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JP3803995B2 - 家具用スライド蝶番 - Google Patents

家具用スライド蝶番 Download PDF

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JP3803995B2
JP3803995B2 JP18933198A JP18933198A JP3803995B2 JP 3803995 B2 JP3803995 B2 JP 3803995B2 JP 18933198 A JP18933198 A JP 18933198A JP 18933198 A JP18933198 A JP 18933198A JP 3803995 B2 JP3803995 B2 JP 3803995B2
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engagement
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不二人 中道
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磯川産業株式会社
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、家具本体に扉をワンタッチで取り付けできる家具用スライド蝶番に係るものである。尚、ここで家具とは狭義の意味の家具ではなく、建具等をも含む概念で用いている。
【0002】
【従来の技術】
従来、家具用スライド蝶番としては、実開平6−76582号公報記載の如く、家具本体側に固定した固着体に、扉側と接続するホルダーを上面から押圧する事により、係合部材に配置した一対の係合爪を係合連結する方法が知られている。そして、この一対の係合爪は、ホルダーに各々ピンで軸着している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、この係合爪をホルダーに軸着するための多くの手数を要するものとなっている。即ち、一対の係合爪はホルダーに軸着しているため、その取付間隔が固定されるものとなり、一対の係合爪の間隔を開放、若しくは狭めるために、一対の係合爪を両端に連結固定する連結部材が、一対の係合爪の軸着部の間隔に対応しなければならないものとなる。その結果、部材の工作精度を高度に要求され、製造に多くの手数を要するとともに構造を複雑とし、製品の単価を高くするとともに組み立て作業に多くの手数を要する欠点を有していた。
【0004】
本発明は、上述の如き課題を解決しようとするものであって、家具用スライド蝶番に於て、部材点数を減少するとともに部材の組み立てを容易とし、また部材の製造時に於ける精度が厳密に要求される事がなく、多少の製造誤差を生じた場合にも何等支障なく組み立てを可能とするようにしたものである。そして、部材点数を少なくし、製造上の工作精度を高度に必要としない事によって、廉価な家具用スライド蝶番を得る事を可能にしようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の如き課題を解決するため、扉体に固定するための扉取付部材と、家具本体に固定するための本体取付部材とをリンクプレートを介して回動自在に連結し、上記の本体取付部材は家具本体に取り付ける固着体と、この固着体に着脱可能に接続するホルダーと、このホルダーを扉取付部材に連結するための連結体とから構成し、固着体とホルダーとに嵌合突起と嵌合穴とを形成するとともに、固着体に前方係合受部と後方係合受部とを形成し、ホルダーの前方側から設けたU字型溝に、前方係合受部と係合する前方係合杆を摺動可能に嵌合するとともに、後方係合受部と係合する後方係合杆を設けた後方係合体を、ホルダーに軸部材で軸着し、この後方係合体の、後方係合杆とは軸着部を介した反対側位置に連結部材の後端を接続し、この連結部材の先端に前方係合杆を連結し、後方係合体の回動時に、前方係合杆と後方係合杆の間隔を広くし得る構成として成るものである。
【0006】
また、後方係合体は、ホルダーとの間に介装した押圧発条により、前方係合杆と後方係合杆との間隔を狭くする方向に常時は付勢しているものであっても良い。
【0007】
【作用】
本発明は上述の如く構成したものであるから、本件発明に係る家具用スライド蝶番を、扉体及び家具本体に接続して使用するには、扉取付部材を扉に固定するとともに、本体取付部材の固着体を家具本体に固定する。そして、ホルダーと連結体とは固着体と分離し、扉取付部材にリンクプレートを介して固定している。従ってこの状態に於ては、扉と家具本体とは分離し別体となっている。
【0008】
そして、扉を家具本体に固定するに際しては、扉を家具本体に接近し、ホルダーの前方係合杆を固着体の前方係合受部に臨ませて配置するとともに、ホルダーの後方係合体の後方係合杆を、固着体の後方係合受部に臨ませた状態に於て、連結体を介してホルダーを固着部材に強く押圧する。
【0009】
この押圧によって、後方係合体はホルダーに回動自在に軸着しているため、この軸着部を支点として回動する。この回動に伴って回動力が連結部材に伝達され、連結部材を押圧する。この連結部材の押圧により、ホルダーのU字型溝に摺動自在に係合している前方係合杆を外方向に押圧摺動する事により、前方係合杆と後方係合体の後部係合杆は間隔を広げ、固着体の前方係合受部と後方係合受部に各々嵌合する事ができる。
【0010】
この嵌合によって本体連結部材と固着体とは一体となるから、扉体と家具本体とも一体に連結される。そして、この状態に於て扉の開閉はリンクプレートを介して行う事ができるものとなる。また、扉体と家具本体との連結を解除しようとする場合には、後方係合体がホルダーに回動可能に軸着しているから、後方係合体を、後方係合杆が固着体の後方係合受部と分離する方向に手動等によって回動する事により、上記とは逆の作用で前方係合杆と後方係合体の後部係合杆は間隔を広げ、後方係合体と後方係合受部との係合を解除する事ができ、簡易に扉体と家具本体との分離を行う事ができる。
【0011】
また、この本発明の家具用スライド蝶番を組み立てるには、後方係合杆を備えた後方係合体と前方係合杆とを、連結部材の前方及び後方に連結する。そして、この連結部材をホルダーに組み込み、このホルダーを連結材に組み込む事によって行う。連結部材のホルダーへの組み込みは、ホルダーのU字型溝に、連結部材に連結した前方係合杆を係合して行う。
【0012】
この前方係合杆のU字型溝への係合は、U字型溝の開放部から挿入し、U字型溝内で摺動可能に前方係合杆が配置されているから、後方係合体をホルダーに軸着することが極めて簡易に可能となる。すなわち、後方係合体を軸部材で、ホルダーに軸着する場合に於て、前方係合杆はU字溝内で摺動する事ができる。そのため、仮に連結部材、後方係合体等の工作精度が低く、連結部材が設計寸法よりも多少大きかったり、多少小さな場合にも、その誤差分だけ前方係合杆はU字溝内で摺動し、誤差を吸収出来るから、後方係合体と軸部材とは、容易にホルダーに軸着する事ができるし、前方係合杆もU字型溝に確実に係合する事ができるものとなる。
【0013】
従って、家具用スライド蝶番の製造組み立てに於て、簡易で廉価な組み立てを可能とする事ができる。また、前方係合杆はホルダーとの係合関係に於て、軸部材としての作用と前方係合受部への係合部材としての作用を同時に備える事ができるものであるから、構造を簡略化し、廉価な製品を得る事が可能となるものである。また、扉体と家具本体とを複数の家具用スライド蝶番で連結する場合には、個々の家具用スライド蝶番毎に上述の操作を繰り返せば良いものであるから、扉と家具用蝶番との連結操作が容易に行う事ができる。
【0014】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面に於て説明すれば、(1)は扉取付部材で、断面コ字型に形成し、扉体(2)に設けた取付凹部(3)内に固定するものであって、固定穴(4)にビス等の固定具(5)を介して扉体(2)に固定する。また、この扉取付部材(1)は、リンクプレート(6)を介して、家具本体(15)側に接続固定するための本体取付部材(7)を回動可能に接続している。
【0015】
この本体取付部材(7)は、家具本体(15)にビス等の固定具(5)によって家具本体(15)に固定される固着体(8)と、この固着体(8)に着脱可能に係合固定するホルダー(9)と、このホルダー(9)を連結する連結体(12)とにより構成している。
【0016】
そして、連結体(12)は前述の如く、リンクプレート(6)を介して扉取付部材(1)に連結するとともに、連結体(12)には二つの長穴(13)(14)を形成し、この2つの長穴(13)(14)を介してホルダー(9)の上面壁(21)に設けた2つのネジ穴(16)(17)にビス(10)(11)を螺着する事により、連結体(12)とホルダー(9)との連結を可能としている。そして、この連結体(12)の長穴(13)(14)によりホルダー(9)と連結体(12)の位置関係を調整する事が可能となる。
【0017】
また、ホルダー(9)は両側壁(20)と上面壁(21)とによりコ字型に構成し、上面壁(21)には前記のネジ穴(16)(17)を形成し、両側壁(20)の下面には、固着体(8)に設けた嵌合穴(22)に嵌合するための嵌合突起(23)を突出するとともに、両側壁(20)の前方にはU字型溝(24)を形成している。また、ホルダー(9)の後方側には、後方係合体(25)を軸部材(26)により軸着している。
【0018】
この後方係合体(25)は、ホルダー(9)の上面壁(21)から突出した係合突部(27)との間に押圧発条(28)を介装する事により、軸部材(26)を支点として後方係合体(25)の上部を押圧し、軸部材(26)を支点として後方係合体(25)の下端両側に突出した後方係合杆(30)をホルダー(9)の内方に付勢している。この後方係合杆(30)は家具本体(15)に固定した固着体(8)に形成している後方係合受部(31)と係合可能に形成している。
【0019】
そして、前記の押圧発条(28)により、後方係合杆(30)は後方係合受部(31)に押圧係合する方向に軸部材(26)を支点として押圧付勢されている。また、後方係合体(25)は軸部材(26)よりも上方に、一対の連結部材(32)の一端を軸支固定している。この連結部材(32)は先端部を下方向L字型に折曲し、このL字型の折曲片(33)の先端に前方係合杆(34)を連結固定し、その両端を折曲片(33)から外方に突出して突出部(35)としている。
【0020】
そして、この前方係合杆(34)は、ホルダー(9)の前記U字型溝(24)内に突出部(35)を係合挿入し、U字型溝(24)に対して摺動自在としている。また前方係合杆(34)と後方係合体(25)とを連結する連結部材(32)は、後方係合体(25)の後方係合杆(30)とは軸部材(26)を介した反対側の位置に、後端部を軸支固定する。また、同時に先端部に前方係合杆(34)を前述の如く連結するから、前方係合杆(34)の摺動方向と逆方向に後方係合杆(30)を移動する事を可能としている。また、固着体(8)には前方係合杆(34)を係合するための前方係合受部(36)を上面に突出している。
【0021】
上述の如く構成したものに於いて、家具用スライド蝶番を、扉体(2)及び家具本体(15)に接続して使用するには、扉取付部材(1)を扉体(2)に固定するとともに、本体取付部材(7)の固着体(8)を家具本体(15)に固定する。そして、ホルダー(9)と連結体(12)とは固着体(8)と分離し、扉取付部材(1)にリンクプレート(6)を介して接続している。従って、この状態に於ては、扉体(2)と家具本体(15)とは分離し別体となっている。
【0022】
そして、扉取付部材(1)、連結体(12)及びホルダー(9)を固定した扉体(2)を、固着体(8)を固定した家具本体(15)に固定するに際しては、扉体(2)を家具本体(15)に接近し、ホルダー(9)の前方係合杆(34)を固着体(8)の前方係合受部(36)に臨ませて配置するするとともに、ホルダー(9)の後方係合体(25)の後方係合杆(30)を、固着体(8)の後方係合受部(31)に臨ませた状態に於て、本体取付部材(7)を介してホルダー(9)を固着材(8)に強く押圧する。
【0023】
この押圧によって、後方係合体(25)はホルダー(9)に回動自在に軸部材(26)で軸着しているため、この軸部材(26)を支点として回動する。この回動に伴って回動力が連結部材(32)に伝達され、連結部材(32)を押圧する。この連結部材(32)の押圧により、ホルダー(9)のU字型溝(24)に摺動自在に係合している前方係合杆(34)を外方向に押圧摺動する事により、前方係合杆(34)と後方係合体(25)の後方係合杆(30)は間隔を広げ、固着体(8)の前方係合受部(36)と後方係合受部(31)に嵌合する事ができる。
【0024】
この嵌合によって、本体連結部材(32)と固着体(8)とは一体となるから、扉体(2)と家具本体(15)とは一体に連結される。そして、この状態に於て扉体(2)の開閉はリンクプレート(6)を介して行う事ができるものとなる。また、扉体(2)と家具本体(15)との連結を解除しようとする場合には、後方係合体(25)がホルダー(9)に回動可能に軸着しているから、後方係合体(25)を、後方係合杆(30)が固着体(8)の後方係合受部(31)と分離する方向に、図7に示す如く手動等によって回動する事により、後方係合体(25)と後方係合受部(31)との係合を解除する事ができ、簡易に扉体(2)と家具本体(15)との分離を行う事ができる。
【0025】
また、本実施例に於ける家具用スライド蝶番を組み立てるには、後方係合杆(30)を備えた後方係合体(25)と前方係合杆(34)とを、連結部材(32)の前方及び後方に接続する。そして、この連結部材(32)をホルダー(9)に組み込み、このホルダー(9)を本体連結部材(32)に組み込む事によって行う。この連結部材(32)のホルダー(9)への組み込みは、ホルダー(9)のU字型溝(24)に、連結部材(32)に連結した前方係合杆(34)を係合して行う。
【0026】
この前方係合杆(34)のU字型溝(24)への係合は、U字型溝(24)の開放部(37)から挿入し、U字型溝(24)内で摺動可能に前方係合杆(34)が配置されるから、後方係合体(25)をホルダー(9)に軸着することが極めて簡易に可能となる。すなわち、後方係合体(25)を軸部材(26)で、ホルダー(9)に軸着する場合に於て、前方係合杆(34)はU字型溝(24)内で位置を摺動する事ができる。そのため、仮に連結部材(32)、後方係合体(25)等の工作精度が低く、連結部材(32)が設計寸法よりも多少大きかったり、多少小さな場合にも、その誤差分だけ前方係合杆(34)はU字型溝(24)内で摺動し、誤差を吸収出来るものとなる。そのため、後方係合体(25)と軸部材(26)とは、容易にホルダーに軸着する事ができるし、前方係合杆(34)もU字型溝(24)に確実に係合する事ができるものとなる。
【0027】
従って、家具用スライド蝶番の製造組み立てに於て、簡易で廉価な組み立てを可能とする事ができる。また、前方係合杆(34)はホルダー(9)との係合関係に於て、軸部材としての作用と、前方係合受部(36)への係合部材としての作用を同時に備える事ができるものであるから、構造を簡略化し、廉価な製品を得る事が可能となる。
【0028】
また、扉体(2)と家具本体(15)とに複数の家具用スライド蝶番を取り付けた場合には、個々の家具用スライド蝶番毎に、前述の接続操作を繰り返せば良いものであるから、扉体と家具本体との連結操作が容易と成る。
【0029】
【発明の効果】
本発明は上述の如く構成したものであるから、家具用スライド蝶番に於て部材点数を減少するとともに部材の組み立てを容易とする。また部材の製造時に於ける精度が厳密に要求される事がなく、多少の製造誤差を生じた場合にも何等支障なく組み立てを可能とする。そして、部材点数を少なくし、製造上の工作精度を高度に必要としない事によって、廉価な家具用スライド蝶番を得る事を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】扉体と家具本体の連結状態の断面図。
【図2】本体連結部材の分解斜視図。
【図3】ホルダーの分解斜視図。
【図4】固着体とホルダーとの連結前の状態を示す断面図。
【図5】固着体とホルダーとの連結状態を示す断面図で、扉体を大きく開放状態としている。
【図6】固着体とホルダーとの連結状態を示す断面図で、扉体を少し開放状態としている。
【図7】後方係合体を後方係合受部から分離する状態を示す断面図。
【符号の説明】
1 扉取付部材
2 扉体
6 リンクプレート
7 本体取付部材
8 固着体
9 ホルダー
12 連結体
15 家具本体
22 嵌合穴
23 嵌合突起
24 U字型溝
25 後方係合体
26 軸部材
28 押圧発条
30 後方係合杆
31 後方係合受部
32 連結部材
34 前方係合杆
36 前方係合受部

Claims (2)

  1. 扉体に固定するための扉取付部材と、家具本体に固定するための本体取付部材とをリンクプレートを介して回動自在に連結し、上記の本体取付部材は家具本体に取り付ける固着体と、この固着体に着脱可能に接続するホルダーと、このホルダーを扉取付部材に連結するための連結体とから構成し、固着体とホルダーとに嵌合突起と嵌合穴とを形成するとともに、固着体に前方係合受部と後方係合受部とを形成し、ホルダーの前方側から設けたU字型溝に、前方係合受部と係合する前方係合杆を摺動可能に嵌合するとともに、後方係合受部と係合する後方係合杆を設けた後方係合体を、ホルダーに軸部材で軸着し、この後方係合体の、後方係合杆とは軸着部を介した反対側位置に連結部材の後端を接続し、この連結部材の先端に前方係合杆を連結し、後方係合体の回動時に、前方係合杆と後方係合杆の間隔を広くし得る構成とした事を特徴とする家具用スライド蝶番。
  2. 後方係合体は、ホルダーとの間に介装した押圧発条により、前方係合杆と後方係合杆との間隔を狭くする方向に常時は付勢している事を特徴とする請求項1の家具用スライド蝶番。
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