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JP3898835B2 - コンクリート製の成形板による壁体の構築方法 - Google Patents

コンクリート製の成形板による壁体の構築方法 Download PDF

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JP3898835B2 JP12208098A JP12208098A JP3898835B2 JP 3898835 B2 JP3898835 B2 JP 3898835B2 JP 12208098 A JP12208098 A JP 12208098A JP 12208098 A JP12208098 A JP 12208098A JP 3898835 B2 JP3898835 B2 JP 3898835B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、裏面の上下左右所定の位置から上下に開放したフックが突出する、大きさが一定のコンクリート製の成形板を、上下方向に複数段、下段の列の成形板に対して上段の列の成形板を横にずらし、上下に合致した各下段の列の成形板の上のフックと、各上段の列の成形板の下のフックとに上下方向の結合板を嵌めて結合することにより多数の成形板を立て並べ、この立て並べた成形板でコンクリート、土砂、砂利等の充填材料を充填する対立した型枠の少なくとも片側を構成し、充填した充填材料で構築された壁体を立て並べた成形板で外装するコンクリート製の成形板による壁体の構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記したようなコンクリート、土砂、砂利等の充填材料を充填する対立した型枠の片側、又は両側、つまり少なくとも片側を立て並べたコンクリートの成形板で構成するコンクリート製の成形板による壁体の構築方法は、本特許出願人が提案した特公昭62−4496号、特公昭63−15410号公報などにより公知であって、例えば図に示すように、大きさが一定で、横幅の1/4宛内側に寄った裏面の上下所定の位置からU形、V形などの上下に開放した四つのフック2が突出する矩形のコンクリート製の成形板1を上下方向に複数段、下段の列の成形板(1a)に対して上段の列の成形板(1b)を横幅の1/2宛ずらし、上下方向に位置が揃った各下段の列の成形板の上のフック(2a)に該成形板の裏面に摺接する結合板3の下半部を差込んで立てると共に、各上段の列の成形板の下のフック(2b)を該成形板の裏面を結合板に摺接させながら上記結合板の上半部に嵌めて上下方向の結合板3により結合して成形板を立て並べ、この立て並べた成形板を型枠の片側とし、各結合板に一端を取付けたセパレータ4の他端部を、例えば立て並べた成形板と対立するベニア合板などの大形の型枠板5にPコーン、ナット、フォームタイ(登録商標)などで連結して対立した型枠を構成し、立て並べた複数段の成形板と型枠板との間に生コンクリートCを充填し、立て並べた成形板と固化したコンクリートとを一体化し、立て並べた成形板により表面が装飾された壁体を構築するのである。又、型枠の両側を成形板で構成するには、成形板を背中合わせに立て並べ、一方の成形板を立て並べている結合板と、もう一方の成形板を立て並べている結合板をセパレータで連結し、立て並べた両側の成形板の間に生コンクリートを充填するのである。
こうして構築された壁体の表面を装飾する上下方向に複数段の成形板の上段の列の成形板同の隣接した立て目地と、下段の列の成形板同の隣接した立て目地とは、成形板の横幅の1/2宛くい違った破れ目地になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この型枠の側端部で、型枠として破れ目地を形成する上下の段の成形板は横幅の1/2ずれているので、例えば図に示すように奇数段の列の成形板の側縁に対し、偶数段の列の成形板の側縁は成形板の横幅の1/2だけ内側に位置して空間が生じ、充填材料がその空間から外に洩れる。これを防止するため、従来は図に示すように、成形板の横幅の1/2の半端板6を成形板1とは別に成形し、型枠の側端部では成形板1と半端板6を上下に交互に立てゝ生じる空間を半端板で塞ぐことにより上段の列の成形板の側縁と、下段の列の成形板の側縁を垂直に揃えていた。しかし、この半端板は、下段の成形板の上のフックと、上段の成形板の下のフックとを結合板3によって結合するフック7を裏面の中央上下に有するだけであるため、結合状態で結合板3を軸にして破線で示すように回動可能である。従って、生コンクリートの打設時の衝撃その他で実線の正規の状態から破線の状態に回動することがあるので、回動したときは正規の状態に戻す必要があり、施工に手数がかゝる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は、半端板を成形して使用せずに、壁体の側端部で型枠としての上段と下段の成形板の側縁を垂直に揃えることができるようにしたもので、大きさが一定で、裏面の上下左右所定の位置から上下に開放したフックが突出するコンクリート製の成形板を、上下方向に複数段、下段の列の成形板に対して上段の列の成形板を横にずらし、上下に合致した各下段の列の成形板の上のフックと、各上段の列の成形板の下のフックとに上下方向の結合板を嵌めて結合することにより多数の成形板を立て並べ、この立て並べた成形板でコンクリート、土砂、砂利等の充填材料を充填する対立した型枠の少なくとも片側を構成するコンクリート製の成形板による壁体の構築方法において、上記成形板の側面に、上下の段の成形板の横ずれに対応した形及び大きさを有し、裏面の上下所定の位置からも上下に開放したフックが突出する横ずれ吸収用の半端板が一体に隣接した半端板付き成形板を成形し、型枠の側端部では成形板と、半端板を型枠の端部に向けた半端板付き成形板とを上下方向に交互に立てゝ結合することを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
図1〜5、及び図6,7はこの発明の構築方法の概略を示すもので、図1(A)、図2及び図6,7は壁体の側端部付近を構築する型枠として、成形板を立て並べ、3段目の成形板の列の上に4段目の半端板付き成形板10を立てるために載せようとしている状態を示し、図1(A)、及び図6は成形板を表側から、図2、及び図7は成形板を裏側から見た図である。尚、図1〜5の成形板は矩形、図6,7の成形板は二連の六角形であるが、型枠を構成するための立て並べかたは全く同じである。尚、成形板は矩形などの四角形であることに限定されず、六角形その他の多角形でもよい。
【0006】
図1,2では基礎B上の型枠の1段目、3段目等の奇数段の列を成形板1で構成してあるため2段目、4段目等の偶数段の列で壁体の側端部に半幅の半端板付き成形板10を立て、2段目の半端板付き成形板10で明らかなように半端板部12の側縁12′を1段目、3段目の列の成形板の側縁1′と垂直に揃えるのであって、3段目の成形板の上に乗せようとしている4段目の半端板付き成形板10も同じ目的である。いずれにしても、半端板付き成形板10は、型枠の側端部においては下の段の1枚の成形板の上と、この成形板に隣接した他の一枚の成形板の隣接側の半分の上に立ち、半端板部12の側縁12′と、下の段の成形板の壁体の側端側の側縁1′とは垂直に揃う。尚、基礎B上の1段目の列の成形板は、基礎に下半部を埋められて上半部が基礎から立つ結合板3′が各成形板の裏面に接して下のフックに突入することにより基礎上に立つ。
【0007】
図1(A)、図6では半端板付き成形板を使用し、構築すべき壁体の左の側端部の型枠の成形板1の左の側縁1′と、半端板付き成形板の左向きの半端板部の側縁12′を垂直に揃えたが、型枠の右の側端部で成形板の右の側縁と、半端板付き成形板の半端板部の側縁12′を垂直に揃えるには、同じ半端板付き成形板の天地を逆にして半端板部を右向きにすればよい。つまり、同じ半端板付き成形板を左の側端部にも、右の側端部にも向きを変えて使用でき、半端板部を左に有する半端板付き成形板と、半端板部を右に有する半端板付き成形板を別々に成形する必要ない。
【0008】
図1(A)の半端板付き成形板10は、図1(B)、(C)に示したように成形板1と同じ成形板部11の隣に半幅の半端板部12が連接し、表面には成形板部11と半端板部12との間に立て目地13を有する。そして、成形板部11の裏面からは成形板1と同様に横幅の1/4宛内側に寄った上下所定の位置からU形、V形などの上下に開放した4つのフック2が突出し、又、半端板部12は裏面の中央、上下所定の位置から上下に開放した2つのフック7が突出する。半端板付き成形板の下の2つのフック2と、1つのフック7は下の段の隣接した2つの成形板の上の4つのフックのうち、上下に対向した3つのフックと結合板3によって結合される。
【0009】
図1(B)、(C)の半端板付き成形板10は、図3に示すように成形板部成形用の皿枠14と、別体の半端板部成形用の皿枠15とを鍔14′,15′を除いて隣接させ、フック2,2、7を成形した一連の2本の鉄筋に山形湾曲部16を形成して両皿枠の隣接部を跨らせ、両枠14,15の上に渡したフック2,2、7の位置決め治具17により両枠14,15の内部に各鉄筋を位置決めして支持し、両枠14,15中に生コンクリート18を充填し、コンクリートの固化後、脱型し、治具17を外して成形することができる。枠14と皿枠15は分離しているため、山形湾曲部16は成形板部11と、半端板部12とを一体に接続する役目をする。尚、立て目地13は皿枠14と皿枠15の隣接部の傾斜によって形成される。
【0010】
又、半端板付き成形板10は、図4に示すように成形板部成形部21と、半端板部成形部22とが立て目地13を成形する山形部23を介して隣接した一連の皿枠20を使用し、フック2,2、7を成形した2本の一連の鉄筋を図3と同様にフックの位置決め治具17で皿枠20の内部に位置決めして支持し、皿枠20中に生コンクリート18を充填し、成形板部11と、半端板部12を一体に成形してもよい。尚、立て目地13を成形する山形部23の高さが高いときは、鉄筋に図示の如く山形部23を跨ぐ湾曲部16を形成するが、山形部の高さが低ければ湾曲部を形成しないで直線状のまゝにしておけばよい。鉄筋の上記山形部23の上を横切る部分は成形板部と半端板部との接続を補強する。
【0011】
以上の説明では、成形板部11のフック2,2、半端板部12のフック7を一連の鉄筋に成形し、この鉄筋に設けた山形湾曲部16で成形板部と半端板部とを接続したり、成形板部と半端板部との接続部を補強したが、これに限定されず、フック2,2を成形した鉄筋と、フック7を成形した鉄筋を分離し、前者は成形板部用の皿枠14や成形部21中に治具17で支持し、後者は半端板部用の皿枠15や成形部22中に治具17で支持し、図5に示すようにステンレス鋼の帯板などからなる山形連結部19を山形湾曲部16の代りに皿枠14と皿枠15の隣接部に跨らせ、成形板部と半端板部とを一体に接続したり、成形部21と成形部22に跨らせ、成形板部と半端板部との接続部を補強してもよい。
【0012】
図6,7の成形板1は山形部を上と下に向けた二連の六角形板部からなり、表面は立て目地が六角形板部を2つに区劃している。そして、各六角形板部は六角形の横幅の1/4宛内側に寄った裏面の上下所定の位置からU形、V形などの上下に開放した四つのフック2が突出する。従って、成形板1は六角形板部を二つ備えているため、上下のフックの数は八つになる。
【0013】
上の段の成形板の列と、下の段の成形板の列は1つの六角形をした成形板部の横幅の1/2宛、横にずれて結合板3により立て並べられる。従って、半端板付き成形板10としては二連の六角形をした成形板部11の隣に1つの六角形をした成形板部の半分の半端板部12が隣接した横幅が2.5倍のものを成形し、壁体の側端部では型枠として成形板1と、半端板部12を側端に向けた半端板付き成形板10を上下方向に交互に立てることにより型枠の側縁1′と側縁12′とを垂直に揃え、堰板8を使用して壁体の側端部を垂直にすることができる。
【0014】
成形板1が六角形の場合は、六角形が1つであっても、図6,7のように二連であっても、或いは三連であっても、半端板付き成形板10の半端板部12は六角形の半分でよく、表面には成形板部11と半端板部12の境界に立て目地13を形成する。つまり、成形板部11が1つの六角形の場合は、半端板付き成形板10の横幅は1.5倍、成形板部11が二連の六角形の場合は半端板付き成形板の横幅は図示のように2.5倍、成形板部が三連の六角形の場合は半端板付き成形板の横幅は3.5倍になる。このことは、成形板部11が矩形の図1,2の半端板付き成形板の場合も同様であって、成形板部が二連の矩形のときはその半端板付き成形板の横幅は2.5倍、成形板部が三連の矩形のときはその半端板付き成形板の横幅は3.5倍になる。
【0015】
図6,7の成形板部が二連、三連の半端板付き成形板は図3、図4、図5に基づいて説明した方法により成形することができる。
【0016】
以上のようにして型枠の側端部で成形板と、半端板付き成形板とを上下方向に交互に立て、その側縁1′と側縁12′とを垂直に揃えることができる。そして、型枠の側縁1′と側縁12′とが壁体を構築する高さまで垂直に揃って型枠の片側を構成したら、対立する同じ成形板によるもう一方の型枠や型枠板5との間をセパレータで連結して型枠とし、その側端部を堰板8(図2参照)で塞ぎ、対立した型枠の間に生コンクリートなどを打設し、打設したコンクリートが外に洩れるのを堰板で防止して壁体を構築する。
【0017】
【発明の効果】
以上で明らかなように、この発明によれば型枠の側端部では成形板と、半端板付き成形板とを上下方向に交互に立てゝ結合板により破れ目地で結合するため、単独の半端板を使用する場合のような回動は生ぜず、施工の手数が非常に省ける。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は型枠の側端部付近で成形板を立て並べている状態の正面図、(B)は半端板付き成形板の平面図、(C)は半端板付き成形板の平面図である。
【図2】 図1により成形板を立て並べている状態の裏面図である。
【図3】 図1(B)の半端板付き成形板の成形状態を示す断面図である。
【図4】 半端板付き成形板の他の例の成形状態を示す一部を断面にした側面図である。
【図5】 成形板と半端板の他の接続状態を示す要部の断面図である。
【図6】 図1とは別の成形板により立て並べている状態の正面図である。
【図7】 図6により成形体を立て並べている状態の裏面図である。
【図8】 従来の成形板を立て並べた型枠を片側に使用し、壁体を構築する状態の説明図である。
【図9】(A)は従来の成形板を型枠の側端部に立て並べている状態の裏面図、(B)は同上の平面図である。
【符号の説明】
1 成形板
2 成形板のフック
3 結合板
4 セパレータ
5 型枠板
10 半端板付き成形板
11 半端板付き成形板の成形板部
12 半端板付き成形板の半端板部
13 半端板付き成形板の立て目

Claims (1)

  1. 大きさが一定で、裏面の上下左右所定の位置から上下に開放したフックが突出するコンクリート製の成形板を、上下方向に複数段、下段の列の成形板に対して上段の列の成形板を横にずらし、上下に合致した各下段の列の成形板の上のフックと、各上段の列の成形板の下のフックとに上下方向の結合板を嵌めて結合することにより多数の成形板を立て並べ、この立て並べた成形板でコンクリート、土砂、砂利等の充填材料を充填する対立した型枠の少なくとも片側を構成するコンクリート製の成形板による壁体の構築方法において、上記成形板の側面に、上下の段の成形板の横ずれに対応した形及び大きさを有し、裏面の上下所定の位置からも上下に開放したフックが突出する横ずれ吸収用の半端板が一体に隣接した半端板付き成形板を成形し、型枠の側端部では成形板と、半端板を型枠の端部に向けた半端板付き成形板とを上下方向に交互に立てゝ結合することを特徴とするコンクリート製の成形板による壁体の構築方法。
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