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JP3830831B2 - レーザ加工方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ加工方法に関し、特に少なくとも2層を有する積層構造にレーザビームを入射させ、上層を貫通する穴を開けるレーザ加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属層上に形成された樹脂層に、紫外領域のパルスレーザビームを集光させて穴あけ加工を行う方法が知られている。この方法によると、紫外レーザビームのエネルギによって樹脂層がアブレーションされることにより穴あけ加工が行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
アブレーションにより所望の深さの穴あけを行うためには、一カ所に複数ショットのパルスレーザビームを照射しなければならない。また、樹脂層の下の金属層も紫外領域の光をある程度吸収するため、パルスレーザビームを過剰に照射すると、金属層の一部が溶融する場合がある。
【0004】
装置の取り扱いの便利さを考慮すると、気体レーザ発振器よりも固体レーザ発振器を使用することが好ましい。ところが、固体レーザ発振器を用いて紫外領域のレーザビームを得るためには、非線形光学結晶を用いて高調波を発生させなければならない。このため、レーザビームのエネルギ利用効率が低下する。
【0005】
本発明の目的は、固体レーザ発振器の使用に適したレーザ加工方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の一観点によると、第1の層の表面上に第2の層が形成された積層基板を準備する工程と、前記第2の層を透過し、前記第1の層と第2の層との界面で反射し、レーザビームの入射した領域の第2の層を該第1の層から剥離させる性質を有する該レーザビームを、該第2の層の表面から前記積層基板に入射させ、該第2の層の一部を該第1の層から剥離させる工程とを有するレーザ加工方法が提供される。
【0007】
本発明の他の観点によると、第1の層の表面上に第2の層が形成された積層基板を準備する工程と、前記第2の層を透過し、前記第1の層の表層部のビーム入射部が除去され、該第1の層が除去された領域及びその周囲のある広さの領域上の前記第2の層を該第1の層から剥離させる性質を有するレーザビームを、該第2の層の表面から前記積層基板に入射させ、該第2の層の一部を剥離させる工程とを有するレーザ加工方法が提供される。
【0008】
本発明の他の観点によると、第1の層の表面上に第2の層が形成された積層基板を準備する工程と、前記第2の層を透過し、前記第1の層の表面で反射し、レーザビームの入射した領域の第2の層が該第1の層から浮き上がる性質を有するレーザビームを、該第2の層の表面から前記積層基板に入射させ、該第2の層の一部を浮き上がらせる工程と、前記第2の層のうち、前記第1の層から浮き上がった部分を除去する工程とを有するレーザ加工方法が提供される。
【0009】
上述の第1の層は、銅、アルミニウム、金、銀、パラジウム、ニッケル、チタン、タングステン、プラチナ、モリブデンからなる群より選ばれた1つの金属、もしくは前記の群から選ばれた少なくとも2つの金属を含む合金で形成されている。第2の層は、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、テトラフルオロエチレンポリマ、BTレジン、ベンゾシクロブテンからなる群より選択された1つの樹脂を主成分とする。
レーザビームが第1の層と第2の層との界面で反射するため、第1の層に与えるダメージを少なくし、第2の層に穴を形成することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1(A)に、本発明の実施例によるレーザ加工方法で用いられるレーザ加工装置の概略図を示す。レーザ光源1がパルスレーザビームを出射する。レーザ光源1から出射したパルスレーザビームは、集光レンズ2に入射する。XYステージ3の可動面上に加工対象物4が保持されている。集光レンズ2により収束されたレーザビームが、XYステージ3に保持された加工対象物4の表面に入射する。
【0011】
レーザ光源1として、波長1047nm、パルス幅10psのNd:YLFレーザ発振器、及び波長1047nm、パルス幅15nsのNd:YLFレーザ発振器を用いた。集光レンズ2として、焦点距離50〜400mmの種々の平凸レンズを用いた。加工対象物4の表面上でビームスポット径が最小になるように、集光レンズ2と加工対象物4との間の距離が調節されている。
【0012】
図1(B)に示すように、レーザ光源1と集光レンズ2との間にアイリス5を配置し、ビーム断面形状を成形してもよい。また、XYステージ3の可動面を水平に配置し、折返しミラー6でレーザビームを鉛直下方に反射させてもよい。なお、アイリス5のかわりに、ビーム断面成形用のマスクやピンホールを使用することもできる。
【0013】
次に、図2を参照して、本発明の実施例によるレーザ加工方法について説明する。
図2(A)は、実施例によるレーザ加工方法で加工されるプリント基板の断面図を示す。ガラスエポキシ基板10の表面上に金属層11が形成され、その上に樹脂層12が形成されている。金属層11は、例えば、銅、アルミニウム、金、銀、パラジウム、ニッケル、チタン、タングステン、プラチナ、モリブデン、またはこれらの金属の合金で形成される。樹脂層12は、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、テトラフルオロエチレンポリマ、BTレジン、ベンゾシクロブテン等で形成される。また、無機系のフィラーを練り込んで樹脂を形成するものもある。
【0014】
図2(B)に示すように、樹脂層12の表面から、プリント基板にパルスレーザビーム15を、1ショットだけ入射させる。パルスレーザビームは樹脂層12を透過し、金属層11の表面で反射する。本願発明者らは、入射させるパルスレーザビームの条件を制御すると、樹脂層12のうち、レーザビームの入射した部分が、金属層11から剥離することを見出した。図2(B)は、樹脂層12の剥離した部分が、プリント基板から完全に除去されている。
【0015】
図2(C)に示すように、樹脂層12の剥離した部分が金属層11から浮き上がった状態で、プリント基板上に残留する場合もある。浮き上がった部分12aと剥離していない部分との境界に亀裂が発生している。プリント基板の表面に粘着テープを貼り付け、浮き上がった部分12aが粘着テープに付着した状態で粘着テープをプリント基板から剥がすことにより、浮き上がった部分12aをプリント基板から容易に取り除くことができる。
【0016】
次に、図3を参照して、実施例による方法でレーザ加工を行った実験結果について説明する。照射したレーザビームは、波長1047nm、パルス幅15ns、パルスエネルギ180μJ/パルスのNd:YLFレーザである。また、図1(A)に示した集光レンズ2として、焦点距離100mmの平凸レンズを用いた。プリント基板の金属層11は銅で形成され、その厚さは数十μmである。樹脂層12は、ベンゾシクロブテンで形成されている。
【0017】
図3は、プリント基板の表面の4箇所に1ショットずつパルスレーザビームを入射させた後の基板表面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真をスケッチした図である。4箇所のいずれにおいても、加工された領域のほぼ中心に小さな窪みが観測される。この窪みは、銅がレーザ光照射により溶融したことで生じたものと考えられる。この窪みの大きさは、ビームスポットの大きさや基板表面におけるビームのフルエンスに依存すると考えられる。小さな窪みの径は約20μmであると思われる。
【0018】
図3の右上の加工領域においては、樹脂層が完全に除去され、底面の直径約100μm、開口部の直径約180μmの凹部が形成されている。凹部の底面には銅層が露出しており、その中心部に銅が溶融したことにより形成されたと思われる窪みが観測される。
【0019】
図3の右上以外の3箇所の加工領域においては、樹脂層が完全には除去されておらず、浮き上がった状態になっている。右下の加工領域においては、ビームスポットの周囲を1周する円周状の亀裂が発生している。左下の加工領域においては、ほぼ半円周状の亀裂が発生しており、左上の加工領域においては、亀裂がほとんど観測されない。プリント基板の表面に粘着テープを貼り付けて剥がすと、図3の右下、左下の加工領域においては、樹脂層の浮き上がり部分が基板から取り除かれた。
【0020】
プリント基板に入射するパルスレーザビームのビームスポットに比べて、樹脂層の除去される領域は広い。また、1ショットで樹脂層の一部が銅層から剥離する。樹脂層の一部が浮き上がり、または除去される原理は明らかではないが、上述の理由から、アブレーション以外の原理により樹脂層が除去されていると思われる。樹脂層の剥離した領域の面積(樹脂層に形成された凹部の底の面積、すなわち樹脂層と銅層との界面で露出した銅層表面の面積)が、照射したパルスレーザビームの樹脂層表面におけるビームスポットの面積の1.2倍以上になる場合には、銅層のアブレーション以外の原理により、樹脂層が剥離していると考えられる。
【0021】
次に、図4を参照して、実施例による方法でレーザ加工を行った他の実験結果について説明する。照射したレーザビームは、波長1047nm、パルス幅10ps、パルスエネルギ120μJ/パルスのNd:YLFレーザである。また、図1(A)に示した集光レンズ2として、焦点距離100mmの平凸レンズを用いた。ビームスポット径の最小となる位置を、銅層と樹脂層との界面から銅層側にややずらし、かつビームスポットが楕円になるように光学系を調節した。ビームスポットの長軸は約60μm、短軸は約40μmである。プリント基板の金属層11は銅で形成され、その厚さは数十μmである。樹脂層12は、ベンゾシクロブテンで形成されている。
【0022】
図4に示したように、樹脂層の一部が完全に除去されて楕円状の開口部を有する凹部が形成された。凹部の底面には銅層の表面が露出しており、露出した銅層の表面にアブレーション等のダメージは観察されなかった。凹部の開口部の長軸は約300μmであり、短軸は約200μmであった。このように、レーザビームのパルス幅及びスポットサイズを調節することにより、銅層にダメージを与えることなく樹脂層を部分的に除去することができる。また、ビームスポットの形状を楕円状にすることにより、樹脂層の除去された凹部の開口部を楕円状にすることができる。
【0023】
次に、実施例による方法でレーザ加工を行った別の実験結果について説明する。照射したレーザビームは、波長1047nm、パルス幅15ns、パルスエネルギ0.3〜10mJ/パルスのNd:YLFレーザである。また、図1(B)に示した集光レンズ2として、焦点距離100mmの平凸レンズを用い、アイリス5のかわりにピンホールを使用した。
【0024】
まず、加工対象物として、金属層11が厚さ18μmの銅で形成され、樹脂層12が厚さ35〜60μmのエポキシ樹脂で形成されている種々のプリント基板を用いた。ピンホール及び集光レンズ2によって、プリント基板表面におけるビームスポットが直径500μmの円形になるように、ビームを集光した。
【0025】
プリント基板のエポキシ樹脂層に、パルスエネルギを変えながらレーザビームを1ショットずつ入射させ、穴が形成されるフルエンス(J/cm2)を調べた。ここでいうフルエンスとはプリント基板のエポキシ樹脂層表面におけるレーザビームのフルエンスを意味する。その結果、エポキシ樹脂層が厚さ35〜60μmであるプリント基板の場合、0.35J/cm2以上のフルエンスで穴が形成できた。
【0026】
上記範囲のフルエンスで穴が形成されるのは、パルス幅15nsの場合の実験結果である。しかし、ナノ秒やピコ秒のオーダーのパルス幅においては、パルス幅の穴形成への寄与は無視できる。
【0027】
続いて、加工対象物に、金属層11が厚さ3μmのアルミニウムで形成され、樹脂層12が厚さ10μmのポリイミド樹脂で形成されている基板を使用した。ただし、照射したレーザビームのパルスエネルギは、0.3〜2mJ/パルスとした。また、プリント基板表面におけるビームスポットが直径90μmの円形になるように、ビームを集光した。
【0028】
前述の場合と同様に、穴の形成されるフルエンス(J/cm2)を調べた。ここでいうフルエンスとは、プリント基板のポリイミド樹脂層表面におけるレーザビームのフルエンスを意味する。その結果、ポリイミド樹脂層が厚さ10μmであるプリント基板の場合、12J/cm2以下のフルエンスでは穴は形成されず、14J/cm2以上のフルエンスで穴が形成された。すなわち穴形成の閾値が12J/cm2より大きく、14J/cm2以下の範囲にあることがわかる。上記範囲のフルエンスで穴が形成されはじめるのは、パルス幅15nsの場合の実験結果である。しかし、パルス幅がナノ秒やピコ秒のオーダーではパルス幅による穴形成の閾値の変化は無視できる。
【0029】
ポリイミド樹脂層の厚さが10〜50μmであれば、レーザビーム1ショットによる加工ができるだろう。ビームがポリイミド樹脂層とアルミニウム層との界面に到達することに端を発して、穴は形成される。また、ポリイミド樹脂層がビームを吸収する割合は低い。したがって、10〜50μmの厚さのポリイミド樹脂層であれば、ポリイミド樹脂層の厚さの増加や、ポリイミド樹脂層中での吸収による損失等で閾値は増加すると考えられるが、その分照射パルスエネルギを大きくすることによって、加工は可能であると考えられる。
【0030】
次に、実施例による方法でレーザ加工を行った更に別の実験結果について説明する。
照射したレーザビームは、波長1047nm、パルス幅15ns、パルスエネルギ430μJ/パルスのNd:YLFレーザである。また、図1(B)に示した集光レンズ2として、焦点距離100mmの平凸レンズを用い、直径0.5mmのピンホールを通過させた後、加工対象物表面におけるビームスポットが直径30μm強の円となるように集光した。縮小率は16である。
【0031】
加工対象物は基板上の配線(金属)を保護しているレジスト皮膜である。ここでは拡張ボードの銅配線上に形成された厚さ5μmのレジスト皮膜にビームを照射した。レジスト皮膜は硬化性エポキシで形成されている。
【0032】
レーザビームを1ショット入射させると、レジスト皮膜にほぼ円形の穴が開き、その部分のレジスト皮膜を除去することができた。開口部の直径は約120μmであった。
【0033】
また、パルスエネルギを100μJ及び1.5mJにした場合も、レジスト皮膜に穴が形成され、その部分の皮膜が除去された。更に、パルスエネルギ630μJのレーザビームを、一辺5mmの角型マスクで断面成形してレジスト皮膜に照射すると、角部が丸くとれた四角形に皮膜を除去することができた。
【0034】
従来、このレジスト皮膜は機械的に剥ぎ取られている。しかし基板の細密化が進む将来、レーザによる微細加工も必要になると考えられる。基板レジスト皮膜の除去をNd:YLFレーザの基本波で行う方法は、微細な加工から大面積の加工までを可能とする。また、1ショットで皮膜除去の加工を行うことができるので、高い加工効率を得ることができる。更に、Nd:YAGレーザの基本波、Nd:YLFレーザの2倍高調波及びNd:YAGレーザの2倍高調波を照射してもレジスト皮膜を除去することができる。
【0035】
レーザビームの波長が800〜3000nmの赤外領域であれば、上記実施例と同様の現象により樹脂層の一部を剥離させることができるであろう。
上記実施例では、波長1047nmの赤外領域のレーザビームを用いた。次に、これらのパルスレーザビームの2倍高調波(波長523nm緑色光)を用いて同様のレーザ照射を行った。
【0036】
波長523nm、パルス幅15ns、パルスエネルギ100μJ/パルスのレーザビームを用いた時には、上記実施例と同様の現象が生じ、樹脂層を除去することができた。パルス幅を10psにすると、樹脂層を除去することができなかった。このように、緑色領域のレーザビームを用いても、パルス幅をナノ秒オーダに設定することにより樹脂層を除去することができる。レーザビームの波長が緑色の帯域、特に500〜600nmであり、パルス幅が10〜30nsであり、パルスエネルギが50μJ/パルス以上であれば、樹脂層の一部を剥離させることができるであろう。
【0037】
上記実施例による方法で加工すると、樹脂層の下の金属層に与えるダメージを少なくすることができる。特に、金属層が激しく溶融することはないため、金属層の表面形状を初期状態に近い状態で維持することができる。
【0038】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、相互に異なる材料から2層の上層を透過し、下層の表面で反射するレーザビームを入射させ、レーザビームの性質を調節することにより、上層の一部を下層から剥離させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるレーザ加工方法で用いられるレーザ加工装置の概略図である。
【図2】実施例によるレーザ加工方法で加工されるプリント基板の断面図である。
【図3】実施例によるレーザ加工方法で加工したプリント基板のSEM写真をスケッチした図である。
【図4】実施例によるレーザ加工方法で加工した他のプリント基板のSEM写真をスケッチした図である。
【符号の説明】
1 レーザ光源
2 集光レンズ
3 XYステージ
4 加工対象物
5 アイリス
6 折返しミラー
10 ガラスエポキシ基板
11 金属層
12 樹脂層
12a 浮き上がり部分
15 レーザビーム

Claims (11)

  1. 銅、アルミニウム、金、銀、パラジウム、ニッケル、チタン、タングステン、プラチナ、モリブデンからなる群より選ばれた1つの金属、もしくは前記の群から選ばれた少なくとも2つの金属を含む合金で形成された第1の層の表面上に、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、テトラフルオロエチレンポリマ、BTレジン、ベンゾシクロブテンからなる群より選択された1つの樹脂を主成分とする第2の層が形成された積層基板を準備する工程と、
    前記第2の層を透過し、前記第1の層と第2の層との界面で反射し、レーザビームの入射した領域の第2の層を該第1の層から剥離させる性質を有する該レーザビームを、該第2の層の表面から前記積層基板に入射させ、該第2の層の一部を該第1の層から剥離させる工程と
    を有するレーザ加工方法。
  2. 前記レーザビームがパルス発振した固体レーザ発振器から出射したレーザビームであり、該レーザビームを1ショットだけ入射させて前記第2の層の一部を剥離させる請求項1に記載のレーザ加工方法。
  3. 前記第2の層の一部を剥離させる工程において、前記積層基板に入射するレーザビームは、前記第1の層の表層部でアブレーションを生じさせない性質を有する請求項1または2に記載のレーザ加工方法。
  4. 前記第2の層が厚さ35〜60μmのエポキシ樹脂層であり、前記積層基板に入射させるレーザビームがパルスレーザビームであり、前記積層基板の表面における該レーザビームのフルエンスが0.35J/cm2以上である請求項1〜3のいずれかに記載のレーザ加工方法。
  5. 前記積層基板に入射させるレーザビームがパルスレーザビームであり、前記レーザビームの波長が500〜600nmであり、パルス幅が10〜30nsであり、パルスエネルギが50μJ/パルス以上であり、該レーザビームを前記第2の層内に集光させて加工を行う請求項1〜4のいずれかに記載のレーザ加工方法。
  6. 前記レーザビームの波長が800〜3000nmである請求項1〜4のいずれかに記載のレーザ加工方法。
  7. 前記レーザビームが、Nd:YAGレーザ発振器もしくはNd:YLFレーザ発振器から出射したビームである請求項1〜4のいずれかに記載のレーザ加工方法。
  8. 銅、アルミニウム、金、銀、パラジウム、ニッケル、チタン、タングステン、プラチナ、モリブデンからなる群より選ばれた1つの金属、もしくは前記の群から選ばれた少なくとも2つの金属を含む合金で形成された第1の層の表面上に、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、テトラフルオロエチレンポリマ、BTレジン、ベンゾシクロブテンからなる群より選択された1つの樹脂を主成分とする第2の層が形成された積層基板を準備する工程と、
    前記第2の層を透過し、前記第1の層の表層部のビーム入射部が除去され、該第1の層が除去された領域及びその周囲のある広さの領域上の前記第2の層を該第1の層から剥離させる性質を有するレーザビームを、該第2の層の表面から前記積層基板に入射させ、該第2の層の一部を剥離させる工程と
    を有するレーザ加工方法。
  9. 前記レーザビームは、前記第2の層の剥離する領域の面積が前記第2の層表面における前記レーザビームのビームスポットの面積の1.2倍以上になる性質を有する請求項に記載のレーザ加工方法。
  10. 銅、アルミニウム、金、銀、パラジウム、ニッケル、チタン、タングステン、プラチナ、モリブデンからなる群より選ばれた1つの金属、もしくは前記の群から選ばれた少なくとも2つの金属を含む合金で形成された第1の層の表面上に、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、テトラフルオロエチレンポリマ、BTレジン、ベンゾシクロブテンからなる群より選択された1つの樹脂を主成分とする第2の層が形成された積層基板を準備する工程と、
    前記第2の層を透過し、前記第1の層の表面で反射し、レーザビームの入射した領域の第2の層が該第1の層から浮き上がる性質を有するレーザビームを、該第2の層の表面から前記積層基板に入射させ、該第2の層の一部を浮き上がらせる工程と、
    前記第2の層のうち、前記第1の層から浮き上がった部分を除去する工程と
    を有するレーザ加工方法。
  11. 前記第2の層を除去する工程が、前記第2の層の表面に粘着テープを貼り付ける工程と、
    前記浮き上がった部分が前記粘着テープに貼り付いた状態で前記粘着テープを前記積層基板から剥がす工程と
    を含む請求項10に記載のレーザ加工方法。
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