JP3890399B2 - 車両用シートの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、毛倒れやパッドつぶれがなく、また表面のソフト感にも優れた表皮一体シートを効率よく生産することができる車両用シートの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、クッションパッドの表面に表皮材が一体成形された自動車用シートの製造方法として、例えば特開昭61−176387号公報に示されるように、クッションパッドの表面に熱可塑性の樹脂繊維からなる感熱性接着布を重ね、その上から表皮材を加熱型で加熱押圧して該感熱性接着布の溶融により表皮材をクッションパッドの表面に接着・一体化するようにしたものが知られている。
【0003】
ところが、従来のこの種の車両用シートの製造方法においては、表皮材が加熱型で加熱押圧されているため熱と圧力によって起毛を有する表皮材の毛倒れが発生しやすいという問題点や、クッションパッドが塑性変形してつぶれてしまうという問題点があった。また、感熱性接着布への熱伝導が悪いため加熱に十分な時間をかける必要があり成形効率が劣るとともに、表皮材が熱により劣化してしまうという問題点があった。更には、接着剤が大きな塊となって存在しソフト感がなく座り心地を著しく低下させることがあるという問題点もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような従来の問題点を解決し、表皮材の毛倒れやクッションパッドのつぶれを生ずることがなく、また接着剤がドット状に分散しており優れたソフト感を確保することができる表皮一体シートを効率よく生産することができる車両用シートの製造方法を提供することを目的として完成されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するためになされた本発明の車両用シートの製造方法は、表皮材を載置した下型とクッションパッドを保持した上型との間に熱可塑性樹脂繊維からなる感熱性接着布を介在させ、上型に保持したクッションパッドをこのクッションパッド表面がつぶれない位置まで近接させた状態で下型より加熱蒸気により加熱して感熱性接着布を溶融させることで、ウェブ状の感熱性接着布をドット化して均一分散する接着剤とした後、型締めしてクッションパッドに前記ドット化した接着剤を介して表皮材を押圧・接着させ、次いで、クッションパッド表面がつぶれない位置まで型締めを解いて前記下型より吸引・冷却することによりクッションパッドに表皮材を一体成形することを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照しつつ本発明の好ましい実施の形態を示す。
図面は、ポリウレタンよりなるクッションパッドの表面にファブリックよりなる表皮材が一体成形された自動車用シートを製造する場合を示すものであって、図中1は表皮材20を載置するための下型、2はクッションパッド21を保持するための上型、3は下型1の上面に表皮材20を添装保持するためのクランパー、22は表皮材20をクッションパッド21に接着する目的で両者間に介在される感熱性接着布である。
【0007】
本発明において感熱性接着布22は、図3に示されるように、熱可塑性の樹脂繊維からなるウェブ状のものであり、融点は80〜120℃で、後述する加熱工程により容易に溶融して両者を確実に接着するものである。なお、感熱性接着布22が加熱溶融された場合の粘度は、200pa.s〔160℃の場合〕以下、好ましくは50〜150pa.s〔160℃の場合〕程度の低粘度のもので、表皮材20とクッションパッド21の接着工程において優れた流動性を発揮して全面にわたり均一に分散・含浸し強固な接着力を発揮するものである。
【0008】
次に、本発明の成形工程について説明する。
表皮材20を載置した下型1にクッションパッド21を保持した上型2を熱可塑性の樹脂繊維からなる感熱性接着布22を介して押圧・加熱することによりクッションパッドに表皮材を一体成形してなる自動車用シートとする点は、従来のこの種の車両用シートの製造方法と基本的な構成を類似しており、更に本発明では前記クッションパッドと表皮材の接着一体化を加熱工程と、圧縮工程と、冷却工程の3段階処理とした点に特徴を有する。
【0009】
即ち前記加熱工程は、上型2に保持したクッションパッド21を該クッションパッド21の表面がつぶれない位置まで近接した状態で下型1より加熱して感熱性接着布22を溶融させるものである。なお、加熱源としては下型1に設けられた蒸気供給口4より供給される蒸気が使用され、下型1に形成した多数の透孔6を通じて感熱性接着布22が加熱される。この加熱工程では、下型1より供給される蒸気が感熱性接着布22に十分に伝わるので、加熱時間を従来よりも短くすることができるとともに表皮材20の劣化も最小限に抑えることができる。
【0010】
なお、この加熱工程で前記感熱性接着布22が加熱溶融されるが、溶融した時の粘度が従来の600pa.s〔160℃の場合〕程度のものに比べて200pa.s以下と低粘度であり、次工程の表皮材20とクッションパッド21の接着工程において優れた流動性を発揮して表皮材の地糸に含浸が容易で、表皮材20の全面にわたり均一に分散・含浸し強固な接着力を発揮することとなる。この感熱性接着布22の溶融過程は、図4に示されるように、(a) ウェブ状のものが(b) 表皮材等と接触している部位で細切れ状態となり(c) 表皮材等の接点に向かって凝集しドット化するものである。この結果、接着剤は表皮材20の全面に細かく均一分散するので、従来のように接着剤が大きな塊となって存在しソフト感がなく座り心地を著しく低下させるということがなくなる。
【0011】
次に圧縮工程は、上型2を更に下降してクッションパッド21に表皮材20を押圧・接着させるものである。この時、加熱用蒸気の供給は終了しているので、表皮材20が加熱されることがなく従来のように熱による毛倒れの発生がなくなる。
【0012】
最後に冷却工程は、前記上型2を再びクッションパッド21の表面がつぶれない位置まで上昇した状態で下型1より吸引・冷却するものである。なお、この冷却は下型1に設けられたエア吸引口5により吸引冷却して下型1に形成した多数の透孔6を通じて表皮材20を冷却処理する。この時、上型2による押圧がないため表皮材20が圧縮されることがなく従来のように熱による毛倒れの発生がなくなる。その後は、常法に従って型開きをした後、製品を離型し次の生産の準備をし、以後同様の手順により効率よく表皮一体シートを生産する。
【0013】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明は表皮材の毛倒れやクッションパッドのつぶれを生ずることがなく、また、接着剤がドット状に分散しており優れたソフト感を確保することができる表皮一体シートを効率よく生産することができるものである。
よって本発明は従来の問題点を一掃した車両用シートの製造方法として、産業の発展に寄与するところは極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す正面図である。
【図2】本発明の実施の形態を示す正面図である。
【図3】感熱性接着布を示す斜視図である。
【図4】感熱性接着布の溶融工程を示す説明図である。
【符号の説明】
1 下型
2 上型
20 表皮材
21 クッションパッド
22 感熱性接着布
Claims (2)
- 表皮材を載置した下型とクッションパッドを保持した上型との間に熱可塑性樹脂繊維からなる感熱性接着布を介在させ、上型に保持したクッションパッドをこのクッションパッド表面がつぶれない位置まで近接させた状態で下型より加熱蒸気により加熱して感熱性接着布を溶融させることで、ウェブ状の感熱性接着布をドット化して均一分散する接着剤とした後、型締めしてクッションパッドに前記ドット化した接着剤を介して表皮材を押圧・接着させ、次いで、クッションパッド表面がつぶれない位置まで型締めを解いて前記下型より吸引・冷却することによりクッションパッドに表皮材を一体成形することを特徴とする車両用シートの製造方法。
- 感熱性接着布として粘度が200pa.s以下のものを用いる請求項1に記載の車両用シートの製造方法。
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JP1825899A JP3890399B2 (ja) | 1999-01-27 | 1999-01-27 | 車両用シートの製造方法 |
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1999
- 1999-01-27 JP JP1825899A patent/JP3890399B2/ja not_active Expired - Fee Related
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