの程度、どちらにずれているか予測が可能になる。第1パターンと第2パターンを含むモニタリング専用のパターンをウェーハ中に入れれば、より正確にプロセス変動を予測できる。
【0023】
取得した画像を保存した後(工程2025)、第1パターン部のライン幅LW1とエッジ幅EW1を算出しこれを保存する(工程2026)。続いて、第2パターン部のエッジ幅EW2を算出しこれを保存する(工程2027)。なお、ライン幅の算出は、例えば図19(b)に示すようにすれば良いが、エッジ幅は、図5(c)に示したように、ピークの外側部分とベース部分に当てはめた直線の交点P1と、ピークの内側部分とベース部分に当てはめた直線の交点P2との間隔を用いれば良い。最後の測定点であるかを判定し(工程2028)、noであれば次の測定点に移動し(工程2029)、yesであれば工程2030に移る。
【0024】
工程2030では、FEM上の全点分について工程2024〜2027を行った後、全点のライン幅LW1の測定結果から最適露光量を決定する。この段階では、GUI画面上に図20(a)に示したようなグラフが表示され、所定のライン幅がえられている露光量が自動的に、あるいは操作者の判断により決定される。FEM上に表現するならば、図9(a)の領域1001が決定される。
【0025】
工程2031では、上記のようにして決定した最適露光量付近(FEM上に表現するならば図9(a)の領域1002)でのエッジ幅EW1、EW2の測定結果から、フォーカスとエッジ幅の関係を導く。最適露光量付近とは、例えば、最適露光量±2mJの範囲である。前述のように、EW1はライン状残しパターンのエッジ幅であり、EW2はライン状の抜きパターンの先端におけるエッジ幅である。これらのエッジ幅とフォーカスの関係を調べた、発明者等による実験結果を図6に示す。図6(a)はEW1についての、図6(b)はEW2についての実験結果であり、いずれも、露光量が32mJ、33mJ、34mJ、35mJ、36mJ(最適露光量は34mJ)について、フォーカスが−0.5〜+0.5ミクロンの範囲におけるエッジ幅を、横軸にフォーカス値を、縦軸にエッジ幅をとって示した。同図に示すように、EW1とEW2の結果には際立った違いがある。前者はマイナス側で大きな変動を示すが、プラス側での変動が小さいのに対し、後者はマイナス側での変動が小さく、プラス側での変動が大きい。EW1とEW2の挙動の違いを利用して、図5の工程2031では、2個のエッジ幅からフォーカス値を求めるモデルを作成する(モデル保有手段(装置)の提供)。図7にモデルの一例を示す。ここでは、32mJ、33mJ、34mJ、35mJ、36mJにおけるEW1−EW2(図7(a))に対して数1を当てはめこれをモデルとする。
【数1】
【0026】
なお、数1はx=EW1−EW2からフォーカス値fを算出するものであり、式中のパラメータa、b、c、dは数1を図7(a)に当てはめて、最小二乗法等により決定する。パラメータの算出は自動で行われるが、GUI画面上には図7(a)、図7(b)に示したようなグラフが表示されて、操作者はモデルが適当かを確認することができる。モデルとして不適当と判断した場合には、操作者はポインティングデバイス等を用いて、図7(a)の曲線を変形させるなどして、モデルを修正することができる。修正後のモデルはパラメータ値がa′、b′、c′、d′に変更された関係式となるか、あるいは、ルックアップテーブルとして保存される。
【0027】
工程2032では、フォーカスに対するエッジ幅の変化率が一定値以下、例えば±0.2μm値以下となるフォーカス値の範囲を求め、これをフォーカスマージン(フォーカスずれの許容範囲)として決定する。具体的には、数1をxで微分して絶対値をとり、その値が別途定めたしきい値以下の範囲をフォーカスマージンとする。これは、着目しているパターン寸法における露光器の焦点深度に相当する。図9は、露光条件と寸法特徴量とを関係付けるモデルの作成シーケンスを捕捉する図であり、図9(a)は、露光量とフォーカス値との関係を、そして図9(b)は、フォーカス値の許容範囲を示す図である。FEM上に表現するならば、図9(b)の領域1003がフォーカスマージンとなる。
【0028】
工程2033では、上記のようにして決定したフォーカスマージン内でのライン幅LW1の測定結果から露光量とライン幅の関係を導く。ライン幅LW1と露光量の関係を調べた、発明者等による実験結果を図8に示す。図8は、フォーカスが−0.2〜0.2ミクロンの範囲(フォーカスマージンが−0.2〜0.2ミクロン)について、各露光量におけるライン幅を、横軸に露光量をとってプロットした結果である。同図のように、ライン幅は露光量が増えるとリニアに減少するという関係がある。ここでは−0.2〜0.2ミクロンにおけるライン幅に対して、数2を当てはめこれをモデルとする。
【数2】
e=−hx+g …数2
ただし、x=LW1
数2はx=LW1から露光量eを算出するものであり、式中のパラメータh,gは数2を図8に当てはめて、最小二乗法等により決定する。GUI画面を介した操作者の関与方法は、工程2032と同様である。
【0029】
工程2034では、数2よりライン幅が一定値±αとなる露光量の範囲を求め、これを露光量マージン(露光量ずれの許容範囲)として決定する。αは別途定めたしきい値であり、ライン幅の10%程度の値とするのが一般的である。FEM上に表現するならば、図9(b)の領域1004(斜線部)がこれに相当し、この領域の中心を、最適露光量(E0)、最適フォーカス値(F0)として登録する(工程2035)。
【0030】
(4)プロセス変動の監視
続いて、図1に戻って、プロセス変動の監視方法について説明する。
まず、製品ウェーハ着工時の露光条件としては、最適露光量E0、最適フォーカス値F0が設定される。その後は、製品ウェーハの寸法測定を合わせて図1に示すプロセス変動の監視が行われる。第1のパターン部と第2のパターン部を含む領域の電子線像を取得し、第1のパターン部における寸法特徴量としてLW1とEW1を、第2のパターン部における寸法特徴量としてEW2を算出するまで(工程2001〜2003)までは、前述のモデルの構築の場合と同様である。
【0031】
工程2004では工程2002,2003で算出したEW1とEW2を、前述のエッジ幅とフォーカスずれ量の関係を示すモデルである数1に代入することで(ただし、x=EW1−EW2)フォーカス値Fを算出する。
【0032】
工程2005では、工程2002で算出したLW1を、前述のパターン幅と露出量の関係を示すモデルである数2に代入することで(ただし、x=LW1)露光量Eを算出する。
【0033】
工程2006では算出したΔE=E−E0、ΔF=F=F0を露光条件の補正量としてフィードバックする。このように、本発明の実施例では、常に最適条件が維持されるように機能する。
【0034】
(5)本実施例で提供される構成
前述した本実施例によって具体的には次のような構成が提供される。
レジストパターンの電子線像を得る画像検出手段(装置)〔電子線像取得11に対応〕と、該電子線像から、露光条件の変動に対してレジストパターンのエッジ幅または測定およびパターン幅を含む寸法特徴量の変化傾向が互いに異なる第1のパターン部と第2のパターン部との寸法特徴量のそれぞれを取得する寸法特徴量検知手段(装置)〔第1パターン部の寸法特徴量(LW1、LW2)算出12、第2パターン部の寸法特徴量(EW2)算出13に対応〕と、露光条件と寸法特徴量とを関係付けるモデルを保有するモデル保有手段と、前記寸法特徴量検出手段によって取得された前記第1のパターン部と第2のパターン部との寸法特徴量を前記モデルに当てはめることによって露光条件の変動量を算出する算出手段(装置)〔EW1、EW2へのモデル当てはめ→ΔF算出14、LW1へのモデル当てはめ→ΔE算出15に対応〕とを有し、更には前記算出手段によって算出された露光条件の変動量に基づいて露光条件の補正を行う補正手段(装置)〔ΔE、ΔF16に対応〕を備えるプロセス変動監視システム。
【0035】
レジストパターンの電子線像を用いて、露光条件であるフォーカス値を変動させるようにした半導体基板製造システム20において、前記レジストパターンの電子線像を得る画像検出手段と、該電子線像の2つのパターン部から、フォーカス値の変動に対して、レジストパターンのエッジ幅の変化率が一定値以下となるフォーカスずれの許容範囲を算出する算出手段と、および前記算出手段によって算出されたフォーカスの許容範囲内で露光を行う露光手段(装置)〔露光17に対応〕を備えた半導体製造システム。
【0036】
リソグラフィ工程において、レジストパターンの電子線像を用いて、露光条件の変動をモニタリングする方法であって、前記レジストパターンの電子線像を得るための画像を検出し、電子線像からレジストパターンのエッジ幅、パターン幅を含む寸法特徴量を算出し、露光条件と寸法特徴量を関連付けるモデルを保有し、露光条件の変動を監視する段階において、前記画像の検出によって、露光条件の変動に対する寸法特徴量の変化傾向が互いに異なる第1のパターン部と第2のパターン部の電子線像を取得し(手順1)、上記寸法特徴量の算出手段を用いて第1パターン部および第2パターン部の上記寸法特徴量を算出し(手順2)、該特徴量を上記露光条件と寸法特徴量を関連付けるモデルに当てはめることによって露光条件の変動量を算出する(手順3)、という手順で最適露光条件からの変動量を算出し、算出結果に基づき露光条件を補正するプロセス変動監視方法。
【0037】
(6)本実施例の効果
本実施例に依れば、「発明が解決しようとする課題」で述べた3個の課題が解決される。まず、第1の課題であった、フォーカス変動の見逃しであるが、本実施例によればエッジ幅EW1、EW2をモニタすることによって、確実にフォーカスずれを検出することが出来る。第2の課題であった、フォーカス変動のフィードバックであるが、本実施例によれば、フォーカスずれを検出するのみならず、エッジ幅EW1、EW2をモデルに当てはめることによって、正確なフォーカスずれ量の算出が可能である。第3の課題であったプロセス変動を定量的に示す情報であるが、エッジ幅EW1、EW2をモデルに当てはめることによってフォーカスの正確なずれ量が、また、ライン幅LW1をモデルに当てはめることによって露光量の正確なずれ量を求めることが可能である。ひいては、エッチング後の膜パターンの形状不良を未然に防ぐことが可能となる。
【0038】
さらに、本発明の実施例は上記のような数々の効果を有するにも係わらず、一連の作業(図1の2002〜2005)に要する時間は、従来のリソグラフィ工程においてCD−SEMを用いて寸法計測を行うのに要する時間と大差ないため、プロセスのスループットは落ちないという利点もある。
【0039】
さらにまた、従来の条件出し作業におけるプロセスウインドや最適露光条件の決定が作業者の主観に左右されるのに対して、本発明ではモデルに基づいてこれを実施するため、精度よく、また、常に同等の精度での決定が可能という利点もある。
【0040】
(7)第2の実施の形態
本発明の第2の実施の形態を図10に示す。
図10の工程11〜15は第1の実施の形態(図1)と同様である。同一形態に付いては同一の番号を付してあり、図1に対応する説明が準用される。図1に示す構成に40,41,42が加わる。第1の実施の形態は、露光量、フォーカスとも時間と共にゆっくり変動していくことを前提に、常にプロセスウインド内から外れないようにプロセス制御することを意図しているが、万が一、突発的に大きくプロセスの変動が発生すると、フィードバック量(ΔE、ΔF)に誤差が生ずる可能性がある。なぜなら、ΔE、ΔFを算出するのに用いているモデルが、上記のようにプロセスウインド内ではお互いに独立したパラメータを持つモデルとしてあらわすことができるからである。本第2の実施例では、工程40において、ΔEの値をチェックし、基準を超えている(=プロセスウインド外)の場合には、再度、ΔE、ΔFの算出し直すシーケンスに移行する。工程41では、ΔEを考慮したΔFの算出のための別モデルに対して、EW1、EW2を当てはめることによりΔFを再計算する。工程42では、ΔFを考慮したΔEの算出のための別モデルに対してLW1を当てはめることによりΔEを再計算する。
【0041】
なお、本実施例を実現するためには、露光量別のエッジ幅(EW1、EW2)とフォーカスの関係を表すモデル、及び、フォーカス値別のライン幅(LW1)と露光量の関係を表すモデルを作成しておく。あるいは、関係式として記述したモデル(数1、数2)EW1、LW1、EW2を代入することで露光条件を求める代わりに、図11に示すように露光条件別に、EW1、LW1、EW2を記述したルックアップテーブル31を保有し、EW1、LW1、EW2が最も合致する露光条件(ΔE、ΔF)を探索する方式をとっても良い。あるいは、モデルとルックアップテーブルの両方を保有し、プロセスウインドから外れた場合のみルックアップテーブルを参照するようにしても良い。
【0042】
本実施例によれば突発的に大きくプロセスの変動が発生した場合にも対応可能なプロセス制御が実現できる。
【0043】
(8)第3の実施の形態
本発明の第3の実施の形態を図12に示す。
図12において、工程11〜15第1の実施の形態(図1)と同様である。同一形体に付いては同一の番号を付してあり、図1に対応する説明が準用される。工程15でΔF算出した後、算出したΔE、ΔFをそのままにフィードバックせずに、過去のΔE、ΔFの情報を参照して(工程51)、最終的なフィードバック量ΔE1、ΔF1を決定する(工程52)。例えば、来歴データベース303には、過去数ロット分のΔEおよびΔFが記憶されており、図12(b)のように、来歴データに対して直線を当てはめることにより、最終的なフィードバック量ΔE1、ΔF1を決定する。
【0044】
露光量とフォーカスが等しくとも、微視的に見て全く等しいレジストパターンが形成されるとは限らない上、CD−SEMの撮像条件の僅かな違い、寸法特徴量の算出誤差等によって個々の被検査対象から算出したΔE、ΔFは一定の誤差を有する。フォーカスも突発的に変動するというよりは、ドリフト的に変化するものであるため、単独の結果からフィードバック量を決定するのに比べて、本実施の形態はより安定したプロセス制御が可能となる。
【0045】
なお、来歴データベースは必ずしもCD−SEM上にある必要はなく、ネットワーク上にある他の記憶装置上でもよいことは言うまでもない。また、同図では、過去数ロット分を来歴データとして用いているが、数ロット部というのは一例であり、これに限定するものではない。
【0046】
(9)その他の事項
これまでの説明では、第1のパターン部と第2のバターン部が同一画像上にあるとしたが、適当なパターンが近接して存在しない場合は、それぞれ別に画像を取得するようにしても性能上、全く問題はない。
【0047】
また、露光条件モニタ用の専用マークをウェーハ上に設けるようにしても良い。この場合は、同一画像上に、限界寸法の残しパターン(第1のパターン部用)と、限界寸法の抜きパターン(第2のパターン部用)が含まれるように配置することが望ましい。
【0048】
その一例を、図13に示す。図13(a)は、バイナリのマスクパターンのイメージで示したもので、図では白が透過部、黒が遮光部である。図13(a)の左右のパターンは、遮光部と透過部が反転したパターンであるため、残しパターン(左)と、抜きパターン(右)を形成することができる。現像後の電子線像を取得すると、図13(b)のように、エッジ部が明るく、平坦部が暗い画像を得ることができる。図13(b)においてE−F断面が第1のパターン部とされ、G−H断面が第2のパターン部とされる。E−F、G−Hの断面形状を図14に示す。現像後のパターンのイメージ図を図14(b)に示す。たとえば、中央付近のパターンに着目し、残しパターンのエッジ幅(EW1)と抜きパターンのエッジ幅(EW2)および残しパターンのエッジ幅(LW1)の寸法を電子線像から計測すれば、図4および図5で説明したパターンと同じ効果を得ることができる。なお、ここで使用したパターンのように周囲に同じ形状のパターンが多数存在する場合は、同一形状の複数のパターンのエッジ幅(EW1やEW2)やパターンの寸法(LW1)を計測し、平均した値を使用し、計測誤差を軽減することも有効である。
【0049】
更にもう一例を、図15に示す。図15(a)は、バイナリのマスクパターンのイメージで示したもので、図では白が透過部、黒が遮光部である。現像後のパターンのイメージを図15(b)に示す。中央のホールパターンが抜きパターン(第1のパターン部)に相当し、外壁部が残しパターン(第2のパターン部)に相当する。このパターンの電子線像は、図16(a)であり、エッジ部が明るく、平坦部が暗い画像となる。この像のJ−Kの断面形状は図16(b)である。外壁部のエッジ寸法(EW1)と内壁のエッジの寸法(EW2)および外周の寸法(LW1)を電子線像図16(a)から計測することにより、図4および図5で説明したパターンと同じ効果を得ることができる。
【0050】
第1のパターン部、第2のパターン部は、フォーカスに対する挙動が異なっていることが重要であって、必ずしも、図6(a)(b)に示したような挙動を示す組み合わせでなければ成らないわけではない。また、フォーカス値算出のモデルとして、EW1−EW2からフォーカス値を算出する式を用いたが(数1参照)、これは、図6(a)(b)に示したような挙動に適した関係式だから採用したのであって、使用するパターンが異なれば、別の関係式を用いればよいことは言うまでもない。さらにまた、パターン数を2個ではなく、3個以上のパターンを使用するようにしても良い。
【0051】
また、ここまで、被検査対象のウェーハ内の画像取得位置について言及しなかったが、実際の運用に当っては、ウェーハ上の複数のポイントで画像を取得し、それらの画像から得られた特徴量を総合的に判断して、露光条件のフィードバック量ΔE、ΔFを決定することが望ましい。
【0052】
また、エッジ幅をより精度よく求めるため、ステージ、あるいはビームをチルトさせて取得した画像を用いるようにしても良い。
【0053】
電子線を用いたプロセス変動監視システムおよび方法として次のシステムおよび方法が提供される。
【0054】
リソグラフィ工程において、レジストパターンの電子線像を用いて、露光条件の変動をモニタリングする方法であって、前記レジストパターンの電子線像を得るための画像検出手段と、電子線像からレジストパターンのエッジ幅、パターン幅を含む寸法特徴量を算出する手段と、露光条件と寸法特徴量を関連付けるモデルを保有する手段とを有し、露光条件の変動を監視する段階においては、上記画像検出手段を用いて、露光条件の変動に対する寸法特徴量の変化傾向が互いに異なる第1のパターン部と第2のパターン部の電子線像を取得し(手順1)、上記寸法特徴量の算出手段を用いて第1パターン部および第2パターン部の上記寸法特徴量を算出し(手順2)、該特徴量を上記露光条件と寸法特徴量を関連付けるモデルに当てはめることによって露光条件の変動量を算出する(手順3)、という手順で最適露光条件からの変動量を算出し、算出結果に基づき露光条件を補正することを特徴とする、プロセス変動監視システムおよび方法。
【0055】
リソグラフィ工程において、レジストパターンの電子線像を用いて、露光条件の変動をモニタリングするシステムであって、前記レジストパターンの電子線像を得るための画像検出手段と、電子線像からレジストパターンのエッジ幅、パターン幅を含む寸法特徴量を算出する手段と、露光条件と寸法特徴量を関連付けるモデルを保有する手段とを有し、露光条件の変動を監視する段階においては、上記画像検出手段を用いて、露光時のフォーカス値ずれ量に対するエッジ幅の変化傾向が互いに異なる第1パターン部と第2パターン部の電子線像を取得し(手順1)、上記寸法特徴量の算出手段を用いて第1パターン部および第2パターン部の上記寸法特徴量を算出し(手順2)、該特徴量を上記露光条件と寸法特徴量を関連付けるモデルに当てはめることによって、露光時のフォーカス値ずれ量と露光時の露光エネルギー量の変動量を算出する(手順3)、という手順で最適フォーカス値からのずれ量、および、最適露光エネルギー量からの変動量を算出し、算出結果に基づき露光条件を補正することを特徴とするプロセス変動監視システムおよび方法。
【0056】
前記第1のパターン部は、フォーカス値がプラス方向にずれるとエッジ幅が増加するように配置されたパターンであって、前記第2のパターン部はフォーカス値がマイナス方向にずれるとエッジ幅が増加するように配置されたパターンであることを特徴とするプロセス変動監視システムおよび方法。
【0057】
前記第1パターン部として限界寸法程度の残しパターンを、前記第2パターン部として限界寸法程度の抜きパターンを用いることを特徴とするプロセス変動監視システムおよび方法。
【0058】
前記第1のパターン部と、前記第2のパターン部として、同一画像内の異なった場所を用いることを特徴とするプロセス変動監視システムおよび方法。
【0059】
前記露光条件と寸法特徴量を関連付けるモデルは、前記第1、第2のパターンの両方、あるいは一方にエッジ幅とフォーカス値のずれ量との対応関係、および、前記第1、第2のパターンの両方、あるいは一方のパターン幅と露光エネルギー量との対応関係を関係式として記憶したものであることを特徴とするプロセス変動監視システムおよび方法。
【0060】
前記露光条件と寸法特徴量を関連付けるモデルは、フォーカス値をF、第1のパターン部から算出したエッジ幅をEW1、第2のパターン部から算出したエッジ幅をEW2とすると、EW1、EW2からFを決定する、すなわち、F=f(EW1、EW2)によりフォーカス値のずれ量を決定するものであることを特徴とするプロセス変動監視システムおよび方法。
【0061】
前記露光条件と寸法特徴量を関連付けるモデルは、前記第1パターン部、前記第2パターン部それぞれについて、種々の露光条件に対する寸法特徴量を記したテーブルであることを特徴とするプロセス変動監視システムおよび方法。
【0062】
前記露光条件と寸法特徴量を関連付けるモデルの構築は、露光器のフォーカス値と露光エネルギー量を段階的にずらしたテスト露光用試料を用い、各フォーカス値ずれ量、各露光エネルギー量における電子線像を取得し、それぞれの寸法特徴量を算出した結果に基づくことを特徴とするプロセス変動監視システムおよび方法。
【0063】
リソグラフィ工程において、レジストパターンの電子線像を用いて、露光条件の変動をモニタリングするシステムであって、前記レジストパターンの電子線像を得るための画像検出手段と、電子線像からレジストパターンのエッジ幅、パターン幅を含む寸法特徴量を算出する手段と、露光条件と寸法特徴量を関連付けるモデルを保有する手段とを有し、エッジ幅とフォーカスずれ量との対応関係、および、パターン幅と露光エネルギー量との対応関係から、プロセスウインド、すなわち、フォーカスずれの許容範囲と露光エネルギー量変動の許容範囲を自動的に決定する機能を有することを特徴とするプロセス変動監視システムおよび方法。
【0064】
尚、フォーカス値の符号の意味は露光機メーカによって異なる場合があるが、本発明では図21に示す定義を使用する。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、フォーカス変動の検知が可能になる。更に、露光量の変動のみならずフォーカス変動の検知が可能で、かつ、検知にとどまらず、プロセス変動を定量的に示す情報、すなわち、露光量とフォーカスの正確な変動量を出力することが可能なプロセス変動監視システムおよび方法を提供することが可能となる。その結果として、従来の寸法計測では見逃されていたフォーカスのずれによる立体形状の異常が検出可能となり、再生がきかないエッチング後の膜パターンとなる不良の作り込みが防げるようになる。さらにまた、従来の条件出し作業におけるプロセスウインドや最適露光条件の決定が作業者の主観に左右されるのに対して、本発明ではモデルに基づいてこれを実施するため、精度よく、また、常に同等の精度での決定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係るプロセス変動監視システムを有すリソグラフィ工程図。
【図2】第1の実施の形態に係るCD−SEMの全体構成図。
【図3】露光条件と寸法特徴量を関連付けるモデルの作成シーケンスを示す図。
【図4】プロセス変動監視に適したパターンの一例を示す図。
【図5】プロセス変動監視に適したパターンの一例を示す断面図。
【図6】フォーカスに対するエッジ幅の変化を示すグラフ図。
【図7】フォーカスに対するエッジ幅の変化を示すグラフ図。
【図8】エッジ幅とフォーカスの関係を表すモデルの説明図。
【図9】露光条件と寸法特徴量とを関連付けるモデルの作成シーケンスを捕捉する図。
【図10】第2の実施の形態に係るプロセス変動監視システム図。
【図11】露光条件と寸法特徴量を関連付けるモデルの別の形態図。
【図12】第3の実施の形態に係るプロセス変動監視システム図。
【図13】プロセス変動監視に適したパターンの例2を示す図。
【図14】プロセス変動監視に適したパターンの例2(計測方法)を示す図。
【図15】プロセス変動監視に適したパターンの例3を示す図。
【図16】プロセス変動監視に適したパターンの例3(計測方法)を示す図。
【図17】エッチング前後のレジストパターンと膜パターンの関係を示す模式図。
【図18】条件出し用ウェーハの一例を示す図。
【図19】レジストの断面形状と二次電子信号強度の関係を示す模式図。
【図20】露光量、フォーカスとライン幅の関係を示すグラフ図。
【図21】フォーカス値定義図。
【符号の説明】
10…半導体製造装置の製品ウェーハの流れ、11…電子線像取得、12…第1パターン部の寸法特徴量(LW1、EW1)の算出、13…第2パターン部の寸法特徴量(EW2)の算出、14…EW1、EW2へのモデル当てはめ→ΔF算出、15…LW1へのモデル当てはめ→ΔE算出、16…ΔE、ΔF、17…露光、18…現像、19…エッチング、100…ウェーハ、101…ステージ、102…チルトステージ、200…電子光学系、201…電子銃、202…一次電子線、203…コンデンサレンズ、204…偏向器、205…ExB偏向器、206…対物レンズ、207…二次電子検出器、208…A測定D変換器、209,210…反射電子検出器、300…画像処理部、301,303…画像メモリ、302…表示装置。
Claims (9)
- レジストパターンの電子線像を用いて、フォーカスおよび露光量についての露光条件の変動をモニタリングするモニタリング手段を備えたプロセス変動監視システムにおいて、
前記モニタリング手段は、前記レジストパターンの電子線像を得る画像検出手段と、該電子線像から、露光条件の変動に対して、フォーカス値の変動に対してレジストパターンのエッジ幅の変化傾向が互いに異なる第1のパターン部と第2のパターン部とのエッジ幅、およびパターン幅の寸法特徴量を取得する寸法特徴量検知手段と、露光条件と寸法特徴量とを関係付けるモデルを保有するモデル保有手段と、前記寸法特徴量検出手段によって取得された前記第1のパターン部と第2のパターン部とのエッジ幅の寸法特徴量を前記モデルに当てはめることによって露光条件の変動に対するフォーカス値の変動量を算出し、かつ取得されたパターン幅の寸法特徴量を前記モデルに当てはめることによって露光エネルギー量の変動量を算出する算出手段とを有すること
を特徴とするプロセス変動監視システム。 - 請求項1において、
前記算出手段によって算出された露光条件の変動量に基づいて露光条件の補正を行う補正手段を備えることを特徴とするプロセス変動監視システム。 - レジストパターンの電子線像を用いて、露光条件としてフォーカス値の変動をモニタリングするモニタリング手段を備えたプロセス変動監視システムにおいて、
前記モニタリング手段は、前記レジストパターンの電子線像を得る画像検出手段と、該電子線像から、フォーカス値の変動に対してレジストパターンのエッジ幅の変化傾向が互いに異なる第1のパターン部と、第2のパターン部とのエッジ幅の寸法特徴量のそれぞれを取得する寸法特徴量検知手段と、フォーカス値と寸法特徴量とを関係付けるモデルを保有するモデル保有手段と、前記寸法特徴量検知手段によって取得された前記第1のパターン部と第2のパターン部との寸法特徴量を前記モデルに当てはめることによってフォーカス値の変動量を算出する算出手段とを有すること
を特徴とするプロセス変動監視システム。 - 請求項3において、
前記露光条件は露光量を含み、前記モデルは、露光量と寸法特徴量とを関係付け、前記寸法特徴量検知手段によって取得された前記第1のパターン部と第2のパターン部とのパターン幅をも含む寸法特徴量を当該モデルに当てはめることによって露光値の変動量をも前記算出手段は算出することを特徴とするプロセス変動監視システム。 - 請求項3または4において、
前記算出手段によって算出されたフォーカス値の変動量に基づいてフォーカス値の補正を行う補正手段を備えることを特徴とするプロセス変動監視システム。 - 請求項4において、
前記算出手段はフォーカスずれの許容範囲と露光エネルギー量変動の許容範囲を算出することを特徴とするプロセス変動監視システム。 - リソグラフィ工程において、レジストパターンの電子線像を用いて、露光条件としてのフォーカス値の変動をモニタリングする方法であって、
前記レジストパターンの電子線像を得るための画像を検出し、電子線像からレジストパターンのエッジ幅の寸法特徴量を算出し、フォーカス値と寸法特徴量を関連付けるモデルを保有し、
露光条件の変動を監視する段階において、前記画像の検出によって、フォーカス値の変動に対するレジストパターンのエッジ幅の寸法特徴量の変化傾向が互いに異なる第1のパターン部と第2のパターン部の電子線像を取得し(手順1)、上記寸法特徴量の算出手段を用いて第1パターン部および第2パターン部の上記寸法特徴量を算出し(手順2)、該寸法特徴量を上記露光条件と寸法特徴量を関連付けるモデルに当てはめることによってフォーカス値の変動量を算出し(手順3)、算出結果に基づきフォーカス値の変動量を補正すること
を特徴とするプロセス変動監視方法。 - リソグラフィ工程において、レジストパターンの電子線像を用いて、露光条件の変動をモニタリングする方法であって、
前記レジストパターンの電子線像を得るための画像を検出し、電子線像からレジストパターンのエッジ幅、パターン幅を含む寸法特徴量を算出し、露光条件と寸法特徴量を関連付けるモデルを保有し、
露光条件の変動を監視する段階において、前記画像の検出によって露光時のフォーカス値の変動量に対するレジストパターンのエッジ幅の変化傾向が互いに異なる第1パターン部と第2パターン部の電子線像を取得し(手段1)、上記寸法特徴量の算出手段を用いて第1パターン部および第2パターン部の上記寸法特徴量を算出し(手順2)、該特徴量を上記露光条件と寸法特徴量を関連付けるモデルに当てはめることによって、露光時のフォーカス値の変動量と露光時の露光エネルギー量の変動量を算出する(手順3)、という手順で最適フォーカス値からの変動量、および、最適露光エネルギー量からの変動量を算出し、算出結果に基づき露光条件を補正すること
を特徴とするプロセス変動監視方法。 - 請求項7または8において、
前記第1のパターン部は、フォーカス値がプラス方向にずれるとエッジ幅が増加するように配置されたパターンであって、前記第2のパターン部はフォーカス値がマイナス方向にずれるとエッジ幅が増加するように配置されたパターンであることを特徴とするプロセス変動監視方法。
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