JP3720090B2 - 自動湯張り器具およびその自動湯張り制御装置 - Google Patents
自動湯張り器具およびその自動湯張り制御装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、風呂の自動湯張り機能を備えた自動湯張り器具およびその自動湯張り制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
給湯源の給湯熱交換器で作り出した湯を追い焚き循環管路に送り込み、この追い焚き循環管路を介して浴槽内に落とし込んで自動湯張りを行う、自動湯張り器具としての湯張り機能付給湯器が広く採用されている。
【0003】
図6には、この種の湯張り機能付給湯器の配管システムが示されている。同図において、風呂バーナ6の上側に追い焚き熱交換器7が設けられ、その追い焚き熱交換器7の入口側には管路17の一端側が接続され、管路17の他端側は循環ポンプ18の吐出側に接続されている。この管路17には通水の温度を検出するサーミスタ等の風呂温度センサ9が設けられている。
【0004】
循環ポンプ18の吸込側には追い焚き循環路14の戻り管15が接続されており、循環口である戻り管15の戻り口側(入口側)は浴槽1の側壁に循環金具2を介して接続されている。この戻り管15には通水を検知してオン信号を出力する流水検出センサとしての追い焚き流水スイッチ16が設けられている。追い焚き熱交換器7の出口側には追い焚き循環路14の往管20の入口側が接続されており、往管20の出口側は循環金具2を介して浴槽側壁に接続されている。
【0005】
なお、図6では、配管システムが分かり易いように、往管20の出口側を戻り管15の戻り口側よりも上側に示したが、その逆でも良い。実際には、例えば、図4に示すように、往管20の出口側と戻り管15の戻り口側とは、ほぼ同じ高さとなるように、循環金具2に取り付け配設されている。
【0006】
図6に示すように、給湯バーナ4の上側には給湯源としての給湯熱交換器5が設けられ、この給湯熱交換器5の入口側には給水管11が接続され、この給水管11は水道等の水供給源に接続されており、この給水管11にはメインの流量センサ10が介設されている。給湯熱交換器5の出口側には給湯管12が接続されており、この給湯管12は台所等の所望の給湯場所に導かれている。
【0007】
前記給湯管12には湯張り用管21が分岐されており、この湯張り用管21には、注湯制御弁としての注湯電磁弁24と、湯張りの流量を検出する流量検出センサ19と、浴槽水位を検出する水位検出センサとしての圧力センサ13とが設けられている。なお、図中、33はガス管、42は入水温度センサ、43は出湯温度センサをそれぞれ示している。
【0008】
この湯張り機能付給湯器の給湯運転と、追い焚き運転と、注湯湯張り運転とは制御装置34によって行われており、この制御装置34にはリモコン35が接続されている。このリモコン35の水位設定ボタン等により、設定水位を指定して湯張りを行うことにより、指定した設定水位の湯張りが可能となっている。
【0009】
この種の湯張り機能付給湯器では、リモコン35により湯張りの設定水位と設定温度を指定し、リモコン35の自動運転スイッチがオンされると、注湯電磁弁24が開けられ、給水管11から水が給湯熱交換器5に入り込む。この給水管11の通水をメインの流量センサ10が検出することにより給湯バーナ4が燃焼し、この燃焼火力でもって給湯熱交換器5を通る水が熱せられて湯になり、この湯は湯張り用管21を通って追い焚き循環路14内に入り、さらにこの追い焚き循環路14の戻り管15と往管20を通して浴槽1内に注湯される。
【0010】
通常、給湯熱交換器5からの湯の落とし込みは予め与えられた所定の水量ずつ断続的に行われ、この断続の湯の落とし込みが終了する毎に、循環ポンプ18が短時間だけ起動され、追い焚き流水スイッチ16の信号により、浴槽1の水位が循環金具の高さ位置に達したか否かが判断される。追い焚き流水スイッチ16からオン信号が加えられたときに、浴槽水位が循環金具2に達したものと判断され、次に、指定された設定水位の水量が一気に落とし込まれて指定した設定水位の湯張りが終了する。
【0011】
この注湯湯張り動作を的確に行うために、この種の自動湯張り器具の制御装置34には、自動湯張り動作の制御を行う自動湯張り制御装置が設けられており、図8に示すように、自動湯張り制御装置8は、注湯量演算部26と動作制御部27とを有して構成されている。
【0012】
動作制御部27は、湯張りの条件データを作製記憶する動作を行う湯張りのシーケンスプログラムをもち、このシーケンスプログラムに従い、記憶モードの湯張りの動作を制御する。また、動作制御部27は、前記記憶モードの動作によって作製記憶された湯張りの条件データを用いて、実際の湯張りを行うシーケンスプログラムも内蔵しており、このシーケンスプログラムに従い、実際に湯張りを行う実行モードでの湯張り動作を制御する。
【0013】
注湯量演算部26は、圧力センサ13によって検出される浴槽1の検出水位に基づいて、湯張りの注湯量を演算により求めるものであり、循環ポンプ18を駆動したときに追い焚き流水スイッチ16によって浴槽1内の湯水の流れが検出された後、圧力センサ13によって検出される浴槽湯水の検出水位から指定された設定水位までの注湯量を演算し、この演算結果を動作制御部27に加える。
【0014】
図9には、前記シーケンスプログラムに従って行われる記憶モードおよび、実行モードでの湯張り動作がフローチャートにより示されている。以下、このフローチャートに基づいて、図6に示したようなシステム構成を有する従来の湯張り機能付き給湯器の動作を説明する。まず、記憶モードでの動作時に、ステップ101 で、リモコン35等に設けられている自動スイッチをオンとすると、ステップ102 で、図5に示す如く、最初にaリットルの呼び水が浴槽1に落とし込まれ、次に、ステップ103 で、循環ポンプ18を短時間駆動させたときに、ステップ104 で、追い焚き流水スイッチ16がオフとなることを確認する。
【0015】
次に、ステップ105 で、図5に示す単位水量のbリットルの湯水が断続的に落とし込まれていき、この単位水量の湯水が落とし込まれるごとに、ステップ106 で、循環ポンプ18の短時間の駆動が行われて、ステップ107 で、追い焚き流水スイッチ16がオンとなるか否かが判断され、浴槽水位が循環金具2を越えた水位に達して、追い焚き循環路14の湯水循環の検知が行われたときには、ステップ108 で、このときの水位を圧力の値Paとして、圧力センサ13により検出する。
【0016】
次に、ステップ109 で、図5の水量cリットルの湯水の給湯が行われ、ステップ110 で、このときの水位を圧力の値Pbとして圧力センサ13により検出する。そして、ステッップ111 で、前記cリットルを圧力差Pb−Paの値で割ることにより、浴槽1の開口面積Sを計算によって求める。なお、前記ステップ101 からステップ111 までの動作により作製された湯張りの条件データは動作制御部27に記憶される。
【0017】
次に、ステップ112 で、このときの水位が、リモコン35等により予め指定された設定水位に達したか否かを判断し、ステップ113 およびステップ114 の動作により、浴槽水位が設定水位に達するまで注湯を行い、設定水位に達したときには、ステップ115 に進む。そして、ステップ115 で、注湯電磁弁24が閉じられている状態で循環ポンプ18を駆動させ、ステップ116 で、予めリモコン35等により指定された設定温度に風呂温度が達すると判断されるまで、ステップ117 による追い焚き動作を行い、風呂温度が設定温度なったときにはステップ118 で沸き上げブザーを鳴らす。
【0018】
この追い焚き動作は、循環ポンプ18が起動されることにより、追い焚き循環路14を通して浴槽湯水が循環したときに、この循環湯水を追い焚き流水スイッチ16が検出して、風呂バーナ6の燃焼が行われ、この燃焼火力でもって追い焚き熱交換器7を通る湯水を加熱して浴槽1の湯を追い焚きすることにより行われる。風呂温度センサ9により、循環湯水の温度が風呂の設定温度に達したことが検知されたときに、循環ポンプ18が停止されて追い焚き動作は終了となる。
【0019】
一方、実行モードでの動作は、記憶モードの動作時に動作制御部27に記憶した条件データに基づいて、以下のようにして行われる。まず、実行モードでの動作時に、ステップ119 で、自動スイッチをオンとすると、ステップ120 で、循環ポンプ16が短時間だけ駆動され、ステップ121 で、追い焚き流水スイッチ16がオンとなるかどうかが判断される。そして、追い焚き流水スイッチ16がオフのときには、ステップ122 で、循環口、すなわち、戻り管15の取り付け位置の下まで(例えば図5のa+3bリットルの湯水の)注湯を行い、次に、ステップ123 で、循環ポンプ18を短時間だけ駆動させて、このとき、追い焚き流水スイッチ16がオンとなるか否かを判断する。そして、追い焚き流水スイッチ16がオフのときにはステップ125 に進む。また、ステップ124 および、前記ステップ121 で、追い焚き流水スイッチ16がオンとなることが確認されたときには、浴槽水位が循環口よりも上側まで達していると判断されるため、ステップ129 により、追い焚き動作が行われる。
【0020】
ステップ125 では、循環口の上まで注湯が行われ、ステップ126 で、循環ポンプ18を短時間駆動したときに、追い焚き流水スイッチ16がオンとなるまで注湯を繰り返し行う。そして、ステップ127 で、追い焚き流水スイッチ16がオンとなることが確認されたときには、ステップ128 で、圧力センサ13による圧力検出(浴槽水位の検出)が行われる。
【0021】
次に、ステップ112 で、このときの浴槽水位、すなわち、ステップ128 での検出水位が前記設定水位未満か否かが判断され、設定水位未満のときには、前記検出水位から指定された設定水位までの注湯量を、注湯量演算部26により、例えば前記開口面積S×(設定水位−検出水位)の演算によって求めて、求めた注湯量の注湯を行う。そして、以下、ステップ114 からステップ118 まで、記憶モードでの動作時と同様の動作により行い、風呂温度が設定温度となるようにする。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記のような自動湯張り動作時に、例えば、実行モードでの動作が行われて、図9のステップ127 で追い焚き流水スイッチ16がオンであると確認されてから、ステップ128 で圧力検出(浴槽水位検出)が行われるまでの間に、洗濯等により浴槽1の水が使われることがある。そして、このことにより、浴槽水位が循環口よりも下がってしまうと、循環口である戻り管15の入口側が大気に開放されることにより、水崩れが生じ、特に、図7に示すように、浴槽1が家の2階に設置されており、湯張り機能付き給湯器の器具本体が家の1階に設けられている場合等は、戻り管15の途中まで空になることが生じる。
【0023】
そうすると、図9のステップ128 で、圧力センサ13により検出される検出水位が図7に示すように、浴槽1の底面よりも下側の極端に低い水位となり、ステップ113 で、この浴槽1よりも下側の検出水位から設定水位までの注湯量(浴槽1の開口面積S×高さH1 )が、注湯量演算部26により求められて注湯されることになり、浴槽1から湯水が溢れてしまうといった問題が生じた。
【0024】
また、設定水位が、図7の破線Aに示したように浴槽1の開口部よりも非常に低い場合には、浴槽1から湯水が溢れることは生じないにしても、設定した設定水位よりもかなり高い水位までの注湯が行われることになるために、利用者の意図に反することになり、また、湯水の無駄を招くことにもなった。
【0025】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、自動湯張り動作時に浴槽から湯水を溢れさせてしまうようなことがなく、少なくともほぼ設定水位に近い水位まで注湯を行うことができる自動湯張り器具およびその自動湯張り制御装置を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成により課題を解決するための手段としている。すなわち、第1の発明の自動湯張り器具は、給湯源の湯を浴槽側壁に接続された追い焚き循環路を通して浴槽に落とし込む配管システムを備え、追い焚き循環路には浴槽内の湯水を循環させる循環ポンプと湯水の流れを検出する流水検出センサが設けられ、また、浴槽水位を前記追い焚き循環路の管路を通して検出する水位検出センサと、該水位検出センサの水位検出信号に基づいて湯張りの注湯量を求める注湯量演算部とが設けられており、前記循環ポンプを駆動したときに前記流水検出センサによって浴槽内の湯水の流れを検出した後、前記水位検出センサによって浴槽水位を検出して該検出水位から指定された設定水位までの注湯量を前記注湯量演算部で求めて注湯することにより湯張りを行う自動湯張り制御装置を備えた自動湯張り器具であって、浴槽に接続される前記追い焚き循環路の循環口よりも少し上側の基準水位が予め与えられており、前記自動湯張り制御装置は前記循環口よりも少し上側まで注湯して前記循環ポンプを駆動したときに前記流水検出センサによって浴槽内の湯水の流れの有無を検出する手段と、当該手段によって湯水の流れが検出されたときに前記水位センサによって検出される浴槽湯水の検出水位と前記基準水位とを比較し、前記検出水位が基準水位以上のときには前記注湯量演算部に設定水位までの注湯量を求めるための水位として検出水位の値を加え、前記検出水位が基準水位未満のときには前記注湯量演算部に設定水位までの注湯量を求めるための水位として基準水位の値を加える水位比較判断部とを備えて、前記水位センサによって検出される浴槽湯水の検出水位が前記基準水位以上のときには該検出水位から指定された設定水位までの前記注湯量演算部によって求められた注湯量の注湯を行い、前記検出水位が前記基準水位未満のときには前記注湯量演算部によって求められた前記基準水位から前記設定水位までの注湯量の注湯を行う構成として構成されている。
【0027】
また、第2の発明の自動湯張り器具の自動湯張り制御装置は、給湯源の湯を浴槽側壁に接続された追い焚き循環路を通して浴槽に落とし込む配管システムを備え、追い焚き循環路には浴槽内の湯水を循環させる循環ポンプと湯水の流れを検出する流水検出センサが設けられ、また、浴槽水位を前記追い焚き循環路の管路を通して検出する水位検出センサが設けられている自動湯張り器具の自動湯張り動作を制御する自動湯張り制御装置であって、前記水位検出センサの水位検出信号に基づいて湯張りの注湯量を求める注湯量演算部と、前記追い焚き循環路の循環口よりも少し上側まで注湯した後に前記循環ポンプを駆動させて浴槽内の湯水の流れの有無を前記流水検出センサの信号によって確認する手段と、当該手段によって湯水の流れが確認された後に浴槽水位を前記水位検出センサの信号によって検出する手段と、当該手段によって検出される浴槽湯水の検出水位と前記追い焚き循環路の循環口よりも少し上側の予め与えられた基準水位とを比較し、前記検出水位が基準水位以上のときには前記注湯量演算部に設定水位までの注湯量を求めるための水位として検出水位の値を加え、前記検出水位が基準水位未満のときには前記注湯量演算部に設定水位までの注湯量を求めるための水位として基準水位の値を加える水位比較判断部とを備え、検出水位が前記基準水位以上のときには該検出水位から指定された設定水位までの前記注湯量演算部によって求められた注湯量の注湯を行い、前記検出水位が前記基準水位未満のときには前記注湯量演算部によって求められた前記基準水位から前記設定水位までの注湯量の注湯を行う構成としたことを特徴として構成されている。
【0028】
上記構成の本発明において、流水検出センサによって浴槽内の湯水の流れを検出した後、前記水位センサによって検出される浴槽湯水の検出水位が、浴槽に接続される追い焚き循環路の循環口よりも少し上側の予め与えられた基準水位未満だったときには、この基準水位から設定水位までの注湯量を注湯して湯張りを行う構成としたために、たとえ、前記流水検出センサによる浴槽内の湯水の流れの検出後に水崩れ等が生じて、それにより極端に低い誤った水位が検出されても、その誤った検出水位から設定水位までの多量の湯水が注湯されることはなく、浴槽から湯水が溢れることが抑制される。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態例の説明において、従来例と同一名称部分には同一符号を付しその重複説明は省略する。本実施形態例の自動湯張り器具は、図6に示したシステム構成を有する湯張り機能付き給湯器であり、本実施形態例が従来例と異なる特徴的なことは、図1に示すように、自動湯張り制御装置8に、予め与えられた基準水位を格納する基準水位メモリ28と、この基準水位と圧力センサ13による検出水位とを比較して判断する水位比較判断部29を設けたことである。それ以外の構成は従来例と同様に構成されている。
【0030】
基準水位メモリ28に格納される基準水位は、浴槽1に接続される追い焚き循環路14の循環口である戻り管15の入口側よりも少し上側の水位が与えられるようになっており、この水位は、記憶モードの動作時に、圧力センサ13により正確に水位が検出できる位置となっている。なお、本実施形態例では、図3に示すフローチャートに従い、従来例とほぼ同様の記憶モードでの動作が行われるようになっているが、ステップ108 からステップ109 に進む前に、ステップ201 で基準水位設定動作が行われるようになっており、ステップ108 で検出された圧力Paの値が基準水位として基準水位メモリ28に設定される。
【0031】
水位比較判断部29は、湯張り機能付き給湯器の自動湯張り動作時に、循環ポンプ18を駆動したときに、追い焚き流水スイッチ16によって浴槽1内の湯水の流れを検出した後、圧力センサ13によって検出される浴槽湯水の検出水位と、基準水位メモリ28に格納されている基準水位とを比較し、前記検出水位が基準水位以上の値だったときには検出水位の値を注湯量演算部26に加え、一方、検出水位が基準水位未満だったときには基準水位の値を注湯量演算部26に加える。
【0032】
そして、本実施形態例の注湯量演算部26は、水位比較判断部29から加えられる判断結果、すなわち、前記検出水位と基準水位のいずれか一方の値を受けて、水位比較判断部29から検出水位の値が加えられたときには、この検出水位から指定された設定水位までの注湯量を演算により求め、演算結果を動作制御部27に加える。また、水位比較判断部29から基準水位の値が加えられたときには、注湯量演算部26は、基準水位から前記設定水位までの注湯量を演算により求め、演算結果を動作制御部27に加える。
【0033】
動作制御部27は、注湯量演算部26から加えられる演算結果を受けて、注湯量演算部26により演算して求めた湯張りの注湯量を注湯することにより湯張りを行う。
【0034】
本実施形態例は以上のように構成されており、図3には、本実施形態例の湯張り機能付給湯器の記憶モードおよび実行モードでの動作のフローチャートが示されている。なお、図3のフローチャートにおいて、図9に示した従来例の湯張り機能付き給湯器の動作フローチャートと同様の動作を行うものには、図9のフローチャートのステップ番号と同じステップ番号を付してあり、その重複説明は省略する。本実施形態例の湯張り機能付き給湯器は、図3のフローチャートに従って、従来の湯張り機能付き給湯器とほぼ同様の動作を行うが、本実施形態例では、記憶モードの動作時に、ステップ107 で追い焚き流水スイッチ16がオンとなったときの浴槽水位を、ステップ108 で、圧力センサ13により検出した後に、ステップ201 で、この検出水位(検出圧力Pa)を基準水位として設定し、この値を基準水位メモリ28に格納する。
【0035】
そして、ステップ109 以降の動作を従来例と同様に行って、設定水位までの湯張りおよび設定温度までの追い焚き動作を行う。
【0036】
また、実行モードの動作時にも、ステップ119 からステップ128 までの動作を従来例と同様に行い、ステップ112 で、ステップ128 での検出水位が設定水位未満と判断されたときには、ステップ202 で、水位比較判断部29により、浴槽水位が基準水位メモリ28に格納した基準水位以上か否かを判断し、浴槽水位が基準水位以上のときには、従来例のステップ113 から114 の動作と同様に、注湯量演算部26により、浴槽水位(浴槽の検出水位)から設定水位までの注湯量を求めて注湯を行う。また、ステップ202 で、浴槽1の検出水位が基準水位未満であると判断されたときには、ステップ203 で、注湯量演算部26により、基準水位から設定水位までの注湯量(水量)を求めて、この水量の湯水の注湯を行う。
【0037】
そのため、ステップ126 で、循環ポンプ18を駆動したときに、追い焚き流水スイッチ16によって浴槽1内の湯水の流れが検出されたときから、このときの浴槽水位を、ステップ128 で、圧力センサ13によって検出するまでの間に、浴槽1内の湯水が洗濯等によって使われて、図2に示すように、浴槽水位が循環口としての戻り管15の入口側よりも下がって水崩れが生じ、圧力センサ13によって検出される検出水位が浴槽1の底面よりも下回ってしまったときには、この検出水位から設定水位までの注湯量が注湯される代わりに、基準水位から設定水位までの注湯量が注湯されることになる。
【0038】
具体的には、図3のステップ111 で求めた開口面積をSとすると、従来の湯張り機能付き給湯器の場合には、S×H1 の水量が注湯量として求められてこの注湯量の湯水の注湯が行われるが、本実施形態例では、図2に示す基準水位から設定水位までの高さH0 に前記開口面積Sを掛けたS×H0 の水量が注湯量として求められ、この注湯量の注湯が行われることになる。
【0039】
本実施形態例によれば、上記動作により、循環ポンプ18を駆動したときに、追い焚き流水スイッチ16によって浴槽1内の湯水の流れを検出した後、圧力センサ13によって検出される浴槽湯水の検出水位が基準水位未満だったときには、基準水位から設定水位までの注湯量の注湯が行われるために、たとえ、水崩れ等の様々な原因により、前記検出水位が浴槽1の底面よりも低い水位として誤って検出されたとしても、この誤った低い水位から設定水位までの多量の水が注湯されることはなく、それにより浴槽1から湯水が溢れ出すといったことを防ぐことができる。そして、基準水位から設定水位までの注湯量が注湯されることにより、ほぼ設定水位に近い水位までの注湯を行うことが可能となる。
【0040】
なお、本発明は上記実施形態例に限定されることはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば、上記実施形態例では、図3のステップ202 で、浴槽1の検出水位が基準水位未満であると判断されたときには、ステップ203 で、基準水位から設定水位までの水量を注湯量演算部26により演算して求めて注湯したが、例えば、図3のステップ201 で基準水位が設定されたときに、この基準水位から設定水位までの水量を求めてこの水量を基準水量としてメモリに格納し、前記検出水位が基準水位未満のときには、メモリに格納した基準水量の湯水の注湯を行うようにしてもよい。
【0041】
また、上記実施形態例では、浴槽1が家の2階に設置され、一方、湯張り機能付き給湯器の器具本体が1階に設けられている例について述べたが、浴槽1と器具本体とは必ずしも2階と1階とに分けて設置するとは限らず、例えば浴槽1と器具本体とを同じ階に設置しても構わない。
【0042】
さらに、上記実施形態例では、追い焚き循環路14に追い焚き熱交換器7が設けられているが、この追い焚き熱交換器7は省略される場合もある。追い焚き熱交換器7が省略される場合には、給湯熱交換器5側から高温の差し湯を浴槽に落とし込むことにより、追い焚きを行うこととなる。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、自動湯張り動作時に、循環ポンプを駆動したときに前記流水検出センサによって浴槽内の湯水の流れを検出した後、前記水位センサによって検出される浴槽湯水の検出水位が、浴槽に接続される追い焚き循環路の循環口よりも少し上側の予め設定した基準水位未満だったときには、この基準水位から設定水位までの注湯量を注湯して湯張りを行う構成としたため、前記浴槽内の湯水の流れを検出した後の検出水位が、湯張り途中で浴槽湯水が使われること等による水崩れ等により、浴槽の底面よりも下側の水位であると誤って検出されたとしても、この誤って検出された検出水位から設定水位までの多量の水量を注湯することにより、浴槽から湯水を溢れさせてしまうといったことを防ぐことができる。そして、前記水漏れ等があったときでも、基準水位から設定水位までの注湯量を注湯することにより、ほぼ設定水位に近い水位までの注湯を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動湯張り器具の一実施形態例の自動湯張り制御部要部構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態例における設定水位、基準水位、検出水位の高さと、それに伴う注湯量の算出手法の説明図である。
【図3】同実施形態例の自動湯張り動作を具体的に示すフローチャートである。
【図4】自動湯張り器具としての湯張り機能付き給湯器における追い焚き循環路の循環金具への取り付け状態例を示す説明図である。
【図5】自動湯張り器具の記憶モードの湯張り動作における各段階での注湯量の説明図である。
【図6】自動湯張り器具としての湯張り機能付き給湯器のシステム構成例の説明図である。
【図7】従来の自動湯張り器具における設定水位までの注湯量の算出手法の説明図である。
【図8】従来の自動湯張り器具の自動湯張り制御部要部構成を示すブロック説明図である。
【図9】従来の自動湯張り器具の自動湯張り動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 浴槽
8 自動湯張り制御装置
16 追い焚き流水スイッチ
18 循環ポンプ
26 注湯量演算部
28 基準水位メモリ
29 水位比較判断部
Claims (2)
- 給湯源の湯を浴槽側壁に接続された追い焚き循環路を通して浴槽に落とし込む配管システムを備え、追い焚き循環路には浴槽内の湯水を循環させる循環ポンプと湯水の流れを検出する流水検出センサが設けられ、また、浴槽水位を前記追い焚き循環路の管路を通して検出する水位検出センサと、該水位検出センサの水位検出信号に基づいて湯張りの注湯量を求める注湯量演算部とが設けられており、前記循環ポンプを駆動したときに前記流水検出センサによって浴槽内の湯水の流れを検出した後、前記水位検出センサによって浴槽水位を検出して該検出水位から指定された設定水位までの注湯量を前記注湯量演算部で求めて注湯することにより湯張りを行う自動湯張り制御装置を備えた自動湯張り器具であって、浴槽に接続される前記追い焚き循環路の循環口よりも少し上側の基準水位が予め与えられており、前記自動湯張り制御装置は前記循環口よりも少し上側まで注湯して前記循環ポンプを駆動したときに前記流水検出センサによって浴槽内の湯水の流れの有無を検出する手段と、当該手段によって湯水の流れが検出されたときに前記水位センサによって検出される浴槽湯水の検出水位と前記基準水位とを比較し、前記検出水位が基準水位以上のときには前記注湯量演算部に設定水位までの注湯量を求めるための水位として検出水位の値を加え、前記検出水位が基準水位未満のときには前記注湯量演算部に設定水位までの注湯量を求めるための水位として基準水位の値を加える水位比較判断部とを備えて、前記水位センサによって検出される浴槽湯水の検出水位が前記基準水位以上のときには該検出水位から指定された設定水位までの前記注湯量演算部によって求められた注湯量の注湯を行い、前記検出水位が前記基準水位未満のときには前記注湯量演算部によって求められた前記基準水位から前記設定水位までの注湯量の注湯を行う構成としたことを特徴とする自動湯張り器具。
- 給湯源の湯を浴槽側壁に接続された追い焚き循環路を通して浴槽に落とし込む配管システムを備え、追い焚き循環路には浴槽内の湯水を循環させる循環ポンプと湯水の流れを検出する流水検出センサが設けられ、また、浴槽水位を前記追い焚き循環路の管路を通して検出する水位検出センサが設けられている自動湯張り器具の自動湯張り動作を制御する自動湯張り制御装置であって、前記水位検出センサの水位検出信号に基づいて湯張りの注湯量を求める注湯量演算部と、前記追い焚き循環路の循環口よりも少し上側まで注湯した後に前記循環ポンプを駆動させて浴槽内の湯水の流れの有無を前記流水検出センサの信号によって確認する手段と、当該手段によって湯水の流れが確認された後に浴槽水位を前記水位検出センサの信号によって検出する手段と、当該手段によって検出される浴槽湯水の検出水位と前記追い焚き循環路の循環口よりも少し上側の予め与えられた基準水位とを比較し、前記検出水位が基準水位以上のときには前記注湯量演算部に設定水位までの注湯量を求めるための水位として検出水位の値を加え、前記検出水位が基準水位未満のときには前記注湯量演算部に設定水位までの注湯量を求めるための水位として基準水位の値を加える水位比較判断部とを備え、検出水位が前記基準水位以上のときには該検出水位から指定された設定水位までの前記注湯量演算部によって求められた注湯量の注湯を行い、前記検出水位が前記基準水位未満のときには前記注湯量演算部によって求められた前記基準水位から前記設定水位までの注湯量の注湯を行う構成としたことを特徴とする自動湯張り器具の自動湯張り制御装置。
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