JP3979133B2 - 音場再生装置、プログラム及び記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホールなどの音場を再生する音響信号を生成する音場再生装置、この音響信号を生成する音響信号処理を行うためのプログラム及びこのプログラムを記憶した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ホールなどの原音場のインパルス応答を実測または音響CADによる音響シミュレーションによって予め取得しておけば、このインパルス応答と音響信号との畳み込み演算によって、その原音場の該音響信号に対する応答(以下、「再生信号」という。)を計算することができる。この技術は、様々なオーディオ再生装置に適用され、各家庭でコンサートホールの音場を再現したり、野外コンサートで所望の屋内ホールの音響効果を再現するためなどに利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、インパルス応答を全て畳み込み演算に使用する方式(全畳み込み方式)は、原音場を忠実に再現できるという利点があるが、畳み込み演算を行うFIRフィルタ(非巡回形フィルタ)のタップ数がインパルス応答の長さに比例して多くなってしまうため、回路規模が膨大になってしまうという欠点がある。
【0004】
一方、回路規模を小さくするために、インパルス応答の最初部分のみを畳み込み演算に使用して再生信号の一部を生成し、再生信号の残りの部分はインパルス応答とは無関係に生成する方式がある。しかし、この方式は、再生信号の残りの部分を、CombフィルタやALL-PASSフィルタなどの組み合わせで生成しており、フィルタ係数の調整が煩雑な問題があった。特に、最初の部分とのつながりを自然にするためには、作業者が音を聞きながらフィルタ係数を調整するといった手作業に近い作業が必要になるという問題があった。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、畳み込み演算量を減らしても原音場の再現性に優れ、自然な残響特性を有する音響信号を生成することができる音場再生装置、その音響信号処理を行うためのプログラム及びこのプログラムを記憶した記録媒体を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、ある音場のインパルス応答を用いて該音場を再生する音場再生装置において、前記インパルス応答に対応するデータであって、前記インパルス応答の最初から第1時点までの第1期間のデータである第1のインパルス応答データと、前記第1時点からインパルス応答の終了時点より前の第2時点までの前記第1期間に連続する第2期間のデータである第2のインパルス応答データとのみを記憶する記憶部と、再生しようとする音響信号に対して、前記第1のインパルス応答データを畳み込み演算する第1の畳み込み演算手段と、再生しようとする音響信号に対して、前記第2のインパルス応答データを畳み込み演算する第2の畳み込み演算手段と、前記第2の畳み込み演算手段の演算によって得られる信号を前記第1期間分遅延させて出力する第1遅延手段と、前記第1の畳み込み演算手段の演算によって得られる信号と、前記第1遅延手段により遅延された信号とを加算する第1加算手段と、前記第1遅延手段により遅延された信号を前記第2期間分遅延させて出力する第2遅延手段と、前記第2遅延手段により遅延された信号から残響音の信号を生成する残響音生成手段と、前記第1加算手段により得られた信号と、前記残響音生成手段で生成された信号とを加算する第2の加算手段とを備え、前記残響音生成手段は、前記第2遅延手段により遅延された信号のフィードバックループを有し、該ループ内に、前記第2のインパルス応答データの先頭部分の周波数特性と末尾部分の周波数特性との差に対応する減衰特性を有する周波数特性整合フィルタを有することを特徴としている。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の音場再生装置において、前記第1のインパルス応答データは、前記インパルス応答の初期反射音の範囲と残響音の一部の範囲を含むデータであることを特徴としている。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、ある音場のインパルス応答を用いて該音場を再生する音場再生装置において、前記インパルス応答に対応するデータであって、前記インパルス応答の最初から第1時点までの第1期間のデータに対してフェードアウト処理を施した第1のインパルス応答データと、前記第1時点からインパルス応答の終了時点より前の第2時点までの前記第1期間に連続する第2期間のデータに対してフェードイン処理とフェードアウト処理を施した第2のインパルス応答データとのみを記憶する記憶部と、再生しようとする音響信号に対して、前記第1のインパルス応答データを畳み込み演算する第1の畳み込み演算手段と、再生しようとする音響信号に対して、前記第2のインパルス応答データを畳み込み演算する第2の畳み込み演算手段と、前記第2の畳み込み演算手段の演算によって得られる信号を前記第1期間分遅延させて出力する第1遅延手段と、前記第1の畳み込み演算手段の演算によって得られる信号と、前記第1遅延手段により遅延された信号とを加算する第1加算手段と、前記第1遅延手段により遅延された信号を前記第2期間分遅延させて出力する第2遅延手段と、前記第2遅延手段により遅延された信号から残響音の信号を生成する残響音生成手段と、前記第1加算手段により得られた信号と、前記残響音生成手段で生成された信号とを加算する第2の加算手段とを備え、前記残響音生成手段は、前記第2遅延手段により遅延された信号のフィードバックループを有し、該ループ内に、前記第2のインパルス応答データの先頭部分の周波数特性と末尾部分の周波数特性との差に対応する減衰特性を有する周波数特性整合フィルタを有することを特徴としている。
【0009】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1または請求項3に記載の音場再生装置において、前記残響音生成手段は、該ループ内に、該ループに入力された信号を減衰させる減衰手段と、該ループの一巡回前の信号と、該ループの一巡回後の信号とがつながるように、該ループに入力された信号を遅延させる遅延手段とをさらに有することを特徴としている。
【0010】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1,3,4のいずれかに記載の音場再生装置において、前記残響音生成手段は、該ループ内に、該ループに入力された信号の位相を拡散させる拡散フィルタをさらに有することを特徴としている。
【0011】
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記減衰手段の減衰量は、前記ある音場のインパルス応答の前記第1時点以降の減衰量に対応する値に設定されることを特徴としている。
【0012】
また、請求項7に記載の発明は、ある音場のインパルス応答を用いて該音場を再生するためにコンピュータを、再生しようとする音響信号に対して、前記インパルス応答に対応するデータであって、前記インパルス応答の最初から第1時点までの第1期間のデータである第1のインパルス応答データを畳み込み演算する第1の畳み込み演算手段と、再生しようとする音響信号に対して、前記インパルス応答に対応するデータであって、前記第1時点から前記インパルス応答の終了時点より前の第2時点までの前記第1期間に連続する第2期間のデータである第2のインパルス応答データを畳み込み演算する第2の畳み込み演算手段と、前記第2の畳み込み演算手段の演算によって得られる信号を前記第1期間分遅延させて出力する第1遅延手段と、前記第1の畳み込み演算手段の演算によって得られる信号と、前記第1遅延手段により遅延された信号とを加算する第1加算手段と、前記第1遅延手段により遅延された信号を前記第2期間分遅延させて出力する第2遅延手段と、前記第2遅延手段により遅延された信号から残響音の信号を生成する残響音生成手段と、前記第1加算手段により得られた信号と、前記残響音生成手段で生成された信号とを加算する第2の加算手段として機能させ、前記残響音生成手段を、前記第2遅延手段により遅延された信号のフィードバックループを有し、該ループ内に、前記第2のインパルス応答データの先頭部分の周波数特性と末尾部分の周波数特性との差に対応する減衰特性の周波数特性整合フィルタを有する手段として機能させるためのプログラムであることを特徴としている。
【0013】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であることを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳述する。以下に示す実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更可能である。
【0018】
(1) 第1実施形態
図1は、本発明の音場再生装置の一実施例であるエフェクタ100の構成を示すブロック図である。
このエフェクタ100は、ある原音場のインパルス応答IRの一部に対応するインパルス応答IR0に基づきマイクロホン101を介して入力した音響信号S1に所定の音響信号処理を行うことによって、該原音場の該音響信号S1に対する応答を再現した音響信号S4を生成する装置である。なお、インパルス応答IR0は、実測のインパルス応答から作成してもよいし、また、音響CADによる音響シミュレーションによって作成してもよい。
同図に示すように、このエフェクタ100は、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、操作部104、CPU(Central Processing Unit)105、表示部106、A/D(Analog / Digital)変換回路107、インパルス応答メモリ108、音響処理部109、D/A(Digital / Analog)変換回路110から構成されている。
【0019】
このエフェクタ100において、ROM102は、上記音響信号処理を行うためのプログラムなどの各種処理を実行するためのプログラム群を予め格納するメモリである。また、RAM103は、CPU105のワーキングエリアとして使用され、音響信号処理を行う際などに必要なデータが一時的に格納される。
操作部104は、図示しない操作スイッチが操作されたことを検出すると、検出結果をバスBUSを介してCPU105に通知する。
CPU105は、操作部104を介して入力したユーザの操作に応じてROM102に記憶された各種プログラムを実行することにより、バスBUSを介して接続された各部の制御を行う。
表示部106は、液晶表示パネルと、この液晶表示パネルの表示制御を行う駆動回路とから構成され、CPU105の制御の下、各種情報を表示する。
また、A/D変換回路107は、マイクロホン101から入力したアナログ信号の音響信号S1をディジタル信号の音響信号(以下、「ディジタル音響信号」という)S2に変換して出力する。
【0020】
インパルス応答メモリ108は、原音場のインパルス応答IRの一部の時間範囲の応答IR0に対応するインパルス応答データDI0が予め格納されている。以下、このインパルス応答データDI0の時間範囲の条件について説明する。
図2のインパルス応答IRの音圧レベルの時間減衰特性の模式図に示すように、インパルス応答IRの音圧レベルの減衰特性は、音圧レベルを対数表示した場合、初期反射音にほぼ対応する範囲と、残響音にほぼ対応する範囲とで傾きが異なる直線で近似することができる。ここで、初期反射音とは直接音の後に到来する低次反射音のことをいい、残響音とは初期反射音の後に到来する高次反射音のことである。
そして、このインパルス応答IRのうち、先頭から少なくとも残響波形の傾きが変わった時点の経過時間t1以降の経過時間t2までのインパルス応答IR0に対応するデータがインパルス応答データDI0としてインパルス応答メモリ108に記憶されるようになっている。
【0021】
言い換えると、インパルス応答データDI0は、聴感上音場の違いを識別し易い初期反射音の範囲全てと、音場の違いが主に残響時間で識別される残響音の最初部分の範囲の応答のみを抽出したデータである。なお、初期反射音を何次の反射音までと判断するかの解釈にもよるが、必ずしも初期反射音の範囲と、残響音の範囲で明確に傾きが異なるとは言えない。従って、インパルス応答の残響波形を2つの傾きの直線で折れ線近似した場合に、傾きが変わった時点t1以降のインパルス応答を含むようにインパルス応答データDI0を抽出すればよい。また、2つの傾きの直線で近似する方法に限らず、様々な近似曲線で2つの傾きを近似してもよい、要は、初期反射音の範囲と残響音の一部の範囲を含む応答をインパルス応答データDI0として使用すればよい。
【0022】
また、以降において、このインパルス応答データDI0のうち、インパルス応答IR0の最初から経過時間t1以降であって経過時間t2より以前の経過時間taまでの応答IRaのデータを第1インパルス応答データDIaとし、経過時間taから経過時間t2までの応答IRbのデータを第2インパルス応答データDIbとして各々独立に使用されるようになっている。なお、経過時間ta及びt2について具体的な数値を一例として挙げると、経過時間taは0.3秒程度、経過時間t2は0.5秒程度の値である。
【0023】
図3は、インパルス応答メモリ108に格納されたインパルス応答データDI0の内容を模式的に示す図である。この図に示すように、インパルス応答データDI0は、インパルス応答データDI0のサンプリング周期dtに対応する時間間隔で並ぶ経過時間(Ta1〜Tam、Tb1〜Tbn)と、各経過時間における該インパルス応答データDI0を表す係数(a1〜am、b1〜bn)とを対応づけたデータである。なお、この図3においては、説明を判りやすくするために、上述した最初から経過時間ta(=Tam)までの範囲の第1インパルス応答データDIaのサンプリング数をm個とし、これに対応して最初から経過時間taまでの時間を経過時間Ta1〜Tamと表記した例を示している。同様に、経過時間taから経過時間t2(Tbn)までの範囲の第2インパルス応答データDIbのサンプリング数をn個とし、これに対応して経過時間taから経過時間t2までの時間を経過時間Tb1〜Tbnと表記した例を示している。また、経過時間の情報は省略して、各インパルス応答データに対応する係数だけを格納してもよい。
【0024】
音響処理部109は、CPU105の制御の下、マイクロホン101を介して入力したディジタル音響信号S2に対し、インパルス応答メモリ108に記憶されたインパルス応答データDIa、DIbに基づいて音響信号処理を施し、残響効果を付与したディジタル音響信号S3を生成して出力する。
D/A変換回路110は、音響処理部109から入力されるディジタル音響信号S3をディジタルアナログ変換してアナログ音響信号S5をアンプ111に出力する。この結果、アナログ音響信号S5がアンプ111により増幅され、スピーカ112から対応する音声が放音されるようになっている。
【0025】
次に、音響処理部109について説明する。図4は、音響処理部109の機能構成を示すブロック図である。音響処理部109は、2つの畳み込み演算部121及び122、加算器123及び124、遅延器125及び126、残響音生成部127から構成されている。
この音響処理部109において、畳み込み演算部121は、ディジタル音響信号S2に対し、インパルス応答メモリ108に格納される第1インパルス応答データDIaを畳み込み演算することによって、図5に示すように、第1インパルス応答データDIaに対応する応答IRaを再現したディジタル音響信号S3aを生成する。なお、上述したように、第1インパルス応答データDIaのサンプリング数はm個であるため、この畳み込み演算部121はm段の畳み込み演算処理を行うように構成されている。
【0026】
また、畳み込み演算部122は、ディジタル音響信号S2に対し、インパルス応答メモリ108に格納される第2インパルス応答データDIbを畳み込み演算することによって、図5に示すように、第2インパルス応答データDIbに対応する応答IRbを再現したディジタル音響信号S3bを生成する。なお、上述したように、第2インパルス応答データDIbのサンプリング数はn個であるため、この畳み込み演算部122はn段の畳み込み演算処理を行うように構成されている。
【0027】
加算器123は、畳み込み演算部121から出力されたディジタル音響信号S3aと、遅延器125を介して入力されるディジタル音響信号S3bとを加算して出力する。ここで、遅延器125は、加算器123にてディジタル音響信号S3aの後にディジタル音響信号S3bがつながるように、ディジタル音響信号S3bを所定期間遅延させるために配置されている。すなわち、この加算器123及び遅延器125は、ディジタル音響信号S3aとディジタル音響信号S3bとをつなげる合成手段として機能するようになっている。この結果、加算器123からは、インパルス応答データDI0に対応する応答IR0を再現したディジタル音響信号S3Aが出力されることとなる。
【0028】
また、遅延器126は、後段の加算器124において、上述したディジタル音響信号S3Aの後に、残響音生成部127から出力されたディジタル残響音信号S3Bがつながるように、残響音生成部127に供給されるディジタル音響信号S3bを所定期間遅延させるために配置されている。
【0029】
残響音生成部127は、入力したディジタル音響信号S3bのフィードバックループが形成され、該ループ内に乗算器131、加算器132、遅延器133、周波数特性整合フィルタ134及び拡散フィルタ135を備えている。
この残響音生成部127において、乗算器131は、入力したディジタル音響信号S3b及びフィードバックされたディジタル音響信号を予め定めた減衰量だけ減衰させて出力する。ここで、この乗算器131の減衰量は、上述したインパルス応答IRの残響特性のうち経過時間t2以降の減衰量に対応した値に設定される(図2参照)。従って、この乗算器131からは、図5に示すように、インパルス応答IRbの次の応答IRcを再現したディジタル音響信号S3c、応答IRdを再現したディジタル音響信号S3d、……、応答IRkを再現したディジタル音響信号S3k(図示せず)が順次出力されることとなる。以下、入力したディジタル音響信号S3bとフィードバックされたディジタル音響信号S3c〜S3kを特に区別する必要がない場合は、ディジタル音響信号S4と言う。
【0030】
加算器132は、遅延器126を介して入力したディジタル音響信号S3bと、フィードバックされたディジタル音響信号S3c〜S3kとを加算して出力する。ここで、フィードバックループ内の遅延器133は、加算器132にて一巡回前のディジタル音響信号S4と、一巡回後のディジタル音響信号S4とがつながるように、ディジタル音響信号S4を所定期間遅延させるために配置されている。具体的には、遅延器133は、図5に示すように、ディジタル音響信号S3cの先頭部分がディジタル音響信号S3bの末尾部分とつながるタイミングで出力されるようにディジタル音響信号S3cを遅延させ、同様に、ディジタル音響信号S3dの先頭部分がディジタル音響信号S3cの末尾部分とつながるタイミングで出力されるようにディジタル音響信号S3dを遅延させる。
これにより、加算器132からはディジタル音響信号S3b、S3c〜S3kが切れ間無く残響音のディジタル音響信号S3Bとして出力されるようになっている。
【0031】
次に、周波数特性整合フィルタ134について説明する。周波数特性整合フィルタ134は、ディジタル音響信号S4の先頭部分の周波数特性と、末尾部分の周波数特性との差に対応する周波数減衰特性を有するフィルタである。以下、この周波数特性整合フィルタ134を設ける理由について説明する。
【0032】
この周波数特性整合フィルタ134を使用しない場合は、ディジタル音響信号S4の先頭部分の周波数特性と末尾部分の周波数特性は、それぞれインパルス応答IRbの先頭部分と末尾部分から得られる周波数特性が再現されることとなる。図6に示す例のように、インパルス応答IRbの先頭部分の周波数特性と、末尾部分の周波数特性とは一般に異なっている。このため、フィードバックループによりディジタル音響信号S4を減衰させながら繰り返しつなげて残響音を生成する方式の場合、ディジタル音響信号S4の先頭部分と末尾部分の周波数特性の違いによって、各つなぎ目において違和感のある残響音が生成されることとなってしまう。
これに対し、本実施形態のエフェクタ100は、周波数特性整合フィルタ134を設けて、ディジタル音響信号S4の巡回の度に、インパルス応答IRbの先頭部分と末尾部分の周波数成分の差に対応する周波数減衰処理を行っているので、一巡回後のディジタル音響信号S4の先頭部分の周波数特性を、一巡回前のディジタル音響信号S4の末尾部分の周波数特性と揃えることができる。これにより、各ディジタル音響信号S4のつなぎ目における周波数特性の差を簡易に低減でき、聴感上つなぎ目を自然につなげることが可能となるのである。
【0033】
なお、この周波数特性整合フィルタ134は、対象とするディジタル音響信号S4の先頭部分と末尾部分の周波数特性の差に対応する周波数減衰特性に応じて、図7に示すように、ローパスフィルタ(LPF)構成、バンドパスフィルタ(BPF)構成、ハイシェルビングフィルタ(HSF:High Shelving Filter)構成などの様々な構成が適用される。なお、ハイシェルビングフィルタは、一般にオーディオアンプのトーンコントロールなどに使用されるフィルタであり、広いレンジにわたって調整が出来るという利点を有する。
【0034】
また、拡散フィルタ135は、入力信号の位相を拡散させるフィルタであり、図8に示すように、フィードバック前のディジタル音響信号S4に含まれる反射音の数を級数的に増加させるために配置されている。ここで、図9にこの拡散フィルタの構成の一例を示すように、複数のオールパスフィルタ(APF)、遅延器及び乗算器を並列に多段接続する構成などが適用される。このように拡散フィルタ135を設けることにより、ディジタル音響信号S4内の反射音の数をフィードバックループを巡回する毎に増加させることができる。このため、本実施形態のように、ディジタル音響信号S4を減衰させながら繰り返しつなげて残響音を生成する方式の場合でも、音色の繰り返し感を低減でき、さらに、実際のインパルス応答のように高次反射音の数が時間の経過と共に級数的に増加するという残響音特性を簡易に再現することが可能となるのである。この結果、残響音生成部127は、インパルス応答IRのうちインパルス応答IR0以降の応答(図5参照)を再現した残響音のディジタル音響信号S3Bを生成することが可能となる。
【0035】
そして、この音響処理部109は、この残響音生成部127により生成されたディジタル音響信号S3Bと、初期反射音を含むディジタル音響信号S3Aとを加算器124にて加算して出力する。この場合、上述したように、ディジタル残響音信号S3Bは遅延器126によりディジタル音響信号S3Aの後に出力されるので、インパルス応答IRを再現したディジタル音響信号S3を出力することが可能となる。
これにより、このエフェクタ100は、マイクロホン101を介して入力した音響信号S1からある音場のインパルス応答IRを再現したディジタル音響信号S3を生成でき、この音響信号S3をD/A変換回路110でディジタルアナログ変換することによってアナログ音響信号S5を出力することができる。
【0036】
以上のように、本実施形態に係るエフェクタ100は、インパルス応答IRの一部の応答IR0に対応するインパルス応答データDI0だけを用いてインパルス応答IRを再現した音響信号S5を生成することができる。このため、インパルス応答IR全てのインパルス応答データを使って畳み込み演算を行う方法に比して、畳み込み演算量を低減することが可能となり、回路規模を小さくすることができる。
【0037】
すなわち、このエフェクタ100は、一般に残響音と呼ばれる範囲については、インパルス応答IRの一部の応答IRbに対応するインパルス応答データDIbを用いて畳み込み演算により音響信号S4を作成し、この音響信号S4からフィードバック回路を用いて減衰させながら繰り返しつなげることによって残りの残響音の音響信号S3Bを生成するので、畳み込み演算回路に比して簡易な回路で残響音の音響信号S3Bを生成することができるのである。
一方、このエフェクタ100は、聴感上音場の違いを識別し易い初期反射音については、対応する範囲のインパルス応答データDIaをそのまま畳み込み演算に使用して音響信号S3aを生成するので、原音場の違いを再現性高く聞き分け可能な音響信号S5を生成することができるのである。
【0038】
また、残響音の音響信号S3Bを生成する際は、周波数特性整合フィルタ134により、一巡回後の音響信号S4の先頭部分の周波数特性を、一巡回前の音響信号S4の末尾部分の周波数特性に揃えるようにしているので、つなぎ目における周波数特性の差を低減することができ、聴感上つなぎ目を目立たなくすることができる。さらに、このとき拡散フィルタ135により音響信号S4に含まれる反射音の数を級数的に増加させるので、実際の残響音と同じ残響密度を再現することができる。
【0039】
従って、このエフェクタ100は、インパルス応答IRの一部の応答IR0に対応するインパルス応答データDI0だけを用いるだけで、原音場の再現性に優れ、かつ、自然な残響音特性を有する音響信号S5を簡易に生成することが可能である。
【0040】
(2) 第2実施形態
第2実施形態に係るエフェクタ100Aが、第1実施形態に係るエフェクタ100と大きく異なる点は、インパルス応答メモリ108に記憶されるインパルス応答データが、インパルス応答データDIaに対してフェードアウト処理を施したインパルス応答データDIafと、インパルス応答データDIbに対してフェードイン処理とフェードアウト処理を施したインパルス応答データDIbfである点である。このように、フェードイン処理あるいはフェードアウト処理を施したインパルス応答データDIaf、DIbfを畳み込み演算することにより、図10に示すように、インパルス応答IRaをフェードアウトした応答を再現するディジタル音響信号S3af、インパルス応答IRb〜IRkを各々フェードイン、フェードアウトした応答を各々再現するディジタル音響信号S3bf〜S3kfを生成することができる。
【0041】
また、このエフェクタ100Aにおいては、音響処理部109の遅延器125及び126の遅延時間が第1実施形態の場合に比してわずかに短い時間に設定され、各ディジタル音響信号S3af〜S3kfが示す応答のフェードイン及びフェードアウト領域が各々重なるように調整されている。
フェードイン、フェードアウト処理では、フェードインされたディジタル音響信号とフェードアウトされたディジタル音響信号が時間的に重なって加算されたときに、加算されたディジタル音響信号のつなぎ目の音圧レベルがスムーズになるように、フェードイン、フェードアウト処理のカーブが設定される。
このようにして、各ディジタル音響信号S3af〜S3kfが示す応答のフェードイン及びフェードアウト領域が各々重なるように加算することにより、図10に示すように、各応答の音圧レベルのつながりをスムーズにし、つなぎ目の位相ずれを目立たなくすることができる。この結果、このエフェクタ100Aは、第1実施形態の効果に加えて、さらに原音場の再現性に優れた自然な音響信号S5を生成することができる。
【0042】
(3) 変形例
上述した各実施形態では、2つの畳み込み演算部121、122を備える構成としていたが、1つの畳み込み演算部を備える構成としてもよい。この場合、その畳み込み演算部の出力が遅延器126を経由して残響音生成部127に供給される。このような構成をとることにより、より簡易な構成で、原音場の再現性に優れた自然な音響信号S5を生成することができる。
【0043】
上述した各実施形態においては、残響音生成部127が周波数特性整合フィルタ134と拡散フィルタ135の両方を具備する場合について述べたが、周波数特性整合フィルタ134のみを具備するようにしてもよい。少なくともこの周波数特性整合フィルタ134を用いれば、音を聞きながらフィルタ係数を調整するといった従来の煩雑な作業が必要なくなり、簡易に自然な残響音を得ることが可能となる。
【0044】
また、上述した各実施形態においては、インパルス応答データDIa及びDIb、あるいはDIaf及びDIbfのサンプル数が予め定められている場合について述べたが、各インパルス応答データDIa及びDIb、またはDIaf及びDIbfのサンプル数をユーザが任意に変更できるようにしてもよい。このような構成にすれば、各種インパルス応答に応じて必要なインパルス応答データのサンプル数を調整することができ、このエフェクタ100、100Aで様々な原音場を簡易に再現させることができる。また、ユーザの希望通りに原音場を再現可能な範囲で各インパルス応答データのサンプル数を低減することもでき、エフェクタ100、100Aの演算量を低減することが可能となる。
【0045】
上述した各実施形態においては、上記音響信号処理を行うためのプログラムを予めエフェクタ100、100AのROM102に格納しておく場合について述べたが、このプログラムを磁気記録媒体、光記録媒体、半導体記憶媒体などのコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録し、PC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistant)などのコンピュータがこのプログラムを読み取って実行するようにしてもよい。この場合、上述した音響処理部109の各種処理はコンピュータのディジタル処理によって実現することが可能である。また、このプログラムのインストール方法も任意でよく、上述した記録媒体からエフェクタ100、100Aやコンピュータにインストールするようにしてもよく、また、このプログラムを格納するサーバからインターネットなどのネットワーク網を介してプログラムをダウンロードし、インストールするようにしてもよい。
【0046】
【発明の効果】
上述したように本発明によれば、原音場のインパルス応答の一部のインパルス応答データだけを使うことによって畳み込み演算量を減らしても、原音場を正確に再現し、自然な残響音特性を有する音響信号を簡易に生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態に係るエフェクタ100の構成を示すブロック図である。
【図2】 インパルス応答IRの残響波形の模式図である。
【図3】 インパルス応答データDI0の内容を模式的に示す図である。
【図4】 音響処理部109の構成を示すブロック図である。
【図5】 音響信号の生成の説明に供する図である。
【図6】 インパルス応答IRbの先頭部分の周波数特性と末尾部分の周波数特性を示す特性曲線図である。
【図7】 周波数整合フィルタの構成例を示す図である。
【図8】 拡散フィルタ135の説明に供する図である。
【図9】 拡散フィルタの構成例を示す図である。
【図10】 第2実施形態に係るエフェクタ100Aの音響信号の生成の説明に供する図である。
【符号の説明】
100、100A……エフェクタ(音場再生装置)、
101……マイクロホン、
102……ROM、
103……RAM、
104……操作部、
105……CPU、
106……表示部、
107……A/D変換回路
108……インパルス応答メモリ、
109……音響処理部、
110……D/A変換回路、
111……アンプ、
121、122……畳み込み演算部、
123、124、132……加算器、
125、126、133……遅延器、
127……残響音生成部、
131……乗算器、
134……周波数特性整合フィルタ、
135……拡散フィルタ、
DIa、DIaf……インパルス応答データ(第1のインパルス応答データ)、
DIb、DIbf……インパルス応答データ(第2のインパルス応答データ)、
S1、S2、S3a、S3b、S3A、S3B、S3、S4、S5……音響信号。
Claims (8)
- ある音場のインパルス応答を用いて該音場を再生する音場再生装置において、
前記インパルス応答に対応するデータであって、前記インパルス応答の最初から第1時点までの第1期間のデータである第1のインパルス応答データと、前記第1時点からインパルス応答の終了時点より前の第2時点までの前記第1期間に連続する第2期間のデータである第2のインパルス応答データとのみを記憶する記憶部と、
再生しようとする音響信号に対して、前記第1のインパルス応答データを畳み込み演算する第1の畳み込み演算手段と、
再生しようとする音響信号に対して、前記第2のインパルス応答データを畳み込み演算する第2の畳み込み演算手段と、
前記第2の畳み込み演算手段の演算によって得られる信号を前記第1期間分遅延させて出力する第1遅延手段と、
前記第1の畳み込み演算手段の演算によって得られる信号と、前記第1遅延手段により遅延された信号とを加算する第1加算手段と、
前記第1遅延手段により遅延された信号を前記第2期間分遅延させて出力する第2遅延手段と、
前記第2遅延手段により遅延された信号から残響音の信号を生成する残響音生成手段と、
前記第1加算手段により得られた信号と、前記残響音生成手段で生成された信号とを加算する第2の加算手段とを備え、
前記残響音生成手段は、
前記第2遅延手段により遅延された信号のフィードバックループを有し、該ループ内に、前記第2のインパルス応答データの先頭部分の周波数特性と末尾部分の周波数特性との差に対応する減衰特性を有する周波数特性整合フィルタを有することを特徴とする音場再生装置。 - 前記第1のインパルス応答データは、前記インパルス応答の初期反射音の範囲と残響音の一部の範囲を含むデータであることを特徴とする請求項1に記載の音場発生装置。
- ある音場のインパルス応答を用いて該音場を再生する音場再生装置において、
前記インパルス応答に対応するデータであって、前記インパルス応答の最初から第1時点までの第1期間のデータに対してフェードアウト処理を施した第1のインパルス応答データと、前記第1時点からインパルス応答の終了時点より前の第2時点までの前記第1期間に連続する第2期間のデータに対してフェードイン処理とフェードアウト処理を施した第2のインパルス応答データとのみを記憶する記憶部と、
再生しようとする音響信号に対して、前記第1のインパルス応答データを畳み込み演算する第1の畳み込み演算手段と、
再生しようとする音響信号に対して、前記第2のインパルス応答データを畳み込み演算する第2の畳み込み演算手段と、
前記第2の畳み込み演算手段の演算によって得られる信号を前記第1期間分遅延させて出力する第1遅延手段と、
前記第1の畳み込み演算手段の演算によって得られる信号と、前記第1遅延手段により遅延された信号とを加算する第1加算手段と、
前記第1遅延手段により遅延された信号を前記第2期間分遅延させて出力する第2遅延手段と、
前記第2遅延手段により遅延された信号から残響音の信号を生成する残響音生成手段と、
前記第1加算手段により得られた信号と、前記残響音生成手段で生成された信号とを加算する第2の加算手段とを備え、
前記残響音生成手段は、
前記第2遅延手段により遅延された信号のフィードバックループを有し、該ループ内に、前記第2のインパルス応答データの先頭部分の周波数特性と末尾部分の周波数特性との差に対応する減衰特性を有する周波数特性整合フィルタを有することを特徴とする音場再生装置。 - 前記残響音生成手段は、該ループ内に、
該ループに入力された信号を減衰させる減衰手段と、
該ループの一巡回前の信号と、該ループの一巡回後の信号とがつながるように、該ループに入力された信号を遅延させる遅延手段とをさらに有することを特徴とする請求項1または3に記載の音場再生装置。 - 前記残響音生成手段は、該ループ内に、該ループに入力された信号の位相を拡散させる拡散フィルタをさらに有することを特徴とする請求項1,3,4のいずれかに記載の音場再生装置。
- 前記減衰手段の減衰量は、前記ある音場のインパルス応答の前記第1時点以降の減衰量に対応する値に設定されることを特徴とする請求項5に記載の音場再生装置。
- ある音場のインパルス応答を用いて該音場を再生するためにコンピュータを、
再生しようとする音響信号に対して、前記インパルス応答に対応するデータであって、前記インパルス応答の最初から第1時点までの第1期間のデータである第1のインパルス応答データを畳み込み演算する第1の畳み込み演算手段と、
再生しようとする音響信号に対して、前記インパルス応答に対応するデータであって、前記第1時点から前記インパルス応答の終了時点より前の第2時点までの前記第1期間に連続する第2期間のデータである第2のインパルス応答データを畳み込み演算する第2の畳み込み演算手段と、
前記第2の畳み込み演算手段の演算によって得られる信号を前記第1期間分遅延させて出力する第1遅延手段と、
前記第1の畳み込み演算手段の演算によって得られる信号と、前記第1遅延手段により遅延された信号とを加算する第1加算手段と、
前記第1遅延手段により遅延された信号を前記第2期間分遅延させて出力する第2遅延手段と、
前記第2遅延手段により遅延された信号から残響音の信号を生成する残響音生成手段と、
前記第1加算手段により得られた信号と、前記残響音生成手段で生成された信号とを加算する第2の加算手段として機能させ、
前記残響音生成手段を、前記第2遅延手段により遅延された信号のフィードバックループを有し、該ループ内に、前記第2のインパルス応答データの先頭部分の周波数特性と末尾部分の周波数特性との差に対応する減衰特性の周波数特性整合フィルタを有する手段として機能させるためのプログラム。 - 請求項7に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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