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JP3964213B2 - 圧粉磁芯及び高周波リアクトルの製造方法 - Google Patents

圧粉磁芯及び高周波リアクトルの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、チョークコイルに用いられる圧粉磁芯に関し、さらに詳しくは、直流重畳特性及び周波数特性に優れた圧粉磁芯に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高周波で用いられるチョークコイルとして、フェライト磁芯や圧粉磁芯が使用されている。これらの中で、フェライト磁芯は飽和磁束密度が小さいという欠点を有している。これに対して、金属粉末を成形して作製される圧粉磁芯は、軟磁性フェライトに比べて高い飽和磁束密度を持つため、直流重畳性に優れているという長所を有している。
【0003】
しかし、圧粉磁芯は、金属粉末を有機バインダーなどと混合して高圧で圧縮成型して作製するため、粉末粒子間の絶縁が保てず、透磁率の周波数特性の低下という欠点を有する。また、粉末粒子間の絶縁を確保するため、バインダーなどを大量に混合すると金属粉末の占積率が低下し、透磁率が低下するなどの問題がある。
【0004】
また、近年、省エネルギー、二酸化炭素による地球温暖化問題の高まりから、一般家電及び産業用機器において、省エネルギー対策が急速に進んでおり、その対策として、電気回路の高効率化等が求められている。その解決手段の一環として、圧粉磁芯の透磁率の向上及び周波数特性の改善、コアロスの改善が強く望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の圧粉磁芯の透磁率を向上させる方法としては、磁性粉末の充填率の向上に主点が置かれており、その手段として、例えば成形圧を上げるなどの方法が考えられる。しかし、この方法で充填率を向上させた場合、粉末粒子間の絶縁が低下し、渦電流損失の増加、周波数特性の劣化を招いてしまう。
【0006】
従って、本発明の技術的課題は、上記問題点を解決し、直流重畳特性、周波数特性に優れた圧粉磁芯を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の問題を解決するために、圧粉磁芯における磁性粒子間に、絶縁体を介在させることを検討した結果なされたものである。本発明者らは、前記の方法を具体化することの検討を進めた結果、SiOを生成する化合物を含む粉末もしくは溶液と、MgCO粉末もしくはMgOを、圧粉磁芯の原材料に混合し、プレス、熱処理することにより、磁性粉末粒子間に絶縁体を介在させ得ることを見出した。
【0012】
本発明の態様によれば、1〜10wt%のSi、0.1〜1.0wt%のO、残部Feの組成をもつ粒径が150μm以下の合金よりなる磁性粉末と、シリコーン樹脂またはシランカップリング剤の少なくとも一方と、MgCO粉末またはMgO粉末の少なくとも一方とを混合した混和物を圧縮成形し、得られた成形体に熱処理を施して磁性粉末の間にSiOとMgOとを主成分とするガラス層を生成することを特徴とする、圧粉磁芯の製造方法が得られる。
【0013】
前記混和物を5〜20ton/cmの成形圧力で成形して前記熱処理を500〜1000℃の温度領域で行い、これにより前記成形体の密度を6.0〜7.0g/cmにしてもよい。
【0014】
前記シランカップリング剤の混合は、シランカップリング剤による磁性粉末粒子の表面処理によってもよい。
上述した製造方法により製造される圧粉磁芯は、交流透磁率μ 20kHz が直流印加磁界12000A/m時に20以上であり、かつ鉄損が20kHz、0.1Tの条件下で1000kW/m 以下であってもよい。
上述した製造方法により製造される圧粉磁芯は、磁路長の10%以下が1箇所以上の空隙または非磁性物から構成されてもよい。
本発明の他の態様によれば、上述した製造方法により圧粉磁芯を製造し、前記圧粉磁芯に巻線を施すことを特徴とする、高周波リアクトルの製造方法が得られる。
【0015】
【作用】
本発明によれば、同様の磁性粉末を用いた従来の圧粉磁芯に比較して、直流重畳特性、周波数特性の優れた圧粉磁芯が得られるが、これはSiOを生成する化合物とMgCO粉末またはMgO粉末とを混合して熱処理することにより、磁性粒子間にSiOとMgOを主成分とするガラス層が形成され、充填率を低下させることなく、粒子間の絶縁を確保できたためと解される。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について説明する。
【0017】
本発明においては、磁性粉末として1重量%〜10重量%のSi、0.1〜1.0wt%のO、残部Feの組成の合金が用いられるが、溶解法によるインゴットからの粉砕粉末、アトマイズ粉末など、組成の分布が均一であれば、製法に制限はない。
【0018】
粉末の酸素量が0.1wt%以下の時は、適当な酸素雰囲気と温度で熱処理し、粉末表面に酸化処理を施す。この粉末を150μmのふるいを使用して分級する。
【0019】
一方、圧粉磁芯の成形においては、バインダーを用いることがあり、一般的な圧粉磁芯用のバインダーとして、エポキシ樹脂などの熱硬化性高分子が用いられる。本発明においては、SiOを生成する化合物を用いることから、シロキサン結合で主鎖が構成されるシリコーン樹脂を主成分とする接着剤を用いることができる。
【0020】
また、シランカップリング剤は、SiとOを構成元素としているので、これを混合しても、熱処理によりSiOを生成することができる。この場合は、予め磁性粉末をシランカップリング剤で表面処理するという方法をとれば、磁性粉末の充填率向上にも寄与できる。
【0021】
また、本発明では、絶縁体を形成するため、MgCO粉末またはMgO粉末を混合するが、MgOは空気中のCOや水を吸収してMgCO水和物に変化するので、取り扱いに注意が必要である。一方、MgCOは700℃付近以上の温度で、COを放出してMgOに変化するので、MgOを使用した場合と同様の結果が得られる。つまり、製造工程の環境や熱処理の条件などによって、適宜使い分ける必要がある。
【0022】
例えばトロイダル形状の金型を使用して適切な圧力、望ましくは5〜20ton/cmの圧力で圧縮成形する。さらに、その成形体に対し適切な温度望ましくは500〜1000℃の範囲で歪とり熱処理を行う。次いで定格電流に応じた線径のマグネットワイヤーを使用し、所望のインダクタンス値になるようにターン数を決める。ここで、合金の組成を規定した理由を述べると、Si量が1重量%未満では合金の磁気異方性が高く、しかも比抵抗が低いので磁心のコアロスがたかくなるためであり、10%を越えると合金の飽和磁化が低くまた硬度が高いので成形体密度が低くなり、直流重畳特性が劣化するためである。O量を0.1〜1.0wt%としたのは、0.1%未満では初透磁率が高すぎて直流重畳特性が向上せず、1.0wt%を越えると粉末中の磁性体の割合が減少するので飽和磁化が著しく低下し、直流重畳特性が劣化するためである。また粉末粒径は実質的に150μm以下でさらに細かい方が直流重畳特性も向上する傾向を示す。
【0023】
また、成形圧力については、5ton/cm以上の圧力で粉末を成形したとき、6.0g/cm以上の高い成形体密度と優れた直流重畳特性とコアロス特性が得られるが、20ton/cmを越える成形圧力では成形体の金型寿命が著しく短くなるため現実的ではない。
【0024】
また、成形体の熱処理温度については、500℃以上で成形歪が除去され直流重畳特性が向上するが、1000℃を越えると比抵抗が低下するため、高周波特性の劣化が著しくなる。これは焼結により粉末間の電気的絶縁が破壊されるためと思われ、焼結体密度比が95%を越えるような焼結磁心と本発明による圧粉磁心との決定的差異であり、成形体の密度が7.0g/cmを越える。
【0025】
以下に具体的な実施例によってさらに詳しく説明する。
【0026】
(実施例1)
水アトマイズ法で作製した、Siが5.0wt%、Oが0.5wt%、残部がFeという組成の合金粉末に、シリコーン樹脂、シラン系カップリング剤、MgCO粉末、MgO粉末の所要量を、秤量して混合し、金型を用いて室温で15ton/cmの圧力で成形し、外径20mm、内径10mm、厚さ5mmのトロイダル形状の圧粉磁芯を得た。表1は、本実施例における前記成分の秤量組成を示したものである。ここでは、実施例として4種類、比較例として1種類の圧粉磁芯を作製した。
【0027】
【表1】
Figure 0003964213
【0028】
次に、この圧粉磁芯に、800℃、2時間、窒素中という条件で熱処理を施し、シリコーン樹脂の熱処理及び粉末成形時の歪みの除去を行った。次に、この圧粉磁芯を絶縁体からなるケースに装入して巻線を施し、ヒューレッドパッカード社(以下、HPと記す)製4284Aプレシジョンメーターで直流重畳特性を測定した。この結果を図1に示した。
【0029】
また、HP製4194Aインピーダンスアナライザーで、μ20kHzの周波数特性を測定した。結果を図2に示した。また、各圧粉磁芯の比抵抗の測定結果を表2に示した。また、次にこれらの成形体に1次15ターン、2次15ターンの巻線をし、岩崎通信機のSY−8232交流BHトレーサーで20kHz、0.1Tのコアロス特性を測定した結果も表2に示した。
【0030】
比較例として、表1に示すように、シリコーン樹脂を1.0wt%のみ混合し、上記と同様の方法で圧粉磁芯の作製、特性測定を行い、結果を同じく図1、図2、表2に示した。
【0031】
【表2】
Figure 0003964213
【0032】
図1、図2より、本実施例の圧粉磁芯では、直流重畳特性、周波数特性とも比較例に比べ、良好であることがわかる。また、表2より、本実施例の圧粉磁芯では、比抵抗とコアロスも向上していることがわかる。
【0033】
(実施例2)
次に、実施例2について説明する。試料1として、表1の試料3に示した混合比率で原材料を秤量し、実施例1と同様にして金型を用い、室温で15ton/cmの圧力で成形し、外径20mm、内径10mm、厚さ5mmのトロイダル形状の圧粉磁芯を得た。次に、この圧粉磁芯に、400℃、500℃、600℃、700℃、800℃、900℃、1000℃、1100℃で、2時間、窒素中で熱処理を施し、シリコーン樹脂の熱処理及び粉末成形時の歪みの除去を行った。
【0034】
この圧粉磁芯を絶縁体からなるケースに装入して巻線を施し、HP製4284Aプレシジョンメーターで直流重畳特性を測定した。結果を図3に示した。また、HP製4194Aインピーダンスアナライザーでμの周波数特性を測定した。結果を図4に示した。図3、図4より、熱処理温度500℃以上の圧粉磁芯で、直流重畳特性、周波数特性とも良好な特性であった。これは、500℃以上でSiOとMgOのガラス層が形成されたためと考えられる。
【0035】
また、前記温度で熱処理を施した圧粉磁芯について比抵抗を測定した。また、比較例として、実施例1と同一の磁性粉末を用い、シリコーン樹脂1.0wt%のみを混合し、実施例1と同様の方法で作製した圧粉磁芯に、本実施例と同様に、400℃、500℃、600℃、700℃、800℃、900℃、1000℃、1100℃の温度で、2時間、窒素中で熱処理を施し、シリコーン樹脂の熱処理及び粉末成形時の歪みの除去を行い、圧粉磁芯を作製した。これらについても同様に、比抵抗を測定した。結果を図5に示した。
【0036】
図5より、比較例のシリコーン樹脂のみの圧粉磁芯では、熱処理温度の上昇に伴い比抵抗が低下し、900℃の高温では、絶縁が破壊されていることがわかる。一方、本実施例では、熱処理温度の増加と共に比抵抗が向上し、1000℃まで絶縁が保たれることがわかった。この結果から、本発明により、高温熱処理で十分な絶縁が確保でき、これによって磁気特性が向上できることがわかる。
【0037】
(実施例3)
次に、実施例3について説明する。実施例1の試料1に使用した5.0重量%のSi、0.5重量%のO、残部Feの合金粉末を使用して、外径50mm、内径25mm、高さ20mmのトロイダル圧粉磁芯を、金型を使用して作成した。次に,このトロイダル圧粉磁芯を歪とり熱処理し、磁路と直角にギャップを5mm挿入し、外径1.8mmのマグネットワイヤーを60ターン巻線して、リアクトルを作製した。
【0038】
このリアクトルの40A直流重畳時のインダクタンスを測定したところ、550μHであった。次に、出力2000W級のごく一般的なインバーター制御用のアクティブフィルターが搭載されたスイッチング電源に、このリアクトルを接続し、回路効率を測定した。ここで、出力側には負荷抵抗を接続した。また、回路効率は,出力電力を入力電力で割った値を使用した。その結果を表3に示す。
【0039】
比較例として、幅20mmのFe系アモルファス薄帯を使用し、実施例と全く同じ寸法のトロイダル磁芯を作成した。そして、実施例と全く同じインダクタンスになるようにギャップを形成した後、やはり60ターン巻線して、インダクタンスを測定したところ,530μHであった。次に,実施例と全く同じ方法でスイッチング電源に接続し、その回路効率を測定した。その結果も合わせて表3に示した。
【0040】
【表3】
Figure 0003964213
【0041】
表3より、本実施例のリアクトルは、比較例に比較し、回路効率が高いことが分かった。これは,アモルファス磁芯コアは大きなギャップを入れる必要があり、そのため唸りが発生し、更にギャップ付近に生じる漏洩磁束などが、効率に悪影響を及ぼしていると思われる。
【0042】
(実施例4)
水アトマイズ法で作製した3.0wt%のSi、0.5wt%のO、残部Feの合金粉末を150μm以下に分級した。次に、バインダーとしてSi系樹脂を重量比で1.0wt%、MgOを1.0wt%混合した。次いで、成形用金型を使用し、外形15mm、内径10mm、高さ5mmの形状に10ton/cmの圧力で金型成形した。成形体密度は6.8g/cmであった。その後、この成形体を不活性雰囲気で800℃×1時間保持後、室温まで徐冷した。次にこの成形体に1次15ターン、2次15ターンの巻線をし、岩崎通信機のSY−8232交流BHトレーサーで20kHz、0.1Tにおける透磁率、コアロス特性を測定した。
【0043】
比較例として、全く同様の形状の磁心を板厚0.1mmの3%珪素鋼板から金型で打ち抜き後、樹脂で積層し磁心を作製した。次に、歪とり熱処理を行った後、直流透磁率μが実施例をほぼ同じ値になるように磁心にギャップを入れ、実施例と全く同様に1次、2次の巻線を行い交流の磁気特性を測定した。これらの結果を表4に示す。
【0044】
【表4】
Figure 0003964213
【0045】
表4に示すとおり、本実施例で作製した磁心は、比較例に比べ高周波における磁気特性が良好であることがわかる。
【0046】
(実施例5)
純鉄及びSi量が1.0、3.0、5.0、7.0、9.0、11.0wt%でO量が0.5±0.1wt%、残部Feよりなる合計6ロットの組成について水アトマイズ法で合金粉末を作製し、実施例1と全く同様の方法で150μmに分級した。
【0047】
次に、バインダーとして1.0wt%のSi樹脂と1.0wt%のMgOとを添加し、外径60mm、内径35mm、高さ20mmのトロイダル形状に5〜15ton/cmの成形圧で相対密度が約85%以上になるように金型で磁心を成形した。その後、850℃窒素雰囲気で歪とり熱処理を行った後、マグネットワイヤーで90ターン巻線後、20A直流重畳時(12000A/m)のインダクタンスを周波数20kHzにおいて測定した。そのインダクタンス値より、交流透磁率を計算した。その結果を図6に示す。図6より、Si量が1.0〜10.0wt%のとき、μ20kHzが20以上を示すことがわかる。
【0048】
次に、20kHz、0.1Tの条件でコアロスを測定したところ、純鉄粉以外の磁心のコアロスは、1000kW/m以下であった。
【0049】
次に、これらリアクトルの実装特性を調べるため、市販のエアコンでアクティブフィルターを搭載している出力2kWのスイッチング電源に、これらリアクトルを接続し、回路効率を測定した。ここで、出力側には一般的な電子負荷装置を接続した。また、回路効率は出力電力を入力電力で割った値を使用した。その結果を表5に示す。
【0050】
【表5】
Figure 0003964213
【0051】
表5より、例えば、1000Wで93%以上の高い効率が得られるのはSi量が1.0〜10.0wt%の範囲であり、これはコアロスが1000kW/mで、かつ12000A/mにおける透磁率が20以上の組成範囲と一致していることがわかる。
【0052】
(実施例6)
Si量が4.5wt%、残部Fe合金組成のガスアトマイズ粉末を作製し、150に分級後、温度を一定にし雰囲気を適切に調節することによりO量が0.05、0.1、0.25、0.5、0.75、1.0、1.25wt%の各合金粉末を作製した。
【0053】
次に、この合金に実施例4及び5と全く同様の方法でバインダー混合後、実施例5と全く同様の方法で、同様の寸法のトロイダル磁心を成形圧20ton/cmで成形体密度92%に作製し、歪とり熱処理後、これら磁心に実施例1と全く同様の方法で巻線をし、20kHz、0.1Tの条件でコアロスを測定した。その結果を図7に示す。図7よりO量が0.1wt%より低くなると急激にコアロスが劣化することがわかる。
【0054】
次に、実施例5と全く同様の方法で巻線をし、20A直流重畳時(12000A/m)の20kHzのインダクタンスを測定し、交流透磁率を計算したところ、O量が1.25wt%の磁心のμ20kHzは13、0.05wt%の磁心のμ20kHzは19であり、それ以外の磁心のμ20kHzは20以上であった。
【0055】
次に実施例5と全く同様の方法でこれらリアクトルの実装特性を測定した。その結果を表6に示す。
【0056】
【表6】
Figure 0003964213
【0057】
表6より、例えば、1000Wで93%以上の高い効率が得られるのはO量が0.1〜1.0wt%の範囲であり、これらはコアロスが1000kW/m以下でかつμ20kHzが20以上の特性を示す組成範囲と一致していることがわかる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、1〜10重量%Si、0.1〜1.0重量%O、残部Feなる組成の、粒径が150μm以下の合金粉末と、SiOを生成する化合物と、MgCOまたはMgOの粉末からなる混和物を圧縮成形して、熱処理することにより、磁性粒子間に絶縁を確保するためガラス層が形成され、良好な直流重畳特性、周波数特性を有する圧粉磁芯を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1による圧粉磁芯と比較例の圧粉磁芯の周波数特性を示す図。
【図2】実施例1による圧粉磁芯と比較例の圧粉磁芯の直流重畳特性を示す図。
【図3】圧粉磁芯の周波数特性の熱処理温度依存性を示す図。
【図4】圧粉磁芯の直流重畳特性の熱処理温度依存性を示す図。
【図5】実施例1による圧粉磁芯と比較例の圧粉磁芯の周波数特性を示す図。
【図6】実施例5による圧粉磁芯における交流透磁率を示す図。
【図7】実施例6による圧粉磁芯におけるコアロスを示す図。

Claims (6)

  1. 1〜10wt%のSi、0.1〜1.0wt%のO、残部Feの組成をもつ粒径が150μm以下の合金よりなる磁性粉末と、シリコーン樹脂またはシランカップリング剤の少なくとも一方と、MgCO粉末またはMgO粉末の少なくとも一方とを混合した混和物を圧縮成形し、得られた成形体に熱処理を施して磁性粉末の間にSiOとMgOとを主成分とするガラス層を生成することを特徴とする、圧粉磁芯の製造方法。
  2. 前記混和物を5〜20ton/cmの成形圧力で成形して前記熱処理を500〜1000℃の温度領域で行い、これにより前記成形体の密度を6.0〜7.0g/cmにする、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記シランカップリング剤の混合は、シランカップリング剤による磁性粉末粒子の表面処理による、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記圧粉磁芯は、交流透磁率μ 20kHz が直流印加磁界12000A/m時に20以上であり、かつ鉄損が20kHz、0.1Tの条件下で1000kW/m 以下である、請求項1から3のうちのいずれか一つに記載の製造方法。
  5. 前記圧粉磁芯は、磁路長の10%以下が1箇所以上の空隙または非磁性物から構成される、請求項1から4のうちのいずれか一つに記載の製造方法。
  6. 請求項1から5のうちのいずれか一つに記載の製造方法により圧粉磁芯を製造し、前記圧粉磁芯に巻線を施すことを特徴とする、高周波リアクトルの製造方法。
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