JP3965273B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は自動変速機の変速制御装置、特に、複数の摩擦要素のうち第1の摩擦要素を作動油圧の上昇により締結させると共に第2の摩擦要素を作動油圧の低下により解放させる摩擦要素の掛け替えによって行う変速を好適に遂行させるための変速制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動変速機は、複数のクラッチやブレーキ等の摩擦要素を選択的に油圧作動(締結)させることにより歯車伝動系の動力伝達経路(変速段)を決定し、作動する摩擦要素を切り換えることにより他の変速段への変速を行うよう構成する。
【0003】
自動変速機はかかる構成であるが故に、第1の摩擦要素を作動油圧の上昇により締結させつつ、第2の摩擦要素を作動油圧の低下により解放させる、いわゆる摩擦要素の掛け替えにより行う変速が存在することとなる。
なお本明細書では、当該掛け替え変速に際し締結状態から解放状態に切り換えるべき摩擦要素を解放側摩擦要素、その作動油圧を解放側作動油圧と称し、また、解放状態から締結状態に切り換えるべき摩擦要素を締結側摩擦要素、その作動油圧を締結側作動油圧と称する。
【0004】
当該変速に際し摩擦要素の掛け替えを行う場合、解放側摩擦要素の作動油圧、つまり解放側作動油圧の低下と、締結側摩擦要素の作動油圧、つまり締結側作動油圧の上昇とが、好適な相関関係をもって進行しなければ、両摩擦要素が共に締結状態である時間が長くなって所謂インターロック傾向によりトルクフェーズ中に大きなトルクの引き込みを発生したり、両摩擦要素が共に解放状態になる時間が発生して自動変速機の前段におけるエンジンの空吹けや変速の間延びを生ずるなど、自動変速機の変速品質が悪くなる。
【0005】
そこで従来、例えば特開平3−249471号公報に記載されているように、上記の掛け替え変速中にエンジンの空吹けを検知したら次回の変速時に解放側作動油圧の低下タイミングを遅らせて、締結側摩擦要素の締結に対し相対的に解放側摩擦要素の解放を遅らせることにより、エンジンの空吹けを生ずることのないようにした変速制御が提案されている。
【0006】
また特開平5−180323号公報には、上記のごとくエンジンの空吹け時に解放側作動油圧の低下タイミングを遅らせる技術に加えて、掛け替え変速中にエンジンの回転加速度が低下したのをインターロック傾向と見做し、この時は解放側作動油圧の低下タイミングを早めて、締結側摩擦要素の締結に対し相対的に解放側摩擦要素の解放を早めることにより、インターロック傾向によるトルクの引き込みショックを解消するようにした変速制御が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前者の特開平3−249471号公報に記載されている掛け替え変速制御では、エンジンの空吹け防止のみを念頭においてインターロック傾向にする方向へのみ解放側作動油圧の低下タイミングを学習するものであるため、誤学習や繰り返しのバラツキで解放側作動油圧の低下タイミングを遅延するような学習が行われた時にこれを修正する手立てがなく、当該学習の積み重ねにより最終的には掛け替え変速時のインターロック傾向が強くなり、掛け替え変速の度にトルクの引き込みショックが発生するような変速特性となる問題を免れない。
【0008】
後者の特開平5−180323号公報に記載されている掛け替え変速制御では、エンジンの空吹け発生時に解放側作動油圧の低下タイミングを遅らせてインターロック傾向にするという学習だけでなく、インターロック傾向によるエンジンの回転加速度の低下時は、解放側作動油圧の低下タイミングを逆に早めてインターロック傾向を解消する変速制御であるため、上記の問題を生じなくし得るものの、エンジンの回転加速度が低下するようなインターロックが発生した後に解放側作動油圧の低下タイミングを早める学習を行うことから、当該学習がなされる前においてインターロック傾向によるトルクの引き込みショックが発生するという問題を生ずる。
【0009】
請求項1に記載の第1発明は、変速機入力側回転の空吹け時に解放側作動油圧の低下タイミングを遅らせるという両従来技術の変速制御についてはこれを踏襲するも、解放側作動油圧の低下タイミングを早める変速制御については、インターロック傾向の発生を待って行うのでなく無条件に、解放側作動油圧の低下タイミングを変速の度に少しずつ早める制御とすることにより、インターロック傾向の発生を皆無となして上記の問題解決を実現することを目的とする。
【0010】
第 1 発明は更に、上記のごとく解放側作動油圧の低下タイミングを変速の度に少しずつ早める量を適正に制御して上記の作用効果を更に確実なものにすることを目的とする。
【0011】
請求項2に記載の第2発明は、空吹けおよびインターロック傾向を防止するための制御対象として、第1発明における解放側作動油圧の低下タイミングに代え解放側作動油圧の低下割合を加減することにより同様の作用効果が得られるようにすることを目的とする。
【0012】
第2発明は更に、空吹け発生時以外において上記解放側作動油圧の低下割合を変速の度に少しずつ大きくする量を適正に制御して上記の作用効果を更に確実なものにすることを目的とする。
【0013】
請求項3に記載の第3発明は、空吹けおよびインターロック傾向を防止するための制御対象として、第1発明における解放側作動油圧の低下タイミングに代え締結側作動油圧の上昇タイミングを変更することにより同様の作用効果が得られるようにすることを目的とする。
【0014】
第3発明は更に、空吹け発生時以外において上記締結側作動油圧の上昇タイミングを変速の度に少しずつ遅くする量を適正に制御して上記の作用効果を更に確実なものにすることを目的とする。
【0015】
請求項4に記載の第4発明は、空吹けおよびインターロック傾向を防止するための制御対象として、第1発明における解放側作動油圧の低下タイミングに代え締結側作動油圧の上昇割合を変更することにより同様の作用効果が得られるようにすることを目的とする。
【0016】
第4発明は更に、空吹け発生時以外において上記締結側作動油圧の上昇割合を変速の度に少しずつ小さくする量を適正に制御して上記の作用効果を更に確実なものにすることを目的とする。
【0017】
請求項5に記載の第5発明は、変速機入力側回転の空吹けを検知して空吹けを防止するよう上記の制御対象を操作する時に、実際上はエンジンの空吹けが発生する前に当該操作により上記の空吹けが解消されて、空吹けの現象を運転者が気づく前にその防止作用が行われるようにすることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
これらの目的のため、先ず第1発明による自動変速機の変速制御装置は、
複数の摩擦要素のうち第1の摩擦要素を作動油圧の上昇により締結させると共に、該第1の摩擦要素がロスストロークを終了して締結容量を持ち始めた時から設定時間が経過した時より第2の摩擦要素を作動油圧の低下により解放させ、これら第1および第2の摩擦要素の掛け替えにより行う変速を有した自動変速機において、
前記変速中に変速機入力側回転の空吹けを検知した時は、前記第2の摩擦要素に係わる作動油圧の低下開始タイミングが予定時間だけ遅くなるよう前記設定時間を変更し、変速機入力側回転の空吹けを検知しない間は、前記第2の摩擦要素に係わる作動油圧の低下開始タイミングが前記予定時間よりも短い所定時間ずつ早くなるよう前記設定時間を変更する構成にしたことを特徴とするものである。
【0019】
第1発明による自動変速機の変速制御装置は、上記に加えて、
変速機入出力回転数の比で表される実効ギヤ比が変速前ギヤ比から変速後ギヤ比に向けて変化し始めたイナーシャフェーズ開始時における前記第1の摩擦要素の作動油圧を、該摩擦要素が変速機入力トルクと釣り合う締結容量を発生するために必要なトルク分担圧と比較し、前記第1の摩擦要素のイナーシャフェーズ開始時における作動油圧が前記トルク分担圧を挟んで所定範囲内の値である場合に比し、該所定範囲内の値以上である場合は前記所定時間を長くし、該所定範囲内の値未満である場合は前記所定時間を短くするよう構成したことを特徴とするものである。
【0020】
第2発明による自動変速機の変速制御装置は、
複数の摩擦要素のうち第1の摩擦要素を作動油圧の上昇により締結させると共に、該第1の摩擦要素の作動油圧に係わる信号を受けて設定時間後に第2の摩擦要素を作動油圧の低下により解放させ、これら第1および第2の摩擦要素の掛け替えにより行う変速を有した自動変速機において、
前記変速中に変速機入力側回転の空吹けを検知した時は、前記第2の摩擦要素に係わる作動油圧の低下割合を予定割合だけ小さくし、変速機入力側回転の空吹けを検知しない間は、前記第2の摩擦要素に係わる作動油圧の低下割合を前記予定割合よりも小さな所定割合ずつ大きくするよう構成したことを特徴とするものである。
【0021】
第2発明による自動変速機の変速制御装置は、上記に加えて、
変速機入出力回転数の比で表される実効ギヤ比が変速前ギヤ比から変速後ギヤ比に向けて変化し始めたイナーシャフェーズ開始時における前記第1の摩擦要素の作動油圧を、該摩擦要素が変速機入力トルクと釣り合う締結容量を発生するために必要なトルク分担圧と比較し、前記第1の摩擦要素のイナーシャフェーズ開始時における作動油圧が前記トルク分担圧を挟んで所定範囲内の値である場合に比し、該所定範囲内の値以上である場合は前記所定割合を大きくし、該所定範囲内の値未満である場合は前記所定割合を小さくするよう構成したことを特徴とするものである。
【0022】
第3発明による自動変速機の変速制御装置は
複数の摩擦要素のうち第1の摩擦要素を作動油圧の上昇により締結させると共に、該第1の摩擦要素がロスストロークを終了して締結容量を持ち始めた時から設定時間が経過した時より第2の摩擦要素を作動油圧の低下により解放させ、これら第1および第2の摩擦要素の掛け替えにより行う変速を有した自動変速機において、
前記変速中に変速機入力側回転の空吹けを検知した時は、前記第1の摩擦要素に係わる作動油圧の上昇開始タイミングを予定時間だけ早くし、変速機入力側回転の空吹けを検知しない間は、前記第1の摩擦要素に係わる作動油圧の上昇開始タイミングを前記予定時間よりも短い所定時間ずつ遅くするよう構成したことを特徴とするものである。
【0023】
第3発明による自動変速機の変速制御装置は、上記に加えて、
変速機入出力回転数の比で表される実効ギヤ比が変速前ギヤ比から変速後ギヤ比に向けて変化し始めたイナーシャフェーズ開始時における前記第1の摩擦要素の作動油圧を、該摩擦要素が変速機入力トルクと釣り合う締結容量を発生するために必要なトルク分担圧と比較し、前記第1の摩擦要素のイナーシャフェーズ開始時における作動油圧が前記トルク分担圧を挟んで所定範囲内の値である場合に比し、該所定範囲内の値以上である場合は前記所定時間を長くし、該所定範囲内の値未満である場合は前記所定時間を短くするよう構成したことを特徴とするものである。
【0024】
第4発明による自動変速機の変速制御装置は
複数の摩擦要素のうち第1の摩擦要素を作動油圧の上昇により締結させると共に、該第1の摩擦要素がロスストロークを終了して締結容量を持ち始めた時から設定時間が経過した時より第2の摩擦要素を作動油圧の低下により解放させ、これら第1および第2の摩擦要素の掛け替えにより行う変速を有した自動変速機において、
前記変速中に変速機入力側回転の空吹けを検知した時は、前記第1の摩擦要素に係わる作動油圧の上昇割合を予定割合だけ大きくし、変速機入力側回転の空吹けを検知しない間は、前記第1の摩擦要素に係わる作動油圧の上昇割合を前記予定割合よりも小さな所定割合ずつ小さくするよう構成したことを特徴とするものである。
【0025】
第4発明による自動変速機の変速制御装置は、上記に加えて、
変速機入出力回転数の比で表される実効ギヤ比が変速前ギヤ比から変速後ギヤ比に向けて変化し始めたイナーシャフェーズ開始時における前記第1の摩擦要素の作動油圧を、該摩擦要素が変速機入力トルクと釣り合う締結容量を発生するために必要なトルク分担圧と比較し、前記第1の摩擦要素のイナーシャフェーズ開始時における作動油圧が前記トルク分担圧を挟んで所定範囲内の値である場合に比し、該所定範囲内の値以上である場合は前記所定割合を大きくし、該所定範囲内の値未満である場合は前記所定割合を小さくするよう構成したことを特徴とするものである。
【0026】
第5発明による自動変速機の変速制御装置は、第1発明乃至第4発明のいずれかにおいて、
前記変速機入力側回転の空吹けとして変速機入力軸回転の空吹けを検知し、該検知のための変速機入力軸回転の空吹け判定設定値をエンジン回転の空吹けとなって表れる前の小さな設定値としたことを特徴とするものである。
【0027】
【発明の効果】
第1発明においては、第1の摩擦要素を作動油圧の上昇により締結進行させつつ、該第1の摩擦要素がロスストロークを終了して締結容量を持ち始めた時から設定時間が経過した時より第2の摩擦要素を作動油圧の低下により解放させて行う自動変速機の掛け替え変速中に変速機入力側回転の空吹けを検知すると、第2の摩擦要素に係わる作動油圧の低下開始タイミングが予定時間だけ遅くなるよう上記の設定時間を変更し、変速機入力側回転の空吹けを検知しない間は、第2の摩擦要素に係わる作動油圧の低下開始タイミングが上記予定時間よりも短い所定時間ずつ早くなるよう上記の設定時間を変更する。
【0028】
第2の摩擦要素に係わる作動油圧の低下開始タイミングが予定時間だけ遅くなるよう上記設定時間を変更する空吹け検知時の前者の制御は、該摩擦要素の解放開始タイミングを上記第1の摩擦要素の締結に対し相対的に遅延させて上記の空吹けを防止することができる。
また空吹け非検知時の後者の制御、つまり第2の摩擦要素に係わる作動油圧の低下開始タイミングが上記予定時間よりも短い所定時間ずつ早くなるよう上記設定時間を変更する制御は、該第2の摩擦要素の解放開始タイミングを上記第1の摩擦要素の締結に対し相対的に早めてインターロック傾向の発生を防止し、インターロック傾向によるトルクの引き込みショックの発生をなくすことができると共に、前者の制御が誤学習や繰り返しのバラツキで第2の摩擦要素に係わる作動油圧の低下開始タイミングを誤って遅延させてインターロック傾向を生じさせた時にこれを修正する用もなす。
【0029】
そして後者の制御が、第2の摩擦要素に係わる作動油圧の低下開始タイミングを上記の短い所定時間で決まるゆっくりした速度で早めるために、当該制御により直ちに空吹けが再発生して制御のハンチングを生ずるようなことはない。
また後者の制御が、インターロック傾向の発生を待って行われるのではなく、前者の制御が行われない間は無条件に、第2の摩擦要素に係わる作動油圧の低下開始タイミングをゆっくり早めるというものであるため、インターロック傾向の発生を検知する前からこれを防止することができ、インターロック傾向の発生を皆無となして前記した従来装置の問題を解消することが可能となる。
【0030】
第1発明においては更に、イナーシャフェーズ開始時における前記第1の摩擦要素の作動油圧を、該摩擦要素が変速機入力トルクと釣り合う締結容量を発生するために必要なトルク分担圧と比較し、当該第1の摩擦要素のイナーシャフェーズ開始時における作動油圧がトルク分担圧を挟んで所定範囲内の値である場合に比し、該所定範囲内の値以上である場合は前記所定時間を長くし、該所定範囲内の値未満である場合は当該所定時間を短くしたから、
上記第1の摩擦要素のイナーシャフェーズ開始時における作動油圧がトルク分担圧を挟んで所定範囲内の値以上である場合、つまり、上記第2の摩擦要素の締結容量低下タイミングが遅くて該摩擦要素のスリップ開始が遅れているために上記第1の摩擦要素の作動油圧が上記の高さにならないとイナーシャフェーズが始まらずインターロック傾向の変速が起こっている場合は、上記第2の摩擦要素に係わる作動油圧の低下開始タイミングを早める量が大きくなってインターロック傾向の状態を速やかに解消することができ、
上記第1の摩擦要素のイナーシャフェーズ開始時における作動油圧がトルク分担圧を挟んで所定範囲内の値未満である場合、つまり、上記第2の摩擦要素の締結容量低下タイミングが第1の摩擦要素の締結容量上昇タイミングに対し早くてこれら摩擦要素の締結容量の和値がタービン回転の空吹けを生じさせるぎりぎりの値であるために上記第1の摩擦要素の作動油圧が相当に低い時からイナーシャフェーズが始まってしまう空吹け直前状態の時は、上記第2の摩擦要素に係わる作動油圧の低下開始タイミングを早める量が小さくなって一気に空吹け状態になるのを防止することができ、
以上によって、前記作用効果を更に確実なものにすることが可能となる。
【0031】
第2発明においては、第1の摩擦要素を作動油圧の上昇により締結させると共に第2の摩擦要素を作動油圧の低下により解放させて行う自動変速機の掛け替え変速中に変速機入力側回転の空吹けを検知すると、第2の摩擦要素に係わる作動油圧の低下割合を予定割合だけ小さくし、変速機入力側回転の空吹けを検知しない間は、第2の摩擦要素に係わる作動油圧の低下割合を上記予定割合よりも小さな所定割合ずつ大きくする。
【0032】
第2の摩擦要素に係わる作動油圧の低下割合を予定割合だけ小さくする空吹け検知時の前者の制御は、該第2の摩擦要素の解放開始タイミングを上記第1の摩擦要素の締結に対し相対的に遅延させて上記の空吹けを防止することができる。
また空吹け非検知時の後者の制御、つまり第2の摩擦要素に係わる作動油圧の低下割合を上記予定割合よりも小さな所定割合ずつ大きくする制御は、該第2の摩擦要素の解放開始タイミングを上記第1の摩擦要素の締結に対し相対的に早めてインターロック傾向の発生を防止し、インターロック傾向によるトルクの引き込みショックの発生をなくすことができると共に、前者の制御が誤学習や繰り返しのバラツキで上記第2の摩擦要素のスリップ量変化割合を誤って小さくさせてインターロック傾向を生じさせた時にこれを修正する用もなす。
【0033】
そして後者の制御が、第2の摩擦要素に係わる作動油圧の低下割合を上記の小さな所定割合で決まるゆっくりした速度で大きくするために、当該制御により直ちに空吹けが再発生して制御のハンチングを生ずるようなことはない。
また後者の制御が、インターロック傾向の発生を待って行われるのではなく、前者の制御が行われない間は無条件に、第2の摩擦要素に係わる作動油圧の低下割合をゆっくり増大させるというものであるため、インターロック傾向の発生を検知する前からこれを防止することができ、インターロック傾向の発生を皆無となして前記した従来装置の問題を解消することが可能となる。
【0034】
第2発明においては更に、イナーシャフェーズ開始時における前記第1の摩擦要素の作動油圧を、該摩擦要素が変速機入力トルクと釣り合う締結容量を発生するために必要なトルク分担圧と比較し、当該第1の摩擦要素のイナーシャフェーズ開始時における作動油圧がトルク分担圧を挟んで所定範囲内の値である場合に比し、該所定範囲内の値以上である場合は前記所定割合を大きくし、該所定範囲内の値未満である場合は当該所定割合を小さくしたから、
上記第1の摩擦要素のイナーシャフェーズ開始時における作動油圧がトルク分担圧を挟んで所定範囲内の値以上である場合、つまり、上記第2の摩擦要素の締結容量低下タイミングが遅くて該摩擦要素のスリップ開始が遅れているために上記第1の摩擦要素の作動油圧が上記の高さにならないとイナーシャフェーズが始まらずインターロック傾向の変速が起こっている場合は、第2の摩擦要素に係わる作動油圧の低下割合を増大させる量が大きくなってインターロック傾向の状態を速やかに解消することができ、
第1の摩擦要素のイナーシャフェーズ開始時における作動油圧がトルク分担圧を挟んで所定範囲内の値未満である場合、つまり、上記第2の摩擦要素の締結容量低下タイミングが第1の摩擦要素の締結容量上昇タイミングに対し早くてこれら摩擦要素の締結容量の和値がタービン回転の空吹けを生じさせるぎりぎりの値であるために上記第1の摩擦要素の作動油圧が相当に低い時からイナーシャフェーズが始まってしまう空吹け直前状態の時は、第2の摩擦要素に係わる作動油圧の低下割合を増大させる量が小さくなって一気に空吹け状態になるのを防止することができ、
以上によって、前記作用効果を更に確実なものにすることが可能となる。
【0035】
第3発明においては、第1の摩擦要素を作動油圧の上昇により締結させると共に第2の摩擦要素を作動油圧の低下により解放させて行う自動変速機の掛け替え変速中に変速機入力側回転の空吹けを検知すると、第1の摩擦要素に係わる作動油圧の上昇開始タイミングを予定時間だけ早くし、変速機入力側回転の空吹けを検知しない間は、第1の摩擦要素に係わる作動油圧の上昇開始タイミングを上記予定時間よりも短い所定時間ずつ遅くする。
【0036】
第1の摩擦要素に係わる作動油圧の上昇開始タイミングが予定時間だけ早くする空吹け検知時の前者の制御は、該第1の摩擦要素の締結を上記第2の摩擦要素の解放に対し相対的に早めて上記の空吹けを防止することができる。
また空吹け非検知時の後者の制御、つまり第1の摩擦要素に係わる作動油圧の上昇開始タイミングを上記予定時間よりも短い所定時間ずつ遅くする制御は、該第1の摩擦要素の締結を上記第2の摩擦要素の解放に対し相対的に遅くしてインターロック傾向の発生を防止し、インターロック傾向によるトルクの引き込みショックの発生をなくすことができると共に、前者の制御が誤学習や繰り返しのバラツキで上記第1の摩擦要素の締結容量上昇開始タイミングを誤って早くさせてインターロック傾向を生じさせた時にこれを修正する用もなす。
【0037】
そして後者の制御が、第1の摩擦要素に係わる作動油圧の上昇開始タイミングを上記の短い所定時間で決まるゆっくりした速度で遅くするために、当該制御により直ちに空吹けが再発生して制御のハンチングを生ずるようなことはない。
また後者の制御が、インターロック傾向の発生を待って行われるのではなく、前者の制御が行われない間は無条件に、第1の摩擦要素に係わる作動油圧の上昇開始タイミングをゆっくりした速度で遅くするというものであるため、インターロック傾向の発生を検知する前からこれを防止することができ、インターロック傾向の発生を皆無となして前記した従来装置の問題を解消することが可能となる。
【0038】
第3発明においては更に、イナーシャフェーズ開始時における前記第1の摩擦要素の作動油圧を、該摩擦要素が変速機入力トルクと釣り合う締結容量を発生するために必要なトルク分担圧と比較し、当該第1の摩擦要素のイナーシャフェーズ開始時における作動油圧がトルク分担圧を挟んで所定範囲内の値である場合に比し、該所定範囲内の値以上である場合は前記所定時間を長くし、該所定範囲内の値未満である場合は当該所定時間を短くしたから、
第1の摩擦要素のイナーシャフェーズ開始時における作動油圧がトルク分担圧を挟んで所定範囲内の値以上である場合、つまり、上記第2の摩擦要素の締結容量低下タイミングが遅くて該摩擦要素のスリップ開始が遅れているために上記第1の摩擦要素の作動油圧が上記の高さにならないとイナーシャフェーズが始まらずインターロック傾向の変速が起こっている場合は、第1の摩擦要素に係わる作動油圧の上昇開始タイミングを遅くする量が大きくなってインターロック傾向の状態を速やかに解消することができ、
第1の摩擦要素のイナーシャフェーズ開始時における作動油圧がトルク分担圧を挟んで所定範囲内の値未満である場合、つまり、上記第2の摩擦要素の締結容量低下タイミングが第1の摩擦要素の締結容量上昇タイミングに対し早くてこれら摩擦要素の締結容量の和値がタービン回転の空吹けを生じさせるぎりぎりの値であるために上記第1の摩擦要素の作動油圧が相当に低い時からイナーシャフェーズが始まってしまう空吹け直前状態の時は、第1の摩擦要素に係わる作動油圧の上昇開始タイミングを遅くする量が小さくなって一気に空吹け状態になるのを防止することができ、
以上によって、前記作用効果を更に確実なものにすることが可能となる。
【0039】
第4発明においては、第1の摩擦要素を作動油圧の上昇により締結させると共に第2の摩擦要素を作動油圧の低下により解放させて行う自動変速機の掛け替え変速中に変速機入力側回転の空吹けを検知すると、第1の摩擦要素に係わる作動油圧の上昇割合を予定割合だけ大きくし、変速機入力側回転の空吹けを検知しない間は、第1の摩擦要素に係わる作動油圧の上昇割合を上記予定割合よりも小さな所定割合ずつ小さくする。
【0040】
第1の摩擦要素に係わる作動油圧の上昇割合を予定割合だけ大きくする空吹け検知時の前者の制御は、該第1の摩擦要素の締結容量の上昇を上記第2の摩擦要素の解放開始タイミングに対し相対的に早めて上記の空吹けを防止することができる。
また空吹け非検知時の後者の制御、つまり第1の摩擦要素に係わる作動油圧の上昇割合を上記予定割合よりも小さな所定割合ずつ小さくする制御は、該第1の摩擦要素の締結容量の上昇を上記第2の摩擦要素の解放開始タイミングに対し相対的に遅くしてインターロック傾向の発生を防止し、インターロック傾向によるトルクの引き込みショックの発生をなくすことができると共に、前者の制御が誤学習や繰り返しのバラツキで第1の摩擦要素に係わる作動油圧の上昇割合を誤って増大させてインターロック傾向を生じさせた時にこれを修正する用もなす。
【0041】
そして後者の制御が、第1の摩擦要素に係わる作動油圧の上昇割合を上記の小さな所定割合で決まるゆっくりした速度で小さくするために、当該制御により直ちに空吹けが再発生して制御のハンチングを生ずるようなことはない。
また後者の制御が、インターロック傾向の発生を待って行われるのではなく、前者の制御が行われない間は無条件に、第1の摩擦要素に係わる作動油圧の上昇割合をゆっくりした速度で小さくするというものであるため、インターロック傾向の発生を検知する前からこれを防止することができ、インターロック傾向の発生を皆無となして前記した従来装置の問題を解消することが可能となる。
【0042】
第4発明においては更に、イナーシャフェーズ開始時における前記第1の摩擦要素の作動油圧を、該摩擦要素が変速機入力トルクと釣り合う締結容量を発生するために必要なトルク分担圧と比較し、当該第1の摩擦要素のイナーシャフェーズ開始時における作動油圧がトルク分担圧を挟んで所定範囲内の値である場合に比し、該所定範囲内の値以上である場合は前記所定割合を大きくし、該所定範囲内の値未満である場合は当該所定割合を小さくしたから、
第1の摩擦要素のイナーシャフェーズ開始時における作動油圧がトルク分担圧を挟んで所定範囲内の値以上である場合、つまり、上記第2の摩擦要素の締結容量低下タイミングが遅くて該摩擦要素のスリップ開始が遅れているために上記第1の摩擦要素の作動油圧が上記の高さにならないとイナーシャフェーズが始まらずインターロック傾向の変速が起こっている場合は、第1の摩擦要素に係わる作動油圧の上昇割合を低下させる量が大きくなってインターロック傾向の状態を速やかに解消することができ、
第1の摩擦要素のイナーシャフェーズ開始時における作動油圧がトルク分担圧を挟んで所定範囲内の値未満である場合、つまり、上記第2の摩擦要素の締結容量低下タイミングが第1の摩擦要素の締結容量上昇タイミングに対し早くてこれら摩擦要素の締結容量の和値がタービン回転の空吹けを生じさせるぎりぎりの値であるために上記第1の摩擦要素の作動油圧が相当に低い時からイナーシャフェーズが始まってしまう空吹け直前状態の時は、第1の摩擦要素に係わる作動油圧の上昇割合を低下させる量が小さくなって一気に空吹け状態になるのを防止することができ、
以上によって、前記作用効果を更に確実なものにすることが可能となる。
【0043】
第5発明においては、第1発明乃至第4発明における変速機入力側回転の空吹けとして変速機入力軸回転の空吹けを検知し、該検知のための変速機入力軸回転の空吹け判定設定値をエンジン回転の空吹けとなって表れる前の小さな設定値としたから、
上記各発明におけるごとく変速機入力側回転の空吹けを検知して空吹けを防止するよう制御対象を操作する時に、実際上はエンジンの空吹けが発生する前に当該操作により上記の空吹けが解消されて、空吹けの現象に運転者が気づく前にその防止作用が完了するようなものにすることができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は本発明一実施の形態になる自動変速機の変速制御装置を示し、1はエンジン、2は自動変速機である。
エンジン1は、運転者が操作するアクセルペダルに連動してその踏み込みにつれ全閉から全開に向け開度増大するスロットルバルブにより出力を加減され、エンジン1の出力回転はトルクコンバータ3を経て自動変速機2の入力軸4に入力されるものとする。
【0045】
自動変速機2は、同軸突き合わせ関係に配置した入出力軸4,5上にエンジン1の側から順次フロントプラネタリギヤ組6およびリヤプラネタリギヤ組7を載置して具え、これらを自動変速機2における遊星歯車変速機構の主たる構成要素とする。
エンジン1に近いフロントプラネタリギヤ組6は、フロントサンギヤSF 、フロントリングギヤRF 、これらに噛合するフロントピニオンPF、および該フロントピニオンを回転自在に支持するフロントキャリアCFよりなる単純遊星歯車組とし、
エンジン1から遠いリヤプラネタリギヤ組7も、リヤサンギヤSR、リヤリングギヤRR、これらに噛合するリヤピニオンPR、および該リヤピニオンを回転自在に支持するリヤキャリアCRよりなる単純遊星歯車組とする。
【0046】
遊星歯車変速機構の伝動経路(変速段)を決定する摩擦要素としてはロークラッチL/C、2速・4速ブレーキ2−4/B、ハイクラッチH/C、ローリバースブレーキLR/B、ローワンウエイクラッチL/OWC、およびリバースクラッチR/Cを、以下のごとく両プラネタリギヤ組6,7の構成要素に相関させて設ける。
つまり、フロントサンギヤSF はリバースクラッチR/Cにより入力軸4に適宜結合可能にすると共に、2速・4速ブレーキ2−4/Bにより適宜固定可能とする。
【0047】
フロントキャリアCF はハイクラッチH/Cにより入力軸4に適宜結合可能にする。
またフロントキャリアCF は更に、ローワンウエイクラッチL/OWCによりエンジン回転と逆方向の回転を阻止すると共に、ローリバースブレーキLR/Bにより適宜固定可能とする。
そしてフロントキャリアCF と、リヤリングギヤRR との間を、ロークラッチL/Cにより適宜結合可能とする。
フロントリングギヤRF およびリヤキャリアCR間を相互に結合し、これらフロントリングギヤRF およびリヤキャリアCR を出力軸6に結合し、リヤサンギヤSR を入力軸4に結合する。
【0048】
上記遊星歯車変速機構の動力伝達列は、摩擦要素L/C,2−4/B,H/C,LR/B,R/Cの図2に実線の〇で示す選択的油圧作動(締結)と、ローワンウェイクラッチL/OWCの同図に実線の〇印で示す自己係合とにより、前進第1速(1st)、前進第2速(2nd)、前進第3速(3rd)、前進第4速(4th)の前進変速段と、後退変速段(Rev )とを得ることができる。
なお図2に点線の〇印で示す油圧作動(締結)は、エンジンブレーキが必要な時に作動させるべき摩擦要素である。
【0049】
図2に示す変速制御用摩擦要素L/C,2−4/B,H/C,LR/B,R/Cの締結論理は図1に示すコントロールバルブボディー8により実現し、このコントロールバルブボディー8には図示せざるマニュアルバルブの他に、ライン圧ソレノイド9、ロークラッチソレノイド10、2速・4速ブレーキソレノイド11、ハイクラッチソレノイド12、ローリバースブレーキソレノイド13などを挿置する。
【0050】
ライン圧ソレノイド9はそのON,OFFにより、変速制御の元圧であるライン圧を高低切り替えし、図示せざるマニュアルバルブは、希望する走行形態に応じて運転者により前進走行(D)レンジ位置、後退走行(R)レンジ位置、または駐停車(P,N)レンジ位置に操作されるものとする。
Dレンジでマニュアルバルブは、上記のライン圧を元圧としてロークラッチソレノイド10、2速・4速ブレーキソレノイド11、ハイクラッチソレノイド12、ローリバースブレーキソレノイド13のデューティ制御により対応するロークラッチL/C、2速・4速ブレーキ2−4/B、ハイクラッチH/C、ローリバースブレーキLR/Bの作動油圧を個々に制御し得るようライン圧を所定の回路に供給し、当該各ソレノイドのデューティ制御により図2に示した第1速〜第4速の締結論理を実現するものとする。
但しRレンジでは、マニュアルバルブはリバースクラッチR/Cに対してはライン圧を上記各ソレノイドのデューティ制御に依存することなく直接供給し、ローリバースブレーキLR/Bについては上記ローリバースブレーキソレノイド13によるデューティ制御圧を供給し、これらを締結作動させることにより図2に示した後退の締結論理を実現するものとする。
なおP,Nレンジでマニュアルバルブはライン圧をどの回路にも供給せず、全ての摩擦要素を解放状態にすることにより自動変速機を中立状態にする。
【0051】
ライン圧ソレノイド9のON,OFF制御、およびロークラッチソレノイド10、2速・4速ブレーキソレノイド11、ハイクラッチソレノイド12、ローリバースブレーキソレノイド13のデューティ制御はそれぞれ変速機コントローラ14により実行し、
そのために変速機コントローラ14には、エンジン1のスロットル開度TVOを検出するスロットル開度センサ15からの信号と、
トルクコンバータ3の出力回転数(変速機入力回転数)であるタービン回転数Nt を検出するタービン回転センサ16からの信号と、
自動変速機2の出力軸5の回転数No を検出する出力回転センサ17からの信号と、
選択レンジを検出するインヒビタスイッチ18からの信号と、
掛け替え変速時に締結すべき締結側摩擦要素、つまり、図2から明らかなように2→3変速時はハイクラッチH/C、3→4変速時は2速・4速ブレーキ2−4/B内に配置された油圧スイッチ群19からの信号をそれぞれ入力する。
ここで油圧スイッチ群19は、対応する摩擦要素の作動油圧が摩擦要素のロスストロークを終了させて締結容量を発生させ始める圧力になった時にONするものとする。
なお、上記のように摩擦要素がロスストロークを終了して締結容量を発生させ始めるのを検知する手段としては、上記油圧スイッチ群19のように対応する摩擦要素の作動油圧に応動してONになるものの代わりに、摩擦要素のピストンストロークに応動して上記の検知を行うストロークセンサを用いたり、摩擦要素の作動油圧指令値や当該作動油圧指令値に対応するソレノイド駆動デューティ等をモニタして上記の検知を行うようにしたり、摩擦要素の伝達トルクを検出するトルクセンサを用いてもよいのはいうまでもない。
【0052】
本発明が関与するDレンジでの自動変速作用を説明すると、変速機コントローラ14は図示せざる制御プログラムを実行して、予定の変速マップをもとにスロットル開度TVOおよび変速機出力回転数No(車速)から、現在の運転状態において要求される好適変速段を検索する。
次いで変速機コントローラ14は、現在の選択変速段が好適変速段と一致しているか否かを判定し、不一致なら変速指令を発して好適変速段への変速が実行されるよう、つまり図2の締結論理表にもとづき当該変速のための摩擦要素の締結、解放切換えが行われるようソレノイド10〜13のデューティ制御により、当該摩擦要素の作動油圧を変更する。
【0053】
ここで第2速と第3速との間の変速や第3速と第4速との間の変速におけるように、第1の摩擦要素を作動油圧の上昇により締結させると共に第2の摩擦要素を作動油圧の低下により解放させて行う掛け替え変速を説明するに、この変速が例えば正駆動状態(エンジンブレーキと逆の駆動状態)での車速上昇に伴うドライブアップ変速の時は、解放すべき摩擦要素(第2の摩擦要素)の作動油圧の指令値である解放側作動油圧指令値Poおよび締結すべき摩擦要素(第1の摩擦要素)の作動油圧の指令値である締結側作動油圧指令値PCを図3に示すごとくに与える。
【0054】
先ず締結側作動油圧指令値PCについて説明するに、変速指令瞬時t1からC1期間中は締結側摩擦要素のロスストロークをできるだけ早期に終了させるために指令値PCを高いプリチャージ圧とする。
その後のC2期間においては、プリチャージ圧のままロスストロークを終了させるとショックを生ずることから、指令値PCを一旦プリチャージ圧よりも低下させてショックを生じない変化割合で徐々に上昇させる。
これにより締結側摩擦要素はロスストロークを終了して締結容量を持ち始めるようになり、この瞬時t2に油圧スイッチ19がONする。
【0055】
油圧スイッチ19がONする瞬時t2から設定時間TCが経過した時からC4期間中、指令値PCを所定の変化割合θCで上昇させて締結側摩擦要素の締結容量を掛け替え変速で要求される入力トルク対応の必要容量まで上昇させる。
この時に解放側摩擦要素の解放が行われば、解放側摩擦要素から締結側摩擦要素への掛け替えが行われ、変速機入出力回転比Nt /Noで表される実効ギヤ比iが変速前ギヤ比から変速後ギヤ比に向けて変化し始め、イナーシャフェーズが開始される。
【0056】
かかるイナーシャフェーズ開始瞬時t3からC5期間中は指令値PC を、小さくした変化割合で更に上昇させて、変速機入力トルク対応の初期棚圧に至らしめ、その後のC6期間中に指令値PCを、更に小さくした所定の変化割合で上昇させて所定勾配の棚圧を設定する。
その後、イナーシャフェーズ終了判定瞬時t4までのC7期間においては、指令値PCをイナーシャフェーズ終了時のショック防止のために一旦、棚圧よりも小さくした後ゆっくり上昇させ、イナーシャフェーズ終了判定瞬時t4からC8期間において指令値PCを元圧であるライン圧まで急上昇させる。
【0057】
次いで解放側作動油圧指令値Poについて説明するに、変速指令瞬時t1からO1期間中は解放側摩擦要素の解放応答を確保するために指令値Poを所定値までステップ状に低下させ、その後のO2,O3期間において指令値Poを順次小さな変化割合で掛け替え前解放圧へ、つまり解放側摩擦要素がスリップしないぎりぎりの低い解放側作動油圧値まで低下させる。
そして、締結側摩擦要素がロスストロークの終了で締結容量を持ち始めて油圧スイッチ19がONする瞬時t2から設定時間Toが経過する時までのO4期間中、指令値Poを上記の掛け替え前解放圧に保ち、設定時間Toが経過した後のO5期間中に解放側摩擦要素から締結側摩擦要素への切り替えが行われるよう指令値Poを所定の変化割合θoで低下させて解放側摩擦要素をスリップさせ始め、当該スリップの量を漸増させる。
【0058】
上記した解放側摩擦要素から締結側摩擦要素への切り替えによりイナーシャフェーズが開始されたのを瞬時t3に検知した後のO6期間、O7期間、O8期間においては、指令値Poを順次設定された変化割合で低下させて最終的に0となし、イナーシャフェーズをその完了まで進行させる。
【0059】
ところで本実施の形態において変速機コントローラ14は、上記掛け替え変速に当たって解放側作動油圧指令値Poを特に、変速の度に図4(a)〜(d)に示すごとくに変化させる。
図4(a)に破線で示すように、(n+1)回目の掛け替え変速中に変速機入力回転数Nt の空吹けがなくて実効ギヤ比iが空吹け判定ギヤ比iS を超えなかった場合は無条件に、次回の同種の掛け替え変速時に実線で示すように、解放側作動油圧指令値Poを前記した掛け替え前解放圧から更に低下させるタイミングを小さな所定時間Cだけ早め、解放側摩擦要素の変速進行方向へのスリップ開始タイミングを早めるよう、油圧スイッチ19のON瞬時t2から当該タイミングまでの設定時間をToからTo−Cへと短くする。
【0060】
かように解放側摩擦要素の締結容量低下タイミングを所定時間Cだけ早め、解放側摩擦要素の変速進行方向へのスリップ開始タイミングが早まるよう解放側作動油圧指令値Poを変更する制御は、解放側摩擦要素の解放を締結側摩擦要素の締結(締結側作動油圧指令値Pcで決まる)に対し相対的に早めてインターロック傾向の発生を防止し、変速機出力トルク波形の破線から実線への変化から明らかなようにインターロック傾向によるトルクの引き込みショックの発生をなくすことができる。
【0061】
上記の学習制御は、変速機入力回転数Ntの空吹けがなくて実効ギヤ比iが空吹け判定ギヤ比iS を超えなかった変速の都度繰り返し行われるが、それによってもなお図4(b)に破線で示すごとく、例えば(n+3)回目の掛け替え変速中に変速機入力回転数Ntの空吹けを生ぜず実効ギヤ比iが空吹け判定ギヤ比iS を超えなかった場合、次回の同種の掛け替え変速時に実線で示すように、解放側作動油圧指令値Poを掛け替え前解放圧から更に低下させ始めるタイミングを更に所定時間Cだけ早めるよう、油圧スイッチ19のON瞬時t2から当該タイミングまでの設定時間をToからTo−Cへと短くする。
これにより解放側摩擦要素の解放が締結側摩擦要素の締結に対し相対的に更に早められると、遂には解放側摩擦要素および締結側摩擦要素の締結容量の和値が変速機入力トルク対応の容量に満たなくなる状態(ニュートラル気味の状態)が発生し、変速機入力回転数Nt の空吹けを生じて実効ギヤ比iが同図に実線で示すごとくに空吹け判定ギヤ比iS を超えると共に、変速機出力トルク波形の破線から実線への変化から明らかなようにニュートラル気味の状態に起因したトルクの抜けが発生する。
【0062】
上記のように、そして図4(c)に破線で示すごとく、変速機入力回転数Ntの空吹けが発生して実効ギヤ比iが空吹け判定ギヤ比iS を超えると、次の(n+4)回目の掛け替え変速中に同図に実線で示すごとく、解放側作動油圧指令値Poを掛け替え前解放圧から更に低下させ始めるタイミングを大きな予定時間Aだけ遅らせ、解放側摩擦要素の変速進行方向へのスリップ開始タイミングを遅くするよう、油圧スイッチ19のON瞬時t2から当該タイミングまでの所定時間をToからTo+Aへと長くする。
これにより解放側摩擦要素の解放が締結側摩擦要素の締結に対し相対的に遅くされ、解放側摩擦要素および締結側摩擦要素の締結容量の和値が変速機入力トルク対応の容量に満たなくなる状態(ニュートラル気味の状態)の発生を1回の上記学習制御でなくして、同図に実線で示す実効ギヤ比iの経時変化から明らかなように上記の空吹けを防止することができる。
【0063】
図4(d)にも破線で示すが、上記のようにして空吹けが解消され、実効ギヤ比iが空吹け判定ギヤ比iS を超えなくなると、次の(n+5)回目の同種の掛け替え変速時に実線で示すごとく、解放側作動油圧指令値Poを掛け替え前解放圧から更に低下させ始めるタイミングを小さな所定時間Cだけ早め、解放側摩擦要素が変速進行方向へのスリップを始めるタイミングを早めるよう、油圧スイッチ19のON瞬時t2から当該タイミングまでの設定時間をToからTo−Cへと短くする。
【0064】
かように解放側作動油圧指令値Poを掛け替え前解放圧から更に低下させて解放側摩擦要素の締結容量を更に低下させ始めるタイミングを小さな所定時間Cだけ早め、解放側摩擦要素の変速進行方向へのスリップ開始タイミングが早まるよう解放側作動油圧指令値Poの与え方を変更する制御は、当該摩擦要素の解放を締結側摩擦要素の締結に対し相対的に早めてインターロック傾向の発生を防止し、変速機出力トルク波形の破線から実線への変化から明らかなようにインターロック傾向によるトルクの引き込みショックの発生をなくすことができる。
【0065】
なお、空吹け判定時以外において繰り返し解放側作動油圧指令値Poの低下開始タイミングを小さな所定時間Cだけ早める当該制御は更に、空吹け判定時に前記のごとくに行う、解放側作動油圧指令値Poの低下開始タイミングを大きな予定時間Aだけ遅らせる制御が、誤学習や繰り返しのバラツキで解放側作動油圧指令値Poの低下開始タイミングを誤って遅延させてインターロック傾向を生じさせた時にこれを修正する用もなす。
【0066】
以上の制御により本実施の形態においては、変速機入力回転の空吹けを検知すると、次回の同じ掛け替え変速時に解放側作動油圧指令値Poの低下開始タイミングを大きな予定時間Aだけ遅らせるよう変更して当該摩擦要素の解放を締結側摩擦要素の締結に対し相対的に遅延させることにより空吹けを防止することができ、
他方で、変速機入力回転の空吹けを検知しない間は、同じ掛け替え変速の度に解放側作動油圧指令値Poの低下開始タイミングが上記予定時間Aよりも短い所定時間Cずつ早くなるよう作動油圧の低下態様を変更するから、当該摩擦要素の解放を締結側摩擦要素の締結に対し相対的に早めてインターロック傾向の発生を防止し、インターロック傾向によるトルクの引き込みショックの発生をなくすことができる。
【0067】
そして空吹け非検知時の制御が、解放側作動油圧指令値Poの低下開始タイミングを上記の短い所定時間Cで決まるゆっくりした速度で早めるために、当該制御により直ちに空吹けが再発生して制御のハンチングを生ずるようなことはない。
また空吹け非検知時の制御が、インターロック傾向の発生を待って行われるのではなく、前者の制御が行われない間は同じ掛け替え変速の度に繰り返して、解放側作動油圧指令値Poの低下開始タイミングをゆっくり早めるというものであるため、インターロック傾向の発生を検知する前からこれを防止することができ、インターロック傾向の発生を皆無となして前記した従来装置の問題を解消することができる。
【0068】
更に、実効ギヤ比iが空吹け判定ギヤ比iS を超えた時をもって変速機入力側回転の空吹けと判定するため、当該空吹け判定がエンジンの空吹け判定ではなく変速機入力回転数Nt の空吹け判定により行われることとなり、
そして実際上トルクコンバータ3の存在によってエンジンの空吹けが変速機入力回転数Nt の空吹けよりも若干遅れて発生することから、
変速機入力軸回転の空吹け判定設定値である上記の空吹け判定ギヤ比iS をエンジン回転の空吹けとなって表れる前の小さな設定値に決定すれば、
前記したごとく空吹けを防止するよう解放側作動油圧指令値Poの低下開始タイミングを早める時に、実際上はエンジンの空吹けが発生する前に当該操作により上記の空吹けが解消されて、運転者が空吹けの現象を知らないうちにその防止作用が完了するようなものにすることができる。
【0069】
なお上記実施の形態においては、空吹けを検知しない間に解放側作動油圧指令値POの低下開始タイミングを早くする所定時間をCの一定時間としたが、これを図5および図6に示すように変化させることができる。
図5は掛け替え変速(本実施の形態ではドライブアップ変速)中に繰り返し実行され、先ずステップ21において、実効ギヤ比iが空吹け判定ギヤ比iS を超えたか否かにより空吹けが発生したか否かをチェックする。
空吹けが発生したと判定する場合ステップ22において、図4に示すように学習制御すべき設定時間をTo 、つまり油圧スイッチ19のON瞬時t2から、解放側作動油圧指令値Poを掛け替え前解放圧から更に低下させ始めるタイミングまでの設定時間Toを、図6に示すごとく上記実施の形態におけると同様に大きな予定時間Aだけ長くし、当該長くした設定時間Toへの更新をステップ23で行って次回の掛け替え変速に供する。
なお予定時間Aは前記したところから明らかなように、設定時間Toの1回の学習制御で図4(c)に破線で示す空吹けを実線で示すように確実に解消し得る大きな値にする必要があることは勿論であるが、当該学習制御によってトルクの引き込みショックが問題となるほど大きくなることのないような限界値を有することもいうまでもない。
【0070】
ステップ21で空吹けが発生しなかったと判定する場合、ステップ24でイナーシャフェーズが開始されたと判定するまで制御をそのまま終了して、ステップ23をスキップする。
イナーシャフェーズの開始が検知された時にステップ24はステップ25,26に制御を進め、ステップ25ではイナーシャフェーズ開始時の締結側作動油圧指令値PC が図3に示すトルク分担圧PB から同じく図3に示す許容下幅βを差し引いて求めた許容下限値未満か否かを判定し、またステップ26ではイナーシャフェーズ開始時の締結側作動油圧指令値PC がトルク分担圧PB に図3の許容上幅αを加算して求めた許容上限値以上か否かを判定する。
ここでトルク分担圧PB は、締結側摩擦要素が変速機入力トルクと釣り合う締結容量を発生するために必要な圧力とする。
【0071】
図3に実線で示すように実効ギヤ比iが時系列変化して、イナーシャフェーズ開始時(t3)の締結側作動油圧指令値PC がトルク分担圧PB を挟んでα,βの許容範囲内の値である場合、ステップ25,26はステップ27を選択して、油圧スイッチ19のON瞬時t2から、解放側作動油圧指令値PC を解放側摩擦要素がスリップし始めるよう掛け替え前解放圧から更に低下させ始めるタイミングまでの設定時間To を、図6に示すごとく上記実施の形態におけると同様に小さな所定時間Cだけ短くし、当該短くした設定時間To への更新をステップ23で行って次回の掛け替え変速に供する。
なおこの場合、イナーシャフェーズ開始時の締結側作動油圧指令値Pc がトルク分担圧PB を挟んでα,βの許容範囲内の値であることから、解放側作動油圧指令値Poの低下開始タイミングは適正であるため、所定時間Cはバラツキ等を考慮した程度の小さな値にする。
【0072】
図3に1点鎖線で示すように実効ギヤ比iが時系列変化して、イナーシャフェーズ開始時の締結側作動油圧指令値Pc がトルク分担圧PB よりαだけ大きな上限値以上である場合、ステップ25,26はステップ28を選択して、図6に示すごとく設定時間To を上記所定時間Cよりも大きな所定時間Dだけ短くし、当該短くした設定時間Toへの更新をステップ23で行って次回の掛け替え変速に供する。
なおこの場合、イナーシャフェーズ開始時の締結側作動油圧指令値PC が上限値以上であることから、解放側摩擦要素の締結容量低下タイミングが遅くて該摩擦要素のスリップ開始が遅れているために締結側摩擦要素の作動油圧がかように高い値にならないとイナーシャフェーズが始まらずインターロック傾向の変速が起こっていると見做すことができるが、上記のごとく所定時間Dを大きくすることで解放側作動油圧指令値Poの低下開始タイミングを早める量が大きくなってインターロック傾向の状態を速やかに解消することができる。
【0073】
図3に2点鎖線で示すように実効ギヤ比iが時系列変化して、イナーシャフェーズ開始時の締結側作動油圧指令値Pc がトルク分担圧PB よりβだけ小さな下限値未満である場合、ステップ25はステップ29を選択して、図6に示すごとく設定時間To を上記所定時間Cよりも更に小さな所定時間Bだけ短くし、当該短くした設定時間To への更新をステップ23で行って次回の掛け替え変速に供することになる。
なおこの場合、イナーシャフェーズ開始時の締結側作動油圧指令値PC が下限値未満であることから、解放側摩擦要素の締結容量低下タイミングが締結側摩擦要素の締結容量上昇タイミングに対し早くてこれら摩擦要素の締結容量の和値がタービン回転の空吹けを生じさせるぎりぎりの値であるために締結側摩擦要素の作動油圧がかように低い時からイナーシャフェーズが始まってしまう空吹け直前状態であると見做すことができるが、上記のごとく所定時間Bを小さくすることで解放側作動油圧指令値Poの低下開始タイミングを早める量が小さくなって一気に空吹け状態になるのを防止することができる。
【0074】
以上により本実施の形態においては、空吹けを検知しない間に解放側作動油圧指令値Poの低下開始タイミングを早くする所定時間をB,C,Dのように、イナーシャフェーズ開始時における締結側作動油圧指令値Pc と、トルク分担圧PB との対比結果に応じて変化させるため、当該所定時間が適正なものとなり、インターロック直前状態を速やかに解消したり、一気に空吹け状態になるのを防止して前記の作用効果を更に確実なものにすることができる。
【0075】
上記では何れにしても、解放側作動油圧指令値Po を掛け替え前解放圧から更に低下させるタイミングを操作して空吹けの防止およびインターロック傾向の防止を実現したが、この代わりに摩擦要素の掛け替え中における解放側作動油圧指令値Po の低下割合(図3にθoで示す)を操作したり、又は、摩擦要素の掛け替えに当たって締結側摩擦要素の締結容量を上昇させ始めるために締結側作動油圧指令値Pc を上昇させ始めるタイミングを操作したり、或いは、摩擦要素の掛け替え中における締結側作動油圧指令値PCの上昇割合(図3にθCで示す)を操作することでも同様の作用効果を達成することができる。
【0076】
摩擦要素の掛け替え中における解放側作動油圧指令値Po の低下割合θo を操作する場合、空吹けが発生したら次回の同じ掛け替え変速時に解放側作動油圧指令値Poの低下割合θoを予定割合だけ小さくし、空吹けが発生しなければ、同じ掛け替え変速の度に解放側作動油圧指令値Poの低下割合θoを上記予定割合よりも小さな所定割合ずつ大きくする。
【0077】
解放側作動油圧指令値Poの低下割合θoを予定割合だけ小さくする空吹け発生時の前者の制御は、当該摩擦要素の解放開始タイミングを締結側摩擦要素の締結容量の上昇に対し相対的に遅延させて上記の空吹けを防止することができ、
また空吹け非発生時の後者の制御、つまり同じ掛け替え変速の度に解放側作動油圧指令値Poの低下割合θoを上記予定割合よりも小さな所定割合ずつ大きくする制御は、当該摩擦要素の解放開始タイミングを締結側摩擦要素の締結容量の上昇に対し相対的に早めてインターロック傾向の発生を防止し、インターロック傾向によるトルクの引き込みショックの発生をなくすことができると共に、前者の制御が誤学習や繰り返しのバラツキで解放側作動油圧指令値Poの低下割合θoを誤って小さくさせてインターロック傾向を生じさせた時にこれを修正する用もなす。
【0078】
そして後者の制御が、解放側作動油圧指令値Poの低下割合θoを上記の小さな所定割合で決まるゆっくりした速度で大きくするために、当該制御により直ちに空吹けが再発生して制御のハンチングを生ずるようなことはない。
また後者の制御が、インターロック傾向の発生を待って行われるのではなく、前者の制御が行われない間は無条件に、解放側作動油圧指令値Poの低下割合θoをゆっくり増大させるというものであるため、インターロック傾向の発生を検知する前からこれを防止することができ、インターロック傾向の発生を皆無となし得る。
よって本実施の形態においても、前記実施の形態におけると同様の作用効果を達成することができる。
【0079】
なお本実施の形態におけるように、空吹けが発生しなければ同じ掛け替え変速の度に解放側作動油圧指令値Poの低下割合θoを小さな所定割合ずつ大きくする際、上記の所定割合を一定とせず、イナーシャフェーズ開始時の締結側作動油圧指令値PCと、前記したトルク分担圧PB (図3参照)との比較結果に応じ、イナーシャフェーズ開始時の締結側作動油圧指令値Pc がトルク分担圧PBを挟んで所定範囲(PB−β)〜(PB+α)内の値である場合に比し、該所定範囲内の値以上である場合は上記の所定割合を大きくし、該所定範囲内の値未満である場合は当該所定割合を小さくするのがよい。
この場合、イナーシャフェーズ開始時の締結側作動油圧指令値PCが前者の通りに高過ぎる時(インターロック傾向の変速が行われたと推定される状態の時)は、解放側作動油圧指令値Poの低下割合θoを増大させる量が大きくなってインターロック傾向の変速が行われる状態を速やかに解消することができ、
イナーシャフェーズ開始時の締結側作動油圧指令値PC が後者の通りに低過ぎる空吹け直前と推定される状態の時は、解放側作動油圧指令値Poの低下割合θoを増大させる量が小さくなって一気に空吹け状態になるのを防止することができ、
前記の作用効果を一層確実なものにすることができる。
【0080】
前記第1の実施の形態におけるごとく解放側作動油圧指令値Po を掛け替え前解放圧から更に低下させ始めるタイミングを操作することにより空吹けの防止およびインターロック傾向の防止を実現する代わりに、摩擦要素の掛け替えに当たって締結側作動油圧指令値PC を上昇させ始めるタイミングを操作する場合、空吹けが発生したら、次回の同じ掛け替え変速時に掛け替え用の締結側作動油圧指令値PC の上昇開始タイミングが予定時間だけ早くなるよう図3にTC で示す設定時間を短くし、空吹けが発生しない間は、同じ掛け替え変速の度に掛け替え用の締結側作動油圧指令値PC の上昇開始タイミングが上記予定時間よりも短い所定時間ずつ遅くなるよう設定時間TC を長くする。
【0081】
掛け替え用の締結側作動油圧指令値PC の上昇開始タイミングが予定時間だけ早くなるよう設定時間TC を短くする空吹け発生時の前者の制御は、締結側摩擦要素の締結容量上昇タイミングを解放側摩擦要素の解放開始タイミングに対し相対的に早めて上記の空吹けを防止することができる。
また空吹け非発生時の後者の制御、つまり同じ掛け替え変速の度に掛け替え用の締結側作動油圧指令値PC の上昇開始タイミングが上記予定時間よりも短い所定時間ずつ遅くなるよう設定時間TCを長くする制御は、締結側摩擦要素の締結容量上昇タイミングを解放側摩擦要素の解放開始タイミングに対し相対的に遅くしてインターロック傾向の発生を防止し、インターロック傾向によるトルクの引き込みショックの発生をなくすことができると共に、前者の制御が誤学習や繰り返しのバラツキで掛け替え用の締結側作動油圧指令値PC の上昇開始タイミングを誤って早くさせてインターロック傾向を生じさせた時にこれを修正する用もなす。
【0082】
そして後者の制御が、掛け替え用の締結側作動油圧指令値PCの上昇開始タイミングを上記の短い所定時間で決まるゆっくりした速度で遅くするために、当該制御により直ちに空吹けが再発生して制御のハンチングを生ずるようなことはない。
また後者の制御が、インターロック傾向の発生を待って行われるのではなく、前者の制御が行われない間は無条件に、掛け替え用の締結側作動油圧指令値PCの上昇開始タイミングをゆっくりした速度で遅くするというものであるため、インターロック傾向の発生を検知する前からこれを防止することができ、インターロック傾向の発生を皆無となし得る。
よって本実施の形態においても、前記した実施におけると同様の作用効果を達成することができる。
【0083】
なお本実施の形態におけるように、空吹けが発生しなければ同じ掛け替え変速の度に掛け替え用の締結側作動油圧指令値PC の上昇開始タイミングが短い所定時間ずつ遅くなるよう設定時間TC を長くするに際し、上記の短い所定時間を一定とせず、イナーシャフェーズ開始時の締結側作動油圧指令値PC と、前記したトルク分担圧PB (図3参照)との比較結果に応じ、イナーシャフェーズ開始時の締結側作動油圧指令値Pc がトルク分担圧PB を挟んで所定範囲(PB −β)〜(PB +α)内の値である場合に比し、該所定範囲内の値以上である場合は上記の所定時間を長くし、該所定範囲内の値未満である場合は当該所定時間を短くするのがよい。
この場合、イナーシャフェーズ開始時の締結側作動油圧指令値Pc が前者の通りに高過ぎる時(インターロック傾向の変速が行われたと推定される状態の時)は、掛け替え用の締結側作動油圧指令値Pcの上昇開始タイミングを遅くする量が大きくなってインターロック直前状態を速やかに解消することができ、
イナーシャフェーズ開始時の締結側作動油圧指令値Pc が後者の通りに低過ぎる時(空吹け直前と推定される状態の時)は、掛け替え用の締結側作動油圧指令値Pc の上昇開始タイミングを遅くする量が小さくなって一気に空吹け状態になるのを防止することができ、
前記の作用効果を一層確実なものにすることができる。
【0084】
前記第1の実施の形態におけるごとく解放側作動油圧指令値Poを掛け替え前解放圧から更に低下させることにより空吹けの防止およびインターロック傾向の防止を実現する代わりに、摩擦要素の掛け替え中における締結側作動油圧指令値Pc の上昇割合(図3にθc で示す)を操作する場合、空吹けが発生したら、次回の同じ掛け替え変速時に掛け替え用の締結側作動油圧指令値Pc の上昇割合θcを予定割合だけ大きくし、空吹けが発生しない間は、同じ掛け替え変速の度に掛け替え用の締結側作動油圧指令値Pc の上昇割合θcを上記予定割合よりも小さな所定割合ずつ小さくする。
【0085】
掛け替え用の締結側作動油圧指令値Pc の上昇割合θcを予定割合だけ大きくする空吹け発生時の前者の制御は、締結側摩擦要素の締結容量上昇タイミングを解放側摩擦要素の解放開始タイミングに対し相対的に早めて上記の空吹けを防止することができる。
また空吹け非発生時の後者の制御、つまり同じ掛け替え変速の度に掛け替え用の締結側作動油圧指令値Pc の上昇割合θcを上記予定割合よりも小さな所定割合ずつ小さくする制御は、締結側摩擦要素の締結容量上昇タイミングを解放側摩擦要素の解放開始タイミングに対し相対的に遅くしてインターロック傾向の変速を防止し、インターロック傾向によるトルクの引き込みショックの発生をなくすことができると共に、前者の制御が誤学習や繰り返しのバラツキで掛け替え用の締結側作動油圧指令値Pc の上昇割合θcを誤って増大させてインターロック傾向を生じさせた時にこれを修正する用もなす。
【0086】
そして後者の制御が、掛け替え用の締結側作動油圧指令値Pc の上昇割合θcを上記の小さな所定割合で決まるゆっくりした速度で小さくするために、当該制御により直ちに空吹けが再発生して制御のハンチングを生ずるようなことはない。
また後者の制御が、インターロック傾向の発生を待って行われるのではなく、前者の制御が行われない間は無条件に、掛け替え用の締結側作動油圧指令値PC の上昇割合θcをゆっくりした速度で小さくするというものであるため、インターロック傾向の発生を運転者が気づく前にこれを防止することができ、インターロック傾向の発生を皆無となし得る。
よって本実施の形態においても、前記実施の形態におけると同様の作用効果を達成することができる。
【0087】
なお本実施の形態におけるように、空吹けが発生しなければ同じ掛け替え変速の度に掛け替え用の締結側作動油圧指令値Pc の上昇割合θcを小さな所定割合ずつ小さくする際、上記の小さな所定割合を一定とせず、イナーシャフェーズ開始時の締結側作動油圧指令値Pc と、前記したトルク分担圧PB (図3参照)との比較結果に応じ、イナーシャフェーズ開始時の締結側作動油圧指令値PC がトルク分担圧PB を挟んで所定範囲(PB −β)〜(PB +α)内の値である場合に比し、該所定範囲内の値以上である場合は上記の所定割合を大きくし、該所定範囲内の値未満である場合は当該所定割合を小さくするのがよい。
この場合、イナーシャフェーズ開始時の締結側作動油圧指令値Pc が前者の通りに高過ぎる時(インターロック傾向の変速が行われたと推定される状態の時)は、掛け替え用の締結側作動油圧指令値Pcの上昇割合θcを小さくする量が大きくなってインターロック傾向の変速を速やかに解消することができ、
イナーシャフェーズ開始時の締結側作動油圧指令値Pcが後者の通りに低過ぎる時(空吹け直前と推定される状態の時)は、掛け替え用の締結側作動油圧指令値Pcの上昇割合θcを小さくする量が小さくなって一気に空吹け状態になるのを防止することができ、
前記の作用効果を一層確実なものにすることができる。
【0088】
なお上記各実施の形態においては何れも、自動変速機が摩擦要素の作動油圧を個々のソレノイドで直接的に制御されるようにした直動弁式である場合について、また当該自動変速機がドライブアップ掛け替え変速を行う場合について説明したが、本発明はこれら自動変速機の型式や掛け替え変速の種類に限定されるものではなく、他の型式の自動変速機や他の種類の掛け替え変速にに対しても同様の考え方により適用可能で、これらの場合も同様の作用効果を奏し得ること勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態になる変速制御装置を具えた自動変速機の伝動列、およびその変速制御システムを示す概略系統図である。
【図2】 同自動変速機の選択変速段と、摩擦要素の締結論理との関係を示す図である。
【図3】 同実施の形態における変速制御装置がドライブアップ掛け替え変速を行う場合の締結側作動油圧指令値および解放側作動油圧指令値の時系列変化を示すタイムチャートである。
【図4】 同実施の形態における変速制御装置がドライブアップ掛け替え変速時において行う解放側作動油圧指令値の学習状態を示すタイムチャートで、
(a)は、空吹けが発生していない間における学習状態のタイムチャート、
(b)は、同学習によって空吹けが発生した直後におけるタイムチャート、
(c)は、同空吹けを防止するような学習を行った時のタイムチャート、
(d)は、同学習によって空吹けが防止された直後におけるタイムチャートである。
【図5】 本発明の他の実施の形態になる変速制御装置が実行する学習量変更制御プログラムを示すフローチャートである。
【図6】 同制御による学習量変更例を示す解放側作動油圧指令値のタイムチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン
2 自動変速機
3 トルクコンバータ
4 入力軸
5 出力軸
6 フロントプラネタリギヤ組
7 リヤプラネタリギヤ組
8 コントロールバルブ
9 ライン圧ソレノイド
10 ロークラッチソレノイド
11 2速・4速ブレーキソレノイド
12 ハイクラッチソレノイド
13 ローリバースブレーキソレノイド
14 変速機コントローラ
15 スロットル開度センサ
16 タービン回転センサ
17 出力回転センサ
18 インヒビタスイッチ
19 油圧スイッチ
L/C ロークラッチ
2-4/B 2速・4速ブレーキ
H/C ハイクラッチ
LR/B ローリバースブレーキ
R/C リバースクラッチ
L/OWC ローワンウエイクラッチ
Claims (5)
- 複数の摩擦要素のうち第1の摩擦要素を作動油圧の上昇により締結させると共に、該第1の摩擦要素がロスストロークを終了して締結容量を持ち始めた時から設定時間が経過した時より第2の摩擦要素を作動油圧の低下により解放させ、これら第1および第2の摩擦要素の掛け替えにより行う変速を有した自動変速機において、
前記変速中に変速機入力側回転の空吹けを検知した時は、前記第2の摩擦要素に係わる作動油圧の低下開始タイミングが予定時間だけ遅くなるよう前記設定時間を変更し、変速機入力側回転の空吹けを検知しない間は、前記第2の摩擦要素に係わる作動油圧の低下開始タイミングが前記予定時間よりも短い所定時間ずつ早くなるよう前記設定時間を変更する構成となし、
変速機入出力回転数の比で表される実効ギヤ比が変速前ギヤ比から変速後ギヤ比に向けて変化し始めたイナーシャフェーズ開始時における前記第1の摩擦要素の作動油圧を、該摩擦要素が変速機入力トルクと釣り合う締結容量を発生するために必要なトルク分担圧と比較し、前記第1の摩擦要素のイナーシャフェーズ開始時における作動油圧が前記トルク分担圧を挟んで所定範囲内の値である場合に比し、該所定範囲内の値以上である場合は前記所定時間を長くし、該所定範囲内の値未満である場合は前記所定時間を短くするよう構成したことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。 - 複数の摩擦要素のうち第1の摩擦要素を作動油圧の上昇により締結させると共に、該第1の摩擦要素がロスストロークを終了して締結容量を持ち始めた時から設定時間が経過した時より第2の摩擦要素を作動油圧の低下により解放させ、これら第1および第2の摩擦要素の掛け替えにより行う変速を有した自動変速機において、
前記変速中に変速機入力側回転の空吹けを検知した時は、前記第2の摩擦要素に係わる作動油圧の低下割合を予定割合だけ小さくし、変速機入力側回転の空吹けを検知しない間は、前記第2の摩擦要素に係わる作動油圧の低下割合を前記予定割合よりも小さな所定割合ずつ大きくするよう構成し、
変速機入出力回転数の比で表される実効ギヤ比が変速前ギヤ比から変速後ギヤ比に向けて変化し始めたイナーシャフェーズ開始時における前記第1の摩擦要素の作動油圧を、該摩擦要素が変速機入力トルクと釣り合う締結容量を発生するために必要なトルク分担圧と比較し、前記第1の摩擦要素のイナーシャフェーズ開始時における作動油圧が前記トルク分担圧を挟んで所定範囲内の値である場合に比し、該所定範囲内の値以上である場合は前記所定割合を大きくし、該所定範囲内の値未満である場合は前記所定割合を小さくするよう構成したことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。 - 複数の摩擦要素のうち第1の摩擦要素を作動油圧の上昇により締結させると共に、該第1の摩擦要素がロスストロークを終了して締結容量を持ち始めた時から設定時間が経過した時より第2の摩擦要素を作動油圧の低下により解放させ、これら第1および第2の摩擦要素の掛け替えにより行う変速を有した自動変速機において、
前記変速中に変速機入力側回転の空吹けを検知した時は、前記第1の摩擦要素に係わる作動油圧の上昇開始タイミングを予定時間だけ早くし、変速機入力側回転の空吹けを検知しない間は、前記第1の摩擦要素に係わる作動油圧の上昇開始タイミングを前記予定時間よりも短い所定時間ずつ遅くするよう構成し、
変速機入出力回転数の比で表される実効ギヤ比が変速前ギヤ比から変速後ギヤ比に向けて変化し始めたイナーシャフェーズ開始時における前記第1の摩擦要素の作動油圧を、該摩擦要素が変速機入力トルクと釣り合う締結容量を発生するために必要なトルク分担圧と比較し、前記第1の摩擦要素のイナーシャフェーズ開始時における作動油圧が前記トルク分担圧を挟んで所定範囲内の値である場合に比し、該所定範囲内の値以上である場合は前記所定時間を長くし、該所定範囲内の値未満である場合は前記所定時間を短くするよう構成したことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。 - 複数の摩擦要素のうち第1の摩擦要素を作動油圧の上昇により締結させると共に、該第1の摩擦要素がロスストロークを終了して締結容量を持ち始めた時から設定時間が経過した時より第2の摩擦要素を作動油圧の低下により解放させ、これら第1および第2の摩擦要素の掛け替えにより行う変速を有した自動変速機において、
前記変速中に変速機入力側回転の空吹けを検知した時は、前記第1の摩擦要素に係わる作動油圧の上昇割合を予定割合だけ大きくし、変速機入力側回転の空吹けを検知しない間は、前記第1の摩擦要素に係わる作動油圧の上昇割合を前記予定割合よりも小さな所定割合ずつ小さくするよう構成し、
変速機入出力回転数の比で表される実効ギヤ比が変速前ギヤ比から変速後ギヤ比に向けて変化し始めたイナーシャフェーズ開始時における前記第1の摩擦要素の作動油圧を、該摩擦要素が変速機入力トルクと釣り合う締結容量を発生するために必要なトルク分担圧と比較し、前記第1の摩擦要素のイナーシャフェーズ開始時における作動油圧が前記トルク分担圧を挟んで所定範囲内の値である場合に比し、該所定範囲内の値以上である場合は前記所定割合を大きくし、該所定範囲内の値未満である場合は前記所定割合を小さくするよう構成したことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項において、前記変速機入力側回転の空吹けとして変速機入力軸回転の空吹けを検知し、該検知のための変速機入力軸回転の空吹け判定設定値をエンジン回転の空吹けとなって表れる前の小さな設定値としたことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
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