JP3874441B2 - シュー皮の製造法及びシュー皮用乳化組成物 - Google Patents
シュー皮の製造法及びシュー皮用乳化組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3874441B2 JP3874441B2 JP07784096A JP7784096A JP3874441B2 JP 3874441 B2 JP3874441 B2 JP 3874441B2 JP 07784096 A JP07784096 A JP 07784096A JP 7784096 A JP7784096 A JP 7784096A JP 3874441 B2 JP3874441 B2 JP 3874441B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oil
- shoe skin
- shoe
- water
- skin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シュークリーム類の外皮部分であるシュー皮の製造法及びこれに用いる水中油型乳化組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
シュー皮製造は、他のパン・菓子製造に比較して熟練を要し、良好な品質の物を安定的に製造するのは困難と言われている。このため従来より、安定な品質のシュー皮を得るための検討が種々なされ、カゼインナトリウムの添加や各種の糖(例えば、特公昭56−50529号)、カードラン(特開平5−161445号)、水溶性ヘミセルロース(特開平7−135887号 )の添加により改良する方法等が提案されている。
【0003】
しかし、依然製造法は、水にマーガリン等の油中水型乳化物を入れ、これらを煮立たせ、小麦粉を混ぜて攪拌し、生地状態を把握しながら全卵を数回に分けて添加しシュー皮生地を調製するといった方法が基本的に採用されており、そのような方法では特に、水にマーガリン等を入れ沸騰させる工程は乳化状態が不安定で、生地状態の把握が素人には困難であったり、全卵の添加量も微妙に変化したりする。またシュー皮製造の熟練者であっても、全卵を一度に添加する簡易な方法ではやはり、上記添加剤等を使用しても安定してシュー皮を製造することは困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高品質で形状の良いシュー皮を安定且つ簡易に製造する方法及び素材を提供することを目的とする。すなわち、食感および風味に優れ、しかもボリュームがよく出て、内相も良いシュー皮を安定且つ簡易に製造できることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、油脂を油脂そのもの或いは油中水型組成物で用いるのではなく、水中油型乳化組成物で使用することにより、食感(食感、硬さ)および風味に優れ、しかも、ボリュームがよく出て、内相も良いシュー皮を安定且つ簡易に製造することができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ちこの発明は、油脂を20〜50重量%含み、且つカゼインナトリウムを1.5%〜5%含有する水中油型乳化組成物にして使用することを特徴とするシュー皮の製造法で、且つ、全卵は一度に添加することを特徴とするシュー皮の製造法である。
【0007】
【発明の実施の形態】
この発明において、油脂はあまり限定的でなく、菜種油、大豆油、ヒマワリ種子油、綿実油、落花生油、米ぬか油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カポック油、ゴマ油、月見草油、パーム油、シア油、サル脂、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油等の植物性油脂並びに乳脂、牛脂、ラード、魚油、鯨油等の動物性油脂が例示でき、上記油脂類の単独または混合油あるいはそれらの硬化、分別、エステル交換等を施した加工油脂を使用することができる。
【0008】
油脂を水中油型乳化組成物にするに際し、液体油はそのまま、固体脂は加熱溶解しておき、必要であれば乳化剤等を添加混合して油相を調整し、水相と乳化するが、水中油型乳化組成物としての乳化安定性のために、乳化物中の油脂の量は20〜50重量%の範囲で用いるのがよい。
【0009】
また乳化剤としては、レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル等が例示でき、これらの単独または2種以上の併用ができる。乳化組成物中の乳化剤の量は通常0.1〜5重量%の範囲で使用されるのがよい。
【0010】
またこの発明において、水中油型乳化組成物は、カゼインナトリウムを含むのが、シュー皮の品質の安定、特に浮きを改善させる効果を増大させる。シュー皮中のカゼインナトリウムの量は1.5〜5%の範囲が適している。
【0011】
この発明においてはその他、必要に応じて安定剤、糖類、塩類、呈味剤、香料、着色料等を適宜使用することができる。
【0012】
安定剤としてはガム類、例えばキサンタンガム、ローカストビーンガム、グァーガム、アラビアガム、ファーセラン、CMC、微結晶セルロース類のガム類、ペクチン、寒天、カラギーナン、ゼラチン、水溶性ヘミセルロース等が例示でき、これらの単独または2種以上の併用があってもよい。
【0013】
糖類としてはブドウ糖、果糖等の単糖類;ショ糖、乳糖、麦芽糖等の二糖類;ソルビトール、マルチトール等の糖アルコール;オリゴ糖;澱粉加水分解物;異性化糖(ブドウ糖、果糖液糖、ハイフラクトース、コーンシロップ)等が例示され、これらも単独または2種以上併用して用いてよい。
【0014】
塩類としては、クエン酸ナトリウム、各種リン酸塩などの有機酸塩、塩化カルシウム等の無機塩類などが例示される。
【0015】
またシュー用水中油型乳化組成物を商品として市場に供するには殺菌後密封包装されているのがよく、一般的には、油脂及び水等の原料を混合乃至予備乳化し、均質化処理し、殺菌、冷却の工程により製造される。但し均質化処理は、殺菌工程の前もしくは後ろ、または両方で行うことができる。
【0016】
本発明におけるシュー皮の製法は、油脂が水中油型乳化油脂の形で使用される点が特徴的であり、その他は、特に限定されず、常法に従って製造することができる。尤も、本発明によれば、油脂の添加をマーガリン、バター等の油中水型で行っていた従来の方法では採用しがたかった、卵の一括添加でも容易に実施できる。
【0017】
即ち、油脂及び水の他は、小麦粉(薄力粉)、全卵、膨張剤(重曹、炭酸アンモニウム等)等常法と同様の原料を用いることができ、例えば、油脂・水を含む原料の加熱後、小麦粉を加え、卵を分割または一括して加え、その後必要に応じて膨張剤(重曹、炭酸アンモニウム等)を加えて、生地を得、天板にシュー生地を絞り、オーブンで焼成してシューを得る。
【0018】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を例示して本発明効果をより一層明瞭にするが、これらは例示であって本発明の精神がこれらの例示に限定されるものではない。なお、例中、部及び%はいずれも重量基準を意味する。
【0019】
実施例1
60℃に加熱した精製パーム油400部に、レシチン0.8部、蒸留モノグリセライド2部を溶解した油相を得た。また、水574部に、カゼインナトリウム26部、クエン酸ナトリウム1.8部、塩化カルシウム1部、キサンタンガム0.1部及び蔗糖脂肪酸エステル0.5部を加えた水相を調製し、これを上記油相と予備乳化後、均質化し、145℃で4秒間加熱殺菌した後、再び均質化し、容器中に密封して冷却し、シュー用水中乳化組成物を得た。
【0020】
実施例2及び比較例1
シュー皮製造に関し熟練者1名または、未経験者5名の各々が、下記方法に従って、シュー皮を製造した。
【0021】
即ち、実施例1で得た水中油型乳化組成物250部をミキサーボール中で加熱し、約2分間沸騰させた後、加熱を止め、フルイにかけた薄力粉100部を加えて、高速で2分間ミキシングし、次にほぐした全卵200部を約6等分して順次加える(分割法) か又は一括して加え(一括法) 、その後、重曹1部と炭酸アンモニウム0.5部を添加し、高速で1〜2分ミキシングして生地を得た。次に、天板上にシュー生地を絞り(23±0.5g)、オーブンで焼成してシューを得た。
【0022】
また、水中油型乳化組成物250部に代えて、シュー用マーガリン(不二製油製「シュートップD」)130 部及び水120 部を使用する他は、同様に実施する比較例を実施した(本例と比較例とでは、油脂含量は同等である)。
【0023】
得られたシュー皮について、浮き状態を評価し、その後、半分に分割し内相の評価と食感・風味の評価を行った。◎は最も良好、〇は良好、△は〇よりやや劣る、×は不良により表示した。それらの結果を一括して次の表に示した。
【0024】
【0025】
表1に示すごとく、シュー皮作成の未経験者でも熟練者でも、水中油型乳化組成物を使用したものは食感に優れ、内相良好で形状は浮き状態も優れたものであった。即ち、油脂添加を水中油型乳化組成物で行うことにより、未経験者でも熟練者に匹敵する品質のシュー皮製造が可能になったばかりか、熟練者でも困難であった一括添加法を採用でき、作業が簡便化された。
【0026】
実施例3及び比較例2
カゼインナトリウムを用いない他は実施例1と同様に調製した水中乳化組成物を用い、実施例2の分割法に準じて、熟練者によりシュー皮を製造した。また、比較として汎用マーガリン(不二製油株式会社製「コンボル200」)を使用し、実施例2の分割法の比較例に準じて、熟練者によりシュー皮を製造した。これらの得られたシュー皮の評価は次表のようであった。
【0027】
【0028】
【発明の効果】
水中油型乳化組成物をシュー皮製造に使用することで食感および風味に優れ、しかもボリュームがよく出て、内相の良いシュー皮を安定且つ簡易に得られることが判明した。
Claims (1)
- 油脂を20〜50重量%含み、且つカゼインナトリウムを1.5%〜5%含有する水中油型乳化組成物にして使用し、且つ、全卵は一度に添加することを特徴とするシュー皮の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07784096A JP3874441B2 (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | シュー皮の製造法及びシュー皮用乳化組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07784096A JP3874441B2 (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | シュー皮の製造法及びシュー皮用乳化組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09266750A JPH09266750A (ja) | 1997-10-14 |
JP3874441B2 true JP3874441B2 (ja) | 2007-01-31 |
Family
ID=13645255
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07784096A Expired - Fee Related JP3874441B2 (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | シュー皮の製造法及びシュー皮用乳化組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3874441B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
NL1019520C2 (nl) * | 2001-12-07 | 2003-06-13 | Campina Melkunie Bv | Werkwijze voor het bereiden van cakebeslag. |
-
1996
- 1996-03-29 JP JP07784096A patent/JP3874441B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09266750A (ja) | 1997-10-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3057773B2 (ja) | パイの製造方法 | |
JPS62104545A (ja) | 脂肪含量を減少させた食用油中水型エマルジヨンおよびその製造法 | |
JPS63104643A (ja) | 低脂肪含量油中水型エマルジョン | |
WO2021182315A1 (ja) | 練り込み用油中水型乳化組成物 | |
JP3324246B2 (ja) | 加工穀物のバラケ剤 | |
JP5931481B2 (ja) | 食用クリーム | |
JP5298706B2 (ja) | 水中油型乳化油脂組成物 | |
JP4215368B2 (ja) | シュー用乳化油脂組成物およびこれを用いたシューケース | |
WO2016117630A1 (ja) | 高油分フィリング材 | |
JPS6363341A (ja) | 油中水型エマルジョン | |
JP4798064B2 (ja) | 菓子生地及び菓子の製造法 | |
JP3874441B2 (ja) | シュー皮の製造法及びシュー皮用乳化組成物 | |
CN109820012A (zh) | 一种面包专用复合乳化油及其制备方法和面包的制作方法 | |
JPH06253720A (ja) | スフレケーキの簡易製造法 | |
JP7157553B2 (ja) | シュー用油脂組成物 | |
JP4457659B2 (ja) | シュー生地及びシュー皮の製造法 | |
JP2745593B2 (ja) | 低水分乳化組成物 | |
JP3693757B2 (ja) | シュー用乳化油脂組成物及びこれを用いたシューケース | |
JP7294853B2 (ja) | 焼菓子の製造方法 | |
JP2020014417A (ja) | 水中油型乳化油脂組成物 | |
JP4161517B2 (ja) | 製菓用油中水型乳化油脂組成物とその製造方法 | |
JPH0570411B2 (ja) | ||
JP3840270B2 (ja) | 小麦粉食品用乳化油脂組成物及びこれを用いて製造したパン類又はケーキ類 | |
JP3143723B2 (ja) | 新規なドーナツ類およびそのミックス | |
JP7121239B2 (ja) | 製菓用水中油型乳化油脂組成物およびケーキ生地 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040712 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040727 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040927 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050125 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050328 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050531 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060929 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20061024 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20020930 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091102 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101102 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101102 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111102 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111102 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121102 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121102 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121102 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121102 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |