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JP3811520B2 - 浴槽の水位検知方法 - Google Patents

浴槽の水位検知方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴槽中の水を循環路にて循環させ、該循環路中に設けられた圧力センサの出力値により浴槽の水位を検知するようにした浴槽の水位検知方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の浴槽の水位検知方法としては、例えば、浴槽と加熱器とが循環路で接続され、浴槽の水を循環させ、循環路中のエアを排出した後に、循環路中の水圧を圧力センサで検出し、その検出値から浴槽の水位を測定するようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の浴槽の水位検知方法では、浴槽の側壁に開設された循環路に通じる出入口の高さ位置近傍に水位があると、循環していくと、水面上のエアを出入口を通して循環路に引き込んでしまって、不適正な状態で圧力検出を行なうことになり、却って、正確な水位を測定することができないという問題点があった。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、水面上のエアを出入口を通して循環路に引き込んだ不適正な状態での圧力検出を判別して、不正確な水位の測定を防止することができる浴槽の水位検知方法を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項に記載する発明に存する。
1 浴槽(18)中の水をポンプ(15)により循環路(12)にて循環させ、該循環路(12)中に設けられた圧力センサ(19)の出力値により浴槽(18)の水位を検知するようにした浴槽の水位検知方法において、
循環前あるいは循環後における圧力センサ(19)の出力値と循環中における圧力センサ(19)の出力値との出力差が、エアを循環路(12)に引き込まない適正な検知状態での予め検知しておいた前記両出力値の出力差に対し誤差範囲内にあるか否かにより、エアを循環路(12)に引き込まない適正な検知状態であるか否かを判別し、エアを循環路(12)に引き込まない水位まで給湯した適正な検知状態にすることを特徴とする浴槽の水位検知方法。
【0005】
2 浴槽(18)中の水をポンプ(15)により循環路(12)にて循環させ、該循環路(12)中に設けられた圧力センサ(19)の出力値により浴槽(18)の水位を検知するようにした浴槽の水位検知方法において、
循環中における圧力センサ(19)の出力値の振れ幅が基準値以下であるか否かを判別し、エアを循環路(12)に引き込まない適正な検知状態であるか否かを判別し、エアを循環路(12)に引き込まない水位まで給湯した適正な検知状態にすることを特徴とする浴槽の水位検知方法。
【0006】
3 浴槽(18)中の水をポンプ(15)により循環路(12)にて循環させ、該循環路(12)中に設けられた圧力センサ(19)の出力値により浴槽(18)の水位を検知するようにした浴槽の水位検知方法において、
循環開始前における圧力センサ(19)の出力値と循環終了後における圧力センサ(19)の出力値との出力差が誤差範囲内にあるか否かで、エアを循環路(12)に引き込まない適正な検知状態であるか否かを判別し、エアを循環路(12)に引き込まない水位まで給湯した適正な検知状態にすることを特徴とする浴槽の水位検知方法。
【0007】
4 前記エアを循環路(12)に引き込まない適正な検知状態ではない場合に、注湯して水位を上げ、エアを循環路(12)に引き込まない適正な検知状態にした後に、再度、水位を検知するようにしたことを特徴とする1、2および3項記載の浴槽の水位検知方法。
【0008】
5 浴槽(18)中の水をポンプ(15)により循環路(12)にて循環させ、該循環路(12)中に設けられた圧力センサ(19)の出力値により浴槽(18)の水位を検知するようにした浴槽の水位検知装置において、
循環前あるいは循環後における圧力センサ(19)の出力値と循環中における圧力センサ(19)の出力値との出力差が、エアを循環路(12)に引き込まない適正な検知状態での予め検知しておいた前記両出力値の出力差に対し誤差範囲内にあるか否かにより、エアを循環路(12)に引き込まない適正な検知状態であるか否かを判別する演算部(33)を備え、エアを循環路(12)に引き込まない水位まで給湯した適正な検知状態にすることを特徴とする浴槽の水位検知装置。
【0009】
6 浴槽(18)中の水をポンプ(15)により循環路(12)にて循環させ、該循環路(12)中に設けられた圧力センサ(19)の出力値により浴槽(18)の水位を検知するようにした浴槽の水位検知装置において、
循環中における圧力センサ(19)の出力値の振れ幅が基準値以下であるか否かを判別し、エアを循環路(12)に引き込まない適正な検知状態であるか否かを判別する演算部(33)を備え、エアを循環路(12)に引き込まない水位まで給湯した適正な検知状態にすることを特徴とする浴槽の水位検知装置。
【0010】
7 浴槽(18)中の水をポンプ(15)により循環路(12)にて循環させ、該循環路(12)中に設けられた圧力センサ(19)の出力値により浴槽(18)の水位を検知するようにした浴槽の水位検知装置において、
循環開始前における圧力センサ(19)の出力値と循環終了後における圧力センサ(19)の出力値との出力差が誤差範囲内にあるか否かで、エアを循環路(12)に引き込まない適正な検知状態であるか否かを判別する演算部(33)を備え、エアを循環路(12)に引き込まない水位まで給湯した適正な検知状態にすることを特徴とする浴槽の水位検知装置。
【0011】
次に、前記各項に記載された発明の作用について説明する。
請求項1記載の浴槽の水位検知方法では、
循環前における圧力センサ(19)の出力値を求めておく。
次に、例えば、ポンプを作動して浴槽(18)中の水を循環路(12)にて循環させ、循環中における圧力センサ(19)の出力値を求める。
次に、循環前における圧力センサ(19)の出力値と循環中における圧力センサ(19)の出力値との出力差を算出するとともに、算出した出力差と、エアを循環路(12)に引き込まない適正な検知状態での予め検知しておいた前記両出力値の出力差とを比較する。
【0012】
比較した結果、両方の圧力差が測定誤差範囲内であれば、循環中における圧力センサ(19)の出力値が適正な検知状態における出力値であると判別して、その出力値から水位を算出することができる。
一方、比較した結果、両方の圧力差が測定誤差範囲外であれば、循環中における圧力センサ(19)の出力値が不適正な検知状態における出力値であると判別し、その出力値に基づく水位の算出値は、不正確なものとして対処することができる。
循環前における圧力センサ(19)の出力値と循環中における圧力センサ(19)の出力値との出力差を算出したが、循環後における圧力センサ(19)の出力値と循環中における圧力センサ(19)の出力値との出力差を算出してもよい。
【0013】
請求項2記載の浴槽の水位検知方法では、
循環中における圧力センサ(19)の出力値の振れ幅から、エアを循環路(12)に引き込まない適正な検知状態であるか否かを判別するようにしたので、その振れ幅が、例えば、適正な検知状態において予め検知される比較的小さい振れ幅であれば、循環中における圧力センサ(19)の出力値が適正な検知状態における出力値であると判別して、その出力値から水位を算出することができる。
【0014】
一方、その振れ幅が、適正な検知状態において予め検知される振れ幅より例えば大きければ、循環中における圧力センサ(19)の出力値が不適正な検知状態における出力値であると判別し、その出力値に基づく水位の算出値は、不正確なものとして対処することができる。
【0015】
請求項3記載の浴槽の水位検知方法では、
循環開始前における圧力センサ(19)の出力値と循環終了後における圧力センサ(19)の出力値との出力差から、エアを循環路(12)に引き込まない適正な検知状態であるか否かを判別するようにしたので、その出力差が、例えば、適正な検知状態において予め検知される比較的小さい差であれば、循環中における圧力センサ(19)の出力値が適正な検知状態における出力値であると判別して、その出力値から水位を算出することができる。
一方、その出力差が、適正な検知状態において予め検知される出力差より例えば大きければ、循環中における圧力センサ(19)の出力値が不適正な検知状態における出力値であると判別し、その出力値に基づく水位の算出値は、不正確なものとして対処することができる。
【0016】
請求項4記載の浴槽の水位検知方法では、
前記エアを循環路(12)に引き込まない適正な検知状態ではない場合に、注湯して水位を上げ、エアを循環路(12)に引き込まない適正な検知状態にした後に、再度、水位を検知するようにしたので、適正な検知状態における圧力検知がなくなり、圧力センサ(19)の出力値から水位を正確に算出することができる。
【0017】
請求項5記載の浴槽の水位検知装置では、
演算部(33)が、循環前における圧力センサ(19)の出力値と循環中における圧力センサ(19)の出力値との出力差を算出するとともに、算出した出力差と、エアを循環路(12)に引き込まない適正な検知状態での予め検知しておいた前記両出力値の出力差とを比較する。
比較した結果、両方の圧力差が測定誤差範囲内であれば、循環中における圧力センサ(19)の出力値が適正な検知状態における出力値であると判別して、その出力値から水位を算出することができる。
【0018】
一方、比較した結果、両方の圧力差が測定誤差範囲外であれば、循環中における圧力センサ(19)の出力値が不適正な検知状態における出力値であると判別し、その出力値に基づく水位の算出値は、不正確なものとして対処することができる。
循環前における圧力センサ(19)の出力値と循環中における圧力センサ(19)の出力値との出力差を算出したが、循環後における圧力センサ(19)の出力値と循環中における圧力センサ(19)の出力値との出力差を算出してもよい。
【0019】
請求項6記載の浴槽の水位検知装置では、
演算部(33)が、循環中における圧力センサ(19)の出力値の振れ幅から、エアを循環路(12)に引き込まない適正な検知状態であるか否かを判別するようにしたので、その振れ幅が、例えば、適正な検知状態において予め検知される比較的小さい振れ幅であれば、循環中における圧力センサ(19)の出力値が適正な検知状態における出力値であると判別して、その出力値から水位を算出することができる。
一方、その振れ幅が、適正な検知状態において予め検知される振れ幅より例えば大きければ、循環中における圧力センサ(19)の出力値が不適正な検知状態における出力値であると判別し、その出力値に基づく水位の算出値は、不正確なものとして対処することができる。
【0020】
請求項7記載の浴槽の水位検知装置では、
演算部(33)が、循環開始前における圧力センサ(19)の出力値と循環終了後における圧力センサ(19)の出力値との出力差から、エアを循環路(12)に引き込まない適正な検知状態であるか否かを判別するようにしたので、その出力差が、例えば、適正な検知状態において予め検知される比較的小さい差であれば、循環中における圧力センサ(19)の出力値が適正な検知状態における出力値であると判別して、その出力値から水位を算出することができる。
一方、その出力差が、適正な検知状態において予め検知される出力差より例えば大きければ、循環中における圧力センサ(19)の出力値が不適正な検知状態における出力値であると判別し、その出力値に基づく水位の算出値は、不正確なものとして対処することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の一実施の形態を説明する。
各図は本発明の一実施の形態を示している。
図2に示すように、本発明は風呂釜10に適用されており、風呂釜10は、浴槽18、浴槽18内の水を循環するための循環路である追焚用の循環管路12および加熱器とから成り、循環管路12は、戻り管12aが循環ポンプ15を介して往き管12bに接続されて成り、加熱器は、追焚用のバーナ13および追焚用の熱交換器14から成る。
【0022】
追焚用のバーナ13には、ガス弁13aを介してガス供給管が接続され、戻り管12aには、サーミスタ16、通水を検知して検知信号を出力する流水センサ17が設けられている。
前記加熱器には、注湯湯張り運転可能な給湯器が併設されている。給湯器用の熱交換器25の入口側には給水管21が接続され、給水管21が水道などの水供給源に接続され、給水管21には、流量センサ20が介設されている。給湯器用の熱交換器25の出口側には給湯管22が接続され、給湯管22は台所などの所望の給湯場所に延設されている。
【0023】
給湯管22には湯張り用管26が分岐され、湯張り用管26には注湯制御弁としての注湯電磁弁24と、湯張りの流量を検出する流量検出センサ29と、浴槽水位を検出する水位検出センサとしての圧力センサ23とが設けられている。湯張り用管26の先端部が、循環管路12における熱交換器14の入口側に接続されている。これにより、追焚運転と注湯湯張り運転とが可能になっている。また、給湯器用の熱交換器25の下方には給湯用のバーナ湯張り用管25aが配設され、給水管21には入水温度センサ27が設けられ、給湯管22には出湯温度センサ28が設けられている。
【0024】
図1に示すように、圧力センサ23の出力信号は、AD変換されて、記憶部34に書き込まれ、演算部33に読み込まれて演算処理された後に、判断部30のバッファである基準出力値メモリ31および実出力値メモリ32に書き込まれる。基準出力値メモリ31への書き込みは、予め浴槽18の水位を所定の適切な状態にして循環ポンプ15を作動し循環管路12中のエアが排出され、かつ、新たなエアを循環管路12に引き込まない適正な状態において行なわれる。このとき、基準出力値メモリ31のメモリ内容としては、循環前における圧力センサ23の出力値と循環中における圧力センサ23の出力値との出力差、循環中における圧力センサ23の出力値の振れ幅、並びに、循環開始前における圧力センサ23の出力値と循環終了後における圧力センサ23の出力値との出力差の情報が相当している。
【0025】
実出力値メモリ32への書き込みは、稼動中での実際の水位実測において行なわれる。このとき、実出力値メモリ32のメモリ内容としては、同じように、循環前における圧力センサ23の出力値と循環中における圧力センサ23の出力値との出力差、循環中における圧力センサ23の出力値の振れ幅、並びに、循環開始前における圧力センサ23の出力値と循環終了後における圧力センサ23の出力値との出力差の情報が相当している。基準出力値メモリ31および実出力値メモリ32の各メモリ領域は、判断部30に特別に設けることなく、記憶部34に設けるようにしてもよい。
【0026】
図3(a)および(b)に示すように、実験により次のことが観察される。すなわち、浴槽18の水位が、循環管路12の出入口近傍にあって、循環中にエアを循環管路12に引き込む、図3(b)に示す不適正な圧力検知状態において、循環前における圧力センサ23の出力値と循環中における圧力センサ23の出力値との出力差は、図3(a)に示す適正な圧力検知状態における出力差より小さい。また、図3(b)に示す不適正な圧力検知状態において、循環中における圧力センサ23の出力値の振れ幅(最大値PMAX −最小値PMIN )は、図3(a)に示す適正な圧力検知状態における圧力値の振れ幅より大きい。さらに、図3(b)に示す不適正な圧力検知状態において、循環開始前における圧力センサ23の出力値と循環終了後における圧力センサ23の出力値との出力差は、図3(a)に示す適正な圧力検知状態における出力差(適正な場合の出力差は0にほぼ等しい)より大きい。適正な圧力検知状態における出力差出力差などの大小の程度も実験により求められている。
【0027】
記憶部34には、遠隔操作可能なコントロールパネル40が接続され、コントロールパネル40には、運転スイッチ、追焚操作スイッチおよび湯温表示部が配設されている。記憶部34には、浴槽18の水位制御プログラムおよび追焚制御プログラムが記録されている。
水位制御プログラムにおいては、記憶部34が、始動信号を駆動回路35に出力し、駆動回路35によって循環ポンプ15が通電し、循環ポンプ15が始動して、循環管路12に浴槽18内の水が循環するようになる。循環管路12に浴槽18内の水が循環するようになると、圧力センサ23はこの循環中の動圧である出力値を記憶部34に出力する。
【0028】
一方、記憶部34が始動信号を出力する前、すなわち、循環開始前においては、圧力センサ23からの循環前の静圧である出力値は記憶部34に定期的に書き込まれている。記憶部34に循環中の出力値が書き込まれると、循環中の出力値の所定個が演算部33に読み出され、演算部33は、所定個の出力値における出力値の振れ幅を算出し、算出した振れ幅を実出力値メモリ32に書き込む。また、記憶部34に循環中の出力値が書き込まれると、その循環中の出力値と循環前の出力値とが演算部33に読み出され、演算部33は、循環前の出力値と循環中の出力値との圧力差を算出し、算出した圧力差を実出力値メモリ32に書き込む。さらに、記憶部34に循環終了後の出力値が書き込まれると、演算部33は、循環開始前の出力値と循環終了後の出力値との出力差を実出力値メモリ32に書き込む。
【0029】
演算部33は、水位制御プログラムに従い、実出力値メモリ32の各情報と、その各情報に対応する基準出力値メモリ31の各情報とを読み出して、両者を比較して、比較結果の情報を記憶部34に出力するものである。前記両者の比較としては、記憶部34は、前記比較結果の情報として不適正な圧力検知状態であるとの判別情報が書き込まれると、駆動回路35に弁駆動信号を出力し、駆動回路35によって注湯弁用のアクチュエータ36が通電し、それにより、注湯弁24が開いて、給水管21を介して循環管路12へ給湯器側の湯水が流れ、循環管路12の往き管12bを通って、浴槽18内に湯水(約10リットル)が注がれ、その分浴槽18の水位が高くなり、浴槽18の水位が高くなることで、適正な圧力検知状態となる。
【0030】
一方、前記比較結果の情報として適正な圧力検知状態であるとの判別情報が記憶部34に書き込まれると、駆動回路35に弁駆動信号が出力されないで、注湯弁24は閉じたままであり、浴槽18への注湯はなされずに、圧力センサ23の出力値に基づき浴槽18の正確な水位が算出され、正確な水位が算出されると、記憶部34は、駆動回路35にガス弁制御信号を出力し、駆動回路35によってガス弁用のアクチュエータが通電して、ガス弁用のアクチュエータが作動し、ガス弁13aが開いて、追焚用のバーナ13が点火し、燃焼が開始され、追焚運転がなされる。
【0031】
次に作用を説明する。
図4および図5に示すフローチャートに基づき本実施の態様の作用を説明する。
図4のステップ101で、コントロールパネル40の自動湯張りスイッチをオンすると、記憶部34内の湯張りプログラムが開始され、ステップ102で、最初にAリットル(40リットル)の呼び水が浴槽18に落し込まれ、次に、ステップ103で、循環ポンプ15を短時間作動させたときに、ステップ104で、流水センサ17がオフであるか否かを判別する。なお、流水センサ17がオフでないときには、ステップ123で記憶エラー報知を行なう。
【0032】
次に、ステップ105で、単位水量のBリットル(10リットル)の湯水が断続的に落し込まれていき、この単位水量の湯水が落し込まれるごとに、ステップ106で、循環ポンプ15の短時間の作動が行なわれて、ステップ107で、流水センサ17がオンであるか否かが判断され、循環管路12の湯水の循環が最初に検出されたことを確認する浴槽湯水確認動作を行なう。
流水センサ17がオンである場合には、ステップ125で、圧力センサ23が所定個数の出力値を記憶部34に出力する。記憶部34に所定個数の出力値が書き込まれると、演算部33は、その所定個数の出力値の中から、最大値PMAX と最小値PMIN を算出し、最大値PMAX から最小値PMIN を減算し、減算値を実出力値メモリ32に記録する。
【0033】
次に、ステップ126で、実出力値メモリ32に記録された減算値が、基準出力値メモリ31に記録されている基準値以下であるか否かを判別する。
このとき、浴槽18の水位が戻り管12aの戻り口近傍であると、循環ポンプ15を作動したとき、循環管路12内に空気が取り込まれて浴槽18の湯水が循環するおそれがあり、空気が取り込まれると圧力センサ23の出力値が基準値以上に大幅に振れて、水位検出に誤差が生じるので、実出力値メモリ32に記録された減算値が、基準出力値メモリ31に記録されている基準値以上となり、循環管路12に空気が取り込まれない水位となるように、浴槽18の湯水確認動作の後に、さらに、初期基準水量として定められたCリットル(約10リットル)の湯水をステップ108で注湯し、このときの水位を基準水位として設定し、この基準水位の圧力をステップ109で、圧力センサ23により検出している。
【0034】
このCリットルの値は、浴槽湯水確認動作の後に基準水位まで給湯する注湯量(初期基準水量)として定められ、初期基準水量格納部としての初期基準水量データメモリに格納されているものである。
一方、ステップ126で、実出力値メモリ32に記録された減算値が、基準出力値メモリ31に記録されている基準値以下であれば、ステップ109で、このときの水位を基準水位と設定する。
【0035】
次に、ステップ110では、水量Dリットル(30リットル)の湯水の給湯が行なわれ、ステップ111で、このときの水位を圧力の値PBとして、圧力センサ23により検出する。そして、ステップ112で、圧力差△P=PbーPaを求め、ステップ113で、この圧力差△PがXcm以上か否かを判断する。このXの値は、ステップ110で、Dリットルを注湯することにより、上昇する水位差の予想量に基づいて設定される値であり、0よりも大きい適宜の値が設定される。
【0036】
圧力差△PがXcm未満のときには、ステップ124で、エラー報知がなされ、圧力差△PがXcm以上の時にはステップ114に進む。そして、ステップ114で、前記Dリットルを圧力差Pb−Paの値で割ることにより、浴槽18の開口面積Sを計算により求める。なお、ステップ101からステップ114までの動作により作成された湯張りの条件データは記憶部34に記憶されている。
【0037】
次に、ステップ116で、このときの水位が、リモコン45等によって予め指定された設定水位に達したか否かを判断し、ステップ117およびステップ118の動作により、浴槽水位が設定水位に達するまで注湯を行ない、設定水位に達したときには、ステップ119に進む。そして、ステップ119で、注湯電磁弁24が閉じられている状態で循環ポンプ15を駆動させ、ステップ120で、コントロールパネル40で指定された設定温度に風呂温度が達すると判断されるまで、ステップ121による追焚動作を行ない、風呂温度が設定温度になったときにはステップ122で沸きあげてブザーを鳴らす。
【0038】
なお、実行モードでの動作は、記憶モードの動作時に記憶した条件データに基づいて、まず、循環ポンプ15を短時間だけ駆動させたときに、流水センサ17がオンとなるか否かを判断し、流水センサ17が最初にオンとなることが確認されたときに、前記初期基準水量としてのCリットルの注湯を行なうことにより、、前記基準水位までの注湯を行なう。そして、この基準水位から指定された設定水位までの注湯両を、例えば、前記開口面積SX(設定水位−検出水位)の演算によって求めて、求めた注湯量の注湯を行なうことにより、設定水位までの注湯を行なう。
【0039】
前記実施の形態においては、ステップ126で、実出力値メモリ32に記録された減算値が、基準出力値メモリ31に記録されている基準値以下であるか否かを判別するものを示したが、循環前における圧力センサ23の出力値と循環中における圧力センサ23の出力値との出力差、および、エアを浴槽18に引き込まない適正な検知状態での予め検知しておいた前記両出力値の出力差から、その出力差に対する基準値と比較して、適正な検知状態であるか否かを判別するようにしてもよく、また、循環開始前における圧力センサ23の出力値と循環終了後における圧力センサ23の出力値との出力差から、その出力値に対する基準値と比較して、エアを循環路に引き込まない適正な検知状態であるか否かを判別してもよい。
【0040】
【発明の効果】
本発明にかかる浴槽の水位検知方法によれば、水面上のエアを出入口を通して循環路に引き込んだ不適正な状態での圧力検出を判別して、不正確な水位の測定を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す水位検知装置のブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態を示す風呂釜の概念図である。
【図3】本発明の一実施の形態を示す水位検知装置の実験結果図である。
【図4】本発明の一実施の形態を示す水位検知装置のフローチャートである。
【図5】本発明の一実施の形態を示す水位検知装置のフローチャートである。
【符号の説明】
10…風呂釜
12…循環管路
13…バーナ
14…熱交換器
15…ポンプ
16…サーミスタ
17…流水センサ
18…浴槽
20…流量センサ
21…給水管
22…給湯管
23…圧力センサ
24…注湯電磁弁
30…判断部
31…基準出力値メモリ
32…実出力値メモリ
33…演算部
34…記憶部
35…駆動回路
36…注湯弁用のアクチュエータ
40…コントロールパネル

Claims (7)

  1. 浴槽中の水をポンプにより循環路にて循環させ、該循環路中に設けられた圧力センサの出力値により浴槽の水位を検知するようにした浴槽の水位検知方法において、
    循環前あるいは循環後における圧力センサの出力値と循環中における圧力センサの出力値との出力差が、エアを循環路に引き込まない適正な検知状態での予め検知しておいた前記両出力値の出力差に対し誤差範囲内にあるか否かにより、エアを循環路に引き込まない適正な検知状態であるか否かを判別し、エアを循環路に引き込まない水位まで給湯した適正な検知状態にすることを特徴とする浴槽の水位検知方法。
  2. 浴槽中の水をポンプにより循環路にて循環させ、該循環路中に設けられた圧力センサの出力値により浴槽の水位を検知するようにした浴槽の水位検知方法において、
    循環中における圧力センサの出力値の振れ幅が基準値以下であるか否かを判別し、エアを循環路に引き込まない適正な検知状態であるか否かを判別し、エアを循環路に引き込まない水位まで給湯した適正な検知状態にすることを特徴とする浴槽の水位検知方法。
  3. 浴槽中の水をポンプにより循環路にて循環させ、該循環路中に設けられた圧力センサの出力値により浴槽の水位を検知するようにした浴槽の水位検知方法において、
    循環開始前における圧力センサの出力値と循環終了後における圧力センサの出力値との出力差が誤差範囲内にあるか否かで、エアを循環路に引き込まない適正な検知状態であるか否かを判別し、エアを循環路に引き込まない水位まで給湯した適正な検知状態にすることを特徴とする浴槽の水位検知方法。
  4. 前記エアを循環路に引き込まない適正な検知状態ではない場合に、注湯して水位を上げ、エアを循環路に引き込まない適正な検知状態にした後に、再度、水位を検知するようにしたことを特徴とする請求項1、2および3記載の浴槽の水位検知方法。
  5. 浴槽中の水をポンプにより循環路にて循環させ、該循環路中に設けられた圧力センサの出力値により浴槽の水位を検知するようにした浴槽の水位検知装置において、
    循環前あるいは循環後における圧力センサの出力値と循環中における圧力センサの出力値との出力差が、エアを循環路に引き込まない適正な検知状態での予め検知しておいた前記両出力値の出力差に対し誤差範囲内にあるか否かにより、エアを循環路に引き込まない適正な検知状態であるか否かを判別する演算部を備え、エアを循環路に引き込まない水位まで給湯した適正な検知状態にすることを特徴とする浴槽の水位検知装置。
  6. 浴槽中の水をポンプにより循環路にて循環させ、該循環路中に設けられた圧力センサの出力値により浴槽の水位を検知するようにした浴槽の水位検知装置において、
    循環中における圧力センサの出力値の振れ幅が基準値以下であるか否かを判別し、エアを循環路に引き込まない適正な検知状態であるか否かを判別する演算部を備え、エアを循環路に引き込まない水位まで給湯した適正な検知状態にすることを特徴とする浴槽の水位検知装置。
  7. 浴槽中の水をポンプにより循環路にて循環させ、該循環路中に設けられた圧力センサの出力値により浴槽の水位を検知するようにした浴槽の水位検知装置において、
    循環開始前における圧力センサの出力値と循環終了後における圧力センサの出力値との出力差が誤差範囲内にあるか否かで、エアを循環路に引き込まない適正な検知状態であるか否かを判別する演算部を備え、エアを循環路に引き込まない水位まで給湯した適正な検知状態にすることを特徴とする浴槽の水位検知装置
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