JP3857846B2 - コンデンサ電動機 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は可逆運転可能なコンデンサ電動機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、コンデンサ電動機と称されているコンデンサ進相型単相誘導電動機には、固定子鉄心に短節巻主・補巻線を電気角90度に配置して対称巻に巻装したもの、又は特公昭41−11497号公報に記載のもののように、4極電動機で12スロットの固定子鉄心に短節巻主・補巻線を電気角120度に巻装配置してトルク特性を改善した非対称巻のものがある。
【0003】
固定子鉄心に短節巻主・補巻線を電気角90度に配置して対称巻に巻装した例として、電動機の巻線配置図を図5に、配線図を図6(A)に示すものがある。図5の電動機は、固定子鉄心に間隔が均一な固定子歯数16とスロット数16を形成し、8個の巻線を巻装した4極対称軸固定子を構成し、主・補両巻線は電気角が90度になるように配置されている。
【0004】
即ち、図6(A)の配線図に示すように、電源がコンデンサの極性に対して実線側に切替えられているとき、補巻線2が巻回されている固定子歯(1)〜(3)に磁極が発生し、次に主巻線1が巻回されている固定子歯(1)〜(5)に磁極が発生し、順次、固定子歯(1)〜(16)へと配線図の右側から左側へ向かって回転磁界が移動する。その結果、図5の電動機の回転子は時計方向に回転する。
【0005】
この電動機をリバーシブル型電動機として実際に運転したとき、それぞれの固定子歯(1)〜(8)((9)〜(16)は(1)〜(8)と等しい)に生じる起磁力(界磁磁束)の時間に対する変化を示すと、図6(B)のようになる。これから理解できるように、良好なトルク特性を得るだけの起磁力(界磁磁束)の大きさは確保できるが、固定子歯間の起磁力の位相は相当なバラツキが生じている。
【0006】
また、4極電動機で12スロットの固定子鉄心に短節巻主・補巻線を電気角120度に配置して巻装してトルク特性を改善した非対称巻のものの例として、電動機の巻線配置図を図3に、配線図を図4(A)に示すものがある。図3の電動機は、スロット間隔が均一なスロット数12の固定子に、8個の巻線を巻装した4極非対称軸固定子の場合を示し、主巻線1及び補巻線2はいずれも短節巻で、主・補両巻線1、2は電気角を120度にして、主巻線1と補巻線2は互いに巻方向が逆になるように巻装配置され、主・補両巻線の各一方の巻線辺は共通の同一スロット3に納められ、また他方の各巻線辺はそれぞれ別個のスロット4に単独で納められている。
【0007】
この例の固定子鉄心は角丸状固定子鉄心であり、4極固定子鉄心における12スロット内で、対向直線部の幅方向に対し45度の方向、換言すれば、鉄心4隅の丸み部に位置する4個のスロット3の占有断面積を大とし、このスロット3に前述のように主・補両巻線1、2の各一方の巻線辺を納め、また他の占有断面積が小の8個のスロット4には他方の各巻線辺が単独で納められる。
【0008】
これにより、図4(A)の配線図に示すように、電源がコンデンサの極性に対して実線側に切替えられているとき、主巻線1と補巻線2に流れる電流の方向は互いに逆となる。そして、主巻線1が巻回されている固定子歯(1),(2)に磁極が発生し、次に主巻線1と逆方向に巻かれた補巻線2が巻回されている固定子(2),(3)に磁極が発生し、順次、固定子歯(1)〜(12)へと配線図の右側から左側へ向かって回転磁界が移動する。その結果、図3に示す電動機の回転子(図示せず)は時計方向に回転する。
【0009】
この電動機をリバーシブル型電動機として実際に運転したとき、それぞれの固定子歯(1)〜(6)((7)〜(12)は(1)〜(6)と等しい)に生じる起磁力(界磁磁束)の時間に対する変化を示すと、図4(B)のようになり、良好なトルク特性を得るだけの起磁力(界磁磁束)の大きさは確保できるが、固定子歯間の起磁力の位相は相当なばらつきが生じることになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来のこれらコンデンサ電動機では、一方向回転の負荷のみを運転条件として想定したものが殆どであるために、正逆両回転用のリバーシブル型電動機については、主巻線と補巻線の線径、巻数等の仕様を同一にする必要があり、トルク特性と電磁振動特性を共に最良に設計することが難しく、多くの場合はトルク特性が優先される結果、回転子の振動値は一方向回転専用の電動機に比して大きくなっていた。そこで本発明は、正逆回転の負荷を必要とする機器に使用する、堅牢で長寿命かつ安価なリバーシブル型電動機として、トルク特性と電磁振動特性の両方が最良となる巻線仕様及びコンデンサ値を設定することができるコンデンサ電動機を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係るコンデンサ電動機は、スロット数6n個の固定子鉄心に、コイル数4n個の巻線を巻装するに際し、主・補両巻線はいずれも各一方の巻線辺を共通の同一スロットに、他方の各巻線辺を単独で別個のスロットに収納し、主・補巻線の電気角が60度になるように配置して2n極非対称軸固定子を形成して構成した。
【0012】
これにより、正逆回転時でのトルク特性と電磁振動特性が共に最良となる巻線仕様及びコンデンサ値を設定することができ、正逆回転の負荷を必要とする機器の騒音の低減と他部品への影響を防止できる堅牢で長寿命かつ安価なコンデンサ電動機を実現できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を図面を参照して実施例にもとづいて説明する。図1は本発明のコンデンサ電動機の巻線配置図を、図2(A)は配線図を示す。本発明コンデンサ電動機は、一般にnを自然数として、角丸状固定子鉄心の2n極電動機で、スロット数6n個の固定子鉄心にコイル数4n個の巻線を巻装するものを対象とするものであるが、実施の態様としては、図3のものと同様にn=2とした、角丸状固定子鉄心の4極電動機を対象にして以下に説明する。
【0014】
図1の電動機の巻線配置は、スロット間隔が均一なスロット数12の固定子に、8個の巻線を巻装した4極非対称軸固定子である。主巻線1及び補巻線2は、この例ではいずれも短節巻であって、主・補両巻線1、2は電気角を60度にして、主巻線1と補巻線2は互いに巻方向が同じになるように巻装配置される。主・補両巻線1,2の各一方の巻線辺は共通の同一スロット3に納められ、また、他方の各巻線辺はそれぞれ別個のスロット4に単独で納められている。
【0015】
角丸状固定子鉄心は、図3のものと同様に、4極固定子鉄心における12スロット内で、対向直線部の幅方向に対し45度の方向、換言すれば、鉄心4隅の丸み部に位置する4個のスロット3の占有断面積を大に形成し、このスロット3に前述のように主・補両巻線1、2の各一方の巻線辺を納める。また他部の占有断面積が小に形成された8個のスロット4には、主・補両巻線1、2の他方の各巻線辺が単独で納められる。
【0016】
これにより、図2(A)の配線図に示すように、電源がコンデンサの極性に対して実線側に切替えられているとき、主巻線1と補巻線2に流れる電流の方向は同じ方向となる。そして、補巻線2が巻回されている固定子歯(1),(2)に磁極が発生し、次に主巻線1が巻回されている固定子歯(2),(3)に磁極が発生し、順次、固定子歯(1)〜(12)へと配線図の右側から左側へ向かって回転磁界が移動する。その結果、図1の電動機の回転子は時計方向に回転する。
【0017】
反時計方向に駆動する場合は、電源をコンデンサの極性に対して点線側に切替えることにより達成することができる。そして、この電動機をリバーシブル型電動機として実際に運転したとき、それぞれの固定子歯(1)〜(6)((7)〜(12)は(1)〜(6)と等しい)に生じる起磁力の時間に対する変化を示すと図2(B)のようになり、図4(B)及び図6(B)に示す従来の電動機の固定子歯の起磁力分布と比較しても、本発明のコンデンサ電動機の起磁力(界磁磁束)の大きさのバラツキも小さく、良好なトルク特性を得ることができると共に固定子歯間の起磁力の位相も略均一になりバラツキも小さいものとなった。
【0018】
こうして、非対称巻のリバーシブル型電動機であるコンデンサ電動機の主巻線、補巻線の配置を電気角60度にすることにより、主巻線及び補巻線に流れる電流による固定子歯の起磁力(界磁磁束)が、通常負荷時(すべり0〜0.2程度)において、ほぼ理想的な回転磁界となるように巻線及びコンデンサ値を設定することができるようになる。このとき巻線仕様(主巻線、補巻線とも同一仕様)に対し電磁振動が最小となるコンデンサ容量値が存在し、この値を利用することにより巻線仕様を調整して容易にトルク特性と振動特性が最良点になるように設計することができる。
【0019】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、正逆回転時でのトルク特性と電磁振動特性が共に最良となる巻線仕様及びコンデンサ値を設定することができ、正逆回転の負荷を必要とする機器の正転運転時あるいは逆転運転時での騒音の低減と、他部品への影響を防止できる堅牢で長寿命かつ安価なコンデンサ電動機を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコンデンサ電動機の巻線配置図。
【図2】(A)本発明のコンデンサ電動機の配線図。
(B)本発明のコンデンサ電動機の固定子歯の起磁力分布。
【図3】従来のコンデンサ電動機の巻線配置図。
【図4】(A)従来のコンデンサ電動機の配線図。
(B)従来のコンデンサ電動機の固定子歯の起磁力分布。
【図5】他の従来のコンデンサ電動機の巻線配置図。
【図6】(A)他の従来のコンデンサ電動機の配線図。
(B)他の従来のコンデンサ電動機の固定子歯の起磁力分布。
【符号の説明】
1 主巻線
2 補巻線
3 占有断面積大のスロット
4 占有断面積小のスロット
【発明の属する技術分野】
本発明は可逆運転可能なコンデンサ電動機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、コンデンサ電動機と称されているコンデンサ進相型単相誘導電動機には、固定子鉄心に短節巻主・補巻線を電気角90度に配置して対称巻に巻装したもの、又は特公昭41−11497号公報に記載のもののように、4極電動機で12スロットの固定子鉄心に短節巻主・補巻線を電気角120度に巻装配置してトルク特性を改善した非対称巻のものがある。
【0003】
固定子鉄心に短節巻主・補巻線を電気角90度に配置して対称巻に巻装した例として、電動機の巻線配置図を図5に、配線図を図6(A)に示すものがある。図5の電動機は、固定子鉄心に間隔が均一な固定子歯数16とスロット数16を形成し、8個の巻線を巻装した4極対称軸固定子を構成し、主・補両巻線は電気角が90度になるように配置されている。
【0004】
即ち、図6(A)の配線図に示すように、電源がコンデンサの極性に対して実線側に切替えられているとき、補巻線2が巻回されている固定子歯(1)〜(3)に磁極が発生し、次に主巻線1が巻回されている固定子歯(1)〜(5)に磁極が発生し、順次、固定子歯(1)〜(16)へと配線図の右側から左側へ向かって回転磁界が移動する。その結果、図5の電動機の回転子は時計方向に回転する。
【0005】
この電動機をリバーシブル型電動機として実際に運転したとき、それぞれの固定子歯(1)〜(8)((9)〜(16)は(1)〜(8)と等しい)に生じる起磁力(界磁磁束)の時間に対する変化を示すと、図6(B)のようになる。これから理解できるように、良好なトルク特性を得るだけの起磁力(界磁磁束)の大きさは確保できるが、固定子歯間の起磁力の位相は相当なバラツキが生じている。
【0006】
また、4極電動機で12スロットの固定子鉄心に短節巻主・補巻線を電気角120度に配置して巻装してトルク特性を改善した非対称巻のものの例として、電動機の巻線配置図を図3に、配線図を図4(A)に示すものがある。図3の電動機は、スロット間隔が均一なスロット数12の固定子に、8個の巻線を巻装した4極非対称軸固定子の場合を示し、主巻線1及び補巻線2はいずれも短節巻で、主・補両巻線1、2は電気角を120度にして、主巻線1と補巻線2は互いに巻方向が逆になるように巻装配置され、主・補両巻線の各一方の巻線辺は共通の同一スロット3に納められ、また他方の各巻線辺はそれぞれ別個のスロット4に単独で納められている。
【0007】
この例の固定子鉄心は角丸状固定子鉄心であり、4極固定子鉄心における12スロット内で、対向直線部の幅方向に対し45度の方向、換言すれば、鉄心4隅の丸み部に位置する4個のスロット3の占有断面積を大とし、このスロット3に前述のように主・補両巻線1、2の各一方の巻線辺を納め、また他の占有断面積が小の8個のスロット4には他方の各巻線辺が単独で納められる。
【0008】
これにより、図4(A)の配線図に示すように、電源がコンデンサの極性に対して実線側に切替えられているとき、主巻線1と補巻線2に流れる電流の方向は互いに逆となる。そして、主巻線1が巻回されている固定子歯(1),(2)に磁極が発生し、次に主巻線1と逆方向に巻かれた補巻線2が巻回されている固定子(2),(3)に磁極が発生し、順次、固定子歯(1)〜(12)へと配線図の右側から左側へ向かって回転磁界が移動する。その結果、図3に示す電動機の回転子(図示せず)は時計方向に回転する。
【0009】
この電動機をリバーシブル型電動機として実際に運転したとき、それぞれの固定子歯(1)〜(6)((7)〜(12)は(1)〜(6)と等しい)に生じる起磁力(界磁磁束)の時間に対する変化を示すと、図4(B)のようになり、良好なトルク特性を得るだけの起磁力(界磁磁束)の大きさは確保できるが、固定子歯間の起磁力の位相は相当なばらつきが生じることになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来のこれらコンデンサ電動機では、一方向回転の負荷のみを運転条件として想定したものが殆どであるために、正逆両回転用のリバーシブル型電動機については、主巻線と補巻線の線径、巻数等の仕様を同一にする必要があり、トルク特性と電磁振動特性を共に最良に設計することが難しく、多くの場合はトルク特性が優先される結果、回転子の振動値は一方向回転専用の電動機に比して大きくなっていた。そこで本発明は、正逆回転の負荷を必要とする機器に使用する、堅牢で長寿命かつ安価なリバーシブル型電動機として、トルク特性と電磁振動特性の両方が最良となる巻線仕様及びコンデンサ値を設定することができるコンデンサ電動機を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係るコンデンサ電動機は、スロット数6n個の固定子鉄心に、コイル数4n個の巻線を巻装するに際し、主・補両巻線はいずれも各一方の巻線辺を共通の同一スロットに、他方の各巻線辺を単独で別個のスロットに収納し、主・補巻線の電気角が60度になるように配置して2n極非対称軸固定子を形成して構成した。
【0012】
これにより、正逆回転時でのトルク特性と電磁振動特性が共に最良となる巻線仕様及びコンデンサ値を設定することができ、正逆回転の負荷を必要とする機器の騒音の低減と他部品への影響を防止できる堅牢で長寿命かつ安価なコンデンサ電動機を実現できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を図面を参照して実施例にもとづいて説明する。図1は本発明のコンデンサ電動機の巻線配置図を、図2(A)は配線図を示す。本発明コンデンサ電動機は、一般にnを自然数として、角丸状固定子鉄心の2n極電動機で、スロット数6n個の固定子鉄心にコイル数4n個の巻線を巻装するものを対象とするものであるが、実施の態様としては、図3のものと同様にn=2とした、角丸状固定子鉄心の4極電動機を対象にして以下に説明する。
【0014】
図1の電動機の巻線配置は、スロット間隔が均一なスロット数12の固定子に、8個の巻線を巻装した4極非対称軸固定子である。主巻線1及び補巻線2は、この例ではいずれも短節巻であって、主・補両巻線1、2は電気角を60度にして、主巻線1と補巻線2は互いに巻方向が同じになるように巻装配置される。主・補両巻線1,2の各一方の巻線辺は共通の同一スロット3に納められ、また、他方の各巻線辺はそれぞれ別個のスロット4に単独で納められている。
【0015】
角丸状固定子鉄心は、図3のものと同様に、4極固定子鉄心における12スロット内で、対向直線部の幅方向に対し45度の方向、換言すれば、鉄心4隅の丸み部に位置する4個のスロット3の占有断面積を大に形成し、このスロット3に前述のように主・補両巻線1、2の各一方の巻線辺を納める。また他部の占有断面積が小に形成された8個のスロット4には、主・補両巻線1、2の他方の各巻線辺が単独で納められる。
【0016】
これにより、図2(A)の配線図に示すように、電源がコンデンサの極性に対して実線側に切替えられているとき、主巻線1と補巻線2に流れる電流の方向は同じ方向となる。そして、補巻線2が巻回されている固定子歯(1),(2)に磁極が発生し、次に主巻線1が巻回されている固定子歯(2),(3)に磁極が発生し、順次、固定子歯(1)〜(12)へと配線図の右側から左側へ向かって回転磁界が移動する。その結果、図1の電動機の回転子は時計方向に回転する。
【0017】
反時計方向に駆動する場合は、電源をコンデンサの極性に対して点線側に切替えることにより達成することができる。そして、この電動機をリバーシブル型電動機として実際に運転したとき、それぞれの固定子歯(1)〜(6)((7)〜(12)は(1)〜(6)と等しい)に生じる起磁力の時間に対する変化を示すと図2(B)のようになり、図4(B)及び図6(B)に示す従来の電動機の固定子歯の起磁力分布と比較しても、本発明のコンデンサ電動機の起磁力(界磁磁束)の大きさのバラツキも小さく、良好なトルク特性を得ることができると共に固定子歯間の起磁力の位相も略均一になりバラツキも小さいものとなった。
【0018】
こうして、非対称巻のリバーシブル型電動機であるコンデンサ電動機の主巻線、補巻線の配置を電気角60度にすることにより、主巻線及び補巻線に流れる電流による固定子歯の起磁力(界磁磁束)が、通常負荷時(すべり0〜0.2程度)において、ほぼ理想的な回転磁界となるように巻線及びコンデンサ値を設定することができるようになる。このとき巻線仕様(主巻線、補巻線とも同一仕様)に対し電磁振動が最小となるコンデンサ容量値が存在し、この値を利用することにより巻線仕様を調整して容易にトルク特性と振動特性が最良点になるように設計することができる。
【0019】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、正逆回転時でのトルク特性と電磁振動特性が共に最良となる巻線仕様及びコンデンサ値を設定することができ、正逆回転の負荷を必要とする機器の正転運転時あるいは逆転運転時での騒音の低減と、他部品への影響を防止できる堅牢で長寿命かつ安価なコンデンサ電動機を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコンデンサ電動機の巻線配置図。
【図2】(A)本発明のコンデンサ電動機の配線図。
(B)本発明のコンデンサ電動機の固定子歯の起磁力分布。
【図3】従来のコンデンサ電動機の巻線配置図。
【図4】(A)従来のコンデンサ電動機の配線図。
(B)従来のコンデンサ電動機の固定子歯の起磁力分布。
【図5】他の従来のコンデンサ電動機の巻線配置図。
【図6】(A)他の従来のコンデンサ電動機の配線図。
(B)他の従来のコンデンサ電動機の固定子歯の起磁力分布。
【符号の説明】
1 主巻線
2 補巻線
3 占有断面積大のスロット
4 占有断面積小のスロット
Claims (1)
- スロット数6n個の固定子鉄心に、コイル数4n個の巻線を巻装するに際し、主・補両巻線はいずれも各一方の巻線辺を共通の同一スロットに、他方の各巻線辺を単独で別個のスロットに収納し、主・補巻線の電気角が60度になるように配置して2n極非対称軸固定子を形成することを特徴とするコンデンサ電動機。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34427699A JP3857846B2 (ja) | 1999-12-03 | 1999-12-03 | コンデンサ電動機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34427699A JP3857846B2 (ja) | 1999-12-03 | 1999-12-03 | コンデンサ電動機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001169517A JP2001169517A (ja) | 2001-06-22 |
JP3857846B2 true JP3857846B2 (ja) | 2006-12-13 |
Family
ID=18367990
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34427699A Expired - Fee Related JP3857846B2 (ja) | 1999-12-03 | 1999-12-03 | コンデンサ電動機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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KR100866871B1 (ko) * | 2002-01-24 | 2008-11-04 | 엘지전자 주식회사 | 유도전동기 |
KR100444326B1 (ko) * | 2002-02-06 | 2004-08-16 | 삼성광주전자 주식회사 | 단상 유도 전동기 및 이를 구비하는 밀폐형 왕복동식 압축기 |
KR100448546B1 (ko) * | 2002-09-24 | 2004-09-13 | 삼성광주전자 주식회사 | 압축기용 유도 전동기의 고정자 권선방법 |
KR100565219B1 (ko) * | 2003-09-30 | 2006-03-30 | 엘지전자 주식회사 | 회전 마그네트 타입 유도 전동기 |
KR100681573B1 (ko) | 2004-06-28 | 2007-02-09 | 주식회사 대우일렉트로닉스 | 콘덴서 기동형 단상 유도 모터의 권선 방법 및 그 방법에따른 고정자 구조 |
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EP2871753B1 (de) * | 2013-11-11 | 2019-06-19 | LEANTEC Motor GmbH | Elektrische Maschine |
CN109599974B (zh) * | 2018-12-24 | 2020-06-30 | 浙江大学 | 一种跨距为2的三相单层绕组电机 |
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-
1999
- 1999-12-03 JP JP34427699A patent/JP3857846B2/ja not_active Expired - Fee Related
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