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JP3996694B2 - ゴム組成物 - Google Patents

ゴム組成物 Download PDF

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    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
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  • Tires In General (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリカを配合してなるゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、特にタイヤの分野においては、耐摩耗性および低燃費性に対する市場の要求に対して補強材としてカーボンブラックのかわりにシリカが用いられ、シリカを配合するにあたっては、加工上および性能上の理由からシランカップリング剤が併せて配合されている。このばあい、加硫後のゴム組成物は硬化してしまうため、シランカップリング剤とシリカは加工中に反応させる必要がある。
【0003】
そこで、たとえばジエチレングリコールや脂肪酸(ゴム工業便覧〈第四版〉)、カルボン酸の金属塩(タイヤ テクノロジー インターナショナル(Tire Technology International)、1995年)、ジチオプロピオン酸(特開平9−176381号公報)、変性シリコーンオイル(特開平9−111044号公報)、炭酸カルシウム(特開平9−150606号公報)、無機充填材(国際特許出願第95−31888号パンフレット、特開平8−59894号公報)、チオ硫酸ナトリウム(特開平9−118784号公報)などを添加する方法、シリカの表面をあらかじめシリコーンオイルで処理してから用いる方法(特開平6−248116号公報)などが提案されている。しかし、これらの技術においては、前記補助剤を用いることによる、スコーチの問題、強度の充分な向上がないなどの性能上の問題があり、実用上充分な解決がなされていないという問題がある。
【0004】
そこで、たとえば特許第263588号明細書、特開平8−259735号、特開平8−259736号、および特開平8−259739号各公報においては、2段階による混練を行なう方法が開示されているが、これらの方法によれば、混合と反応を同時に行なうため上記性能の両立が困難であり、加工性とシリカの性能(転がり抵抗、ウェット性能)の両立が不充分であるという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上の事実に鑑み、本発明の目的は、シランカップリング剤とシリカとが効率よく反応し、転がり性能とウェット性能そして耐摩耗性にバランスよく優れたゴム組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)スチレンブタジエンゴム、シリカならびに
式(1):Z−R−Sn−R−Z(式(1)中、Rは炭素数1〜18の2価の炭化水素基、nは2〜8の整数、Zは−Si(R122、−SiR1(R22または−Si(R23(ただし、R1は炭素数1〜4のアルキル基、R 2は炭素数1〜8のアルコキシ基)である)で示されるシランカップリング剤のいずれか1種以上を130℃未満の温度で30秒間〜30分間混合したのち、
(b)130〜180℃で1〜20分間混合し、ついで
(c)加硫剤および加硫促進剤を添加して加硫温度以下の温度で1〜20分間混合してえられるタイヤトレッド用ゴム組成物に関する。
【0007】
このばあい、前記工程(a)における混合ののち、ゴム混合物の温度を100℃以下に冷却してから工程(b)における混合を行なうのが好ましい。
【0008】
また、前記ゴム組成物は加硫後の引張強度M300のM100に対する比が4以上であるのが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明においては、上述のように3段階の混合工程(a)〜(c)からなり、まず工程(a)として、加硫可能なポリマー、シリカならびに式(1):Z−R−Sn −R−Z、式(2)Z−R−SH、式(3)Z−R−NH2 、式(4)Z−CH=CH2 および式(5)Z−R−Cl(式(1)〜(5)中、Rは炭素数1〜18の2価の炭化水素基、nは2〜8の整数、Zは−Si(R1 2 2 、−SiR1 (R2 2 または−Si(R2 3 (ただし、R1 は炭素数1〜4のアルキル基、シクロヘキシル基もしくはフェニル基、R2 は炭素数1〜8のアルコキシ基もしくは炭素数5〜8のシクロアルコキシ基)である)で示されるシランカップリング剤のいずれか1種以上を130℃未満の温度で30秒間〜30分間混合する。この混合工程(a)は、主として、ポリマーとシリカとシランカップリング剤を充分混合するために行なう。
【0010】
ここで、加硫可能なポリマーとしては、従来からゴム組成物に用いられ、かつ加硫可能なものであれば特に制限はなく、たとえばスチレンブタジエンゴム(SBR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、p−メチルスチレン/イソブチレン共重合体の臭素化物などがあげられ、これらをそれぞれ単独で、または任意に組み合わせて用いることができる。
【0011】
つぎに本発明において用いるシリカとしても、従来からゴム組成物の分野において用いられているものであれば特に制限はないが、補強効果を付与し、分散性を劣化させず、かつ発熱を抑えるという点から、チッ素吸着比表面積が100〜300m2 /gであるのが好ましく、さらに、補強効果という点から、100〜250m2 /gであるのが特に好ましい。
【0012】
本発明における前記シリカの配合量としては、前記ポリマー100重量部に対して10〜150重量部であればよい。
【0013】
つぎに本発明において用いるシランカップリング剤としては、補強性と加工性という点から、式(1):Z−R−Sn −R−Z、式(2)Z−R−SH、式(3)Z−R−NH2 、式(4)Z−CH=CH2 、および式(5)Z−R−Cl(式(1)〜(5)中、Rは炭素数1〜18の2価の炭化水素基、nは2〜8の整数、Zは−Si(R1 2 2 、−SiR1 (R2 2 または−Si(R2 3 (ただし、R1 は炭素数1〜4のアルキル基、シクロヘキシル基もしくはフェニル基、R2 は炭素数1〜8のアルコキシ基もしくは炭素数5〜8のシクロアルコキシ基)である)で示されるシランカップリング剤のいずれか1種以上を配合する。
【0014】
式(1)で示されるシランカップリング剤としては、たとえばビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドなどがあげられる。
【0015】
式(2)で示されるシランカップリング剤としては、たとえば3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシランなどがあげられる。
【0016】
式(3)で示されるシランカップリング剤としては、たとえばN−β(アミノエチル)−γアミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γアミノプロピルメチルジメトキシシランなどがあげられる。
【0017】
式(4)で示されるシランカップリング剤としては、たとえばビニルトリス(βメトキシエトキシシラン)、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどがあげられる。
【0018】
式(5)で示されるシランカップリング剤としては、たとえばビニリトリクロルシランなどがあげられる。
【0019】
これらのなかでも、補強性と加工性という点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドを用いるのが好ましい。
【0020】
前記シランカップリング剤の配合量としては、前記シリカの2〜20重量%であればよい。
【0021】
本発明においてはまず工程(a)で前記成分を混合するが、このときの混合手段としては、従来からの機械的混合手段、たとえばバンバリーミキサー、ニーダーなどを用いることができる。
【0022】
工程(a)における混合温度としては、混合中のゴム組成物の粘度が低下して充填材の充分な分散が妨げられないように130℃未満であるのが好ましく、さらに、加工性(粘度を上昇させない)という点から、80〜120℃であるのが特に好ましい。
【0023】
また、工程(a)における混合時間としては、分散性という点から、30秒間〜30分間であればよいが、さらに、分散性とコスト(工程)という点から、30秒間〜20分間であるのが好ましい。
【0024】
つぎに、本発明においては、前記工程(a)においてえたゴム混合物をさらに工程(b)において混合する。この混合工程(b)は、シリカとシランカップリング剤を化学的に結合させるために行なう。
【0025】
ここで、工程(a)によりえられたゴム混合物は、加工性(粘度を上昇させない)という点から、放冷、水冷などにより100℃以下、好ましくは室温程度に冷却したのち、工程(b)における混合に供するのが好ましい。
【0026】
工程(b)における混合温度としては、シリカとシランカップリング剤の反応という点から、130〜180℃であればよいが、シリカの特性を充分に発揮させ、シランカップリング剤に含まれうるイオウ原子により架橋反応が促進して起こるゲル化、およびそれにともなうゴム肌の劣化を防ぐという点から、145〜165℃であるのが特に好ましい。
【0027】
また、混合時間としては、反応を充分に行なわせるという点から、1〜20分間であるのが好ましく、さらに、粘度を上昇させないという点から、1〜10分間であるのが特に好ましい。
【0028】
なお、工程(b)における混合手段としては、工程(a)で用いるものと同じでよい。
【0029】
最後に、本発明においては、工程(c)において、前記工程(b)でえたゴム混合物に加硫剤および加硫促進剤(加硫システム)を添加して混合する。この混合工程(c)は、主として、えられるゴム組成物を加硫させたときに均質に硬化させるべく、加硫剤および加硫促進剤をゴム組成物中に均一に分散させるために行なう。前記ポリマー100重量部に対して加硫剤は0.5〜3重量部、加硫促進剤は0.5〜5重量部であればよい。
【0030】
このときの混合手段としては、加硫剤を分散させるというものであればよく、たとえばオープンロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどがあげられる。
【0031】
また、混合工程(c)における混合温度としては、加硫剤の分散性とゴム焼けをおこさないという点から、加硫温度以下の温度であればよい。加硫温度以下の温度は、製品の種類やサイズによって異なるが、通常は80〜120℃であればよい。
【0032】
また、混合時間としては、分散性という点から、1〜20分間であるのが好ましく、さらに、ゴム焼けをおこさないという点から、1〜10分間であるのが特に好ましい。
【0033】
ここで、本発明のゴム組成物には、前記成分のほかに、たとえばタルク、クレーなどの白色充填剤およびカーボンブラックなどの充填剤、パラフィン系、アロマ系、ナフテン系のプロセスオイルなどの軟化剤、クマロンインデン樹脂、ロジン系樹脂、シクロペンタジエン系樹脂などの粘着付与剤、ステアリン酸、酸化亜鉛などの加硫助剤、老化防止剤などを、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて適宜配合することができる。たとえば、軟化剤を用いるばあいは、前記ポリマー100重量部に対して0〜250重量部であればよい。ただし、これらの成分を配合するばあいは、工程(a)〜(c)のいずれの段階でもよいが、シリカとシランカップリング剤の分散性という点から、工程(b)において配合するのが好ましい。
【0034】
上述のように、工程(a)〜(c)を経て本発明のゴム組成物がえられる。えられるゴム組成物の中でも、シリカとシランカップリング剤の反応が効率よく進行しているという点から、加硫後の引張強度M300のM100に対する比(M300/M100)が4以上であるのが好ましい。すなわちシリカとシランカップリング剤の反応が効率よく進行すればするほどM300/M100の値が大きくなる。上限は特にないが、通常は6程度である。なお、本発明においていう引張強度とは、JIS K6301に準拠して測定されるものをいう。
【0035】
本発明のゴム組成物は、転がり抵抗、ウェット性能、耐摩耗性の改善という点から、たとえばタイヤのトレッド、クツ底などに適用することができる。
【0036】
以下に、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらのみに制限されるものではない。
【0037】
【実施例】
まず、表1に実施例において用いた各成分およびそれらの配合量を示す。
【0038】
実施例1〜4
表1に示す配合割合にしたがい、本発明の各工程(a)〜(c)の条件を表2に示す条件として、本発明の方法によりゴム組成物1〜4をえた。なお、工程(a)および(b)ではBR型バンバリーミキサーを用い、工程(c)ではオープンロールを用いた。また、工程(a)によりえられたゴム混合物は、室温にまで放冷したのちに工程(b)に供した。
【0039】
ついで、えられたゴム組成物1〜4を170℃で20分間プレス加硫して加硫物1〜4をえ、以下の試験方法により評価した。結果を表2に示す。
【0040】
[試験方法]
▲1▼ムーニー試験、引張り試験および硬さ試験:JIS K6301に準拠して、ムーニー粘度、M100、M300、TB 、EB および硬さを測定した。ムーニー粘度が100以下であれば加工性に劣らない。また、M300/M100の値が大きいほどシリカとシランカップリング剤の反応が反応が進んでおり、好ましい。
【0041】
▲2▼粘弾性試験:(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメーターVESを用いて、温度70℃、動歪み2%、初期歪み10%の条件でE* およびtanδを測定し、転がり抵抗特性を評価した。tanδは低いほど好ましい。
【0042】
▲3▼トルエン膨潤度:加硫物を20℃のトルエン中に48時間浸漬し、浸漬前後の体積変化を調べ、式:
トルエン膨潤度(%)=(膨潤後の体積/膨潤前の体積)×100
にしたがって、トルエン膨潤度を求めた。
【0043】
▲4▼摩耗試験:ランボーン摩耗試験機を用いて、温度23℃、スリップ率20%、試験時間5分間、負荷加重2kg。落砂量20g/minの条件で、容積で損失量を計算し、後述する比較例1の損失量を100とし、式:
摩耗指数=(比較例1の損失量/各実施例の損失量)×100
にしたがって摩耗指数を求めた。
【0044】
▲5▼ウェットスキッド試験:スタンレー社製のポータブルスキッドテスターを用い、ASTM E−303−83の方法にしたがって式:
ウェットスキッド指数=(各実施例の指数/比較例1の指数)×100
により、ウェットスキッド指数を求めた。ウェットスキッド指数が大きいほどウェット性能に優れる。
【0045】
▲6▼加工性:工程(a)ののち、バンバリーからゴム混合物aを排出するときの当該ゴム混合物aのまとまりから加工性を○、△、×で評価した。ゴムのまとまりがよく、その後のロール作業に困難がなかったばあいを○、ゴムのまとまりが少し劣り、その後のロール作業にやや困難があったばあいを△、ゴムがバサバサの状態で排出され、ロール作業が困難をきわめたばあいを×とした。
【0046】
比較例1および2
工程(b)を行なわず、かつ表2に示す条件にかえたほかは、実施例1と同様にして比較ゴム組成物1および2を製造し、実施例と同様の試験を行なった。結果を表2に示す。
【0047】
比較例3〜9
表2に示す条件にかえたほかは、実施例1と同様にして比較ゴム組成物3〜9を製造し、実施例と同様の試験を行なった。結果を表2に示す。
【0048】
【表1】
Figure 0003996694
【0049】
【表2】
Figure 0003996694
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、シランカップリング剤とシリカとが効率よく反応し、転がり抵抗、ウェット性能、耐摩耗性に優れたゴム組成物をうることができる。

Claims (3)

  1. (a)スチレンブタジエンゴム、シリカならびに
    式(1):Z−R−Sn−R−Z(式(1)中、Rは炭素数1〜18の2価の炭化水素基、nは2〜8の整数、Zは−Si(R122、−SiR1(R22または−Si(R23(ただし、R1は炭素数1〜4のアルキル基、R 2は炭素数1〜8のアルコキシ基)である)で示されるシランカップリング剤のいずれか1種以上を130℃未満の温度で30秒間〜30分間混合したのち、
    (b)130〜180℃で1〜20分間混合し、ついで
    (c)加硫剤および加硫促進剤を添加して加硫温度以下の温度で1〜20分間混合してえられるタイヤトレッド用ゴム組成物。
  2. 前記工程(a)における混合ののち、ゴム混合物の温度を100℃以下に冷却してから工程(b)における混合を行なう請求項1記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  3. 加硫後の引張強度M300のM100に対する比が4以上である請求項1または2記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
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