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JP3880877B2 - Plated copper or copper alloy and method for producing the same - Google Patents

Plated copper or copper alloy and method for producing the same Download PDF

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JP3880877B2
JP3880877B2 JP2002095933A JP2002095933A JP3880877B2 JP 3880877 B2 JP3880877 B2 JP 3880877B2 JP 2002095933 A JP2002095933 A JP 2002095933A JP 2002095933 A JP2002095933 A JP 2002095933A JP 3880877 B2 JP3880877 B2 JP 3880877B2
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芳典 鈴木
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、めっきを施した銅または銅合金およびその製造方法に関し、特に、電気電子部品用の銅または銅合金の表面処理材料およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
コネクタなどの電気電子部品では、接点部の接触信頼性を高めるとともに、部品の耐食性、接触信頼性および部品のはんだ付け性を向上させるために、銅または銅合金にSnめっきを施した安価なSnめっき材が非常に広く使用されている。
【0003】
また、コネクタなどの電子電気部品の製造や、自動車やパソコンなどの最終製品の組立が海外で行なわれることが多くなっており、コンテナ船などに長時間保管した後にはんだ付けされる機会も多くなっている。このため、高温環境下や高温・高湿環境下で保持されても、はんだ付け性の劣化が少ない、はんだ付け性に優れためっき材料が求められていた。
【0004】
このはんだ付け性の要求は、Pbフリーはんだでは、実装温度が従来のPb−Snはんだに比べて高くなるため、リフローはんだ付けにおける余熱温度も高くなる傾向があり、環境対策としてのめっきのはんだのPbフリー化に対応するためにも重要である。特に、高温環境下で保持されたときにはんだ付け性が劣化しない、はんだ付け性の耐熱性の要求が大きい。
【0005】
また、Snめっき材を長期間保存する際の問題として、ウィスカの発生の問題がある。すなわち、Snめっき材を長時間放置しておくと、Snの単結晶が成長してウィスカが生じ、このウィスカにより電気回路が短縮し、重大な事故となることがある。
【0006】
さらに、近年のエレクトロニクスの発達により、自動車のエンジンルーム近傍などの高温環境下で電子部品が使用される機会が多くなっており、例えば、160℃×1000時間といった高温環境下で長時間置かれた後でも、接触抵抗の増加が小さく、剥離せず、変色が見られない、耐熱信頼性の高いめっき材料の要求も大きい。
【0007】
銅または銅合金上のSnめっき材は、常温でも、素材や下地めっきからのCuの拡散により、CuおよびSnを主体とする拡散層が生成して成長する。この拡散層の成長は、はんだ付け時に溶融してはんだ濡れをもたらすSnめっき層の厚さを薄くし、はんだ付け性を低下させる。さらに、Sn層と密度が異なる拡散層が生成して成長することによって、めっき内部で体積変化が起こり、Sn層に内部応力を与えて、ウィスカの発生の原因になる。
【0008】
また、Snめっき材は、高温・高湿環境下に長時間置かれると、 Cu−Sn拡散層の成長とともに、素材から拡散した元素やリフローにより拡散した素材の元素によるSn層の内部酸化や表面酸化が起こる。これにより、はんだ付け性の低下、ウィスカの発生、接触抵抗の増大などが促進される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記の問題を解決する従来の方法として、はんだ付け性や耐熱性を向上させるために、SnめっきにCu下地めっきを施した後に3μm以上の厚い光沢Snめっきを施す方法がある。しかし、この方法では、はんだ付け性の向上にはある程度の効果が見られるものの、160℃×100時間などの耐熱試験後の接触抵抗が増加し、さらに、ウィスカに対する感受性が高いままである。また、電気めっきにより厚いSnめっきを施す場合に、Snの原料費や電気代が高くなるだけでなく、めっきに要する時間が長くなるという問題があり、Snめっき厚を厚くすることなく、上記の特性をさらに改善する方法が求められている。
【0010】
また、上述した問題を解決する従来の他の方法として、はんだ付け性、耐熱性および耐ウィスカ性を向上させるために、Ni下地めっきを施した後にSnめっきを行い、リフロー処理を施すことにより、母材からの合金元素の拡散を防止し且つSnめっき内部の残留応力を除去する方法もある。しかし、この方法も、はんだ付け性の劣化、耐ウィスカ性および耐熱接触信頼性に対してある程度の効果が見られるものの、その効果をさらに向上させることが求められている。特に、はんだ付け性の劣化および耐熱接触信頼性の低下に対しては、下地めっきの成分であるNiの表面酸化および内部酸化により、十分な効果が得られなかった。
【0011】
これに加え、通常、Ni下地めっきは1〜2μm施されるが、Ni下地めっきおよびNiめっきとSnめっきの間に生成するNi−Sn拡散層は、母材である銅または銅合金よりも硬質であり、材料のプレス加工性を低下させるという問題や、曲げ加工部でめっきに割れが生じるという成形加工性の問題があり、改善が望まれている。
【0012】
さらに、これらのめっきやめっき材料の機能面に加えて、端子・コネクタに対するコストダウンの要求が厳しく、上記の特性を保持しつつ、通常のSnめっき材と比べてコストが大きく上昇しない表面処理材料が求められている。
【0013】
また、はんだの鉛フリー化に対応できるような、環境負荷の小さい表面処理材料であることも求められている。
【0014】
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、めっき材料としてのはんだ付け性、耐ウィスカ性および耐熱信頼性を保持しつつ、表面処理による材料のばね特性の変化を小さく抑え、且つ良好な成形加工性を有する表面処理材料を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、母材である銅または銅合金の素材に対して、SnまたはSn合金層と接する拡散層の成分および結晶粒径を制御し、さらにビッカース硬さが制御されたNiまたはNi合金層を下地として使用し、各層の厚さおよび厚さの関係を制御することにより、はんだ付け性、耐ウィスカ性および耐熱信頼性などの特性を有し、さらに、プレス加工性に優れた表面処理材料を提供することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0016】
すなわち、本発明によるめっきを施した銅または銅合金は、銅または銅合金の表面上に、NiまたはNi合金層が形成され、最表面側にSnまたはSn合金層が形成され、NiまたはNi合金層とSnまたはSn合金層の間にCuとSnを主成分とする中間層またはCuとNiとSnを主成分とする中間層が1層以上形成され、これらの中間層のうち少なくとも1つの中間層が、Cu含有量が50重量%以下であり且つNi含有量が20重量%以下である層を含むことを特徴とする。
【0017】
このめっきを施した銅または銅合金において、Cu含有量が50重量%以下であり且つNi含有量が20重量%以下である層の厚さが0.2〜2.0μmであるのが好ましい。また、Cu含有量が50重量%以下であり且つNi含有量が20重量%以下である層が、SnまたはSn合金層の内側にあり且つSnまたはSn合金層と接しているのが好ましい。また、銅または銅合金の表面上に形成された各々の層に対して垂直方向に投影した、Cu含有量が50重量%以下であり且つNi含有量が20重量%以下である層の平均結晶粒径が0.5〜3.0μmであるのが好ましい。また、NiまたはNi合金層の厚さが0.05〜1.0μmであり、SnまたはSn合金層の厚さが0.05〜2.0μmであるのが好ましい。また、SnまたはSn合金層の少なくとも最表面側が溶融組織であるのが好ましい。さらに、NiまたはNi合金層のビッカース硬さVがHV400以下であり、且つNiまたはNi合金層の厚さX(μm)とNi層とSnまたはSn合金層との間の中間層の厚さY(μm)の間に2X+Y≦3.0の関係が成立するのが好ましい。また、NiまたはNi合金層とSnとCuを主成分とする中間層またはCuとNiとSnを主成分とする中間層の間にCuを主成分とする層が形成され、このCuを主成分とする層の厚さWが0.3μm以下であり、SnまたはSn合金層の厚さZとの間でW≦1.2Zの関係が成立するのが好ましい。
【0018】
また、本発明によるめっきを施した銅または銅合金の製造方法は、銅または銅合金の表面上に、厚さ0.05〜1.0μmのNiまたはNi合金めっきを施し、次いで厚さ0.03〜1.0μmのCuめっきを施し、最表面に厚さ0.15〜3.0μmであるめっき厚のSnまたはSn合金めっきを施した後、少なくとも1回以上の加熱処理を行うことを特徴とする。
【0019】
このめっきを施した銅または銅合金の製造方法において、NiまたはNi合金めっきの厚さが0.05〜1.0μmであり、Cuめっきの厚さKが0.05〜0.8μmであり、SnまたはSn合金めっきの厚さLが0.15〜3.0μmであり且つL≧0.9Kであるのが好ましい。また、加熱処理が400〜900℃の温度で行われ、SnまたはSn合金層が溶融してから凝固するまでの時間が0.05〜60秒であるのが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明によるめっきを施した銅または銅合金の実施の形態について説明する。
【0021】
図1に示すように、本発明によるめっきを施した銅または銅合金の実施の形態は、銅または銅合金からなる素材10の上にNiまたはNi合金層12が形成され、その上にSnとCuを主体とする拡散層14が形成され、さらにその上にSnまたはSn合金層16が形成されるように構成されている。これらの層のうち、SnまたはSn合金層16と接するSnとCuを主体とする拡散層14の成分、厚さおよび結晶粒径を制御することにより、SnとCuを主体とする拡散層14は、NiまたはNi合金層12からSnまたはSn合金層16へのNi元素の拡散を防止する拡散防止層として機能する。また、NiまたはNi合金層12は、素材である銅または銅合金から表面側へのCuや銅合金の成分元素、下地めっきの元素の拡散を防止する拡散防止層として機能し、SnまたはSn合金層16の表面酸化や内部酸化を防ぐことができるだけでなく、拡散防止層の成長が抑制され、熱環境下におけるSnまたはSn合金層16の厚さの変化が小さくなる。この作用により、耐熱試験後のはんだ付け性の劣化やウィスカの発生を抑制し、耐熱性を向上させたまま、良好な成形加工性を保つことができる。
【0022】
また、拡散防止層において、NiまたはNi合金層12の硬さと厚さ、SnとCuを主体とする拡散層14の厚さ、およびそれぞれの厚さの関係を最適に制御することにより、表面処理を施すことによる材料特性の変化を抑制することができる。
【0023】
具体的には、NiまたはNi合金層12の厚さが0.05μm未満であると、素材10の構成元素の拡散抑制効果が十分ではなく、Sn−Cuの成長の抑制に対しても十分ではない。 一方、NiまたはNi合金層12の厚さが0.05μm以上であれば、Cuなどの素材10の構成元素が表面側に拡散するのを効果的に防止することができる。これにより、SnとCuを主体とする拡散層14の成長を抑制し、はんだ付け性の低下やウィスカの発生を抑制することができる。また、めっき皮膜の密着性が向上することから、部品の信頼性が向上する。
【0024】
NiまたはNi合金層12は、厚さ1.0μm以下であり且つめっき時のNiまたはNi合金めっきのビッカース硬さが400以下であることが好ましい。これは、NiまたはNi合金層12が厚くなり、硬くなると、めっき材料の成形加工性が悪くなり、めっき材料の曲げ加工時にめっき皮膜に割れが生じ易くなるからである。
【0025】
そのため、NiまたはNi合金層12を形成する際のNiまたはNi合金めっき厚が1.0μm以下であり且つめっき時のNiまたはNi合金めっき層のビッカース硬さがHV400以下であることが必要であり、NiまたはNi合金めっき層の厚さが0.2〜0.6μmであり且つビッカース硬さがHV300以下であるのが好ましい。
【0026】
NiまたはNi合金層12を構成する際に使用するNiまたはNi合金めっきとして、Ni−Cu、Ni−Sn、Ni−PまたはNi−Bなどのいずれの種類のNi合金めっきを使用してもよい。但し、 NiまたはNi合金層12の厚さXが0.05〜1.0μmであり且つビッカース硬さVがHV400以下であることが必要である。
【0027】
また、上記の拡散抑制効果を奏するためには、NiまたはNi合金めっきとして、ピンホールなどの欠陥が少ないものが好ましく、Niめっきを施す母材として、表面粗さが小さいものが好ましい。また、NiまたはNi合金層12は、母材またはNiめっき層の表面側を被覆するSnとCuを主体とする拡散層14からのCuの拡散により、例えば、Ni−Cuのような合金に変化しても構わない。
【0028】
SnとCuを主体とする拡散層14は、製造方法や熱処理条件により、SnとCuを主体とする拡散層やCu−Ni−Sn系拡散層などの種々の拡散層として形成することができるが、耐熱試験後のはんだ付け性の劣化やウィスカの発生を防ぐためには、SnまたはSn合金層16と接する拡散層中のCu含有量が50重量%以下であり且つNi含有量が20重量%以下であることが必要であり、拡散層中のNi含有量は、5.0重量%以下であることが好ましく、1.0重量%以下であることがさらに好ましい。
【0029】
上記のようなSnとCuを主体とする拡散層14は、化合物中のSn含有量が50重量%以上であり且つNi含有量が20重量%以下である厚さ0.2μm以上の層を含む必要がある。厚さが0.2μm未満の場合、耐熱試験後のはんだ付け性の低下やウィスカの発生を抑制するのに十分ではない。
【0030】
また、めっき層に対して垂直方向に投影したSnとCuを主体とする拡散層14の平均結晶粒径が0.5μm未満の場合も、はんだ付け性の低下およびウィスカの発生を抑制するのに十分ではない。これは、平均結晶粒径が0.5μm未満の場合は、結晶粒界を介する拡散が進行し、下地めっきの構成元素によるSnまたはSn合金層の表面および内部の酸化が進むことや、Sn−Cu層が微細であることにより、耐熱試験時にSnとCuを主体とする拡散層14の成長が促進されるためであると考えられる。
【0031】
また、SnとCuを主体とする拡散層14が2.0μmより厚いと、めっき材料のプレス加工性、特に曲げ加工性が低下する。SnとCuを主体とする拡散層14の平均結晶粒径が3.0μmより大きい場合も、はんだ付け性が低下するだけでなく、曲げ加工性も低下する。
【0032】
これに加え、SnとCuを主体とする拡散層14の厚さYは、NiまたはNi合金層12の厚さXとの間で相互作用があり、めっき材料の曲げ加工性に影響を及ぼす。そのため、めっき材料の曲げ加工性の低下を小さく抑えるためには、NiまたはNi合金層12の厚さXとSnとCuを主体とする拡散層14の厚さYとの間に2X+Y≦3.0(μm)の関係が成立するの好ましい。
【0033】
上記の理由から、SnとCuを主体とする拡散層14の厚さは、0.2〜2.0μmであることが必要であり、0.4〜1.1μmであるのが好ましい。また、めっき面に対して垂直方向から見たSnとCuを主体とする拡散層14の平均結晶粒径は、0.5〜3.0μmであることが好ましく、0.5〜2.0μmであるのが好ましい(以下、これらの要件を満たすSnとCuを主体とする拡散層14をSn−Cu拡散層14ともいう)。
【0034】
ここで、上記のSnとCuを主体とする拡散層14は、1層である必要はなく、例えば、図2に示すように、NiまたはNi合金層12の表面側にNiを20重量%以上含むCu−Ni−Sn系拡散層またはCuを50重量%以上含むSnとCuを主体とする拡散層18が形成され、さらにその表面側にSn−Cu拡散層14が形成されるような複合組織でもよい。但し、SnまたはSn合金層16と接する拡散層がSn−Cu拡散層14であることが必要である。また、複合組織になる場合、拡散層全体に占めるSn−Cu拡散層14の割合は、膜厚比で50%以上であるのが好ましく、70%以上であるのがさらに好ましい。
【0035】
また、図3に示すように、NiまたはNi合金層12とリフローなどの熱処理による拡散層14との間に、リフローなどの熱処理によりCu層20が残存してもよい。NiまたはNi合金層12とSn−Cu拡散層14の間のCu層20は、NiまたはNi合金層12から表面側へのNiまたはNi合金めっきの成分元素の拡散を抑制する効果や、NiまたはNi合金層12とSn−Cu拡散層14の密着性を向上させる効果を有する。しかし、余剰なCu層20は、SnまたはSn合金層16へのCuの拡散やSn−Cu拡散層14の成長をもたらし、はんだ付け性の低下、ウィスカの発生および接触抵抗の増加をもたらす。そのため、NiまたはNi合金層12とSn−Cu拡散層14の間に残存するCu層20の厚さは、0.3μm以下にする必要がある。また、残存Cu層20の厚さWの許容値は、SnまたはSn合金層16の厚さZにより変化し、W≦1.2Zであることが望ましい。これは、SnまたはSn合金層16が残存Cu層20の厚さに対して薄い場合、残存Cu層20とSnまたはSn合金層16の熱拡散によりSnまたはSn合金層16の厚さが減少した際に、残存するSnまたはSn合金層16の厚さが薄くなり、はんだ濡れ性が低下するためである。そのため、Cu層20が無いか薄い方が好ましい。
【0036】
最表面にはSnまたはSn合金層16が必要であるが、SnまたはSn合金層16の厚さが0.05μmより薄いと、耐熱試験後や恒温恒湿試験後のはんだ付け性の低下、耐熱試験後の接触抵抗の増加および変色をもたらし、SOガスや希硫酸などに対する耐食性も低下する。一方、SnまたはSn合金層16の厚さが2.0μmより厚くなると、経済的に不利になる。これらの理由から、SnまたはSn合金層16の厚さを0.05〜2.0μmにするのが好ましく、0.25〜1.5μmにするのがさらに好ましい。
【0037】
また、SnまたはSn合金層16は、リフロー処理などによる熱拡散によって、1.0重量%以下のCuを含んでもよい。リフロー時に溶融したSnまたはSn合金層16中に入る微量のCuは、SnまたはSn合金層16の融点を下げ、はんだ付け性の向上に寄与する。しかし、Cuが多量に存在すると、はんだ付け性の低下やウィスカの発生の原因になるため、SnまたはSn合金層16中のCu濃度は、1.0重量%以下であるのが好ましく、0.4重量%以下であるのがさらに好ましい。また、同時にリフロー処理などによりSnまたはSn合金層16中に含まれるNi濃度は、1.0重量%以下であるのが好ましい。SnまたはSn合金層16に0.8重量%より多くのNiが含まれると、耐熱試験後や恒温恒湿試験後のはんだ付け性が低下し、耐熱性が低下するからである。これは、Niの内部酸化や表面酸化によるものと考えられる。上記の理由から、SnまたはSn合金層16中のNi濃度は、1.0重量%以下であるのが好ましく、0.3重量%以下であるのがさらに好ましい。
【0038】
電気めっきによりSnまたはSn合金層16で被覆した場合、SnまたはSn合金層16が電着組織のままのであると、恒温恒湿試験後のはんだ付け性の劣化、特に恒温恒湿試験後のはんだ付け性の劣化が早まり、ウィスカの発生の可能性も高くなる。そのため、SnまたはSn合金層16は、リフローされた溶融組織であることが好ましい。また、リフロー後のSnまたはSn合金層16の結晶粒径は、0.5〜15μmであるのが好ましく、1〜10μmであるのがさらに好ましい。
【0039】
上記のような構成の表面処理材料を作製することにより、熱環境下や高温・高湿環境下でも、はんだ付け性の経時劣化が小さく、ウィスカ発生の可能性が小さく、耐熱性に優れ、さらに、良好な成形加工性を有する優れたSnまたはSn合金めっき材を得ることができる。
【0040】
次に、本発明によるめっきを施した銅または銅合金の製造方法の実施の形態について説明する。
【0041】
まず、素材である銅または銅合金10を用意する。銅または銅合金10としては、めっき材料が求められる特性に応じて、どのような銅または銅合金を使用しても良いが、めっき後の材料のリサイクル性を考慮すると、NiまたはSnを含む銅合金を使用するのが好ましい。また、NiまたはNi合金層12およびSn−Cu拡散層14による拡散防止効果をより効果的にするためには、素材10の表面粗さが小さいことが好ましい。具体的には、10点平均粗さが1.5μm以下で且つ中心線平均粗さが0.15μm以下であるのが好ましい。
【0042】
次に、素材10に対して、脱脂や酸洗などの前処理を十分に行った後、それぞれ所定のめっき厚のNiまたはNi合金めっき、CuめっきおよびSnまたはSn合金めっきをこの順で行う。NiめっきとCuめっきの間およびCuめっきとSnまたはSn合金めっきの間には、それぞれ酸洗および水洗処理を行うのが望ましい。また、必要に応じて、Niめっきの前にCuめっきを行ってもよい。
【0043】
めっき時のNiまたはNi合金めっき厚は、0.05〜1.0μmであればよく、0.2〜0.6μmであるのがさらに好ましい。
【0044】
また、めっき時のCuめっき厚は、0.03〜1.0μmである必要があり、0.05〜0.8μmであるのが好ましい。これは、Cuめっき厚が0.03μmより薄いと、所望の組成、厚さおよび結晶粒径のSnとCuを主体とする拡散層14を得ることが難しくなり、1.0μmより厚いと、拡散熱処理後に形成されるSn−Cu拡散層14が厚くなり過ぎて、めっき材の成形加工性が悪くなるからである。仮に拡散処理後の温度や時間を制御してSnとCuを主体とする拡散層14の厚さを所定の厚さ以下に制御した場合でも、拡散熱処理後に残存するCu層が厚くなり、このCuや合金元素が、長期加熱によりSnまたはSn合金層16に拡散し、耐熱試験後の接触抵抗の増加やはんだ付け性の劣化をもたらし、ウィスカが発生する可能性が高くなる。
【0045】
最適なCuめっき厚は、最表面のSnまたはSn合金めっき厚と密接に関連している。Cuめっき上にSnまたはSn合金めっきを行うと、めっき後の自然環境下やめっき後の熱処理による拡散反応により、Cu層とSnまたはSn合金層の界面に拡散層を形成する。この拡散層の形成により、Cu層とSnまたはSn合金層のそれぞれの厚さが薄くなる。このため、SnまたはSn合金めっき厚に対してCuめっき厚が厚すぎる状態になると、拡散反応による拡散層の形成により、SnまたはSn合金層が薄くなり、はんだ付け性や耐熱試験後の接触抵抗の低下をもたらす。このため、最表面のSnまたはSn合金めっき厚が薄くなると、最適なCuめっき厚も薄くなる。具体的には、Cuめっき厚は、0.8μm以下であり且つCuめっき厚KとSnまたはSn合金めっき厚Lとの間にL≧0.9Kが成り立つことが好ましい。さらに好ましいCuめっき厚は、0.2〜0.5μm以下であり且つL≧0.9Kを満たす厚さである。
【0046】
また、リフローなどの熱処理によってNiめっきからSnまたはSn合金層に拡散したNiは、はんだ付け性の低下や耐熱性試験後の接触抵抗の増加をもたらすが、Ni下地めっき上に施されるCuめっきは、リフローなどの熱処理時のNi下地めっきの構成元素のSnまたはSn合金層への拡散防止効果を奏する。
【0047】
Cuめっきの表面側に施すSnまたはSn合金めっき厚は、0.15μm未満では、拡散熱処理後に残存するSnまたはSn合金層16の厚さが十分ではなく、耐熱試験後のはんだ付け性の低下や接触抵抗の増加をもたらす。一方、SnまたはSn合金めっき厚を3μm以上とすると、経済性や生産性に劣り、リフローなどの熱処理性が悪くなる。これらの理由から、SnまたはSn合金めっき厚は、0.4〜1.8μmであるのが好ましい。
【0048】
次に、拡散熱処理により、中間めっきであるCu層と最表面のSnを拡散させ、Sn−Cu層14を得る。この拡散熱処理の条件とCuめっき厚を適切に制御することにより、中間層であるSnとCuを主体とする拡散層14の種類、厚さおよび結晶粒径を制御することができる。また、この熱拡散処理を施すことにより、最表面のSnまたはSn合金めっきを溶融させて最表面のSnまたはSn合金層16を溶融させ、その組織を電着組織から溶融組織に変えることにより、耐ウィスカ性および恒温恒湿試験後のはんだ付け性を向上させることができる。
【0049】
また、熱拡散処理の方法として、バーナー、熱風循環、赤外線などによるリフロー処理や、熱処理炉中に材料を保持するなど、いずれの方式を使用してもよい。但し、熱拡散処理により、CuめっきとSnまたはSn合金めっきの間に形成される拡散層14の成分、厚さおよび結晶粒径と、SnまたはSn合金層16の厚さおよび成分が変化する。本発明では、SnまたはSn合金層16に接する拡散層14の成分、厚さおよび結晶粒径を制御することが重要であり、このため、加熱時の温度、時間および冷却条件などを十分に制御する必要がある。
【0050】
具体的には、リフロー処理の温度は、400〜900℃であり、リフロー処理から冷却までの時間としては、SnまたはSn合金めっきの表面が溶融状態になってから凝固するまでの時間が0.05〜60秒であるのが好ましい。さらに好ましい冷却時間は、SnまたはSn合金めっきの表面の溶融から凝固までの時間が0.5〜12秒である。凝固させる方法として、空冷、水冷、湯冷またはスプレーによる冷却水の吹き付けなど、いずれの方法を使用してもよい。また、SnまたはSn合金層表面の酸化膜の厚さを薄く保つため、拡散処理は、酸素分圧の低い雰囲気で行うのが好ましい。
【0051】
Niめっき、CuめっきおよびSnめっき、またはこれらの合金めっきなどのめっき処理およびその後のリフロー処理は、連続で行われる方が、各めっきの密着性、表面性状、SnまたはSn合金めっき表面の酸化皮膜の厚さや、コストなどの面で優れているが、Sn−Cu層14の形成のために、拡散熱処理をめっき工程と別に行う方法や、リフロー処理後に追加の熱処理を施す方法など、他の方法を使用してもよい。また、加熱熱処理後のSnまたはSn合金めっきの表面の酸化皮膜が厚くなると、接触抵抗の増加やはんだ付け性の低下をもたらすため、この酸化皮膜の厚さをできるだけ薄くすることが必要である。SnまたはSn合金めっきの表面の酸化皮膜の厚さは、60nm以下であることが必要であり、20nm以下であるのが好ましい。さらに、表面の酸化皮膜の種類としては、Niを含む酸化皮膜は、はんだ付け性の低下や耐熱性試験後の接触抵抗の不安定さをもたらすため、表面酸化皮膜中のNi量を極力少なくした方がよい。
【0052】
以上、本発明によるめっきを施した銅または銅合金の製造方法の実施の形態について説明したが、使用する設備などやめっきの種類を考慮して、他の方法を使用することもできる。例えば、Niめっき工程およびCuめっき工程を電気めっきで行った後、SnまたはSn合金めっき工程を溶融浸漬で行う方法など、他の方法を使用することも可能である。
【0053】
また、本発明により表面処理を行う母材となる銅または銅合金については、条だけではなく、線材や、板材でもよい。重要なことは、各構成層が限定された範囲の中に制御されていることである。
【0054】
さらに、本発明によるSnまたはSn合金めっき材は、通常のSnまたはSn合金めっき材よりも、耐熱試験後の接触抵抗などの信頼性に優れているため、通常のSnまたはSn合金めっき材よりも、SnまたはSn合金層16の厚さを薄くしても、めっき皮膜の信頼性を保つことができる。SnまたはSn合金層16を薄くすることにより、材料表面の摩擦係数を小さく抑えることができ、例えば、本発明のめっき材料を車載用の端子などに使用する場合には、本発明によるSnまたはSn合金めっき材によりSnまたはSn合金層16の厚さを薄くしたものを、雄端子および雌端子のいずれか一方または両方に使用することにより、上記の特性に加えて、端子の挿入力を低減させることができる。
【0055】
また、Sn合金めっきを使用する場合には、はんだ付け性、耐ウィスカ性、耐熱性、およびめっき材料としての材料のばね特性の変化が小さいことなどの特徴を有しながら、はんだ付け性をさらに向上させ、SnまたはSn合金層16を硬質にすることにより、めっき材料の摩擦係数を低減し、めっき材料を車載用の端子などに使用する場合の挿入力低減させることができる。このようなSn合金めっきとしては、Sn−Ag、Sn−Cu、Sn−Bi、Sn−InおよびSn−Znなどが考えられる。但し、Sn−Cu合金めっきを使用する場合、組成や浴条件によってはSnまたはSn合金めっきよりウィスカの発生頻度が高くなるため、注意が必要である。また、Sn−Zn合金めっきを使用した場合、Znの酸化により、耐熱試験後の接触信頼性が低下するおそれがあるので注意が必要である。
【0056】
【実施例】
以下、本発明によるめっきを施した銅または銅合金およびその製造方法の実施例について詳細に説明する。
【0057】
[実施例1〜9および比較例1〜3]
まず、本発明によるめっきを施した銅または銅合金の実施例1〜5の母材として、板厚0.25mmのCu−1.0wt%Ni−0.9wt%Sn−0.05wt%P合金の圧延条材(10点平均粗さ:0.8μm、中心線平均粗さ:0.08μm)を用意し、それぞれの母材について脱脂、水洗、酸洗および水洗を行った後、Niめっき、CuめっきおよびSnめっきを行い、中和処理および湯洗を行った後、エアブローにより乾燥を行い、その後、リフロー処理を行った。また、各めっきの間には、酸洗および水洗処理を行った。これらのNiめっき、CuめっきおよびSnめっきを行うめっき浴として、それぞれスルファミン酸浴、硫酸銅浴および硫酸塩浴を使用し、2〜25A/dmの範囲内の電流密度でめっきを行った。
【0058】
このようにして得られた各層のめっき厚を以下のように求めた。Niめっき厚は、蛍光X線膜厚計により測定した。Cuめっき厚は、Niめっき上にCuめっきを行った状態で試験片の一部を切り出し、電解式膜厚計によって測定した。Snめっき厚ついては、Snめっきを行ってリフローを行った後の試験片について、蛍光X線膜厚計により測定したSnめっき厚をSnめっき厚とした。その結果、実施例1〜5について、Niめっき厚が0.15〜0.81μm、Cuめっき厚が0.15〜0.50μm、Snめっき厚が0.80〜1.70μmであった。
【0059】
これらのめっきを行った後、リフロー処理を行うことにより、SnとCuを主体とする拡散層の形成処理を行い、Sn層を溶融層とした。実施例1〜5において、リフロー条件は、温度が450〜700℃で、表面のSnめっきの溶融から冷却までの時間が0.8〜9秒の範囲内であった。リフロー後、水温50℃の水中に試験片を入れ、冷却を行った。このリフローの温度と時間、および下地Cuめっき厚を変えることにより、SnとCuを主体とする拡散層の結晶粒径を変化させた。
【0060】
また、母材、前処理、めっき浴の組成、めっき条件などを実施例1〜5と同様とし、各層の有無、めっき厚およびリフロー条件を変えることにより、構成層を変化させて、実施例6〜9および比較例1〜3の試験材を作製した。ここで、実施例6〜9のめっき時のめっき厚は、それぞれNi、Cu、Snの順に、実施例6が0.34μm、0.04μm、0.49m、実施例7が0.21μm、0.95μm、0.81μm、実施例8が0.32μm、0.33μm、0.47μm、実施例9が0.98μm、0.27μm、0.51μmであった。また、比較例2の試験材の場合のみ、Snめっき浴として光沢材を添加した浴を使用してSnめっきを行い、リフロー処理を行わなかった。このため、比較例2では、Sn層が電着組織のままである。また、比較例1および2の試験材では、下地めっきを0.5μmのCuめっきのみとし、Ni下地めっきを施さなかった。さらに、比較例3の試験材では、中間めっきであるCuめっきを行わなかった。
【0061】
このようにして作製した実施例1〜5の試験材では、いずれもめっき表面の10点表面粗さが0.18〜0.58μm、中心線平均粗さが0.02〜0.10μmであった。また、リフロー後の最表面の酸化膜厚さをAES(オージェ電子分光装置)を用いて測定したところ、いずれもSiO換算値で4〜12μmであった。
【0062】
また、リフロー処理により拡散層を形成した後の膜厚を以下のように測定した。Ni層の厚さは、Niめっき厚と同じ厚さとして、蛍光X線膜厚計による測定値を用いた。Sn層およびCu層の厚さは、電解式膜厚計により測定した。拡散層の膜厚の測定は、電解式膜厚計とTEM(透過式電子顕微鏡)を併用して行った。TEMによる断面観察の結果から、Sn−Cu拡散層は平坦ではなく、凸状になっていたが、平均の厚さをSn−Cu拡散層の厚さとした。また、Ni−Sn拡散層の厚さについては、電解法による測定が不可能であったため、TEMによる断面観察の結果から膜厚を求めた。
【0063】
Sn層およびSnとCuを主体とする拡散層の組成の測定は、めっき断面の分析により行い、TEMに付属したEDX(エネルギー分散型X線マイクロアナライザ)により拡散層の厚さ方向の中央近傍について行った。EDXによる測定結果の補正には、ZAF補正法を使用した。また、拡散層の結晶粒径の測定については、電解式膜厚計を使用し、Sn層を剥離した後の材料表面についてSEM(走査型電子顕微鏡)により3000倍で表面観察し、JIS H0501の伸銅品結晶粒度試験方法を利用して、求積法により500μm中の結晶粒の数を測定し、これから平均結晶粒径を求めた。
【0064】
実施例1〜9および比較例1〜3の試験材についての各層の厚さおよびSnとCuを主体とする拡散層の結晶粒径を表1に示す。
【0065】
【表1】

Figure 0003880877
【0066】
なお、表1のCu層の厚さについて、Sn−Cu拡散層の剥離後にCu層が観察されなかったものや、Cu層の厚さが0.04μm未満で測定不可能であったものをNDと表示している。また、めっきを行っていないものを−で示している。
【0067】
得られた実施例1〜9および比較例3の試験材について、それぞれ同一条件で通電時間のみ変えて25μmのNiめっきを施した後に、試験荷重10gfでビッカース硬さを測定したところ、表1に示すように、ビッカース硬さは189〜203であった。
【0068】
また、得られた実施例1〜9の試験材について、TEMによる拡散層の組成分析を行った結果、実施例1〜5の試験材のいずれも、拡散層は1層しか確認できず、Ni含有量が0〜0.8重量%であり且つCu含有量が50重量%以下のSnとCuを主体とする拡散層であった。また、Sn層中のCu濃度およびNi濃度は、それぞれ0.3重量%以下および0.1重量%以下であった。また、実施例6〜9の拡散層についても、Ni含有量が20重量%以下であり且つCu含有量が50重量%以下のSnとCuを主体とする拡散層であった。
【0069】
しかし、実施例6および9の試験材は、拡散層の結晶粒径が実施例1〜5よりも小さいものであり、実施例7の試験材は中間のCuめっき層が実施例1〜5よりも厚いためにCu層が厚いものであり、実施例8の試験材は表面側のSn層が実施例1〜5よりも薄いものであった。また、比較例1の試験材は通常のリフローSnめっき材であり、比較例2の試験材は光沢Snめっき材であった。さらに、比較例3の試験材は、Ni下地の上にSnめっきを行ってリフロー処理を行ったものであり、Ni層とSn層の中間に、Ni含有量が20重量%を超えるNi−Sn系拡散層が観察された。
【0070】
以上のようにして得られた実施例1〜9および比較例1〜3の試験材について、はんだ付け性、耐ウィスカ性、耐熱試験後の接触抵抗、変色および剥離の有無について評価した。
【0071】
はんだ付け性は、JIS C0050とJIS C0053(平衡法)に準拠して、はんだ付け試験▲1▼(評価材を大気中で155℃、16時間保持する加熱エージング試験)およびはんだ付け試験▲2▼(沸騰水蒸気上8時間保持する水蒸気エージング試験)の2水準の試験方法で試験を行った後、評価を行った。この評価は、Sn−40Pbはんだおよび比活性フラックスを使用して行った。また、試験条件は、浸漬速度25mm/min、浸漬深さ4mm、浸漬時間5秒であった。試験結果については、はんだの濡れ時間によりはんだ付け性を評価し、はんだ付け試験▲1▼および▲2▼についていずれも濡れ時間が3秒以内であれば、はんだ付け性が良好とした。
【0072】
耐ウィスカ性は、シャーにより10mm×50mmに切り出した試験片について、ウィスカ試験▲1▼(50℃×95%RHの恒温恒湿槽中に3000時間放置)およびウィスカ試験▲2▼(125℃で7分保持した後、−35℃で7分保持することを1サイクルとして500サイクル繰り返す)の2種類の試験を行った後のサンプルのそれぞれについて、試験片の表面をSEM(走査型電子顕微鏡)により注意深く観察し、いずれか一方でもウィスカの発生が認められたものを×、ウィスカが発生しなかったものを○として評価した。
【0073】
耐熱性は、大気中で160℃×1000時間の加熱試験後のめっき皮膜の変色、剥離の有無および接触抵抗によって評価した。めっき皮膜の変色は、160℃×1000時間の加熱試験前後の試験材について目視により変色を確認し、ほとんど変色が観察されないものを○、変色が著しいものを×として評価した。剥離の有無は、160℃×1000時間の加熱試験後の試験材から10mm×40mmの評価材を採取し、90°曲げ試験(CES−M−0002−6、R=0.2mm、圧延方向および圧延方向に垂直方向)を行った後に、テープによるピーリングテストを行い、ピーリングテストで剥離しなかったものを○、剥離したものを×として評価した。接触抵抗は、160℃×1000時間の加熱試験後、定電流定電圧装置を用いて4端子法により測定した。この測定では、Au接触子の最大荷重を0.5Nとし、このときの抵抗値を測定して、10mΩ以下の場合を良好とした(表2において○で示す)。
【0074】
表2に、表1のそれぞれのめっき材についての評価結果を示す。
【0075】
【表2】
Figure 0003880877
【0076】
表1および表2からわかるように、実施例1〜5の試験材は、はんだ付け性、耐ウィスカ性、耐熱試験後の接触抵抗、剥離性および変色のいずれも良好である。また、実施例6〜9の試験材は、はんだ付け性、耐ウィスカ性、耐熱試験後の接触抵抗、剥離性および変色のいずれかが劣っているものの、他の特性はいずれも良好である。これに対し、比較例1〜3の試験材は、はんだ付け性、耐ウィスカ性、耐熱試験後の接触抵抗、剥離性および変色の2つ以上が劣っている。
【0077】
[実施例10〜13および比較例4〜7]
次に、表3に示す実施例10〜13および比較例4〜7の試験材について、成形加工性を評価した。実施例10〜12および比較例4の試験材は、それぞれ実施例1〜3および比較例3と同一の試験材であり、その他の試験材には、実施例1〜5と同一の母材(板厚0.25mmのCu−1.0Ni−0.9Sn−0.05P合金、10点平均粗さ:0.8μm、中心線平均粗さ0.08μm)に対して、実施例1〜5と同様の方法によりめっきを行った。皮膜の厚さおよびNiめっきの硬さは、実施例1〜5と同様の方法により測定した。各実施例および比較例の試験材のNiめっきのビッカース硬さは、添加剤であるNTS(ナフタリントリスルホン酸ナトリウム)の有無および添加量と電流密度により変化させた。
【0078】
【表3】
Figure 0003880877
【0079】
ここで、比較例4の試験材は、Ni下地めっきにSnめっきを施した後にリフロー処理を行ったものであり、比較例3と同様にNi−Sn拡散層が観察された。また、比較例5の試験材は、Niめっきの硬さが実施例の試験材より硬いものであり、比較例6の試験材は、Ni層の厚さが実施例の試験材より厚いものであり、比較例7の試験材は、Ni層の厚さX(μm)とSn−Cu層の厚さY(μm)として2X+Yが3.0を超えるものであった。
【0080】
成形加工性は、曲げ試験(CES−M−0002−6、R=0.25mm、圧延方向および圧延方向に垂直方向)を行い、実体顕微鏡により24倍で表面観察することにより、めっき皮膜の割れの有無を確認し、割れが観察されたものを○、割れが観察されなかったものを×として評価した。表4に、成形加工性の試験結果を示す。
【0081】
【表4】
Figure 0003880877
【0082】
表4からわかるように、実施例10〜13の試験材は、成形加工性が良好であり、一方、比較例4〜7の試験材は、成形加工性が劣っている。
【0083】
また、表1〜4からわかるように、実施例の試験材は、はんだ付け性、耐ウィスカ性および耐熱性に優れており、且つ成形加工性が良く、めっきによる材料特性の変化が小さい表面処理材料である。
【0084】
[実施例14〜17および比較例8、9]
次に、めっき特性およびめっき材料の成形加工性に与える母材の違いによる影響を調べるため、母材を替えて実施例1〜13と同様の試験を行った。実施例14〜17および比較例8、9の試験材の構成を表5に示す。実施例14、15および比較例8の試験材では、母材として黄銅1種(JIS C2600)を使用し、実施例16、17および比較例9の試験材では、母材としてりん青銅(JIS C5210)を使用した。めっきは、実施例1〜13と同じ方法で行った。
【0085】
【表5】
Figure 0003880877
【0086】
表6に、各試験材のはんだ付け性、耐ウィスカ性、耐熱試験後の接触抵抗、剥離性、変色の有無、成形加工性の評価結果を示す。
【0087】
【表6】
Figure 0003880877
【0088】
表5および表6の結果から、実施例14〜17の試験材は、はんだ付け性、耐ウィスカ性および耐熱性に優れており、成形加工性が良いが、Ni層が厚い比較例8の試験材では、はんだ付け性、耐ウィスカ性および耐熱性が良好であるものの、成形加工性が劣っているのがわかる。また、Ni下地のSnリフローめっきであり、Ni層とSn層の間にNiを大量に含むNi−Sn拡散層を有する比較例9の試験材は、はんだ付け性と耐熱性が劣っている。
【0089】
以上のことから、素材を替えても本発明の効果は変わらないことがわかる。
【0090】
【発明の効果】
上述したように、本発明によるめっきを施した銅または銅合金は、加熱試験後もはんだ付け性の劣化が小さく、長期加熱後の接触抵抗、密着性および耐変色性などの劣化が小さく、さらにウィスカの発生を抑制することができる。また、成形加工性に優れ、めっき材を施すことによる材料の物理・機械特性の変化が小さいことから、はんだ付け性や耐熱性が要求されるプリント基板の接続用コネクタや、耐熱性の要求される自動車用コネクタなどの電気電子部品材料として優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるめっきを施した銅または銅合金の一実施の形態を示す図。
【図2】本発明によるめっきを施した銅または銅合金の他の実施の形態を示す図。
【図3】本発明によるめっきを施した銅または銅合金の他の実施の形態を示す図。
【符号の説明】
10 素材(銅または銅合金)
12 NiまたはNi合金層
14 SnとCuを主体とする拡散層
16 SnまたはSn合金層
18 Cu−Ni− Sn系拡散層またはSnとCuを主体とする拡散層
20 Cu層[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to plated copper or a copper alloy and a method for producing the same, and more particularly to a surface treatment material for copper or a copper alloy for electrical and electronic parts and a method for producing the same.
[0002]
[Prior art]
In electrical and electronic parts such as connectors, inexpensive Sn in which copper or copper alloy is plated with Sn in order to improve contact reliability of the contact portion and improve corrosion resistance, contact reliability and solderability of the part. Plating materials are very widely used.
[0003]
In addition, the manufacture of electronic and electrical parts such as connectors and the assembly of final products such as automobiles and personal computers are often carried out overseas, and there are many opportunities for soldering after storage for a long time in container ships. ing. For this reason, there has been a demand for a plating material that has little solderability deterioration and is excellent in solderability even when held in a high temperature environment or a high temperature / high humidity environment.
[0004]
The requirement for this solderability is that the mounting temperature of Pb-free solder is higher than that of conventional Pb-Sn solder, so the residual heat temperature in reflow soldering tends to be higher. It is also important for dealing with Pb-free. In particular, there is a great demand for heat resistance of solderability that does not deteriorate solderability when held in a high temperature environment.
[0005]
Moreover, there exists a problem of generation | occurrence | production of a whisker as a problem at the time of storing Sn plating material for a long term. That is, if the Sn plating material is left for a long time, a single crystal of Sn grows and whiskers are generated. This whisker shortens an electric circuit, which may cause a serious accident.
[0006]
Furthermore, with the recent development of electronics, there are increasing opportunities for electronic components to be used in high-temperature environments such as in the vicinity of an engine room of an automobile. For example, the electronic components have been placed in a high-temperature environment such as 160 ° C. × 1000 hours for a long time. Even later, there is a great demand for a plating material with high heat resistance and reliability that is small in increase in contact resistance, does not peel off, and does not discolor.
[0007]
The Sn plating material on copper or a copper alloy grows even at room temperature by forming a diffusion layer mainly composed of Cu and Sn by diffusion of Cu from the material or the base plating. This growth of the diffusion layer reduces the thickness of the Sn plating layer that melts during soldering and causes solder wetting, and lowers the solderability. Furthermore, when a diffusion layer having a density different from that of the Sn layer is generated and grown, a volume change occurs inside the plating, and an internal stress is applied to the Sn layer, causing whisker generation.
[0008]
In addition, when the Sn plating material is left in a high-temperature and high-humidity environment for a long time, as the Cu-Sn diffusion layer grows, the internal oxidation and surface of the Sn layer due to the element diffused from the material and the element diffused by reflow Oxidation occurs. This promotes a decrease in solderability, generation of whiskers, an increase in contact resistance, and the like.
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
As a conventional method for solving the above-described problems, there is a method in which a thick gloss Sn plating of 3 μm or more is applied after a Cu undercoat is applied to the Sn plating in order to improve solderability and heat resistance. However, in this method, although a certain degree of effect is seen in improving the solderability, the contact resistance after a heat test such as 160 ° C. × 100 hours increases, and the sensitivity to whiskers remains high. In addition, when performing thick Sn plating by electroplating, there is a problem that not only the Sn material cost and the electricity cost are increased, but also the time required for plating is increased. There is a need for a way to further improve the properties.
[0010]
In addition, as another conventional method for solving the above-described problem, in order to improve solderability, heat resistance, and whisker resistance, Sn plating is performed after Ni undercoating, and reflow treatment is performed. There is also a method for preventing diffusion of alloy elements from the base material and removing residual stress inside the Sn plating. However, this method also has some effects on solderability deterioration, whisker resistance and heat-resistant contact reliability, but it is required to further improve the effects. In particular, sufficient effects could not be obtained with respect to deterioration of solderability and reduction in heat-resistant contact reliability due to surface oxidation and internal oxidation of Ni which is a component of the base plating.
[0011]
In addition to this, the Ni undercoating is usually applied by 1 to 2 μm, but the Ni undercoating and the Ni—Sn diffusion layer formed between the Ni plating and the Sn plating are harder than the base material copper or copper alloy. Therefore, there are problems of reducing the press workability of the material and problems of forming workability in which plating is cracked at the bent portion, and improvement is desired.
[0012]
Furthermore, in addition to the functional aspects of these platings and plating materials, there is a strict requirement for cost reduction of terminals and connectors, and the surface treatment material that does not significantly increase the cost compared to ordinary Sn plating materials while maintaining the above characteristics Is required.
[0013]
In addition, it is also required to be a surface treatment material with a small environmental load that can cope with lead-free solder.
[0014]
Therefore, in view of such conventional problems, the present invention suppresses changes in the spring characteristics of the material due to surface treatment while maintaining solderability, whisker resistance and heat resistance reliability as a plating material, and An object of the present invention is to provide a surface treatment material having good moldability.
[0015]
[Means for Solving the Problems]
As a result of diligent research to solve the above problems, the inventors of the present invention controlled the components and crystal grain size of the diffusion layer in contact with the Sn or Sn alloy layer with respect to the copper or copper alloy material as the base material. Furthermore, by using a Ni or Ni alloy layer with controlled Vickers hardness as the base, and controlling the thickness and thickness relationship of each layer, characteristics such as solderability, whisker resistance and heat resistance reliability can be achieved. Furthermore, the present inventors have found that a surface treatment material excellent in press workability can be provided, and have completed the present invention.
[0016]
That is, the copper or copper alloy plated according to the present invention has a Ni or Ni alloy layer formed on the surface of the copper or copper alloy, an Sn or Sn alloy layer formed on the outermost surface side, and the Ni or Ni alloy. One or more intermediate layers containing Cu and Sn as main components or Cu, Ni and Sn as main components are formed between the layer and Sn or Sn alloy layer, and at least one intermediate layer among these intermediate layers The layer includes a layer having a Cu content of 50% by weight or less and a Ni content of 20% by weight or less.
[0017]
In the plated copper or copper alloy, the thickness of the layer having a Cu content of 50% by weight or less and a Ni content of 20% by weight or less is preferably 0.2 to 2.0 μm. Further, it is preferable that the layer having a Cu content of 50% by weight or less and an Ni content of 20% by weight or less is inside the Sn or Sn alloy layer and is in contact with the Sn or Sn alloy layer. Further, the average crystal of the layer having a Cu content of 50% by weight or less and a Ni content of 20% by weight or less, projected in the vertical direction with respect to each layer formed on the surface of copper or copper alloy The particle size is preferably 0.5 to 3.0 μm. The thickness of the Ni or Ni alloy layer is preferably 0.05 to 1.0 μm, and the thickness of the Sn or Sn alloy layer is preferably 0.05 to 2.0 μm. Moreover, it is preferable that at least the outermost surface side of the Sn or Sn alloy layer has a molten structure. Furthermore, the Vickers hardness V of the Ni or Ni alloy layer is HV400 or less, and the thickness X (μm) of the Ni or Ni alloy layer and the thickness Y of the intermediate layer between the Ni layer and the Sn or Sn alloy layer It is preferable that the relationship of 2X + Y ≦ 3.0 is established between (μm). Further, a layer mainly composed of Cu is formed between the Ni or Ni alloy layer and the intermediate layer mainly composed of Sn and Cu or the intermediate layer mainly composed of Cu, Ni and Sn, and this Cu is mainly composed. Preferably, the thickness W of the layer is 0.3 μm or less, and the relationship of W ≦ 1.2Z is established with the thickness Z of the Sn or Sn alloy layer.
[0018]
Moreover, the manufacturing method of the copper or copper alloy which plated by this invention performs 0.05-1.0 micrometer-thick Ni or Ni alloy plating on the surface of copper or a copper alloy, and then thickness 0. After applying Cu plating of 03 to 1.0 μm and applying Sn or Sn alloy plating with a plating thickness of 0.15 to 3.0 μm on the outermost surface, heat treatment is performed at least once. And
[0019]
In the method for producing the plated copper or copper alloy, the thickness of Ni or Ni alloy plating is 0.05 to 1.0 μm, the thickness K of Cu plating is 0.05 to 0.8 μm, It is preferable that the thickness L of the Sn or Sn alloy plating is 0.15 to 3.0 μm and L ≧ 0.9K. Moreover, it is preferable that the heat treatment is performed at a temperature of 400 to 900 ° C., and the time from the melting of the Sn or Sn alloy layer to the solidification is 0.05 to 60 seconds.
[0020]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of copper or copper alloy plated with the present invention will be described below with reference to the accompanying drawings.
[0021]
As shown in FIG. 1, in the embodiment of the copper or copper alloy plated according to the present invention, a Ni or Ni alloy layer 12 is formed on a material 10 made of copper or copper alloy, and Sn and Ni are formed thereon. A diffusion layer 14 mainly composed of Cu is formed, and an Sn or Sn alloy layer 16 is further formed thereon. Among these layers, the diffusion layer 14 mainly composed of Sn and Cu is controlled by controlling the component, thickness and crystal grain size of the diffusion layer 14 mainly composed of Sn and Cu in contact with the Sn or Sn alloy layer 16. It functions as a diffusion preventing layer for preventing diffusion of Ni element from the Ni or Ni alloy layer 12 to the Sn or Sn alloy layer 16. Further, the Ni or Ni alloy layer 12 functions as a diffusion preventing layer for preventing diffusion of Cu, a component element of the copper alloy, and an element of the underlying plating from the material copper or copper alloy to the surface side, and Sn or Sn alloy. Not only can the surface oxidation and internal oxidation of the layer 16 be prevented, but also the growth of the diffusion preventing layer is suppressed, and the change in the thickness of the Sn or Sn alloy layer 16 in the thermal environment is reduced. By this action, it is possible to suppress the deterioration of solderability after the heat resistance test and the generation of whiskers, and maintain good moldability while improving the heat resistance.
[0022]
Further, in the diffusion preventing layer, the hardness and thickness of the Ni or Ni alloy layer 12, the thickness of the diffusion layer 14 mainly composed of Sn and Cu, and the relationship between the thicknesses are optimally controlled, whereby the surface treatment is performed. It is possible to suppress changes in material properties due to the application of.
[0023]
Specifically, when the thickness of the Ni or Ni alloy layer 12 is less than 0.05 μm, the effect of suppressing the diffusion of the constituent elements of the material 10 is not sufficient, and it is not sufficient for suppressing the growth of Sn—Cu. Absent. On the other hand, if the thickness of the Ni or Ni alloy layer 12 is 0.05 μm or more, it is possible to effectively prevent the constituent elements of the material 10 such as Cu from diffusing to the surface side. Thereby, the growth of the diffusion layer 14 mainly composed of Sn and Cu can be suppressed, and the deterioration of solderability and the generation of whiskers can be suppressed. Further, since the adhesion of the plating film is improved, the reliability of the parts is improved.
[0024]
The Ni or Ni alloy layer 12 preferably has a thickness of 1.0 μm or less, and the Vickers hardness of the Ni or Ni alloy plating during plating is preferably 400 or less. This is because when the Ni or Ni alloy layer 12 becomes thicker and harder, the molding processability of the plating material is deteriorated, and the plating film is easily cracked during bending of the plating material.
[0025]
Therefore, it is necessary that the Ni or Ni alloy plating thickness when forming the Ni or Ni alloy layer 12 is 1.0 μm or less and the Vickers hardness of the Ni or Ni alloy plating layer at the time of plating is HV400 or less. The Ni or Ni alloy plating layer preferably has a thickness of 0.2 to 0.6 μm and a Vickers hardness of HV300 or less.
[0026]
Any type of Ni alloy plating such as Ni—Cu, Ni—Sn, Ni—P, or Ni—B may be used as the Ni or Ni alloy plating used when forming the Ni or Ni alloy layer 12. . However, it is necessary that the thickness X of the Ni or Ni alloy layer 12 is 0.05 to 1.0 μm and the Vickers hardness V is HV400 or less.
[0027]
Further, in order to exhibit the above-described diffusion suppressing effect, Ni or Ni alloy plating with a small number of defects such as pinholes is preferable, and a base material with Ni plating having a small surface roughness is preferable. Further, the Ni or Ni alloy layer 12 is changed to an alloy such as Ni—Cu, for example, by diffusion of Cu from the diffusion layer 14 mainly composed of Sn and Cu covering the surface side of the base material or the Ni plating layer. It doesn't matter.
[0028]
The diffusion layer 14 mainly composed of Sn and Cu can be formed as various diffusion layers such as a diffusion layer mainly composed of Sn and Cu and a Cu—Ni—Sn based diffusion layer depending on the manufacturing method and heat treatment conditions. In order to prevent solderability deterioration and whisker generation after the heat resistance test, the Cu content in the diffusion layer in contact with the Sn or Sn alloy layer 16 is 50 wt% or less and the Ni content is 20 wt% or less. The Ni content in the diffusion layer is preferably 5.0% by weight or less, and more preferably 1.0% by weight or less.
[0029]
The diffusion layer 14 mainly composed of Sn and Cu as described above includes a layer having a thickness of 0.2 μm or more in which the Sn content in the compound is 50% by weight or more and the Ni content is 20% by weight or less. There is a need. When the thickness is less than 0.2 μm, it is not sufficient to suppress a decrease in solderability after the heat resistance test and the generation of whiskers.
[0030]
Further, when the average crystal grain size of the diffusion layer 14 mainly composed of Sn and Cu projected in a direction perpendicular to the plating layer is less than 0.5 μm, it is possible to suppress the decrease in solderability and the generation of whiskers. Not enough. This is because, when the average crystal grain size is less than 0.5 μm, the diffusion through the grain boundary proceeds, and the oxidation of the surface or inside of the Sn or Sn alloy layer by the constituent elements of the base plating proceeds, Sn— It is considered that the fine Cu layer promotes the growth of the diffusion layer 14 mainly composed of Sn and Cu during the heat resistance test.
[0031]
On the other hand, if the diffusion layer 14 mainly composed of Sn and Cu is thicker than 2.0 μm, the press workability, particularly the bending workability of the plating material is deteriorated. Also when the average crystal grain size of the diffusion layer 14 mainly composed of Sn and Cu is larger than 3.0 μm, not only the solderability is lowered but also the bending workability is lowered.
[0032]
In addition, the thickness Y of the diffusion layer 14 mainly composed of Sn and Cu has an interaction with the thickness X of the Ni or Ni alloy layer 12 and affects the bending workability of the plating material. Therefore, in order to suppress a decrease in the bending workability of the plating material, the distance between the thickness X of the Ni or Ni alloy layer 12 and the thickness Y of the diffusion layer 14 mainly composed of Sn and Cu is 2X + Y ≦ 3. It is preferable that the relationship of 0 (μm) is established.
[0033]
For the above reasons, the thickness of the diffusion layer 14 mainly composed of Sn and Cu needs to be 0.2 to 2.0 μm, and preferably 0.4 to 1.1 μm. Further, the average crystal grain size of the diffusion layer 14 mainly composed of Sn and Cu viewed from the direction perpendicular to the plating surface is preferably 0.5 to 3.0 μm, and preferably 0.5 to 2.0 μm. It is preferable (hereinafter, the diffusion layer 14 mainly composed of Sn and Cu satisfying these requirements is also referred to as the Sn—Cu diffusion layer 14).
[0034]
Here, the diffusion layer 14 mainly composed of Sn and Cu does not have to be one layer. For example, as shown in FIG. 2, Ni is 20 wt% or more on the surface side of the Ni or Ni alloy layer 12. A composite structure in which a Cu—Ni—Sn based diffusion layer containing or a diffusion layer 18 mainly composed of Sn and Cu containing 50 wt% or more of Cu is formed, and further a Sn—Cu diffusion layer 14 is formed on the surface side thereof. But you can. However, the diffusion layer in contact with the Sn or Sn alloy layer 16 needs to be the Sn—Cu diffusion layer 14. Moreover, when it becomes a composite structure, it is preferable that the ratio of the Sn-Cu diffused layer 14 to the whole diffused layer is 50% or more by a film thickness ratio, and it is more preferable that it is 70% or more.
[0035]
Further, as shown in FIG. 3, the Cu layer 20 may remain between the Ni or Ni alloy layer 12 and the diffusion layer 14 by heat treatment such as reflow by heat treatment such as reflow. The Cu layer 20 between the Ni or Ni alloy layer 12 and the Sn—Cu diffusion layer 14 has the effect of suppressing the diffusion of Ni or Ni alloy plating component elements from the Ni or Ni alloy layer 12 to the surface side, This has the effect of improving the adhesion between the Ni alloy layer 12 and the Sn—Cu diffusion layer 14. However, the excess Cu layer 20 leads to the diffusion of Cu into the Sn or Sn alloy layer 16 and the growth of the Sn—Cu diffusion layer 14, resulting in a decrease in solderability, generation of whiskers, and an increase in contact resistance. Therefore, the thickness of the Cu layer 20 remaining between the Ni or Ni alloy layer 12 and the Sn—Cu diffusion layer 14 needs to be 0.3 μm or less. Further, the allowable value of the thickness W of the remaining Cu layer 20 varies depending on the thickness Z of the Sn or Sn alloy layer 16, and it is desirable that W ≦ 1.2Z. This is because when the Sn or Sn alloy layer 16 is thinner than the thickness of the remaining Cu layer 20, the thickness of the Sn or Sn alloy layer 16 is reduced due to thermal diffusion between the remaining Cu layer 20 and the Sn or Sn alloy layer 16. This is because the thickness of the remaining Sn or Sn alloy layer 16 is reduced and the solder wettability is lowered. Therefore, it is preferable that the Cu layer 20 is absent or thin.
[0036]
The Sn or Sn alloy layer 16 is necessary on the outermost surface. If the Sn or Sn alloy layer 16 is thinner than 0.05 μm, the solderability decreases after the heat resistance test or the constant temperature and humidity test, Resulting in increased contact resistance and discoloration after testing, SO 2 Corrosion resistance against gas and dilute sulfuric acid also decreases. On the other hand, if the Sn or Sn alloy layer 16 is thicker than 2.0 μm, it is economically disadvantageous. For these reasons, the thickness of the Sn or Sn alloy layer 16 is preferably 0.05 to 2.0 μm, and more preferably 0.25 to 1.5 μm.
[0037]
Further, the Sn or Sn alloy layer 16 may contain 1.0 wt% or less of Cu by thermal diffusion such as reflow treatment. A small amount of Cu entering the Sn or Sn alloy layer 16 melted at the time of reflow lowers the melting point of the Sn or Sn alloy layer 16 and contributes to improvement of solderability. However, if a large amount of Cu is present, it causes a decrease in solderability and the generation of whiskers. Therefore, the Cu concentration in the Sn or Sn alloy layer 16 is preferably 1.0% by weight or less. More preferably, it is 4% by weight or less. At the same time, the Ni concentration contained in the Sn or Sn alloy layer 16 by the reflow process or the like is preferably 1.0% by weight or less. This is because if the Sn or Sn alloy layer 16 contains more than 0.8% by weight of Ni, the solderability after the heat resistance test or after the constant temperature and humidity test decreases, and the heat resistance decreases. This is considered to be due to internal oxidation or surface oxidation of Ni. For the above reasons, the Ni concentration in the Sn or Sn alloy layer 16 is preferably 1.0% by weight or less, and more preferably 0.3% by weight or less.
[0038]
When the Sn or Sn alloy layer 16 is coated with the Sn or Sn alloy layer 16 by electroplating, if the Sn or Sn alloy layer 16 remains in an electrodeposited structure, the solderability deteriorates after the constant temperature and humidity test, particularly the solder after the constant temperature and humidity test. The deterioration of the wearability is accelerated, and the possibility of occurrence of whiskers is also increased. Therefore, it is preferable that the Sn or Sn alloy layer 16 has a reflowed molten structure. The crystal grain size of the Sn or Sn alloy layer 16 after reflowing is preferably 0.5 to 15 μm, and more preferably 1 to 10 μm.
[0039]
By producing the surface treatment material with the above-mentioned configuration, the solderability is less likely to deteriorate over time, even in a thermal environment, high temperature and high humidity environment, whiskers are less likely to occur, and heat resistance is excellent. An excellent Sn or Sn alloy plating material having good moldability can be obtained.
[0040]
Next, an embodiment of a method for producing a plated copper or copper alloy according to the present invention will be described.
[0041]
First, the material copper or copper alloy 10 is prepared. As the copper or copper alloy 10, any copper or copper alloy may be used depending on the characteristics for which the plating material is required. However, in consideration of the recyclability of the material after plating, copper containing Ni or Sn An alloy is preferably used. Further, in order to make the diffusion prevention effect by the Ni or Ni alloy layer 12 and the Sn—Cu diffusion layer 14 more effective, the surface roughness of the material 10 is preferably small. Specifically, the 10-point average roughness is preferably 1.5 μm or less, and the center line average roughness is preferably 0.15 μm or less.
[0042]
Next, the material 10 is sufficiently subjected to pretreatment such as degreasing and pickling, and then Ni or Ni alloy plating, Cu plating and Sn or Sn alloy plating of a predetermined plating thickness are performed in this order. It is desirable to perform pickling and water washing between Ni plating and Cu plating and between Cu plating and Sn or Sn alloy plating, respectively. Moreover, you may perform Cu plating before Ni plating as needed.
[0043]
The Ni or Ni alloy plating thickness at the time of plating may be 0.05 to 1.0 μm, and more preferably 0.2 to 0.6 μm.
[0044]
Moreover, the Cu plating thickness at the time of plating needs to be 0.03-1.0 micrometer, and it is preferable that it is 0.05-0.8 micrometer. This is because if the Cu plating thickness is thinner than 0.03 μm, it becomes difficult to obtain a diffusion layer 14 mainly composed of Sn and Cu having a desired composition, thickness, and crystal grain size. This is because the Sn—Cu diffusion layer 14 formed after the heat treatment becomes too thick, and the moldability of the plated material is deteriorated. Even if the temperature and time after the diffusion treatment are controlled to control the thickness of the diffusion layer 14 mainly composed of Sn and Cu to be equal to or less than a predetermined thickness, the Cu layer remaining after the diffusion heat treatment becomes thicker. And alloy elements diffuse into the Sn or Sn alloy layer 16 due to long-term heating, resulting in an increase in contact resistance and a deterioration in solderability after the heat resistance test, and the possibility of occurrence of whiskers increases.
[0045]
The optimum Cu plating thickness is closely related to the outermost Sn or Sn alloy plating thickness. When Sn or Sn alloy plating is performed on the Cu plating, a diffusion layer is formed at the interface between the Cu layer and the Sn or Sn alloy layer by a diffusion reaction in a natural environment after plating or heat treatment after plating. By forming this diffusion layer, the thickness of each of the Cu layer and the Sn or Sn alloy layer is reduced. For this reason, when the Cu plating thickness is too thick relative to the Sn or Sn alloy plating thickness, the Sn or Sn alloy layer becomes thin due to the formation of the diffusion layer by the diffusion reaction, and the contact resistance after the solderability and heat resistance test Bring about a decline. For this reason, when the Sn or Sn alloy plating thickness on the outermost surface is reduced, the optimum Cu plating thickness is also reduced. Specifically, the Cu plating thickness is preferably 0.8 μm or less, and L ≧ 0.9K is preferably established between the Cu plating thickness K and the Sn or Sn alloy plating thickness L. A more preferable Cu plating thickness is 0.2 to 0.5 μm or less and a thickness satisfying L ≧ 0.9K.
[0046]
Further, Ni diffused from the Ni plating to the Sn or Sn alloy layer by heat treatment such as reflow causes a decrease in solderability and an increase in contact resistance after the heat resistance test, but the Cu plating applied on the Ni base plating. Exhibits an effect of preventing diffusion of constituent elements of the Ni base plating during the heat treatment such as reflow into the Sn or Sn alloy layer.
[0047]
If the Sn or Sn alloy plating thickness applied to the surface side of the Cu plating is less than 0.15 μm, the thickness of the Sn or Sn alloy layer 16 remaining after the diffusion heat treatment is not sufficient, and the solderability after the heat resistance test is reduced. Increases contact resistance. On the other hand, if the Sn or Sn alloy plating thickness is 3 μm or more, it is inferior in economic efficiency and productivity, and heat treatment properties such as reflow deteriorate. For these reasons, the Sn or Sn alloy plating thickness is preferably 0.4 to 1.8 μm.
[0048]
Next, the Cu layer as the intermediate plating and Sn on the outermost surface are diffused by diffusion heat treatment to obtain the Sn—Cu layer 14. By appropriately controlling the conditions of this diffusion heat treatment and the Cu plating thickness, the type, thickness and crystal grain size of the diffusion layer 14 mainly composed of Sn and Cu as the intermediate layer can be controlled. Further, by applying this thermal diffusion treatment, the outermost surface Sn or Sn alloy plating is melted to melt the outermost surface Sn or Sn alloy layer 16, and the structure is changed from an electrodeposited structure to a molten structure. The solderability after the whisker resistance and the constant temperature and humidity test can be improved.
[0049]
In addition, as a method of the thermal diffusion treatment, any method may be used such as a reflow treatment using a burner, hot air circulation, infrared rays, or the like, or holding a material in a heat treatment furnace. However, the component, thickness and crystal grain size of the diffusion layer 14 formed between the Cu plating and the Sn or Sn alloy plating and the thickness and component of the Sn or Sn alloy layer 16 are changed by the thermal diffusion treatment. In the present invention, it is important to control the component, thickness, and crystal grain size of the diffusion layer 14 in contact with the Sn or Sn alloy layer 16, and for this reason, the temperature, time, and cooling conditions during heating are sufficiently controlled. There is a need to.
[0050]
Specifically, the temperature of the reflow treatment is 400 to 900 ° C., and the time from the reflow treatment to the cooling is from the time when the surface of the Sn or Sn alloy plating is in a molten state to solidification is 0.00. It is preferably 05 to 60 seconds. A more preferable cooling time is 0.5 to 12 seconds from the melting of the Sn or Sn alloy plating surface to solidification. As a method for solidifying, any method such as air cooling, water cooling, hot water cooling or spraying of cooling water by spraying may be used. Further, in order to keep the thickness of the oxide film on the surface of the Sn or Sn alloy layer, the diffusion treatment is preferably performed in an atmosphere having a low oxygen partial pressure.
[0051]
The plating treatment such as Ni plating, Cu plating and Sn plating, or alloy plating thereof, and the subsequent reflow treatment are performed continuously. Other methods such as a method of performing a diffusion heat treatment separately from the plating step and a method of performing an additional heat treatment after the reflow treatment for forming the Sn-Cu layer 14 are excellent. May be used. Further, when the thickness of the oxide film on the surface of Sn or Sn alloy plating after the heat treatment is increased, the contact resistance is increased and the solderability is lowered. Therefore, it is necessary to make the thickness of the oxide film as thin as possible. The thickness of the oxide film on the surface of Sn or Sn alloy plating needs to be 60 nm or less, and preferably 20 nm or less. Furthermore, as the type of oxide film on the surface, the oxide film containing Ni causes a decrease in solderability and instability of contact resistance after the heat resistance test, so the amount of Ni in the surface oxide film is minimized. Better.
[0052]
As mentioned above, although embodiment of the manufacturing method of the copper or copper alloy which gave the plating by this invention was described, the other method can also be used in consideration of the installation etc. which are used, and the kind of plating. For example, after performing the Ni plating step and the Cu plating step by electroplating, it is also possible to use other methods such as a method of performing the Sn or Sn alloy plating step by melt dipping.
[0053]
Moreover, about copper or copper alloy used as a base material which performs surface treatment by this invention, not only a strip | line but a wire and a board | plate material may be sufficient. What is important is that each constituent layer is controlled within a limited range.
[0054]
Furthermore, since the Sn or Sn alloy plating material according to the present invention is more reliable than the normal Sn or Sn alloy plating material, such as contact resistance after the heat resistance test, it is superior to the normal Sn or Sn alloy plating material. Even if the thickness of the Sn or Sn alloy layer 16 is reduced, the reliability of the plating film can be maintained. By making the Sn or Sn alloy layer 16 thin, the friction coefficient on the surface of the material can be kept small. For example, when the plating material of the present invention is used for an in-vehicle terminal or the like, the Sn or Sn according to the present invention is used. In addition to the above characteristics, the insertion force of the terminal is reduced by using the alloy plating material with the Sn or Sn alloy layer 16 made thinner in one or both of the male terminal and the female terminal. be able to.
[0055]
In addition, when Sn alloy plating is used, solderability is further improved while having characteristics such as solderability, whisker resistance, heat resistance, and small change in spring characteristics of the material as the plating material. By improving and making the Sn or Sn alloy layer 16 hard, the friction coefficient of the plating material can be reduced, and the insertion force when the plating material is used for a vehicle-mounted terminal or the like can be reduced. Examples of such Sn alloy plating include Sn—Ag, Sn—Cu, Sn—Bi, Sn—In, and Sn—Zn. However, when Sn—Cu alloy plating is used, care must be taken because whisker is generated more frequently than Sn or Sn alloy plating depending on the composition and bath conditions. In addition, when Sn—Zn alloy plating is used, care must be taken because contact reliability after the heat resistance test may be reduced due to oxidation of Zn.
[0056]
【Example】
Examples of copper or copper alloy plated with the present invention and methods for producing the same will be described in detail below.
[0057]
[Examples 1 to 9 and Comparative Examples 1 to 3]
First, as a base material of Examples 1 to 5 of copper or copper alloy plated with the present invention, a Cu-1.0 wt% Ni-0.9 wt% Sn-0.05 wt% P alloy having a plate thickness of 0.25 mm Rolling strips (10-point average roughness: 0.8 μm, centerline average roughness: 0.08 μm), and after performing degreasing, water washing, pickling and water washing for each base material, Ni plating, After Cu plating and Sn plating were performed, neutralization treatment and hot water washing were performed, drying was performed by air blow, and then reflow treatment was performed. Moreover, pickling and water washing processes were performed between each plating. As plating baths for performing these Ni plating, Cu plating and Sn plating, sulfamic acid bath, copper sulfate bath and sulfate bath are used, respectively, and 2 to 25 A / dm. 2 Plating was performed at a current density within the range of.
[0058]
The plating thickness of each layer thus obtained was determined as follows. The Ni plating thickness was measured with a fluorescent X-ray film thickness meter. The Cu plating thickness was measured with an electrolytic film thickness meter by cutting out a part of the test piece in a state where Cu plating was performed on the Ni plating. About Sn plating thickness, Sn plating thickness measured with the fluorescent X-ray film thickness meter was made into Sn plating thickness about the test piece after performing Sn plating and performing reflow. As a result, in Examples 1 to 5, the Ni plating thickness was 0.15 to 0.81 μm, the Cu plating thickness was 0.15 to 0.50 μm, and the Sn plating thickness was 0.80 to 1.70 μm.
[0059]
After performing these platings, a reflow process was performed to form a diffusion layer mainly composed of Sn and Cu, and the Sn layer was used as a molten layer. In Examples 1 to 5, the reflow conditions were a temperature of 450 to 700 ° C., and a time from melting to cooling of the Sn plating on the surface was in the range of 0.8 to 9 seconds. After the reflow, the test piece was placed in water having a water temperature of 50 ° C. and cooled. By changing the reflow temperature and time and the underlying Cu plating thickness, the crystal grain size of the diffusion layer mainly composed of Sn and Cu was changed.
[0060]
Further, the base material, the pretreatment, the composition of the plating bath, the plating conditions, etc. are the same as those in Examples 1 to 5, and the constituent layers are changed by changing the presence / absence of each layer, the plating thickness, and the reflow conditions. Test materials of ˜9 and Comparative Examples 1 to 3 were produced. Here, the plating thicknesses at the time of plating in Examples 6 to 9 were 0.34 μm, 0.04 μm, 0.49 m in Example 6 and 0.21 μm, 0 in Example 7 in the order of Ni, Cu, and Sn, respectively. .95 μm, 0.81 μm, Example 8 was 0.32 μm, 0.33 μm, 0.47 μm, and Example 9 was 0.98 μm, 0.27 μm, 0.51 μm. Moreover, only in the case of the test material of the comparative example 2, Sn plating was performed using the bath which added the bright material as Sn plating bath, and the reflow process was not performed. For this reason, in Comparative Example 2, the Sn layer remains an electrodeposited structure. In the test materials of Comparative Examples 1 and 2, the base plating was only 0.5 μm Cu plating, and the Ni base plating was not applied. Furthermore, in the test material of Comparative Example 3, Cu plating as intermediate plating was not performed.
[0061]
In all of the test materials of Examples 1 to 5 thus manufactured, the 10-point surface roughness of the plating surface was 0.18 to 0.58 μm, and the center line average roughness was 0.02 to 0.10 μm. It was. Moreover, when the oxide film thickness of the outermost surface after reflow was measured using AES (Auger electron spectrometer), all were SiO. 2 The converted value was 4 to 12 μm.
[0062]
Moreover, the film thickness after forming the diffusion layer by reflow treatment was measured as follows. The thickness of the Ni layer was the same as the Ni plating thickness, and the measured value with a fluorescent X-ray film thickness meter was used. The thicknesses of the Sn layer and the Cu layer were measured with an electrolytic film thickness meter. The thickness of the diffusion layer was measured using an electrolytic film thickness meter and a TEM (transmission electron microscope) in combination. From the result of cross-sectional observation by TEM, the Sn—Cu diffusion layer was not flat but convex, but the average thickness was the thickness of the Sn—Cu diffusion layer. Further, since the thickness of the Ni—Sn diffusion layer could not be measured by the electrolytic method, the thickness was obtained from the result of cross-sectional observation by TEM.
[0063]
The composition of the Sn layer and the diffusion layer mainly composed of Sn and Cu is measured by analyzing the plating cross section, and the vicinity of the center in the thickness direction of the diffusion layer is measured by EDX (energy dispersive X-ray microanalyzer) attached to the TEM. went. A ZAF correction method was used to correct the measurement result by EDX. For the measurement of the crystal grain size of the diffusion layer, an electrolytic film thickness meter was used, and the surface of the material after peeling off the Sn layer was observed with a SEM (scanning electron microscope) at a magnification of 3000 times. 500 μm by the quadrature method using the grain size test method for copper products 2 The number of crystal grains in the medium was measured, and the average crystal grain size was determined therefrom.
[0064]
Table 1 shows the thickness of each layer and the crystal grain size of the diffusion layer mainly composed of Sn and Cu for the test materials of Examples 1 to 9 and Comparative Examples 1 to 3.
[0065]
[Table 1]
Figure 0003880877
[0066]
In addition, regarding the thickness of the Cu layer in Table 1, those in which the Cu layer was not observed after the Sn—Cu diffusion layer was peeled off, or those in which the thickness of the Cu layer was less than 0.04 μm and could not be measured Is displayed. Moreover, what has not plated is shown by-.
[0067]
The obtained test materials of Examples 1 to 9 and Comparative Example 3 were subjected to 25 μm Ni plating while changing only the energization time under the same conditions, and then measured for Vickers hardness with a test load of 10 gf. As shown, the Vickers hardness was 189-203.
[0068]
Moreover, about the obtained test material of Examples 1-9, as a result of performing the compositional analysis of the diffusion layer by TEM, all the test materials of Examples 1-5 can confirm only one diffusion layer, Ni It was a diffusion layer mainly composed of Sn and Cu having a content of 0 to 0.8% by weight and a Cu content of 50% by weight or less. Further, the Cu concentration and the Ni concentration in the Sn layer were 0.3 wt% or less and 0.1 wt% or less, respectively. The diffusion layers of Examples 6 to 9 were also diffusion layers mainly composed of Sn and Cu having a Ni content of 20% by weight or less and a Cu content of 50% by weight or less.
[0069]
However, in the test materials of Examples 6 and 9, the crystal grain size of the diffusion layer is smaller than those in Examples 1 to 5, and in the test material of Example 7, the intermediate Cu plating layer is from Examples 1 to 5. Since the Cu layer was thick, the Sn layer on the surface side of the test material of Example 8 was thinner than Examples 1-5. Moreover, the test material of the comparative example 1 was a normal reflow Sn plating material, and the test material of the comparative example 2 was a gloss Sn plating material. Furthermore, the test material of Comparative Example 3 was obtained by performing Sn plating on a Ni base and performing a reflow treatment. Ni-Sn having a Ni content exceeding 20% by weight between the Ni layer and the Sn layer. A system diffusion layer was observed.
[0070]
The test materials of Examples 1 to 9 and Comparative Examples 1 to 3 obtained as described above were evaluated for solderability, whisker resistance, contact resistance after a heat test, discoloration, and presence / absence of peeling.
[0071]
As for solderability, in accordance with JIS C0050 and JIS C0053 (equilibrium method), soldering test (1) (heating aging test in which the evaluation material is kept at 155 ° C. for 16 hours in the atmosphere) and soldering test (2) Evaluation was performed after the test was performed by a two-level test method (water vapor aging test held for 8 hours on boiling water vapor). This evaluation was performed using Sn-40Pb solder and specific activity flux. The test conditions were an immersion speed of 25 mm / min, an immersion depth of 4 mm, and an immersion time of 5 seconds. As for the test results, the solderability was evaluated based on the solder wet time, and if the wet time was within 3 seconds for both soldering tests (1) and (2), the solderability was considered good.
[0072]
The whisker resistance was measured on a test piece cut to 10 mm × 50 mm with a shear using a whisker test (1) (left in a constant temperature and humidity chamber of 50 ° C. × 95% RH for 3000 hours) and a whisker test (2) (at 125 ° C. For each of the samples after performing two types of tests (holding 7 minutes and then holding 7 minutes at -35 ° C. for 1 cycle), the surface of the test piece was SEM (scanning electron microscope) In each of the cases, the case where whisker was observed was evaluated as x, and the case where whisker was not generated was evaluated as ◯.
[0073]
The heat resistance was evaluated by the discoloration of the plating film after the heating test at 160 ° C. for 1000 hours in the air, the presence or absence of peeling, and the contact resistance. The discoloration of the plating film was evaluated by visually confirming the discoloration of the test materials before and after the heating test at 160 ° C. × 1000 hours. For the presence or absence of peeling, an evaluation material of 10 mm × 40 mm was taken from a test material after a heating test at 160 ° C. × 1000 hours, and a 90 ° bending test (CES-M-0002-6, R = 0.2 mm, rolling direction and (Perpendicular to the rolling direction), a peeling test with a tape was performed. The contact resistance was measured by a four-terminal method using a constant current constant voltage device after a heating test of 160 ° C. × 1000 hours. In this measurement, the maximum load of the Au contactor was set to 0.5 N, and the resistance value at this time was measured, and the case of 10 mΩ or less was determined to be good (indicated by ○ in Table 2).
[0074]
In Table 2, the evaluation result about each plating material of Table 1 is shown.
[0075]
[Table 2]
Figure 0003880877
[0076]
As can be seen from Tables 1 and 2, the test materials of Examples 1 to 5 have good solderability, whisker resistance, contact resistance after the heat test, peelability, and discoloration. Moreover, although the test materials of Examples 6 to 9 are inferior in any of solderability, whisker resistance, contact resistance after heat test, peelability, and discoloration, all other characteristics are good. On the other hand, the test materials of Comparative Examples 1 to 3 are inferior in two or more of solderability, whisker resistance, contact resistance after a heat test, peelability, and discoloration.
[0077]
[Examples 10 to 13 and Comparative Examples 4 to 7]
Next, the moldability was evaluated for the test materials of Examples 10 to 13 and Comparative Examples 4 to 7 shown in Table 3. The test materials of Examples 10 to 12 and Comparative Example 4 are the same test materials as those of Examples 1 to 3 and Comparative Example 3, respectively, and other test materials include the same base material (Examples 1 to 5). For a Cu-1.0Ni-0.9Sn-0.05P alloy with a plate thickness of 0.25 mm, 10-point average roughness: 0.8 μm, centerline average roughness 0.08 μm) Plating was performed by the same method. The thickness of the film and the hardness of the Ni plating were measured by the same method as in Examples 1-5. The Vickers hardness of Ni plating of the test materials of each Example and Comparative Example was changed depending on the presence / absence of the additive NTS (sodium naphthalene trisulfonate), the addition amount, and the current density.
[0078]
[Table 3]
Figure 0003880877
[0079]
Here, the test material of Comparative Example 4 was obtained by performing reflow treatment after Sn plating was applied to Ni base plating, and a Ni—Sn diffusion layer was observed as in Comparative Example 3. Further, the test material of Comparative Example 5 has a Ni plating hardness that is harder than the test material of the example, and the test material of Comparative Example 6 has a Ni layer that is thicker than the test material of the example. In the test material of Comparative Example 7, 2X + Y exceeded 3.0 as the thickness X (μm) of the Ni layer and the thickness Y (μm) of the Sn—Cu layer.
[0080]
Formability is determined by conducting a bending test (CES-M-0002-6, R = 0.25 mm, the rolling direction and the direction perpendicular to the rolling direction), and observing the surface with a stereomicroscope at a magnification of 24 times to crack the plating film. Whether or not cracking was observed was evaluated as ◯, and when cracking was not observed was evaluated as ×. Table 4 shows the molding processability test results.
[0081]
[Table 4]
Figure 0003880877
[0082]
As can be seen from Table 4, the test materials of Examples 10 to 13 have good molding processability, while the test materials of Comparative Examples 4 to 7 have poor molding processability.
[0083]
In addition, as can be seen from Tables 1 to 4, the test materials of the examples are excellent in solderability, whisker resistance, and heat resistance, have good forming processability, and have a small change in material properties due to plating. Material.
[0084]
[Examples 14 to 17 and Comparative Examples 8 and 9]
Next, in order to investigate the influence of the difference in the base material on the plating characteristics and the moldability of the plating material, the same test as in Examples 1 to 13 was performed by changing the base material. Table 5 shows the configurations of the test materials of Examples 14 to 17 and Comparative Examples 8 and 9. In the test materials of Examples 14 and 15 and Comparative Example 8, one type of brass (JIS C2600) was used as the base material, and in the test materials of Examples 16, 17 and Comparative Example 9, phosphor bronze (JIS C5210) was used as the base material. )It was used. Plating was performed in the same manner as in Examples 1-13.
[0085]
[Table 5]
Figure 0003880877
[0086]
Table 6 shows the evaluation results of the solderability, whisker resistance, contact resistance after heat resistance test, peelability, presence of discoloration, and molding processability of each test material.
[0087]
[Table 6]
Figure 0003880877
[0088]
From the results of Table 5 and Table 6, the test materials of Examples 14 to 17 are excellent in solderability, whisker resistance and heat resistance, have good molding processability, but have a thick Ni layer. Although the material has good solderability, whisker resistance and heat resistance, it can be seen that the moldability is poor. Further, the test material of Comparative Example 9 which is Ni-based Sn reflow plating and has a Ni—Sn diffusion layer containing a large amount of Ni between the Ni layer and the Sn layer has poor solderability and heat resistance.
[0089]
From the above, it can be seen that the effect of the present invention does not change even if the material is changed.
[0090]
【The invention's effect】
As described above, the copper or copper alloy plated according to the present invention has little deterioration in solderability even after a heating test, little deterioration in contact resistance, adhesion and discoloration resistance after long-term heating, The generation of whiskers can be suppressed. In addition, because it has excellent moldability and changes in the physical and mechanical properties of the material due to the application of plating materials, connectors for printed circuit boards that require solderability and heat resistance, and heat resistance are required. It is excellent as a material for electrical and electronic parts such as automobile connectors.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a view showing an embodiment of copper or copper alloy plated by the present invention.
FIG. 2 is a view showing another embodiment of copper or copper alloy plated by the present invention.
FIG. 3 is a view showing another embodiment of copper or copper alloy plated by the present invention.
[Explanation of symbols]
10 Material (copper or copper alloy)
12 Ni or Ni alloy layer
14 Diffusion layer mainly composed of Sn and Cu
16 Sn or Sn alloy layer
18 Cu—Ni—Sn-based diffusion layer or diffusion layer mainly composed of Sn and Cu
20 Cu layer

Claims (8)

銅または銅合金の表面上に、NiまたはNi合金層が形成され、最表面側に厚さ0.25〜1.5μmのSnまたはSn合金層が形成され、前記NiまたはNi合金層と前記SnまたはSn合金層の間にCuとSnを含む中間層が1層以上形成され、これらの中間層のうち前記SnまたはSn合金層と接している中間層Cu含有量が50重量%以下Ni含有量が20重量%以下であり且つ平均結晶粒径が0.5〜3.0μmであることを特徴とする、めっきを施した銅または銅合金。A Ni or Ni alloy layer is formed on the surface of copper or a copper alloy, and an Sn or Sn alloy layer having a thickness of 0.25 to 1.5 μm is formed on the outermost surface side. The Ni or Ni alloy layer and the Sn Alternatively, one or more intermediate layers containing Cu and Sn are formed between the Sn alloy layers, and the Cu content of the intermediate layer in contact with the Sn or Sn alloy layer among these intermediate layers is 50% by weight or less , Ni and an average grain size content is 20 wt% or less and wherein the 0.5~3.0μm der Turkey, plating alms copper or a copper alloy. 前記SnまたはSn合金層と接している中間層の厚さが0.2〜2.0μmであることを特徴とする、請求項1に記載のめっきを施した銅または銅合金。2. The plated copper or copper alloy according to claim 1, wherein a thickness of the intermediate layer in contact with the Sn or Sn alloy layer is 0.2 to 2.0 μm. 前記NiまたはNi合金層の厚さが0.05〜1.0μmであることを特徴とする、請求項1または2に記載のめっきを施した銅または銅合金。The Ni or thickness of the Ni alloy layer, characterized in that a 0.05 to 1.0 [mu] m, plated according to claim 1 or 2, copper or a copper alloy. 前記SnまたはSn合金層の少なくとも最表面側が溶融組織であることを特徴とする、請求項1乃至のいずれかに記載のめっきを施した銅または銅合金。The plated copper or copper alloy according to any one of claims 1 to 3 , wherein at least the outermost surface side of the Sn or Sn alloy layer has a molten structure. 前記NiまたはNi合金層のビッカース硬さVがHV400以下であり、且つ前記NiまたはNi合金層の厚さX(μm)と前記Ni層と前記SnまたはSn合金層との間の中間層の厚さY(μm)の間に2X+Y≦3.0の関係が成立することを特徴とする、請求項1乃至のいずれかに記載のめっきを施した銅または銅合金。The Vickers hardness V of the Ni or Ni alloy layer is HV400 or less, and the thickness of the Ni or Ni alloy layer X (μm) and the thickness of the intermediate layer between the Ni layer and the Sn or Sn alloy layer is Y ([mu] m), characterized in that the relationship of 2X + Y ≦ 3.0 is established between, plated according to any one of claims 1 to 4 of copper or a copper alloy. 前記NiまたはNi合金層と前記中間層の間にCu層が形成され、このCu層の厚さWが0.3μm以下であり、前記SnまたはSn合金層の厚さZとの間でW≦1.2Zの関係が成立することを特徴とする、請求項1乃至のいずれかに記載のめっきを施した銅または銅合金。 Cu layer is formed between the Ni or Ni alloy layer and prior SL during layer, the thickness W of the Cu layer has a 0.3μm or less, with the thickness Z of the Sn or Sn alloy layer wherein the relationship of W ≦ 1.2Z is established, it plated according to any one of claims 1 to 5 copper or a copper alloy. 銅または銅合金の表面上に、厚さ0.05〜1.0μmのNiまたはNi合金めっきを施し、次いで厚さ0.03〜1.0μmのCuめっきを施し、最表面に厚さ0.15〜3.0μmであるめっき厚のSnまたはSn合金めっきを施した後、少なくとも1回以上の加熱処理を行って冷却することによって、前記NiまたはNi合金めっきと前記SnまたはSn合金めっきから、NiまたはNi合金層とSnまたはSn合金層の間にSnとCuを含む中間層を1層以上形成する、めっきを施した銅または銅合金の製造方法であって、400〜900℃の温度で前記加熱処理を行い且つ前記SnまたはSn合金層が溶融してから凝固するまでの時間が0.05〜60秒になるように前記冷却を行うことによって、前記中間層のうち前記SnまたはSn合金層と接している中間層の平均結晶粒径を0.5〜3.0μmにすることを特徴とする、めっきを施した銅または銅合金の製造方法。On the surface of copper or a copper alloy, Ni or Ni alloy plating with a thickness of 0.05 to 1.0 μm is applied, and then Cu plating with a thickness of 0.03 to 1.0 μm is applied. after plating thickness of Sn or Sn alloy plating is 15~3.0Myuemu, by cooling I row at least one or more heat treatment, from the Sn or Sn alloy plating and the Ni or Ni alloy plating A method for producing plated copper or copper alloy, wherein one or more intermediate layers containing Sn and Cu are formed between the Ni or Ni alloy layer and the Sn or Sn alloy layer, and the temperature is 400 to 900 ° C. And performing the cooling so that the time from when the Sn or Sn alloy layer is melted to solidification is 0.05 to 60 seconds, the Sn or characterized by an average grain size of the intermediate layer 0.5~3.0μm in contact with n alloy layer, a manufacturing method of a plated copper or copper alloy. 前記NiまたはNi合金めっきの厚さが0.05〜1.0μmであり、前記Cuめっきの厚さKが0.05〜0.8μmであり、前記SnまたはSn合金めっきの厚さLが0.15〜3.0μmであり且つL≧0.9Kであることを特徴とする、請求項に記載のめっきを施した銅または銅合金の製造方法。The thickness of the Ni or Ni alloy plating is 0.05 to 1.0 μm, the thickness K of the Cu plating is 0.05 to 0.8 μm, and the thickness L of the Sn or Sn alloy plating is 0 The method for producing plated copper or copper alloy according to claim 7 , wherein: .15 to 3.0 μm and L ≧ 0.9K.
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