JP3858976B2 - 非汚染性シリコーンゴム組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築用シーリング材、コーティング材、ガスケット等の建築用ゴム部材に好適に使用される非汚染性シリコーンゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
各種建造物におけるコンクリート、サッシなどのジョイント部、ガラス回りなどは、現在、合成ゴムなどのシーリング材で充填施工する方法が一般的であり、このシーリング材としては、シリコーン系、ポリサルファイド系、ポリウレタン系、アクリル系、SBR系、ブチル系など、各種のものが知られているが、接着性、耐熱耐候性、耐久性という面からは縮合硬化型のシリコーン系シーリング材が広く使用されている。また、固形ガスケットにおいては過酸化物加硫型シリコーン系のガスケットが使用されることが多い。更に近年では、過酸化物加硫型シリコーン系のガスケット上に紫外線硬化型のシリコーン系コーティング材をオーバーコートする手法や、ガラス上に型枠を設置して白金付加加硫型シリコーンゴム組成物を注型、硬化、接着させ、ガラス一体型ガスケットを作製する手法も提案されている。
【0003】
しかし、従来より外壁目地に使用されているシリコーン系のシーリング材、ガスケットには目地周辺に汚れが広がるという問題が発生している。この現象は建物の立地条件(外部環境、方位)、目地設計(形状、接着体)等に大きく依存し、一般に建物周辺の大気汚染度、降雨の流れ具合、降雨後の乾燥度と著しく相関があることが判明している。この対策として、落とし目地や孫目地等の降雨が直接目地に触れないような目地への設計変更、硬化後のシーラントもしくはガスケットの表面に塗布剤による障壁を作り、汚染を防止する方法等があるが、前者は設計仕様の変更を伴うため建物の意匠上の問題が残り、後者は塗布という工程の増加が総合工賃のアップにつながるため一般的なものとはなっていない。
【0004】
本発明者らは、上記の問題を解決するため、酸化チタン、酸化亜鉛等の光触媒活性を有する粒子が分散、含有された硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物によりシーリング材、コーティング材、ガスケットなどの建築用ゴム部材を製造した場合、これに紫外線が照射されることで表面が改質されて親水化され、非汚染性が付与されることを先に提案している(特開平9−227779号公報)。この方法によって従来のシリコーンシーラントに比して汚染性は大幅に改良されたものの、更なる非汚染性の向上が求められている。
【0005】
本発明は、上記事情を改善するためになされたもので、非汚染性に優れたシリコーンゴム組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、縮合硬化型シリコーンゴム組成物において、ベースポリマーのジオルガノポリシロキサンの珪素原子に直結する全置換基のうち、2モル%以上が炭素数2以上の置換もしくは非置換の一価炭化水素基である特定のジオルガノポリシロキサンを用いることにより、著しい非汚染性向上を達成できることを知見し、本発明をなすに至った。
【0007】
従って、本発明は、分子中に少なくとも2個の珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、かつ珪素原子に結合する全置換基の2モル%以上が脂肪族不飽和基であり、それ以外の基がメチル基であるジオルガノポリシロキサンをベースポリマーとし、架橋剤としてアルコキシ基、ケトオキシム基、アルケニルオキシ基から選ばれる加水分解性基を2個以上有するシラン又はその部分加水分解物のみを配合してなり、上記ベースポリマーの使用で非汚染性を与えることを特徴とする非汚染性シリコーンゴム組成物を提供する。
【0008】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明にかかる非汚染性シリコーンゴム組成物は、ジオルガノポリシロキサンを主成分(ベースポリマー)とするものであり、その硬化方式としては、縮合硬化型が用いられる。
【0009】
本発明で使用されるベースポリマーのジオルガノポリシロキサンとしては、縮合反応で硬化するため、分子中に少なくとも2個の珪素原子に直結した水酸基又は加水分解性基を有し、全珪素原子に結合した置換基の2モル%以上が炭素数2以上の置換もしくは非置換の一価炭化水素基を有するものである。
【0010】
従来使用されている縮合硬化型シリコーンゴム(RTVゴム)組成物のベースポリマーにおいて、縮合反応に関与する水酸基又は加水分解性基以外の置換基は、殆どがメチル基であるが、本発明においては、この加水分解性基以外の置換基に縮合反応(架橋)に関与しない炭素数2以上の置換もしくは非置換の一価炭化水素基を特定量導入したもので、これにより、著しく非汚染性が向上するものである。
【0011】
このジオルガノポリシロキサンは実質的に直鎖状であるが、ゲル化を起こさない、あるいはゴム弾性を損なわない範囲において分岐していてもよい。分岐量は、通常10モル%以下、好ましくは5モル%以下である。
【0012】
具体的には、下記一般式(1)又は(2)で表されるジオルガノポリシロキサンが好ましい。
【0013】
【化3】
(式中、Rの2モル%以上が炭素数2以上の脂肪族不飽和基、残りがメチル基である。Xは酸素原子又は炭素数1〜8の二価炭化水素基であり、Yは加水分解性基であり、nはこのジオルガノポリシロキサンの25℃における粘度を100〜1,000,000csとする数であり、aは2又は3である。)
【0014】
ここでRは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、2−エチルブチル基、オクチル基などのアルキル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基などのシクロアルキル基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘプテニル基、ヘキセニル基、アリル基などのアルケニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ジフェニル基などのアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基などのアラルキル基、あるいはこれらの基の炭素原子に結合している水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、シアノ基などで置換したクロロメチル基、トリフロロプロピル基、2−シアノエチル基、3−シアノプロピル基などから選択される同一又は異種の非置換もしくは置換の好ましくは炭素数1〜12、特に1〜10の一価炭化水素基である。
【0015】
Rのうち2モル%以上、好ましくは2.5モル%以上が炭素数2以上の脂肪族不飽和基であることが必要である。上限としては特に制限されないが、製造し易さからすると50モル%以下である。
【0016】
炭素数2以上の置換もしくは非置換の一価炭化水素基としては、上述したRのメチル基以外の一価炭化水素基が挙げられるが、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘプテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、エチル基、プロピル基、フェニル基等が好ましく、中でもアルケニル基が好ましく、特にビニル基が好ましい。
【0017】
また、上記Rにおいて、炭素数2以上の一価炭化水素基以外の置換基としては、メチル基が好ましい。
【0018】
Xは酸素原子又は炭素数1〜8の二価炭化水素基であり、二価炭化水素基としては−(CH2)m−(mは1〜8)で表される。これらの中でも酸素原子、−CH2CH2−が好ましい。
【0019】
nはジオルガノポリシロキサンの25℃における粘度を100〜1,000,000cs、好ましくは500〜500,000csとする数である。
【0020】
Yは加水分解性基であり、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基、ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基などのケトオキシム基、アセトキシ基などのアシルオキシ基、イソプロペニルオキシ基、イソブテニルオキシ基などのアルケニルオキシ基等が挙げられる。
【0021】
このようなジオルガノポリシロキサンは、各種オルガノポリシロキサンの単量体である環状シロキサンもしくは線状オリゴマーを酸もしくは塩基触媒による平衡反応によって得る等の公知の方法により製造することができる。
【0022】
また、このジオルガノポリシロキサンに分岐構造を導入する場合は、上記平衡化重合中にSiO3/2単位及び/又はSiO4/2単位を含むシランもしくはシロキサンをジオルガノポリシロキサンがゲル化しないレベルで添加するのが常法である。更に、このジオルガノポリシロキサンは、ストリップや洗浄等により低分子シロキサンを除去しておくことが望ましい。このようなオルガノシロキサンを用いた場合、初期の汚れを低減することができる。
【0023】
本発明の組成物には、架橋剤が使用される。架橋剤としては、加水分解性の基を1分子中に2個以上、好ましくは3個以上有するシラン、あるいはその部分加水分解縮合物が使用される。この場合、その加水分解性の基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基、ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基などのケトオキシム基、イソプロペニルオキシ基、イソブテニルオキシ基などのアルケニルオキシ基、N−ブチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基などのアミノ基、N−メチルアセトアミド基などのアミド基等が挙げられる。これらの中でもアルコキシ基、ケトオキシム基、アルケニルオキシ基が好ましい。
【0024】
架橋剤の配合量は、上記ジオルガノポリシロキサン100部(重量部、以下同様)に対して1〜50部、好ましくは2〜30部、より好ましくは5〜20部とすることが望ましい。
【0025】
また、本発明のシリコーンゴム組成物には、硬化触媒を使用することが好ましく、硬化触媒としては、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクトエート等のアルキル錫エステル化合物、テトライソプロポキシチタン、テトラn−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、ジプロポキシビス(アセチルアセトナ)チタン、チタニウムイソプロポキシオクチレングリコール等のチタン酸エステル又はチタンキレート化合物、ナフテン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、亜鉛−2−エチルオクトエート、鉄−2−エチルヘキソエート、コバルト−2−エチルヘキソエート、マンガン−2−エチルヘキソエート、ナフテン酸コバルト、アルコキシアルミニウム化合物等の有機金属化合物、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノアルキル基置換アルコキシシラン、ヘキシルアミン、リン酸ドデシルアミン等のアミン化合物及びその塩、ベンジルトリエチルアンモニウムアセテート等の第4級アンモニウム塩、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、蓚酸リチウム等のアルカリ金属の低級脂肪酸塩、ジメチルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン等のジアルキルヒドロキシルアミン、テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン、テトラメチルグアニジルプロピルメチルジメトキシシラン、テトラメチルグアニジルプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン等のグアニジル基を含有するシラン又はシロキサン等が例示され、これらはその1種に限定されず、2種もしくはそれ以上の混合物として使用してもよい。なお、これら硬化触媒の配合量は、上記ジオルガノポリシロキサン100部に対して0〜20部、好ましくは0.001〜10部、より好ましくは0.01〜5部が望ましい。
【0026】
また、本発明のシリコーンゴム組成物には、上記成分以外に補強等の目的で1種以上の充填剤を用いることが好ましい。このような充填剤としては、例えば、煙霧質シリカ、沈降性シリカ、これらのシリカ表面を有機珪素化合物で疎水化処理したシリカ、石英粉末、カーボンブラック、タルク、ゼオライト及びベントナイト等の補強剤、アスベスト、ガラス繊維、炭素繊維及び有機繊維などの繊維質充填剤、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、セライト等の塩基性充填剤、酸化チタンなどの光触媒活性を有する充填剤等が例示される。これらの充填剤のうち、シリカ、炭酸カルシウム、ゼオライト等が好ましく、特に表面を疎水化処理した煙霧質シリカ、炭酸カルシウムが好ましい。
【0027】
上記充填剤の配合量は、目的や充填剤の種類により選択すればよいが、ベースポリマーのジオルガノポリシロキサン成分100部に対して1〜500部、特に5〜100部であることが好ましい。
【0028】
更に、本発明のシリコーンゴム組成物には、非汚染性を阻害しない範囲において種々の化合物を添加することは任意であり、例えばポリエチレングリコール又はその誘導体からなるチクソトロピー性付与剤、ベンガラ及び酸化セリウムなどの耐熱性向上剤、耐寒性向上剤、脱水剤、防錆剤、γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどの接着性向上剤、トリオルガノシロキシ単位及びSiO2単位及び/又はモノオルガノシロキシ単位よりなる網状ポリシロキサンなどの液状補強剤などを必要に応じてその所定量を添加することができる。
【0029】
また、非汚染性向上の目的で、従来から使用されている光硬化性物質(例えばアクリル基等の不飽和基含有オリゴマー及びポリマーなど)、光崩壊性物質(例えば桐油、亜麻仁油など)等を本発明の目的を損なわない範囲で更に添加してもよい。
【0030】
本発明の非汚染性シリコーンゴム組成物は、上記成分の所定量をニーダーミキサー、プラネタリーミキサー、品川ミキサー等の混練り機で混合することにより、得ることができる。
【0031】
本発明の非汚染性シリコーンゴム組成物は、建築用ゴム部材として使用することが好適であり、特にシーリング材、コーティング材、ガスケットなどに好適に使用される。
【0032】
上記非汚染性シリコーンゴム組成物は、室温で湿気により硬化するが、その成形方法、硬化条件などは、組成物の種類に応じた公知の方法、条件を採用することができる。
【0033】
【発明の効果】
本発明の非汚染性シリコーンゴム組成物は、硬化した後の非汚染性に優れ、しかもシール性が良好であり、このためコーティング、目地に充填施工、もしくは固形ガスケットとして使用した場合、建物、目地、及び目地周辺の汚染を起こさず、ゴム自体も汚染されにくく、また耐候性に優れるものである。
【0034】
【実施例】
以下、合成例及び実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、粘度は25℃での測定値を示したものである。
【0035】
[合成例1]
ポリマーAの製造
温度計、撹拌機、冷却器を備えた内容積5リットルの三つ口フラスコに2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン2,752g、蒸留水1.8g、水酸化カリウム0.08gを仕込み、150℃で5時間反応させた。反応後80℃まで冷却してエチレンクロロヒドリン4.0gを加え、更に80℃で3時間反応させた後、減圧加熱により低揮発分を留去して粘度100,000mPa・s、不揮発分95.8%の無色透明液体(両末端水酸基封鎖ポリメチルビニルシロキサン、珪素原子に結合した全置換基に対する炭素数2以上の置換基の割合:50モル%)を2,400g得た。
【0036】
[合成例2]
ポリマーBの製造
合成例1の2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン2,752gの代わりに、2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン1,376g、オクタメチルシクロテトラシロキサン1184gを用いた以外は合成例1と同様にして、粘度62,000mPa・s、不揮発分96.8%の無色透明液体(両末端水酸基封鎖ポリメチルビニルシロキサン、珪素原子に結合した全置換基に対する炭素数2以上の置換基の割合:25モル%)を2,300g得た。
【0037】
[合成例3]
ポリマーC製造
合成例1の2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン2,752gの代わりに、2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン688g、オクタメチルシクロテトラシロキサン1,776gを用いた以外は合成例1と同様にして、粘度50,000mPa・s、不揮発分96.6%の無色透明液体(両末端水酸基封鎖ポリメチルビニルシロキサン、珪素原子に結合した全置換基に対する炭素数2以上の置換基の割合:12.5モル%)を2,250g得た。
【0038】
[合成例4]
ポリマーDの製造
合成例1の2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン2,752gの代わりに、2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン275g、オクタメチルシクロテトラシロキサン2,131gを用いた以外は合成例1と同様にして、粘度80,000mPa・s、不揮発分95.7%の無色透明液体(両末端水酸基封鎖ポリメチルビニルシロキサン、珪素原子に結合した全置換基に対する炭素数2以上の置換基の割合:5モル%)を2,100g得た。
【0039】
[合成例5]
ポリマーEの製造
合成例1の2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン2,752gの代わりに、2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン138g、オクタメチルシクロテトラシロキサン2,250gを用いた以外は合成例1と同様にして、粘度150,000mPa・s、不揮発分99.2%の無色透明液体(両末端水酸基封鎖ポリメチルビニルシロキサン、珪素原子に結合した全置換基に対する炭素数2以上の置換基の割合:2.5モル%)を2,150g得た。
【0040】
[合成例6]
ポリマーFの製造
合成例1の2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン2,752gの代わりに、オクタメチルシクロテトラシロキサン2,368gを用いた以外は合成例1と同様にして、粘度81,000mPa・s、不揮発分96.3%の無色透明液体(両末端水酸基封鎖ポリメチルシロキサン、珪素原子に結合した全置換基に対する炭素数2以上の置換基の割合:0モル%)を2,100g得た。
【0041】
[合成例7]
ポリマーGの製造
温度計、撹拌機、冷却器を備えた内容積2リットルの三つ口フラスコにポリマーAを1,000g、テトラメトキシシランを76g仕込み、120℃で24時間反応させた。反応後、減圧加熱によりメタノールと過剰のテトラメトキシシランを留去して粘度108,000mPa・s、不揮発分96.3%の無色透明液体(両末端トリメトキシ基封鎖ポリメチルビニルシロキサン、珪素原子に結合した全置換基に対する炭素数2以上の置換基の割合:50モル%)を975g得た。
【0042】
[合成例8]
ポリマーHの製造
合成例7のポリマーAの代わりにポリマーFを用いた以外は、合成例7と同様にして粘度90,000mPa・s、不揮発分98.2%の無色透明液体(両末端トリメトキシ基封鎖ポリメチルシロキサン、珪素原子に結合した全置換基に対する炭素数2以上の置換基の割合:0モル%)を950g得た。
【0043】
[実施例1]
ポリマーAを100重量部と表面がジメチルジクロロシランで処理された乾式シリカ(日本アエロジル製、エロジルR972)5重量部を均一に混合し、これにビニルトリスメチルエチルケトオキシムシラン6重量部、ジブチルスズジオクトエート0.05重量部を減圧下で均一になるまで混合して組成物を調製した。
【0044】
[実施例2]
実施例1において、ポリマーAの代わりにポリマーBを用いた以外は実施例1と同様の手法で組成物を調製した。
【0045】
[実施例3]
実施例1において、ポリマーAの代わりにポリマーCを用いた以外は実施例1と同様の手法で組成物を調製した。
【0046】
[実施例4]
実施例1において、ポリマーAの代わりにポリマーDを用いた以外は実施例1と同様の手法で組成物を調製した。
【0047】
[実施例5]
実施例1において、ポリマーAの代わりにポリマーEを用いた以外は実施例1と同様の手法で組成物を調製した。
【0048】
[実施例6]
ポリマーAを100重量部とコロイダル炭酸カルシウム50重量部を均一に混合し、これにビニルトリスイソプロペノキシシラン8重量部、テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン1.0重量部を減圧下で均一になるまで混合して組成物を調製した。
【0049】
[実施例7]
ポリマーGを100重量部とコロイダル炭酸カルシウム50重量部を均一に混合し、これにメチルトリメトキシシラン6重量部、テトラブチルチタネート1.0重量部を減圧下で均一になるまで混合して組成物を調製した。
【0050】
[比較例1]
実施例1において、ポリマーAの代わりにポリマーFを用いた以外は実施例1と同様の手法で組成物を調製した。
【0051】
[比較例2]
実施例6において、ポリマーAの代わりにポリマーFを用いた以外は実施例6と同様の手法で組成物を調製した。
【0052】
[比較例3]
実施例7において、ポリマーGの代わりにポリマーHを用いた以外は実施例7と同様の手法で組成物を調製した。
【0053】
これらのオルガノポリシロキサン組成物を白ガラス板上に30×30×2mm厚に塗布し、20℃、55%RHの雰囲気下に7日間放置してゴム弾性体とし、これを2年間屋外暴露したところ、表1に示した結果が得られた。
【0054】
【表1】
○:汚染なし ×:汚染あり
Claims (5)
- 分子中に少なくとも2個の珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、かつ珪素原子に結合する全置換基の2モル%以上が脂肪族不飽和基であり、それ以外の基がメチル基であるジオルガノポリシロキサンをベースポリマーとし、架橋剤としてアルコキシ基、ケトオキシム基、アルケニルオキシ基から選ばれる加水分解性基を2個以上有するシラン又はその部分加水分解物のみを配合してなり、上記ベースポリマーの使用で非汚染性を与えることを特徴とする非汚染性シリコーンゴム組成物。
- 更に、充填剤として、炭酸カルシウム又は表面を疎水化処理したシリカを含有することを特徴とする請求項1又は2記載の非汚染性シリコーンゴム組成物。
- 建築ゴム部材用である請求項1乃至3のいずれか1項記載の非汚染性シリコーンゴム組成物。
- シーリング材、コーティング材又はガスケット用であることを特徴とする請求項4記載の非汚染性シリコーンゴム組成物。
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