JP3886230B2 - 電子部品実装装置における多連式移載ヘッドのノズル交換方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、移載ヘッドを移動テーブルにより水平移動させながら、パーツフィーダの電子部品を基板に移送搭載する電子部品実装装置における多連式移載ヘッドのノズル交換方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子部品実装装置として、移載ヘッドを移動テーブルによりX方向やY方向へ水平移動させながら、パーツフィーダに備えられた電子部品を移載ヘッドのノズルに真空吸着してピックアップし、位置決め部に位置決めされた基板に搭載するものが広く実施されている。
【0003】
電子部品の寸法や形状は様々であり、したがって移載ヘッドのノズルは電子部品の品種に応じて交換される。このためこの種電子部品実装装置にはノズルストッカが備えられており、電子部品の品種に応じて、移載ヘッドを適宜ノズルストッカの上方へ移動させ、そこでノズルシャフトを上下動させることにより、ノズルシャフトの下端部のノズルホルダーにノズルを着脱してノズル交換を行うようになっている(例えば特開平6−216596号公報)。
【0004】
ノズルストッカには多数個のノズル装着部が形成されている。ノズル装着部は一般に孔部であって、各々の孔部に交換用のノズルを挿入してストックしている。ノズル交換を行う場合、移載ヘッドを空の孔部の上方へ移動させ、そこでノズルシャフトを上下動させてノズルシャフトの下端部のノズルホルダーに装着されていたノズルを孔部に挿入して回収する。
【0005】
次に移載ヘッドを所望のノズルが装着された孔部の上方へ移動させ、そこでノズルシャフトを上下動させることによりノズルホルダーに新たなノズルを装着する。
【0006】
ところで近年、電子部品実装装置として、多連式の移載ヘッドを備えたものが提案・実施化されている(例えば特開平9−186492号公報)。多連式の移載ヘッドは、複数個の移載ヘッドを横並びに並設してヘッド部としたものであり、これらの移載ヘッドでパーツフィーダの電子部品を次々にピックアップして基板に移送搭載することにより、従来の単一移載ヘッド式のものよりも実装能率が向上するという長所を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
多連式の移載ヘッドの場合も、電子部品の品種に応じてノズル交換を行わねばならない。しかしながら多連式の移載ヘッドは交換すべきノズルの個数も多いので、ノズル交換にかなりの時間を要し、それだけ実装能率があがらないものであった。
【0008】
したがって本発明は、ノズル交換をより短時間に行い,これにより電子部品の実装能率をあげることができる電子部品実装装置における多連式移載ヘッドのノズル交換方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このために本発明は複数個の移載ヘッドを横並びに並設したヘッド部をXテーブルとYテーブルによりX方向やY方向へ水平移動させながら、パーツフィーダに備えられた電子部品を移載ヘッドのノズルシャフトの下端部に着脱自在に装着されたノズルの下端部に真空吸着してピックアップし、位置決め部に位置決めされた基板に移送搭載するようにした電子部品実装装置における多連式移載ヘッドのノズル交換方法であって、移載ヘッドの移動路に設けられたノズルストッカにピッチをおいてマトリクス状に形成されたノズル装着部に、移載ヘッドの並設ピッチの1/2ピッチをおいてノズルを使用順序にしたがってX方向における隣りに装着するとともに、X方向に形成されたノズル装着部のY方向における隣りのノズル装着部に装着し、移載ヘッドをノズルストッカの上方をノズル装着部のX方向のピッチやY方向のピッチだけ移動させながら、ノズルシャフトに上下動作を行わせて複数のノズルを同時にノズル装着部に挿入して回収し、また複数の移載ヘッドに同時にノズルを装着してノズルの交換を行うものである。
【0010】
上記構成によれば、ノズルストッカの上方でヘッド部をX方向やY方向へわずかな距離移動させることにより、複数個の移載ヘッドのノズル交換を速かに行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の電子部品実装装置の斜視図、図2は同電子部品実装装置の平面図、図3(a)は同電子部品実装装置のヘッド部の正面図、図3(b)は同電子部品実装装置のノズルストッカの平面図、図3(c)は同電子部品実装装置のノズル交換のためのヘッド部の移動軌跡図、図4(a),(b),(c)は同電子部品実装装置のノズル交換方法の説明図である。
【0012】
まず、電子部品実装装置の全体構造を説明する。図1および図2において、基台1の中央にはガイドレール2が設けられており、ガイドレール2上に基板3が位置決めされている。ガイドレール2の両側部にはパーツフィーダ4が多数個並設されている。パーツフィーダ4には基板3に実装される電子部品が備えられている。またガイドレール2とパーツフィーダ4の間には、認識装置13とノズルストッカ30が設けられている。
【0013】
基台1上にはYテーブル5が立設されており、またYテーブル5上にはXテーブル6が架設されている。図2に示すように、Yテーブル5には送りねじ7と送りねじ7を回転させるY軸モータ8が内蔵されている。またXテーブル6にも送りねじ9と送りねじ9を回転させるX軸モータ10が内蔵されている。図1において、Xテーブル6の下面にはヘッド部20が装着されており、モータ8,10が駆動すると、ヘッド部20はX方向やY方向へ水平移動する。なお本発明では、Xテーブル6によるヘッド部20の移動方向をX方向、Yテーブル5によるヘッド部20の移動方向をY方向とする。
【0014】
ヘッド部20には基板3やノズルストッカ30を認識するためのカメラ40が装着されている。カメラ40は、基板3やノズルストッカの位置認識を行うための認識装置である。12はY方向のガイドレールである。Xテーブル6とYテーブル5は、ヘッド部20を水平方向へ移動させる移動テーブルとなっている。
【0015】
図3(a)において、ヘッド部20は複数個(本例では3個)の移載ヘッド21を横並びに一体的に並設した多連式移載ヘッドとして構成されている。移載ヘッド21の垂直なノズルシャフト22の下端部にはノズル23が着脱自在に装着されている。P1は移載ヘッド21あるいはノズル23の並設ピッチである。また図3(b)において、ノズルストッカ30にはノズル装着部である孔部31が等ピッチでマトリクス状に多数個形成されている。移載ヘッド21の並設ピッチP1は孔部31の横方向(X方向)のピッチP2の2倍(P1=2P2)になっている。逆言すれば孔部(ノズル装着部)31は、移載ヘッド21の並列ピッチP1の1/2のピッチP2で形成されている。P3は孔部31の縦方向(Y方向)のピッチである。図3(b)の各孔部31中に記載したNo.1〜No.18は、これに装着されたノズル23の使用順序を示している。
【0016】
この電子部品実装装置は上記のように構成されており、次に電子部品の実装方法を説明する。図1において、Xテーブル6とYテーブル5が駆動することにより、ヘッド部20はX方向やY方向へ移動し、パーツフィーダ4の電子部品を各移載ヘッド21のノズル23の下端部に真空吸着してピックアップする。電子部品をピックアップしたヘッド部20は認識装置13の上方へ移動し、移載ヘッド21のノズル23の下端部に真空吸着された電子部品の位置認識を行う。次にヘッド部20は基板3の上方へ移動し、電子部品を基板3に搭載する。
【0017】
電子部品実装装置が運転を開始するときは、各移載ヘッド21にノズル23を装着する必要があり、また移載ヘッド21がピックアップする電子部品の品種が変る場合には、ノズル交換を行う。次に図4を参照してノズル交換方法を説明する。
【0018】
図4(a),(b),(c)は動作順に示している。図4(a)は、電子部品実装装置の運転開始時の状態を示している。このとき、3個の移載ヘッド21にはノズル23は未だ装着されていない。そこで、最初に使用するNo.1〜No.3のノズル23を3個の移載ヘッド21に装着する。Aはこのときのヘッド部20の位置を示している。図3(a),(b)に示すように、移載ヘッド21の並設ピッチP1は孔部31の横方向のピッチP2の2倍に等しい。したがって最初に使用する3個のノズル23は、No.1,No.2,No.3が付された1つおきの孔部31に収納しておく。これにより3個の移載ヘッド21のノズルシャフト22はNO.1,NO.2,NO.3の孔部31に装着されたノズル23の真上に位置することとなる。そこでノズルシャフト22に上下動作を行わせると、3個の移載ヘッド21に同時に3つのノズル23を装着することができる。
【0019】
以上のようにして移載ヘッド21にノズル23を装着したならば、これらのノズル23を用いてパーツフィーダ4の電子部品を基板3に移送搭載する。電子部品の品種変更によりノズル交換を行う場合には、ヘッド部20を再び図4(a)のA位置に移動させる。すると3個の移載ヘッド21のノズル23はNo.1,No.2,No.3の先程の孔部31の真上に位置するので、そこでノズルシャフト22に上下動作を行わせて、3個のノズル23を同時に孔部31に挿入して回収する。
【0020】
次に使用する3個のノズル23は、図4(b)において、No.4〜No.6の孔部31に収納されている。No.4〜No.6の孔部31は、No.1〜No.3の孔部31のX方向の隣りである。したがってヘッド部20を上述したノズル23の回収が終了した位置であるA位置からB位置へ孔部31のピッチP2だけX方向へ移動させれば、3個の移載ヘッド21をNo.4〜No.6の孔部31の真上に位置させることができる。そこでノズルシャフト22に上下動作を行わせ、3個の移載ヘッド21に同時にノズル23を装着する。
【0021】
次に再度ノズル交換を行うときは、ヘッド部20を図4(c)のB位置(図4(b)のB位置と同位置)へ移動させる。すると3個の移載ヘッド21はNo.4〜No.6の先程の孔部31の真上に位置する。そこでノズルシャフト22に上下動作を行わせ、3個のノズル23をNo.4〜No.6の孔部31に同時に回収する。No.4〜No.6の次に使用するノズル23は、X方向に形成されたNo.4〜No.6の孔部(ノズル装着部)31のY方向における隣りのNo.7〜No.9の孔部31に収納されている。そこでヘッド部20をB位置からC位置へピッチP3だけY方向へ移動させる。すると3個の移載ヘッド21はNo.7〜No.9の孔部31の真上に位置する。そこでノズルシャフト22に上下動作を行わせ、3個の移載ヘッド21に同時にノズル23を装着する。
【0022】
図3(b)において、No.10〜No.12の孔部31はNo.7〜No.9のX方向における隣りであり、またNo.13〜No.15の孔部31はNo.10〜No.12の孔部31のY方向における隣りであり、No.16〜No.18の孔部31はNo.13〜No.15の孔部31のX方向における隣りである。したがってNo.10〜No.18の孔部31についても、上記の場合と同様にヘッド部20をX方向やY方向へ孔部31のピッチP2あるいはピッチP3だけ移動させながらノズル交換を行う。
【0023】
図3(c)は、上述のようにしてNo.1〜No.18の孔部31のノズル23を順に使用する場合のヘッド部20の移動軌跡を示している。この移動軌跡からも明らかなように、短い移動距離でノズル交換を行うことができる。
【0024】
(実施の形態2)
図5(a)は本発明の実施の形態2の電子部品実装装置のヘッド部の正面図、図5(b)は同電子部品実装装置のノズルストッカの平面図、図6(a),(b)は同電子部品実装装置のノズル交換方法の説明図である。
【0025】
図5において、ヘッド部20の移載ヘッド21の並設ピッチP1’と孔部31のピッチP2には、P1’=2P2−ΔPすなわちP1’≠2P2の関係にあり、並設ピッチP1’は孔部31のピッチP2の2倍弱である。
【0026】
次に、図6を参照してノズル交換方法を説明する。電子部品実装装置の運転開始には、3個の移載ヘッド21にはノズル23は未だ装着されていない。そこで最初に使用するNo.1〜No.3のノズル23を次のようにして3個の移載ヘッド21に装着する。まず、図6(a)のイ位置に示すように、ヘッド部20の左側の移載ヘッド21のノズルシャフト22をNo.1のノズル23が装着された孔部31の真上に位置させ、そこでノズルシャフト22に上下動作を行わせて移載ヘッド21にノズル23を装着する。
【0027】
次にヘッド部20をX方向へ距離ΔPだけ移動させてロ位置で停止させる。これにより中央の移載ヘッド21のノズルシャフト22はNo.2のノズル23が装着された孔部31の真上に位置することとなる。そこで移載ヘッド21のノズルシャフト22に上下動作を行わせ、ノズル23を装着する。
【0028】
次にヘッド部20を更にX方向へ距離ΔPだけ移動させてハ位置で停止させる。これにより右側の移載ヘッド21のノズルシャフト22はNo.3のノズル23が装着された孔部31の真上に位置することとなる。そこで移載ヘッド21のノズルシャフト22に上下動作を行わせ、ノズル23を装着する。
【0029】
以上のようにして移載ヘッド21にノズル23を装着したならば、これらのノズル23を用いてパーツフィーダ4の電子部品を基板3に移送搭載する。電子部品の品種変更によりノズル交換を行う場合には、ヘッド部20を再び図6(a)のイ位置に移動させる。すると左側の移載ヘッド21はNo.1の孔部31の真上に位置するので、そこでノズルシャフト22に上下動作を行わせてノズル23をこの孔部31に回収する。以下、上述したノズル装着の場合と同様に、ヘッド部20をX方向へ距離ΔPだけ順に移動させることにより、中央の移載ヘッド21と右側の移載ヘッド21をNo.2の孔部31,No.3の孔部31の上方へ順に移動させ、同様に上下動作を行ってノズル23を孔部31に回収する。
【0030】
次に使用する3個のノズル23は、図6(b)において、No.4〜No.6の孔部31に収納されている。No.4〜No.6の孔部31は、No.1〜No.3の孔部31のX方向の隣りである。したがってヘッド部20を上述したノズル23の回収が終了した位置であるハ位置(図6(a)のハ位置と同位置)からニ位置へΔPだけX方向へ移動させ、左側の移載ヘッド21のノズルシャフト22をNo.4の孔部31の真上に位置させる。以下の動作は図6(a)の場合と同様であり、各移載ヘッド21に距離ΔPのX方向への移動と上下動作を行わせることにより、各移載ヘッド21にNo.4〜No.6のノズル23を順に装着する。なお図6(b)において、ホ位置は中央の移載ヘッド21がNO.5の孔部31の真上に移動した位置であり、ヘ位置は右側の移載ヘッド21がNO.6の孔部31の真上に移動した位置である。No.7以下のノズル23の交換も、同様の動作で行う。
【0031】
実施の形態1では、移載ヘッド21の並設ピッチP1は孔部31のピッチP2の2倍に等しい(P1=2P2)ので、距離ΔPの移動動作は必要でない。
【0032】
しかしながら厳密にP1=2P2の関係にすることは設計組立上困難である。そこで実施の形態2では、P1≠2P2の場合について説明したものである。すなわち実施の形態2では、P1’は2P2よりもやや短い(P1’=2P2−ΔP)としたものであり、この場合、距離ΔPの移動動作が必要となる。いずれにせよ、ノズルストッカ30の孔部31に、移載ヘッド21の並設ピッチP1,P1’と同一ピッチまたは近似ピッチ、望ましくは最近似ピッチをおいてノズル23を使用順序にしたがって装着することにより、ノズル交換時のヘッド部20の移動距離を短くし、高速度でノズル交換を行うものである。
【0033】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ノズルストッカの上方でヘッド部をX方向やY方向へわずかな距離移動させることにより、多連式移載ヘッドのノズル交換を高速度で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の電子部品実装装置の斜視図
【図2】本発明の実施の形態1の電子部品実装装置の平面図
【図3】(a)本発明の実施の形態1の電子部品実装装置のヘッド部の正面図
(b)本発明の実施の形態1の電子部品実装装置のノズルストッカの平面図
(c)本発明の実施の形態1の電子部品実装装置のノズル交換のためのヘッド部の移動軌跡図
【図4】(a)本発明の実施の形態1の電子部品実装装置のノズル交換方法の説明図
(b)本発明の実施の形態1の電子部品実装装置のノズル交換方法の説明図
(c)本発明の実施の形態1の電子部品実装装置のノズル交換方法の説明図
【図5】(a)本発明の実施の形態2の電子部品実装装置のヘッド部の正面図
(b)本発明の実施の形態2の電子部品実装装置のノズルストッカの平面図
【図6】(a)本発明の実施の形態2の電子部品実装装置のノズル交換方法の説明図
(b)本発明の実施の形態2の電子部品実装装置のノズル交換方法の説明図
【符号の説明】
2 ガイドレール
3 基板
5 Yテーブル
6 Xテーブル
21 移載ヘッド
22 ノズルシャフト
23 ノズル
P1,P1’ 移載ヘッドの並設ピッチ
P2 孔部(ノズル装着部)のピッチ
Claims (1)
- 複数個の移載ヘッドを横並びに並設したヘッド部をXテーブルとYテーブルによりX方向やY方向へ水平移動させながら、パーツフィーダに備えられた電子部品を移載ヘッドのノズルシャフトの下端部に着脱自在に装着されたノズルの下端部に真空吸着してピックアップし、位置決め部に位置決めされた基板に移送搭載するようにした電子部品実装装置における多連式移載ヘッドのノズル交換方法であって、移載ヘッドの移動路に設けられたノズルストッカにピッチをおいてマトリクス状に形成されたノズル装着部に、移載ヘッドの並設ピッチの1/2ピッチをおいてノズルを使用順序にしたがってX方向における隣りに装着するとともに、X方向に形成されたノズル装着部のY方向における隣りのノズル装着部に装着し、移載ヘッドをノズルストッカの上方をノズル装着部のX方向のピッチやY方向のピッチだけ移動させながら、ノズルシャフトに上下動作を行わせて複数のノズルを同時にノズル装着部に挿入して回収し、また複数の移載ヘッドに同時にノズルを装着してノズルの交換を行うことを特徴とする電子部品実装装置における多連式移載ヘッドのノズル交換方法。
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