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JP3884878B2 - 記録装置及び吸引回復制御方法 - Google Patents

記録装置及び吸引回復制御方法 Download PDF

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JP3884878B2
JP3884878B2 JP04715599A JP4715599A JP3884878B2 JP 3884878 B2 JP3884878 B2 JP 3884878B2 JP 04715599 A JP04715599 A JP 04715599A JP 4715599 A JP4715599 A JP 4715599A JP 3884878 B2 JP3884878 B2 JP 3884878B2
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  • Input Circuits Of Receivers And Coupling Of Receivers And Audio Equipment (AREA)
  • Valves And Accessory Devices For Braking Systems (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は記録装置及び吸引回復制御方法に関し、特に、インクジェット記録方式に従って記録を行う記録ヘッドを用いた記録装置及び吸引回復制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ装置や、複写機やファクシミリ装置等のプリンタ部に用いられる記録装置は、入力される画像情報に基づいて、紙やプラスチック薄板、あるいは布帛などの記録媒体上にドットパターンによって形成される画像を記録する。
【0003】
このような記録装置は、その記録方式によってインクジェット方式,ワイヤドット方式、サーマル方式及びレーザビーム方式などに分けることができる。
【0004】
そのうち、インクジェット方式によるものは、記録ヘッドから記録媒体上にインクを吐出して記録を行うものであり、高精細な画像を高速で記録することができるのみならず、ノンインパクト方式であるため動作時の騒音が少なく、しかも多色のインクを使用してカラー画像をプリントするのが容易であるなどの利点を有している。
【0005】
さらに、インクジェット方式の中でも、インクを加熱して膜沸騰を生じさせ、そのとき発生する気泡の圧力によってインクを吐出するバプルジェット方式は、高解像度記録や高速記録をさらに容易に実現できるものとして知られている。
【0006】
さて、記録を行う際の記録剤としてインクを使用するインクジェット記録装置では、インクの蒸発や気泡の混入などによる記録への悪影響を防止するため、記録ヘッドからのインク吐出機能に対する信頼性維持技術が重要となる。
【0007】
具体的には、インクジェット記録装置が記録動作中、或いは、放置中に、次第に記録ヘッドのインク吐出ノズル内あるいは嵌合部に気泡が発生するため、インク吐出が不可能(不吐出)になったり、吐出不良になったりして正常な記録ができなくなることがある。そこで、この気泡を除去するために、記録ヘッドをキャッピングするキャップと、このキャップ内を吸引する吸引ポンプを有するヘッド回復装置を備え、キャップと記録ヘッドが対向する位置で記録ヘッドのインク吐出面をキャッピング後、吸引ポンプで記録ヘッド内の気泡を吸引する構成が採用されている。この吸引回復処理は、インクジェット記録装置の信頼性維持技術として重要な技術となっている。
【0008】
しかしながら、そのヘッド回復装置に最適な気泡除去性能が発揮されるような吸引条件が決定されても、実際には異なった吸引動作時における気泡の体積は様々であるため、常に同様な気泡除去能力を発揮するわけではない。そこで、従来のインクジェット記録装置では、良好な気泡除去能力を維持するために、気泡体積がなるべく一定の状態で吸引が行なわれるように、吐出回数のカウント、放置時間のタイムカウント、或いは、吐出回数カウントと放置時間の計時の両方を行ない、これらの計測値に応じて吸引動作の制御を行なっていた。具体的には、初期時点から所定時間を経過した時点と、その初期時間から所定量の記録を終了した時点のうち早い方に基づいて、記録ヘッドの吸引動作時期を決定していた。
【0009】
また、特開平6−238914号公報では、記録ヘッド内部温度の昇温によるヘッド内への気泡発生量の違いを考慮して、吐出回数と放置時間と記録ヘッドの温度から、記録ヘッドの吸引動作時期を決定する方法を提案している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来のインクジェット記録装置に採用された信頼性維持技術においては、記録ヘッドによる単位記録範囲に対する吐出回数の量(例えば、A4用紙に1行分の画像を記録する間の実際の吐出回数。以下、記録画像デューティ(duty)という)が考慮されていない。そのために、記録画像デューティ(duty)によっては、不必要な吸引動作を行なって記録装置のスループットを低下させるのみならず、廃インク量の増大を招いたり、逆に吸引動作を行なう前に気泡による吐出不良を起こしてしまう場合があるといった問題点があった。
【0011】
特に、バブルジェット方式は、インクを局所的に加熱して膜沸騰を起こさせ、これによってインクの吐出力を発生させるものであるため、記録動作を行うことによって記録ヘッドの内部温度が次第に上昇し、この昇温により気泡の発生状況や、成長速度が変化する。従って、上述した従来例にもあるように、吐出回数と放置時間と記録ヘッド温度から、記録ヘッドの吸引動作時期を決定する方法も提案されている。
【0012】
しかし、この方法によっても、以下の問題点がある。
【0013】
(1)記録ヘッドの昇温が、ヘッド毎にばらつく。
【0014】
(2)記録ヘッドの温度検知にバラツキがあり正確な制御が困難である。
【0015】
(3)記録画像のパターンによって、記録ヘッドの内部温度が異なる。
【0016】
以下で、これら3つの問題点について詳細に述べる。
【0017】
吐出不良になる原因である記録ヘッド内の気泡の発生原因や発生機構を詳細に検討したところ以下のことが分かった。
【0018】
インクジェット方式の記録ヘッドで記録動作を実行させた場合、最初は小さな気泡が記録ヘッド内に発生し、その後、それらの気泡が合体して成長し大きな気泡となる。しかし、最初に発生した気泡は、その発生後に記録ヘッドからインクを吐出させることがなければインク中に溶けて消失してしまう。このことから、気泡が合体し成長していくための条件として、気泡が消失する前のある一定時間以内に、記録ヘッドがインク吐出を繰り返すことが考えられる。即ち、その記録ヘッドで、単位時間内に多くのインク吐出が行われると、消失前の気泡が合体し成長するために、吐出不良を発生させることになる。
【0019】
図10は吐出不良が発生時におけるそれまでの記録ヘッドによる記録行数と記録時間デューティ(duty)との関係を示す図である。なお、記録時間デューティ(duty)とは単位時間当たりの記録ドット数(dot/秒)である。
【0020】
図10から分かるように、単位時間当たりの記録ドット数が多いほうが、少ない場合よりも、より少ない記録行数で吐出不良が発生する、即ち、より早く吐出不良が発生する。
【0021】
さらに、記録ヘッドの内部温度を考慮すると、その温度が低くとも単位時間当たりの記録ドット数が多いほうが、その温度が高く単位時間当たりの記録ドット数が少ない場合よりも、吐出不良に対し不利となった。
【0022】
このように、単に記録ヘッド温度を検知して、吸引動作タイミングを決めるのでは十分でない。特に、インクジェット記録装置では、記録データの転送時に記録が待機状態になる場合には、上記の検討から分かるように、気泡の成長、即ち、吐出不良の発生は、記録ヘッド温度よりも、単位時間内の記録ドット数と高い相関がある。また、インクジェット記録装置が記録ヘッド温度がある一定温度より低い状態でのみ記録を許可する制御(以下、昇温検知)を実行する場合にも、記録ヘッド温度よりも記録時間dutyに依存して吐出不良が発生していた。
【0023】
即ち、量産されたインクジェット記録ヘッド個々には種々の記録特性に関してバラツキがあり、同じ記録データを入力して同じ画像を記録する場合にも、昇温しやすい記録ヘッドと昇温しにくい記録ヘッドとがある。従って、昇温しにくい記録ヘッドでは、昇温検知を実行しても、記録の許可がされることが、昇温しやすい記録ヘッドよりも多い。即ち、連続的に或いは単位時間内で記録動作が実行される割合が、昇温しやすい記録ヘッドよりも昇温しにくい記録ヘッドの方が高くなる。
【0024】
従って、昇温しにくく温度の低い記録ヘッドは、昇温しやすく温度が高い記録ヘッドよりも、記録ヘッド内気泡による吐出不良が発生しやすい状況になりやすい。このように、インクジェット記録装置においては、記録ヘッド温度が低い場合の方が高い場合より、記録ヘッド内気泡による吐出不良がしやすい場合があるので、従来の昇温検知では十分に吐出不良を防止することはできないという問題があった。
【0025】
また、吐出回数と放置時間と記録ヘッド温度から記録ヘッドの吸引動作時期を決定する従来の方法では、インクジェット記録装置が搭載するヘッド温度測定センサの温度測定精度が十分でないという問題点があった。
【0026】
つまり、センサにより記録装置が検知した記録ヘッド温度(検知温度)が低い状況でも、実際の記録ヘッド温度がその検知温度より高い場合があり、この場合には吸引動作が行われず、吐出不良を起こしてしまう場合があった。これとは反対に、記録装置が検知した記録ヘッド温度が高い状況でも、実際の記録ヘッド温度がその検知温度より低い場合があり、この場合には吸引動作の回数が必要以上に増え、記録動作のスループットが低下するのみならず、廃インク量が増加していまう場合があった。
【0027】
さらに、記録パターンによっては正確に吸引動作時期が定まらない場合があった。例えば、図11(a)に示すように、記録媒体の最初に高い記録画像dutyをもったパターンが記録され、その記録媒体の最後の方では低い記録画像dutyをもったパターンが記録された場合には、記録媒体全体にわたって均一の記録画像dutyをもったパターンが記録された場合と比較して、その記録媒体への記録終了時における記録ヘッド温度が低めに検知されてしまうために、吸引動作が行われず、吐出不良が発生してしまう場合があった。
【0028】
これとは反対に、図11(b)に示すように、記録媒体の最初に記録画像dutyの低いパターンがが記録され、その記録媒体の最後の方に記録画像dutyの高いパターンが記録された場合には、記録媒体全体にわたって均一の記録画像dutyをもったパターンが記録された場合と比較して、その記録媒体への記録終了時における記録ヘッド温度が高めに検知されてしまうために、吸引動作の回数が必要以上に増え、記録動作のスループットが低下し、廃インク量が増加してしまう場合があった。
【0029】
このような問題は記録媒体1頁中の記録において吸引回復動作を実行することで解決されるが、この吸引回復動作が発生すると記録ヘッド内のインクの状態を変化するので、記録媒体1頁の記録動作の途中で吸引回復動作を行うと、記録媒体上に記録された画像の色味が変化してしまう弊害がある。従って、記録媒体1頁の記録途中での吸引回復動作を実行させることが望ましくない。
【0030】
このように、インクジェット記録装置における記録ヘッド温度に従う記録制御は容易ではない。
【0031】
本発明は、上記従来例に鑑みてなされたもので、記録ヘッドを最適な状態に維持しながら、スループットの低下を最小限に抑え、さらに、廃インク量を増加させないことが可能なインクジェット記録装置及び吸引回復制御方法を提供することを目的としている。
【0032】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明の吸引回復制御方法は、以下のような工程からなる。
【0033】
即ち、インクジェット記録装置で用いる記録ヘッドの吸引回復を制御する吸引回復制御方法であって、所定記録動作間隔における記録時間を計測する第1計測工程と、前記所定記録動作間隔において前記記録ヘッドからインク吐出を生じさせて記録がなされる記録ドット数を計測する第2計測工程と、前記第1及び第2計測工程において夫々計測された記録時間と記録ドット数とに基づいて、単位時間当たりの記録ドット数を算出する算出工程と、前記算出工程において算出された単位時間当たりの記録ドット数が第1の範囲にあるとき前記第2計測工程において計測された記録ドット数の値が該計測値より小さくなるように、そして、前記算出工程において算出された単位時間当たりの記録ドット数が前記第1の範囲より大きな値をもつ第2の範囲にあるとき前記第2計測工程において計測された記録ドット数の値が該計測値より大きくなるように、前記第2計測工程において計測された記録ドット数を補正する補正工程と、前記補正工程において補正された記録ドット数の累積値と第1の閾値とを比較する第1比較工程と、前記第1比較工程における比較結果に従って、前記累積値が前記第1の閾値以上の場合に、前記記録ヘッドの吸引回復を行うよう制御する制御工程とを有することを特徴とする吸引回復制御方法を備える。
【0034】
ここで、前記制御工程は、前記所定記録動作間隔での記録が終了する度毎に、前記第1比較工程における比較結果に従って、前記吸引回復の実行を制御することが望ましい。
【0035】
さらに、前記インクジェット記録装置に初めて電源が投入されてからの累積時間を計測する第3計測工程を含むと良い。
【0036】
この場合、記録媒体1頁分の記録が終了する度毎に、前記累積時間と第2の閾値を比較し、さらに、その比較結果に従って、前記吸引回復の実行を制御することが望ましい。
【0037】
なお、前記所定記録動作間隔は、記録媒体1頁分の記録動作間隔或いは記録ヘッド1走査分の記録動作間隔であることが望ましい。
【0039】
また、前記制御工程では、前記第1比較工程において前記累積値が前記第1の閾値以上と判断するか、或は前記第2比較工程において前記累積時間が前記第2の閾値以上と判断するかの内、いずれか早い方のタイミングにおいて、前記吸引回復を実行するよう制御すると良い。
【0040】
また他の発明によれば、インクジェット記録装置で用いる記録ヘッドの吸引回復を制御する吸引回復制御方法であって、所定記録領域毎に前記記録ヘッドからインク吐出を生じさせて記録がなされる記録ドット数を計測する第1計測工程と、前記第1計測工程において計測された記録ドット数と前記所定記録領域に記録可能な総ドット数とに基づいて、前記所定記録領域当たりの記録デューティを算出する算出工程と、前記算出工程において算出された前記所定記録領域当たりの記録デューティが第1の範囲にあるとき前記第1計測工程において計測された記録ドット数の値が該計測値より小さくなるように、そして、前記算出工程において算出された前記所定記録領域当たりの記録デューティが前記第1の範囲より大きな値をもつ第2の範囲にあるとき前記第1計測工程において計測された記録ドット数の値が該計測値より大きくなるように、第1計測工程において計測された記録ドット数を補正する補正工程と、前記補正工程において補正された記録ドット数の累積値と第1の閾値を比較する第1比較工程と、前記第1比較工程における比較結果に従って、前記累積値が前記第1の閾値以上の場合に、前記記録ヘッドの吸引回復を行うよう制御する制御工程とを有することを特徴とする吸引回復制御方法を備える。
【0041】
ここで、前記制御工程は、前記所定記録領域への記録が終了する度毎に、前記第1比較工程における比較結果に従って、前記記録ヘッドの吸引回復の実行を制御することが望ましい。
【0042】
さらに、前記インクジェット記録装置に初めて電源が投入されてからの累積時間を計測する第2計測工程を備えることが望ましい。
【0043】
その場合、前記所定記録領域への記録が終了する度毎に、さらに前記累積時間と第2の閾値を比較し、前記制御工程は、さらに、その比較結果に従って、前記吸引回復の実行を制御すると良い。
【0044】
なお、前記所定記録領域は、前記記録ヘッド1走査によって記録がなされる領域であることが望ましい。
【0045】
さらに他の発明によれば、インクジェット記録ヘッドを用いて記録媒体に記録を行う記録装置であって、前記インクジェット記録ヘッドの吸引回復を行う吸引回復手段と、所定記録動作間隔における記録時間を計測する第1計測手段と、前記所定記録動作間隔において前記インクジェット記録ヘッドからインク吐出を生じさせて記録がなされる記録ドット数を計測する第2計測手段と、前記第1及び第2計測手段によって夫々計測された記録時間と記録ドット数とに基づいて、単位時間当たりの記録ドット数を算出する算出手段と、前記算出手段によって算出された単位時間当たりの記録ドット数が第1の範囲にあるとき前記第2計測手段によって計測された記録ドット数の値が該計測値より小さくなるように、そして、前記算出手段によって算出された単位時間当たりの記録ドット数が前記第1の範囲より大きな値をもつ第2の範囲にあるとき前記第2計測手段によって計測された記録ドット数の値が該計測値より大きくなるように、前記第2計測手段によって計測された記録ドット数を補正する補正手段と、前記補正手段によって補正された記録ドット数の累積値と第1の閾値とを比較する第1比較手段と、前記第1比較手段による比較結果に従って、前記累積値が前記第1の閾値以上の場合に、前記吸引回復の動作を行うよう制御する制御手段とを有することを特徴とする記録装置を備える。
【0046】
さらに、前記記録装置に初めて電源が投入されてからの累積時間を計測する第3計測手段をさらに有し、前記制御手段は、その累積時間をさらに考慮して、前記吸引回復の実行を制御すると良い。
【0047】
またさらに他の発明によれば、インクジェット記録ヘッドを用いて記録媒体に記録を行う記録装置であって、前記インクジェット記録ヘッドの吸引回復を行う吸引回復手段と、所定記録領域毎に前記記録ヘッドからインク吐出を生じさせて記録がなされる記録ドット数を計測する第1計測手段と、前記第1計測手段によって計測された記録ドット数と前記所定記録領域に記録可能な総ドット数とに基づいて、前記所定記録領域当たりの記録デューティを算出する算出手段と、前記算出手段によって算出された前記所定記録領域当たりの記録デューティが第1の範囲にあるとき前記第1計測手段によって計測された記録ドット数の値が該計測値より小さくなるように、そして、前記算出手段によって算出された前記所定記録領域当たりの記録デューティが前記第1の範囲より大きな値をもつ第2の範囲にあるとき前記第1計測手段によって計測された記録ドット数の値が該計測値より大きくなるように、前記第1計測手段によって計測された記録ドット数を補正する補正手段と、前記補正手段によって補正された記録ドット数の累積値と第1の閾値を比較する第1比較手段と、前記第1比較手段による比較結果に従って、前記累積値が前記第1の閾値以上の場合に、前記記録ヘッドの吸引回復を行うよう制御する制御手段とを有することを特徴とする記録装置を備える。
【0048】
さらに、前記記録装置に初めて電源が投入されてからの累積時間を計測する第2計測手段をさらに有し、前記制御手段は、その累積時間をさらに考慮して、前記吸引回復の実行を制御すると良い。
【0049】
また、前記インクジェット記録ヘッドを往復走査する走査手段をさらに有する構成とする場合、前記所定記録領域は、その走査手段によってインクジェット記録ヘッドが1走査するときに記録がなされる領域であると良い。
【0050】
さて、以上の構成において言及した記録ヘッドは、熱エネルギーを利用してインクを吐出するために、インクに与える熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えていることが望ましく、その電気熱変換体によって印加される熱エネルギーにより、インクに生ずる膜沸騰を利用して吐出口よりインクを吐出させると良い。
【0051】
以上の構成により本発明は、所定記録動作間隔における記録時間を計測し、その所定記録動作間隔において記録ヘッドからインク吐出を生じさせて記録がなされる記録ドット数を計測し、そのようにして、夫々計測された記録時間と記録ドット数とに基づいて、単位時間当たりの記録ドット数を算出し、その算出された単位時間当たりの記録ドット数に基づいて、吸引回復のタイミングを決定して記録ヘッドの吸引回復を行うよう制御する。
【0052】
また他の発明によれば、所定記録領域毎に記録ヘッドからインク吐出を生じさせて記録がなされる記録ドット数を計測し、その計測された記録ドット数と所定記録領域に記録可能な総ドット数とに基づいて、単位記録領域当たりの記録ドット数を算出し、その算出された単位記録領域当たりの記録ドット数に基づいて、吸引回復のタイミングを決定して記録ヘッドの吸引回復を行うよう制御する。
【0053】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0054】
なお、この実施形態では、記録画像デューティ(duty)を以下のように定義している。即ち、記録画像デューティ(duty)とは単位記録範囲内におけるインク吐出を伴う記録ドット数であり、例えば、A4用紙に記録ヘッド1走査分(1行)の記録をする間の実際のインク吐出回数のことを言う。この場合、この値は、単位記録範囲を構成する総ドット数に対する比率として表しても良い。
【0055】
また、記録時間デューティ(duty)とはインク吐出を伴う記録ドット数をその記録ドット数を記録するのに要した記録時間で割ったものである。例えば、10000個の記録ドットをインク吐出によって記録させた場合に、その10000個のドットを記録するのに要した時間で割ったものである。ここで、その記録に要した時間は、1個目のドットを記録するのに記録ヘッドがインクを吐出してから、10000個目のドットを記録するのに記録ヘッドがインクを吐出させ終わるまでの時間でも良いし、また、記録装置が扱いやすいタイミング、例えば給紙終了時から排紙開始時のようなものでも良い。前もってそのタイミングに合わせて、記録画像デューティ(duty)と吐出不良の関係が明確になっていれば良い。
【0056】
<第1実施形態>
図1は、本発明の代表的な実施の形態であるインクジェットプリンタIJRAの構成の概要を示す外観斜視図である。図1において、駆動モータ5013の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア5009〜5011を介して回転するリードスクリュー5005の螺旋溝5004に対して係合するキャリッジHCはピン(不図示)を有し、ガイドレール5003に支持されて矢印a,b方向を往復移動する。キャリッジHCには、記録ヘッドIJHとインクタンクITとを内蔵した一体型インクジェットカートリッジIJCが搭載されている。5002は紙押え板であり、キャリッジHCの移動方向に亙って記録用紙Pをプラテン5000に対して押圧する。5007,5008はフォトカプラで、キャリッジのレバー5006のこの域での存在を確認して、モータ5013の回転方向切り換え等を行うためのホームポジション検知器である。5016は記録ヘッドIJHの前面をキャップするキャップ部材5022を支持する部材で、5015はこのキャップ内を吸引する吸引器で、キャップ内開口5023を介して記録ヘッドの吸引回復を行う。5017はクリーニングブレードで、5019はこのブレードを前後方向に移動可能にする部材であり、本体支持板5018にこれらが支持されている。ブレードは、この形態でなく周知のクリーニングブレードが本例に適用できることは言うまでもない。又、5021は、吸引回復の吸引を開始するためのレバーで、キャリッジと係合するカム5020の移動に伴って移動し、駆動モータからの駆動力がクラッチ切り換え等の公知の伝達機構で移動制御される。
【0057】
これらのキャッピング、クリーニング、吸引回復は、キャリッジがホームポジション側の領域に来た時にリードスクリュー5005の作用によってそれらの対応位置で所望の処理が行えるように構成されているが、周知のタイミングで所望の動作を行うようにすれば、本例にはいずれも適用できる。
【0058】
<制御構成の説明>
次に、上述した装置の記録制御を実行するための制御構成について説明する。
【0059】
図2はインクジェットプリンタIJRAの制御回路の構成を示すブロック図である。制御回路を示す同図において、1700は記録信号を入力するインタフェース、1701はMPU、1702はMPU1701が実行する制御プログラムを格納するROM、1703は各種データ(上記記録信号やヘッドに供給される記録データ等)を保存しておくDRAMである。1704は記録ヘッドIJHに対する記録データの供給制御を行うゲートアレイ(G.A.)であり、インタフェース1700、MPU1701、RAM1703間のデータ転送制御も行う。1710は記録ヘッドIJHを搬送するためのキャリアモータ、1709は記録紙搬送のための搬送モータである。1705は記録ヘッドIJHを駆動するヘッドドライバ、1706,1707はそれぞれ搬送モータ1709、キャリアモータ1710を駆動するためのモータドライバである。
【0060】
上記制御構成の動作を説明すると、インタフェース1700に記録信号が入るとゲートアレイ1704とMPU1701との間で記録信号がプリント用の記録データに変換される。そして、モータドライバ1706、1707が駆動されると共に、ヘッドドライバ1705に送られた記録データに従って記録ヘッドIJHが駆動され、記録が行われる。
【0061】
また、回復制御部1708は、MPU1701からの制御のもと、キャップ5022を用いた記録ヘッドIJHの前面のキャッピング、クリーニングブレード5017による記録ヘッドIJHの前面の清浄、吸引器5015による記録ヘッドIJHの吸引回復の動作など一連の回復動作を制御する。
【0062】
さて、ドットカウンタ1712では記録動作中に記録ヘッドIJHからインクが吐出されて記録が行われた記録ドット数を計数しており、その計数値が記録動作の進行に連れて回復制御部1708に信号として出力される。
【0063】
一方、タイムカウンタ1711aは、記録時間をカウントし、そのカウント結果を回復制御部1708に出力する。さらに、タイムカウンタ1711bは、インクジェットプリンタIJRAに初めて電源が投入された時点からのインクジェット記録装置の放置時間をカウントし、そのカウント結果を回復制御部1708に出力する。
【0064】
回復制御部1708では、タイムカウンタ1711aから得られるカウント結果、タイムカウンタ1711bから得られるカウント結果、ドットカウンタ1712から得られる記録ドット数に基づいて、吸引器5015とMPU1701に吸引動作命令を送る。
【0065】
なお、上述のように、インクタンクITと記録ヘッドIJHとは一体的に形成されて交換可能なインクカートリッジIJCを構成しても良いが、これらインクタンクITと記録ヘッドIJHとを分離可能に構成して、インクがなくなったときにインクタンクITだけを交換できるようにしても良い。
【0066】
図3は、インクタンクとヘッドとが分離可能なインクカートリッジIJCの構成を示す外観斜視図である。インクカートリッジIJCは、図3に示すように、境界線Kの位置でインクタンクITと記録ヘッドIJHとが分離可能である。インクカートリッジIJCにはこれがキャリッジHCに搭載されたときには、キャリッジHC側から供給される電気信号を受け取るための電極(不図示)が設けられており、この電気信号によって、前述のように記録ヘッドIJHが駆動されてインクが吐出される。
【0067】
なお、図3において、500はインク吐出口列である。また、インクタンクITにはインクを保持するために繊維質状もしくは多孔質状のインク吸収体が設けられており、そのインク吸収体によってインクが保持される。
【0068】
次に、上述した記録ヘッドIJHについて図4を参照して説明する。
【0069】
図4は、図1に示したインクジェットカートリッジIJCを構成する記録ヘッドIJHの要部斜視図である。
【0070】
記録ヘッドIJHは、図4に示すように、記録紙P(図1参照)と所定の間隔をおいて対面する吐出口面1aに、所定のピッチで複数の吐出口1bが形成されている。図4において、4は電気熱変換素子1eおよびインク供給口1fを備える基板であり、長溝状の貫通口からなるインク供給口1fの長手方向の両側に吐出エネルギー発生素子である電気熱変換素子1がそれぞれ1列ずつ千鳥状に配列されており、共通液室1cと各吐出口1bは各液路1dで連通されている。
【0071】
また、共通液室1cは、インクジェットカートリッジIJCのインクタンクITと連通しており、共通液室1cにはインクタンクITからインクが供給される構成となっている。インクタンクITから共通液室1cに供給されて一時的に貯えられたインクは、毛管現象により液路1dに侵入し、吐出口1bでメニスカスを形成して液路1dを満たした状態を保つ。
【0072】
このとき、電極(不図示)を介して電気熱変換素子1eが通電されて発熱すると、電気熱変換素子1e上のインクが急激に加熱されて液路1d内に気泡が発生し、この気泡の膨張により吐出口1bからインクが吐出される。
【0073】
なお、この実施形態において、記録ヘッドIJHに形成される吐出口1bの数は256個であり、インクジェットプリンタIJRAは、最大A3サイズの記録紙に対して記録が可能であり、その記録解像度は1200DPIで、駆動周波数は10kHzである。
【0074】
次に、以上のような構成のインクジェットプリンタIJRAの吸引動作制御手順について図5に示すフローチャートを参照して説明する。
【0075】
まず、ステップS101では、インクジェットプリンタIJRAに初めて電源が投入されたかどうかを調べ、それが初めての電源投入であれば、処理はステップS102に進み、タイムカウンタ1711bによる放置時間(t2)のカウントを開始する。このカウントはインクジェットプリンタIJRAの電源供給が切断されても続行される。その後、処理はステップS103へと進む。これに対して、それが初めての電源投入ではないなら、処理はステップS102をスキップしてそのままステップS103へと進む。
【0076】
ステップS103では、電源投入後、カウントされた放置時間(t2)と吸引放置時間閾値(t2th)を比較する。吸引放置時間閾値(t2th)は、前もって記録ヘッドに吐出不良が発生するまでのインクジェットプリンタの放置時間を検討することにより求めておき、ROM1702に設定しておく。
【0077】
ここで、t2≧t2thである場合には、処理はステップS116に進む。ステップS116以降の処理については後述する。、
これに対して、t2<t2thとである場合には、処理はステップS104に進み、タイムカウンタ1711aによる記録時間の計測値(t1)を初期化し、さらに、ステップS105ではドットカウンタ1712による記録ドット数のカウント値(X)を初期化する。次に、ステップS106では記録動作が開始されるかどうかを調べ、開始されないのであれば処理はステップS103に戻り、開始されるのであれば、処理はステップS107に進む。
【0078】
ステップS107では、記録開始と同時にタイムカウンタ1711aによる記録時間(t1)のカウントを開始し、さらに、ステップS108では、ドットカウンタ1712により記録ドット数(X)のカウントを開始する。なお、この実施形態では、記録時間(t1)のカウントを開始する具体的なタイミングは、インクジェットプリンタIJRAへの記録用紙の給紙が終了した時点である。
【0079】
次に、処理はステップS109において、記録用紙1枚分の記録の終了を待ち合わせ、その記録が終了すると、処理はステップS110に進み、タイムカウンタ1711aによる記録時間(t1)のカウントを終了する。そして、ステップS111では、式(1)に従って記録時間デューティ(duty)を計算する。
【0080】
X/t1 …(1)
さらに、ステップS111では、計算された記録時間デューティ(duty)の値(X/t1)に基づいて、表1に示すテーブルを参照して補正係数(α)を求める。補正係数(α)は、前もって検討により求めておいたものである。具体的には、式(1)より求まる種々の(X/t1)の値に対して、補正係数(α)を求めるために、記録画像デューティ(duty)を変化させたり、記録パターンを記録用紙の前半に偏らせて記録するなどしてもとめる。この実施形態では、図10に示したように、単位時間あたりの記録ドット数と吐出不良との関係に基づき、補正係数(α)と以下に説明する補正記録ドットカウント値(Y)の閾値(Yth)を決めている。
【0081】
【表1】
Figure 0003884878
次に、ステップS112では、補正記録ドットカウント値(Y)を補正係数(α)により重み付けし、式(2)に従って求める。
【0082】
Y=Y+X+αX …(2)
ステップS113では、補正記録ドットカウント値(Y)とその閾値(Yth)を比較する。ここで、Y≧Ythである場合には処理はステップS116に進む。これに対して、Y<Ythである場合には、処理はステップS114に進み、放置時間(t2)と吸引放置時間閾値(t2th)を比較する。ここで、t2≧t2thである場合には、処理はステップS116に進む。これに対して、t2<t2thである場合には、処理はステップS115に進み、記録動作を終了するかどうかを調べる。ここで、次に記録するデータが存在しない場合は、記録動作を終了し、まだ未記録データが存在する場合には、処理はステップS103に戻り、上述した処理をデータが存在しなくなるまで繰り返す。
【0083】
さて、ステップS116では、回復制御部1708から吸引動作命令をMPU1701と吸引器5015に送る。一方、MPU1701はステップS116において、吸引動作命令を受信すると、記録動作を中断し、キャリアモータ1710を駆動して記録ヘッドIJHを搭載したキャリッジHCをキャップ5022に対向する位置に移動させて吸引動作に備えるよう制御するとともに、キャップ5022により記録ヘッドIJHの吐出口面をキャッピングするよう制御する。そして、回復制御部1708はMPU1701と連携をとりながら、吸引器5015を動作せて吸引動作を行う。
【0084】
その後、処理はステップS117に進み、これまでにカウントされた放置時間(t2)と補正記録ドットカウント値(Y)の値を初期化する。その後、処理はステップS115に戻る。
【0085】
従って以上説明した実施形態によれば、吸引動作が必要であるかどうかを、記録用紙1枚分の記録が終了するたび毎に、単位記録時間当たりの記録ドット数によって補正された記録ドット数および放置時間に従って決定するので、記録ヘッドを最適な状態に保つための吸引動作の回数が必要最小限の回数ですみ、記録ヘッドを最適な状態に保ちつつ、インクジェットプリンタのスループットの低下を最小限に抑えることができる。また、吸引動作の回数を必要最小限に抑えることで廃インク量を抑えることができ、インク消費量の削減や運用コストの削減にも資することができる。
【0086】
なお、この実施形態では、表1に示すような補正係数(α)を用いたが、補正係数は、記録ヘッドの共通液室容積、吐出ノズル数、放熱設計等により変わるものであり、また、記録ヘッドの動作を制御するときの駆動周波数等により変わるものであるので、基本的には各インクジェットプリンタの仕様に依存したものとなる。従って、本発明はこの実施形態で示した補正係数によって限定されるものではない。
【0087】
また、この実施形態では記録時間(t2)のカウントを開始する具体的なタイミングをインクジェットプリンタへの記録用紙の給紙が終了した時点としたが、本発明はこれによって限定されるものではなく、例えば、キャリッジHCが主走査方向に移動を開始する時点にする等、記録装置の構成に沿った別のタイミングでもかまわない。
【0088】
さらに、この実施形態では説明しなかったが、記録ヘッドの温度がある一定温度より低い状態でのみ記録を許可する制御(昇温検知)をインクジェットプリンタが採用していてもよい。
【0089】
またさらに、この実施形態では、各カウンタ値の比較結果に基づいて吸引動作を行なうように制御する例について説明したが、本発明はこれによって限定されるものではない。例えば、装置への電源投入後に必ず吸引動作を実行し、放置中に粘度の増した或いは固着したインクを取り除くようにしてもよい。
【0090】
またさらに、図5に示したフローチャートの処理では、記録用紙1枚分の記録が終了するたびに(X/t1)の値を求めたが、本発明はこれによって限定されるものではない。例えば、図6のステップS109aに示すように、記録ヘッド1走査分の記録(即ち、1行分)が終了するたびごとに(X/t1)の値を求め、記録ドット数の補正を記録一行終了毎に行うように制御しても良い。この場合には、カウントされる記録時間(t1)は、記録ヘッドを搭載したキャリッジが1行分の記録を終了した行末から次の行末までの時間でよい。このため、図6に示すフローチャートにはこのような制御を行うために、ステップS112aの処理が追加されている。
【0091】
なお、図6に示すフローチャートでは、ステップS109aとS112aの処理以外の処理は図5に示した処理と共通であるので、それらの共通した処理については同じステップ参照番号を付し、その説明は省略する。
【0092】
またさらに、放置中の記録ヘッド内での気泡の成長が少ない場合には、インクジェットプリンタIJRAの制御回路からタイムカウンタ1711bを除き、放置時間(t2)の測定をしないようにすることも可能である。その場合、図5に示したフローチャートの処理は、図7のフローチャートに示すように、放置時間(t2)に関連した処理の除かれた処理構成となる。即ち、その処理では、吸引動作のタイミングは、記録時間デューティ(duty)から求められる構成となる。
【0093】
<第2実施形態>
ここでは、第1実施形態のインクジェットプリンタの制御回路の構成に比較して、1つのタイムカウンタを用いない構成の制御回路を用いた例について説明する。
【0094】
図8はインクジェットプリンタIJRAの制御回路の構成を示すブロック図である。この制御回路の構成は、上述のように図2に示した構成と比較して、タイムカウンタ1711aがないだけであるので、図2に示したのと同じ構成要素には同じ参照番号を付し、その説明は省略する。つまり、この実施形態では、記録時間(t1)についての測定は行わない。
【0095】
次に、図9に示すフローチャートを参照して、この実施形態に従う吸引動作制御について説明する。なお、図9に示すフローチャートは、図5に示したフローチャートと比較して、共通の処理ステップが多く含まれている。従って、その共通の処理ステップには同じステップ参照番号を付し、その説明は省略する。ここでは、この実施形態に特徴的な処理ステップについてのみ説明する。
【0096】
図5に示したタイムカウンタ1711aの初期化を行うステップS104の処理とタイムカウンタ1711aによる記録時間(t1)のカウント開始処理を行うステップS107の処理を除き、ステップS101〜S108の処理は、第1実施形態と同様に実行される。
【0097】
その後、処理はステップS109Aにおいて、記録ヘッドIJHの1走査分の記録(即ち、1行分の記録)の完了を待ち合わせ、その記録が完了したなら、処理はステップS110Aに進む。
【0098】
ステップS110Aでは、式(3)に従って、記録画像デューティ(duty)を計算する。
【0099】
X/Xa11 …(3)
ここで、Xa11は、100%の画像記録デューティ(duty)で記録がなされた場合のドット数、即ち、単位記録範囲(記録ヘッドIJHによる1走査範囲)を構成する総ドット数である。
【0100】
次に、ステップS111Aでは、得られた記録画像デューティ(duty)をキーとして、表1に示したテーブルと類似した記録画像デューティ(duty)の種々の値とその各々の値に対応した補正係数(α)との関係を示したテーブルを検索して補正係数(α)を求める。この補正係数(α)は、第1実施形態の場合と同様に、記録画像デューティ(duty)を変えたり、記録パターンを記録用紙の前半に偏らせて記録させるなどして前もって検討により求めておいたものである。
【0101】
この処理後、第1実施形態と同様に、ステップS113〜S117の処理を実行する。
【0102】
従って以上説明した実施形態に従えば、記録ヘッドによる1走査分の記録動作が終了するたび毎に吸引動作が必要かどうかを、単位記録範囲当たりの記録ドット数、即ち、記録画像デューティに従って補正した記録ドット数と、放置時間とに従って決定するので、記録ヘッドを最適な状態に保つための吸引動作の回数が必要最小限の回数ですみ、記録ヘッドを最適な状態に保ちつつ、インクジェットプリンタのスループットの低下を最小限に抑えることができる。また、吸引動作の回数を必要最小限に抑えることで廃インク量を抑えることができ、インク消費量の削減や運用コストの削減にも資することができる。
【0103】
しかしながら、画像記録動作中に、画像データによる転送の動作待機が発生したり、昇温検知等により記録が待機状態になる場合には、記録時間デューティ(duty)により記録ドット数を補正する方が好ましい。
【0104】
なお、以上の実施形態において、記録ヘッドから吐出される液滴はインクであるとして説明し、さらにインクタンクに収容される液体はインクであるとして説明したが、その収容物はインクに限定されるものではない。例えば、記録画像の定着性や耐水性を高めたり、その画像品質を高めたりするために記録媒体に対して吐出される処理液のようなものがインクタンクに収容されていても良い。
【0105】
以上の実施形態は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いることにより記録の高密度化、高精細化が達成できる。
【0106】
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて膜沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状をすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0107】
このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0108】
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成としても良い。
【0109】
さらに、記録装置が記録できる最大記録媒体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0110】
加えて、上記の実施形態で説明した記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドのみならず、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
【0111】
また、以上説明した記録装置の構成に、記録ヘッドに対する回復手段、予備的な手段等を付加することは記録動作を一層安定にできるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段などがある。また、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを備えることも安定した記録を行うために有効である。
【0112】
さらに、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってでも良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの少なくとも1つを備えた装置とすることもできる。
【0113】
以上説明した実施の形態においては、インクが液体であることを前提として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化もしくは液化するものを用いても良く、あるいはインクジェット方式ではインク自体を30°C以上70°C以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよい。
【0114】
加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化するインクを用いても良い。いずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のような、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も本発明は適用可能である。このような場合インクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明においては、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0115】
さらに加えて、本発明に係る記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として一体または別体に設けられるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を取るものであっても良い。
【0116】
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ,インタフェース機器,リーダ,プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機,ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0117】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0118】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0119】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。
【0120】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0121】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0122】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、所定記録動作間隔における記録時間を計測し、その所定記録動作間隔において記録ヘッドからインク吐出を生じさせて記録がなされる記録ドット数を計測し、そのようにして、夫々計測された記録時間と記録ドット数とに基づいて、単位時間当たりの記録ドット数を算出し、その算出された単位時間当たりの記録ドット数に基づいて、吸引回復のタイミングを決定して記録ヘッドの吸引回復を行うよう制御したり、或いは、所定記録領域毎に記録ヘッドからインク吐出を生じさせて記録がなされる記録ドット数を計測し、その計測された記録ドット数と所定記録領域に記録可能な総ドット数とに基づいて、単位記録領域当たりの記録ドット数を算出し、その算出された単位記録領域当たりの記録ドット数に基づいて、吸引回復のタイミングを決定して記録ヘッドの吸引回復を行うよう制御するので、その時点時点での実際の記録動作が用いている記録ヘッドに対する影響を考慮して、記録ヘッドの吸引回復のタイミングを定めることができる。
【0123】
従って、例えば、記録ヘッドの温度特性などが個々にばらついたとしても、そのような特性に左右されず、正確に吸引回復タイミングを定めることができるという効果がある。これにより、必要最小限の吸引回復動作を実行することで記録ヘッドを最適な状態に維持され、記録動作におけるスループットの低下を最小限に抑え、さらに、吸引回復動作に伴う廃インク量を増加させないことが可能となる。
【0124】
さらに、記録ヘッドの温度検知機能を備えた構成の記録装置においても、例えば、その温度検知精度や、記録データやその記録パターンがその温度検知に影響を与え、その結果、記録ヘッドの吸引回復のタイミングに悪影響を及ぼすといったことが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な実施の形態であるインクジェットプリンタIJRAの構成の概要を示す外観斜視図である。
【図2】第1実施形態に従うインクジェットプリンタIJRAの制御回路の構成を示すブロック図である。
【図3】インクタンクとヘッドとが分離可能なインクカートリッジIJCの構成を示す外観斜視図である。
【図4】図1に示したインクジェットカートリッジIJCを構成する記録ヘッドIJHの要部斜視図である。
【図5】第1実施形態に従う吸引動作制御手順を示すフローチャートである。
【図6】第1実施形態の変形例に従う吸引動作制御手順を示すフローチャートである。
【図7】第1実施形態の別の変形例に従う吸引動作制御手順を示すフローチャートである。
【図8】第2実施形態に従うインクジェットプリンタIJRAの制御回路の構成を示すブロック図である。
【図9】第2実施形態に従う吸引動作制御手順を示すフローチャートである。
【図10】吐出不良が発生時におけるそれまでの記録ヘッドによる記録行数と記録時間デューティ(duty)との関係を示す図である。
【図11】記録媒体1頁中で記録デューティが大きく変化する記録パターンの例を示す図である。
【符号の説明】
1700 インタフェース
1701 MPU
1702 ROM
1703 DRAM
1704 ゲートアレイ(G.A.)
1705 ヘッドドライバ
1706、1707 モータドライバ
1708 回復制御部
1709 搬送モータ
1710 キャリアモータ
1711a、1711b タイムカウンタ
1712 ドットカウンタ
5015 吸引器
5017 クリーニングブレード
5022 キャップ
IJC インクカートリッジ
IJH 記録ヘッド
IT インクタンク

Claims (16)

  1. インクジェット記録装置で用いる記録ヘッドの吸引回復を制御する吸引回復制御方法であって、
    所定記録動作間隔における記録時間を計測する第1計測工程と、
    前記所定記録動作間隔において前記記録ヘッドからインク吐出を生じさせて記録がなされる記録ドット数を計測する第2計測工程と、
    前記第1及び第2計測工程において夫々計測された記録時間と記録ドット数とに基づいて、単位時間当たりの記録ドット数を算出する算出工程と、
    前記算出工程において算出された単位時間当たりの記録ドット数が第1の範囲にあるとき前記第2計測工程において計測された記録ドット数の値が該計測値より小さくなるように、そして、前記算出工程において算出された単位時間当たりの記録ドット数が前記第1の範囲より大きな値をもつ第2の範囲にあるとき前記第2計測工程において計測された記録ドット数の値が該計測値より大きくなるように、前記第2計測工程において計測された記録ドット数を補正する補正工程と、
    前記補正工程において補正された記録ドット数の累積値と第1の閾値とを比較する第1比較工程と、
    前記第1比較工程における比較結果に従って、前記累積値が前記第1の閾値以上の場合に、前記記録ヘッドの吸引回復を行うよう制御する制御工程とを有することを特徴とする吸引回復制御方法。
  2. 前記制御工程は、前記所定記録動作間隔での記録が終了する度毎に、前記第1比較工程における比較結果に従って、前記吸引回復の実行を制御することを特徴とする請求項1に記載の吸引回復制御方法。
  3. 前記インクジェット記録装置に初めて電源が投入されてからの累積時間を計測する第3計測工程をさらに有することを特徴とする請求項2に記載の吸引回復制御方法。
  4. 前記記録媒体1頁分の記録が終了する度毎に、前記累積時間との第2の閾値を比較する第2比較工程をさらに有し
    前記制御工程は、さらに、前記第2比較工程における比較結果に従って、前記吸引回復の実行を制御することを特徴とする請求項3に記載の吸引回復制御方法。
  5. 前記所定記録動作間隔は、記録媒体1頁分の記録動作間隔或いは前記記録ヘッド1走査分の記録動作間隔であることを特徴とする請求項1に記載の吸引回復制御方法。
  6. 前記制御工程は、前記第1比較工程において前記累積値が前記第1の閾値以上と判断するか、或は前記第2の比較工程において前記累積時間が前記第2の閾値以上と判断するかの内、いずれか早い方のタイミングにおいて、前記吸引回復を実行するよう制御することを特徴とする請求項4に記載の吸引回復制御方法。
  7. インクジェット記録装置で用いる記録ヘッドの吸引回復を制御する吸引回復制御方法であって、
    所定記録領域毎に前記記録ヘッドからインク吐出を生じさせて記録がなされる記録ドット数を計測する第1計測工程と、
    前記第1計測工程において計測された記録ドット数と前記所定記録領域に記録可能な総ドット数とに基づいて、前記所定記録領域当たりの記録デューティを算出する算出工程と、
    前記算出工程において算出された前記所定記録領域当たりの記録デューティが第1の範囲にあるとき前記第1計測工程において計測された記録ドット数の値が該計測値より小さくなるように、そして、前記算出工程において算出された前記所定記録領域当たりの記録デューティが前記第1の範囲より大きな値をもつ第2の範囲にあるとき前記第1計測工程において計測された記録ドット数の値が該計測値より大きくなるように、第1計測工程において計測された記録ドット数を補正する補正工程と、
    前記補正工程において補正された記録ドット数の累積値と第1の閾値を比較する第1比較工程と、
    前記第1比較工程における比較結果に従って、前記累積値が前記第1の閾値以上の場合に、前記記録ヘッドの吸引回復を行うよう制御する制御工程とを有することを特徴とする吸引回復制御方法。
  8. 前記制御工程は、前記所定記録領域への記録が終了する度毎に、前記第1比較工程における比較結果に従って、前記記録ヘッドの吸引回復の実行を制御することを特徴とする請求項に記載の吸引回復制御方法。
  9. 前記インクジェット記録装置に初めて電源が投入されてからの累積時間を計測する第2計測工程をさらに有することを特徴とする請求項に記載の吸引回復制御方法。
  10. 前記所定記録領域への記録が終了する度毎に、前記累積時間と第2の閾値を比較する第2比較工程をさらに有し
    前記制御工程は、さらに、前記第2比較工程における比較結果に従って、前記吸引回復の実行を制御することを特徴とする請求項に記載の吸引回復制御方法。
  11. 前記所定記録領域は、前記記録ヘッド1走査によって記録がなされる領域であることを特徴とする請求項に記載の吸引回復制御方法。
  12. インクジェット記録ヘッドを用いて記録媒体に記録を行う記録装置であって、
    前記インクジェット記録ヘッドの吸引回復を行う吸引回復手段と、
    所定記録動作間隔における記録時間を計測する第1計測手段と、
    前記所定記録動作間隔において前記インクジェット記録ヘッドからインク吐出を生じさせて記録がなされる記録ドット数を計測する第2計測手段と、
    前記第1及び第2計測手段によって夫々計測された記録時間と記録ドット数とに基づいて、単位時間当たりの記録ドット数を算出する算出手段と、
    前記算出手段によって算出された単位時間当たりの記録ドット数が第1の範囲にあるとき前記第2計測手段によって計測された記録ドット数の値が該計測値より小さくなるように、そして、前記算出手段によって算出された単位時間当たりの記録ドット数が前記第1の範囲より大きな値をもつ第2の範囲にあるとき前記第2計測手段によって計測された記録ドット数の値が該計測値より大きくなるように、前記第2計測手段によって計測された記録ドット数を補正する補正手段と、
    前記補正手段によって補正された記録ドット数の累積値と第1の閾値とを比較する第1比較手段と、
    前記第1比較手段による比較結果に従って、前記累積値が前記第1の閾値以上の場合に、前記吸引回復の動作を行うよう制御する制御手段とを有することを特徴とする記録装置。
  13. 前記記録装置に初めて電源が投入されてからの累積時間を計測する第3計測手段をさらに有し、
    前記制御手段は、前記累積時間をさらに考慮して、前記吸引回復の実行制御することを特徴とする請求項12に記載の記録装置。
  14. インクジェット記録ヘッドを用いて記録媒体に記録を行う記録装置であって、
    前記インクジェット記録ヘッドの吸引回復を行う吸引回復手段と、
    所定記録領域毎に前記記録ヘッドからインク吐出を生じさせて記録がなされる記録ドット数を計測する第1計測手段と、
    前記第1計測手段によって計測された記録ドット数と前記所定記録領域に記録可能な総ドット数とに基づいて、前記所定記録領域当たりの記録デューティを算出する算出手段と、
    前記算出手段によって算出された前記所定記録領域当たりの記録デューティが第1の範囲にあるとき前記第1計測手段によって計測された記録ドット数の値が該計測値より小さくなるように、そして、前記算出手段によって算出された前記所定記録領域当たりの記録デューティが前記第1の範囲より大きな値をもつ第2の範囲にあるとき前記第1計測手段によって計測された記録ドット数の値が該計測値より大きくなるように、前記第1計測手段によって計測された記録ドット数を補正する補正手段と、
    前記補正手段によって補正された記録ドット数の累積値と第1の閾値を比較する第1比較手段と、
    前記第1比較手段による比較結果に従って、前記累積値が前記第1の閾値以上の場合に、前記記録ヘッドの吸引回復を行うよう制御する制御手段とを有することを特徴とする記録装置。
  15. 前記記録装置に初めて電源が投入されてからの累積時間を計測する第2計測手段をさらに有し、
    前記制御手段は、前記累積時間をさらに考慮して、前記吸引回復の実行制御することを特徴とする請求項14に記載の記録装置。
  16. 前記インクジェット記録ヘッドを往復走査する走査手段をさらに有し、
    前記所定記録領域は、前記走査手段によって前記インクジェット記録ヘッドが1走査するときに記録がなされる領域であることを特徴とする請求項14に記載の記録装置。
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