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JP3835922B2 - 排煙脱硫排水の処理方法 - Google Patents

排煙脱硫排水の処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排煙脱硫排水の処理方法に関し、さらに詳しくは、石油,石炭等の燃料排ガス中の硫黄酸化物を除去する際、湿式排煙脱硫プラントより排出される排煙脱硫排水の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、火力発電所等において、石炭−石膏法排煙脱硫装置から排出される脱硫排水中には、燃焼排ガス中の燃焼灰やスート等の懸濁物質(SS),溶解重金属,アンモニア性窒素,硝酸性窒素,COD等の汚濁物質が含まれているため、公共水域へ放流する際には、これらの物質を除去するための処理が必要である。
脱硫排水中の上記成分を除去するための従来の一般的な処理法として、図3に示す方法がある。以下、その工程を図面に基づいて順次、説明する。
【0003】
▲1▼ 凝集沈澱工程
a.第1凝集沈澱槽
排煙脱硫装置から排出された脱硫排水41は、第1凝集沈澱工程21に導入され、硫酸アルミニウム,塩化アルミニウム,ポリ塩化アルミニウム(PAC)等のアルミニウム化合物42が添加されるとともに、水酸化カルシウム,水酸化ナトリウム等のアルカリ剤43aでpH6〜8に調整される。
その際、水酸化アルミニウムのフロックが析出し、排水中のSS分、重金属の水酸化物、フッ素イオンの大部分がフロックに包含されて沈澱する。このような場合、ポリアクリルアミド系等の高分子凝集剤46aを添加することにより、フロックが粗大化して、さらに沈降分離性能を向上させることができる。
そして、汚泥52aは、汚泥処理工程(図示省略)で濃縮,脱水されてケーキとなって系外へ排出される。
【0004】
b.第2凝集沈澱槽
上記第1凝集沈澱槽からの処理水は第2凝集沈澱槽22に導かれ、炭酸ソーダ(Na2 CO3 )44を添加するとともに、水酸化ナトリウム等のアルカリ剤43bでpH9〜10に調整される。ここで、炭酸ソーダ44の添加によって液中に含まれるカルシウムイオンと反応し、炭酸カルシウムのフロックとして液中に含まれる懸濁物質や残留する少量のフッ素イオンを包含しながら沈降する。
この際、第1凝集沈澱槽21と同様に、高分子凝集剤46bを添加することにより、フロックが粗大化してさらに沈降分離性能を向上させることができる。そして、汚泥52bは、上記第1凝集沈澱汚泥52aとともに、汚泥処理工程(図示省略)で濃縮,脱水されてケーキとなって系外へ排出される。
【0005】
▲2▼ 硝化脱窒工程
a.硝化槽
硝化槽25では、ニトロソモナス(Nitrosomonas)やニトロバクター(Nitrobacter) 等の亜硝酸菌や硝酸菌が生息し、導入された上記凝集沈澱工程終了後の処理水に、リン酸又はリン酸塩等の微生物生育用の栄養剤48を添加して、硫酸,塩酸等の酸45a、若しくは必要に応じてアルカリ剤43でpH7〜8に調整するとともに、空気50で曝気して好気性条件下に維持することにより、液中に含まれるアンモニウムイオン(NH4 + −N)が亜硝酸イオン(NO2 - −N)を経て、硝酸イオン(NO3 - −N)にまで酸化される。
【0006】
b.脱窒槽
脱窒槽26では、スードモナスデニトリフィカンズ(Pheudomonas denitrificans) 等の脱窒菌が生息し、導入された上記硝化処理水にメタノール49を添加して、水酸化ナトリウム等のアルカリ剤43c、若しくは必要に応じて酸45でpH8〜9に調整し、嫌気性条件下に維持することにより、液中に含まれる亜硝酸イオンや硝酸イオンが窒素ガス(N2 )にまで還元される。
c.生物酸化槽
生物酸化槽27では、BOD酸化菌が生息し、導入された上記脱窒処理液を、空気50で曝気して好気性条件下に維持することにより、液中に残留するメタノールが分解して炭酸ガス等になる。
【0007】
▲3▼ 砂濾過工程
上記硝化脱窒工程終了後、沈澱槽28で微生物汚泥を分離した処理水は、砂濾過塔29に導かれ、砂利,アンスラサイト等の粒子層を通過させることによって、液中に懸濁するSS分が除去される。
▲4▼ 活性炭吸着工程
上記砂濾過工程終了後の処理液は活性炭吸着塔30に導かれ、充填塔内の粒状活性炭層を通過させることにより、主として工業用水に起因する有機物を除去する。
【0008】
▲5▼ フッ素吸着工程
以上の工程で処理することによって、ほぼ放流可能な水質となる。しかし、フッ素(F- )の放流規制値が、例えば15mg/L以下のような厳しい場合には、上記活性炭吸着工程終了後の処理水をフッ素吸着塔31に導入し、フッ素吸着樹脂充填層を通過させて、フッ素を除去する。
ここで、上記フッ素吸着樹脂としては、例えば鉄,アルミニウム,ランタニドイオン等を担持したアミノ酸基,イミノ酢酸基等を官能基とするキレート樹脂などが挙げられる。
▲6▼ 汚泥処理工程(図示省略)
上記第1凝集沈澱槽,第2凝集沈澱槽および硝化脱窒工程からの汚泥52を濃縮,脱水処理してケーキとした後、系外に排出する。
【0009】
ところが、上述したような従来技術による処理方法では、脱硫排水中に含まれる酸化性物質、特に過硫酸(S2 8 2- )は微生物に悪影響を及ぼし、後続の微生物処理、特に生物学的硝化脱窒処理に際して、処理性を大きく低下させるという問題点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記問題点に鑑み、阻害要因を取り除き、後続の生物学的硝化脱窒処理等の処理性を低下させることのない、効率的な排煙脱硫排水の処理方法を開発すべく鋭意検討した。
その結果、本発明者らは、排煙脱硫排水を処理する方法において、還元性条件下で活性炭と接触させて酸化性物質を分解処理すること等により、かかる問題点が解決されることを見い出した。
本発明は、かかる見地より完成されたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、燃焼排ガス中の硫黄酸化物を吸収除去する湿式排煙脱硫装置から排出される排煙脱硫排水を処理する方法において、還元性条件下で活性炭と接触させて酸化性物質を分解処理することを特徴とする排煙脱硫排水の処理方法を提供するものである。ここで、上記還元性条件下で活性炭を接触させるにあたり、還元剤を予め添加することが好ましく、また該還元剤は、亜硫酸塩,ピロ亜硫酸塩およびチオ硫酸塩からなる群より選ばれる1種以上の化合物を含むことが好ましい。
さらに、上記排煙脱硫排水中の酸化性物質を分解処理した後、生物処理することが好ましく、また該生物処理は、生物学的硝化脱窒処理であることが好ましい。
そして、上記酸化性物質の分解処理は、排煙脱硫排水を活性炭と接触させた処理液から、該活性炭を沈澱させて回収する工程を含むことがより好ましい。
【0012】
本発明の処理方法によれば、脱硫排水中に含まれる過硫酸(S2 8 2- )等の酸化性物質を予め分解処理することにより、微生物に悪影響を及ぼすことなく、後続の硝化脱窒処理を含む微生物処理を円滑に行うことができる。
また、過硫酸による活性炭の細孔径の破壊がないため、触媒としての活性炭の失活が防止でき、交換頻度を著しく低減することができる。
以下、本発明について、詳細に説明する。
【0013】
【発明の実施の形態】
添付図面(図1〜2)を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
実施の形態(その1)
図1は、本発明に係る排煙脱硫排水の処理方法を応用した実施の形態の1つを示す配置図であり、▲1▼凝集沈澱工程、▲2▼酸化性物質分解工程、▲3▼硝化脱窒工程、▲4▼砂濾過工程、▲5▼活性炭吸着工程、▲6▼フッ素吸着工程からなる。以下、図1に基づき、各工程について説明する。
【0014】
▲1▼ 凝集沈澱工程
a.第1凝集沈澱槽
湿式排煙脱硫プラントより排出される脱硫排水41を、第1凝集沈澱槽1に導入するとともに、硫酸アルミニウム,塩化アルミニウム,ポリ塩化アルミニウム等のアルミニウム化合物42を添加して、消石灰(水酸化カルシウム),苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)等のアルカリ剤43aでpH6〜8に調整する。なお、排水中にアルミニウム塩42を添加しただけでこのpH領域になる場合は、アルカリ剤43aの添加は不要である。
このpH領域において、水酸化アルミニウムのフロックが析出し、排水中のSS分、重金属の水酸化物、フッ素イオンの大部分がフロックに包含されて沈澱する。このpH領域を外れたときには、アルミニウム溶解度が大きくなるため、フロックが十分に成長しない。この際、例えばポリアクリルアミド系の陰イオン高分子凝集剤等の高分子凝集剤46aをさらに添加することによって、フロックが粗大化して、より沈降分離性能を向上させることができる。
また、これらの薬品とともに、例えば液体キレート剤等の市販の金属捕集剤を添加することにより、重金属を効果的に除去することができる。沈澱物は、第1凝集沈澱汚泥52aとして汚泥処理工程(図示省略)で濃縮,脱水し、ケーキとして系外へ排出する。
【0015】
b.第2凝集沈澱槽
上記第1凝集沈澱槽1からの処理水は第2凝集沈澱槽2に導かれ、炭酸ソーダ(Na2 CO3 )44を添加するとともに、消石灰,苛性ソーダ等のアルカリ剤43bでpH9〜10に調整される。ここで、炭酸ソーダ44の添加によって液中に含まれるカルシウムイオンと反応し、炭酸カルシウムのフロックとして液中に含まれる懸濁物質や残留する少量のフッ素イオンを包含しながら沈降する。ここで、液中のカルシウム塩が除去されるため、後続の各装置でスケールが発生するおそれがない。
この際、第1凝集沈澱槽1の場合と同様に、高分子凝集剤46bを添加することにより、フロックが粗大化してさらに沈降分離性能を向上させることができる。そして、沈澱物は第2凝集沈澱汚泥52bとして排出され、上記第1凝集沈澱汚泥52aとともに、汚泥処理工程(図示省略)で濃縮,脱水されてケーキとなって系外へ排出される。
【0016】
▲2▼ 酸化性物質分解工程
a.酸化性物質分解槽
過硫酸をはじめとする酸化性物質は、脱硫装置での運転状態、特にボイラー負荷の変化のときに生成し易く、微生物に対して強力な酸化作用があることが知られている。すなわち、酸化性物質の中でも、過硫酸(S2 8 2- )は後流の生物処理工程に最も影響を及ぼして処理性能を阻害するため、生物処理に際しては予め分解処理する必要がある。
そこで、上記凝集沈澱工程から排出された処理液に、予め還元剤47を添加する。還元剤47としては、例えば亜硫酸ソーダ(Na2 SO3 )、ピロ亜硫酸ソーダ(Na2 2 5 )、およびチオ硫酸ソーダ(Na2 2 3 )等が挙げられ、酸化性物質分解槽3aに至る管路にライン注入するか、あるいは同槽3aに直接注入する。その添加量は、過硫酸に対して当量以上でよく、また酸化還元電位(ORP)で制御する場合には、好ましくはORP=400mV以下,より好ましくは300mV以下である。
【0017】
酸化性物質分解槽3aには活性炭が充填されていて、凝集沈澱処理液が通過することにより、液中に含まれる過硫酸(S2 8 2- )が分解する。活性炭は0.5〜2mmの粒状活性炭が好ましく、SV=10〜20hr-1程度である。この反応は、活性炭が触媒として作用するために一層促進される。
なお、過硫酸(S2 8 2- )は活性炭に対して触媒毒として働くが、亜硫酸イオン(SO3 2- )の存在下では、その作用が軽減される。
3S2 8 2- +10SO3 2- → 12SO4 2- +S4 6 2-
2 8 2- + 2S2 3 2- → 2SO4 2- +S4 6 2-
【0018】
▲3▼ 硝化脱窒工程
a.硝化槽
上記過硫酸分解工程からの処理液を、硝化槽5に導く。硝化槽5では、上記亜硝酸菌や硝酸菌が生息し、リン酸又はリン酸ソーダ等の栄養剤48を添加して、硫酸,塩酸等の酸45、若しくは必要に応じてアルカリ剤43でpH7〜8に調整するとともに、空気50で曝気することにより、液中に含まれるアンモニウムイオンが亜硝酸イオンを経て、硝酸イオンにまで酸化される。
この際の空気50供給量は、溶存酸素濃度(DO)=2mg/L以上が必要である。
【0019】
b.脱窒槽
上記硝化槽からの処理液を、脱窒槽6に導く。脱窒槽6では、脱窒菌が生息し、メタノール49を添加して嫌気性条件下に維持することにより、液中に含まれる亜硝酸イオンや硝酸イオンが窒素ガス(N2 )にまで還元される。メタノール49の添加量は、メタノール/硝酸性窒素として通常2〜3である。
【0020】
c.生物酸化槽
上記脱窒槽6からの処理液を、生物酸化槽7に導く。生物酸化槽27では、BOD酸化菌が生息し、好気性条件下に維持することにより、脱窒槽6に添加して残留するメタノールが分解する。この際の空気50供給量は、溶存酸素濃度(DO)=2mg/L以上が好ましい。
NH 4 + +3O2 → 2NO2 - +2H2 O+4H+
2NO2 - + O2 → 2NO3 -
2NO2 - +6H+ → N2 +2H2 O+2OH-
2NO3 - +10H+ → N2 +4H2 O+2OH-
【0021】
▲4▼ 砂濾過工程
上記硝化脱窒工程からの処理液を、砂濾過槽9に導く。砂濾過槽9の構成は、例えば支持砂利300mm,砂600mm,アンスラサイト600mmとし、また流速(LV)は、下向流で5〜15m/hr程度とする。
この砂濾過槽9を通過させることによって、液中に含まれる浮遊物を分離除去する。
▲5▼ 活性炭吸着工程
上記砂濾過工程からの処理液を、活性炭吸着塔10に導く。この活性炭吸着塔10には活性炭が充填されていて、この充填層を通過させることにより、主に工業用水に起因する有機性のCODを吸着除去する。活性炭は、0.1〜2mmの粒状活性炭が好ましく、SV=1〜10hr-1程度である。
【0022】
▲6▼ フッ素吸着工程
以上の工程で処理することによって、通常放流可能な水質となる。しかし、近年、フッ素の放流規制値が厳しくなる傾向にあり、例えば排出基準値として15mg/Lを下回る水質が要求される場合には、フッ素吸着塔11を設ける。このフッ素吸着塔11にはフッ素吸着樹脂が充填されていて、この充填層を通過させることにより、液中に残留するフッ素を、例えば10mg/L以下にまで除去することができる。
なお、上記フッ素吸着樹脂の具体例としては、例えば鉄,アルミニウム,ランタニド族等の金属イオンを担持したアミノ酸基,イミノ酢酸基等を官能基とし、ジルコニウム(Zr),セリウム(Ce)等の金属を担持するキレート樹脂などが挙げられる。
【0023】
実施の形態(その2)
図2は、本発明に係る排煙脱硫排水の処理方法を応用した他の実施の形態の1つを示す配置図であり、凝集沈澱工程,硝化脱窒工程,砂濾過工程,活性炭吸着工程およびフッ素吸着工程については、上記実施の形態(その1)で説明した工程と構成・作用が同一である。
本実施の形態では、過硫酸分解工程中、上記実施の形態(その1)の粒状活性炭充填塔方式の酸化性物質分解槽3aに代えて、粉末活性炭流動接触方式の酸化性物質分解槽3bとし、後段に分離槽4が設けられている。ここでは、排水を活性炭と接触させた処理液に同伴する活性炭は、分離槽4にて沈澱して、酸化性物質分解槽3bに回収されるようにしてある。
このように、粉末活性炭を使用することにより、排水と活性炭とが十分に接触して酸化性物質の分解性能が大幅に向上する。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。
【0024】
【実施例】
実施例1
300MW石炭焚火力発電所の石灰−石膏法排煙脱硫装置から排出される脱硫排水の性状を、下記表1に示す。
【0025】
【表1】
Figure 0003835922
【0026】
この排水を図1に示すフローで処理した結果を、表2に示す。
表2の結果から明かなように、排水中に含めれていた過硫酸がほぼ完全に分解除去され、このため後続の硝化脱窒処理性能が阻害されることなく、問題のない処理水の水質が得られた。
また、この工程で使用した粒状活性炭は、約8000時間相当の連続通水を行った後も、過硫酸分解性能の劣化が少なく交換を必要としなかった。還元剤を注入することなく処理した場合は、約5000時間相当の連続通水で触媒としての機能が失われて、過硫酸分解性能が著しく低下し、交換する必要が生じた。
【0027】
実施例2
上記表1に示した排水を図2に示すフローで処理した結果を、表2に示す。
本実施例の処理においても上記実施例1の場合と同様に、排水中に含まれていた過硫酸がほぼ完全に分解除去され、このため後続の硝化脱窒処理性能が阻害されることなく、問題のない処理水の水質が得られた。
また、この工程で使用した粉末活性炭の過硫酸分解性能は、上記実施例1と同時間連続通水後も劣化が少なく、ほぼ同等の結果が得られた。
【0028】
比較例1
上記表1に示した排水を図3に示すフローで処理した結果を、表2に示す。
本比較例の処理では、明らかに過硫酸が分解除去されていなかった。したがって、硝化脱窒処理性能が大きく低下して、処理水中に全窒素が多く残留する結果となった。
【0029】
【表2】
Figure 0003835922
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、湿式排煙脱硫プラントより排出される排煙脱硫排水の処理において、脱硫排水中に含まれる酸化性物質による微生物への悪影響を低減させ、後続の微生物処理に際して、処理性を大きく向上させることができる。
すなわち、本発明の処理方法によれば、脱硫排水中に含まれる過硫酸(S2 8 2- )等の酸化性物質を予め分解処理することにより、微生物に悪影響を及ぼすことなく、後続の硝化脱窒処理を含む微生物処理を円滑に行うことができるのである。また、過硫酸による活性炭の細孔径の破壊がないため、触媒としての活性炭の失活が防止でき、交換頻度を著しく低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る排煙脱硫排水の処理方法を応用した実施の形態の1つを示す処理工程図である。
【図2】図2は、本発明に係る排煙脱硫排水の処理方法を応用した他の実施の形態の1つを示す処理工程図である。
【図3】図3は、従来技術の処理方法の1つを示す処理工程図である。
【符号の説明】
1,21 第1凝集沈澱槽
2,22 第2凝集沈澱槽
3(a,b) 酸化性物質分解槽
4 分離槽
5,25 硝化槽
6,26 脱窒槽
7,27 生物酸化槽
8,28 沈澱槽
9,29 砂濾過槽
10,30 活性炭吸着塔
11,31 フッ素吸着塔
41 脱硫排水
42 アルミニウム化合物
43(a,b,c) アルカリ剤
44 炭酸ソーダ
45 酸
46(a,b) 高分子凝集剤
47 還元剤
48 栄養剤
49 メタノール
50 空気
51 沈澱物
52(a,b,c) 汚泥
53 処理水

Claims (3)

  1. 燃焼排ガス中の硫黄酸化物を吸収除去する湿式排煙脱硫装置から排出される排煙脱硫排水を処理する方法において、
    該排煙脱硫排水にアルミニウム化合物と、重金属捕集剤と、pH調整用アルカリ剤とを添加し、フッ素および重金属を含む固形物を析出させて分離する第1凝集沈殿工程と、
    前記第1凝集沈殿工程で処理された排水に炭酸ソーダとアルカリ剤を添加して該排煙脱硫排水中のカルシウムイオンを除去する第2凝集沈殿工程と、
    このカルシウムイオンを除去した排煙脱硫排水に、亜硫酸塩、ピロ亜硫酸塩およびチオ硫酸塩からなる群から選ばれる1種以上の化合物を含む還元剤を添加して還元性条件とし、この排煙脱硫排水を活性炭と接触させ、排水中の酸化性物質を分解処理する酸化性物質分解工程と、
    前記酸化性物質分解工程からの処理液を生物学的硝化脱窒によって窒素化合物を除去する生物学的硝化脱窒工程と
    を含み、上記工程で順次処理することを特徴とする排煙脱硫排水の処理方法。
  2. 上記還元剤を、上記排煙脱硫排水に含まれる過硫酸の当量以上の量で、上記排煙脱硫排水に添加することを特徴とする請求項1記載の排煙脱硫排水の処理方法。
  3. 上記酸化性物質の分解処理が、排煙脱硫排水を活性炭と接触させた処理液から、該活性炭を沈澱させて回収する工程を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の排煙脱硫排水の処理方法。
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