JP3816116B2 - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、電子写真法及び静電記録法等において使用される静電荷像現像用トナーの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、静電荷像現像用トナーの製造方法は、樹脂及び着色剤等の原料を混合、混練し冷却工程を経た後、ジェットミルなどで微粉砕後、分級工程で所定の粒径分布を持つ粒子群に分離した後、流動化剤等の添加剤を加え製品トナーを得る。ここで、粉砕工程においては、粉砕時に発生する発熱、被粉砕物と粉砕機内壁との摩擦等による発熱を除去する目的で、粉砕領域へ原料と共に供給する流体を冷却するか、さらには粉砕領域周辺の壁面を冷却することにより粉砕領域雰囲気温度を下げることが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この供給流体の冷却は、一般に常温・常湿の大気を数℃〜0℃付近迄、場合によっては−10数℃迄下げるが、その際の空気の相対湿度は必然的に100%に達してしまうことになる。このため、粉砕トナー表面に水分が吸着し、トナー粒子同士の吸着による流動性の悪化、帯電特性の低下などによるハンドリング悪化、画質低下等様々な問題が発生する。特に粉砕領域外側に冷却水やブラインを流す等して粉砕領域の冷却を流入空気冷却と併用する場合は粉砕領域内で結露が発生し、上記問題はより大きくなる。
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、上記のような問題が発生しない静電荷像現像用トナーの製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
しかして、かかる本発明の目的は、樹脂及び着色剤を含有するトナー材料の粉砕工程を有する静電荷像現像用トナーの製造方法において、前記粉砕工程が、衝撃式粉砕機の粉砕領域内に−20〜10℃でかつ露点との差が10℃以上ある除湿された空気を供給することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法を採用することにより達成される。
【0005】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のトナー製造方法においては粉砕工程以外は通常の製造方法を採用することができる。通常の製造方法としては先ずトナー原料を混合し、溶融押し出し機等で混練して板状に押し出して冷却固化しトナー材料を得る。
トナー原料としては樹脂および着色剤が必須成分として使用されるが、必要に応じて例えば帯電制御剤やその他のトナー特性付与剤を使用することができる。
【0006】
樹脂としては、例えば、トナーに適した公知の各種の樹脂を使用することが出来る。例えば、スチレン系樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変成マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は2種以上を併用することもできる。特に、スチレン系樹脂、飽和または不飽和ポリエステル樹脂およびエポキシ樹脂を主樹脂として用いることが好ましい。
【0007】
そして、該樹脂のガラス転移温度は、熱分析法(示唆熱分析装置、示唆走査熱量分析装置等)で測定した時の転移開始温度(変曲点)が50℃以上であることが好ましい。ガラス転移温度が50℃未満の場合には、40℃以上の高温で長時間トナーを放置した時、トナーの凝集或いは固着を招き使用上問題がある。
トナー用着色剤としては、公知の各種の着色剤を使用することができ、例えばカーボンブラック、ニグロシン、ベンジジンイエロー、キナクリドン、ローダミンB、フタロシアニンブルー等が好適に使用される。着色剤は、樹脂100重量部当たり、通常0.1〜30重量部、好ましくは3〜15重量部の割合で使用される。
【0008】
帯電制御剤としては、やはり公知の各種の帯電制御剤を使用することができる。例えば、第4アンモニウム塩、ニグロシン染料、トリフェニルメタン染料、スチレン−アミノアクリレート共重合体、ポリアミン樹脂などの正帯電制御剤や、モノアゾ系金属錯塩等の負帯電制御剤が挙げられる。帯電制御剤は樹脂100重量部当たり、通常0.1〜10重量部の割合で使用される。
【0009】
また、各種のトナー特性付与剤としては、例えば、オフセット防止のため、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等のポリアルキレンワックスを使用することができる。また、流動性および耐凝集性の向上のために、チタニア、アルミナ、シリカ等の無機微粒子を使用することができる。これらのトナー特性付与剤は、樹脂100重量部当たり、通常0.1〜10重量部の割合で使用される。
【0010】
更に、トナーが磁性トナーである場合には、フェライト、マグネタイトを始めとする、鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性元素を含む合金又は化合物などの磁性粒子を含有することができる。磁性粒子は、バインダー樹脂100重量部当たり、通常、20〜70重量部の割合で使用される。
次に、トナー材料は、公知の粉砕機によって、好ましくは重量平均粒径が20μm以下の範囲になるように粉砕される。ここに、重量平均粒径とは、粒径−重量分布のメジアン値粒径であり、例えば、コールターエレクトロニクス社製コールカウンタで測定することが出来る。上記の粉砕工程は単一の粉砕機によって行うことも可能であるが、種々の粉砕機を適宜組合わせて2段階以上に分けて、粉砕を行うことも好ましい。通常のトナー製造方法においては、ハンマーミル、ピールミル、スクリーンミル、自由粉砕機、フェザーミル等を用いた粗粉砕工程と、ジェットミル、衝撃式粉砕機、流動層式カウンタージェットミル、ファインミル等を用いた微粉砕工程の2段階で粉砕を行う工程、或いは粗粉砕工程と微粉砕工程の間に衝撃式粉砕機、ACMパルベライザー、クリプトロン、ピンミル等を用いた中粉砕工程を設けて3段階で粉砕を行う工程等の粉砕工程が例示される。
【0011】
本発明は粗粉砕工程、中粉砕工程、微粉砕工程のいずれにも適用可能であるが、特に粉砕時の発熱量が大きい微粉砕工程に適用するとより本発明の効果が発揮される。
本発明は、適当な除湿手段にて除湿した流体を粉砕領域内へ供給することを特徴とするものである。除湿手段としては、シリカゲル、アルミナゲル、モレキュラーシーブ、活性炭、骨炭、木炭、又は活性白土類等の吸着によって水分を除去する乾燥剤、塩化カルシウム、生石灰又は五酸化リン等の化学吸収によって水分を除去する乾燥剤、又は流体を一旦目標温度以下まで冷却した後、電気ヒータ又はスチームヒータ等で目標温度まで加熱する手段等が挙げられる。更には、粉砕領域内へ供給される流体の露点DPと温度DBが
【0012】
【数2】
DB−DP≧10℃
【0013】
の関係式を満たしているとより好ましい。以上のようにして得られた乾燥流体は必要であれば粉砕領域内部の温度として望ましい温度、例えば−20℃〜10℃の範囲に調整してもよい。
前述の粉砕工程を経たトナーはその後通常の方法によって分級処理され、好ましくは3〜20μm、より好ましくは5〜15μmの所定の粒径のトナーが回収される。分級装置としては、各種の分級機、例えば気流式分級機(日本ニューマチック社製、DS分級機)、コアンダ効果を利用した多産物同時分級機(日鉄鉱業社製、エルボージェット)、ジグザク分級機等を使用することができる。所定粒径以外の分級粗粉及び分級微粉は製造工程に循環して再利用することができる。例えば分級粗粉は粉砕工程に循環して再粉砕し、分級微粉はトナー原料と一緒に混合工程や溶解混練工程に循環して使用することができる。
上記のようにして得られたトナーは、更に種々の公知の外添剤を外添する工程を経て、所定の容器に充填されて製品化される。
【0014】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えないかぎり、以下の実施例により何ら制限されるものではない。
(実施例1)
【0015】
【表1】
スチレンアクリレート共重合樹脂 100部
(軟化点145℃、ガラス転移点64℃)
着色剤 カーボンブラック MA100 6部
(三菱化成(株)製)
低分子量ポリプロピレン ビスコール550P 1部
(三洋化成(株)製)
帯電制御剤 第4アンモニウム塩 ボントロンP−51 2部
(オリエント化学(株)製)
【0016】
を配合し、混合・混練・粗粉砕し得られたフレーク(平均粒径300μm前後)を、200kg/hの速度で除湿機(ダイキン工業(株)製ハニードライ)にて露点−24℃迄乾燥した空気と共に衝撃式粉砕機(ターボ工業社製ターボミルT−800RS型)へ供給し、粉砕領域入口温度が−8℃、そのときの露点が−24℃、ローター回転数3100rpm(周速130m/s)、ローターとライナーの間隙2mmで粉砕を行った。その後得られたトナーをエルボ−ジェット分級機(日鉄鉱業(株)製,EJ−75−3S型)で分級し、平均粒径10.0μmの製品トナー粒子群を得た。
【0017】
この製品トナー100重量部にシリカ粉末(日本アエロジル(株)R972)0.2重量部を混合して得られた外添トナー中の水分含有量をカールフィッシャー法で測定したところ、0.10%という値を得た。
また、このトナーの流動性を開口法にて測定した所、17mmφという値であった。
【0018】
上記のトナー4重量部とフェライト粉末をコア材とするキャリア100重量部とを混合して現像剤となし、有機光導電体を感光体とした複写機を使用して実写テストを行った。なお、実写テストにおける補給用トナーには、上記の現像剤に使用したのと同一のトナーを使用した。実写テストの結果はカブリが無く、高階調性の画像が得られ、実写品質は良好であった。また、その他の使用上の不都合も無かった。
【0019】
(比較例1)
粉砕機供給空気の除湿を行わない他は実施例1と同じ方法で外添トナーを得た。外添トナーの水分含有量を測定したところ、0.5%という値であり、実施例1と比較して水分含有量が多いことがわかった。このトナーの流動性は20mmφという値であり実施例1に比べ悪い結果であった。また、実写時の画質においても黒芯(黒点)及びカブリが多く発生し、複写機内でのトナー飛散も見られ、画質面でも品質に明らかな差異が見られ、実施例1より劣る結果であった。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は流動性にすぐれ、黒芯発生、カブリ、トナー飛散等の現象が少なく、且つ良好な画質を与える静電荷像現像用トナーの製造方法を提供するものであり、本発明の工業価値は顕著である。
Claims (2)
- 樹脂及び着色剤を含有するトナー材料の粉砕工程を有する静電荷像現像用トナーの製造方法において、前記粉砕工程が粗粉砕工程を有する2段階以上の工程からなり、粗粉砕工程を除く粉砕工程に衝撃式粉砕機を用い、且つ、該衝撃式粉砕機の粉砕領域内に−20〜10℃でかつ露点との差が10℃以上ある除湿された空気を供給することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記粉砕工程が粗粉砕工程及び微粉砕工程の2段階からなることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
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