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JP3812724B2 - 振動片、振動子、発振器及び電子機器 - Google Patents

振動片、振動子、発振器及び電子機器 Download PDF

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    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
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  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
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  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)
  • Oscillators With Electromechanical Resonators (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
【0002】
本発明は、例えば水晶等から成る振動片、この振動片を有する振動子、この振動子を備える発振器や電子機器に関する。
【0003】
【従来の技術】
従来、振動片である例えば音叉型水晶振動片は、例えば図9に示すように構成されている。
すなわち、音叉型水晶振動片10は、基部11と、この基部11から突出するように形成されている2本の腕部12、13を有している。そして、この2本の腕部12,13には、溝12a及び溝13aが設けられている。
【0004】
この溝12a,13aは、図9においては表れていない腕部12,13の裏面にも同様に設けられている。
このため、図9のE−E’断面図である図10に示すように腕部12,13は、その断面形状が略H状に形成されることになる。
このような略H型の音叉型水晶振動片10は、振動片の大きさを従来より著しく小型化しても、腕部12,13の振動損失が低くCI値(クリスタルインピーダンス又は等価直列抵抗)も低く抑えることができるという特性を有する。
【0005】
このため、略H型の音叉型水晶振動片10は、例えば特に小型でも高精度な性能を求められる振動子に適している。このような振動子としては、例えば共振周波数が32.768kHの小型の振動子等があり、このような振動子の振動片として前記略H型の音叉型水晶振動片10を用いることが検討されている。そして、この共振周波数が32.768kHの小型の振動子等は、最終的には、例えば時計等の精密機器に組み込まれて使用されることになる。
【0006】
ところで、上述のような略H型の音叉型水晶振動片10は、外部より電流が印加されると腕部12、13が振動するようになっている。具体的には、図9及び図10に示す溝12a、13aに溝電極が形成され、これら溝12a,13aが設けられていない腕部12、13の面である両側面12b,13bに側面電極が形成される。そして、電流が印加されると溝電極と側面電極との間で電界が生じ腕部12,13が振動するようになっている。
【0007】
ところで、このような溝電極と側面電極は、上述のように外部から電流が印加されるのであるが、具体的には、外部から音叉型水晶振動片10の基部11に設けられている基部電極を介して、電流は溝電極や側面電極に供給されることになる。
このため、基部電極と溝電極や側面電極とを接続する接続電極が必要となる。この接続電極のうち基部電極と溝電極とを接続する溝電極用接続電極は、図9における基部表面11cに配置される。また、基部電極と側面電極とを接続する側面電極用接続電極は、例えば、基部表面11cと腕部表面12cとに配置される。
【0008】
ところが、この腕部表面12cには、溝12a及び溝電極が形成されているため、腕部表面12cに配置される側面電極用接続電極は、溝12aが形成されていない部分(図9における斜線部分)に配置せざるを得ないことになり、この領域に側面電極用接続電極を配置していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のように、略H型の音叉型水晶振動片10は、例えば共振周波数が32.768kHの小型の振動子等に搭載されるため、特に小型化が要求されており、これに伴い腕部12、13の図11における横方向に幅が例えば0.1mm程度、溝12a、13aの図において横方向の幅が例えば0.07mm程度まで小型化されている。
【0010】
したがって、上述の基部電極と側面電極とを接続する側面電極用接続電極を配置する腕部表面12cにおける領域(図9における斜線部分)の図における幅Wは、例えば0.015mm程度と制限されてしまう。
ところで、腕部表面12cに配置しようとする側面電極用接続電極の幅は、最も狭くても0.01mm程度は必要である。これでは、理論上、側面電極用接続電極と溝電極又は溝電極用接続電極との間は僅か0.005mmであり、実際の製造工程における誤差を考慮すると側面電極用接続電極と溝電極又は溝電極用接続電極とが接触したり、その他の短絡を起こす可能性が高く、振動片の不良の原因となってしまうという問題があった。
【0011】
また、図11は、図9のFの部分の概略拡大図であるが、前記側面電極用接続電極を配置する腕部表面12cにおける領域(図9における斜線部分)を広くするために、その部分の溝12cの形状を例えば図11にしめすように片側のみを狭くする方法もある。しかし、このように形成すると、腕12の溝12aの長手方向の仮想線C−C’に対して、腕12が対称に形成されないため、腕12の振動のバランスが崩れ、形状によって定まる固有振動数が変わり、振動片の周波数の安定性や振動エネルギー損失を表すCI値の増大やバラツキをもたらすという問題がった。
【0012】
そこで、本発明は、以上の点に鑑み、電極に不良が生じるのを未然に防ぐことができると共に振動片の周波数特性やCI値が安定する振動片、振動子、発振器及び電子機器を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的は、請求項1の発明によれば、基部電極部が形成されている基部と、前記基部から突出して形成される振動腕部と、前記振動腕部の表面及び/又は裏面に形成されている溝電極部を有する溝部と、前記振動腕部の前記溝部が形成されていない前記振動腕部の側面に形成されている側面電極部と、前記基部電極部と前記溝電極部とを接続する溝電極用接続電極部と、前記基部電極部と前記側面電極部とを接続する側面電極用接続電極部と、を有する振動片であって、前記溝部の開口部の基部側の幅が他の部分の幅より狭く形成され、この狭く形成された溝部の開口部の近傍に前記溝電極用接続電極部又は前記側面電極用接続電極部を配置するための接続電極配置部が形成され、前記溝部の開口部の形状が前記溝部の幅方向中央で長手方向に向かって設けられる仮想線に対して略対称に形成されていることを特徴とする振動片によって達成される。
【0014】
請求項1の構成によれば、前記溝部の開口部の基部側の幅が他の部分の幅より狭く形成され、この狭く形成された溝部の開口部の近傍に前記溝電極用接続電極部又は前記側面電極用接続電極部を配置するための接続電極配置部が形成されている。
したがって、前記接続電極配置部に前記溝電極用接続電極部又は前記側面電極用接続電極部を配置することで、これら溝電極用接続電極部又は側面電極用接続電極部が、前記溝電極部や前記側面電極部と短絡し振動片に不良が生じることを未然に防ぐことができる。
また、請求項1の構成によれば、前記溝部の開口部の形状が前記溝部の幅方向中央で長手方向に向かって設けられる仮想線に対して略対称に形成されている。
したがって、前記振動腕部の振動のバランスが崩れ、形状によって定まる固有振動数が変わり、振動片の周波数の安定性や振動エネルギー損失を表すCI値の増大やバラツキをもたらすことを未然に防止することができる。
【0015】
好ましくは、請求項2の発明によれば、請求項1の構成において、前記振動腕部が複数配置され、前記複数の振動腕部に形成されている前記溝部の開口部の形状がそれぞれ略同一となっていることを特徴とする振動片である。
請求項2の構成によれば、前記振動腕部が複数配置され、前記複数の振動腕部に形成されている前記溝部の開口部の形状がそれぞれ略同一となっているので、複数の振動腕部を有する振動片でも、前記溝電極用接続電極部又は前記側面電極用接続電極部が、前記溝電極部や前記側面電極部と短絡し振動片に不良が生じることを未然に防ぐことができると共に、前記振動腕部の振動のバランスが崩れ、形状によって定まる固有振動数が変わり、振動片の周波数の安定性や振動エネルギー損失を表すCI値の増大やバラツキをもたらすことを未然に防止することもできる。
【0016】
好ましくは、請求項3の発明によれば、請求項1又は請求項2によれば、前記狭く形成された溝部の開口部の幅が、前記他の部分の溝部の開口部の幅に対して約0.02mm程度狭く形成されていることを特徴とする振動片である。
請求項3の構成によれば、前記狭く形成された溝部の開口部の幅が、前記他の部分の溝部の開口部の幅に対して約0.02mm程度狭く形成されている。したがって、前記接続電極配置部の幅が、他の部分の幅より、少なくとも約0.05mm程度広く確保することができるので、前記溝電極用接続電極部又は前記側面電極用接続電極部が、前記溝電極部や前記側面電極部と短絡し振動片に不良が生じることを未然に防ぐことができる。
【0017】
好ましくは、請求項4の発明によれば、請求項1乃至請求項3のいずれかの構成において、前記溝部が前記振動腕部の表面及び裏面に形成されていると共に、これら各々の振動腕部の断面を溝部の深さ方向に形成した場合、その断面が略H型に形成されることを特徴とする振動片である。
【0018】
好ましくは、請求項5の発明によれば、請求項1乃至請求項4にいずれかに記載に構成において、前記振動片が音叉型水晶振動片により形成されていることを特徴とする振動片である。
【0019】
好ましくは、請求項6の発明によれば、請求項5に記載の構成において、前記音叉型水晶振動片の共振周波数が略32kHに成っていることを特徴とする振動片である。
【0020】
請求項4乃至請求項6の構成によれば、これらの振動片の前記溝電極用接続電極部又は前記側面電極用接続電極部が、前記溝電極部や前記側面電極部と短絡し振動片に不良が生じることを未然に防ぐことができると共に、前記振動腕部の振動のバランスが崩れ、形状によって定まる固有振動数が変わり、振動片の周波数の安定性や振動エネルギー損失を表すCI値の増大やバラツキをもたらすことを未然に防止することもできる。
【0021】
前記目的は、請求項7の発明によれば、基部電極部が形成されている基部と、前記基部から突出して形成される振動腕部と、前記振動腕部の表面及び/又は裏面に形成されている溝電極部を有する溝部と、前記振動腕部の前記溝部が形成されていない前記振動腕部の側面に形成されている側面電極部と、前記基部電極部と前記溝電極部とを接続する溝電極用接続電極部と、前記基部電極部と前記側面電極部とを接続する側面電極用接続電極部と、を有する振動片であり、前記振動片が、パッケージ内に収容されている振動子であって、前記振動片の前記溝部の開口部の基部側の幅が他の部分の幅より狭く形成され、この狭く形成された溝部の開口部の近傍に前記溝電極用接続電極部又は前記側面電極用接続電極部を配置するための接続電極配置部が形成され、前記溝部の開口部の形状が前記溝部の幅方向中央で長手方向に向かって設けられる仮想線に対して略対称に形成されていることを特徴とする振動子により達成される。
【0022】
請求項7の構成によれば、前記振動片の前記溝部の開口部の基部側の幅が他の部分の幅より狭く形成され、この狭く形成された溝部の開口部の近傍に前記溝電極用接続電極部又は前記側面電極用接続電極部を配置するための接続電極配置部が形成されている。
したがって、前記接続電極配置部に前記溝電極用接続電極部又は前記側面電極用接続電極部を配置することで、これら溝電極用接続電極部又は側面電極用接続電極部が、前記溝電極部や前記側面電極部と短絡し振動片に不良が生じることを未然に防ぐことができる振動子である。
また、請求項7の構成によれば、前記振動片の前記溝部の開口部の形状が前記溝部の幅方向中央で長手方向に向かって設けられる仮想線に対して略対称に形成されている。
したがって、前記振動腕部の振動のバランスが崩れ、形状によって定まる固有振動数が変わり、振動片の周波数の安定性や振動エネルギー損失を表すCI値の増大やバラツキをもたらすことを未然に防止することができる振動子である。
【0023】
好ましくは、請求項8の発明によれば、請求項7の構成において、前記振動片の前記振動腕部が複数配置され、前記複数の振動腕部に形成されている前記溝部の開口部の形状がそれぞれ略同一となっていることを特徴とする振動子である。
請求項8の構成によれば、前記振動片の前記振動腕部が複数配置され、前記複数の振動腕部に形成されている前記溝部の開口部の形状がそれぞれ略同一となっているので、複数の振動腕部を有する振動片でも、前記溝電極用接続電極部又は前記側面電極用接続電極部が、前記溝電極部や前記側面電極部と短絡し振動片に不良が生じることを未然に防ぐことができると共に、前記振動腕部の振動のバランスが崩れ、形状によって定まる固有振動数が変わり、振動片の周波数の安定性や振動エネルギー損失を表すCI値の増大やバラツキをもたらすことを未然に防止することもできる振動子である。
【0024】
好ましくは、請求項9の発明によれば、請求項7又は請求項8に記載の構成において、前記振動片の前記狭く形成された溝部の開口部の幅が、前記他の部分の溝部の開口部の幅に対して約0.02mm程度狭く形成されていることを特徴とする振動子である。
請求項9の構成によれば、前記振動片の前記狭く形成された溝部の開口部の幅が、前記他の部分の溝部の開口部の幅に対して約0.02mm程度狭く形成されている。したがって、前記接続電極配置部の幅が、他の部分の幅より、少なくとも約0.05mm程度広く確保することができるので、前記溝電極用接続電極部又は前記側面電極用接続電極部が、前記溝電極部や前記側面電極部と短絡し振動片に不良が生じることを未然に防ぐことができる振動子である。
【0025】
好ましくは、請求項10の発明によれば、請求項7乃至請求項9のいずれか構成において、前記振動片の前記溝部が前記振動腕部の表面及び裏面に形成されていると共に、これら各々の振動腕部の断面を溝部の深さ方向に形成した場合、その断面が略H型に形成されることを特徴とする振動子である。
【0026】
好ましくは、請求項11の発明によれば、請求項7乃至請求項10のいずれかの構成において、前記振動片が音叉型水晶振動片により形成されていることを特徴とする振動子である。
【0027】
好ましくは、請求項12の発明によれば、請求項11の構成において、前記音叉型水晶振動片の共振周波数が略32kHに成っていることを特徴とする振動子である。
【0028】
好ましくは、請求項13の発明によれば、請求項7乃至請求項12のいずれかの構成において、前記パッケージが箱状に形成されていることを特徴とする振動子である。
【0029】
好ましくは、請求項14の発明によれば、請求項8乃至請求項14のいずれかの構成において、前記パッケージが所謂シリンダータイプに形成されていることを特徴とする振動子である。
【0030】
請求項10乃至請求項14の構成によれば、これらの前記振動片の前記溝電極用接続電極部又は前記側面電極用接続電極部が、前記溝電極部や前記側面電極部と短絡し振動片に不良が生じることを未然に防ぐことができると共に、前記振動腕部の振動のバランスが崩れ、形状によって定まる固有振動数が変わり、振動片の周波数の安定性や振動エネルギー損失を表すCI値の増大やバラツキをもたらすことを未然に防止することもできる振動子である。
【0031】
前記目的は、請求項15の発明によれば、基部電極部が形成されている基部と、前記基部から突出して形成される振動腕部と、前記振動腕部の表面及び/又は裏面に形成されている溝電極部を有する溝部と、前記振動腕部の前記溝部が形成されていない前記振動腕部の側面に形成されている側面電極部と、前記基部電極部と前記溝電極部とを接続する溝電極用接続電極部と、前記基部電極部と前記側面電極部とを接続する側面電極用接続電極部と、を有する振動片であり、前記振動片と集積回路が、パッケージ内に収容されている発振器であって、前記振動片の前記溝部の開口部の基部側の幅が他の部分の幅より狭く形成され、この狭く形成された溝部の開口部の近傍に前記溝電極用接続電極部又は前記側面電極用接続電極部が配置されるための接続電極配置部が形成され、前記溝部の開口部の形状が前記溝部の幅方向中央で長手方向に向かって設けられる仮想線に対して略対称に形成されていることを特徴とする発振器により達成される。
【0032】
前記目的は、請求項16の発明によれば、基部電極部が形成されている基部と、前記基部から突出して形成される振動腕部と、前記振動腕部の表面及び/又は裏面に形成されている溝電極部を有する溝部と、前記振動腕部の前記溝部が形成されていない前記振動腕部の側面に形成されている側面電極部と、前記基部電極部と前記溝電極部とを接続する溝電極用接続電極部と、前記基部電極部と前記側面電極部とを接続する側面電極用接続電極部と、を有する振動片であり、前記振動片がパッケージ内に収容されている振動子であり、前記振動子を制御部に接続して用いている電子機器であって、前記振動片の前記溝部の開口部の基部側の幅が他の部分の幅より狭く形成され、この狭く形成された溝部の開口部の近傍に前記溝電極用接続電極部又は前記側面電極用接続電極部を配置するための接続電極配置部が形成され、前記溝部の開口部の形状が前記溝部の幅方向中央で長手方向に向かって設けられる仮想線に対して略対称に形成されていることを特徴とする電子機器により達成される。
【0033】
請求項15又は請求項16の構成によれば、これら前記振動片の前記溝部の開口部の基部側の幅が他の部分の幅より狭く形成され、この狭く形成された溝部の開口部の近傍に前記溝電極用接続電極部又は前記側面電極用接続電極部を配置するための接続電極配置部が形成されている。
したがって、前記接続電極配置部に前記溝電極用接続電極部又は前記側面電極用接続電極部を配置することで、これら溝電極用接続電極部又は側面電極用接続電極部が、前記溝電極部や前記側面電極部と短絡し振動片に不良が生じることを未然に防ぐことができる。
また、請求項15又は請求項16の構成によれば、これら前記振動片の前記溝部の開口部の形状が前記溝部の幅方向中央で長手方向に向かって設けられる仮想線に対して略対称に形成されている。
したがって、前記振動腕部の振動のバランスが崩れ、形状によって定まる固有振動数が変わり、振動片の周波数の安定性や振動エネルギー損失を表すCI値の増大やバラツキをもたらすことを未然に防止することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0035】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る振動片である略H型の音叉型水晶振動片100を示す概略図である。
この略H型の音叉型水晶振動子100は、例えば水晶の単結晶から切り出され音叉型に加工されて形成されている。このとき、図1に示すX軸が電気軸、Y軸が機械軸及びZ軸が光軸となるように水晶の単結晶から切り出されることになる。
このように電気軸が図1のX軸方向に配置されることにより、高精度が要求される携帯電話装置等の電子機器全般に好適な略H型の音叉型水晶振動片100となる。
【0036】
また、より正確には、音叉型水晶振動片100は、水晶の単結晶から切り出す際、上述のX軸、Y軸及びZ軸からなる直交座標系において、X軸回りに、X軸とY軸とからなるXY平面を反時計方向に約1度乃至5度傾けた、所謂水晶Z板として、略H型の音叉型水晶振動片100が形成されることになる。
【0037】
このような略H型の音叉型水晶振動片100は、基部140と、この基部140から図においてY軸方向に突出するように形成された例えば2本の振動腕部である腕部120,130とを有している。
この2本の腕部120、130の表面120c、130cには、図1及び図2に示すように溝部120a,130aがそれぞれ形成されている。図2は図1のA−A’線概略断面図である。ところで、この溝部120a、130aは、図2に示すように2本の腕部120,130の裏面にも同様に形成されている。
したがって、図2に示すように腕部120、130には、溝部120a等が図において上下方向に設けられているため、その断面形状が略H型に形成される。このため、この断面形状が略H型なので略H型の音叉型水晶振動片100と称している。
【0038】
この略H型の音叉型水晶振動片100には、図1に示すように電極(図において斜線部分)が形成される。すなわち、図1に示すように、基部140には、基部電極140dが形成され、腕部120、130の溝部120a,130aには、溝電極120d,130dがそれぞれ形成される。
また、腕部120,130の図2に示す、それぞれの両側面120b,120b,130b,130bには、側面電極120e,130eが形成されている。
【0039】
この側面電極120e、130eのうち、図2の腕部120の図において外側に配置される側面電極120e及び腕部130の図において外側に配置される側面電極130eは、図1に示すように側面電極用接続電極141を介して基部電極140dに接続されている。
また、図2の腕部120の図において内側に配置される側面電極120eも側面電極用接続電極141と接続され、この側面電極用接続電極141は、図1の裏面において基部電極140と接続される構成となっている。
【0040】
一方、図1に示すように溝電極120d、130dと基板電極140dとを接続するための溝電極用接続電極142が形成されている。この溝電極用接続電極142は、図1の基部140表面又は裏面において基部電極140dと接続される構成となっている。
ところで、このような略H型の音叉型水晶振動子100は、例えば共振周波数が32.768kHであるが、従来の32.768kHの音叉型水晶振動子と比べ、著しく小型となっている。
【0041】
すなわち、図1に示すように、略H型の音叉型水晶振動子00のY軸方向の長さは、例えば約2.2mm程度となっており、略H型の音叉型水晶振動子100のX軸方向の幅は、約0.5mm程度となっている。
この寸法は、従来の音叉型水晶振動片の一般的な寸法である、3.6mm(Y軸方向)、0.69mm(X軸方向)と比べ著しく小さくなっている。
また、図1に示す腕部120のY軸方向の長さは、例えば約1.6mm程度であり、各腕部120、130のX軸方向の幅は、例えば0.1mm程度となっている。
このような腕部120の大きさは、従来の一般的な腕部の寸法である2.4mm(Y軸方向)、0.23mm(X軸方向)と比べ、著しく小さくなっている。
【0042】
このように従来の音叉型水晶振動片と比べ著しく小さくなっている腕部120、130には、図1及び図2のように溝部120a,130aが形成されており、この溝部120a、130aは、腕部120,130の表面120c、130c上においてY軸方向に例えば約0.8mm程度の長さに形成されている。
ところで、図3は、図1のBで示す部分を拡大した概略図である。図3に示すように、この溝部120a、130aのX軸方向の幅は、例えば約0.07mm程度であり、そのZ軸方向の深さは、例えば約0.02から0.045mm程度となっている。
【0043】
また、溝部120a、130aの開口部の基部140側、例えば溝部120a、130aの下端部から0.2mm間での部分は、図3に示すように狭く形成されている。これは、例えば0.05mmで、上述の0.07mmより0.02mm程度狭く形成されている。すなわち、例えば溝部120aの開口の形状は、図3に示す溝部の幅方向中央で長手方向に向かって設けられる仮想線C−C’に対して略対称に形成されている。そして、この略対称は他方の腕部130の溝部130aも同様に形成されている。
【0044】
このように溝部120a、130aの基部側の部分は狭く形成されている。すなわち、例えば腕部120の基部側の狭くなった部分は、図3に示すように左側が0.01mm、右側が0.01mm狭く形成されている。
このため、この狭く形成された部分に配置されるべき溝電極120aは、0.01mmだけ幅方向に少なく配置することができる。一方、このように腕部120の溝部120aの狭くなった左側には、接続電極配置部Dが形成され、この接続電極配置部Dには、腕部120の内側の側面電極120eと接続するために側面電極用接続電極141が配置されている。
ところで、従来のように、溝部120aが狭く形成されない状態で、この側面電極用接続電極141が配置されると、溝部120aに形成される溝電極120aと側面電極用接続電極141との隙間が僅かに0.01mmとなり、短絡等の危険が大であった。
【0045】
しかし、本実施の形態では、溝部120aが下端部から0.2mmの長さで、その左側が0.01mm狭く形成されている。したがって、溝電極120a幅も0.01mm狭くなる。そして、側面電極用接続電極141を図3に示すように腕部120の左側(内側)に配置した場合、側面電極用接続電極141と溝電極120aとの間隔は0.01mm従来より増えて、0.02mmとなる。
したがって、側面電極用接続電極141と溝電極120aとの短絡等が生じにくい高性能な音叉型水晶振動片100となる。
【0046】
また、本実施の形態に係る音叉型水晶振動片100は、上述のように、双方の腕部120,130の溝部120a、130aの開口の形状が、図3に示す溝部の幅方向中央で長手方向に向かって設けられる仮想線C−C’に対して略対称に形成されている。
図4(a)は、溝部の開口形状が上述の仮想線C−C’に対して非対称な場合の周波数平均と標準偏差を示すグラフである。図4(b)は、本実施の形態に係る音叉型水晶振動片100の周波数平均と標準偏差を示すグラフである。
【0047】
図4(a)(b)に示すように、本実施の形態に係る音叉型水晶振動片100の周波数平均は、32.93587kHzで、標準偏差は0.054965kHzである。そして、溝部の開口形状が非対称な場合の周波数平均は、32.91773kHzで標準偏差は、0.092611kHzである。
したがって、本実施の形態の音叉型水晶振動片100の方が、溝部の開口形状が非対称な場合に比べ、振動片の周波数が安定し、振動エネルギー損失を表すCI値が増大せず、振動片によるバラツキが生じ難い優れた振動片となることがわかる。
また、これは、溝部120a、130aの開口形状を仮想線C−C’に対して略対称に配置することで、腕部120,130の振動のバランスが崩れ難くなり、さらに、形状によって定まる固有振動数も変わり難くなったことによるものである。
【0048】
このように本実施の形態では、溝部120aの下端部が片側で0.01mmずつ狭くなっている例を示したが、これより大きくするとCI値が急上昇してしまう場合がある。このため側面電極用接続電極141と溝電極120aとの短絡による歩留まりとCI値の上昇の許容できる範囲でこの値を選択することが望ましい。
また、本実施の形態では、溝部120aの下端部から0.2mmの長さで狭くなっている例を示したが、狭くなっている部分の長さは短い程よい。短さの下限は、プロセスの精度と信頼性に依存するが、実験したところ、0.05mm程度でもCI値の上昇も少なく電極の短絡も生じなかった。このため。0.05mm程度まで短くすることが可能である。
【0049】
ところで、このように配置される溝電極120d,側面電極120e等の電極は、具体的には、複数層、例えば2層から成り、下地としてCr、上層がAuから形成されている。この場合、Crの代わりにNiやTi等を使用してもよい。また、1層からなる場合もあり、このときは、例えばAl層が用いられる。この他にも、Al電極で表面を陽極酸化した電極やCr電極1層で、このCr層の上に保護膜としてSiO2 等を形成する電極も用いることができる。
さらに、電極の厚みは、例えば下層Crが100Å〜900Åで上層Auが500Å〜1000Åと成っている。
【0050】
本実施の形態に係る音叉型水晶振動片100は以上のように構成されるが、以下その動作等について説明する。
先ず、音叉型水晶振動片100の外部の図示しない電源より電流が基部140の基部電極140dに供給される。すると、この電流は、側面電極用接続電極141と溝電極用接続電極142等を経て側面電極120eと溝電極120dにそれぞれ供給される。
このとき、側面電極用接続電極141と溝電極120d等との間には、上述の図3においてDで示す接続電極配置部が形成されているため、製造上の誤差があっても、側面電極用接続電極141と溝電極120d等との間に接触やその他の短絡等が生じることがない。
【0051】
このように溝電極120dと側面電極120eに電流が印加されると、溝電極120dと側面電極120eとの間に電界を発生し、圧電体である水晶の内部に電界が深く分布することになる。
この電界の分布によって、圧電体である腕部120、130が振動し、音叉型振動片100が振動することになる
このとき、腕部120,130の溝部120a、130aの開口形状が上述の仮想線C−C’に対して略対称に形成されている。したがって、腕部120、130の振動のバランスが崩れ、形状によって定まる固有振動数が変わることがない。このため、音叉型水晶振動片100の周波数の安定性や振動エネルギー損失を表すCI値の増大やバラツキをもたらすことを未然に防止することができる。
【0052】
さらに、このときの共振周波数は、例えば32.768kHとなっており、本実施の形態に係る音叉型水晶振動片100は、図2に示すように、腕部120、130の断面形状が略H型に形成されているため、従来の32.768kHの音叉型水晶振動子と比べ、著しく小型となっているにもかかわらず、性能が向上している振動片である。
【0053】
ところで、上述の接続電極配置部Dの形成は、腕部120の溝部120aの幅を狭くするだけで形成することができるため、特別な構成を略H型の音叉型水晶振動片100に設ける必要がなく、製造上のコストを上昇させることがない。
【0054】
(第2の実施の形態)
図5は、本実施の第2の形態に係る振動子であるセラミックパケージ音叉型振動子200を示す図である。
このセラミックパケージ音叉型振動子200は、上述の第1の実施の形態の音叉型水晶振動片100を使用している。したがって、音叉型水晶振動片100の構成、作用等については、同一符号を付する等して、その説明を省略する。
【0055】
図5は、セラミックパケージ音叉型振動子200の構成を示す概略断面図である。図5に示すように、セラミックパケージ音叉型振動子200は、その内側に空間を有する箱状のパッケージ210を有している。このパッケージ210には、その底部にベース部211を備えている。このベース部211は、例えばアルミナ等のセラミックス等で形成されている。
【0056】
ベース部211の上には、封止部212が設けられており、この封止部212は、蓋体213と同様の材料から形成されている。また、この封止部212の上には蓋体213が載置され、これらベース部211、封止部212及び蓋体213で、中空の箱体を形成することになる。
このように形成されているパッケージ210のベース部211上にはパッケージ側電極214が設けられている。このパッケージ側電極214の上には導電性接着剤等を介して音叉型水晶振動片100の基部電極140dが固定されている。
【0057】
この音叉型水晶振動片100は、パッケージ側電極214から一定の電流が与えられると振動するようになっている。このとき、音叉型水晶振動片100には、図3に示すように、側面電極用接続電極141と溝電極120d等との間には、Dで示す接続電極配置部が形成されているため、製造上の誤差があっても、側面電極用接続電極141と溝電極120d等との間に接触やその他の短絡等が生じることがない。したがって、略H型の音叉型水晶振動片100の性能を十分に発揮できるセラミックパケージ音叉型振動子200となる。また、製造コストを上昇させることなく、セラミックパケージ音叉型振動子200を製造することができる。
【0058】
また、腕部120,130の溝部120a、130aの開口形状が図3の仮想線C−C’に対して略対称に形成されている。したがって、腕部120、130の振動のバランスが崩れ、形状によって定まる固有振動数が変わることがない。このため、音叉型水晶振動片100の周波数の安定性や振動エネルギー損失を表すCI値の増大やバラツキをもたらすことを未然に防止することができる振動子となる。
【0059】
(第3の実施の形態)
図6は、本実施の第3の形態に係る電子機器であるデジタル携帯電話300を示す図である。
このデジタル携帯電話300は、上述の第3の実施の形態のセラミックパケージ音叉型振動子200と音叉型水晶振動片100を使用している。
したがって、セラミックパケージ音叉型振動子200と略H型の音叉型水晶振動片100の構成、作用等については、同一符号を付する等して、その説明を省略する。
【0060】
図6は、デジタル携帯電話300の回路ブロックを示す概略図である。図6に示すように、デジタル携帯電話300で送信する場合は、使用者が、自己の声をマイクロフォンに入力すると、信号はパルス幅変調・符号化のブロックと変調器/復調器のブロックを経てトランスミッター、アンテナスイッチを介しアンテナから送信されることになる。
一方、他人の電話から送信された信号は、アンテナで受信され、アンテナスイッチ、受信フィルター等を経て、レシーバーから変調器/復調器のブロックに入力される。そして、変調又は復調された信号がパルス幅変調・符号化のブロックを経てスピーカーに声として出力されるようになっている。
このうち、アンテナスイッチや変調器/復調器ブロック等を制御するためにコントローラが設けられている。
【0061】
このコントローラは、上述の他に表示部であるLCDや数字等の入力部であるキー、さらにはRAMやROM等も制御するため、高精度であることが求められ、この高精度なコントローラの要求に応えられるように高精度の上述のセラミックパッケージ音叉振動子200が用いられることになる。
すなわち、セラミックパッケージ音叉振動子200に収容されている音叉型水晶振動片100には、図3に示すように、側面電極用接続電極141と溝電極120d等との間には、Dで示す接続電極配置部が形成されているため、製造上の誤差があっても、側面電極用接続電極141と溝電極120d等との間に接触やその他の短絡等が生じることがない。
【0062】
したがって、音叉型水晶振動片100の性能を十分に発揮できるセラミックパケージ音叉型振動子200を有するデジタル携帯電話300となる。また、製造コストを上昇させることなく、デジタル携帯電話300を製造することができる。
また、音叉型水晶振動片100の腕部120,130の溝部120a、130aの開口形状が図3の仮想線C−C’に対して略対称に形成されている。したがって、腕部120、130の振動のバランスが崩れ、形状によって定まる固有振動数が変わることがない。このため、音叉型水晶振動片100の周波数の安定性や振動エネルギー損失を表すCI値の増大やバラツキをもたらすことを未然に防止することができるデジタル携帯電話300となる。
【0063】
(第4の実施の形態)
図7は、本実施の第4の実施の形態に係る発振器である音叉水晶発振器400を示す図である。
このデジタル音叉水晶発振器400は、上述の第3の実施の形態のセラミックパケージ音叉型振動子200と多くの部分で構成が共通している。したがって、セラミックパケージ音叉型振動子200と音叉型水晶振動片100の構成、作用等については、同一符号を付する等して、その説明を省略する。
【0064】
図7に示す音叉型水晶発振器400は、図5に示すセラミックパッケージ音叉振動子200の音叉型水晶振動片100の下方で、ベース部211の上に、図7に示すように集積回路410を配置したものである。
すなわち、音叉水晶発振器400では、その内部に配置された、音叉型水晶振動片100が振動すると、その振動は、集積回路410に入力され、その後、所定の周波数信号を取り出すことで、発振器として機能することになる。
【0065】
すなわち、音叉水晶発振器400に収容されている音叉型水晶振動片100には、図3に示すように、側面電極用接続電極141と溝電極120d等との間には、Dで示す接続電極配置部が形成されているため、製造上の誤差があっても、側面電極用接続電極141と溝電極120d等との間に接触やその他の短絡等が生じることがない。
したがって、音叉型水晶振動片100の性能を十分に発揮できる音叉水晶発振器400となる。また、製造コストを上昇させることなく、音叉型水晶発振器400を製造することができる。
【0066】
また、音叉型水晶振動片100の腕部120,130の溝部120a、130aの開口形状が図3の仮想線C−C’に対して略対称に形成されている。したがって、腕部120、130の振動のバランスが崩れ、形状によって定まる固有振動数が変わることがない。このため、音叉型水晶振動片100の周波数の安定性や振動エネルギー損失を表すCI値の増大やバラツキをもたらすことを未然に防止することができる音叉型水晶発振器400となる。
【0067】
(第5の実施の形態)
図8は、本実施の第5の実施の形態に係る振動子であるシリンダータイプ音叉振動子500を示す図である。
このシリンダータイプ音叉振動子500は、上述の第1の実施の形態の音叉型水晶振動片100を使用している。したがって、略H型の音叉型水晶振動片100の構成、作用等については、同一符号を付する等して、その説明を省略する。
【0068】
図8は、シリンダータイプ音叉振動子500の構成を示す概略図である。
図8に示すようにシリンダータイプ音叉振動子500は、その内部に音叉型水晶振動片100を収容するための金属製のキャップ530を有している。
このキャップ530は、ステム520に対して圧入され、その内部が真空状態に保持されるようになっている。
【0069】
また、キャップ530に収容された音叉型水晶振動片100を保持するためのリード510が2本配置されている。
このようなシリンダータイプ音叉振動子500に外部より電流を印加すると音叉型水晶振動片100の腕部120が振動し、振動子として機能することになる。
このとき、音叉型水晶振動片100には、図3に示すように、側面電極用接続電極141と溝電極120d等との間には、Dで示す接続電極配置部が形成されているため、製造上の誤差があっても、側面電極用接続電極141と溝電極120d等との間に接触やその他の短絡等が生じることがない。
【0070】
したがって、音叉型水晶振動片100の性能を十分に発揮できるシリンダータイプ音叉振動子500となる。また、製造コストを上昇させることなく、シリンダータイプ音叉振動子500を製造することができる。
また、音叉型水晶振動片100の腕部120,130の溝部120a、130aの開口形状が図3の仮想線C−C’に対して略対称に形成されている。したがって、腕部120、130の振動のバランスが崩れ、形状によって定まる固有振動数が変わることがない。このため、音叉型水晶振動片100の周波数の安定性や振動エネルギー損失を表すCI値の増大やバラツキをもたらすことを未然に防止することができるシリンダータイプの音叉型水晶振動子500となる。
【0071】
また、上述の各実施の形態では、32.768kHzの音叉型水晶振動子を例に
説明したが、15kHz乃至155kHzの音叉型水晶振動子に適用できることは明らかである。
なお、上述の実施の形態に係る音叉型水晶振動片100は、上述の例のみならず、他の電子機器、携帯情報端末、さらに、テレビジョン、ビデオ機器、所謂ラジカセ、パーソナルコンピュータ等の時計内蔵機器及び時計にも用いられることは明らかである。
【0072】
さらに、本発明は、上記実施の形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。そして、上記実施の形態の構成は、その一部を省略したり、上述していない他の任意の組み合わせに変更することができる。
【0073】
【発明の効果】
本発明によれば、電極に不良が生じるのを未然に防ぐことができると共に振動片の周波数特性やCI値が安定する振動片、振動子、発振器及び電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る振動片である音叉型水晶振動片を示す概略図である。
【図2】図1のA−A’線概略断面図である。
【図3】図1のBで示す部分を拡大した概略図である。
【図4】(a)は、溝部の開口形状が上述の仮想線C−C’に対して非対称な場合の周波数平均と標準偏差を示すグラフである。(b)は、本実施の形態に係る音叉型水晶振動片の周波数平均と標準偏差を示すグラフである。
【図5】第2の実施の形態に係るセラミックパケージ音叉型振動子の構成を示す概略断面図である。
【図6】第3の実施の形態に係るデジタル携帯電話の回路ブロックを示す概略図である。
【図7】第4の実施の形態に係る音叉水晶発振器の構成を示す概略断面図である。
【図8】第5の実施の形態に係るシリンダータイプ音叉振動子の構成を示す概略図である。
【図9】従来の音叉型水晶振動片の構成を示す概略図である。
【図10】図9のE−E’断面図である。
【図11】図9のFの部分の概略拡大図である。
【符号の説明】
100・・・音叉型水晶振動片
120、130・・・腕部
120a、130a・・・溝部
120b、130b・・・側面
120c、130c・・・表面
120d、130d・・・溝電極
120e、130e・・・側面電極
140・・・基部
140d・・・基部電極
141・・・側面電極用接続電極
142・・・溝電極用接続電極
D・・・接続電極配置部
200・・・セラミックパッケージ音叉振動子
210・・・パッケージ
211・・・ベース部
212・・・封止部
213・・・蓋体
214・・・パッケージ側電極
300・・・デジタル携帯電話
400・・・音叉水晶発振器
410・・・集積回路
500・・・シリンダータイプ音叉振動子
510・・・リード
520・・・ステム
530・・・キャップ

Claims (16)

  1. 基部電極部が形成されている基部と、
    前記基部から突出して形成される振動腕部と、
    前記振動腕部の表面及び/又は裏面に形成されている溝電極部を有する溝部と、
    前記振動腕部の前記溝部が形成されていない前記振動腕部の側面に形成されている側面電極部と、
    前記基部電極部と前記溝電極部とを接続する溝電極用接続電極部と、
    前記基部電極部と前記側面電極部とを接続する側面電極用接続電極部と、を有する振動片であって、
    前記溝部の開口部の基部側の幅が他の部分の幅より狭く形成され、この狭く形成された溝部の開口部の近傍に前記溝電極用接続電極部又は前記側面電極用接続電極部を配置するための接続電極配置部が形成され、
    前記溝部の開口部の形状が前記溝部の幅方向中央で長手方向に向かって設けられる仮想線に対して略対称に形成されていることを特徴とする振動片。
  2. 前記振動腕部が複数配置され、前記複数の振動腕部に形成されている前記溝部の開口部の形状がそれぞれ略同一となっていることを特徴とする請求項1に記載の振動片。
  3. 前記狭く形成された溝部の開口部の幅が、前記他の部分の溝部の開口部の幅に対して約0.02mm程度狭く形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の振動片。
  4. 前記溝部が前記振動腕部の表面及び裏面に形成されていると共に、これら各々の振動腕部の断面を溝部の深さ方向に形成した場合、その断面が略H型に形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の振動片。
  5. 前記振動片が音叉型水晶振動片により形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の振動片。
  6. 前記音叉型水晶振動片の共振周波数が略32kHに成っていることを特徴とする請求項5に記載の振動片。
  7. 基部電極部が形成されている基部と、
    前記基部から突出して形成される振動腕部と、
    前記振動腕部の表面及び/又は裏面に形成されている溝電極部を有する溝部と、
    前記振動腕部の前記溝部が形成されていない前記振動腕部の側面に形成されている側面電極部と、
    前記基部電極部と前記溝電極部とを接続する溝電極用接続電極部と、
    前記基部電極部と前記側面電極部とを接続する側面電極用接続電極部と、を有する振動片であり、
    前記振動片が、パッケージ内に収容されている振動子であって、
    前記振動片の前記溝部の開口部の基部側の幅が他の部分の幅より狭く形成され、この狭く形成された溝部の開口部の近傍に前記溝電極用接続電極部又は前記側面電極用接続電極部を配置するための接続電極配置部が形成され、
    前記溝部の開口部の形状が前記溝部の幅方向中央で長手方向に向かって設けられる仮想線に対して略対称に形成されていることを特徴とする振動子。
  8. 前記振動片の前記振動腕部が複数配置され、前記複数の振動腕部に形成されている前記溝部の開口部の形状がそれぞれ略同一となっていることを特徴とする請求項7に記載の振動子。
  9. 前記振動片の前記狭く形成された溝部の開口部の幅が、前記他の部分の溝部の開口部の幅に対して約0.02mm程度狭く形成されていることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の振動子。
  10. 前記振動片の前記溝部が前記振動腕部の表面及び裏面に形成されていると共に、これら各々の振動腕部の断面を溝部の深さ方向に形成した場合、その断面が略H型に形成されることを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれかに記載の振動子。
  11. 前記振動片が音叉型水晶振動片により形成されていることを特徴とする請求項7乃至請求項10のいずれかに記載の振動子。
  12. 前記音叉型水晶振動片の共振周波数が略32kHに成っていることを特徴とする請求項11に記載の振動子。
  13. 前記パッケージが箱状に形成されていることを特徴とする請求項7乃至請求項12のいずれかに記載の振動子。
  14. 前記パッケージが所謂シリンダータイプに形成されていることを特徴とする請求項8乃至請求項14のいずれかに記載の振動子。
  15. 基部電極部が形成されている基部と、
    前記基部から突出して形成される振動腕部と、
    前記振動腕部の表面及び/又は裏面に形成されている溝電極部を有する溝部と、
    前記振動腕部の前記溝部が形成されていない前記振動腕部の側面に形成されている側面電極部と、
    前記基部電極部と前記溝電極部とを接続する溝電極用接続電極部と、
    前記基部電極部と前記側面電極部とを接続する側面電極用接続電極部と、を有する振動片であり、
    前記振動片と集積回路が、パッケージ内に収容されている発振器であって、
    前記振動片の前記溝部の開口部の基部側の幅が他の部分の幅より狭く形成され、この狭く形成された溝部の開口部の近傍に前記溝電極用接続電極部又は前記側面電極用接続電極部が配置されるための接続電極配置部が形成され、
    前記溝部の開口部の形状が前記溝部の幅方向中央で長手方向に向かって設けられる仮想線に対して略対称に形成されていることを特徴とする発振器。
  16. 基部電極部が形成されている基部と、
    前記基部から突出して形成される振動腕部と、
    前記振動腕部の表面及び/又は裏面に形成されている溝電極部を有する溝部と、
    前記振動腕部の前記溝部が形成されていない前記振動腕部の側面に形成されている側面電極部と、
    前記基部電極部と前記溝電極部とを接続する溝電極用接続電極部と、
    前記基部電極部と前記側面電極部とを接続する側面電極用接続電極部と、を有する振動片であり、
    前記振動片がパッケージ内に収容されている振動子であり、
    前記振動子を制御部に接続して用いている電子機器であって、
    前記振動片の前記溝部の開口部の基部側の幅が他の部分の幅より狭く形成され、この狭く形成された溝部の開口部の近傍に前記溝電極用接続電極部又は前記側面電極用接続電極部を配置するための接続電極配置部が形成され、
    前記溝部の開口部の形状が前記溝部の幅方向中央で長手方向に向かって設けられる仮想線に対して略対称に形成されていることを特徴とする電子機器。
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