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JP2006205097A - 排水の生物学的処理方法 - Google Patents

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JP2006205097A JP2005022465A JP2005022465A JP2006205097A JP 2006205097 A JP2006205097 A JP 2006205097A JP 2005022465 A JP2005022465 A JP 2005022465A JP 2005022465 A JP2005022465 A JP 2005022465A JP 2006205097 A JP2006205097 A JP 2006205097A
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Hirayasu Nakagawa
平安 中川
Tetsuya Ito
哲也 伊藤
Kazuhide Kamimura
一秀 上村
Hideki Kamiyoshi
秀起 神吉
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Abstract

【課題】 活性汚泥のセレン還元能力を高めることで、排水中の窒素とセレンを効率良く還元して除去することができる排水の生物学的処理方法を提供する。
【解決手段】 排水(1)を、第1有機物(5)存在の下に嫌気状態で担体に付着した活性汚泥と接触させる第1嫌気処理工程(6)と、この第1嫌気処理工程(6)の処理水を第2有機物(7)存在の下に嫌気状態で担体に付着した活性汚泥と接触させる第2嫌気処理工程(8)とを含んでなることを特徴とする。さらに、第2嫌気処理工程(8)の処理水を固液分離する固液分離工程(10)や、排水を第1嫌気処理工程(6)に導入する前に好気状態で担体に付着した活性汚泥と接触させる第1好気処理工程(2)や、第2嫌気処理工程の処理水(14a)または固液分離工程の分離処理水(11)を好気状態で担体に付着した活性汚泥と接触させる第2好気処理工程(13)を含むことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、排水の生物学的処理方法に関し、特に、石炭等の燃焼排ガス中の硫黄酸化物質を除去する湿式排煙脱硫装置等から排出される排水など、窒素と溶解性セレン(6価および4価)を含む排水の生物学的処理方法に関する。
石炭等を燃料とする燃焼排ガス中の硫黄酸化物質を除去する湿式排煙脱硫装置等から排出される排水には、排ガス(灰を含む)中の微量金属類や窒素化合物(アンモニア性窒素、硝酸性窒素および亜硝酸性窒素)等が含まれるため、放流規制値を満足する水質まで無害化して放流されている。
今日放流水質規制強化の一環として、セレン(Se)等の金属類が規制対象物資となった。因みに石炭を燃料とする燃焼排ガス中の硫黄酸化物質を除去する湿式排煙脱硫装置等から排出される排水中のセレン濃度は、5mg/l程度(主に6価セレンが大部分を占める)であるのに対し、セレンの放流規制値は0.1mg/l以下であるため、セレンの処理は不可欠である。
セレンは石炭の燃焼に際し排ガスに含まれて排出され、排水に6価や4価のセレン酸塩(SeO4 2-、SeO3 2-)として溶解している。このセレン酸塩のうち4価セレン(主としてSeO3 2-の形態で存在する)は鉄等と難溶解性の金属塩を形成するため、凝集沈殿処理による除去が可能である。しかし6価セレン(SeO4 2-の形態で存在する)は、鉄等と難溶解性の金属塩を形成せず、イオン交換樹脂や活性炭吸着処理でも除去することができない。そのため2価の鉄塩や金属鉄によって6価セレンを一旦4価セレンに還元した後、鉄塩と難溶解性の金属塩を形成する方法があるが、これらの方法はその反応条件から運転費が高く、汚泥発生量が非常に多いという欠点がある。
上述の従来法ではセレンを規制値以下に処理することは困難であるが、排水中の6価セレンを4価セレンに還元することができれば、物理化学的処理方法で除去することが可能となる。その方法として以下の生物学的処理方法が提案されている。
特許文献1には、嫌気性反応槽にセレン含有水および硝酸イオンを供給し、さらに硝酸イオンの脱窒反応当量より過剰の有機物を供給して槽内の脱窒細菌と嫌気状態で接触させることで、生物反応により6価および4価セレンを単体セレンに還元した後、固液分離する処理方法が記載されている。
特許文献2には、第1の嫌気性反応槽と第2の嫌気性反応槽を設けて排水を多段階で嫌気処理する方法において、各槽の後段に第1の固液分離槽と第2の固液分離槽を設けることにより、一方の嫌気処理槽の生物汚泥が他方の嫌気処理槽に移動しないようにして、各嫌気処理槽ごとにそれぞれ独立した生物相の生物汚泥を用いること、および第1の嫌気性反応槽および第2の嫌気性反応槽の両方に、有機物(メタノール)と硝酸(亜硝酸)塩を添加することが記載されている。
特許文献3には、バチルス属に属し、セレン酸還元能を有する新規性微生物を、セレン酸又はその含有物と接触させるセレン酸の還元方法が記載されている。
特許文献4には、図2に示すセレンおよび窒素化合物を含有する排水の処理方法が記載されている。なお、排水1中に含まれる窒素化合物がアンモニアである場合は、前段に設けられた硝化槽(図示省略)により、あらかじめ好気性条件で活性汚泥と接触させてアンモニア性窒素を硝酸性窒素に変換させておく。この排水1を嫌気処理槽20に導入し、嫌気状態のもとに有機物21を添加し、浮遊状態の脱窒菌に接触させて硝酸性窒素を分解する。同時に脱窒菌により排水中に含まれる6価セレンを4価セレンに還元し、さらに単体セレンまで還元して固形化する。なお、有機物21としてはメタノールを用い、排水1中の窒素濃度が低い場合は硝酸(または亜硝酸)塩22を嫌気処理槽20に添加する。
次に、この嫌気処理槽20の処理液を好気処理槽24に導入し、散気装置25より空気4を供給して、好気性微生物の作用によって残存する有機物(メタノール)を分解する。さらに、この好気処理槽24の処理液を固液分離槽26に導入し、固形物となった単体セレンを沈殿させる。汚泥の一部は、嫌気処理槽20の汚泥濃度を一定に保持するため返送汚泥27として嫌気処理槽20に返送し、残部は、余剰汚泥28として系外に持ち出し処分する。一方、固液分離槽26からの上澄液は処理水14bとして系外に排出する。
特開平08-299986号公報 特開平09-122688号公報 特開平09-248595号公報 特開平11-188387号公報
図2に示した処理方法(特許文献4)は、窒素化合物とセレンを同時に処理できる利点があるが、嫌気処理槽20や好気処理槽24で浮遊方式活性汚泥を用いている。セレンは微生物に対して毒性があることが知られており、活性汚泥内のセレン蓄積量の増加に伴い、セレン処理性能の悪化や活性汚泥の凝集性悪化の原因となって固液分離性能の低下を招きやすい。
また、嫌気処理槽20に後続する好気処理槽24において好気状態に保持するため、嫌気処理槽20で生じた4価セレンや単体セレンが活性汚泥によって再び難処理性の6価セレンに酸化されて再溶出し、セレン除去能力を低下させる。それを防止するため好気処理槽24でORP(酸化還元電位)制御が必要となる。
特許文献1、特許文献2に記載の処理方法は、いずれも脱窒のため(酸素源として)の硝酸イオン(亜硝酸イオン)を、排水中のアンモニアの硝化によって得たり、あるいは硝酸イオンを強制的に添加することが不可欠である。このうち特許文献2に記載された処理方法は、2段の嫌気処理によりそれぞれ異なる生物相を用いて処理するものであるが、嫌気処理槽においていずれも浮遊方式活性汚泥を用いているため、やはり特許文献4と同様に浮遊方式活性汚泥に伴う問題点がある。
特許文献3に記載の新規微生物による処理方法では、これに際して、培養、純粋分離、汚染排水への接種と培養等の煩雑な手順と長期間の準備が必要となる。またセレン以外、窒素化合物が共存する場合の処理については開示されていない。
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、活性汚泥のセレン還元能力を高めることで、排水中の窒素とセレンを効率良く還元して除去することができる排水の生物学的処理方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、産業排水処理設備および下水処理場の各種活性汚泥を用いてセレン還元処理について検討した結果、上述の生物学的処理方法とは異なり、いずれの活性汚泥でも、硝酸性窒素の共存によって活性汚泥のセレン還元処理能力がむしろ低下して不安定となること、活性汚泥の馴致所要期間に大きな影響を及ぼすことを見出した。
すなわち、本発明に係る排水の生物学的処理方法は、排水を、第1の有機物存在の下に嫌気状態で担体に付着した活性汚泥と接触させる第1の嫌気処理工程と、この第1の嫌気処理工程の処理水を第2の有機物存在の下に嫌気状態で担体に付着した活性汚泥と接触させる第2の嫌気処理工程とを含んでなることを特徴とするものである。
なお、前記排水は、窒素とセレンを含有する排水が好ましく、例えば、石炭等の燃焼排ガス中の硫黄酸化物質を除去する湿式排煙脱硫装置等から排出される、主として硝酸性窒素のほか、アンモニア性窒素、亜硝酸性窒素等を含む窒素と主に6価セレンが大部分を占めるセレンを含有する排水がより好ましい。また、前記第1の有機物は、メタノールが好ましい。
前記第2の有機物は、酢酸および酢酸塩、エタノール、グリセロール、乳酸およびその塩、ピルビン酸およびその塩、フマル酸およびその塩、リンゴ酸およびその塩、コハク酸およびその塩、グルタミン酸およびその塩、クエン酸およびその塩、グルコース、フラクトース並びにシュークロースから選ばれた1種以上であることが好ましい。
本発明に係る排水の生物学的処理方法は、前記第2の嫌気処理工程の処理水を固液分離する固液分離工程をさらに含むことができる。この固液分離工程では、第2鉄塩またはアルカリ剤を添加することが好ましい。
本発明に係る排水の生物学的処理方法は、前記排水を、前記第1の嫌気処理工程に導入する前に、好気状態で担体に付着した活性汚泥と接触させる第1の好気処理工程をさらに含むことができる。
本発明に係る排水の生物学的処理方法は、前記第2の嫌気処理工程の処理水を、または前記固液分離工程の分離処理水を、好気状態で担体に付着した活性汚泥と接触させる第2の好気処理工程をさらに含むことができる。
本発明に係る排水の生物学的処理方法は、前記第1の嫌気処理工程および前記第2の嫌気処理工程から排出される洗浄排水を、並びに前記固液分離工程で分離された沈殿物を、第1好気処理工程および第2好気処理工程に混入させずに系外に排出する工程をさらに含むことができる。
本発明に係る排水の生物学的処理方法は、前記固液分離工程で分離された沈殿物を、第1好気処理工程および第2好気処理工程に混入させずに系外に排出する工程をさらに含むことができる。
本発明では、脱窒工程およびセレン還元工程、好ましくはさらに硝化工程および生物酸化工程に適用する全ての装置に、微生物付着用担体として固定床方式を採用したので、浮遊方式活性汚泥にみられるようなセレン蓄積量の増加に伴う凝集性悪化等の変調を生じることがない。したがって、本発明によれば、排水中の窒素およびセレンを処理するに際し、活性汚泥の処理性能を阻害することなく効果的に除去することができる。
また本発明では固定床方式を採用したことにより、浮遊式活性汚泥に比べて汚泥濃度を高く保持でき、固定床内での硝酸性窒素の濃度勾配により、処理水の硝酸性窒素濃度を、セレン還元菌に対する硝酸性窒素の影響限界濃度(閾値)以下に安定して達成することができる。そのため排水中の窒素とセレンの負荷変動や阻害物質(過硫酸塩等)に対しても抵抗性がある。
浮遊式活性汚泥では、不溶性セレン(単体セレン)の排出は余剰汚泥と共に人為的に排出しなければならず、排水の窒素とセレン負荷によっては活性汚泥中のセレン高濃度蓄積が避けられない場合がある。それに対し本発明の固定床では、定期的にろ床を洗浄することによりろ床から自然剥離した汚泥と不溶性セレン(単体セレン)をそれぞれ効率よく排出することができ、その結果ろ床内のセレン蓄積量の増加に伴う処理性低下等を回避することができる。
従来、排水の窒素濃度が低い(NO3‐Nが約50mg/l以下)場合、浮遊式活性汚泥では汚泥濃度と処理性能を維持するために窒素濃度が約100mg/l以上(NO3‐Nとして)となるように、窒素化合物(アンモニア性または硝酸性窒素)を添加する必要がある。本発明では固定床方式を採用したことにより、排水の窒素濃度に応じて汚泥濃度が自然に制御され、窒素およびセレン処理性が維持されるため、窒素化合物を人為的に添加する必要がない。本発明は特に排水の窒素濃度が低い場合に効果的である。
さらに、本発明では、第2嫌気処理工程に引き続き固液分離工程で直ちに固形物を分離することで、還元されて生成した4価セレンおよび単体セレンが第2好気処理工程において再び6価セレンに酸化されることなく、セレン処理性能が良好に維持される。
また、本発明では、前段の固液分離工程で4価セレンおよび単体セレンが分離されて上澄水には含まれないため、第2好気処理工程で6価セレンの再溶出を防止するためのORP(酸化還元電位)の制御等が不要となり設備を簡素化することができる。
添付の図面を参照して、本発明に係る排水の生物学的処理方法の一実施形態を説明する。図1は、本発明に係る排水の生物学的処理方法を実施するために好適な排水の生物学的処理システムの一例を示す模式図である。
図1に示すように、本システムは、排水1を脱窒処理する第1嫌気処理槽6と、この第1嫌気処理槽6の処理水をセレン還元処理する第2嫌気処理槽8とで主に構成されている。なお、第1嫌気処理槽6の前段には、排水1を硝化処理する第1好気処理槽2が設けられている。また、第2嫌気処理槽8の後段には、この処理水を生物酸化処理する第2好気処理槽13が設けられている。さらに、この第2嫌気処理槽8と第2好気処理槽13の間には、第2嫌気処理槽8の処理水を固液分離する固液分離槽10が設けられている。
なお、第1嫌気処理槽6および第2嫌気処理槽8には、槽内の固定床を逆洗するための逆洗用水15を供給する配管がそれぞれ槽底部に設けられているとともに、この逆洗排水を排出するための配管がそれぞれ槽天井部に設けられている。
このような構成によれば、先ず、排煙脱硫排水等の窒素化合物とセレンを含む排水1を第1嫌気処理槽2に導入する。ここで、窒素化合物としてはアンモニア性窒素や硝酸性窒素があげられ、図中、アンモニア性窒素を含む排水を1a、硝酸性窒素のみを含む排水を1とした。このアンモニア性窒素を含む排水1aは第1好気処理槽2に導入する。また硝酸性窒素のみを含む排水1は後述する第1嫌気処理槽6に直接導入する。
第1好気処理槽2には、微生物付着担体として固定床が設けられており、アルカリ剤17によってpH5〜9、好ましくはpH6.5〜7.5に調整し、槽内に設けられた散気装置に空気4を供給することで曝気する。これによって好気状態で排水1a中のアンモニア性窒素が、担体に固定された硝化菌の作用により次式のごとく反応して、硝酸性窒素に酸化される。
NH4 ++O2→NO2 -+4H+
2NO2 -+O2→2NO3 -
固定床の微生物付着担体としては、砂、活性炭、アンスラサイト(無煙炭)、プラスチック製平板等が使用できる。
ついで、第1好気処理槽2の処理液3または硝酸性窒素を含む排水1を、第1嫌気処理槽6に導入する。第1嫌気処理槽6には、微生物付着担体として下向流(または上向流でもよい)の固定床が設けられており、第1嫌気処理槽6に第1の有機物としてメタノール5を添加すると、嫌気性条件下で排水中の硝酸性窒素が、脱窒菌の作用により次式のごとく反応して分解される。
6NO3 -+5CH3OH→5CO2+3N2+7H2O+6OH-
固定床の微生物付着担体としては、砂、活性炭、アンスラサイト(無煙炭)、プラスチック粒子のほか、ポリビニルアルコールやポリエチレングリコールに包括固定したものでもよい。
第1嫌気処理槽6の固定床内では、付着汚泥が10000〜20000mg/lと高濃度に保持されるため、浮遊方式の活性汚泥とは異なって、固定床内の通水方向に対して硝酸性窒素の濃度勾配が生じ、排水中の硝酸性窒素濃度に応じた脱窒作用が安定して起きる。すなわち、第1嫌気処理槽6に供給する硝酸性窒素負荷が充填材容積1m3あたり0.5から5kg/日、メタノール添加量が排水中の硝酸性窒素量に対して2〜3(重量比)であれば、第1嫌気処理槽6の処理水中の硝酸性窒素および亜硝酸性窒素濃度は20mg/l以下となる。
次に、第1嫌気処理槽6の処理液に、第2の有機物として酢酸または酢酸塩7を添加し、これを第2嫌気処理槽8に導入する。第2嫌気処理槽8には、微生物付着担体として前記と同様に下向流(または上向流でもよい)の固定床が設けられており、嫌気性条件下で硝酸性窒素および亜硝酸性窒素濃度がさらに脱窒されるとともに、セレン還元菌の作用によってセレンが還元されて、6価セレンは4価セレンまたは単体セレンとなって、第2嫌気処理槽8の付着汚泥内に蓄積する。その反応は次式のとおりと推定される。
SeO4 2-→SeO3 2-→Se0
なお、第2嫌気処理槽8に添加する第2の有機物としては、上記の酢酸または酢酸塩7のほか、エタノール、グリセロール、乳酸およびその塩、ピルビン酸およびその塩、フマル酸およびその塩、リンゴ酸およびその塩、コハク酸およびその塩、グルタミン酸およびその塩、クエン酸およびその塩、グルコース、フラクトースならびにシュークロースから選ばれた1種以上のものが使用できる。
第2嫌気処理槽8に添加する第2の有機物の添加量は、第2嫌気処理槽8に供給するセレン濃度が5mg/l程度以下(6価セレンとして)であれば、排水中のセレン量に対して0.3から50(各有機物としての重量比)、好ましくは2〜40(各有機物としての重量比)とすることで、第2嫌気処理槽8の処理水14aのセレン濃度を0.1mg/l未満にすることができる。
第1嫌気処理槽6および第2嫌気処理槽8では、担体に付着した活性汚泥の増殖に伴い固定床のろ過差圧が上昇するため、定期的に逆洗用水15a、15bを第1嫌気処理槽6および第2嫌気処理槽8の固定床底部から上向流で供給してそれぞれの固定床を洗浄する。逆洗頻度は1〜30日間程度に1回である。排出された逆洗排水16a、16bには担体付着した汚泥からの剥離汚泥のほか、不溶化された単体セレンが含まれており、これらの逆洗排水16は第1好気処理槽2および後述する第2好気処理槽に混入しないように系外に導き、固液分離し固形物として脱水ケーキ化して処分する(図示省略)。この固液分離法としては凝集沈殿処理のほか膜分離法等が使用できる。
第2嫌気処理槽8の処理水14aは、固液分離槽10を経て、または固液分離槽10を経ないで、直接第1好気処理槽13に導入する。第2嫌気処理槽の処理水14aに4価セレンまたは単体セレンが残存する場合は固液分離槽10を経ることが好ましく、4価セレンおよび単体セレンが残存しない場合は固液分離槽10を経ないで直接第2好気処理槽13に導入する。
固液分離槽10では、処理水14aに凝集剤9を添加し、pH5〜9好ましくはpH6〜8となるようにアルカリ剤17で調整する。固液分離槽10としては凝集沈殿処理のほか、MF膜分離が使用できる。凝集剤9としては塩化第二鉄、硫酸第二鉄などの第2鉄塩が使用でき、アルカリ剤17としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等が使用できる。第2嫌気処理槽の処理水14aに含まれる4価セレンは、第2鉄塩によって次の反応式のごとく不溶化し、単体セレンは水酸化第二鉄の凝集反応により共沈する。
3SeO3 2-+2Fe3+→Fe2(SeO33
不溶化した4価セレンは、固液分離して沈殿物12とした後、系外で脱水ケーキ化して(図示省略)、セレンが第1好気処理槽2および第2好気処理槽13に混入しないようにする。
第2好気処理槽13は、活性汚泥が付着した担体を充填した固定床が好ましい。付着担体としては、第1好気処理槽2と同様、砂、活性炭、アンスラサイト(無煙炭)、プラスチック製の平板等が使用できる。第2好気処理槽13では好気状態に保持するために、槽内に設けられた散気装置に空気4が供給されており、第2嫌気処理槽の処理水14aに残存する有機物(メタノール、酢酸または酢酸塩ほか)が好気性微生物により炭酸ガスと水に分解される。
なお、第2嫌気処理槽の処理水14aに含まれる4価セレンを固液分離槽10で除去せずに第1好気処理槽13に供給した場合、4価セレンの一部は微生物の作用によって難処理性の6価セレンに再酸化されて処理水14のセレン濃度を上昇させ、セレンの除去効率を悪化させる。
本発明の実施例として図1に示す装置を、また比較例として図2に示す装置を用いて、以下の手順にて排水を処理する試験を行った。
窒素化合物およびセレンを含む排水として、石炭焚火力発電所における排煙脱硫排水を用いた。この排水の性状を次に示す。
アンモニア性窒素:0.7mg/l
硝酸性窒素:40mg/l
6価セレン:0.3mg/l
前記排水を用い、下記実施例1および比較例の処理条件で各々処理した。なお、実施例1および比較例ともに排水中の窒素は硝酸性窒素が大部分であったため、第1好気処理(硝化処理)は実施せず、以下の処理工程で直接処理した。
(実施例1の処理条件)
排水供給量:32l/日
第1嫌気処理工程の接触時間:0.7時間
メタノール添加量:100mg/l
第2嫌気処理工程の接触時間:0.4時間
酢酸添加量:5mg/l
固液分離工程の滞留時間:1日間
第2好気処理工程の接触時間:0.5日間
第2嫌気処理工程の逆洗頻度:5日間に1回
(比較例の処理条件)
排水供給量:2l/日
嫌気処理工程の滞留時間:1日間
MLSS:約4000mg/l
メタノール添加量:100mg/l
硝酸塩添加量:60mg/l(Nとして)
好気処理工程の滞留時間:0.8日間
固液分離工程の滞留時間:1.5日間
実施例1では、下水汚泥を各工程毎に約1000ppm接種し、前記処理条件で馴致を開始した。第2嫌気処理工程でセレン処理能力が発揮される迄の期間(馴致期間)は約1週間以内で、そのときの処理水14のセレン濃度は0.06mg/lであった。
比較例においては、嫌気処理槽に下水汚泥を2000〜3000ppm接種し、前記処理条件で馴致を開始した結果、セレン処理能力が発揮されるのに約1ヶ月を要し、そのときの処理水14bのセレン濃度は0.07から0.15mg/lと変動した。
前記の実施例1および比較例で馴致が終了後約1週間後に得られた処理水の性状は次のとおりであった。
Figure 2006205097
以上の結果から、本発明を採用することによってセレン処理能力を発揮させるために必要な馴致期間を大幅に短縮でき、省力化できることが検証された。また本発明では馴致終了後の処理水水質が安定していることが検証された。
実施例1の第2嫌気処理工程で添加した酢酸に代えて、エタノール、グリセロール、乳酸、ピルビン酸、フマル酸、リンゴ酸、コハク酸、グルタミン酸、クエン酸、グルコース、フラクトース、シュークロースを添加したことを除いて、実施例1と同様の排水性状および処理条件で試験を行い、その処理水のセレン濃度を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 2006205097
表2に示すように、各種有機物のいずれも、処理水の全セレン濃度は0.1mg/l以下を達成でき、セレン還元処理に効果があることが検証された。
本発明に係る排水の生物学的処理方法の一実施形態を示すフロー図である。 従来の排水の生物学的処理方法を示すフロー図である。
符号の説明
1、1a 排水
2 第1好気処理槽
3 第1好気処理槽処理水
4 空気
5 メタノール
6 第1嫌気処理槽
7 酢酸または酢酸塩
8 第2嫌気処理槽
9 凝集剤
10 固液分離槽
11 分離処理水
12 沈殿物
13 第2好気処理槽
14、14a、14b 処理水
15 逆洗用水
16 逆洗排水
17 アルカリ剤
20 嫌気処理槽
21 有機物(メタノール)
22 硝酸(亜硝酸)塩
23 撹拌機
24 好気処理槽
25 散気装置
26 固液分離槽
27 返送汚泥
28 余剰汚泥

Claims (7)

  1. 排水を、第1の有機物存在の下に嫌気状態で担体に付着した活性汚泥と接触させる第1の嫌気処理工程と、この第1の嫌気処理工程の処理水を第2の有機物存在の下に嫌気状態で担体に付着した活性汚泥と接触させる第2の嫌気処理工程とを含んでなる排水の生物学的処理方法。
  2. 前記第2の有機物が、酢酸および酢酸塩、エタノール、グリセロール、乳酸およびその塩、ピルビン酸およびその塩、フマル酸およびその塩、リンゴ酸およびその塩、コハク酸およびその塩、グルタミン酸およびその塩、クエン酸およびその塩、グルコース、フラクトース並びにシュークロースから選ばれた1種以上である請求項1に記載の排水の生物学的処理方法。
  3. 前記第2の嫌気処理工程の処理水を固液分離する固液分離工程をさらに含んでなる請求項1または2に記載の排水の生物学的処理方法。
  4. 前記排水を、前記第1の嫌気処理工程に導入する前に、好気状態で担体に付着した活性汚泥と接触させる第1の好気処理工程をさらに含んでなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の排水の生物学的処理方法。
  5. 前記第2の嫌気処理工程の処理水を、または前記固液分離工程の分離処理水を、好気状態で担体に付着した活性汚泥と接触させる第2の好気処理工程をさらに含んでなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の排水の生物学的処理方法。
  6. 前記第1の嫌気処理工程および前記第2の嫌気処理工程から排出される洗浄排水を、並びに前記固液分離工程で分離された沈殿物を、第1好気処理工程および第2好気処理工程に混入させずに系外に排出する工程をさらに含んでなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の排水の生物学的処理方法。
  7. 前記固液分離工程で分離された沈殿物を、第1好気処理工程および第2好気処理工程に混入させずに系外に排出する工程をさらに含んでなる請求項3〜6のいずれか1項に記載の排水の生物学的処理方法。
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