JP3942369B2 - 包装箱 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、蓋板を差込により封緘する包装箱に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、小型のビデオカメラ等を包装する箱として、図6に示すようなものが使用されている。この包装箱は、後端を軸として起伏する蓋板50の先端に差込片51を設け、前壁52の上端から延出したフラップ53の基部にスリット状の差込口54を形成し、側壁55の上端から蓋受片56を延出したものである。
【0003】
この包装箱を封緘するには、蓋受片56を内側へ折り曲げて、その上にフラップ53及び蓋板50を順に重ね、差込片51を差込口54に差し込み、差込片51の肩部57を差込口54の端縁に係合させる。
【0004】
そして、この包装箱を開封する際には、差込片51の両側で前方に張り出した蓋板50の端縁に指を掛け、蓋板50の先端部を引き上げる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような包装箱では、蓋板50を真上に引き上げることができないため、差込片51の肩部57と差込口54の端縁との係合が外れにくく、開封しにくいという問題がある。
【0006】
また、蓋板50の張り出しにより箱外寸が大きくなり、輸送時や保管時に嵩張るという問題もある。
【0007】
そこで、この発明は、コンパクトで開封が容易な包装箱を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、この発明では、前壁から延出したフラップに蓋板を重ね、蓋板の先端の差込片をフラップの基部の差込口に差し込み、差込片の肩部を差込口の端縁に係合させて封緘する包装箱において、前記差込口をフラップの先端側へ切り込み、その切込部の幅を前記差込片の肩部の幅より大きく設定し、前壁の上部に押込片を設け、この押込片を押すと、差込片が後方へ曲がって差込口の切込部へ逃げ、差込片の肩部と差込口の端縁との係合が外れるようにしたのである。
【0009】
このような包装箱は、押込片を押すだけで開封できるので、蓋板を前壁から張り出させたりする必要がなく、コンパクトなものとすることができる。
【0010】
なお、前記押込片に代えて、前壁の上部に切欠部を設け、この切欠部を介して差込片を後方へ曲げるようにしてもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0012】
図1に示すブランクにおいて、前壁1の両側には側壁2が連設され、一方の側壁2の外側には後壁3及び継代片4が順次連設されている。各側壁2の下端には底片5が、前壁1及び後壁3の下端には底板6がそれぞれ連設され、各側壁2の上端には蓋受片7が、前壁1の上端にはフラップ8が、後壁3の上端には蓋板9がそれぞれ連設されている。
【0013】
蓋板9の先端には差込片10が連設され、その両側には肩部11が設けられている。フラップ8の基部には差込口12が形成され、そのフラップ8の先端側への切込部13の幅は、差込片10の肩部11の幅より大きくなっている。前壁1の上部には、2本の切目間に押込片14が形成されている。
【0014】
このようなブランクを組み立てて商品を包装するには、図2に示すように、前壁1、側壁2,2及び後壁3を角筒状に折り曲げ、継代片4を反対側の側壁2に貼り付けて周壁をなし、底片5と底板6とを組み合わせて底面を閉止する。
【0015】
次に、箱内に商品を収納し、蓋受片7を内側へ折り曲げ、その上にフラップ8及び蓋板9を順に重ね、差込片10を差込口12に差し込み、差込片10の肩部11を差込口12の端縁に係合させる。
【0016】
このような包装箱では、上記包装状態において、蓋板9がロックされて、確実に封緘され、このとき、蓋板9の先端部が前壁1から張り出さない寸法設定になっていることから、輸送時や保管時に嵩張ることがない。
【0017】
そして、開封する際、図3に示すように、押込片14を押すだけで、差込片10が後方へ曲がって差込口12の切込部13に逃げ、差込片10の肩部11と差込口12の端縁との係合が外れるので、図4に示すように、蓋板9が反発力で起き上がり、商品を取り出すことができる。
【0018】
また、開封後に商品を箱内に保管しておく場合などには、蓋板9を閉じて差込片10を差込口12に差し込むと、差込片10の肩部11が再び差込口12の端縁に係合して、蓋板9の反発が抑制されるので、最初の封緘状態と同様の状態で再封緘することができる。
【0019】
そのほか、この包装箱では、押込片14を上方からではなく、前方から押さなければ蓋板9が開かないため、店頭での展示時に、いたずら等により蓋板9が開けられて商品価値が損なわれる恐れが少ない。
【0020】
なお、上記押込片14に代えて、図5に示すように、前壁1の上部に切欠部15を設け、この切欠部15を介し差込片12を直接押して後方へ曲げることにより、開封できるようにしてもよい。
【0021】
【発明の効果】
以上のように、この発明に係る包装箱では、前壁上部に設けた押込片又は切欠部を介して差込片を後方へ曲げるだけで、差込片の肩部と差込口の端縁との係合が外れ、蓋板が開くようにしたので、開封がきわめて容易となり、指掛用の張り出し等を設ける必要もなく、コンパクトな包装とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る包装箱のブランクを示す図
【図2】同上の包装状態を示す斜視図
【図3】同上の開封過程を示す部分拡大斜視図
【図4】同上の開蓋状態を示す斜視図
【図5】他の実施形態の開封過程を示す部分拡大斜視図
【図6】従来の包装箱を示す斜視図
【符号の説明】
1 前壁
2 側壁
3 後壁
8 フラップ
9 蓋板
10 差込片
11 肩部
12 差込口
13 切込部
14 押込片
15 切欠部
Claims (2)
- 前壁1から延出したフラップ8に蓋板9を重ね、蓋板9の先端の差込片10をフラップ8の基部の差込口12に差し込み、差込片10の肩部11を差込口12の端縁に係合させて封緘する包装箱において、前記差込口12をフラップ8の先端側へ切り込み、その切込部13の幅を前記差込片10の肩部11の幅より大きく設定し、前壁1の上部に押込片14を設け、前壁1の上端に、押込片14の両側に位置する突出部を切込部13の範囲内で形成すると共に、蓋板9の先端に、差込片10の基部への切込により突出部を形成し、封緘時には、前壁1の突出部間に蓋板9の突出部が嵌まり込むようにし、開封に際しては、押込片14を押すと、差込片10が後方へ曲がって差込口12の切込部13へ逃げ、差込片10の肩部11と差込口12の端縁との係合が外れるようにしたことを特徴とする包装箱。
- 請求項1に記載の包装箱において、押込片14に代えて、前壁1の上部に切欠部15を設け、前壁1の上端に、切欠部15の両側に位置する突出部を切込部13の範囲内で形成し、封緘時には、前壁1の突出部間に蓋板9の突出部が嵌まり込むようにし、開封に際しては、切欠部15を介して差込片10を後方へ曲げるようにしたことを特徴とする包装箱。
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