JP3944721B2 - 硬化性フルオロポリエーテル組成物及びゴム製品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、撥水性、撥油性、耐溶剤性、耐薬品性、耐候性に優れ、常温又は加熱により硬化することができ、粘度が低く、透明性も良好な硬化性フルオロポリエーテル組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来より、硬化性フルオロポリエーテルは、そのフルオロアルキルエーテル構造の有する特性から種々の用途に用いられている。例えば、特開平11−116685号公報には、耐薬品性、耐溶剤性、低透湿性のゲル状硬化物が述べられている。このようなフルオロポリエーテルのゲル状硬化物は、半導体式圧力センサーの保護材、電子回路の保護材等に利用されている。
【0003】
ところで、硬化性フルオロポリエーテルは主剤となるフルオロポリエーテル化合物に、硬化剤及び硬化触媒を混合することにより得られるが、硬化剤と硬化触媒は均一に溶解するものが好ましい。特に硬化剤はヒドロシリル化反応触媒に比べて添加量が多くなるので、フルオロポリエーテル化合物への溶解性が良好なものを選ぶ必要がある。溶解性が十分でない場合、組成物は不均一となり、著しく粘度が増加したり、保存中に各成分が相分離したり好ましくない現象が起こる。
【0004】
従来、フルオロアルキル基を導入して溶解性を高めた硬化剤としては下記式(2)のものが知られている。(以下、式中Meはメチル基を示す。)
【0005】
【化2】
【0006】
しかし、この硬化剤は1分子中に官能基を3個しか持たない。一般に硬化物の硬さや伸び等の物性を任意に調節するには架橋剤の官能基の数を変える必要があるが、上記化合物ではそれを行うことはできない。
一方、1分子中に官能基を6個有する下記式(3)で表される硬化剤も知られている。
【0007】
【化3】
【0008】
上記硬化剤は、前述の3官能に比較して、硬度の高い硬化物をあたえる。しかし、この硬化剤はフッ素含有率が低いので、主剤であるフルオロポリエーテルへの溶解性が十分ではない。そのため組成物に濁りが生じたり、また保存中に各成分が分離してしまう等の問題点があった。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、粘度が低く、混合後の分離がなく、透明性も良好な硬化性フルオロポリエーテル組成物を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、フッ素含有率の高いフルオロポリエーテルにも十分に溶解することのできる硬化剤を配合することにより、低粘度で流動性が良く、かつ濁りがなく透明な組成物が得られることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0011】
従って、本発明は、(A)下記一般式(4)
【化25】
[式中、Xは独立に−CH2−、−CH2O−又は−Y−NR1−CO−(但し、Yは−CH2−又は下記構造式(Z)
【化26】
(o,m又はp位)
であり、R1は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基、X’は、−CH2−、−OCH2−又は、−CO−NR2−Y’−(但し、Y’は−CH2又は下記構造式(Z’)
【化27】
(o,m又はp位)
で表される基であり、R2は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。pは独立に0又は1、Lは2〜6の整数、m及びnはそれぞれ0〜200、好ましくは5〜100の整数である。]
で表されるフルオロポリエーテル化合物であって、アルケニル基の濃度が3×10-5〜5×10-3mol/gであり、フッ素の含有率が40重量%以上であるフルオロポリエーテル化合物
(B)下記平均組成式(1)
【化4】
(式中、Rは炭素数1〜3のアルキル基、Rfは炭素数3〜16の部分的にフッ素置換されたアルキル基又は部分的にフッ素置換されかつエーテル結合を含む1価の飽和基、nは平均値として1.5〜6.0を示す。)
で表される有機ケイ素化合物のみからなる架橋剤又は鎖長延長剤
(C)ヒドロシリル化反応触媒
(B),(C)成分は(A)成分を硬化させる有効量を含有してなることを特徴とする硬化性フルオロポリエーテル組成物及び組成物の硬化物を含むことを特徴とするゴム製品を提供する。
【0012】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の(A)成分は、アルケニル基を有するフルオロポリエーテル化合物であり、アルケニル基の濃度が3×10-5〜5×10-3mol/gであって、置換されたフッ素の含有率が40重量%以上であるフルオロポリエーテル化合物であり、組成物のベースポリマーとして使用されるものである。
【0013】
(A)成分のフルオロポリエーテルは、フルオロポリエーテルに結合したアルケニル基の濃度が3×10-5〜5×10-3mol/gであり、特に4×10-5〜2×10-3mol/gが好ましい。フルオロポリエーテルに結合したアルケニル基の濃度が3×10-5mol/g未満だと、架橋点が少なすぎて、十分な硬化性が得られない。5×10-3mol/gを超えると架橋点が多すぎて、硬化物の「伸び」が低下するのでもろくなってしまう。
【0014】
更に、フッ素の含有率が40重量%以上であるフルオロポリエーテル化合物であり、特に50重量%以上であることが好ましい。フッ素の含有率が40重量%未満だと、硬化物の耐薬品性、耐溶剤性が低下してしまう。
【0015】
(A)成分のフルオロポリエーテル化合物は、パーフルオロポリエーテルから誘導されたものが好ましい。
【0016】
このフルオロポリエーテル化合物におけるアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等の末端にCH2=CH−構造を有する基、特にビニル基、アリル基等が好ましい。このアルケニル基は、フルオロポリエーテル化合物の主鎖の両端部に直接結合していてもよいし、2価の連結基、例えば、−CH2−、−CH2O−又は−Y−NR−CO−(但し、Yは−CH2−又は
【化5】
(o,m又はp位)
であり、Rは水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。)等を介して結合していてもよい。
【0017】
フルオロポリエーテル化合物におけるパーフルオロアルキルエーテル構造としては、例えば、下記一般式
−(Rf−O)q−
(式中、Rfは、炭素原子数1〜6、好ましくは炭素原子数1〜3の直鎖状又は分岐状のパーフルオロアルキレン基であり、qは1〜500、好ましくは2〜400、より好ましくは10〜200の整数である。)
で示されるものが挙げられる。
【0018】
前記−(Rf−O)−で示される繰り返し単位としては、例えば、
−CF2O−
−CF2CF2O−
−CF2CF2CF2O−
−CF(CF3)CF2O−
−CF2CF2CF2CF2O−
−CF2CF2CF2CF2CF2CF2O−
−C(CF3)2O−
等が挙げられ、中でも好ましいのは、
−CF2O−
−CF2CF2O−
−CF2CF2CF2O−及び
−CF(CF3)CF2O−
である。
【0019】
前記パーフルオロアルキルエーテル構造は、これらの−(Rf−O)−で示される繰り返し単位の1種を単独で又は2種以上の組み合わせで構成されていてもよい。
【0020】
(A)成分のフルオロポリエーテル化合物の代表例としては、下記一般式(4)
【化6】
[式中、Xは独立に−CH2−、−CH2O−又は−Y−NR1−CO−(但し、Yは−CH2−又は下記構造式(Z)
【化7】
(o,m又はp位)
であり、R1は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基、X’は、−CH2−、−OCH2−又は、−CO−NR2−Y’−(Y’は−CH2又は下記構造式(Z’)
【化8】
(o,m又はp位)
で表される基であり、R2は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。pは独立に0又は1、Lは2〜6の整数、m及びnはそれぞれ0〜200、好ましくは5〜100の整数である。]
で表される分子量400〜100,000、好ましくは1,000〜50,000のフルオロポリエーテル化合物が挙げられる。
【0021】
上記一般式(4)で表されるフルオロポリエーテル化合物の具体例としては、下記式で表されるものが挙げられる。
【0022】
【化9】
【0023】
【化10】
(式中、m及びnはそれぞれ上記一般式(4)で定義したm,nと同じ意味を示す。)
【0024】
これらのフルオロポリエーテル化合物は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0025】
(B)成分は、下記平均組成式(1)で表される有機ケイ素化合物であり、架橋剤、又は鎖長延長剤として作用する。
【化11】
(式中、Rは炭素数1〜3のアルキル基、Rfは炭素数3〜16の部分的にフッ素置換されたアルキル基又は部分的にフッ素置換されかつエーテル結合を含む1価の飽和基、nは平均値として1.5〜6.0を示す。)
【0026】
Rは炭素数1〜3のアルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基が挙げられる。Rfは炭素数3〜16の部分的にフッ素置換されたアルキル基又は部分的にフッ素置換されかつエーテル結合を含む1価の飽和基、特に直鎖状又は分岐状のアルキル基の水素原子が部分的にフッ素原子で置換され、かつエーテル系酸素原子が1又はそれ以上(好ましくは1〜6)介在された基であり、下記のような基が挙げられる。
【0027】
【化12】
【0028】
nは硬化物の物性を調節するために、平均値として1.5〜6.0である。このような有機ケイ素化合物としては、例えば下記の化合物が挙げられる。尚、これらの化合物は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【化13】
【0029】
(B)成分の配合量は、(A)成分を硬化させる有効量であればよく、通常、組成物全体、特に(A)成分に含まれるビニル基、アリル基、シクロアルケニル基等のアルケニル基1モルに対し、(B)成分のヒドロシリル基、即ちSiH基0.5〜5モルが好ましく、1〜2モルがより好ましい。0.5モル未満では架橋度合いが不十分になる場合があり、5モルを超えると鎖長延長が優先し、硬化が不十分となったり発泡したり、耐熱性、圧縮永久歪み特性等を悪化させる場合がある。
【0030】
(C)成分のヒドロシリル化反応触媒としては、遷移金属、例えばPt、Rh、Pd等の白金族の金属及びこれら遷移金属の化合物が挙げられる。これらの化合物は一般に貴金属の化合物であり、高価格であることから、比較的入手し易い白金又は白金化合物が用いられる。
【0031】
白金化合物としては、例えば塩化白金酸、塩化白金酸とエチレン等のオレフィンとの錯体、塩化白金酸とアルコール又はビニルシロキサンとの錯体、シリカ、アルミナ、カーボン等の担体上に担持された白金を例示することができるが、これらに限定されるものではない。白金化合物以外の白金族金属化合物としては、ロジウム、ルテニウム、イリジウム及びパラジウム系の化合物、例えば、
RhCl(PPh3)3
RhCl(CO)(PPh3)2
RhCl(C2H4)2
Ru3(CO)12
IrCl(CO)(PPh3)2
Pd(PPh3)4
(尚、Phはフェニル基を示す。)
等が挙げられる。
【0032】
これら触媒の使用量は、特に制限されるものではなく、いわゆる触媒量で所望の硬化速度を得ることができるが、シリカ、アルミナ等の単体上に担持したり溶剤で希釈した形態等をとり、触媒の形態及び希釈比率により触媒量も変わってくることから、経済的見地又は良好な硬化物を得るためには、硬化性組成物全量に対して、白金族金属換算で0.1〜1,000ppm(重量)、特に0.1〜500ppm(重量)程度の範囲とするのが好ましい。
【0033】
本発明の組成物には上記した(A)〜(C)成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で従来公知の各種の添加剤を任意成分として配合することができる。このような成分としては、例えば、充填剤が挙げられる。充填剤は硬化性フルオロポリエーテル組成物の補強のために使用されるものであって、シリカ系充填剤が好適である。このシリカ系充填剤としては、ヒュームドシリカと呼ばれている乾式法シリカ、沈降性シリカと呼ばれている湿式法シリカあるいは粉砕シリカのいずれでもよく、これらはその表面のケイ素原子に結合した水酸基をオルガノクロロシラン、シラザン化合物、環状シラザン化合物によって処理したもの、その表面を低重合度ジメチルポリシロキサンで疎水化処理したものであってもよい。
【0034】
その他の添加剤としては、1−エチニル−1−ヒドロキシシクロヘキサン、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ペンテン−3−オール、フェニルブチノール等のアセチレンアルコールや3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等のヒドロシリル化反応触媒の制御剤、下記式(5)で表されるような分子中にアルコキシ基、エポキシ基及びSiH基を有するオルガノシロキサン等の接着性付与剤、顔料(例えば、酸化鉄、酸化セリウム、カーボンブラック等)、染料等の着色剤、酸化防止剤等が挙げられる。
【0035】
【化14】
【0036】
本発明の組成物の構成に関しては、用途に応じて前述の(A)〜(C)成分の必須成分全てを1つの組成物として取り扱う、いわゆる1液タイプとして構成してもよいし、或いは、(A)成分の一部、(B)成分を一方の組成物とし、(A)成分の残部、(C)成分を他方の組成物とする、いわゆる2液タイプとして構成し、使用時にこれらを混合するものであってもよい。
【0037】
本発明の組成物は常温で放置するか、加熱することにより容易に硬化させることができるが、通常、室温(例えば10〜30℃)〜180℃、5分間〜24時間の範囲で硬化させるのが好ましい。
【0038】
本発明の組成物は、自動車、化学プラント用部品、複写機、(インクジュット)プリンタ等のOA機器部品、半導体部品、半導体製造ライン、分析・理化学機器、医療機器用部品、航空機部品、燃料電池等の分野で使用される耐薬品性及び耐油性等が要求されるダイヤフラム、バルブ、弁、シール部品(O−リング、オイルシール、パッキン、ガスケット、ジョイント、フェースシール等)等のゴム成型品、ゲル材料、接着剤、(センサー)ポッティング材の用途、テント膜材料、シーラント、成形部品、押出部品、被覆材、複写機ロール材料、電気用防湿コーティング材、積層ゴム布、あるいは自動車用圧力センサーの保護材、車載用電子部品の保護、防振を目的とする材料として使用される。
【0039】
より具体的な用途としては、フューエル・レギュレータ用ダイヤフラム、パルセーションダンパ用ダイヤフラム、オイルプレッシャースイッチ用ダイヤフラム、EGR用ダイヤフラムなどのダイヤフラム類、キャニスタ用バルブ、パワーコントロール用バルブなどのバルブ類、クイックコネクタ用O−リング、インジェクタ用O−リングなどのO−リング類、あるいはオイルシール、シリンダヘッド用ガスケットなどのシール材などの自動車用ゴム部品;ポンプ用ダイヤフラム、バルブ類、O−リング類、パッキン類、オイルシール、ガスケットなどの化学プラント用ゴム部品;ダイヤフラム、弁、O−リング、パッキン、ガスケットなどのインクジェットプリンタ用ゴム部品、半導体製造ライン用ゴム部品;ポンプ用ダイヤフラム、O−リング、パッキン、バルブ、ジョイントなどの分析、理化学機器用ゴム部品、医療機器用ゴム部品;テント膜材料、シーラント、成形部品、押出部品、被覆材、複写機ロール材料、電気用防湿コーティング材、センサー用ポッティング材、燃料電池用シール材、積層ゴム布;航空機用エンジンオイル、ジェット燃料、ハイドローリックオイル、スカイドロール等の流体配管用O−リング、フェースシール、パッキン、ガスケット、ダイヤフラム、バルブ等の航空機用ゴム部品などが挙げられる。
【0040】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。尚、下記例中の部は重量部を示す。
【0041】
[実施例1]
下記式(6)で表されるフルオロポリエーテル化合物100部(ビニル基濃度:1.20×10-4mol/g、フッ素含有率67重量%)に、硬化剤として下記式(7)の有機ケイ素化合物4.4部を混合した。巻き込んだ気泡が消えた後は均一で透明な混合物であった。ここに制御剤として1−エチニル−1−ヒドロキシシクロヘキサンの50%トルエン溶液0.2部、ヒドロシリル化反応触媒として、塩化白金酸を下記式(8)で表される化合物で変性した触媒のトルエン溶液(白金濃度0.5重量%)0.4部を加え、よくかき混ぜた後、150℃にて10分間プレスキュアーを行った。これにより透明なゴム状の硬化物を得た。得られた組成物の硬化前の状態と、硬化物の物性(硬さ)を表1に示す。
【0042】
【化15】
(但し、Rf1は、
【化16】
を示し、Meはメチル基である。)
【化17】
(式中、n=2.0(平均値)、Rは−CH3、Rfは−CH2CH2(CF2)7CF3を示す。)
【化18】
【0043】
[実施例2]
硬化剤として下記式(9)で表される化合物5.8部を用いた以外は実施例1と同様にして硬化物を調製した。尚、硬化剤はフルオロポリエーテル化合物に均一に溶解した。得られた組成物の硬化前の状態と、硬化物の物性(硬さ)を表1に示す。
【化19】
(式中、n=4.0(平均値)、Rは−CH3、Rfは−CH2CH2(CF2)7CF3を示す。)
【0044】
[比較例1]
実施例1で使用したものと同じフルオロポリエーテル化合物100部に、硬化剤として下記式(10)の化合物3.5部を混合した。この混合物は気泡が消えた後も白色に濁ったままであり、しばらく静置すると2相に分離する様子が認められた。ここに実施例1と同様に制御剤、ヒドロシリル化反応触媒を添加し、同じ条件でプレスキュアーを行った。得られた硬化物は透明なゴム状であった。得られた組成物の硬化前の状態と、硬化物の物性(硬さ)を表1に示す。
【化20】
【0045】
[比較例2]
硬化剤として下記式(11)で表される有機ケイ素化合物3.4部を用いた以外は実施例1と同様にして硬化物を調製した。得られた組成物の硬化前の状態と、硬化物の物性(硬さ)を表1に示す。
【化21】
【0046】
【表1】
【0047】
実施例では、比較例に比べて硬化前の組成物が均一で、かつ硬化後の硬度が高いことが確認された。
【0048】
[実施例3]
実施例1で用いたフルオロポリエーテル化合物100部に、ジメチルジクロロシランで表面を処理したヒュームドシリカ18部をプラネタリーミキサーを用いて配合し、150℃にて4時間の加熱処理を行ったのち、3本ロールミルにて分散処理を行った。このヒュームドシリカ配合フルオロポリエーテル化合物118部に、実施例2で用いた硬化剤5.8部、実施例1で用いた制御剤0.2部及びヒドロシリル化反応触媒0.4部を配合した。ここで得られた組成物は乳白色の流動性のある高粘度オイル状のものであった。この組成物を150℃にて10分間プレスキュアーを行い硬化物を得た。得られた組成物の硬化前の状態、粘度(B型回転粘度計・23℃)と、及び硬化物の物性(硬さ)を表2に示す。
【0049】
[比較例3]
硬化剤を比較例1で使用した硬化剤3.5部に変更した以外は、実施例3と同様にして組成物を調製した。この組成物は流動性のないグリース状のものであった。この組成物を実施例3と同じ条件で硬化させ硬化物を得た。得られた組成物の硬化前の状態、粘度(B型回転粘度計・23℃)と、及び硬化物の物性(硬さ)を表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】
実施例3、比較例3では、硬化物の硬度は同じレベルだが、実施例3が硬化前の流動性が良く、粘度も低いので作業性の優れる組成物が得られる。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、撥水性、撥油性、耐溶剤性、耐薬品性、耐候性に優れ、常温又は加熱により硬化することのでき、低粘度で流動性が良く、濁りがなく透明な、硬化性フルオロポリエーテル組成物を得ることができ、自動車用等の、ダイヤフラム、バルブ、O−リング等のゴム製品として有用である。
Claims (3)
- (A)下記一般式(4)
であり、R1は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基、X’は、−CH2−、−OCH2−又は、−CO−NR2−Y’−(但し、Y’は−CH2又は下記構造式(Z’)
で表される基であり、R2は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。pは独立に0又は1、Lは2〜6の整数、m及びnはそれぞれ0〜200、好ましくは5〜100の整数である。]
で表されるフルオロポリエーテル化合物であって、アルケニル基の濃度が3×10-5〜5×10-3mol/gであり、フッ素の含有率が40重量%以上であるフルオロポリエーテル化合物
(B)下記平均組成式(1)
で表される有機ケイ素化合物のみからなる架橋剤又は鎖長延長剤
(C)ヒドロシリル化反応触媒
(B),(C)成分は(A)成分を硬化させる有効量を含有してなることを特徴とする硬化性フルオロポリエーテル組成物。 - 請求項1記載の硬化性フルオロポリエーテル組成物の硬化物を含むことを特徴とするゴム製品。
- 自動車用である請求項2記載のゴム製品。
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