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JP3879368B2 - エンジンシステムの異常判定装置 - Google Patents

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  • Testing Of Engines (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンシステムの異常判定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車載用エンジンシステムの多くには、自己診断装置の一つとして、同システムの異常を判定する異常判定装置が設けられている。そして、こうした異常判定装置のなかには、その判定精度を高めるために、システムの異常診断を複数回実行して、その診断における異常の検出回数が所定の閾値に達したときにはじめて同システムが異常である旨判定するようにしているものもある。
【0003】
ただし、上記態様にて異常を判定するようにすると、エンジンが始動されてから停止されるまでの期間が比較的短い運転、いわゆるショートトリップにおいては、異常診断を実行する機会が少ないため、異常の検出が所定の閾値に達する前にエンジンが停止されてしまうことがある。このため、ショートトリップが繰り返されていると、エンジンシステムに異常が発生し、異常診断の度に異常が検出されているにもかかわらず、これを異常と判定することができなくなり、あるいはその判定時期が遅れるようになる。特に、エンジンを自動的に停止及び再始動させる、いわゆるエコノミラニングを行うようにしたエンジンシステムにおいては一回の運転期間が極端に短くなるため、こうした傾向が一層顕著なものとなる。
【0004】
そこで、例えば特開平7−36727号公報に記載されるように、異常の検出回数をエンジンが停止された後も記憶保持し、これを複数の運転期間にわたって累積することが考えられる。このようにすれば、ショートトリップが繰り返されるような場合であっても、異常検出回数が所定の閾値に達しさえすれば確実に異常を判定することができるようになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように異常検出回数を複数の運転期間にわたって累積するようにした場合には、以下のような問題も無視できないものとなる。
【0006】
すなわち、何らかの要因によってシステムの異常が誤検出されたような場合、その誤検出が極めて低い頻度でしか発生しない偶発的なものであっても、異常が検出されたとしてカウントされるようになる。したがって、こうした誤検出の回数が長期にわたり累積されると、最終的にはこれが異常を判定する閾値にまで達してしまい、仮にシステムに異常が発生していない場合であっても異常であると誤判定されてしまうおそれがある。
【0007】
また、こうした異常判定の精度悪化は上記のような偶発的な異常の誤検出に起因するものに限られるわけではなく、従来のエンジンシステムの異常判定装置にあっては全般に、その判定精度の点において尚問題を残すものとなっていた。
【0008】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ショートトリップのように異常を診断する機会が制限される場合であれ異常を精度良く確実に判定することのできるエンジンシステムの異常判定装置を提供することにある。
【0010】
上記構成によれば、異常検出回数が累積されるとともに、この累積値がエンジン停止中も保持されるため、ショートトリップが繰り返される場合等、異常診断を行う機会が少ない場合においても異常判定を確実に行うことができるようになる。しかも、第2のカウンタの累積値によって第1のカウンタの累積値の信頼度が評価され、これが信頼できる値であることを条件に異常判定がなされることで異常が誤って検出されることに起因する誤判定を回避し、より精度の高い異常判定を行うことができる。
【0012】
特に、上記構成によれば、診断実行回数が累積され、この診断実行回数に対する異常が検出された回数の比率が所定値以上である場合にのみ異常判定がなされることで、第1のカウンタの累積値の信頼度をより適切に評価した上で同異常判定を行うことができる
【0013】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項記載の発明は、診断条件が成立する毎に繰り返し起動されてエンジンシステムの異常診断を実行し、その異常を検出する異常検出手段と、該異常検出手段の異常検出回数を累積する第1のカウンタと、診断条件が成立する毎に繰り返し起動されてエンジンシステムのシステム正常を検出する正常検出手段と、前記正常検出手段の正常検出回数を累積する第2のカウンタと、前記第2のカウンタの累積値によって前記第1のカウンタの累積値の信頼度を評価し、これが信頼できる値であることを条件に、同第1のカウンタの累積値が第1の所定値以上であることに基づいてエンジンシステムの異常を判定する異常判定手段とを備えることをその要旨とする。
【0014】
上記構成によれば、異常検出回数が累積されるとともに、この累積値がエンジン停止中も保持されるため、ショートトリップが繰り返される場合等、異常診断を行う機会が少ない場合においても異常判定を確実に行うことができるようになる。しかも、正常検出手段の検出結果(=第2のカウンタの累積値)に基づいて第1のカウンタの累積値の信頼度が評価されるため、異常が誤って検出されることに起因した誤判定を回避し、より精度の高い異常判定を行うことができるようになる。
【0015】
請求項記載の発明は、請求項記載の発明において、前記第2のカウンタの累積値が第2の所定値以上となることを条件に前記第1のカウンタの累積値を0にクリアする累積値クリア手段を備えることをその要旨とする。
【0016】
上記構成によれば、正常検出回数が累積され、この累積回数が第2の所定値に達するとそれまでに累積された第1のカウンタの累積値の信頼度が低下した旨判断され、同累積値が0にクリアされる。したがって、請求項記載の発明の作用効果を一層好適に奏することができるようになる。
【0017】
請求項記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記異常判定手段は、前記第1のカウンタの累積値が前記第1の所定値以上となることに基づいて異常の予備判定を行うとともに同第1のカウンタの累積値を0にクリアし、該予備判定の履歴があり、且つ、前記第1のカウンタの累積値が前記条件のもとに再度前記所定値を超えることに基づいて当該エンジンシステムの異常を正式判定するものであることをその要旨とする。
【0018】
上記構成によれば、請求項1又は2に記載の発明の作用効果に加え、予備判定の履歴を保持するとともに、異常検出回数の累積を2度行うことで、より精度の高い異常判定を行うことができるようになる。
【0019】
請求項に記載の発明は、診断条件が成立する毎に繰り返し起動されてエンジンシステムの異常診断を実行し、その異常を検出する異常検出手段と、該異常検出手段の異常検出回数を累積するカウンタと、該累積値をエンジン停止中も保持する累積値保持手段と、同累積値が所定値以上となることに基づいて異常の予備判定を行う予備判定手段と、この予備判定の履歴をエンジン停止中も保持する予備判定履歴保持手段と、前記予備判定に基づいて前記カウンタの累積値を0にクリアする累積値クリア手段と、前記予備判定がなされてから所定期間にわたって前記カウンタの累積を禁止する禁止手段と、前記予備判定があり、且つ、前記カウンタの累積値が再度所定値以上となることに基づいてエンジンシステムの異常を判定する異常判定手段とを備えることをその要旨とする。
【0020】
上記構成によれば、異常検出回数が累積されるとともに、この累積値がエンジン停止中も保持されるため、ショートトリップが繰り返される場合等、異常診断を行う機会が少ない場合においても異常判定を確実に行うことができるようになる。しかも、予備判定が行われた後、一旦カウンタの累積値がクリアされるとともに、カウンタによる累積が所定期間禁止されるため、例えば、エンジンの運転状態が変化するだけで解消してしまうようなものが異常として判定されるのを回避することができる。
【0021】
請求項記載の発明は、請求項記載の発明において、前記禁止手段が前記カウンタの累積を禁止する所定期間が次回の冷間始動時までの期間であることをその要旨とする。
【0022】
上記構成によれば、予備判定が行われた後、一旦カウンタの累積値がクリアされると、上記禁止手段によって次回の冷間始動時までカウンタによる累積が禁止されるため、短期間の停止を含む1暖機サイクルの走行に限定されるような再現性のない異常の判定を回避することができるようになる。
【0023】
なお、このような再現性のない異常としては、例えば、悪路走行等によって酸素センサに一時的に水が入った場合などがあげられる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、エンジンシステムのアイドル回転数制御における異常を判定する異常判定装置に適用した第1の実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。
【0025】
はじめに、上記エンジンシステムの構成について図1を用いて説明する。
図1に示されるように、このエンジンシステムには、エンジンの回転速度を検出する回転速度センサ1や、エンジンの吸入空気量を検出するエアフローメータ2、エンジンの冷却水温を検出する水温センサ3、図示しないアクセルペダルの全閉状態を検出するアイドルセンサ(アイドルスイッチ)4等のエンジンの状態を検出する各種センサが設けられている。
【0026】
これらセンサ1〜4は、アイドル回転数制御等、エンジンシステムにおける電子制御装置(以下、ECUという)100に接続されている。また、このECU100には、燃焼室内の混合気に点火する点火プラグ11や、同燃焼室に燃料を供給するインジェクタ12、アイドル時に吸入空気量を調整するアイドルスピードコントロールバルブ(以下、ISCVという)13等、エンジンの運転状態を調整する各種アクチュエータとも接続されている。更に、ECU100には、エンジンシステムの異常が判定されたときに点灯して運転者にその旨を警告する警告灯14が接続されている。
【0027】
このECU100は、上記各種センサ1〜4等の出力信号に基づいてエンジンの運転状態を検出し、この検出結果に基づいて上記各種アクチュエータを作動させることで同エンジンの運転状態を制御する。更に、ECU100は、上記各種センサ1〜4等の出力信号に基づいてエンジンシステムの状態を監視し、同システムの異常を判定する。
【0028】
図1に示されるように、このECU100は、中央演算処理装置(以下、CPUという)110や、エンジンの運転状態を制御するための各種プログラム及び異常診断を行うためのプログラム等が記憶された読み出し専用メモリ(以下、ROMという)120を備えている。更に、ECU100は、上記各種センサ1〜4等の出力信号に基づいて得られる検出結果やエンジンの制御や診断にかかる演算結果などを記憶しておくための装置として、ノーマルRAM130とスタンバイRAM140とを備えている。以下、これら2つのRAMについて説明する。
【0029】
ノーマルRAM130は、各種フラグやデータ等を記憶するためのフラグ領域131及びデータ領域132を有している。これらノーマルRAM130の各領域131、132に記憶される情報は、ECU100の通電時にのみ保持され、エンジンの停止に際しECU100への電力供給が停止されると全て消去されてしまう。換言すれば、このノーマルRAM130に記憶される情報は、現在のトリップにおいてしか保持されず、次回のトリップまで持ち越されることはない。
【0030】
これに対してスタンバイRAM140は、上述した異常診断に際して用いられるカウンタ値やフラグ及びエンジンの各種制御に用いられる学習値等の各種データ等を記憶する、異常カウンタ値領域141や、正常カウンタ値領域142、フラグ領域143、データ領域144を有している。このスタンバイRAM140には、図示しないバッテリ等から常に電力が供給されており、上記各領域141〜144に記憶される情報はECU100への電力供給が停止されたときにおいても記憶された情報が保持されるようになっている。換言すれば、このスタンバイRAM140に記憶された情報は、エンジンの停止時においても保持され、次回のトリップまで持ち越すことができる。
【0031】
次に、上記エンジンシステムのアイドル回転数制御、並びに同制御の異常判定処理について説明する。
アイドル回転数制御では、図示しないアクセルペダルの全閉時、すなわちアイドル時に、ECU100によってISCV13の開度が調整され、吸入空気量が調整されることにより、エンジンの実回転速度が所定の目標回転速度と一致するようにフィードバック制御される。
【0032】
また、こうしたアイドル回転数制御において何らかの異常が生じると、実回転速度が目標回転速度に一致しなくなるという事態が生じ得る。そこで、本実施形態では、このアイドル回転数制御における異常を、実回転速度と目標回転速度との偏差の大きさに基づいて判定するようにしている。
【0033】
以下、こうした異常を判定する際の手順について、図面を参照して説明する。アイドル時において、上記アイドル回転数制御が行われているにもかかわらず、実回転速度が目標回転速度から大きく離れている場合には、ISCV13の故障等、何らかの異常が発生している可能性がある。このため、アイドル回転数制御が開始されてから所定ディレー時間が経過した後もなお、実回転速度と目標回転速度との偏差が所定値以上となっている場合には、異常がある旨検出される。この異常検出がなされると、上記スタンバイRAM140の異常カウンタ値領域141に記憶される異常カウンタ値がインクリメントされる。そして、この異常カウンタ値、すなわち異常検出回数が所定の閾値以上になると異常がある旨判定される。
【0034】
このように、異常検出回数を累積し、その累積値をスタンバイRAM140に記憶しておくことで、アイドル時という限られた期間にのみ異常診断条件が成立するアイドル回転数制御についてその異常判定を早期に且つ確実に行うことができるようになる。すなわち、一回のトリップにおいて異常診断条件が成立する回数が上記閾値に達しないようなショートトリップが繰り返される状況であっても、異常カウンタ値が複数のトリップにまたがって保持されるため、各トリップでの異常検出結果を無駄にすることなく早期に確実な異常判定を行うことが可能となる。
【0035】
更に、本実施形態においては、実回転速度が目標回転速度に略一致していると判断される場合には、アイドル回転数制御が正常に行われている旨を検出するようにしている。この正常検出がなされると、スタンバイRAM140の正常カウンタ値領域142に記憶される正常カウンタ値をインクリメントする。そして、この正常カウンタ値、すなわち正常検出回数が所定の閾値以上となると、異常カウンタ値の信頼度が低いものと判断し、これを「0」にクリアするようにしている。
【0036】
なお、本実施形態においては、一度のアイドル時には、異常検出及び正常検出を合せて、一度しか行わないように設定しておく。
このように、本実施形態では、正常である旨の検出結果に基づいて異常カウンタ値の信頼度を評価するようにしている。ただしこの場合、正常カウンタ値についても異常カウンタ値と同様に複数のトリップにまたがって保持されるため以下の点が懸念される。
【0037】
すなわち、正常カウンタ値がある程度累積され、上記閾値に近くなった状態でアイドル回転数制御にかかる制御系が故障した場合、異常が検出される度に異常カウンタ値は増加していくものの、何らかの要因によって正常である旨の誤検出がなされ正常カウンタ値が上記所定値に達してしまうと、それまで累積した異常カウンタ値が「0」にクリアされ、本来異常と判定すべきところでこの判定が遅れてしまうようになる。
【0038】
そこで本実施形態では、正常カウンタ値の信頼度についてもこれを上記異常カウンタ値等によって評価することで、これら両カウンタ値の信頼度をそれぞれお互いに評価しつつ、異常判定を行うようにしている。
【0039】
以下、この異常判定の具体的な手順について図2に示すフローチャートを参照して説明する。なお、このフローチャートに示される一連の処理は、ROM120に記憶された制御プログラムに基づいて所定時間毎の割込処理として実行される。
【0040】
この一連の処理においては、まずステップ100において、異常診断条件が成立しているか否かが判断される。ここでは、アイドルセンサ4の出力信号が「オン」となりアイドル回転数制御が開始されてから所定のディレー期間が経過したときに、上記異常診断条件が成立していると判断される。
【0041】
そして、異常診断条件が成立していると判断されると、ステップ110において、実回転速度と目標回転速度との偏差に基づく異常検出が行われる。そしてこの偏差が所定値を超えており異常がある旨検出されると、ステップ120において異常カウンタ値がインクリメントされる。
【0042】
次に、ステップ130においては、異常カウンタ値が所定値α以上か否かが判断される。この所定値αは、正常カウンタ値の信頼度を評価するための基準値である。異常カウンタ値がこの所定値α以上である場合には、異常の発生している可能性が高く、したがって累積された正常カウンタ値の信頼度も低いと評価することができる。
【0043】
ステップ130において、異常カウンタ値が所定値α以上と判断された場合、すなわち異常が発生している可能性が高く、正常カウンタ値の信頼性が低いと判断された場合には、同カウンタ値が「0」にクリアされる。
【0044】
次に、ステップ150では、異常カウンタ値が所定値β以上か否かが判断される。この所定値βは、アイドル回転制御にかかる制御系に異常が発生していることを判定するための判定値である。このステップ150において、異常カウンタ値が所定値β以上と判断されると、ステップ160においてアイドル回転数制御に異常がある旨判定される。そして、この異常判定がなされると、警告灯14が点灯され、異常が発生した旨運転者に警告される。
【0045】
このステップ160の処理を実行した後、あるいはステップ100において異常診断条件が成立していないと判断された場合、ステップ130において異常カウンタ値が所定値α未満であると判断された場合、並びにステップ150において異常カウンタ値が所定値β未満であると判断された場合にはいずれも、一連の処理が一旦終了される。
【0046】
他方、ステップ110において異常検出がなされない場合には、ステップ170において、実回転速度と目標回転速度との偏差に基づく正常検出が行われる。ここで、上記偏差が所定値以下であり実回転速度と目標回転速度とが略一致している旨、すなわち制御系が正常である旨検出されると、ステップ180において、正常カウンタ値がインクリメントされる。
【0047】
次に、ステップ190では、正常カウンタ値が所定値γ以上であるか否かが判断される。この所定値γは、異常カウンタ値の信頼度を評価するための基準値である。正常カウンタ値がこの所定値γ以上である場合には、累積された異常カウンタ値の信頼度も低いと評価することができる。
【0048】
ステップ190において、正常カウンタ値が所定値γ以上であると判断されるとステップ200へ移行し、異常カウンタ値及び正常カウンタ値がそれぞれ「0」にクリアされる。
【0049】
このステップ200の処理を実行した後、あるいはステップ170において正常検出がなされない場合、並びにステップ190において正常カウンタ値が所定値γ未満であると判断された場合にはいずれも、一連の処理が一旦終了される。
【0050】
この一連の処理に基づく異常カウンタ値及び正常カウンタ値の時間的な推移の一例を、図3のタイムチャートに示す。
このタイムチャートに示されるように、時刻t1以前において、異常カウンタ値がインクリメントされたものの、時刻t1以降において、正常カウンタ値がインクリメントされて所定値γに達すると、異常カウンタ値及び正常カウンタ値がいずれも「0」にクリアされる(時刻t2)。すなわちこの場合には、正常検出回数の累積値が所定値に達することで、異常検出回数の累積値の信頼度が低いと判断され、同異常検出回数の累積値が「0」にクリアされる。
【0051】
また、時刻t3以前において、正常カウンタ値がインクリメントされたものの、時刻t3において制御系に異常が発生すると、同時刻t3以降、異常カウンタ値がインクリメントされる。そして、時刻t4において、異常カウンタ値が所定値α以上となると、正常カウンタ値が「0」にクリアされる。すなわちこの場合には、異常検出結果に基づいて正常検出結果の累積値の信頼度が低いと判断され、同累積値がクリアされる。したがって、時刻t5において偶発的に正常検出がなされた場合であっても異常カウンタ値が「0」にクリアされることはなく、その後、異常が検出されて異常カウンタ値が所定値に達すれば、この偶発的な正常検出に影響されることなく、時刻t6において異常判定を行うことができる。
【0052】
このように、正常カウンタ値と異常カウンタ値とを用いて互いにその信頼度を評価しつつ異常判定を行うことで、これら2つのカウンタ値をスタンバイRAM140に記憶する場合であれ、精度の良い異常判定を行うことができるようになる。
【0053】
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)異常検出された累積回数を異常カウンタ値としてスタンバイRAM140に記憶し、これをエンジン停止中も保持するようにしたため、ショートトリップが繰り返される場合等、異常診断を行う機会が少ない場合においても異常判定を確実に行うことができるようになる。しかも、正常カウンタ値が所定値γ以上である場合には、異常カウンタ値の信頼度が低いと評価し、これをクリアするようにしたため、同異常カウンタ値が信頼できる値であることを条件に異常判定がなされるようになる。したがって、異常が誤って検出されることに起因する誤判定を回避し、より精度の高い異常判定を行うことができる。
【0054】
(2)正常カウンタ値の信頼度についてもこれを異常カウンタ値に基づいて評価するようにし、同異常カウンタ値が所定値α以上であるときには、その信頼度が低いものとして正常カウンタ値をクリアするようにしたため、信頼度の低い正常カウンタ値に基づいて異常カウンタ値がクリアされてしまうのを回避し、より精度の高い異常判定を行うことができるようになる。
【0055】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0056】
上記第1の実施形態における異常診断にあっては、一つのトリップが長期化する場合、異常カウンタ値がそのトリップ内において上記所定値βにまで達して異常判定がなされることがある。したがって、エンジンが再始動されることで解消されるような再現性のないものについても異常であると判定されることとなる。
【0057】
そこで、本実施形態においては、まず、異常がある旨の予備判定を行い、この予備判定が行われたトリップよりも後のトリップで再度異常判定がなされた場合にはじめて異常がある旨判定することにより、上記のような再現性のないものについてはこれを異常と判定しないようにしている。
【0058】
以下、本実施形態における異常判定処理の概要について図4のタイムチャートを参照して説明する。
同図4に示されるように、m番目のトリップにおいて、異常診断条件(図4の(b)参照)が成立すると、実回転速度(図4の(a)参照)と目標回転速度との偏差が監視され、この偏差が所定値以上であり、実回転速度が目標回転速度から大きく離れている場合には、先の第1の実施形態と同様、異常が検出される(図4の(c)参照)。そして、異常が検出される毎に、異常カウンタ値(図4の(d)参照)がインクリメントされていく(時刻t1〜t5)。
【0059】
そして、m+1番目のトリップにおいて、異常カウンタ値が所定値(同図ではこれを「5」としている)に達すると(時刻t5)、異常フラグ(図4の(e)参照)がオンされ、同フラグの内容がノーマルRAM130のフラグ領域131に記憶される。更に、異常がある旨の予備判定フラグ(図4の(f)参照)がオンされ、同フラグの内容がスタンバイRAM140のフラグ領域143に記憶されるとともに、異常カウンタ値が「0」にクリアされる(時刻t6)。その後、このm+1番目のトリップにおいては、異常検出がなされても異常カウンタ値の累積は行われない。そして、このm+1番目のトリップの終了時(時刻t7)において、ノーマルRAM130に記憶された異常フラグの内容が消去されるため、同異常フラグがオフの状態で次のm+2番目のトリップが開始される(時刻t8)。
【0060】
このm+2番めのトリップが開始されると、予備判定フラグがオンされていることに基づいて、異常判定条件成立フラグ(図4の(g)参照)がオンされ、同フラグの内容がノーマルRAM130のフラグ領域131に記憶される。そして、このm+2番目のトリップ以降、異常カウンタ値がインクリメントされ、n番目のトリップにおいて、異常カウンタ値が再度所定値(「5」)に達すると、異常フラグがオンに設定される。そして、この異常フラグがオンであり、且つ、上記異常判定条件成立フラグがオンであることに基づいて異常がある旨判定され、警告灯14(図4の(h)参照)が点灯される。
【0061】
ここで、この予備判定フラグ及び異常フラグを操作する際の具体的な処理手順並びにこれら各フラグに基づいて異常を判定する際の具体的な処理手順について説明する。
【0062】
まず、予備判定フラグ及び異常フラグを操作する際の処理手順について図5に示すフローチャートを参照して説明する。なお、このフローチャートに示される一連の処理も、ROM120に記憶された制御プログラムに基づいて所定時間毎の割込処理として実行される。
【0063】
この一連の処理では、まずステップ300において、図2に示すステップ100と同様に、異常診断条件が成立しているか否かが判断される。
ここで、異常診断条件が成立していると判断されると、ステップ310において、図2に示すステップ110と同様に、異常検出がなされたか否かが判断される。そして、異常検出がなされた場合には、ステップ320において、異常フラグがオフであるか否かが判断される。すなわち、ここでは、上述したように同一トリップ内において既に予備判定がなされているか否かが判断される。
【0064】
このステップ320において、異常フラグがオフであると判断されると、ステップ330において、異常カウンタ値がインクリメントされるとともに、正常カウンタ値が「0」にクリアされる。ここでは、先のステップ310で異常検出がなされたことに基づいて正常カウンタ値の信頼度が低いと評価され、同正常カウンタ値が「0」にクリアされる。
【0065】
次に、ステップ340において、異常カウンタ値が所定値ε以上であるか否かが判断される。この所定値εも、先の所定値β同様に異常判定のための閾値を示すものである。この異常カウンタ値が所定値ε以上であると判断されると、ステップ350において、異常フラグ及び予備判定フラグがそれぞれオンされるとともに、異常カウンタ値が「0」にクリアされる。
【0066】
このステップ350の処理を実行した後、あるいはステップ300において診断条件が成立しない場合、ステップ320において異常フラグがオンされていると判断された場合、並びにステップ340において異常カウンタ値が所定値ε未満である場合にはいずれも、一連の処理は一旦終了される。
【0067】
一方、上記ステップ310において、異常検出がなされない場合、ステップ360に移行する。そして、このステップ360では、図2に示すステップ170と同様にして、正常検出がなされたか否かが判断される。ここで正常検出がなされたと判断された場合には、ステップ370において、異常カウンタ値が「0」にクリアされるとともに、正常カウンタ値がインクリメントされる。ここでは、正常検出がなされたことに基づいて異常カウンタ値の信頼度が低いと評価され、同カウンタ値が「0」にクリアされる。
【0068】
次に、ステップ380において、正常カウンタ値が所定値δ以上であるか否かが判断される。ここで、正常カウンタ値が所定値δ以上であると判断されると、ステップ390において、異常フラグ及び予備判定フラグがそれぞれオフされるとともに、正常カウンタ値が「0」にクリアされる。ここでは、正常カウンタ値に基づいて、予備判定結果の信頼度が低いと判断され、予備判定の履歴がクリアされる。
【0069】
このステップ390の処理を実行した後、あるいはステップ360において正常検出がなされない場合、並びにステップ380において正常カウンタ値が所定値δ未満である場合はいずれも、一連の処理は一旦終了される。
【0070】
次に、上述のようにして操作された予備判定フラグ及び異常フラグに基づき異常を判定する際の処理手順について図6に示すフローチャートを参照して説明する。なお、このフローチャートに示される一連の処理も、ROM120に記憶された制御プログラムに基づいて所定時間毎の割込処理として実行される。
【0071】
この一連の処理では、まず、ステップ500において、エンジンの始動時か否かが判断される。ここで始動時であると判断されると、ステップ510において、予備判定フラグがオンに設定されているか否かが判断される。そして、予備判定フラグがオンであると判断された場合には、ステップ520において、異常判定条件成立フラグがオンに設定され、同フラグの内容がノーマルRAM130のフラグ領域131に記憶される。一方、予備判定フラグがオフであると判断された場合には、ステップ530において異常判定条件成立フラグがオフに設定され、ステップ520と同様にその内容がノーマルRAM130に記憶される。これら一連のステップ500〜530によって、予備判定の履歴があるか否かが始動時において判断され、同履歴がある場合には、異常判定をする条件が成立したとして、異常判定条件成立フラグがオンに設定される。
【0072】
上記各ステップ520、530の処理を実行した後、あるいはステップ500において始動時ではないと判断された場合、ステップ540において、異常判定条件成立フラグがオンに設定され、且つ、異常フラグがオンに設定されているか否かが判断される。そして、このステップ540において、異常判定条件成立フラグ及び異常フラグがいずれもオンであると判断された場合には、アイドル回転数制御に異常があると正式に判定され、ステップ550において、警告灯14が点灯される。
【0073】
このステップ550の処理を実行した後、あるいはステップ540において、異常判定条件成立フラグ及び異常フラグの少なくとも一方がオフであると判断された場合には、一連のステップが一旦終了される。
【0074】
以上説明した本実施形態によれば、上記第1の実施形態の(1)及び(2)の効果に加えて、以下の効果が得られるようになる。
(3)異常カウンタ値が所定値εに達したときに異常判定(予備判定)を行い、この予備判定がなされたトリップよりも後のトリップにおいて、異常カウンタ値が再度所定値εに達して異常判定がなされたことを条件に、異常がある旨を正式に判定するようにしたため、エンジンが再始動されるだけで解消されるような再現性のないものまでもが異常と判定されてしまうのを回避することができ、実情にあったより精度の高い異常判定を行うことができるようになる。
【0075】
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0076】
本実施形態における異常判定処理では、異常診断が行われた回数をスタンバイRAM140のデータ領域144に記憶し、この診断回数と異常検出回数との比率に基づいて異常カウンタ値の信頼度を評価するようにしている。
【0077】
以下、この異常判定処理の手順について図7に示すフローチャートを参照して説明する。なお、このフローチャートに示される一連の処理も、ROM120に記憶された制御プログラムに基づいて所定時間毎の割込処理として実行される。
【0078】
この一連の処理では、まず、ステップ700において、図2に示すステップ100と同様にして異常診断条件が成立しているか否かが判断される。ここで異常診断条件が成立していると判断されると、ステップ710において、診断回数がインクリメントされ、同診断回数がスタンバイRAM140のデータ領域144に記憶される。次に、ステップ720において、図2に示すステップ110と同様に、異常が検出されたか否かが判断される。そして、異常が検出された場合にはステップ730において異常カウンタ値がインクリメントされ、同カウンタ値がスタンバイRAM140の異常カウンタ値領域141に記憶される。
【0079】
続くステップ740〜760において、異常診断がなされた回数と異常カウンタ値(異常検出回数)との比率に基づいて異常が判定される。すなわち、ステップ740においては、まず診断回数が所定値X以上であるか否かが判断される。ここで、診断回数が所定値Xに満たないと判断されると、異常判定を行う上で診断回数が十分ではなく、この診断回数に対する異常カウンタ値の比率が十分に大きくても信頼度の高い判定を行うことができないものとして、この一連の処理は一旦終了される。
【0080】
一方、診断回数が所定値X以上であり、正確な異常判定を行う上で診断回数が十分に大きいと判断されると、ステップ750において、診断回数に対する異常カウンタ値の比率(=異常カウンタ値/診断回数)が所定値Y以上であるかが更に判断される。そして、このステップ750において、上記比率が所定値Y以上であると判断された場合には、ステップ760においてアイドル回転数制御に異常がある旨判定され、異常フラグがオンに設定される。すなわちこの場合には、十分な診断回数が確保され、しかもその診断回数に対する異常カウンタ値の比率が十分に大きいことから、異常カウンタ値の信頼度が高いと判断されて異常判定が行われる。なお、警告灯14は異常フラグがオンに設定されていることに基づき点灯される。
【0081】
このステップ760の処理を実行した後、あるいはステップ750において上記比率が所定値Y未満であると判断された場合には、ステップ770において診断回数及び異常カウンタ値がそれぞれ「0」にクリアされ、この処理を一旦終了する。
【0082】
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(4)診断回数及び異常カウンタ値をスタンバイRAM140に記憶させ、これら各値をエンジンの停止時においても保持するようにしたため、ショートトリップが繰り返される場合等、異常診断を行う機会が少ない場合においても異常判定を行うことができるようになる。しかも、異常診断回数が累積され、この診断回数に対する異常カウンタ値の比率が所定値以上であるときに異常判定を行うようにしたため、異常カウンタ値の信頼度を適切に評価した上で同異常判定を行うことができ、異常が誤って検出されることに起因する誤判定を回避し、より精度の高い異常判定を行うことができるようになる。
【0083】
(5)診断回数が所定回数以上になったことを条件に上記比率に基づく異常判定を行うようにしたため、異常カウンタ値の信頼度をより正確に評価した上で異常判定を行うことができ、同判定の精度向上を図ることができるようになる。
【0084】
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記第2の実施形態においては、正常検出がなされるたときに異常カウンタ値をクリアするようにしたが、正常カウンタ値が所定値に達することに基づいて異常カウンタ値をクリアするようにしてもよい。同様に、正常カウンタ値のクリアついても、異常カウンタ値が所定値に達することに基づいて行ってもよい。
【0085】
・上記第2の実施形態において、異常判定条件成立フラグ及び異常フラグがいずれもオンである旨の判断(図6のステップ540)が一旦なされた後は、これら各フラグがその後にオフに変更された場合でも警告灯14を消灯することなくそのまま点灯させるようにしてもよい。また、この場合に、例えば上記正常カウンタ値が所定値δに達した回数を履歴として記憶し、その回数が所定回数以上となったときに警告灯14を消灯させるようにしてもよい。
【0086】
・上記第2の実施形態においては、予備判定が行われると、同一トリップ内において異常カウンタ値のインクリメントを行わないようにしたが、例えば予備判定がなされた後は、その同一のトリップ内において、図5に示されるステップ300以降の処理を行わないようにする等、適宜変更してもよい。
【0087】
・上記第2の実施形態においては、予備判定が行われると、同一トリップ内において異常カウンタ値のインクリメントを行わないようにしたが、例えば所定期間インクリメントを禁止した後は、同一トリップ内においてもインクリメントを行う構成としてもよい。
【0088】
・また、予備判定後の異常カウンタ値のインクリメントを、次回の冷間始動時まで禁止する構成としてもよい。このような構成とすれば、短期間の停止を含む1暖機サイクルの走行に限定されるような再現性のない異常の判定を回避することができる。
【0089】
・上記第2の実施形態において、正常検出に基づく異常カウンタ値のクリアや、異常検出に基づく正常カウンタ値のクリア、更には、正常検出回数が所定値δに達することに基づく予備判定の履歴のクリア等、信頼度の評価を行わず、予備判定を行った後、異常カウンタ値のインクリメントを所定期間禁止する構成としてもよい。
【0090】
・上記第1及び第2の実施形態においては、スタンバイRAM140に記憶される異常カウンタ値の信頼度を好適に評価するため、同じくスタンバイRAM140に記憶される正常カウンタ値を用いる等したが、これに限られない。例えば、正常カウンタ値については、これをノーマルRAM130に記憶するようにしてもよい。また、正常カウンタ値に代えて、正常検出が継続してなされた累積時間を用いることもできる。そしてこの場合、例えば一度のアイドル時における累積時間が所定値以上となったときに異常カウンタ値を「0」にクリアするようにしてもよい。
【0091】
・上記第3の実施形態においては、診断条件が成立する毎に診断回数が加算されたが、これに限られない。例えば、図2のステップ110及びステップ170のように、異常検出及び正常検出を行う構成とし、同図2のステップ120及びステップ180のように、異常カウンタ値のインクリメント又は正常カウンタ値のインクリメントがなされた場合にその回数がインクリメントされるようにするなどしてもよい。
【0092】
・上記第3の実施形態においては、診断回数が所定値以上になったときに、異常判定を行うのに十分な数のデータが揃ったとして、診断回数に対する異常カウンタ値の比率から異常判定を行うようにしたが、これに限られない。例えば、異常カウンタ値が所定値以上となった場合に、診断回数が所定値に達しているか否かを判断し、達している場合に異常判定を行う等、適宜変更して実施することができる。
【0093】
・上記第1〜3の各実施形態においては、異常診断を行うルーチンを所定時間毎に割込起動する構成としたが、これについては任意である。例えば、アクセルペダルが全閉されるとその旨ECU100に割り込み入力され、この入力によって異常診断処理を起動する等、エンジンシステムが所定の状態にある旨検知する外部の手段からECU100へ割り込み入力される信号に基づいて起動することもできる。
【0094】
・上記第1〜第3の各実施形態においては、アイドル時において所定のディレー時間が経過した後の目標回転速度と実回転速度との偏差に基づいて異常を検出するようにしたが、これに限られない。この異常検出の変更の仕方によっては、一度のアイドル時おいても複数回の診断を行うことが有効ともなる。
【0095】
・上記第1〜第3の各実施形態においては、本発明にかかるエンジンシステムの異常判定装置を、アイドル回転数制御に関する異常判定装置に適用する場合について示したが、これに限られず任意の異常判定装置に適用することが可能である。その場合、2次空気供給装置の異常判定装置や、触媒コンバータの異常判定装置、機関中負荷のみでEGR(排気ガス再循環)が行われる装置の異常判定装置等、比較的限られた運転状態においてのみ診断条件が成立する装置の異常判定に適用することが特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態にかかる異常判定装置並びに同装置が適用されるエンジンシステムの構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態の異常判定手順を示すフローチャート。
【図3】異常カウンタ値と正常カウンタ値との推移の一例を示すタイムチャート。
【図4】第2の実施形態の異常判定手順に基づく異常カウンタ値等の推移の一例を示すタイムチャート。
【図5】同実施形態の異常診断手順を示すフローチャート。
【図6】同実施形態の異常判定手順を示すフローチャート。
【図7】第3の実施形態の異常判定手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…回転速度センサ、2…エアフローメータ、3…水温センサ、4…アイドルセンサ、11……点火プラグ、12…インジェクタ、13…アイドルスピードコントロールバルブ、14…警告灯、100…電子制御装置、110…CPU,120…ROM、130…ノーマルRAM、140…スタンバイRAM、141…異常カウンタ値領域、142…正常カウンタ値領域、131、143…フラグ領域、132、144…データ領域。

Claims (5)

  1. 診断条件が成立する毎に繰り返し起動されてエンジンシステムの異常診断を実行し、その異常を検出する異常検出手段と、
    該異常検出手段の異常検出回数を累積する第1のカウンタと、
    診断条件が成立する毎に繰り返し起動されてエンジンシステムのシステム正常を検出する正常検出手段と、
    前記正常検出手段の正常検出回数を累積する第2のカウンタと、
    前記第2のカウンタの累積値によって前記第1のカウンタの累積値の信頼度を評価し、これが信頼できる値であることを条件に、同第1のカウンタの累積値が第1の所定値以上であることに基づいてエンジンシステムの異常を判定する異常判定手段と、
    を備えるエンジンシステムの異常判定装置。
  2. 請求項1記載のエンジンシステムの異常判定装置において、
    前記第2のカウンタの累積値が第2の所定値以上となることを条件に前記第1のカウンタの累積値を0にクリアする累積値クリア手段
    を備えるエンジンシステムの異常判定装置。
  3. 前記異常判定手段は、前記第1のカウンタの累積値が前記第1の所定値以上となることに基づいて異常の予備判定を行うとともに同第1のカウンタの累積値を0にクリアし、該予備判定の履歴があり、且つ、前記第1のカウンタの累積値が前記条件のもとに再度前記所定値を超えることに基づいて当該エンジンシステムの異常を正式判定するものである
    請求項1又は2記載のエンジンシステムの異常判定装置。
  4. 診断条件が成立する毎に繰り返し起動されてエンジンシステムの異常診断を実行し、その異常を検出する異常検出手段と、
    該異常検出手段の異常検出回数を累積するカウンタと、
    該累積値をエンジン停止中も保持する累積値保持手段と、
    同累積値が所定値以上となることに基づいて異常の予備判定を行う予備判定手段と、 この予備判定の履歴をエンジン停止中も保持する予備判定履歴保持手段と、
    前記予備判定に基づいて前記カウンタの累積値を0にクリアする累積値クリア手段と、 前記予備判定がなされてから所定期間にわたって前記カウンタの累積を禁止する禁止手段と、
    前記予備判定があり、且つ、前記カウンタの累積値が再度所定値以上となることに基づいてエンジンシステムの異常を判定する異常判定手段と、
    を備えるエンジンシステムの異常判定装置。
  5. 前記禁止手段が前記カウンタの累積を禁止する所定期間が次回の冷間始動時までの期間である請求項4記載のエンジンシステムの異常判定装置。
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