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JP4223097B2 - 室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物 - Google Patents

室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物 Download PDF

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JP4223097B2
JP4223097B2 JP20728898A JP20728898A JP4223097B2 JP 4223097 B2 JP4223097 B2 JP 4223097B2 JP 20728898 A JP20728898 A JP 20728898A JP 20728898 A JP20728898 A JP 20728898A JP 4223097 B2 JP4223097 B2 JP 4223097B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物に関し、特に、仕上げ作業に必要な作業時間を付与するように表面硬化速度を下げ、かつ接着性および貯蔵安定性に優れた室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
室温硬化型ポリオルガノシロキサン組成物のなかでも、水分と接触して、硬化反応が生起するタイプのものは、縮合反応型の室温硬化性液状シリコーンゴム(RTVシリコーンゴム)として既知である。RTVシリコーンゴムは、接着性に優れるというその特性を生かして、建築・土木工業、電気・電子工業、自動車工業などの分野で、シーリング材、ポッティング材、コーティング材などに広範に用いられている。
【0003】
このような組成物は、一般に分子末端が水酸基で封鎖されたシラノール基末端ポリジオルガノシロキサンをベースポリマーとし、これに加水分解性基を分子内に平均2個以上有する架橋剤、および必要に応じて触媒や接着性向上剤などを配合したものである。
【0004】
ポリジオルガノシロキサンおよび硬化機構に応じて各種の架橋剤を用いた組成物が、架橋剤および末端のケイ素原子に結合した加水分解反応性基の種類により、硬化機構別に、脱オキシム型、脱アセトン型、脱アルコール型、アミノキシ型、アミド型、アミン型などに分けられる。これらのポリオルガノシロキサンをベースとした各種の組成物が用いられているが、用途および要求される特性に関する種々な問題点の改善が望まれている。
【0005】
硬化性に優れたものは、表面の硬化が速いために、一般的に、作業性に劣る。反応基として、エノキシ基、アセトキシ基、ケトキシマト基およびポリジオルガノシロキサン末端のアルコキシ基などを有する組成物は、広範に用いられているが、反応性(加水分解性)が高いために空気に触れるとすぐさま硬化が始まり、ごく短時間のうちに薄い皮を表面に形成してしまう。そのため、ヘラ仕上げなどの作業を行う時間が充分に取れないという問題がある。しかしながら、作業性に優れるものは、硬化性が悪い傾向にある。遅硬化の組成物は作業性に優れるが、硬化までの時間が長いため、充分な強度が発現するまでに長時間静置する必要があり、さらに未硬化表面へのごみやほこりの付着などの問題がある。また、遅硬化性の組成物は硬化後の表面が粘着性を帯びたり、ポリジオルガノシロキサンがブリードすることもある。こうして、硬化性と作業性の両方にバランスよく優れるものを得るのは困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を有していない、適切な作業時間を保証するように表面硬化速度を調節した適切な表面硬化性を有する、かつ接着性および貯蔵安定性に優れたポリオルガノシロキサン組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、乾式シリカと多孔質合成シリカ微粉末を組み合わせて用いると、硬化の途中における表面の被膜形成を遅延する作用があり、適切な表面硬化性を付与する硬化があることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明の室温硬化性ポリジオルガノシロキサン組成物は、
(A)分子中にケイ素官能基を2個以上有するケイ素官能性ポリオルガノシロキサン;
(B)硬化触媒
(C)乾式シリカ;および
(D)多孔質合成シリカ微粉末;
を含むことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、次の(A)〜(D)成分、すなわち
(A)成分、一般式(1):
【0010】
【化1】
Figure 0004223097
【0011】
(式中、
1は、互いに同一であっても、異なっていてもよい、非置換または置換の1価の炭化水素基であり;
2は、−OSiR3 3-ppであり、ここでR3は、互いに同一であっても、異なっていてもよい、非置換または置換の1価の炭化水素基であり;
Xは、加水分解性基または水酸基であり;
pは、1〜3であり;そして
nは、(A)成分の粘度を所望の値とする数である)
で示されるケイ素官能性ポリジオルガノシロキサン;
(B)硬化触媒;
(C)乾式シリカ;および
(D)多孔質合成シリカ微粉末
を含む室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物である。所望により、この組成物に架橋剤を加えることができる。
【0012】
1は、互いに同一であっても、異なっていてもよい、非置換または置換の1価の炭化水素基である。R1として、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシルのようなアルキル基;ビニル、アリルのようなアルケニル基;フェニル、トリル、キシリルのようなアリール基;2−フェニルエチル、2−フェニルプロピルのようなアラルキル基などを挙げる。さらに、ハロゲン原子、シアノ基などで置換されていてもよく、クロロメチル、3−クロロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピルのようなハロゲン化アルキル基;3−シアノプロピルのようなシアノアルキル基などの置換炭化水素基が挙げられる。
【0013】
全有機基の85%以上がメチルであることが好ましく、実質的にすべての有機基がメチルであることがより好ましい。
【0014】
一方、耐熱性、耐放射線性、耐寒性または透明性を付与する場合、フェニル基;耐油性、耐溶剤性を付与する場合、3,3,3−トリフルオロプロピル基または3−シアノプロピル基;そして、塗装適性を有する表面を付与する場合、長鎖アルキル基またはアラルキル基を、それぞれ、目的に応じ任意に選択して、メチル基と併用することができる。
【0015】
末端基R2のケイ素原子に結合しているR3は、互いに同一であっても、異なっていてもよい、非置換または置換の1価の炭化水素基であり、また、R1と互いに同一でも異なっていてもよく、R1 と同様のものを例示することができる。R2は、メチル基またはビニル基が好ましい。
【0016】
Xは、ケイ素官能基、すなわち、加水分解性基または水酸基であり、末端基R2中に少なくとも1個存在する。Xとして、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシのようなアルコキシ基;2−メトキシエトキシ、2−エトキシエトキシのような分岐状の置換アルコキシ基;イソプロペノキシのようなエノキシ基;アセトキシのようなアシルオキシ基;ジメチルケトキシマト、メチルエチルケトキシマト、ジエチルケトキシマト、メチルブチルケトキシマト、エチルブチルケトキシマトのようなケトキシマト基;ジエチルアミノキシのような置換アミノキシ基;N−メチルアセトアミノのような置換カルボニルアミノ基;ブチルアミノ、シクロヘキシルアミノのような置換アミノ基などの加水分解性基が挙げられ、互いに同一であっても、異なっていてもよい。Xは、メトキシのようなアルコキシ基、アセトキシのようなアシルオキシ基およびメチルエチルケトキシマト基が好ましく、特にメトキシ基が好ましい。
【0017】
末端基R2におけるケイ素官能基Xの数pは、1〜3である。Xが加水分解性基のものは、たとえば、末端に水酸基を有するポリオルガノシロキサンと、任意の加水分解性基を2個以上有するシランとを縮合させて合成することができる。縮合反応中にこのシランに含まれる加水分解性基が1個消費されるため、合成したポリオルガノシロキサンの末端基R2 におけるpは、用いた加水分解性基含有シランのそれよりも1個少ない。
【0018】
nは、硬化後のゴム状弾性体の伸びおよび押出し作業性を考慮して、25℃でのベースポリマーの粘度が20〜1,000,000cP、特に500〜200,000cPの範囲になるように選択することが好ましい。具体的には、α,ω−ビス(メチルジメトキシシリル)ポリジメチルシロキサンの場合、nは10〜2,400である。
【0019】
架橋剤は、下記の一般式(2):
4 4-qSiXq (2)
(式中、
4は、互いに同一であっても、異なっていてもよく、非置換もしくは置換されていてもよい1価の炭化水素基であり;
Xは、前記と同義であり;
qの平均は、2〜4である)
で示される化合物を用いることができる。
【0020】
架橋剤は、Xと反応させ、組成物を硬化させるための加水分解性基を有するケイ素化合物および/またはその部分加水分解縮合物を用いる。分子中にケイ素官能基を2個以上有する(A)成分の場合、架橋剤の非存在下でも架橋反応により硬化するが、架橋剤を併用してもよい。貯蔵安定性および得られるゴム状弾性体の物性が優れた組成物を得られるように添加する。
【0021】
4は、R1として例示した基と同様のものが挙げられ、メチル基またはビニル基が好ましい。また、置換もしくは非置換のアミノ基、エポキシ基含有基、イソシアナト基、(メタ)アクリロキシ基、メルカプト基、またはハロゲン原子で置換されたアルキル基もしくはフェニル基、置換アルキル基としては、置換メチル基、3−置換プロピル基、4−置換ブチル基が挙げられるが、合成が容易で安定なことから、3−置換プロピル基が好ましい。
【0022】
架橋剤の例として、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシランおよびそれらの部分加水分解縮合物のようなアルコキシ基含有化合物;テトラキス(2−エトキシエトキシ)シラン、メチルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニル(2−エトキシエトキシ)シラン、フェニルトリス(2−メトキシエトキシ)シランおよびそれらの部分加水分解縮合物のような置換アルコキシ基含有化合物;メチルトリイソプロペノキシシラン、ビニルトリイソプロペノキシシラン、フェニルトリイソプロペノキシシラン、ジメチルジイソプロペノキシシラン、メチルビニルジイソプロペノキシシランおよびそれらの部分加水分解縮合物のようなエノキシ基含有化合物が挙げられる。
【0023】
さらに、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、3−アミノプロピルトリアセトアミドシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ジメチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランのような置換または非置換のアミノ基含有シラン;3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシランのようなエポキシ基含有シラン;3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシランのようなイソシアナト基含有シラン;3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランのような(メタ)アクリロキシ基含有シラン;3−メルカプトプロピルトリメトキシシランのようなメルカプト基含有シラン;および3−クロロプロピルトリメトキシシランのようなハロゲン原子含有シランなどの炭素官能性シラン、およびそれらの部分加水分解縮合物が挙げられる。
【0024】
架橋剤は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシランおよびそれらの部分加水分解縮合物、ならびに置換または非置換のアミノアルキル基含有シランを用いることが好ましい。
【0025】
架橋剤の配合量は、(A)成分100重量部あたり、0.1〜25重量部が好ましく、特に0.3〜10重量部であることが好ましい。
【0026】
本発明において、上記の非置換の炭化水素基を含有するケイ素官能性化合物の代わりに/とともに、上記のアミノ基または置換炭化水素基を含有する炭素官能性化合物を、架橋剤の一部または全部として用いてもよい。
【0027】
炭素官能性シランの配合量は、上記の架橋剤の一部または全部、すなわち(A)成分100重量部あたり、0.05〜25重量部、特に0.1〜10重量部であることが好ましい。
【0028】
本明細書中、「炭素官能性シラン」とは、炭素官能性基を有するケイ素官能性化合物をいう。
【0029】
本発明の(B)成分は、水分の存在下に(A)成分の加水分解性基X同士および/または(A)成分と架橋剤のYとを反応させて架橋構造を形成させる硬化触媒である。このような成分(B)として、オクタン酸マンガン、オクタン酸鉄、オクタン酸亜鉛、オクタン酸スズ、ナフテン酸スズ、オレイン酸スズのようなカルボン酸金属塩;ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオレート、ジブチルスズジメトキシド、ジフェニルスズジアセテート、ジブチルビス(トリエトキシシロキシ)スズ、ジオクチルスズジラウレートのような有機スズ化合物;テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、1,3−プロパンジオキシチタンビス(エチルアセチルアセテート)のようなアルコキシチタン類;アルミニウムトリスアセチルアセトネート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジイソポロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート、トリエトキシアルミニウムなどの有機アルミニウム;ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム、トリブトキシジルコニウムアセチルアセトネート、ステアリン酸トリブトキシジルコニウムなどの有機ジルコニウム化合物が挙げられる。微量で大きな触媒能を有する有機スズ化合物およびアルコキシチタン類が好ましい。
【0030】
(B)成分の配合量は、(A)成分100重量部あたり、通常、0.05〜10重量部、特に0.1〜5重量部であることが好ましい。
【0031】
本発明で用いられる(C)成分の乾式シリカは、シリコーン組成物を硬化して、ゴム状弾性体またはゲル状物が得られる場合の補強材である。本発明の(C)成分は、作業性、たとえば吐出性、流動性に関する物性の低下を生起することがない。該シリカ粉末は、補強性がよいことから、比表面積20〜800m2/g、特に80〜350m2/gを有することが好ましい。また、平均粒子径0.001〜0.1μm、特に0.005〜0.05μmであることが好ましい。
【0032】
本発明の(C)成分は、乾式法のような既知の製造方法、たとえば四塩化ケイ素、メチルトリクロロシランなどのケイ素化合物を1,000〜1,800℃の酸素、水素炎中で加水分解して製造する。このようなシリカは、0.005〜0.05μmのきわめて小さい一次粒子からなっており、細孔をほとんど、または全く有していない。また、用いるシリカ粉末は表面などをトリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルフェニルクロロシラン、ジメチル−t−ブチル−クロロシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルジシラザンなどで処理したもの、未処理のもののいずれでもよい。
【0033】
(C)成分の配合量は、(A)成分100重量部あたり、1.0〜100重量部、特に5.0〜50重量部であることが好ましい。
【0034】
本発明に用いる(D)成分の多孔質合成シリカ微粉末は、深部硬化性および貯蔵安定性に悪影響を向上させる。(D)成分は、たとえば高純度ケイ砂を原料としたケイ酸ソーダと硫酸を混合し、ケイ酸ゾルを生成させた後、生成したケイ酸ゾルを徐々に重合させ、一次粒子を形成させ、温度および共存イオン類の調整により、さらに三次元的凝集体を形成させ、ゲル化させることにより製造することができる。さらに詳細には、前述の(C)成分のシリカ微粉末とは異なり、この一次粒子生成過程で三次元的凝集体を形成させるため、(C)成分と物性が異なり、内部表面積が大きく、すなわち細孔を多く有しているコロイド状合成シリカを得ることができる。その後、このコロイドを乾燥し、凝集を解砕して、多孔質合成シリカ微粉末を得る。
【0035】
このような(D)成分は、簡易BET法で測定した場合に、比表面積が200〜800m2/g、特に300〜700m2/gの範囲が好ましい。平均粒子径は、コールターカウンター法で測定した場合に、1.5〜7.0μmであることが好ましい。多孔度は、40〜90%、特に50〜80%であることが好ましい。
【0036】
このような(D)成分の配合量は、作業性に低下を招かない、(A)成分100重量部あたり、0.5〜50重量部であることが好ましい。さらに(D)成分の配合量としては、(C)成分の配合量にあたり、その1/2以下の量が好ましい。
【0037】
本発明の組成物は、シーリング材、接着剤、現場成形ガスケットなどとして用いることができる。このような用途において要求される機械的強度を高くするために、上記の成分に加えて、下記のような充填剤を所望する物性に応じて選択し、配合することができる。焼成シリカ、沈殿シリカ、煙霧質酸化チタン、およびこれらの表面をオルガノクロロシラン類、ポリオルガノシロキサン類、ヘキサメチルジシラザンなどによる疎水化物などのような補強性充填剤;ならびにけいそう土、粉砕シリカ、アルミノケイ酸塩、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、有機酸表面処理炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、タルク、酸化第二鉄などのような非補強性充填剤が挙げられる。組成物に透明性または低いモジュラスを与えるためには、それぞれ補強性充填剤または非補強性充填剤を用いることが望ましい。このような充填剤の添加量は、(A)100重量部あたり、1〜200重量部、特に5〜100重量部の範囲であることが好ましい。
【0038】
本発明の組成物に、さらに、顔料、チクソトロピー性付与剤、押出し作業性を改良するための粘度調整剤、紫外線吸収剤、防カビ剤、耐熱向上剤、難燃化剤など、各種の添加剤を加えてもよい。
【0039】
本発明の組成物は、
(A)分子中にケイ素官能基を2個以上有するケイ素官能性ポリオルガノシロキサン100重量部あたり;
(B)硬化触媒0.05〜10重量部
(C)乾式シリカ1.0〜100重量部;および
(D)多孔質合成シリカ微粉末0.5〜50重量部
を含むことを特徴とする、室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物が好ましい。
【0040】
本発明の組成物は、
(A)分子中にケイ素官能基を2個以上有するケイ素官能性ポリオルガノシロキサン100重量部あたり;
(B)硬化触媒0.05〜10重量部
(C)乾式シリカ1.0〜100重量部;および
(D)多孔質合成シリカ微粉末0.5〜50重量部;ならびに
さらに、架橋剤0.1〜25重量部
を含むことを特徴とする、室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物が好ましい。
【0041】
本発明の組成物は、
(A)分子中にケイ素官能基を2個以上有するケイ素官能性ポリオルガノシロキサン100重量部あたり;
(B)硬化触媒0.05〜10重量部
(C)乾式シリカ1.0〜100重量部;および
(D)多孔質合成シリカ微粉末0.5〜50重量部;ならびに
さらに、架橋剤0.1〜25重量部;および/または
充填剤1〜200重量部
を含むことを特徴とする、室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物が好ましい。
【0042】
本発明の組成物は、上記のすべて成分ならびに各種の添加剤を、湿気を遮断した状態で混合することにより得られる。得られた組成物は、密閉容器中でそのまま貯蔵し、使用時に空気中の水分にさらすことによって始めて硬化する、いわゆる1包装型室温硬化性組成物として使用することができる。また、本発明の組成物は、たとえば、架橋剤と硬化触媒に分けた組成物として調製し、適宜2〜3の別々の容器に分けて貯蔵し、使用時にこれらを混合する、いわゆる多包装型室温硬化性組成物として用いることもできる。
【0043】
【実施例】
以下、実施例によって、本発明をさらに具体的に説明する。これらの実施例は、いかなる意味においても本発明を限定するものではない。なお、これらの例において、特に断らない限り、部とあるのはいずれも重量部を表し、粘度などの物性値はすべて25℃、相対湿度(RH)60%での値であり、放置条件もまた25℃、60%RHである。
【0044】
(a)指触乾燥時間:組成物を20℃、60%RHの雰囲気中に押出して、表面に接触した乾燥状態にあることを指で確認できるまでの時間を測定した。
【0045】
(b)物理特性:組成物を厚さ2mmのシート状になるように調製し、168時間放置し、空気中の湿気により硬化させて、その物理的性質をJIS K 6301により測定した。
【0046】
(c)貯蔵安定性:湿気を遮断した容器に組成物を入れ、70℃で5日間加熱した後、指触乾燥時間を測定した。その後、厚さ2mmのシート状になるように調製し、168時間放置し、空気中の湿気により硬化させて、その物理的性質をJIS K 6301により測定した。
【0047】
(d)引張せん断接着強さ:JIS K 6850の方法により、銅、アルミニウム、エポキシ樹脂およびフェノール樹脂をそれぞれ被着体とし、その表面に組成物を押出して、25℃、60%RHの条件下に168時間硬化後、引張せん断接着強さを測定し、接着状態を観察した。
【0048】
〔実施例1〕
粘度20,000cPのα,ω−ビス(メチルジメトキシシロキシ)ポリジメチルシロキサン100部に、オクタメチルシクロテトラシロキサンで処理した比表面積200m2/gの煙霧質シリカ15部、および平均粒子径2.5μm、比表面積300m2/gを有する多孔質合成シリカ微粉末(シリカA)3部を配合し、均一に混合した。その後、メチルトリメトキシシラン2部、N−トリメチルシリルアミノプロピルトリメトキシシラン2.5部およびジブチルスズジラウレート0.4部を添加し、湿気を遮断した雰囲気下に均一に混合して、組成物1を得た。
【0049】
〔実施例2〕
平均粒子径2.3μm、比表面積500m2/gを有する多孔質合成シリカ微粉末(シリカB)を用いた以外は、実施例1と同様にして組成物2を得た。
【0050】
〔実施例3〕
平均粒子径3.0μm、比表面積700m2/gを有する多孔質合成シリカ微粉末(シリカC)を用いた以外は、実施例1と同様にして組成物3を得た。
【0051】
〔実施例4〕
粘度20,000cPのα,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン100部にオクタメチルシクロテトラシロキサンで処理した比表面積200m2/gの煙霧質シリカ14部、および平均粒子径2.5μm、比表面積300m2/gを有する多孔質合成シリカ微粉末(シリカA)3部を配合し、均一に混合した。その後、メチルトリス(メチルエチルケトキシマト)シラン5.0部、ビニルトリス(メチルエチルケトキシマト)シラン2.0部、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン0.7部およびジブチルスズジラウレート0.1部を添加し、湿気を遮断した雰囲気下に均一に混合して、組成物4を得た。
【0052】
〔実施例5〕
平均粒子径2.3μm、比表面積500m2/gを有する多孔質合成シリカ微粉末(シリカB)を用いた以外は、実施例4と同様にして組成物5を得た。
【0053】
〔比較例1〕
多孔質合成シリカ微粉末を添加しない以外は、実施例1と同様にして、比較組成物1を得た。
【0054】
〔比較例2〕
多孔質合成シリカ微粉末を添加しない以外は、実施例4と同様にして、比較組成物2を得た。
【0055】
得られた各組成物を各々評価を行い、これを表1に示す。
【0056】
【表1】
Figure 0004223097
【0057】
【発明の効果】
本発明の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物は、硬化時間を所望の作業時間に合わせて調整したため、ヘラ仕上げなど表面加工時の作業性に優れている。さらに、本発明の組成物は、色調を任意に調整でき、深部硬化性、接着性および貯蔵安定性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の接着性試験片の該略図。
【符号の説明】
1 試験体
2 被着体

Claims (5)

  1. (A)分子中に、加水分解性基または水酸基であるケイ素官能基を2個以上有するケイ素官能性ポリオルガノシロキサン;
    (B)カルボン酸金属塩、有機スズ化合物、アルコキシチタン、有機アルミニウム化合物および有機ジルコニウム化合物から選択される硬化触媒
    (C)乾式シリカ;ならびに
    (D)多孔質合成シリカ微粉末
    を含み、(A)成分100重量部あたり、(B)成分が0.05〜10重量部であり、(C)成分が1.0〜100重量部であり、かつ(D)成分が0.5〜50重量部である、ことを特徴とする室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
  2. (A)成分が、一般式(1):
    Figure 0004223097
    (式中、R1は、互いに同一であっても、異なっていてもよい、非置換または置換の1価の炭化水素基であり;R2は、−OSiR3 3-ppであり、ここでR3は、互いに同一であっても、異なっていてもよい、非置換または置換の1価の炭化水素基であり;Xは、加水分解性基または水酸基であり;pは、1〜3であり;そしてnは、(A)成分の25℃での粘度を20〜1,000,000cPとする数である)で示されるケイ素官能性ポリジオルガノシロキサンである、請求項1記載の組成物。
  3. さらに、架橋剤として、炭素原子に結合したアミノ基を有する炭素官能性シランを含む、請求項1または2記載の組成物。
  4. (C)成分が、平均粒子径0.1μm以下、および比表面積20〜800m2/gのものである、請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物。
  5. (D)成分が、平均粒子径1.5〜7.0μm、およびBET比表面積200〜800m2/gのものである、請求項1〜4のいずれか1項記載の組成物。
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