JP3812851B2 - 1−フェニルエタノール、アセトフェノンまたはそれらの混合物からのフェノールの分離方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は1−フェニルエタノールおよび(または)アセトフェノンのフェノール含有流から抽出蒸留によりフェノールを分離する方法に関する。プロピレンオキシドおよびスチレン単量体を共に製造するためのオキシラン法(Oxirane process)において、プロピレンはエチルベンゼンヒドロペルオキシドと反応されてプロピレンオキシドおよびメチルベンジルアルコール(1−フェニルエタノール)を形成しそしてそのメチルベンジルアルコールは脱水されてスチレンを形成する。有意量のフェノールが形成され、このフェノールは、本発明に従って、抽出蒸留溶媒としてスルホランを用いての抽出蒸留によりメチルベンジルアルコールおよびそれに伴うアセトフェノンから分離される。
【0002】
【従来の技術】
プロピレンオキシドおよびスチレン単量体を共に製造するための非常に首尾のよい方法は、エチルベンゼンを分子状酸素で酸化してエチルベンゼンヒドロペルオキシドを形成し、そのヒドロペルオキシドをプロピレンと触媒作用反応させてプロピレンオキシドと1−フェニルエタノールを形成し、そしてその1−フェニルエタノールを脱水してスチレン単量体にすることを包含する。この方法を記載する基本特許は米国特許第3,351,635号である。
【0003】
この方法において、実質的な量のフェノールをまた含有する1−フェニルエタノールとアセトフェノンからなる流れが形成される。生成物の純度および収率の観点からフェノールが除去されることが重要である。
【0004】
フェノールの分離は苛性(caustic)処理により行われることができるがこれは使用済み苛性廃液流の形成を生じ、これは廃棄処分のますます困難な問題を示す。米国特許第5,171,868号は廃棄処分されるべき使用済み苛性物の量を実質的に減少させることができる方法を提供する。しかしながら、さらに改良することが有利であろう。お互いに近接した沸点の性質を有する複数の成分のゆえに、従来の蒸留方法によって1−フェニルエタノール、アセトフェノンおよびフェノールからなる混合物を分離することは経済的でない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
オキシランプロピレンオキシド/スチレン単量体法によって生成された1−フェニルエタノール、アセトフェノンおよび不純物として有意量含まれるフェノールの、おたがいに近接した沸点を有する成分からなる混合物から、従来の廃棄処分の問題を含まずそして従来の蒸留によるような不経済的でない方法で首尾よく実質量のフェノールを分離する方法が開発されることが望まれる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
抽出蒸留剤としてスルホランを用いての抽出蒸留により1−フェニルエタノールおよびアセトフェノンのようなスチレン前駆体からフェノールが分離されることができ、したがって使用済み苛性物(caustic)廃棄処分の問題を非常に軽減させることができることが今や見い出された。
【0007】
本発明に従えば、汚染量のフェノールを含有する、1−フェニルエタノール、アセトフェノンおよびそれらの混合物を包含するスチレン前駆体が、抽出蒸留溶媒としてスルホランを用いて抽出蒸留され、かくして、1−フェニルエタノールおよびアセトフェノンに比較してフェノールの揮発度を減少させ、それによりフェニルエタノールおよびアセトフェノンが塔頂でフェノール含有スルホラン溶媒から蒸留されることができる。
【0008】
本発明に従って処理される混合物は一般に、重量により、約0〜99.9%の1−フェニルエタノール約0〜99.9%のアセトフェノンおよび約0.01〜50%のフェノールを含む。少量の他の有機物質がまた存在してもよい。最も有利には、本発明に従って処理される混合物はオキシラン(Oxirane)プロピレンオキシド/スチレン単量体法によって生成された混合物でありそして重量により、約20〜90%の1−フェニルエタノール、約10〜75%アセトフェノン、約0.5〜5%のフェノールおよび約1〜20%の有機物質を含む。
【0009】
アセトフェノン、1−フェニルエタノールおよびフェノールの相対的揮発度は十分に近接していて、従来の蒸留により有効に分離するには過度に費用がかかる。しかしながら、本発明の抽出蒸留法によりその分離は効率よくそして費用的に有効なやり方で都合よく行われる。
【0010】
【発明の実施の形態】
添付図面を参照して、精製されるべきフェノール含有混合物は配管2を経て抽出蒸留塔1に導入される。スルホラン抽出蒸留剤、即ち、テトラメチレンスルホンはまた配管3を経て上方部分で塔1に導入される。
【0011】
抽出蒸留剤の効果は、混合物の他の主要な成分である、1−フェニルエタノールおよび(または)アセトフェノンに比較してフェノールの揮発度を実質的に減少させ、その結果1−フェニルエタノールおよびアセトフェノンが塔頂で分離されそして配管4を経て取り出されることである。主要量のフェノールを含有する塔底流は配管5を経て取り出されそしてストリッパー6に通される。ストリッパー6において、フェノールは塔頂蒸留されそして配管7を経て回収され、一方では抽出蒸留剤は配管3を経て塔底流として分離されそして抽出蒸留塔1に再循環される。
【0012】
本発明の実施により、苛性廃液流廃棄処分の問題を伴う苛性処理の必要性なしで実質的に完全なフェノールの分離が達成されることができる。
【0013】
抽出蒸留は、慣用の蒸留装置において慣用の条件で行われることができる。通常、10〜30の理論段(theoretical stages)を有する蒸留塔が使用されることができる。フェノール含有供給物の約50〜200重量%の範囲のスルホランの量が適当である。
【0014】
スルホラン混合物からの1−フェニルエタノール/アセトフェノン組成物の蒸留は図面の塔1において10〜760mmHgの圧力で行われる。これらの圧力での温度は82.22〜198.9℃(180〜390°F)の範囲である。好ましくは、圧力は82.22〜107.22℃(180〜225°F)の塔頂範囲の温度を用いて10〜30mmHgの操作範囲にある。
【0015】
抽出蒸留塔から取り出された際、フェノールとスルホランとはストリッピングされて、塔頂でフェノールを分離し、塔底のスルホランは抽出蒸留塔に再循環される。塔の塔頂条件は10〜760mmHgで82.22〜198.9℃(180〜390°F)である。好ましくは、圧力は、82.22〜104.44℃(180〜220°F)の塔頂範囲の温度で10〜30mmHgの操作範囲にある。
【0016】
2つの塔の塔底温度は、システムの圧力低下および塔底組成物の泡立ち点により指示され、しかもストリッパー塔リボイラーは同じ塔底圧力で抽出蒸留塔リボイラーに比較して高い全体的温度で操作する。
【0017】
普通提供されるようなスルホランは、抽出蒸留中に1−フェニルエタノールの脱水を触媒作用する傾向にある酸性不純物を含有する。これ避けるために、スルホランを抽出蒸留において使用するまえに、Rohm & Haas社のAmberlyst A−21のような塩基性イオン交換樹脂を用いてスルホランをまず処理することが特に有利である。AmberlystはRohm & Haas社の登録商標である。次の表1から分かるように、50/50の重量の水と処理スルホランとの混合物のpHにより示されるように塩基性イオン交換樹脂を用いての処理は酸性成分を除去するのに有効である。
【0018】
【表1】
【0019】
有利な塩基性イオン交換樹脂処理において、液体スルホランは30〜70℃で固体樹脂と接触される。一般に、スルホランの1容量あたり4容量の樹脂を用いての処理が十分である。活性が実質的に減少した場合、樹脂はNaOHのような塩基を用いての処理により再生されることができる。
【0020】
【実施例】
以下の実施例は本発明を例示する。
【0021】
添付図面を参照して、オキシラン法(Oxirane process)からの、24.8重量%の1−フェニルエタノール、59.8重量%のアセトフェノン、3.1重量%のフェノール、および13.3重量%の他の有機物からなる混合物を、453.59kg/時間(1000ポンド/時間)の速度で配管2を経て抽出蒸留塔1(この塔は18の理論段(theoretical stages)を有する)の中点近くでこの塔1に供給する。また、スルホランが配管3を経て453.80kg/時間(1000.47ポンド/時間)の速度で塔1の上端近くで塔1に供給される。そのスルホランはRohm & Haas社の塩基性イオン交換樹脂A−21で、7.33のpHに処理されていたものである。
【0022】
塔1において、アセトフェノンおよび1−フェニルエタノールはフェノールから抽出蒸留されそして配管4を経て453.39kg/時間(999.56ポンド/時間)の速度で88.89℃(192°F)および20mmHgで塔1から取り出される。取り出された1−フェニルエタノールおよびアセトフェノン流は0.3重量%のフェノール、24.8重量%の1−フェニルエタノール、58.9重量%のアセトフェノンおよび0重量%のスルホランを含みそしてオキシラン(Oxirane)のプラントのスチレン製造用区域(セクション)への適当な供給物流であることを表している。
【0023】
スルホランおよびフェノールからなる塔底流は、配管5を経て466.54kg/時間(1028.541ポンド/時間)の速度で204.44℃(400°F)および90mmHgで分離される。この流れは0重量%の1−フェニルエタノール、0重量%のアセトフェノン、2.7重量%のフェノール、0.1重量%の他の有機物質および97.7重量%のスルホランを含みそして配管5を経てストリッパー6に通される。11の理論段(theoretical stages)を有するストリッパー6において、塔頂流は12.79kg/時間(28.20ポンド/時間)の速度で85℃(185°F)および20mmHgで取り出される。この流れは、0.9重量%の1−フェニルエタノール、0.1重量%のアセトフェノン、98.9重量%のフェノール、0重量%の他の有機物質および0.1重量%のスルホランを含む。
【0024】
スルホランは塔底物として193.33℃(380°F)および65mmHgで分離されそして上記のとおりにして配管3を経て抽出蒸留塔1に再循環される。補充の抽出蒸留剤は必要に応じて加えられる(図示せず)。
【0025】
本発明は1−フェニルエタノールおよび(または)アセトフェノンからのフェノール分離のための都合のよい且つ有効な方法を提供しそしてかくして従来の苛性処理法に代わる実行可能な方法を提供することが、上記例示から分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施を概略的に例示する図面である。
【符号の説明】
1 抽出蒸留塔
2 配管
3 配管
4 配管
5 配管
6 ストリッパー
7 配管
【発明の属する技術分野】
本発明は1−フェニルエタノールおよび(または)アセトフェノンのフェノール含有流から抽出蒸留によりフェノールを分離する方法に関する。プロピレンオキシドおよびスチレン単量体を共に製造するためのオキシラン法(Oxirane process)において、プロピレンはエチルベンゼンヒドロペルオキシドと反応されてプロピレンオキシドおよびメチルベンジルアルコール(1−フェニルエタノール)を形成しそしてそのメチルベンジルアルコールは脱水されてスチレンを形成する。有意量のフェノールが形成され、このフェノールは、本発明に従って、抽出蒸留溶媒としてスルホランを用いての抽出蒸留によりメチルベンジルアルコールおよびそれに伴うアセトフェノンから分離される。
【0002】
【従来の技術】
プロピレンオキシドおよびスチレン単量体を共に製造するための非常に首尾のよい方法は、エチルベンゼンを分子状酸素で酸化してエチルベンゼンヒドロペルオキシドを形成し、そのヒドロペルオキシドをプロピレンと触媒作用反応させてプロピレンオキシドと1−フェニルエタノールを形成し、そしてその1−フェニルエタノールを脱水してスチレン単量体にすることを包含する。この方法を記載する基本特許は米国特許第3,351,635号である。
【0003】
この方法において、実質的な量のフェノールをまた含有する1−フェニルエタノールとアセトフェノンからなる流れが形成される。生成物の純度および収率の観点からフェノールが除去されることが重要である。
【0004】
フェノールの分離は苛性(caustic)処理により行われることができるがこれは使用済み苛性廃液流の形成を生じ、これは廃棄処分のますます困難な問題を示す。米国特許第5,171,868号は廃棄処分されるべき使用済み苛性物の量を実質的に減少させることができる方法を提供する。しかしながら、さらに改良することが有利であろう。お互いに近接した沸点の性質を有する複数の成分のゆえに、従来の蒸留方法によって1−フェニルエタノール、アセトフェノンおよびフェノールからなる混合物を分離することは経済的でない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
オキシランプロピレンオキシド/スチレン単量体法によって生成された1−フェニルエタノール、アセトフェノンおよび不純物として有意量含まれるフェノールの、おたがいに近接した沸点を有する成分からなる混合物から、従来の廃棄処分の問題を含まずそして従来の蒸留によるような不経済的でない方法で首尾よく実質量のフェノールを分離する方法が開発されることが望まれる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
抽出蒸留剤としてスルホランを用いての抽出蒸留により1−フェニルエタノールおよびアセトフェノンのようなスチレン前駆体からフェノールが分離されることができ、したがって使用済み苛性物(caustic)廃棄処分の問題を非常に軽減させることができることが今や見い出された。
【0007】
本発明に従えば、汚染量のフェノールを含有する、1−フェニルエタノール、アセトフェノンおよびそれらの混合物を包含するスチレン前駆体が、抽出蒸留溶媒としてスルホランを用いて抽出蒸留され、かくして、1−フェニルエタノールおよびアセトフェノンに比較してフェノールの揮発度を減少させ、それによりフェニルエタノールおよびアセトフェノンが塔頂でフェノール含有スルホラン溶媒から蒸留されることができる。
【0008】
本発明に従って処理される混合物は一般に、重量により、約0〜99.9%の1−フェニルエタノール約0〜99.9%のアセトフェノンおよび約0.01〜50%のフェノールを含む。少量の他の有機物質がまた存在してもよい。最も有利には、本発明に従って処理される混合物はオキシラン(Oxirane)プロピレンオキシド/スチレン単量体法によって生成された混合物でありそして重量により、約20〜90%の1−フェニルエタノール、約10〜75%アセトフェノン、約0.5〜5%のフェノールおよび約1〜20%の有機物質を含む。
【0009】
アセトフェノン、1−フェニルエタノールおよびフェノールの相対的揮発度は十分に近接していて、従来の蒸留により有効に分離するには過度に費用がかかる。しかしながら、本発明の抽出蒸留法によりその分離は効率よくそして費用的に有効なやり方で都合よく行われる。
【0010】
【発明の実施の形態】
添付図面を参照して、精製されるべきフェノール含有混合物は配管2を経て抽出蒸留塔1に導入される。スルホラン抽出蒸留剤、即ち、テトラメチレンスルホンはまた配管3を経て上方部分で塔1に導入される。
【0011】
抽出蒸留剤の効果は、混合物の他の主要な成分である、1−フェニルエタノールおよび(または)アセトフェノンに比較してフェノールの揮発度を実質的に減少させ、その結果1−フェニルエタノールおよびアセトフェノンが塔頂で分離されそして配管4を経て取り出されることである。主要量のフェノールを含有する塔底流は配管5を経て取り出されそしてストリッパー6に通される。ストリッパー6において、フェノールは塔頂蒸留されそして配管7を経て回収され、一方では抽出蒸留剤は配管3を経て塔底流として分離されそして抽出蒸留塔1に再循環される。
【0012】
本発明の実施により、苛性廃液流廃棄処分の問題を伴う苛性処理の必要性なしで実質的に完全なフェノールの分離が達成されることができる。
【0013】
抽出蒸留は、慣用の蒸留装置において慣用の条件で行われることができる。通常、10〜30の理論段(theoretical stages)を有する蒸留塔が使用されることができる。フェノール含有供給物の約50〜200重量%の範囲のスルホランの量が適当である。
【0014】
スルホラン混合物からの1−フェニルエタノール/アセトフェノン組成物の蒸留は図面の塔1において10〜760mmHgの圧力で行われる。これらの圧力での温度は82.22〜198.9℃(180〜390°F)の範囲である。好ましくは、圧力は82.22〜107.22℃(180〜225°F)の塔頂範囲の温度を用いて10〜30mmHgの操作範囲にある。
【0015】
抽出蒸留塔から取り出された際、フェノールとスルホランとはストリッピングされて、塔頂でフェノールを分離し、塔底のスルホランは抽出蒸留塔に再循環される。塔の塔頂条件は10〜760mmHgで82.22〜198.9℃(180〜390°F)である。好ましくは、圧力は、82.22〜104.44℃(180〜220°F)の塔頂範囲の温度で10〜30mmHgの操作範囲にある。
【0016】
2つの塔の塔底温度は、システムの圧力低下および塔底組成物の泡立ち点により指示され、しかもストリッパー塔リボイラーは同じ塔底圧力で抽出蒸留塔リボイラーに比較して高い全体的温度で操作する。
【0017】
普通提供されるようなスルホランは、抽出蒸留中に1−フェニルエタノールの脱水を触媒作用する傾向にある酸性不純物を含有する。これ避けるために、スルホランを抽出蒸留において使用するまえに、Rohm & Haas社のAmberlyst A−21のような塩基性イオン交換樹脂を用いてスルホランをまず処理することが特に有利である。AmberlystはRohm & Haas社の登録商標である。次の表1から分かるように、50/50の重量の水と処理スルホランとの混合物のpHにより示されるように塩基性イオン交換樹脂を用いての処理は酸性成分を除去するのに有効である。
【0018】
【表1】
【0019】
有利な塩基性イオン交換樹脂処理において、液体スルホランは30〜70℃で固体樹脂と接触される。一般に、スルホランの1容量あたり4容量の樹脂を用いての処理が十分である。活性が実質的に減少した場合、樹脂はNaOHのような塩基を用いての処理により再生されることができる。
【0020】
【実施例】
以下の実施例は本発明を例示する。
【0021】
添付図面を参照して、オキシラン法(Oxirane process)からの、24.8重量%の1−フェニルエタノール、59.8重量%のアセトフェノン、3.1重量%のフェノール、および13.3重量%の他の有機物からなる混合物を、453.59kg/時間(1000ポンド/時間)の速度で配管2を経て抽出蒸留塔1(この塔は18の理論段(theoretical stages)を有する)の中点近くでこの塔1に供給する。また、スルホランが配管3を経て453.80kg/時間(1000.47ポンド/時間)の速度で塔1の上端近くで塔1に供給される。そのスルホランはRohm & Haas社の塩基性イオン交換樹脂A−21で、7.33のpHに処理されていたものである。
【0022】
塔1において、アセトフェノンおよび1−フェニルエタノールはフェノールから抽出蒸留されそして配管4を経て453.39kg/時間(999.56ポンド/時間)の速度で88.89℃(192°F)および20mmHgで塔1から取り出される。取り出された1−フェニルエタノールおよびアセトフェノン流は0.3重量%のフェノール、24.8重量%の1−フェニルエタノール、58.9重量%のアセトフェノンおよび0重量%のスルホランを含みそしてオキシラン(Oxirane)のプラントのスチレン製造用区域(セクション)への適当な供給物流であることを表している。
【0023】
スルホランおよびフェノールからなる塔底流は、配管5を経て466.54kg/時間(1028.541ポンド/時間)の速度で204.44℃(400°F)および90mmHgで分離される。この流れは0重量%の1−フェニルエタノール、0重量%のアセトフェノン、2.7重量%のフェノール、0.1重量%の他の有機物質および97.7重量%のスルホランを含みそして配管5を経てストリッパー6に通される。11の理論段(theoretical stages)を有するストリッパー6において、塔頂流は12.79kg/時間(28.20ポンド/時間)の速度で85℃(185°F)および20mmHgで取り出される。この流れは、0.9重量%の1−フェニルエタノール、0.1重量%のアセトフェノン、98.9重量%のフェノール、0重量%の他の有機物質および0.1重量%のスルホランを含む。
【0024】
スルホランは塔底物として193.33℃(380°F)および65mmHgで分離されそして上記のとおりにして配管3を経て抽出蒸留塔1に再循環される。補充の抽出蒸留剤は必要に応じて加えられる(図示せず)。
【0025】
本発明は1−フェニルエタノールおよび(または)アセトフェノンからのフェノール分離のための都合のよい且つ有効な方法を提供しそしてかくして従来の苛性処理法に代わる実行可能な方法を提供することが、上記例示から分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施を概略的に例示する図面である。
【符号の説明】
1 抽出蒸留塔
2 配管
3 配管
4 配管
5 配管
6 ストリッパー
7 配管
Claims (5)
- 1−フェニルエタノール、アセトフェノンに比較してフェノールの揮発度を減少させるのに有効なスルホラン抽出蒸留剤を用いて、1−フェニルエタノールおよび(または)アセトフェノンのフェノール含有流を抽出蒸留し、塔頂でフェノールが減少した1−フェニルエタノールおよびアセトフェノンを分離しそして該抽出蒸留剤から蒸留によりフェノールを回収することを特徴とする、1−フェニルエタノール、アセトフェノンまたはそれらの混合物からフェノールを分離する方法。
- スルホランが塩基性イオン交換樹脂と接触させることにより予め処理されている、請求項1に記載の方法。
- 酸性不純物を含有するスルホランを塩基性イオン交換樹脂と接触させることを特徴とする、スルホランから酸性不純物を除去する方法。
- プロピレンオキシドおよびスチレン単量体方法からの1−フェニルエタノールとアセトフェノンとの混合物がフェノールから抽出蒸留される、請求項1に記載の方法。
- スルホラン抽出蒸留剤が1−フェニルエタノールおよび(または)アセトフェノンのフェノール含有流の50〜200重量%の量で使用される、請求項1に記載の方法。
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JP17978396A JP3812851B2 (ja) | 1996-06-21 | 1996-06-21 | 1−フェニルエタノール、アセトフェノンまたはそれらの混合物からのフェノールの分離方法 |
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JP17978396A JP3812851B2 (ja) | 1996-06-21 | 1996-06-21 | 1−フェニルエタノール、アセトフェノンまたはそれらの混合物からのフェノールの分離方法 |
Publications (2)
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JP17978396A Expired - Fee Related JP3812851B2 (ja) | 1996-06-21 | 1996-06-21 | 1−フェニルエタノール、アセトフェノンまたはそれらの混合物からのフェノールの分離方法 |
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ES2319993T3 (es) * | 2003-08-19 | 2009-05-18 | Shell Internationale Research Maatschappij B.V. | Procedimiento de preparacion de oxido de alquileno. |
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US5210354A (en) * | 1992-05-08 | 1993-05-11 | Arco Chemical Technology, L.P. | Propylene oxide-styrene monomer process |
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1996
- 1996-06-21 JP JP17978396A patent/JP3812851B2/ja not_active Expired - Fee Related
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