JP3831473B2 - 印刷成型品、その再生方法および再生用インク - Google Patents
印刷成型品、その再生方法および再生用インク Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂を主成分とする成型(形)品の表面の一部に印刷されるインク膜を、前記成型品の主成分である熱可塑性樹脂と混ぜ合わせて繰り返して成形可能な熱可塑性樹脂によって構成して、リサイクルを可能にした印刷成型品、印刷成型品の再生方法および印刷成型品の再生用インクに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の熱固着性積層シート(EP公開571682A1)は、包装シートに関するもので、シート20の外部フィルム22の下面上に図案24が印刷されており、印刷に使用するインクを前記シート20を構成する構成要素との相溶性を持たない結合材料を含まないようにして、回収したシートの再生利用を可能にするものであった。
【0003】
すなわち、フィルム22および複合フィルム28(層30、32、34)が、PPまたはPEで構成され、インクがポリビニルブチラール(以下PVBと言う)、ポリアミド、アクリル樹脂で構成され、接着剤層26が熱硬化性接着剤またはPEと相溶性のあるポリエーテルベースの接着剤によって構成されるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の熱固着性積層シートは、包装シートに関するもので、射出成形または押出成形によって成形された成型品に関するものではないとともに、前記外部フィルム22と前記複合フィルム28とを全面において接着剤層26によって接着するものであるため、この接着剤とくに熱硬化性接着剤を用いる場合、回収したシートの再生利用の障害になるという問題があった。
【0005】
また上記従来の熱固着性積層シートは、前記外部フィルム22の下面上に図案24が印刷されており、印刷に使用するインクを、前記シート20を構成するポリオレフィン系のポリプロピレン(以下PPと言う)またはポリエチレン(以下PEと言う)との相溶性を持たない結合材料を含まないようにするために、ポリビニルブチラール、ポリアミド、アクリル樹脂によって構成するものであるが、インクを構成するPVB、ポリアミド、アクリル樹脂と前記シート20を構成するポリオレフィン系のPPまたはPEとは、後述するように本来親和性または相溶性を有していないため、熱固着性積層シートの再生に適していないという問題があった。
【0006】
すなわち、上記従来の熱固着性積層シートにおいて、インクを構成するPVB、ポリアミド、アクリル樹脂と前記シート20を構成するポリオレフィン系のPPまたはPEとは本来相溶性を有していないため、接着剤層によって前記複合フィルム28とともに強制的に前記シート20に付着させるものであった。
【0007】
そこで本発明者らは、熱可塑性樹脂を主成分とする成型品の表面の一部に印刷される印刷膜を、前記成型品の主成分である熱可塑性樹脂と混ぜ合わせて繰り返し成形可能な熱可塑性樹脂によって構成するという本発明の第1の技術的思想に着眼するとともに、成型品の主成分である熱可塑性樹脂と親和性を示す熱可塑性樹脂によって構成されたインク膜が一部に印刷された前記成型品を粉砕して再成形するとともに、再成形された前記成型品の一部に上記親和性を示す熱可塑性樹脂によって構成されたインクによって印刷することにより、印刷成型品を再生するという本発明の第2の技術的思想に着眼したもので、さらに研究開発を重ねた結果、接着剤を用いることなくインク膜が密着した印刷成型品を提供し、インク膜が付着した印刷成型品のリサイクルを可能にし、物性の低下の少ないリサイクルを可能にするとともに、特殊な工程を不要にして、容易かつ安価なリサイクルを可能にするという目的を達成する本発明に到達したものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明(請求項1に記載の第1発明)の印刷成型品は、
熱可塑性樹脂を主成分とする成型品と、
該成型品の表面の一部に印刷されたインク膜から成る印刷成型品であって、
該印刷成型品を粉砕して成形され再生された再生成型品によって構成された前記成型品において、
該インク膜を構成する樹脂が前記成型品を構成する樹脂と少なくとも双方の界面あるいは境界領域にて互いに親和性をもち、前記成型品の主成分である熱可塑性樹脂と混ぜ合わせて繰り返し成形可能な熱可塑性樹脂によって構成されているとともに、透過型電子顕微鏡で観察した場合に前記成型品の主成分である熱可塑性樹脂中に剥がれなく分散している
ものである。
【0009】
本発明(請求項2に記載の第2発明)の印刷成型品の製造方法は、
成型品の表面に該成型品を構成する前記熱可塑性樹脂と混ぜ合わせて繰り返し成形可能な熱可塑性樹脂によって構成されたインク膜が一部に印刷された前記印刷成型品を粉砕し、
粉砕あるいはペレタイズされた該印刷成型品により型を用いて成形し、
成形され再生され、インク膜を構成する樹脂と前記成型品を構成する樹脂が、少なくとも双方の界面あるいは境界領域にて互いに親和性をもち、前記成型品の主成分である熱可塑性樹脂と混ぜ合わせて繰り返し成形可能な熱可塑性樹脂によって構成されているとともに、透過型電子顕微鏡で観察した場合に前記成型品の主成分である熱可塑性樹脂中に剥がれなく分散している該成型品に対して、該成型品を構成する前記熱可塑性樹脂と混ぜ合わせて繰り返し成形可能な熱可塑性樹脂によって構成されたインクを印刷する
ものである。
【0011】
本発明(請求項3に記載の第3発明)の印刷成型品の再生用インクは、
前記第1発明において、
前記成型品の主成分である前記熱可塑性樹脂が、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、アミノ系樹脂、オレフィン系樹脂、エステル系樹脂に属する樹脂またはそれに類する樹脂の少なくとも1つによって構成されているとともに、
前記インク膜を構成する前記熱可塑性樹脂が、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、アミノ系樹脂、オレフィン系樹脂に属する樹脂に属する樹脂またはそれに類する樹脂の少なくとも1つによって構成されている
ものである。
【0012】
本発明(請求項4に記載の第4発明)の印刷成型品の再生用インクは、
前記第3発明において、
前記成型品の主成分である前記熱可塑性樹脂が、ハイインパクトポリスチレン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ナイロン樹脂、硬質塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂の少なくともいずれか1つによって構成されているとともに、
前記インク膜を構成する前記熱可塑性樹脂が、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂、アクリル樹脂、スチレン変性アクリル樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂およびその他のいずれか1つまたは少なくともいずれか2つによって構成されている
ものである。
【0013】
本発明(請求項5に記載の第5発明)の印刷成型品は、
前記第1発明において、
前記成型品の表面に塗装された塗膜を備え、
前記インク膜が、前記成型品の前記塗膜表面の一部に印刷されており、
前記塗膜およびインク膜を構成する樹脂と前記成型品を構成する樹脂が、少なくとも双方の界面あるいは境界領域にて互いに親和性をもち、前記成型品の主成分である熱可塑性樹脂と混ぜ合わせて繰り返し成形可能な熱可塑性樹脂によって構成されているとともに、透過型電子顕微鏡で観察した場合に前記成型品の主成分である熱可塑性樹脂中に剥がれなく分散している
ものである。
【0014】
【発明の作用および効果】
上記構成より成る第1発明の印刷成型品は、該印刷成型品を粉砕して成形され再生された再生成型品によって構成された前記成型品において、熱可塑性樹脂を主成分とする前記成型品の表面の一部に印刷された前記インク膜が、少なくとも双方の界面あるいと境界領域にて互いに親和性をもつため、接着剤を用いることなくインク膜が密着した印刷成型品を提供するとともに、前記印刷成型品に前記インク膜が付着した状態で再成形が行なわれると、前記成型品の主成分である前記熱可塑性樹脂と前記インク膜を構成する前記熱可塑性樹脂とが親和性を有し繰り返し混ざり合うとともに、透過型電子顕微鏡で観察した場合に前記成型品の主成分である熱可塑性樹脂中に剥がれなく分散しているので、前記印刷成型品に前記インク膜が付着した状態における物性の低下の少ないリサイクルを可能にするという効果を奏する。
【0015】
上記構成より成る第2発明の印刷成型品の製造方法は、成型品の表面に該成型品を構成する前記熱可塑性樹脂と混ぜ合わせて繰り返し成形可能な熱可塑性樹脂によって構成されたインク膜が一部に印刷された前記印刷成型品を粉砕し、粉砕あるいはペレタイズされた該印刷成型品により型を用いて成形し、成形され再生され、インク膜を構成する樹脂と前記成型品を構成する樹脂が、少なくとも双方の界面あるいは境界領域にて互いに親和性をもち、前記成型品の主成分である熱可塑性樹脂と混ぜ合わせて繰り返し成形可能な熱可塑性樹脂によって構成されているとともに、透過型電子顕微鏡で観察した場合に前記成型品の主成分である熱可塑性樹脂中に剥がれなく分散している該成型品に対して、該成型品を構成する前記熱可塑性樹脂と混ぜ合わせて繰り返し成形可能な熱可塑性樹脂によって構成されインクを印刷するので、インク膜が付着した印刷成型品のリサイクルを可能にし、物性の低下の少ないリサイクルを可能にするとともに、特殊な工程を不要にして、容易かつ安価なリサイクルを可能にするという効果を奏する。
【0017】
上記構成より成る第3発明の印刷成型品は、前記第1発明において、前記成型品の主成分である前記熱可塑性樹脂が、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、アミノ系樹脂、オレフィン系樹脂、エステル系樹脂に属する樹脂に属する樹脂またはそれに類する樹脂の少なくとも1つによって構成されているとともに、前記インク膜を構成する前記熱可塑性樹脂が、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、アミノ系樹脂、オレフィン系樹脂、エステル系樹脂に属する樹脂またはそれに類する樹脂の少なくとも1つによって構成されているので、熱可塑性樹脂を主成分とする前記成型品の表面の一部に印刷された前記インク膜が、少なくとも双方の界面あるいと境界領域にて互いに親和性をもつため、接着剤を用いることなくインク膜が密着した印刷成型品を提供するとともに、前記印刷成型品に前記インク膜が付着した状態におけるリサイクルを可能にするという効果を奏する。
【0018】
上記構成より成る第4発明の印刷成型品は、前記第3発明において、前記成型品の主成分である前記熱可塑性樹脂が、ハイインパクトポリスチレン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ナイロン樹脂、硬質塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂の少なくともいずれか1つによって構成されているとともに、前記インク膜を構成する前記熱可塑性樹脂が、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂、アクリル樹脂、スチレン変性アクリル樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂およびその他のいずれか1つまたは少なくともいずれか2つによって構成されているので、熱可塑性樹脂を主成分とする前記成型品の表面の一部に印刷された前記インク膜が、少なくとも双方の界面あるいと境界領域にて互いに相容(溶)性をもつため、接着剤を用いることなくインク膜が一層密着した印刷成型品を提供するとともに、前記印刷成型品に前記インク膜が付着した状態におけるリサイクルを可能にするという効果を奏する。
【0019】
上記構成より成る第5発明の印刷成型品は、前記第1発明において、前記成型品の表面に塗装された塗膜を備え、前記インク膜が、前記成型品の前記塗膜表面の一部に印刷されており、前記塗膜およびインク膜を構成する樹脂と前記成型品を構成する樹脂が、少なくとも双方の界面あるいは境界領域にて互いに親和性をもち、前記成型品の主成分である熱可塑性樹脂と混ぜ合わせて繰り返し成形可能な熱可塑性樹脂によって構成されているとともに、透過型電子顕微鏡で観察した場合に前記成型品の主成分である熱可塑性樹脂中に剥がれなく分散しているので、熱可塑性樹脂を主成分とする前記成型品の表面に塗装した前記塗膜および前記成型品の前記塗装表面の一部に印刷された前記インク膜が、少なくとも双方の界面あるいは境界領域にて互いに相容(溶)性をもつため、接着剤を用いることなくインク膜が一層密着した印刷および塗装成型品を提供するとともに、前記印刷成型品に前記インク膜および前記塗膜が付着した状態におけるリサイクルを可能にするという効果を奏する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態につき、図面を用いて説明する。
【0021】
最初に本発明を実施するに当たり樹脂成型物として使用することが出来る合成樹脂について以下説明する。
一般にプラスチックと称せられる物には、加熱すると硬化する性質を持っている樹脂、すなわち「熱硬化性樹脂」と呼ばれるものと、熱を加えると柔らかくなる(軟化する)性質を持っている樹脂、すなわち「熱可塑性樹脂」と呼ばれるものに大別される。本発明の成形樹脂として使用することが出来る合成樹脂、すなわち本発明の実施形態として採用される成形樹脂としては、「熱可塑性樹脂」が対象となる。
【0022】
前記「熱可塑性樹脂」には、たくさんの種類がある。たとえばそれらとしては、アイオノマー樹脂(エチレン系アイオノマー樹脂)、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(略号:EEA)、アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン共重合樹脂(略号:AAS)、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂(略号:AS,SAN)、アクリロニトリル・塩素化ポリエチレン・スチレン共重合樹脂(略号:ACS)、エチレン酢ビコポリマー(略号:EVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(略号:PVAL)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂(略号:ABS)、ポリ塩化ビニル樹脂(略号:PVC)、塩素化ポリエチレン樹脂(略号:CPE)、酢酸繊維素樹脂(酢酸セルロース樹脂)、ポリ4フッ化エチレン樹脂(略号:PTFE)、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合樹脂(略号:FEP)、4フッ化エチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(略号:PFA)、4フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂(略号:ETFE)、ポリ3フッ化塩化エチレン樹脂(略号:CTFE)、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン(略号:PVF)、ポリアセタール樹脂(略号:POM)、ナイロン6(略号:PA6)、ナイロン66(略号:PA66)、ナイロン610(略号:PA610)、ナイロン11(略号:PA11)、ナイロン12(略号:PA12)、ナイロン46(略号:PA46)、特殊ナイロン[三菱化学(株){旧三菱瓦斯化学(株)}の商品のレニー]、ポリアリレート樹脂(芳香族ポリエステル樹脂、略号:PAR)、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(略称:TPU)、熱可塑性エラストマー(略称:TPE)、全芳香族ポリエステル樹脂(別名:ポリオキシベンゾイル樹脂、略称:POB)、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(略称:PEEK)、ポリサルホン樹脂(略号:PSF)、ポリエーテルサルホン樹脂(略号:PES)、ポリサルホン樹脂(略号:PSU)、高密度ポリエチレン樹脂(略号:HDPE)、低密度ポリエチレン樹脂(略号:LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(略号:L−LDPE)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(略号:PET)、ポリカーボネート樹脂(略号:PC)、ポリスチレン樹脂(略号:PS)、中衝撃ポリスチレン樹脂〔ミディアムインパクトポリスチレン樹脂 略号:MIPS〕、高衝撃ポリスチレン樹脂{ハイインパクトポリスチレン樹脂 略号:HIPS}、スチレン変性ポリフェニレンオキサイド樹脂(略号:変性PPO)、スチレン変性ポリフェニレンエーテル樹脂(略号:変性PPE)、スチレングラフト化ポリフェニレンエーテル樹脂(略号:PPE)、スチレングラフト化ポリフェニレンオキサイド樹脂(略号:PPO)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(略号:PPS)、ポリブタジエン樹脂(略号:PBD)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(略号:PBT)、ポリプロピレン樹脂(略号:PP)、メタクリル樹脂(通称アクリル樹脂、略号:PMMA)、メチルペンテンポリマー(略号:PMP)、超低密度ポリエチレン樹脂(略号:VLDPE)、エチレン・メチルメタクリレートコポリマー、ポリチオエーテルサルホン樹脂、ポリケトン、ポリアミドイミド、変成マレイミド樹脂、エチレン酢ビ共重合体ケン化物、ABS系永久制電性樹脂、HIPS系永久制電性樹脂、MIPS系永久制電性樹脂、PS系永久制電性樹脂、PCT樹脂(ポリエステル系ポリマー)、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアリルエーテルケトン、ポリブテン樹脂、EMAA樹脂、ポリアクリロニトリル、液晶ポリマー、スチレン・マレイミド共重合樹脂、エチレン・アクリル酸共重合樹脂、シラン架橋ポリマー、液晶ポリエステル樹脂、生分解性プラスチックなどがある。
【0023】
また上記樹脂は、互いに混合すること、または変性することで、また別の性質を持った樹脂を作り出すことが出来る。たとえば、ABS樹脂は、ハイラバーABS樹脂(略号:HR−ABS)とAS樹脂とのブレンドポリマーであり、変性PPO(E)樹脂はポリフェニレンオキサイド(エーテル)樹脂とHIPSのブレンドポリマーである。
次にそれらのアロイの代表的な例を示すと、PA/変性PPOあるいはE{以下、PA/変性PPO(E)と略す}、PA/エラストマー、PA/PC、PA/ABS、POM/エラストマー、PC/ABS、PC/PBT、PC/PET、PC/PMMA、PC/HIPS、PBT/ABS、PBT/PET、PBT/変性PPO(E)などが現在のところでは、生産されており、将来は樹脂の組み合わせが数限りなく考えられることから、更に増えてくると予想される。
【0024】
また、成形材料の中には上記の樹脂との混合ばかりではなく、無機質、有機質の物との複合化によって更に化学的、物理的な性能の向上を狙った材料、一般に複合材料と呼ばれているものもある。
【0025】
次に上記樹脂成型品の成形加工法について以下に述べる。
本発明の実施形態として適用出来る成形加工法は、熱可塑性樹脂の成形加工法の全てを適用することが出来る。
例えば、射出成形法:一般成形(ソリッド成形)、ガスアシスト成形、サンドイッチ成形法、二層成形法、二色成形、多色成形、多層成形、混色成形、タンデム射出成形法、SPモールド法など、真空成形法、圧空成形法、押し出し成形法、異形押し出し成形法、ブロー成形法、回転成形法、トランスファー成形法、圧縮成形法、カレンダー成形法、インフレーション成形法、積層成形法、発泡成形法、射出圧縮成形法、圧縮成形法、中空成形法、モノフィラ成形法、注型、粉末成形法などである。
【0026】
使用者の目に触れる部分の一部に情報を与える目的として、上記樹脂成型品の主として外表面、場合によっては内表面(開かれる場合)の一部に対して、成型品の厚さに比べて充分薄く印刷されるインク膜が形成され、該インク膜を構成するインクは、その組成として、基材である樹脂成型品の主成分である上述した熱可塑性樹脂に対して親和性を有する熱可塑性樹脂であり、その基材自身(基材と同一の樹脂)も該当する。
さらに、シリコン変性ポリイミド樹脂、スチレン化アルキド樹脂、PP用アクリル樹脂、酢ビ/アクリル樹脂、天然樹脂変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アルコール可溶性フェノール樹脂、ナイロン樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、高塩素化ポリプロピレン、高塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、アクリル変性塩素化PP、ロジンエステル、ロジン変性フェノール、塩ビ/ビニルイソブチルエーテル、ポリビニルブチラール、酢ビ/ビニルアルコール、塩ビ/酢ビ、ポリアミド樹脂、スチレン変性アクリル樹脂、アクリル樹脂(MMA/EA)、アクリル樹脂(MMA)、アクリル樹脂(EMA)、アクリル樹脂(BMA)、スチレンアクリル樹脂Em、アクリル樹脂Em、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂Em、高分子エポキシ樹脂、アクリル変性PP、成形品を構成する樹脂と親和性を示すフッソ樹脂、ウレタン化アルキド樹脂、ニトロセルロース、酢酸セルロース、フッソ樹脂Em、塩化ビニル樹脂、酢ビアクリル樹脂、フタル酸アルキド、ウレタン化エポキシ樹脂、シリコン樹脂Em、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、アルキド樹脂、ブタジエン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩化ゴム樹脂、塩化ゴム、スチレンブタジエンラテックス、酢酸ビニル樹脂Em、スチレン樹脂Em、スチレンブタジエン樹脂Em、ブタジエンニトリル樹脂Em、水溶性アルキド樹脂、水溶性フェノール樹脂、水溶性アミノ樹脂、水溶性アクリル樹脂およびこれらの変性タイプの樹脂などもインク用樹脂として用いられる。ここで略号Emは「エマルジョン(またはエマルション以下同様)」を表す。これらのインク用樹脂は単独あるいは2種以上の樹脂を併用してインク化してもちいることも出来る。ここで親和性を示す熱可塑性樹脂として例えば、基材がABS樹脂には、同質のABS樹脂があり、ABS樹脂以外では、AS(SAN)樹脂、ASA樹脂、CA樹脂、PC樹脂、PMMA樹脂、PBT樹脂、TPU樹脂、PVC樹脂、PET樹脂、ブレンドPC/PBT樹脂、ブレンドPC/ABS樹脂などがある。これらの例を表1に示す。
【0027】
上記熱可塑性樹脂で成型品を構成する樹脂と親和性を有する樹脂を、例えばアクリロニトリル・スチレン共重合樹脂を溶剤などを用いて溶解してワニス化して、顔料および染料、増粘剤、その他の添加剤を加えてインクとしたものを、これをABS樹脂等の成型品の外表面の一部に薄く印刷塗装する。そして表面に薄いインク膜が印刷された印刷成型品が商品として市場に出荷した後、再び回収された成型品は、従来の様にインク膜を剥ぎ取ることなくそのまま粉砕して、再びペレット化(以下、「リ・ペレット」,「再ペレット」などと称する)して、再び成形材料として使用出来ることになる。これは、表面の一部への印刷または表面の全体への塗装に用いた樹脂が成型品の樹脂と十分に親和性、熱接着性など、あるいは相容(溶)性などの性質を持っているからである。
【0028】
また、成型品の主成分である熱可塑性樹脂が、HIPS樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ABS樹脂である場合のインクとしては、PS樹脂(GP)、AS樹脂(SAN)などをインク化してから、前記成型品の表面の一部に印刷をしても、互いに親和するので再び再生が可能であることがわかる。
【0029】
実際の印刷において、印刷される面積は成型品表面積の10%ないし20%以下で、しかもインク膜の膜厚は、一般的には30μm以下である場合を考えてみたとき、肉厚が3mmの成型品に一回印刷をすると、インクと成型品の重量比は0.1:100(0.1%)となり、これぐらいのインク樹脂が、成型品の基材の樹脂に混ざっても、基材樹脂の熱可塑性樹脂に熱可塑性樹脂であるインク膜とが親和性、熱接着性など、あるいは相容(溶)性などの性質を有しているから問題にはならないのである。
【0030】
3回のリサイクルを繰り返した成型品には、0.1%×3(塗装の回数、或いはリサイクルの回数)=0.3%のインク膜が混入することになるが、親和性、熱接着性など、あるいは相容(溶)性などの性質を持っているので問題は無く、物理的化学的物性の変化には、それほど大きく寄与しない。
【0031】
リサイクル(以下、「リ・リサイクル」,「再・リサイクル」,「再リサイクル」などと称する)可能なインクなどを作るためには、まず初めに考えなければならないことは、成型品に使用されている樹脂が何であるかを調査して、次にその樹脂と親和性を有する樹脂がどの様な物であるかを調査する。そして後者の樹脂を何らかの溶剤などを用いて溶解した物に顔料や染料、その他安定剤、表面調整剤(レベリング剤)、顔料分散剤、沈殿防止剤、消泡剤、インクの粘度を調整する目的で添加される増粘剤その他のインク用の添加剤を加えてインクなどとするものである。また溶剤を使用しない粉体塗料とすることも出来る。
【0032】
上記インキ(「インク」とも称する)の種類、形態としては、溶剤型インキ、エマルジョン型インキ、サスペンジョン型インキ、水溶性インキ、水性インキ、ハイソリッドインキ、無溶剤化インキ、などがある。
【0033】
上記塗料の種類と形態としては、溶剤型塗料、エマルジョン型塗料、サスペンジョン型塗料、水溶性塗料、水性塗料、粉体塗料、ハイソリッド塗料、無溶剤化塗料、超臨界流体を含有する塗料、二酸化炭素、He、Ne、Ar、窒素ガスなどの不活性ガス、LPG、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、などの可燃性ガス、空気、酸素、塩素などの示燃性ガス(助燃性ガス)を液化した液化ガスを含有する塗料などがある。
また、上記樹脂を粉末にして粉末インキ(例えばトナーなど)とすることも出来る。
【0034】
親和性あるいは相容(溶)性などの性質を有する熱可塑性樹脂の組み合わせの代表的な例を、表1のマトリックスに示した。
【表1】
【0035】
ところが実際には、表1に記載された樹脂以外にも、インク化出来る樹脂は、他にも考えられる。インクを構成する樹脂は、成型品を構成する樹脂と親和性を持っていればよい。インク化が簡単な樹脂例を考えるために、親和性あるいは相容(溶)性などの性質を持つポリマーの分子構造から考えてみると、同一の樹脂、同一骨格をもつ樹脂、類似骨格をもつ樹脂などが考えられる。
また、相容(溶)化剤と呼ばれてる天然型熱可塑性樹脂や合成された熱可塑性樹脂もリサイクル可能なインク製造用樹脂として使用が出来る。
【0036】
また成形品を構成する樹脂と、インク膜を構成する樹脂とが直接親和性を有しない場合でも、インク膜を構成する樹脂に相容(溶)化剤を混合することで、混ざり合い繰り返し成形可能であれば、結果的に親和性を有してリサイクル可能なインクの製造が出来るものである。
【0037】
また成形品を構成する樹脂と、インク膜を構成する樹脂とが直接親和性を有しない場合でも、これら相容(溶)化剤をリペレット時あるいは成形加工時に添加することで互いの樹脂同志に親和性が生まれて成型品を構成する樹脂と、インク膜を構成する樹脂とが直接親和性を有しない場合にもリサイクルが可能となる。
【0038】
ここにおいて、前記成型品上に印刷された前記インク膜は、成形品の表面の一部に直接印刷されたものであれば良く、印刷手法により成型品に対してロゴマークのように前記成型品の極一部に部分的印刷したり、取扱説明のように前記成型品全体のある面積割合で部分的印刷したり、前記成型品全体の半分以上極端な場合はほぼ全体的に印刷したものでも良い。
【0039】
また成形品の表面全体に、成形品を構成する樹脂に対して親和性を有する樹脂によって構成される塗料を用いて例えばスプレー塗装した後、上述したように前記成型品の塗装表面の一部に印刷を施すことも可能である。
【0040】
また、親和性とは、前記塗膜を構成する樹脂と前記成型品を構成する樹脂とが容易に結合する性質を言い、該塗膜を構成する樹脂が前記成型品の主成分である熱可塑性樹脂と混ぜ合わせて繰り返し成形可能であればよいのであり、相容(溶)性などの性質は、その代表的なものである。
【0041】
実際に、本発明の後述する実施例におけるインク#15に用いられている樹脂(スチレン変性アクリル樹脂)が、ABS樹脂またはHIPS樹脂より成る樹脂成型品を再生したものと相容性などの性質を有しているかを判定するために実施した結果を示す透過型電子顕微鏡写真(以下、「TEM写真」と称する)の写しを図1および図2に示した。インク#15に用いられている樹脂(スチレン変性アクリル樹脂)の黒色染色にはOsO4 、RuO4 を用いた。
【0042】
図1および図2に示されるTEM写真の写しから明らかなように、インク#15を構成する樹脂が、樹脂成型品の主成分であるABS樹脂またはHIPS樹脂に容易に単分散され、単軸押し出し装置により混練されているため、ABS樹脂またはHIPS樹脂中において1〜2μ程度の粒径となり、この分散粒子は、配向により長円化し、所謂、黒色の細長い島状の海島構造を持つことより、不均一系の相容(溶)系と考えられる。又、ABS樹脂またはHIPS樹脂と相容(溶)性を持たないと考えられる熱硬化性ウレタン樹脂を同様に再生したが、TEM写真撮影を実施した結果を示す。図3および図4から明かなように、スチレン変性アクリル樹脂とは異なり、海島構造(図1参照)は示していない。ミクロトームによって薄い切片フイルムを作成した際にABS樹脂およびHIPS樹脂とインク#15を構成するの樹脂(スチレン変性アクリル樹脂)との界面には十分な親和性が認められそれぞれの樹脂の界面には剥離などが認められなかった。一方ウレタン樹脂の場合には、界面に剥離が認められ、親和性がないと判断した。
【0043】
前記表1からも明らかであり、またTEM写真の写しからも明らかなように、ABS樹脂に対してのAS樹脂(インク#35を構成する樹脂)、HIPS樹脂に対してのPS樹脂(インク#25を構成する樹脂)は、該AS樹脂およびPS樹脂が、それぞれABS樹脂およびHIPS樹脂を製造する時の原料であることから、それぞれの樹脂が相容(溶)などをすると思われるので、あえてTEMによる観察は行ってはいない。
【0044】
次に、熱接着性などについて述べる。
成型品を構成する樹脂とインク膜、塗膜を構成する樹脂とが、互いに相容(溶)性などを有していない場合でも、互いに熱接着性などを有する場合には、何回も繰り返し成形が可能であり、リサイクルが可能である。
【0045】
ここで熱接着性などとは、粉砕してペレット化するとき、例えば単軸の押し出し機加熱搭の熱によって溶融され、物理的な力によって、1000μm以下に細かく分散(細かく分散させる場合は、2軸の押し出し機などのように高混練性を持つ押し出し機の使用が望ましい)されて、あるいは成形加工時の成形機加熱搭の熱によって溶融され、物理的な力によって、1000μm以下に細かく分散され、互いの樹脂同士が溶融の段階、冷却固化の段階、冷却固化後の段階のいずれかでアンカー効果、投錨効果、ファスナー効果、共有結合、水素結合、ファンデルワールス力、クーロン力、吸着、静電気、拡散、界面張力、相容性、相溶性、粘弾性などの物理的、化学的な結合、効果、特性などによって熱接着などをすることを言う。
【0046】
前記熱接着性などの評価方法として簡単なものは、上述したようにインクと成型品とに重量比は0.1:100程度であるが、ここでは親和性評価試験において、親和性を拡大して十分な評価結果を得るために、あえて互いの樹脂(成型品を構成する樹脂:塗膜を構成する樹脂)を重量比で100:10に混合して、押し出し機、または実験室的にはメルトインデェクサーを用いて溶融混練して得られた樹脂塊を冷却固化させた後に、ミクロトームによって数100μmないし数μmの薄い切片を作り、光学顕微鏡もしくは電子顕微鏡によって樹脂の界面を観察し、剥がれが無い場合には、互いの樹脂が熱接着性などを有すると判断することが出来る。また得られた前記樹脂塊をもちいた成型品、あるいはパンケーキと称せられる試験片に、JIS K5400 8.4.2に準じてゴバン目テストをおこない90/100以上の付着性であれば、互いの樹脂は熱接着性、容(溶)性などを有すると判断できる。
【0047】
熱可塑性樹脂のリサイクルにおける物性に寄与する大きな因子としては、成形加工時、あるいはリ・ペレット化時などでの熱履歴を受け、樹脂の分子結合が切れて低分子量のものが多くなることが考えられる。
そのような場合においては、リ・ペレットまたは成形に当たり、バージンの樹脂をある一定の割合で加えたり、或いは樹脂の内の特定な成分だけを補給することが考えられる。 後述する実施例におけるデータから明らかなように、アイゾット衝撃強度の低下の傾向が見られる。この低下傾向が問題になる用途においては、衝撃を高めるための付加成分、例えばABS樹脂に対してはNBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)をHIPS樹脂にはSBR(スチレンブタジエンゴム)などを混ぜて使用する事がある。
【0048】
上記インクの前記樹脂成型物の外表面、場合によっては内表面への本発明の実施形態における実施可能な印刷方法は現在行われている印刷方法総て実施可能である。以下に印刷方法の例を述べる。
【0049】
印刷法としては、例えば平版印刷、凸版印刷、凹版印刷、スクリーン印刷(シルクスクリーン印刷)、パッド印刷、タンポ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、水転写、インクジェットなどがあり、必要に応じて最適な印刷方法が採用される。
【0050】
すなわち、印刷は、主に情報を提供するための文字、記号または図形などを表示するもので、インクとしては、熱可塑性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂/酢酸ビニル樹脂、ロジンエステルなどが用いられ、スチレン変性アクリル樹脂を用いる場合は耐薬品性を高めるための手当てが必要である。
【0051】
印刷用インク樹脂の重量平均分子量は、1,000〜100,000の範囲のものが用いられ、使用する場合には文字のかすれおよび切れその他の印字適性の観点から、たとえばアクリル樹脂にスチレン変性アクリル樹脂を混ぜて変性させるように、2種類以上の樹脂を混ぜて使用するのが一般的である。
【0052】
また印刷中におけるインクの乾きを防止する目的で、溶剤としては、一般的には、150°C以上のものを、夏場などの作業雰囲気温度が高い場合には200°C以上の高沸点のものが使用されることが多い。
【0053】
さらに印刷に先立ち前記成型品の表面全体に塗装を施す場合における塗装は、スプレーガンを用いた「吹き付け塗装」が用いられている。該吹き付け塗装としては、例えば、静電塗装、スプレー塗装、エアースプレー塗装、エアーレススプレー塗装、エアーレスエアー塗装などである。
【0054】
それ以外に例えば、刷毛塗り塗装、ローラーブラシ塗装、浸漬塗装、遠心力塗装、カーテンフローコータ塗装、シャワーコート、ロール塗装、、しごき塗装、粉体塗装、高温および低温粉体溶射塗装、流動浸漬、射出成形転写塗装法などでも塗装することができる。
【0055】
また射出成形加工時に金型内に塗料を注入して塗装する方法、例えば金型を開かずにコーティング材料を注入し塗装を行う方法としては高圧インモールドコーティング、HPIMC法と称せられる技術開発が行われている。
【0056】
さらに、塗料(粉末)を最初に、次に通常の成形材料(コア材)を射出することによって射出同時塗装をする方法で、Battenfeld社、Warwick社、Evode社、Rober社などが開発を実施しており、GIPT法、粉末射出塗装技術と呼ぶ。
【0057】
一般的には、印刷用のインクは上述したように、粘度の調整を行った物が用いられる。粘度の調整には上述したように粘着剤が添加されるが、インク膜の摩耗性や耐薬品性を向上させる為に、高分子量の樹脂を用いる場合がある。このような高分子量の樹脂を用いた場合には、印刷時に「糸引き」が生ずる。これら「糸引き」の問題を解決する手段としては、同一あるいは異質の低分子量の樹脂を一部加えたり、あるいは高沸点溶剤を加えたりすることで、前記「糸引き」を回避することができる。
【0058】
実際に重量平均分子量Mw=280、000〜290、000程度のPS樹脂を用いて作ったインク♯25や、重量平均分子量Mw=190、000程度のAS樹脂を用いて作ったインク♯35を用いて、HIPS樹脂成型品にはインク♯35で、ABS樹脂成型品にはインク♯25で、それぞれ印刷したところ前記「糸引き」が生じ、該「糸引き」で半乾燥状態にインクが成型品の静電気によって引きつけられて、成型品を汚す場合があった。
【0059】
そこで、この「糸引き」の問題を解決する手段として、HIPS樹脂、ABS樹脂それぞれに対して、相容(溶)性を示重量平均分子量Mw=30,000程度のスチレン変性アクリル樹脂をそれぞれのインクを構成する樹脂の重量割合にして10〜30%をそれぞれ添加して変性した変性インク♯35、変性インク♯25を用いて印刷を実施したところ、前記「糸引き」の現象は回避された。
【0060】
またそれ以外には、希釈溶剤としてイソホロンなどの高沸点を使用しても、前記「糸引き」の現象が回避されることが確認されている。
以上のことより、印刷の作業性には、インクの粘度や分子量と溶剤の関係が重要となる。よって印刷用インクに使用する樹脂は印刷適性と印刷作業のバランスを考慮した、分子量の樹脂、増粘剤、溶剤の選択が重要となる。
【0061】
インクまたは塗料によって表面が印刷または塗装された熱可塑性樹脂成型品の再生方法および再生装置は、粉砕装置を用いて、これらを投入して引き続く混練過程に適する大きさに粉砕し得るものが採用される。
【0062】
また成型品を構成する樹脂とインク膜または/および塗膜を構成する樹脂とが、互いに親和性を持っているから、混練装置は、サージング現象が発生しない程度に背圧を保持すればよい。その為には多軸押し出し機、NCM、ブスニーダー(ブスコニダー)などのように混練度が高く剪断力を加える装置の使用は出来るが高混練する必要はなく、一般的には単軸の押し出し機で十分である。
【0063】
また、単軸押し出し機に用いるスクリュー形状と種類には関係が無くネジピッチが一定のものや、供給部からメタリング部へとネジピッチが徐々に減少するピッチ漸減型などいずれも使用が可能である。当然のことながら、高混練性で剪断力の高い押し出し機、たとえば、多軸の押し出し機、NCMなどもなんら問題なく用いることが出来る。
【0064】
また、上記インクまたは塗料の組成物(配合)について、以下説明する。
インクの粘度を、印刷適性に合った粘度に調整するために添加されるものに増粘剤がある。それらを例示すると、天然型のものとして、ニカワ、コラーゲン、コラーゲンを酸、アルカリあるいは熱水で処理して得られた可溶性蛋白質、ゼラチン、カゼイン、デキストリン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ビドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、アラビアゴム、トラガントガム、プルランやデキストランなどの種類などがある。
【0065】
それ以外には、上述したように、高分子量の樹脂や、シリコンオイル、流動パラフィン、ポリビニルアルコール、ロジンなどの天然型高分子の樹脂、天然ゴム、ラテックス、ニトリルゴムやクロロプレンゴムなどの合成ゴム、カオリン、有機ベントナイト、水ガラス、けん化物PVA、ポリアクリル酸、イソブチレン、無水マレイン酸共重合体、漆、ニトロセルロース、酢酸セルロースなどがあげられている。
これら増粘剤も、成型品の主成分である熱可塑性樹脂、インクを構成する熱可塑性との親和性や相容(溶)性をもつことが必要である。
【0066】
上記インクまたは塗料に用いることができる「溶剤」は、例えば、以下のとおりである。
炭化水素系では、ノルマルヘキサン、低芳香族含有ミネラルスピリット、トルエン、キシレン、ターペン油、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどがある。
【0067】
アルコール系では、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ノルマルブタノール、イソブタノール、第2ブタノール、第3ブタノール、メチルイソブチルカルビノールなどがある。
【0068】
エ−テルアルコール及びエーテル系では、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、ターシャリーブチルセロソルブ、3メチル3メトキシブタノール、メチルカルビトール、カルビトール、ブチルカルビトールなどがある。
【0069】
エステル及びエーテルエステル系では、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、酢酸メチルセロソルブ、酢酸セロソルブ、酢酸ブチルセロソルブ、酢酸メトキシブチル、酢酸カルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどがある。
ケトン系では、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、ジイソブチルケトン、イソホロンなどがある。
その他として、水、ジメチルホルムアミドなどがある。
【0070】
その他超臨界流体や二酸化炭素、He、Ne、Ar、窒素ガスなどの不活性ガス、LPG、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、などの可燃性ガス、空気、酸素、塩素などの示燃性ガス(助燃性ガス)を液化した液化ガスなどがある。
【0071】
【実施例】
以下に本発明の実施例について説明する。
印刷成型品、その再生方法およびその再生用インクに関する実施例について説明する。
【0072】
(第1実施例)
第1実施例の印刷成型品および再生方法は、射出成形用樹脂{旭化成工業(株)製のABS樹脂(商品名:スタイラック191F ホワイト)}を用いて、射出成形機と金型で成形加工した射出成型品に、表2に示す配合の全量を3本ロールで粒度が10μmになるまで分散して作成しておいたシルク印刷用のインク#35(色:赤)を用いて、前記成型品の外表面に対して、270メッシュのテトロン製スクリーンので、大きさが50mm×30mmのベタ印刷を5カ所行った。
前記シルク印刷用インク#35は、粒度10μm以下で、十分な粘度が出るまで分散させ、溶剤などを加えて印刷適性が十分なように粘度調整されている。
【表2】
【0073】
この様にして得られた成型品上のインクの印刷適性とインク膜性能は、表3に示すような結果を得た。表3におけるそれぞれの試験方法は、表4による。
【表3】
【表4】
【0074】
表3において、*1)は、はじめて成形加工に用いた成形加工用樹脂(バ−ジン材と呼ばれる、材料の製造メーカーより購入した成形材料)を用いて成形加工した成型品に、シルク印刷を実施したときの印刷適性、インク膜性能の試験の結果を示した。
【0075】
表3において、*2)は、バ−ジン材を用いて成形加工した成型品にシルク印刷を行ったものを、再び粉砕し、ペレット化した成形材料を用いて成形加工した成型品に、再びシルク印刷を行ったときの印刷適性、インク膜性能の試験の結果を示した。
【0076】
上記インクでベタ印刷された成型品を、再び粉砕機を用いて20mm以下に粉砕したものを、押し出し機しを用いて押し出した。シリンダーの設定温度はヘッドより255℃、250℃、245℃、235℃の設定であった。
【0077】
次にペレタイザーを用いてペレット化(ペレットの大きさは、φ1.6mm〜φ2.1mm、長さ3.5mm程度)し、該ペレット化した物を用いて再び成形加工を行ったが、成形品の外観には、赤インクの異物は確認されなかった。
【0078】
(第2実施例)
本第2実施例の印刷成型品および印刷方法は、前記第1実施例と同一の樹脂材料、成形機および工程にて製造した成型品に、表5に示す配合で前記第1実施例に示すインク製法により作成されたシルク印刷用のインク#15を、第1実施例と同じスクリーンにてベタ印刷を5カ所行った。同成型品上のインク膜の評価結果を表6に示す。
【表5】
【表6】
表6におけるそれぞれの試験方法は、表4による。
表6中の*1)、*2)の内容についても第1実施例と同様である。
【0079】
次に前記第1実施例と同様にペレット化し、該ペレット化した物を用いて再び成形加工を行ったが、成形品の外観には、赤インクの異物は確認されなかった。
【0080】
(第3実施例)
第3実施例の印刷成型品および再生方法は、射出成形用樹脂{旭化成工業(株)製のHIPS樹脂(商品名:スタイロン492 色:ホワイト)}を用い、前記第1実施例と同一の成形機および工程にて製造した成型品に、表7に示す配合で第1実施例に示すインク製法により作成されたシルク印刷用のインク#25を、第1実施例と同じスクリーンにてベタ印刷を5カ所行った。同成形品上のインク膜の評価結果を表8に示す。
【表7】
【表8】
表8におけるそれぞれの試験方法は、前記表4による。
また表8中の*1)、*2)の内容は前記第1実施例と同様である。
【0081】
次に前記第1実施例と同様にペレット化し、該ペレット化した物を用いて再び成形加工を行ったが、成形品の外観には、赤インクの異物は確認されなかった。
【0082】
(第4実施例)
第4実施例の印刷成型品および再生方法は、射出成形用樹脂{旭化成工業(株)製のHIPS樹脂(商品名:スタイロン492 色:ホワイト)}を用い第3実施例と同一の成形材料、成形機、工程にて製造し、インク#15を用いて、第1実施例と同様にスクリーン印刷した成型品のインク膜の評価結果を表9に示す。表9における試験方法は表4による。
また表9における*1)、*2)の内容は実施例1と同様である。
【表9】
【0083】
次に前記第1実施例と同様にペレット化し、該ペレット化した物を用いて再び成形加工を行ったが、成型品の外観には、赤インクの異物は確認されなかった。
【0084】
プラスチックの成形加工において発生する不良現象について、以下に述べる。
〈1〉原因がはっきりしないため対策の取りにくい成型品不良現象として、以下のようなものがある。
(1) 焼け不良(成形機加熱塔内で樹脂或いは添加物が酸化してしまったことにより発生)
(2) 汚染・異物不良(樹脂の炭化物等が現れた物)
(3) シルバー・ストリーク(揮発性の物質が成型品表面で気化してしまい発生)
(4) ブラックストリーク
(5) 光沢不良
(6) フローマーク(溶融樹脂の流れか変わった場合に発生)
(7) 色むら(先行の成形樹脂の色が混じってしまった物)
(8) ウエルドマーク(樹脂の衝突が起こる場所に発生)
(9) ウエルドライン(樹脂の衝突が起こる場所に発生)
(10) 曇り
【0085】
〈2〉金型の改良、または成型品の形状変更により改善が可能な成型品不良現象として、以下のようなものがある。
(11) バリ
(12) ショート・ショット(樹脂の未充填)
(13) ひけ(樹脂の体積収縮が大きくて表面が窪んだ様になった物)
(14) 気泡(バッブル)
(15) ジェッテング
(16) クレージング、クラッキング
(17) ソリ、ネジレ
(18) 寸法のばらつき
(19) 剥離
(20) きず
(21) 割れ
【0086】
上記不良現象の発生している成型品は一般的には使用上で問題があるので一般には廃棄される場合が多い。これらの不良現象のうちで特に上記(1)から(10)の不良の発生している成型品は表面を塗装する事で使用出来る場合がある。しかし、一般にはこの時に用いる塗料は熱硬化性樹脂によって出来ている物が多くてリ・ペレットする場合に塗膜が問題となってリ・ペレット出来ない場合が多いが、上述した様に塗膜を剥離すれば、リ・ペレットすることも出来る。
【0087】
しかし、本発明の各実施例の再生方法を用いれば、これらの不良品を被覆して塗装することで、良品にすることが出来るので、成形材料の歩留りを向上することができる。従来一般的には、不良の成型品は埋め立てをしたり、燃やしたりして処分をしているが、本発明によれば、不良品を良品として再利用出来るため、環境問題にも一翼を担うことになる。
【0088】
以下に、成型用樹脂と塗料の組合せが異なる実施例における成形回数、及びリサイクル回数の各サイクル(ターン)での各不良現象の発生個数を示す。
【0089】
(第5実施例)
第5実施例の印刷成型品の再生方法および再生装置は、ABS樹脂成型品の表面および裏面に印刷する点に特徴がある。
【0090】
2サイクル目のABS樹脂成型品の表面全体を、前記塗料#10を用いて塗装し、インキ#15(表10)を用いて、表面の隅に例えば生産販売会社を示すロゴマークをシルク印刷し、前記成型品の裏面(塗装が施してない面)に前記インキ#35を用いて、タンポ印刷(パッド印刷)によって、「成型品を構成する樹脂と、親和性を持った塗料、インキによって塗装、印刷が施してあるので、塗膜剥離や印刷の除去は行わずにリサイクルが可能な成型品」と注記した。
【表10】
【0091】
また、前記インキ#15によって、前記と同様タンポ印刷で、成型品を構成する樹脂の種類、塗膜、インク膜を構成する樹脂の種類、製品重量、リサイクルの回数,リサイクルのリサイクル履歴,ULファイルNoなどのリサイクルに必要な情報をバーコードで印刷した。これらの情報は成型品の裏面もしくは機能上問題がなければ表面にも可能である。
【0092】
さらにバーコードは、前記コード以外にも、2次元バーコードなども用いることが出来る。前記印刷したバーコードはバーコードリイダーによって読みとりは出来た。
【0093】
前記成型品を、粉砕機、押し出し機、ペレタイザーでリサイクルして再ペレットを得た。このペレットを用いて、射出成型機で成形加工したところ、前記実施例と同様インキ膜が原因と思われる赤色,黒色の異物不良、シルバーストリーク,色むら,曇りなどの不良現象は、バージン材での成形加工と差はなかった。
結果を表10に示す。
【表10】
【0094】
(第6実施例)
第6実施例は、印刷成型品用の再生インクを構成する樹脂と成型品を構成する樹脂との親和性を検討するため、実施したゴバン目試験の評価結果を示すものである。
【0095】
すなわち、本発明者らは成型品表面に印刷を施し、JIS規格 K5400
8.5.2に準じてゴバン目試験を行い、親和性の評価をした。結果を示す表12(表12−1、表12−2)によれば、成型品を構成する樹脂としてのHIPS、スチレン変性PPO、ABS、PC、硬質塩化ビニルについては、図5および図6に示されるように多数の塗料用樹脂と親和性を示すが、前記従来技術においてインクを構成するPVB(♯144)、ポリアミド(♯129)、アクリル樹脂(♯102、♯128、♯151の樹脂)は、前記シート20を構成するポリオレフィン系のPP(またはPE)とは、親和性すなわち被着性をもたないことが、図7、図8および表11からも明らかである。
【表11】
【0096】
図5において、成型品を構成するHIPS樹脂中のPS樹脂中にインク膜を構成する熱可塑性アクリル樹脂が均一に単分散している。
図6において、成型品を構成するABS樹脂中のAS樹脂中にインク膜を構成する熱可塑性アクリル樹脂が均一に単分散している。
図7および図8において、成型品を構成するPP樹脂中のPP樹脂中にインク膜を構成する熱可塑性アクリル樹脂が分散しておらず、しかもアクリル樹脂の一部には穴があいており、親和性を示さないことが理解できる。このことから、前記従来技術においてインクを構成するアクリル樹脂は、前記シート20を構成するポリオレフィン系のPP(またはPE)とは、親和性すなわち付着性をもたないことが、明らかである。
【0097】
さらにインクを構成する熱可塑性樹脂10部に対して、成型品の主成分をなす樹脂90部を混合して得られた混合樹脂を用いて射出成形した成型品において、JIS規格 K5400 8.5.2に準じて実施したゴバン目試験の結果を表13に示した。
【表12】
【0098】
表12から明かなように、前記ポリオレフィン系の樹脂に対して親和性を持つ樹脂は、前記ポリオレフィン系の樹脂と分子構造が同一な骨格、あるいは類似する骨格を持つ樹脂は、例えば塩素化ポリプロピレン樹脂(♯113、♯132、♯133)である。
【0099】
全く分子構造が異なるアクリル樹脂(PMMA)、あるいはアクリル樹脂を変性した♯104♯121、♯10、♯149などは全く親和性を示さないことが分かる。
【0100】
(第7実施例)
第7実施例の印刷成型品用の再生用インクは、再生用インクとして調合した各種インク(♯15、♯25、♯35、♯102、♯113、♯132、♯149)の配合比、溶剤、インク膜性能の評価結果、およびリサイクル適正を評価し、その結果を表13に示す。
【表13】
【0101】
(第8実施例)
第8実施例の印刷成型品用の再生用インクは、再生用インクとして2つの樹脂をブレンドして調合した各種インク(♯2515、♯3515、♯10215、♯25149、♯35149、♯102149)の配合比、溶剤、インク膜性能の評価結果、およびリサイクル適正を評価し、その結果を表15に示す。
【表14】
【0102】
すなわちインク♯2515は、樹脂25を7、樹脂15を3.5の重量割合でブレンドしたものである。
インク♯3515は、樹脂35を7、樹脂15を3.5の重量割合でブレンドしたものである。
インク♯10215は、樹脂102を17.5、樹脂15を17.5の重量割合でブレンドしたものである。
インク♯25149は、樹脂25を7、樹脂149を3.5の重量割合でブレンドしたものである。
インク♯35149は、樹脂35を7、樹脂149を3.5の重量割合でブレンドしたものである。
インク♯102149は、樹脂102を17.5、樹脂149を17.5の重量割合でブレンドしたものである。
【0103】
なおインク用に使用する希釈剤S6の 配合割合を表15に示す。
【表15】
【0104】
上述の実施形態および実施例は、説明のために例示したもので、本発明としてはそれらに限定されるものでは無く、特許請求の範囲、発明の詳細な説明および図面の記載から当業者が認識することができる本発明の技術的思想に反しない限り、変更および付加が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】スチレン変性アクリル樹脂とABS樹脂との親和性の状態を示す電子顕微鏡写真の写しである。
【図2】スチレン変性アクリル樹脂とHIPS樹脂との親和性の状態を示す電子顕微鏡写真の写しである。
【図3】比較例における熱硬化性ウレタン樹脂とABS樹脂との非親和性の状態を示す電子顕微鏡写真の写しである。
【図4】比較例における熱硬化性ウレタン樹脂とHIPS樹脂との非親和性の状態を示す電子顕微鏡写真の写しである。
【図5】熱可塑性アクリル樹脂とHIPS樹脂との親和性の状態を示す電子顕微鏡写真の写しである。
【図6】熱可塑性アクリル樹脂とABS樹脂との親和性の状態を示す電子顕微鏡写真の写しである。
【図7】比較例における熱可塑性アクリル樹脂とPP樹脂との非親和性の状態を示す電子顕微鏡写真の写しである。
【図8】比較例における熱可塑性アクリル樹脂とPP樹脂との非親和性の状態を示す電子顕微鏡写真の写しである。
【表11】 【表11】
Claims (5)
- 熱可塑性樹脂を主成分とする成型品と、
該成型品の表面の一部に印刷されたインク膜から成る印刷成型品であって、
該印刷成型品を粉砕して成形され再生された再生成型品によって構成された前記成型品において、
該インク膜を構成する樹脂が前記成型品を構成する樹脂と少なくとも双方の界面あるいは境界領域にて互いに親和性をもち、前記成型品の主成分である熱可塑性樹脂と混ぜ合わせて繰り返し成形可能な熱可塑性樹脂によって構成されているとともに、透過型電子顕微鏡で観察した場合に前記成型品の主成分である熱可塑性樹脂中に剥がれなく分散している
ことを特徴とする印刷成型品。 - 成型品の表面に該成型品を構成する前記熱可塑性樹脂と混ぜ合わせて繰り返し成形可能な熱可塑性樹脂によって構成されたインク膜が一部に印刷された前記印刷成型品を粉砕し、
粉砕あるいはペレタイズされた該印刷成型品により型を用いて成形し、
成形され再生され、インク膜を構成する樹脂と前記成型品を構成する樹脂が、少なくとも双方の界面あるいは境界領域にて互いに親和性をもち、前記成型品の主成分である熱可塑性樹脂と混ぜ合わせて繰り返し成形可能な熱可塑性樹脂によって構成されているとともに、透過型電子顕微鏡で観察した場合に前記成型品の主成分である熱可塑性樹脂中に剥がれなく分散している該成型品に対して、該成型品を構成する前記熱可塑性樹脂と混ぜ合わせて繰り返し成形可能な熱可塑性樹脂によって構成されたインクを印刷する
ことを特徴とする印刷成型品の製造方法。 - 請求項1において、
前記成型品の主成分である前記熱可塑性樹脂が、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、アミノ系樹脂、オレフィン系樹脂、エステル系樹脂に属する樹脂またはそれに類する樹脂の少なくとも1つによって構成されているとともに、
前記インク膜を構成する前記熱可塑性樹脂が、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、アミノ系樹脂、オレフィン系樹脂に属する樹脂に属する樹脂またはそれに類する樹脂の少なくとも1つによって構成されている
ことを特徴とする印刷成型品。 - 請求項3において、
前記成型品の主成分である前記熱可塑性樹脂が、ハイインパクトポリスチレン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ナイロン樹脂、硬質塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、の少なくともいずれか1つによって構成されているとともに、
前記インク膜を構成する前記熱可塑性樹脂が、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂、アクリル樹脂、スチレン変性アクリル樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂およびその他のいずれか1つまたは少なくともいずれか2つによって構成されている
ことを特徴とする印刷成型品。 - 請求項1において、
該成型品の表面に塗装された塗膜を備え、
前記インク膜が、前記成型品の前記塗膜表面の一部に印刷されており、
前記塗膜およびインク膜を構成する樹脂と前記成型品を構成する樹脂が、少なくとも双方の界面あるいは境界領域にて互いに親和性をもち、前記成型品の主成分である熱可塑性樹脂と混ぜ合わせて繰り返し成形可能な熱可塑性樹脂によって構成されているとともに、透過型電子顕微鏡で観察した場合に前記成型品の主成分である熱可塑性樹脂中に剥がれなく分散している
ことを特徴とする印刷成型品。
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