JP3826295B2 - 車両用電源制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のバッテリを備える車両用の電源制御装置に係り、より詳細には、アイドルストップ中の補機バッテリの充放電を防止することができる車両用電源制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、発電機と、DC/DCコンバータを介して相互接続された低圧バッテリ(補機バッテリ)と高圧バッテリとを備えるハイブリッド車用電源制御装置において、クルーズ走行時やエンジンのアイドル運転時に、DC/DCコンバータの入出力電力量に応じて、発電機の発電量を制御することが知られている(例えば、特許文献1)。この従来技術では、高圧バッテリの充電状態(SOC)が所定の範囲内にあるときは、発電機の発電量はDC/DCコンバータの入出力電力量と同一に設定され、高圧バッテリの充電状態(SOC)が所定の範囲より小さいときは、高圧バッテリへの充電を促進すべく、発電機の発電量はDC/DCコンバータの入出力電力量よりも高い値に設定される。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−318002号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年では、車両が交差点等で一時的に停止したとき、エンジンを自動的に停止させるアイドルストップを実行し、排気ガスの減少や燃費の向上を図る提案がなされている。このようなアイドルストップ時には発電機による発電が実行されないため、各種補機は、補機バッテリ(鉛バッテリ)の寿命を考慮して、補機バッテリとは別に設けられたメインバッテリを電力源として動作する。即ち、アイドルストップ時には、DC/DCコンバータの補機バッテリ側端子の目標出力電圧を指示することで、メインバッテリ側の電圧がDC/DCコンバータで目標出力電圧まで降圧され、各種補機に出力される。
【0005】
しかしながら、DC/DCコンバータの補機バッテリ側端子の目標出力電圧の指示値及び補機バッテリの充電状態の如何によっては、補機バッテリの充放電が行われてしまい、次のような不都合が生ずる。即ち、補機バッテリが充電される場合には、走行時等にDC/DCコンバータを介してメインバッテリに貯めた電気エネルギが再びDC/DCコンバータを介して補機バッテリに貯められることになり、DC/DCコンバータの駆動効率が悪化するという問題点が生ずる。一方、補機バッテリが放電される場合には、補機バッテリから各種補機へ電力供給を行うことになるため、補機バッテリの寿命が低下するという問題点が生ずる。
【0006】
そこで、本発明は、アイドルストップ中の補機バッテリの充放電に起因したDC/DCコンバータの駆動効率の悪化及びそれに伴う燃費の悪化や補機バッテリの寿命の低下を防止することができる車両用電源制御装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、請求項1に記載する如く、アイドルストップを実行する車両で用いる電源制御装置であって、
アイドルストップ中に所定の補機に電力を供給する第1のバッテリと、
前記第1のバッテリと前記所定の補機との間に介在するDC/DCコンバータと、
前記所定の補機に接続されると共に、前記第1のバッテリに前記DC/DCコンバータを介して接続された第2のバッテリと、
前記DC/DCコンバータの少なくとも前記第2のバッテリ側の出力電圧を制御する制御ユニットと、
前記第2のバッテリの電流値を検出する電流センサとを備え、
前記制御ユニットが、アイドルストップ中において、前記電流センサにより検出される電流値が略ゼロになるように、前記DC/DCコンバータの出力電圧を可変制御することを特徴とする、電源制御装置によって達成される。
【0008】
本発明において、第2のバッテリ(補機バッテリ)の寿命の低下を防止すべく、第1のバッテリ(メインバッテリ)は、アイドルストップ中に所定の補機に対して電力供給を行う。この際、制御ユニットは、DC/DCコンバータの第2のバッテリ側の出力電圧を制御する。本発明によれば、DC/DCコンバータの第2のバッテリ側の出力電圧を、第2のバッテリの電流値がゼロになるように可変制御することによって、アイドルストップ中の第2のバッテリの充放電を防止することができる。この結果、アイドルストップ中の第2のバッテリの充放電に起因したDC/DCコンバータの駆動効率の悪化及びそれに伴う燃費の悪化や第2のバッテリの寿命の低下を確実に防止することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例について図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施例である車両用電源制御装置10のシステム構成図を示す。図1に示す如く、車両用電源制御装置10は、マイクロコンピュータにより構成された電子制御ユニット24(以下、「ECU24」と称す)を中心に構成されており、2つのバッテリ12,14を備えている。本実施例では、バッテリ12は、12V程度の電圧を有する鉛バッテリ(補機バッテリ)であり、一方、バッテリ14は、14.4V程度の電圧を有するリチウムイオンバッテリ(メインバッテリ)である。尚、鉛バッテリ12は、リチウムイオンバッテリ14に比して、単位体積当たりに取り出せる出力(出力密度;単位はW/l)が高い一方、単位体積当たりに取り出せるエネルギ(エネルギ密度;単位はWh/l)が低いバッテリである。
【0011】
鉛バッテリ12及びリチウムイオンバッテリ14には、切換スイッチ16を介してスタータ18が接続されている。スタータ18は、車両の動力源として機能するエンジンに取り付けられている。スタータ18は、切換スイッチ16を介して接続する鉛バッテリ12又はリチウムイオンバッテリ14から供給される電力を用いて、エンジンを停止状態から始動させる始動装置として機能する。具体的には、スタータ18は、通常的なエンジン始動時には鉛バッテリ12を電力源として動作し、アイドルストップ終了後のエンジン再始動時にはリチウムイオンバッテリ14を電力源として動作する。
【0012】
車両用電源制御装置10は、また、電流センサ40を備えている。電流センサ40は、鉛バッテリ12の電流値を所定のサンプリング周期でそれぞれに検出する。電流センサ40の検出信号は、ECU24に上記サンプリング周期で供給される。ECU24は、後述する如く、電流センサ40の検出値に基づいて、DC/DCコンバータ22を制御する。
【0013】
エンジンには、電子制御ユニット49(以下、「EFI・ECU49」という)が接続されている。EFI・ECU49は、各種アイドルストップの許可条件(例えば、エンジン冷却水温度に関する条件や、バッテリの温度等に関する条件、エンジン回転数に関する条件)の成立状況を確認して、最終的にアイドルストップの実行条件が成立するか否かを判定する。最終的にアイドルストップの実行条件が成立した場合、運転者がイグニションスイッチをIGオン状態からオフ状態へ移行させることなく燃料噴射や点火等の実行が停止され、エンジンが運転状態から停止状態へ移行される。
【0014】
アイドルストップ中、即ちエンジンが一時的に停止状態にある間、EFI・ECU49は、車両がAT車である場合は変速機のシフト位置が“N”レンジから“D”レンジ又は“R”レンジに移行したか否か或いはブレーキ操作が解除されたか否か、また、車両がMT車である場合はクラッチペダルが踏み込まれたか否かに基づいて、アイドルストップの解除条件が成立するか否を判定する。その結果、アイドルストップの解除条件が成立した場合は、運転者がイグニションスイッチをIGオン状態からスタータオン状態に移行させることなくスタータ18が作動状態となり、エンジンが再始動される。
【0015】
車両用電源制御装置10は、また、エンジンの回転により発電する直流発電機(オルタネータ)20を備えている。EFI・ECU49は、燃費の効率化を図るべく、車両の走行状態に応じて直流発電機20の発電電圧を制御する。具体的には、定常走行時やアイドル運転時には、直流発電機20の発電電圧は、例えば12.5V〜13.5Vの範囲内で調整される。また、車両減速時には、直流発電機20の発電電圧は、定常走行時やアイドル運転時に比して大きな値に調整される(例えば、14.5V)。また、車両加速時には、アイドルストップ中(即ち、エンジン停止中)と同様、直流発電機20の発電電圧はゼロになる(即ち、発電が行われない)。
【0016】
直流発電機20には、負荷26及び鉛バッテリ12が接続されると共に、リチウムイオンバッテリ14がDC/DCコンバータ22を介して接続されている。直流発電機20が発生する電気エネルギは、負荷26の電力源として用いられると共に、鉛バッテリ12及び/又はリチウムイオンバッテリ14の充電に用いられる。
【0017】
負荷26には、直流発電機20及び鉛バッテリ12が接続されると共に、リチウムイオンバッテリ14がDC/DCコンバータ22を介して接続されている。負荷26には、各種補機、及び、アクセルやブレーキ等のいわゆるバイワイヤシステムが含まれる。尚、補機には、ヘッドランプ、フォグランプ、コーナリングシグナルランプ、コーナーランプ等のランプ類、エアコン等の空調装置、オーディオ、カーナビゲーション、ABSシステム、オイルポンプ、メータ類、デフォガ、ワイパ、パワーウィンド等が含まれる。各補機および各バイワイヤシステムは、エンジン作動時には主に直流発電機20から電力供給され、一方、アイドルストップ中のようなエンジン停止時には主にリチウムイオンバッテリ14から電力供給される。
【0018】
DC/DCコンバータ22は、双方向DC/DCコンバータであり、内蔵するパワートランジスタのスイッチング動作に従って、鉛バッテリ12側の電圧を昇圧してリチウムイオンバッテリ14側へ供給し、或いは、リチウムイオンバッテリ14側の電圧を降圧して鉛バッテリ12側へ供給する。
【0019】
ECU24がDC/DCコンバータ22に対して行う制御内容には、DC/DCコンバータ22の方向指示、DC/DCコンバータ22の鉛バッテリ側端子13の目標出力電圧の指示、及び、DC/DCコンバータ22のリチウムバッテリ側端子15の目標出力電圧の指示、DC/DCコンバータ22の動作の停止指示が含まれる。
【0020】
具体的には、ECU24は、2種類の方向指示信号(即ち、鉛バッテリ12側の電圧を昇圧してリチウムイオンバッテリ14側へ供給する方向、又は、リチウムイオンバッテリ14側の電圧を降圧して鉛バッテリ12側へ供給する方向)を選択的にDC/DCコンバータ22に供給することにより、DC/DCコンバータ22の動作方向を制御する。
【0021】
また、ECU24は、Li側端子15の目標出力電圧(本例では、14.5V〜15.5Vの範囲内の目標出力電圧)をDC/DCコンバータ22に供給することにより、DC/DCコンバータ22のLi側端子15の出力電圧を制御する。DC/DCコンバータ22のLi側端子15の目標出力電圧が指示されると、DC/DCコンバータ22は、鉛バッテリ12側の電圧を当該目標出力電圧まで昇圧してリチウムイオンバッテリ14側に出力する。これにより、目標出力電圧に応じたリチウムイオンバッテリ14の充電が実現される。
【0022】
このLi側端子15の出力電圧の制御は、車両の定常走行時やエンジンのアイドル運転時、車両の減速時(回生ブレーキ作動時)において実行される。尚、このとき、鉛バッテリ12側においても、Li側端子15の目標出力電圧及び直流発電機20の発電電圧に依存した充電が実現される。
【0023】
一方、ECU24は、Pb側端子13の目標出力電圧(本例では、13.0V〜13.5Vの範囲内の目標出力電圧)をDC/DCコンバータ22に供給することにより、DC/DCコンバータ22のPb側端子13の出力電圧を制御する。DC/DCコンバータ22のPb側端子13の目標出力電圧が指示されると、DC/DCコンバータ22は、リチウムイオンバッテリ14側の電圧を当該目標出力電圧まで降圧して鉛バッテリ12側に出力する。これにより、リチウムイオンバッテリ14側では、Pb側端子13の目標出力電圧に依存した放電が実現される。
【0024】
このPb側端子13の出力電圧の制御は、アイドルストップ中において実行される。即ち、アイドルストップ中においては、鉛バッテリ12の寿命低下を防止するため、鉛バッテリ12に代わってリチウムイオンバッテリ14が負荷26の電力源として機能する。
【0025】
尚、ECU24は、DC/DCコンバータ22の動作を停止させる制御信号をDC/DCコンバータ22に供給することにより、若しくは、上述の方向指示信号の供給を停止することにより、DC/DCコンバータ22の動作を停止させる。このDC/DCコンバータ22の動作の停止は、車両加速時に実行される。即ち、車両加速時(このとき、直流発電機20の発電電圧は上述の如くゼロである)には、鉛バッテリ12が負荷26の電力源として機能する。
【0026】
ところで、本実施例では、上述の如く、アイドルストップ中において、鉛バッテリ12の寿命低下を防止すべく、DC/DCコンバータ22の鉛バッテリ側端子13の目標出力電圧を指示することで、鉛バッテリ12に代わってリチウムイオンバッテリ14を負荷26の電力源として機能させている。しかしながら、指示する目標出力電圧の値の如何によっては、鉛バッテリ12の充電状態等に起因して鉛バッテリ12の充放電が行われてしまい、以下のような不都合が生ずる。即ち、鉛バッテリ12が充電される場合には、定常走行時等にDC/DCコンバータ22を介してリチウムイオンバッテリ14に貯めた電気エネルギが再びDC/DCコンバータ22を介して鉛バッテリ12に貯められることになり、DC/DCコンバータ22の駆動効率の観点から問題点が生ずる。一方、鉛バッテリ12が放電される場合には、鉛バッテリ12から負荷26へ電力供給を行うことになるため、鉛バッテリ12の寿命が低下するという問題点が生ずる。
【0027】
これに対して、本実施例では、以下で詳説する如く、アイドルストップ中に鉛バッテリ12を流れる電流(即ち、電流センサ40による電流検出値)を監視し、当該電流がゼロになるようにDC/DCコンバータ22の鉛バッテリ側端子13の目標出力電圧を可変制御することで、上述の不都合を防止する。
【0028】
図2は、上述の不都合を防止すべく本実施例のECU24が実行する処理のフローチャートである。尚、本処理ルーチンは、電流センサ40のサンプリング周期毎に実行されてよく、ECU24には当該サンプリング周期毎に電流センサ40の検出信号が供給されている。
【0029】
ステップ100では、アイドルストップが開始されたか否かを判断する処理が実行される。尚、アイドルストップは、上述の如く、各種アイドルストップの許可条件(例えば、エンジン冷却水温度に関する条件や、バッテリの温度等に関する条件、エンジン回転数に関する条件)が満足された場合に開始される。アイドルストップが開始された場合、ステップ110に進み、一方、アイドルストップが開始されていない場合、以後何ら処理が行われることなく今回のルーチンが終了する。
【0030】
ステップ110では、DC/DCコンバータ22の鉛バッテリ側端子13の目標出力電圧の初期値(例えば、13.3V)を指示する処理が実行される。本ステップ110の処理が実行されると、上述の如く、目標出力電圧の初期値に応じたDC/DCコンバータ22のパワートランジスタのスイッチング動作が行われ、DC/DCコンバータ22の鉛バッテリ側端子13が目標出力電圧の初期値に設定される。
【0031】
続くステップ120では、鉛バッテリ12を流れる電流(即ち、電流センサ40による電流検出値)がゼロより大きいか否かを判断する処理が実行される。尚、ここで、鉛バッテリ12の電流値は、充電電流を正とする。鉛バッテリ12を流れる電流がゼロより大きい場合、目標出力電圧の次回指示値が、前回指示値からδ1だけ減算した値としてセットされ、ステップ150に進む。鉛バッテリ12を流れる電流がゼロより大きくない場合、ステップ130に進む。
【0032】
ステップ130では、鉛バッテリ12を流れる電流がゼロより小さいか否かを判断する処理が実行される。鉛バッテリ12を流れる電流がゼロより小さい場合、目標出力電圧の次回指示値が、前回指示値にδ2だけ加算した値としてセットされ、ステップ150に進む。一方、鉛バッテリ12を流れる電流がゼロより小さくない場合(即ち、鉛バッテリ12を流れる電流がゼロの場合)、目標出力電圧の次回指示値が、前回指示値と同一の値にセットされる(即ち、目標出力電圧の指示値が保持される)。
【0033】
ステップ150では、DC/DCコンバータ22の目標出力電圧の次回指示値を指示する処理が実行される。本ステップ150の処理が実行されると、上述の如く、目標出力電圧の次回指示値に応じたDC/DCコンバータ22のパワートランジスタのスイッチング動作が行われ、DC/DCコンバータ22の鉛バッテリ側端子13が目標出力電圧の次回指示値に設定される。
【0034】
上記ステップ120乃至150の処理は、続くステップ160でアイドルストップが終了したと判断されるまで繰り返し実行される。
【0035】
尚、本実施例において、上記ステップ120及び130で減分及び増分されるδ1及びδ2の値は、一定値であってよいが、必ずしも同一の値である必要はない。また、δ1及びδ2の値は、鉛バッテリ12の電流値(電流センサ40による電流検出値)の絶対値に所定の利得(ゲイン)を乗算した値であってよい。この場合、上記所定の利得は、一定値である必要はなく、鉛バッテリ12の電流値の絶対値に応じた値であってもよい。或いは、δ1及びδ2の値は、過去のδ1及びδ2の値に対する電流値の変動量の学習結果に基づいて決定されてもよく、若しくは、ルーチン毎の電流値の変化率に応じて決定されてもよい。
【0036】
図3は、図2の処理の結果として得られる、鉛バッテリ12の電流とDC/DCコンバータ22の目標出力電圧との関係を示す図である。図3に示すように、制御開始時(t=0)に放電状態にあった鉛バッテリ12の電流値は、上述のDC/DCコンバータ22の目標出力電圧の可変制御によって、最終的には略ゼロに収束している。従って、本実施例によれば、鉛バッテリ12の電流値がゼロになるようにフィードバック制御することによって、DC/DCコンバータ22の駆動効率の悪化及びそれに伴う燃費の悪化や鉛バッテリ12の寿命の低下を確実に防止することができる。
【0037】
尚、上記実施例においては、特許請求の範囲に記載の「第1のバッテリ」がリチウムイオンバッテリ14に、「第2のバッテリ」が鉛バッテリ12にそれぞれ対応している。
【0038】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0039】
例えば、上述した実施例は、2個のバッテリ、即ち鉛バッテリ12とリチウムイオンバッテリ14とを備えた電源制御装置に関するものであったが、本発明は、特にバッテリの数及び種類を特定するものではなく、2個以上のバッテリを有する如何なる電源制御装置に対しても適用可能である。例えば、本発明は、高圧のハイブリッドバッテリーと鉛バッテリとを備えたハイブリッド車用の電源制御装置に対しても適用可能である。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、複数のバッテリを備える車両用電源制御装置において、補機バッテリの電流をフィードバックし、当該電流がゼロになるようにDC/DCコンバータの目標出力電圧を可変制御することによって、DC/DCコンバータの駆動効率の悪化及びそれに伴う燃費の悪化や補機バッテリの寿命の低下を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である車両用電源制御装置のシステム構成図を示す。
【図2】本実施例のECUが実行する処理のフローチャートである。
【図3】鉛バッテリの電流とDC/DCコンバータの目標出力電圧との関係を示す図である。
【符号の説明】
10 車両用電源制御装置
12 鉛バッテリ
14 リチウムイオンバッテリ
16 切換スイッチ
18 スタータ
20 直流発電機
22 DC/DCコンバータ
24 電子制御ユニット
26 負荷
40 電流センサ
49 EFI・ECU
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のバッテリを備える車両用の電源制御装置に係り、より詳細には、アイドルストップ中の補機バッテリの充放電を防止することができる車両用電源制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、発電機と、DC/DCコンバータを介して相互接続された低圧バッテリ(補機バッテリ)と高圧バッテリとを備えるハイブリッド車用電源制御装置において、クルーズ走行時やエンジンのアイドル運転時に、DC/DCコンバータの入出力電力量に応じて、発電機の発電量を制御することが知られている(例えば、特許文献1)。この従来技術では、高圧バッテリの充電状態(SOC)が所定の範囲内にあるときは、発電機の発電量はDC/DCコンバータの入出力電力量と同一に設定され、高圧バッテリの充電状態(SOC)が所定の範囲より小さいときは、高圧バッテリへの充電を促進すべく、発電機の発電量はDC/DCコンバータの入出力電力量よりも高い値に設定される。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−318002号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年では、車両が交差点等で一時的に停止したとき、エンジンを自動的に停止させるアイドルストップを実行し、排気ガスの減少や燃費の向上を図る提案がなされている。このようなアイドルストップ時には発電機による発電が実行されないため、各種補機は、補機バッテリ(鉛バッテリ)の寿命を考慮して、補機バッテリとは別に設けられたメインバッテリを電力源として動作する。即ち、アイドルストップ時には、DC/DCコンバータの補機バッテリ側端子の目標出力電圧を指示することで、メインバッテリ側の電圧がDC/DCコンバータで目標出力電圧まで降圧され、各種補機に出力される。
【0005】
しかしながら、DC/DCコンバータの補機バッテリ側端子の目標出力電圧の指示値及び補機バッテリの充電状態の如何によっては、補機バッテリの充放電が行われてしまい、次のような不都合が生ずる。即ち、補機バッテリが充電される場合には、走行時等にDC/DCコンバータを介してメインバッテリに貯めた電気エネルギが再びDC/DCコンバータを介して補機バッテリに貯められることになり、DC/DCコンバータの駆動効率が悪化するという問題点が生ずる。一方、補機バッテリが放電される場合には、補機バッテリから各種補機へ電力供給を行うことになるため、補機バッテリの寿命が低下するという問題点が生ずる。
【0006】
そこで、本発明は、アイドルストップ中の補機バッテリの充放電に起因したDC/DCコンバータの駆動効率の悪化及びそれに伴う燃費の悪化や補機バッテリの寿命の低下を防止することができる車両用電源制御装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、請求項1に記載する如く、アイドルストップを実行する車両で用いる電源制御装置であって、
アイドルストップ中に所定の補機に電力を供給する第1のバッテリと、
前記第1のバッテリと前記所定の補機との間に介在するDC/DCコンバータと、
前記所定の補機に接続されると共に、前記第1のバッテリに前記DC/DCコンバータを介して接続された第2のバッテリと、
前記DC/DCコンバータの少なくとも前記第2のバッテリ側の出力電圧を制御する制御ユニットと、
前記第2のバッテリの電流値を検出する電流センサとを備え、
前記制御ユニットが、アイドルストップ中において、前記電流センサにより検出される電流値が略ゼロになるように、前記DC/DCコンバータの出力電圧を可変制御することを特徴とする、電源制御装置によって達成される。
【0008】
本発明において、第2のバッテリ(補機バッテリ)の寿命の低下を防止すべく、第1のバッテリ(メインバッテリ)は、アイドルストップ中に所定の補機に対して電力供給を行う。この際、制御ユニットは、DC/DCコンバータの第2のバッテリ側の出力電圧を制御する。本発明によれば、DC/DCコンバータの第2のバッテリ側の出力電圧を、第2のバッテリの電流値がゼロになるように可変制御することによって、アイドルストップ中の第2のバッテリの充放電を防止することができる。この結果、アイドルストップ中の第2のバッテリの充放電に起因したDC/DCコンバータの駆動効率の悪化及びそれに伴う燃費の悪化や第2のバッテリの寿命の低下を確実に防止することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例について図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施例である車両用電源制御装置10のシステム構成図を示す。図1に示す如く、車両用電源制御装置10は、マイクロコンピュータにより構成された電子制御ユニット24(以下、「ECU24」と称す)を中心に構成されており、2つのバッテリ12,14を備えている。本実施例では、バッテリ12は、12V程度の電圧を有する鉛バッテリ(補機バッテリ)であり、一方、バッテリ14は、14.4V程度の電圧を有するリチウムイオンバッテリ(メインバッテリ)である。尚、鉛バッテリ12は、リチウムイオンバッテリ14に比して、単位体積当たりに取り出せる出力(出力密度;単位はW/l)が高い一方、単位体積当たりに取り出せるエネルギ(エネルギ密度;単位はWh/l)が低いバッテリである。
【0011】
鉛バッテリ12及びリチウムイオンバッテリ14には、切換スイッチ16を介してスタータ18が接続されている。スタータ18は、車両の動力源として機能するエンジンに取り付けられている。スタータ18は、切換スイッチ16を介して接続する鉛バッテリ12又はリチウムイオンバッテリ14から供給される電力を用いて、エンジンを停止状態から始動させる始動装置として機能する。具体的には、スタータ18は、通常的なエンジン始動時には鉛バッテリ12を電力源として動作し、アイドルストップ終了後のエンジン再始動時にはリチウムイオンバッテリ14を電力源として動作する。
【0012】
車両用電源制御装置10は、また、電流センサ40を備えている。電流センサ40は、鉛バッテリ12の電流値を所定のサンプリング周期でそれぞれに検出する。電流センサ40の検出信号は、ECU24に上記サンプリング周期で供給される。ECU24は、後述する如く、電流センサ40の検出値に基づいて、DC/DCコンバータ22を制御する。
【0013】
エンジンには、電子制御ユニット49(以下、「EFI・ECU49」という)が接続されている。EFI・ECU49は、各種アイドルストップの許可条件(例えば、エンジン冷却水温度に関する条件や、バッテリの温度等に関する条件、エンジン回転数に関する条件)の成立状況を確認して、最終的にアイドルストップの実行条件が成立するか否かを判定する。最終的にアイドルストップの実行条件が成立した場合、運転者がイグニションスイッチをIGオン状態からオフ状態へ移行させることなく燃料噴射や点火等の実行が停止され、エンジンが運転状態から停止状態へ移行される。
【0014】
アイドルストップ中、即ちエンジンが一時的に停止状態にある間、EFI・ECU49は、車両がAT車である場合は変速機のシフト位置が“N”レンジから“D”レンジ又は“R”レンジに移行したか否か或いはブレーキ操作が解除されたか否か、また、車両がMT車である場合はクラッチペダルが踏み込まれたか否かに基づいて、アイドルストップの解除条件が成立するか否を判定する。その結果、アイドルストップの解除条件が成立した場合は、運転者がイグニションスイッチをIGオン状態からスタータオン状態に移行させることなくスタータ18が作動状態となり、エンジンが再始動される。
【0015】
車両用電源制御装置10は、また、エンジンの回転により発電する直流発電機(オルタネータ)20を備えている。EFI・ECU49は、燃費の効率化を図るべく、車両の走行状態に応じて直流発電機20の発電電圧を制御する。具体的には、定常走行時やアイドル運転時には、直流発電機20の発電電圧は、例えば12.5V〜13.5Vの範囲内で調整される。また、車両減速時には、直流発電機20の発電電圧は、定常走行時やアイドル運転時に比して大きな値に調整される(例えば、14.5V)。また、車両加速時には、アイドルストップ中(即ち、エンジン停止中)と同様、直流発電機20の発電電圧はゼロになる(即ち、発電が行われない)。
【0016】
直流発電機20には、負荷26及び鉛バッテリ12が接続されると共に、リチウムイオンバッテリ14がDC/DCコンバータ22を介して接続されている。直流発電機20が発生する電気エネルギは、負荷26の電力源として用いられると共に、鉛バッテリ12及び/又はリチウムイオンバッテリ14の充電に用いられる。
【0017】
負荷26には、直流発電機20及び鉛バッテリ12が接続されると共に、リチウムイオンバッテリ14がDC/DCコンバータ22を介して接続されている。負荷26には、各種補機、及び、アクセルやブレーキ等のいわゆるバイワイヤシステムが含まれる。尚、補機には、ヘッドランプ、フォグランプ、コーナリングシグナルランプ、コーナーランプ等のランプ類、エアコン等の空調装置、オーディオ、カーナビゲーション、ABSシステム、オイルポンプ、メータ類、デフォガ、ワイパ、パワーウィンド等が含まれる。各補機および各バイワイヤシステムは、エンジン作動時には主に直流発電機20から電力供給され、一方、アイドルストップ中のようなエンジン停止時には主にリチウムイオンバッテリ14から電力供給される。
【0018】
DC/DCコンバータ22は、双方向DC/DCコンバータであり、内蔵するパワートランジスタのスイッチング動作に従って、鉛バッテリ12側の電圧を昇圧してリチウムイオンバッテリ14側へ供給し、或いは、リチウムイオンバッテリ14側の電圧を降圧して鉛バッテリ12側へ供給する。
【0019】
ECU24がDC/DCコンバータ22に対して行う制御内容には、DC/DCコンバータ22の方向指示、DC/DCコンバータ22の鉛バッテリ側端子13の目標出力電圧の指示、及び、DC/DCコンバータ22のリチウムバッテリ側端子15の目標出力電圧の指示、DC/DCコンバータ22の動作の停止指示が含まれる。
【0020】
具体的には、ECU24は、2種類の方向指示信号(即ち、鉛バッテリ12側の電圧を昇圧してリチウムイオンバッテリ14側へ供給する方向、又は、リチウムイオンバッテリ14側の電圧を降圧して鉛バッテリ12側へ供給する方向)を選択的にDC/DCコンバータ22に供給することにより、DC/DCコンバータ22の動作方向を制御する。
【0021】
また、ECU24は、Li側端子15の目標出力電圧(本例では、14.5V〜15.5Vの範囲内の目標出力電圧)をDC/DCコンバータ22に供給することにより、DC/DCコンバータ22のLi側端子15の出力電圧を制御する。DC/DCコンバータ22のLi側端子15の目標出力電圧が指示されると、DC/DCコンバータ22は、鉛バッテリ12側の電圧を当該目標出力電圧まで昇圧してリチウムイオンバッテリ14側に出力する。これにより、目標出力電圧に応じたリチウムイオンバッテリ14の充電が実現される。
【0022】
このLi側端子15の出力電圧の制御は、車両の定常走行時やエンジンのアイドル運転時、車両の減速時(回生ブレーキ作動時)において実行される。尚、このとき、鉛バッテリ12側においても、Li側端子15の目標出力電圧及び直流発電機20の発電電圧に依存した充電が実現される。
【0023】
一方、ECU24は、Pb側端子13の目標出力電圧(本例では、13.0V〜13.5Vの範囲内の目標出力電圧)をDC/DCコンバータ22に供給することにより、DC/DCコンバータ22のPb側端子13の出力電圧を制御する。DC/DCコンバータ22のPb側端子13の目標出力電圧が指示されると、DC/DCコンバータ22は、リチウムイオンバッテリ14側の電圧を当該目標出力電圧まで降圧して鉛バッテリ12側に出力する。これにより、リチウムイオンバッテリ14側では、Pb側端子13の目標出力電圧に依存した放電が実現される。
【0024】
このPb側端子13の出力電圧の制御は、アイドルストップ中において実行される。即ち、アイドルストップ中においては、鉛バッテリ12の寿命低下を防止するため、鉛バッテリ12に代わってリチウムイオンバッテリ14が負荷26の電力源として機能する。
【0025】
尚、ECU24は、DC/DCコンバータ22の動作を停止させる制御信号をDC/DCコンバータ22に供給することにより、若しくは、上述の方向指示信号の供給を停止することにより、DC/DCコンバータ22の動作を停止させる。このDC/DCコンバータ22の動作の停止は、車両加速時に実行される。即ち、車両加速時(このとき、直流発電機20の発電電圧は上述の如くゼロである)には、鉛バッテリ12が負荷26の電力源として機能する。
【0026】
ところで、本実施例では、上述の如く、アイドルストップ中において、鉛バッテリ12の寿命低下を防止すべく、DC/DCコンバータ22の鉛バッテリ側端子13の目標出力電圧を指示することで、鉛バッテリ12に代わってリチウムイオンバッテリ14を負荷26の電力源として機能させている。しかしながら、指示する目標出力電圧の値の如何によっては、鉛バッテリ12の充電状態等に起因して鉛バッテリ12の充放電が行われてしまい、以下のような不都合が生ずる。即ち、鉛バッテリ12が充電される場合には、定常走行時等にDC/DCコンバータ22を介してリチウムイオンバッテリ14に貯めた電気エネルギが再びDC/DCコンバータ22を介して鉛バッテリ12に貯められることになり、DC/DCコンバータ22の駆動効率の観点から問題点が生ずる。一方、鉛バッテリ12が放電される場合には、鉛バッテリ12から負荷26へ電力供給を行うことになるため、鉛バッテリ12の寿命が低下するという問題点が生ずる。
【0027】
これに対して、本実施例では、以下で詳説する如く、アイドルストップ中に鉛バッテリ12を流れる電流(即ち、電流センサ40による電流検出値)を監視し、当該電流がゼロになるようにDC/DCコンバータ22の鉛バッテリ側端子13の目標出力電圧を可変制御することで、上述の不都合を防止する。
【0028】
図2は、上述の不都合を防止すべく本実施例のECU24が実行する処理のフローチャートである。尚、本処理ルーチンは、電流センサ40のサンプリング周期毎に実行されてよく、ECU24には当該サンプリング周期毎に電流センサ40の検出信号が供給されている。
【0029】
ステップ100では、アイドルストップが開始されたか否かを判断する処理が実行される。尚、アイドルストップは、上述の如く、各種アイドルストップの許可条件(例えば、エンジン冷却水温度に関する条件や、バッテリの温度等に関する条件、エンジン回転数に関する条件)が満足された場合に開始される。アイドルストップが開始された場合、ステップ110に進み、一方、アイドルストップが開始されていない場合、以後何ら処理が行われることなく今回のルーチンが終了する。
【0030】
ステップ110では、DC/DCコンバータ22の鉛バッテリ側端子13の目標出力電圧の初期値(例えば、13.3V)を指示する処理が実行される。本ステップ110の処理が実行されると、上述の如く、目標出力電圧の初期値に応じたDC/DCコンバータ22のパワートランジスタのスイッチング動作が行われ、DC/DCコンバータ22の鉛バッテリ側端子13が目標出力電圧の初期値に設定される。
【0031】
続くステップ120では、鉛バッテリ12を流れる電流(即ち、電流センサ40による電流検出値)がゼロより大きいか否かを判断する処理が実行される。尚、ここで、鉛バッテリ12の電流値は、充電電流を正とする。鉛バッテリ12を流れる電流がゼロより大きい場合、目標出力電圧の次回指示値が、前回指示値からδ1だけ減算した値としてセットされ、ステップ150に進む。鉛バッテリ12を流れる電流がゼロより大きくない場合、ステップ130に進む。
【0032】
ステップ130では、鉛バッテリ12を流れる電流がゼロより小さいか否かを判断する処理が実行される。鉛バッテリ12を流れる電流がゼロより小さい場合、目標出力電圧の次回指示値が、前回指示値にδ2だけ加算した値としてセットされ、ステップ150に進む。一方、鉛バッテリ12を流れる電流がゼロより小さくない場合(即ち、鉛バッテリ12を流れる電流がゼロの場合)、目標出力電圧の次回指示値が、前回指示値と同一の値にセットされる(即ち、目標出力電圧の指示値が保持される)。
【0033】
ステップ150では、DC/DCコンバータ22の目標出力電圧の次回指示値を指示する処理が実行される。本ステップ150の処理が実行されると、上述の如く、目標出力電圧の次回指示値に応じたDC/DCコンバータ22のパワートランジスタのスイッチング動作が行われ、DC/DCコンバータ22の鉛バッテリ側端子13が目標出力電圧の次回指示値に設定される。
【0034】
上記ステップ120乃至150の処理は、続くステップ160でアイドルストップが終了したと判断されるまで繰り返し実行される。
【0035】
尚、本実施例において、上記ステップ120及び130で減分及び増分されるδ1及びδ2の値は、一定値であってよいが、必ずしも同一の値である必要はない。また、δ1及びδ2の値は、鉛バッテリ12の電流値(電流センサ40による電流検出値)の絶対値に所定の利得(ゲイン)を乗算した値であってよい。この場合、上記所定の利得は、一定値である必要はなく、鉛バッテリ12の電流値の絶対値に応じた値であってもよい。或いは、δ1及びδ2の値は、過去のδ1及びδ2の値に対する電流値の変動量の学習結果に基づいて決定されてもよく、若しくは、ルーチン毎の電流値の変化率に応じて決定されてもよい。
【0036】
図3は、図2の処理の結果として得られる、鉛バッテリ12の電流とDC/DCコンバータ22の目標出力電圧との関係を示す図である。図3に示すように、制御開始時(t=0)に放電状態にあった鉛バッテリ12の電流値は、上述のDC/DCコンバータ22の目標出力電圧の可変制御によって、最終的には略ゼロに収束している。従って、本実施例によれば、鉛バッテリ12の電流値がゼロになるようにフィードバック制御することによって、DC/DCコンバータ22の駆動効率の悪化及びそれに伴う燃費の悪化や鉛バッテリ12の寿命の低下を確実に防止することができる。
【0037】
尚、上記実施例においては、特許請求の範囲に記載の「第1のバッテリ」がリチウムイオンバッテリ14に、「第2のバッテリ」が鉛バッテリ12にそれぞれ対応している。
【0038】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0039】
例えば、上述した実施例は、2個のバッテリ、即ち鉛バッテリ12とリチウムイオンバッテリ14とを備えた電源制御装置に関するものであったが、本発明は、特にバッテリの数及び種類を特定するものではなく、2個以上のバッテリを有する如何なる電源制御装置に対しても適用可能である。例えば、本発明は、高圧のハイブリッドバッテリーと鉛バッテリとを備えたハイブリッド車用の電源制御装置に対しても適用可能である。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、複数のバッテリを備える車両用電源制御装置において、補機バッテリの電流をフィードバックし、当該電流がゼロになるようにDC/DCコンバータの目標出力電圧を可変制御することによって、DC/DCコンバータの駆動効率の悪化及びそれに伴う燃費の悪化や補機バッテリの寿命の低下を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である車両用電源制御装置のシステム構成図を示す。
【図2】本実施例のECUが実行する処理のフローチャートである。
【図3】鉛バッテリの電流とDC/DCコンバータの目標出力電圧との関係を示す図である。
【符号の説明】
10 車両用電源制御装置
12 鉛バッテリ
14 リチウムイオンバッテリ
16 切換スイッチ
18 スタータ
20 直流発電機
22 DC/DCコンバータ
24 電子制御ユニット
26 負荷
40 電流センサ
49 EFI・ECU
Claims (1)
- アイドルストップを実行する車両で用いる電源制御装置であって、
アイドルストップ中に所定の補機に電力を供給する第1のバッテリと、
前記第1のバッテリと前記所定の補機との間に介在するDC/DCコンバータと、
前記所定の補機に接続されると共に、前記第1のバッテリに前記DC/DCコンバータを介して接続された第2のバッテリと、
前記DC/DCコンバータの少なくとも前記第2のバッテリ側の出力電圧を制御する制御ユニットと、
前記第2のバッテリの電流値を検出する電流センサとを備え、
前記制御ユニットが、アイドルストップ中において、前記電流センサにより検出される電流値が略ゼロになるように、前記DC/DCコンバータの出力電圧を可変制御することを特徴とする、電源制御装置。
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