JP3847356B2 - 電子写真感光体及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、電子写真感光体に関し、また該電子写真感光体を用いる画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真方式の画像形成装置としては、より高機能のものが要求されている。その一つの要求は極めて高速でコピーできる複写機である。この機械に搭載できる感光体としては高感度かつ繰り返し使用時の安定性に優れたものが要求される。この感光体性能を得るためには、電荷発生物質(以下CGMと略す)の性能が優れたものを使用することが極めて重要であり、これまでアゾ化合物、多環キノン化合物をはじめ多くの物質が提案されている。中でも近年ペリレン化合物、特にイミダゾールペリレン化合物が、非常に高感度かつ、繰り返し使用時の安定性にも優れたものとして注目されている。
【0003】
近年の画像形成装置に対するもう一つの大きな要求は、コンピュータ等の出力装置として、あるいは種々の画像処理のできる出力装置としてであり、具体的にはレーザービームプリンター(以下LBPと略す)、あるいはデジタル複写機がある。これらの機器に搭載できる感光体としては、半導体レーザー等の長波長光源に対して充分な感度を持つことが必要である。そこで近年、長波長域にも高感度を有するCGMとしてフタロシアニン化合物が注目されている。フタロシアニン化合物は大きく分けて金属フタロシアニンと無金属フタロシアニンがあり、様々な化合物が提案されている。なかでもチタニルフタロシアニン(以下TiOPcと略す)は、高感度、高画質が実現できるCGMとして大変注目されている。TiOPcは、長波長域、具体的には600nm以上850nm以下の範囲(以下「長波長域」という言葉は、この波長域を意味するものとして記載する)において充分な光感度を持つことから、半導体レーザーをはじめ、この波長域に主たるエネルギーピークを持つLED、EL(エレクトロルミネッセンス)、LCD(液晶シャター)などを光源とした画像形成装置用の感光体材料としてきわめて好適である。
【0004】
しかしながら、上述した高速コピアや半導体レーザーの要求に対してはCGMだけの改良では困難であり、他の構成要件についても様々な技術検討が要求されている。
【0005】
その要求の一つとして中間層の改良がある。
【0006】
中間層は導電性支持体と感光層の間に位置し機械的には接着性の向上、電気的には画像欠陥の抑制などの目的で設けられる。特にレーザープリンターで用いられる反転現像プロセスでは白色画面上に黒ポチと呼ばれる微小な黒点(正転現像の場合にはベタ黒画面に斑点状の白ヌケ)や転写メモリーなどの画像欠陥が現れる事が多い。こうした画像欠陥抑制のため、より優れた性能をもった中間層が望まれている。中間層としては例えばこれまで、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂などの樹脂層が挙げられ、最も一般的に用いられている。
【0007】
このような樹脂層の中間層と、CGMとして前記のイミダゾールペリレン化合物やTiOPcとを組合わせて用いると、高速機に搭載して使用してもコントラストや解像度の優れた画像が得られる。しかしこれは常温常湿環境で使用した場合であり、かつその優れた性能も、初期においてしか安定して得られない。高温、高湿、低温、低湿などの温湿度環境、大量連続コピーなどの使用環境、などのもとではいくつかの大きな問題を生じる。
【0008】
例えば高温高湿下では、中間層の樹脂層は抵抗が下がりバリア性が低下し、さらにイミダゾールペリレン化合物やTiOPcは非常に電荷発生能が高いことから、ホールを注入しやすく白ヌケ(あるいは黒ポチ)などの画像欠陥が生じやすい。また低温低湿下では、樹脂層の抵抗が上がりバリア性が高くなることから、感度の低下、繰り返し使用時の残留電位の増大といった問題が現れる。特にCGMとしてTiOPcを用いた場合は、TiOPcが低温低湿下で電荷発生能が劣ることもあり、上記問題が特に顕著に現れる。
【0009】
このようにイミダゾールペリレン化合物やTiOPcと、中間層として樹脂層を組み合わせて用いた場合には優れた点がある反面、CGMの電荷発生能の高さと樹脂層の抵抗の環境変動という二つの要因が相まって、白ヌケ(あるいは黒ポチ)の発生、電位特性の劣化など大きな問題を生じる。
【0010】
また特にCGMがTiOPcの場合に樹脂層の組み合わせて用いると、上記問題に加えて別の問題も生じる。TiOPcを用いた感光体を搭載する画像形成装置のプロセス条件が、LBPやデジタル複写機などで一般的な反転現像の場合に、転写メモリーが大きく生じてしまうという問題である。
【0011】
すなわち、LBP、デジタル複写機等は一般に画像部分の感光体表面をレーザー露光し、反転現像を行う。転写帯電は負帯電感光体の場合、それと逆極の正帯電で行う。転写時に感光体表面に生じた正電荷により誘起される負電荷は、電荷発生層などの感光層と中間層である樹脂層の界面付近にあると考えられる。この負電荷が蓄積されたまま消去されず次の帯電を迎えると、充分な帯電電位が得られず画像上でカブリを発生するという、いわゆる転写メモリーの問題を生じる。
【0012】
CGMとしてTiOPcを用いた場合にはアゾ化合物等を用いた場合に比べ基体からの電子注入が起きやすく、感光体表面は最初の帯電と逆極帯電をしやすい。また正帯電により誘起された負電荷は中間層である樹脂層の存在により消去されにくくなっており、転写メモリーの問題も、CGMとしてTiOPcを、中間層として樹脂層を組み合わせて用いた場合に、特に顕著に生じる課題であった。
【0013】
これら種々の課題を中間層を改良することにより解決しようという試みもいくつかなされている。例えば樹脂層に有機または無機の導電性粒子を分散させる方法も試みられているが、前記したような電位特性の課題を改善する効果が不充分であったり、画像欠陥がさらに発生しやすくなる、塗布液の分散安定性に劣るなど、充分な性能は得られていない。
【0014】
又、特開昭58-93062号公報において、樹脂と金属アルコキシド化合物や有機金属化合物とを混合して中間層を形成することが提案されているが、これも電位特性の改善が不充分である。
【0015】
そこで上記のような樹脂層、あるいは樹脂含有層とは異なり、樹脂を用いず有機金属化合物やシランカップリング剤から中間層を形成する技術についても提案されている。例えば特開昭62-272277号公報において、金属アルコキシド化合物やシランカップリング剤が用いられている。
【0016】
さらに特開平3-73962号公報、特開平4-36758号公報などにおいては、ジルコニウムキレート化合物とシランカップリング剤の組み合わせで用いられている。
【0017】
しかし、これらによっても現在まで充分な特性をもつものは得られていない。
【0018】
なお本明細書の記載では、前述した有機金属化合物やシランカップリング剤から成る中間層を、樹脂層の中間層と区別するために、セラミック系中間層と以下呼ぶことにする。本発明はきわめて優れた特性を持つセラミック系中間層に関するものである。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等がこれら従来公知のセラミック系中間層の特性を評価したところ、成膜性について問題が生じることが分かった。
【0020】
セラミック系中間層は樹脂層と違って比較的低分子化合物を構成材料とした塗布液から塗布膜を形成し、それを乾燥硬化して各化合物同士の重合化を起こし、最終的にネットワーク構造を持たせ成膜させる。しかしこのようなセラミック系中間層においては、膜厚がある程度以上になるとクラックを生じるなどその成膜性には不十分な点があった。中間層にクラックを生じると、そのクラック部分が白ヌケ(あるいは黒ポチ)の画像欠陥となり、使用に耐えないものとなる。そのためセラミック系中間層を適用の際には、膜厚をある程度以下に抑えて、比較的薄膜で使用する必要があった。しかしこのような膜厚で用いると、中間層としてブロックキング性が不十分となり、やはり白ヌケ(あるいは黒ポチ)等の画像欠陥が生じたり、繰り返し使用した際の暗減衰の増大や帯電能の低下を生じるなど、画像特性と電位特性の両立が非常に困難であった。
【0021】
従って本発明は、従来公知の中間層や感光体における上記の問題を解決することを目的としてなされたものである。
【0022】
すなわち本発明の第1の目的は、中間層がクラックを生じることなく安定した成膜性を示し、その中間層を用いて広範囲の温湿度条件で繰り返し使用しても、充分な帯電能と低い残留電位を示すことができ、白ヌケ(あるいは黒ポチ)等の画像欠陥を生じない、電位特性、画像特性とも優れた電子写真感光体を安定して提供することにある。
【0023】
本発明の第2の目的は、線速の速い高速の画像形成装置に搭載して長時間繰り返し使用しても、コントラストと解像度の優れた画像を維持することができ、白ヌケ、カブリ、濃度低下などの画像欠陥を生じず、電位安定性も優れた電子写真感光体を安定して提供することにある。
【0024】
本発明の第3の目的は、画像形成装置の露光光源が半導体レーザ等の長波長域のものであっても、充分な光感度をもつことによりコントラストと解像度の優れた画像を形成することができ、反転現像を行っても黒ポチ、転写メモリーによるカブリ、濃度低下などの画像欠陥を生じず、電位安定性も優れた電子写真感光体を使用した画像形成方法を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、下記構成の何れかをとることにより本発明の目的を達成出来ることを見いだした。
【0026】
〔1〕導電性支持体上に、中間層及び感光層を積層した電子写真感光体において、前記導電性支持体の表面粗さが最大高さ(Rmax)又は10点平均粗さ(Rz)が、0.5μm以上4.0μm以下であり、前記中間層は有機金属化合物とシランカップリング剤との反応生成物からなり、かつ平均膜厚Lが下記の条件を満たし、感光層がイミダゾールペリレン化合物を含むことを特徴とする電子写真感光体。
【0027】
0.3〔μm〕+(0.1×R〔μm〕)≦L〔μm〕≦3.0〔μm〕+(0.5×R〔μm〕)
(RはRmax又はRzである。)
〔2〕前記イミダゾールペリレン化合物が、 Cu − K α線に対するX線回析スペクトルの 6.3 ± 0.2 °、 12.4 ± 0.2 °、 25.3 ± 0.2 °、 27.2 ± 0.2 °にピークを有する結晶型であって 12.4 ± 0.2 °のピークが最大であると同時に同ピークの半値幅が 0.65 °以上であり、かつ 11.5 ± 0.2 °に明瞭なピークを示さない状態で存在することを特徴とする〔1〕記載の電子写真感光体。
【0028】
〔3〕導電性支持体上に、中間層及び感光層を積層した電子写真感光体において、前記導電性支持体の表面粗さが最大高さ(R max )又は 10 点平均粗さ(R z )が、 0.5 μ m 以上 4.0 μ m 以下であり、前記中間層は有機金属化合物とシランカップリング剤との反応生成物からなり、かつ平均膜厚Lが下記の条件を満たし、感光層がチタニルフタロシアニンを含むことを特徴とする電子写真感光体。
0.3 〔μ m 〕+ (0.1 ×R〔μ m 〕 ) ≦L〔μ m 〕≦ 3.0 〔μ m 〕+ (0.5 ×R〔μ m 〕 )
(RはR max 又はR z である。)
【0029】
〔4〕前記チタニルフタロシアニンがCu−Kα線に対するX線回析スペクトルの9.6 ± 0.2 °、 11.7 ± 0.2 °、 15.0 ± 0.2 °、 24.1 ± 0.2 °、 27.2 ± 0.2 °にピークを有する結晶型であることを特徴とする〔3〕記載の電子写真感光体。
【0030】
〔5〕導電性支持体上に、中間層及び感光層を積層した電子写真感光体において、前記導電性支持体の表面粗さが最大高さ(R max )又は 10 点平均粗さ(R z )が、 0.5 μ m 以上 4.0 μ m 以下であり、前記中間層は有機金属化合物とシランカップリング剤との反応生成物からなり、かつ平均膜厚Lが下記の条件を満たし、感光層がビスアゾ化合物を含むことを特徴とする電子写真感光体。
0.3 〔μ m 〕+ (0.1 ×R〔μ m 〕 ) ≦L〔μ m 〕≦ 3.0 〔μ m 〕+ (0.5 ×R〔μ m 〕 )
(RはR max 又はR z である。)
【0031】
〔6〕前記ビスアゾ化合物が下記構造を有することを特徴とする〔5〕記載の電子写真感光体。
【化B】
【0032】
〔7〕有機金属化合物が下記一般式(1)で表される化合物であり、シランカップリング剤が下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする〔1〕〜〔6〕のいずれか1項記載の電子写真感光体。
(1) (RO)mMXn
(2) (Z)a(A)bSi(Y)c
(式(1)中、Rはアルキル基を表し、Mはジルコニウム、チタニウムまたはアルミニウムを表し、Xはアセト酢酸エステル残基またはβジケトン残基を表し、m,nは1以上の整数を表す。ただしMがジルコニウムまたはチタニウムの場合、m+nは4であり、Mがアルミニウムの場合はm+nは3である。式(2)中、Zは加水分解性基を表し、Aはアルキル基またはアリール基を表し、Yは− BOOCC(R ′ ) = CH 2 、− BNHR ″または− BNH 2 を表す。R′はアルキル基を表し、R″はアルキル基またはアリール基を表し、Bはアルキレン基または− O −,− NH −,− NR ′−,− CO −を含むアルキレン基を表す。a,cは1以上、bは0以上の整数を表し、a+b+cは4である。)
【0033】
〔8〕〔1〕〜〔7〕のいずれか1項記載の電子写真感光体を用い、かつ該感光体上に 600nm 以上 850nm 以下に主たるエネルギーピークを有する光源で像様露光し、その後、反転現像することを特徴とする画像形成方法。
【0034】
(1)(RO)mMXn
(2)(Z)a(A)bSi(Y)c
(式(1)中、Rはアルキル基を表し、Mはジルコニウム、チタニウムまたはアルミニウムを表し、Xはアセト酢酸エステル残基またはβジケトン残基を表し、m,nは1以上の整数を表す。ただしMがジルコニウムまたは、チタンの場合、m+nは4であり、Mがアルミニウムの場合m+nは3である。式(2)中、Zは加水分解性基を表し、Aはアルキルまたはアリール基を表し、有機官能基Yは−BOOCC(R′)=CH2、−BNHR″または−BNH2を表す。R′はアルキル基を表し、R″はアルキル基またはアリール基を表し、Bはアルキレン基または−O−,−NH−,−NR′−,−CO−を含むアルキレン基を表す。a,cは1以上、bは0以上の整数を表し、a+b+cは4である。)
本発明者らは、鋭意検討した結果、セラミック系中間層を用いた上で、その中間層を形成する基体となる導電性支持体を特定の表面粗さにし、かつ中間層を特定の膜厚にすることにより、本発明の第1の目的が達成されることを見いだした。
【0035】
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に中間層塗布液を塗布し、これを乾燥硬化して中間層を形成し、その上に感光層が構成される。
【0036】
本発明で用いられる導電性支持体としては、従来公知のもの、例えばアルミニウム、ステンレススチール等の金属基体等、あるいは金属酸化物等の導電性粉末を樹脂層に分散した導電層などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0037】
また、本発明は、これら支持体のうちで所定の表面粗さをもつものが用いられる。
【0038】
支持体表面に粗さを与える加工方法としては、特に方法は問わない。
【0039】
例えば、金属基体については、化学エッチング、電気メッキなどの化学的方法、蒸着、スパッタリングなどの物理的方法、旋盤加工などの機械的方法などが例としてあげられる。
【0040】
また、ある種の樹脂導電層のように、層中に含有する導電性粉末等の構成材料の形状や存在状態の影響により凹凸を生じ、表面粗さをもつものも本発明の支持体に含まれる。
【0041】
また、支持体表面の凹凸の断面形状は、V字型状、U字型状、鋸刃形状等をはじめ、それ以外の不規則な形状でもよく、特に限定されるものではない。
【0042】
また凹凸の凸部間のピッチは、特に規定されるものではなが、好ましくは、50μm以下、さらに好ましくは、20μm以下が望ましい。
【0043】
本発明に用いられる中間層は、セラミック系の中間層であり、金属アルコキシド化合物や有機金属化合物の有機金属化合物と、シランカップリング剤を主成分としたものを、溶媒に溶かし塗布液とする。この液を塗布、乾燥硬化して形成される。
【0044】
セラミック系中間層は樹脂層と違って低分子化合物を構成材料とすることから、これらを熱硬化によって重合化しネットワーク構造化するといっても、膜厚がある程度以上になるとクラックを生じるなど、その成膜性には不十分な点があった。このように中間層にクラックが生じると、そのクラック部分がひび割れ状の画像欠陥になり使用に耐えないものとなる。そのためセラミック系中間層の適用の際には、膜厚はある程度以下に抑えて比較的薄膜で使用する必要があり、そのことによってブロッキング性が不十分となり、白抜け(あるいは黒ポチ)等の画像欠陥や、繰り返し使用した際の暗減衰の増大や帯電能の低下を生じるなど画像特性、電位特性上の問題を引き起こすことが多かった。
【0045】
本発明者等はセラミック系中間層において充分な膜厚で形成してもクラックを生じないよう、特性が改善できないか種々の検討を行った。その結果、導電性支持体を粗面化することにより、クラックの発生を抑制できることを見いだした。そして支持体の表面粗さとセラミック系中間層の膜厚を種々変えてクラックの発生状況、感光体としての電位特性、画像特性等を評価したところ、導電性支持体の表面粗さが最大高さ(Rmax)あるいは10点平均粗さ(Rz)の少なくともいずれかが、0.5μm以上4.0μm以下の範囲に入っており、かつ、該中間層の平均膜厚Lが0.3〔μm〕+(0.1×R〔μm〕)≦L〔μm〕≦3.0〔μm〕+(0.5×R〔μm〕)(ここでRはRmaxあるいはRz、少なくともいずれかについて上式を満たせばよい。)の条件を満たしている場合に、良好な各特性が得られることが分かった。以下に上記範囲に限定された根拠について考察する。
【0046】
中間層が熱硬化により形成される際、構成材料同士が重合したり、揮発成分が揮発したりで、中間層膜が収縮し内部応力が生じ、これが中間層構成材料同士の結合力を越えた場合に、クラックを生じてしまうと考えられる。導電性支持体を粗面化したことによりこのクラックを抑制できるメカニズムについては明確に分かっていないが、粗面化により中間層膜の膜厚に不均一さが生じ、その結果、熱硬化時に生じる膜内の内部応力の分布等に乱れが生じ、結果的にはクラックとして顕在化するような大きな内部応力を低減できたのではないかと推測している。
【0047】
この様なクラック低減効果は、表面粗さR(RzあるいはRmax)がある程度で効果が顕著になることが、検討により分かった。例えば、支持体が平滑面でRがほぼ0μmだとすると中間層の膜厚は構成材料の種類によっては、0.5μm程度でクラックを生じる。
【0048】
また、中間層の膜厚は、充分なブロッキング性を得ることにより白抜け(あるいは黒ポチ)等の画像欠陥の発生、暗減衰の増大、帯電能の低下などを抑制するために、ある程度以上必要であり、これを検討したところ少なくとも0.3μm以上にすることが望ましいことが分かった。
【0049】
従って、支持体が平滑でRが約0μmの場合は、クラック抑制とブロッキング性を両立できる。中間層の膜厚域は0.3から0.5μmといったように大変狭かったり、あるいは両立点のないものもある。
【0050】
たとえなんとか両立点を見いだして中間層を形成したとしても、感光体を画像形成装置に搭載して、長時間連続使用や、累積して多くの枚数コピーを重ねた場合に、中間層のブロッキング性も初期に比べおとろえていくことから、微小画像欠陥の発生、帯電性の低下、といった形で、初期に満たしていた特性も損なわれることが多い。
【0051】
従って、結局この点で、セラミック系中間層を用いようとしても、極めてラチチュートの狭い設計を余儀なくされることが分かった。ところが支持体表面を粗すことにより、つまりR(RzあるいはRmax)を大きくすることにより上記に推測したような要因のためか、中間層をある程度厚くしても、クラックを生じにくくなり、中間層の形成をブロッキング性がぎりぎり得られる膜厚値近傍で行う必要がなくなる。従って、クラック抑制とブロッキング性を、両立できる中間層膜厚の選択幅は広くなり、安定して優れた性能の感光体の形成が可能となったと推測される。
【0052】
検討によると、クラック制御能は、R=0.5μm程度で急激に向上し、それ以上のRの値の領域でもRの値による依存性はやや小さくなるものの、さらに高いレベルへと向上していく。ただし、Rが4.0μmをこえたあたりから、基体の洗浄が不十分になることにより、あるいは、機能分離型で負帯電型の感光体の場合は、中間層の上に形成する電荷発生層(以下CGLと略す)が中間層の凹凸により均一な薄膜として形成しづらくなり、画像すじを生じ安くなるなどの問題がおこる。従って、Rは、0.5μm以上4.0μm以下が好ましい。
【0053】
RzとRmaxは、本発明で種々の支持体について測定したデータによるとほぼ同等の値か、若干Rmaxの方が大きい値となることもあった。ただし、本発明の支持体の表面粗さの適正領域として定める場合、いずれの項目で規定しても、ほぼ同等の値となる。本発明ではRとしてRzあるいはRmaxのいずれか任意のものを使用しても大きな問題にはならない。
【0054】
また、中心線平均粗さ(Ra)としては、本発明で測定した種々の支持体のデータでは、R(RzあるいはRmax)の1/5〜1/10程度の値になることが多かった。従って、本発明で好適とした0.5〔μm〕≦R〔μm〕≦4.0〔μm〕という範囲は、Raとしては、0.05〔μm〕≦Ra〔μm〕≦0.80〔μm〕にほぼ相当する。
【0055】
この0.5〔μm〕≦R〔μm〕≦4.0〔μm〕の範囲においては、種々の条件の感光体を形成して検討したところ、クラックを生じずに形成可能な中間層の膜厚上限の値は、
3.0〔μm〕+(0.5×R〔μm〕)
であり、また画像欠陥を生じないだけのブロッキング性を得られる膜厚下限の値は
0.3〔μm〕+(0.1×R〔μm〕)
であることが分かった。
【0056】
従って以上より、導電性支持体の表面粗さが最大高さ(Rmax)あるいは10点平均粗さ(Rz)の少なくともいずれかを、0.5μm以上4.0μm以下の範囲で粗面化することにより、良好な特性を得られるセラミック系中間層の膜厚Lの領域を
0.3〔μm〕+(0.1×R〔μm〕)≦L〔μm〕≦3.0〔μm〕+(0.5×R〔μm〕)
(ここでRはRmaxあるいはRz、少なくともいずれかが上式を満たせばよい。)
と、平滑な(Rがほぼ0μmの)導電性支持体を用いた場合に比べ著しく大きくすることができることが分かった。
【0057】
このように、本発明は、支持体の粗面化によるセラミック系中間層のクラック制御能の著しい効果と、セラミック系中間層の膜厚の選択手段領域の上限と下限を支持体の表面粗さの関係式として見いだした。これにより充分な成膜性と、電位、画像特性の両立を得るためのセラミック系中間膜厚の選択の指針を得たものである。
【0058】
また特にこの両立が高いレベルで行えるようなセラミック系中間層の構成材料の最適化についても検討し、その適正条件を見いだした。この構成材料の最適化について、以下に詳しく述べる。
【0059】
本発明のセラミック系中間層は、前述の如く、有機金属化合物とシランカップリング剤の反応生成物からなるが、100%液反応生成物であることが最も好ましいか、例えば、前記反応生成物の原料その他の成分を含む場合も本発明において好ましく採用されるものである。
【0060】
まずセラミック系中間層の原料の一つである有機金属化合物にはアルコキシ基と少なくとも一つのキレート基を有するものが、より好ましいことが分かった。テトラアルコキシチタンなど、アルコキシ基のみからなる金属アルコキシドを用いて感光体を形成しても、白ヌケ(あるいは黒ポチ)などの画像欠陥を生じやすい傾向がある。従って少なくとも一つのキレート形成基をもつことがより好ましいことが分かった。従来知られていたキレート基としては以下の物がある。(特開平4-247461号)
(1)アセチルアセトン、2,4-ヘプタンジオンなどのβ-ジケトン
(2)アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸プロピル、アセト酢酸ブチルなどのケトエステル
(3)乳酸、サリチル酸、リンゴ酸などのヒドロキシカルボン酸
(4)乳酸メチル、乳酸エチル、サリチル酸エチル、リンゴ酸エチルなどのヒドロキシカルボン酸エステル
(5)オクタンジオール、ヘキサンジオールなどのグリコール
(6)4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノンなどのケトアルコール
(7)トリエタノールアミンなどのアミノアルコール
これらについて本発明者等が種々検討した結果、(3)〜(7)に比して(1)のβ-ジケトン、(2)のうちのアセト酢酸エステルが、電位特性、成膜性、感光層との接着性、画像特性、塗布液のポットライフ、などすべての特性においてより良好な特性を満たすことが分かった。
【0061】
また、有機金属化合物のキレート基の数についても、適正な範囲があることも検討の結果分かった。有機金属化合物がアルコキシ基を持たずキレート基しか持たない場合、残留電位が大きめになってしまうため、少なくともアルコキシ基を含むことが好ましく、出来れば化合物中のキレート基の数がアルコキシ基の数と同じか、それ以下であることが特に好ましい。そうすることにより、残留電位を特に小さく抑えることができる。
【0062】
次に、有機金属化合物の金属の種類については、ジルコニウム、チタニウムとアルミニウムが特に好ましい。その他の金属については、汎用性が低く化合物としての製法の確立が不充分であったり、コストが高くなったり、電位特性、画像特性が不充分だったりと、実用上問題な点を含む。
【0063】
また、上記のジルコニウム、チタニウム、アルミニウムのなかでも、ジルコニウムは塗布液を調液後時間が経つと析出物を生じやすいなど、実用上不都合な点もある。それに対し、チタニウム、アルミニウムは塗布液の安定性にも優れており、この点で特に好ましいものと言える。
【0064】
本発明で用いられる有機金属化合物で特に好ましい化合物のうち、
アセト酢酸エステルキレート基を持つチタンキレート化合物としては、
ジイソプロポキシチタニウムビス(メチルアセトアセテート)
ジイソプロポキシチタニウムビス(エチルアセトアセテート)
ジイソプロポキシチタニウムビス(プロピルアセトアセテート)
ジイソプロポキシチタニウムビス(ブチルアセトアセテート)
ジブトキシチタニウムビス(メチルアセトアセテート)
ジブトキシチタニウムビス(エチルアセトアセテート)
トリイソプロポキシチタニウム(メチルアセトアセテート)
トリイソプロポキシチタニウム(エチルアセトアセテート)
トリブトキシチタニウム(メチルアセトアセテート)
トリブトキシチタニウム(エチルアセトアセテート)
イソプロポキシチタニウムトリ(メチルアセトアセテート)
イソプロポキシチタニウムトリ(エチルアセトアセテート)
イソブトキシチタニウムトリ(メチルアセトアセテート)
イソブトキシチタニウムトリ(エチルアセトアセテート)
β-ジケトンキレート基を持つチタンキレート化合物としては、
ジイソプロポキシチタニウムビス(アセチルアセトネート)
ジイソプロポキシチタニウムビス(2,4-ヘプタンジオネート)
ジブトキシチタニウムビス(アセチルアセトネート)
ジブトキシチタニウムビス(2,4-ヘプタンジオネート)
トリイソプロポキシチタニウム(アセチルアセトネート)
トリイソプロポキシチタニウム(2,4-ヘプタンジオネート)
トリブトキシチタニウム(アセチルアセトネート)
トリブトキシチタニウム(2,4-ヘプタンジオネート)
イソプロポキシチタニウムトリ(アセチルアセトネート)
イソプロポキシチタニウムトリ(2,4-ヘプタンジオネート)
イソブトキシチタニウムトリ(アセチルアセトネート)
イソブトキシチタニウムトリ(2,4-ヘプタンジオネート)
アセト酢酸エステルキレート基を持つアルミニウムキレート化合物としては、
ジイソプロポキシアルミニウム(メチルアセトアセテート)
ジイソプロポキシアルミニウム(エチルアセトアセテート)
ジイソプロポキシアルミニウム(プロピルアセトアセテート)
ジイソプロポキシアルミニウム(ブチルアセトアセテート)
ジブトキシアルミニウム(メチルアセトアセテート)
ジブトキシアルミニウム(エチルアセトアセテート)
イソプロポキシアルミニウムビス(メチルアセトアセテート)
イソプロポキシアルミニウムビス(エチルアセトアセテート)
イソブトキシアルミニウムビス(メチルアセトアセテート)
イソブトキシアルミニウムビス(エチルアセトアセテート)
β-ジケトンキレート基を持つアルミニウムキレート化合物としては、
ジイソプロポキシアルミニウム(アセチルアセトネート)
ジイソプロポキシアルミニウム(2,4-ヘプタンジオネート)
ジブトキシアルミウム(アセチルアセトネート)
ジブトキシアルミウム(2,4-ヘプタンジオネート)
イソプロポキシアルミニウムビス(アセチルアセトネート)
イソプロポキシアルミニウムビス(2,4-ヘプタンジオネート)
イソブトキシアルミニウムビス(アセチルアセトネート)
イソブトキシアルミニウムビス(2,4-ヘプタンジオネート)
などがあげられるがこれらに限定されるものではない。
【0065】
以下、チタニウム、アルミニウム系化合物に次いで好ましいジルコニウム系化合物としては、下記のものがある。
【0066】
まず、アセト酢酸エステルキレート基を持つジルコニウムキレート化合物としては、
ジイソプロポキシジルコニウムビス(メチルアセトアセテート)
ジイソプロポキシジルコニウムビス(エチルアセトアセテート)
ジイソプロポキシジルコニウムビス(プロピルアセトアセテート)
ジイソプロポキシジルコニウムビス(ブチルアセトアセテート)
ジブトキシジルコニウムビス(メチルアセトアセテート)
ジブトキシジルコニウムビス(エチルアセトアセテート)
トリイソプロポキシジルコニウム(メチルアセトアセテート)
トリイソプロポキシジルコニウム(エチルアセトアセテート)
トリブトキシジルコニウム(メチルアセトアセテート)
トリブトキシジルコニウム(エチルアセトアセテート)
イソプロポキシジルコニウムトリ(メチルアセトアセテート)
イソプロポキシジルコニウムトリ(エチルアセトアセテート)
イソブトキシジルコニウムトリ(メチルアセトアセテート)
イソブトキシジルコニウムトリ(エチルアセトアセテート)
β-ジケトンキレート基を持つジルコニウムキレート化合物としては、
ジイソプロポキシジルコニウムビス(アセチルアセトネート)
ジイソプロポキシジルコニウムビス(2,4-ヘプタンジオネート)
ジブトキシジルコニウムビス(アセチルアセトネート)
ジブトキシジルコニウムビス(2,4-ヘプタンジオネート)
トリイソプロポキシジルコニウム(アセチルアセトネート)
トリイソプロポキシジルコニウム(2,4-ヘプタンジオネート)
トリブトキシジルコニウム(アセチルアセトネート)
トリブトキシジルコニウム(2,4-ヘプタンジオネート)
イソプロポキシジルコニウムトリ(アセチルアセトネート)
イソプロポキシジルコニウムトリ(2,4-ヘプタンジオネート)
イソブトキシジルコニウムトリ(アセチルアセトネート)
イソブトキシチタニウムトリ(2,4-ヘプタンジオネート)
などがあげられるがこれられ限定されるものではない。
【0067】
これらの化合物は、本発明の目的を特に高いレベルで達することができるものということであげたものであり、これ以外の化合物でも本発明の目的を達するものは多く存在する。
【0068】
中間層を形成するもう一つの必須要素であるシランカップリング剤は式(2)に示すものである。
【0069】
(Z)a(A)bSi(Y)c
ここで Z : 加水分解性基 (例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基、またはアミノ基)
A : アルキル基、あるいは、アリール基
Y : 有機官能基
a,b,c:a,cは1以上、bは0以上の整数で a+b+c=4で示される化合物である。cは1,aは2以上が好ましい。
【0070】
公知文献、例えば特開平4-247461号では、Zとしてメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基、Aとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基、あるいはフェニル基などのアリール基があげられ、有機官能基Yの末端基として以下のものが挙げられている。
【0071】
【化1】
【0072】
本発明者等の検討の結果、シランカップリング剤の有機官能基Yの末端基が、メタクリロキシ基又はアミノ基のものを選択することにより、成膜性、画像特性、電位特性とも稀に優れた性能が得られることが分かった。
【0073】
メタクリロキシ基とはCH2=C(R′)COO−で表されるものでありR′はアルキル基である。好ましくはC3以下のアルキル基である。これらメタクリロキシ基を有するシランカップリング剤の具体的には例えば以下のものがある。
【0074】
γメチルメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
γメチルメタクリロキシプロピルトリエトキシシラン
γエチルメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
γメチルメタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン
γメチルメタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン
などがあげられるがこれらに限定されるものではない。
【0075】
これらメタクリロキシ基を有するシランカップリング剤によって成膜性、画像特性とも優れた中間層を得ることができた。この末端メタクリロキシ基を有するシランカップリング剤で特筆すべきものは電位の安定性である。繰り返し使用時においても残留電位の上昇の少ない、非常に安定した性能の中間層を得ることができた。
【0076】
上記シランカップリング剤について優れた性能を示すものは有機官能基Yの末端がメタアクリロキシ基を有する又はアミノ基、即ち−NH2または−NHR″構造を持つものである。R″はアルキル基またはアリール基、好ましくはC6以下のアルキル基またはC8以下のアリール基を表す。
【0077】
このアミノ基を末端に持つシランカップリング剤は、この構造を末端に持たない他のシランカップリング剤に比べて反応性が高く、中間層膜の形成時に18金属化合物等との重合によるネットワーク構造化が進みやすいことが本発明者等の検討により分かった。この高い反応性が画像欠陥、具体的には白ヌケ(あるいは黒ポチ)の抑制に大きく寄与し、この点で、他の多くのシランカップリング剤に比べ、優れた性能を得るに至ったのではないかと推定される。
【0078】
この中で反応性という点からすると1級あるいは2級のアミノ基の反応性は高く、特に1級のアミノ基−NH2は非常に高い反応性を示し、画像欠陥の抑制能に優れている。
【0079】
この−NH2を末端にもつ有機官能基としては、具体的に例えば、
γ-アミノプロピル基
β-アミノエチル基
γ-アミノブチル基
などがあげられ、この有機官能基をもつシランカップリング剤としては、
γ-アミノプロピルトリメトキシシラン
γ-アミノプロピルトリエトキシシラン
γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン
γ-アミノプロピルメチルジエトキシシラン
β-アミノエチルトリメトキシシラン
γ-アミノブチルトリメトキシシラン
などがあげられるが、これらに限定されるものではない。
【0080】
有機官能基の構造としては、末端部のアミノ基以外は特に限定されるものではない。上記に例示したようなアルキレン基−(CH2)n−のみのもの他、−(CH2)m−NH−(CH2)n−,−(CH2)n−NH−CO−などアミノ基、カルボニル基あるいは酸素原子など別種の構造単位を含むものなどでもよい。m,nは10以下の整数が好ましい。
【0081】
このような有機官能基としては、具体的に例えば
N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピル基
N-β(アミノプロピル)γ-アミノプロピル基
N-β(アミノエチル)γ-アミノブチル基
γ-ウレイドプロピル基
などがあげられ、この有機官能基をもつシランカップリング剤としては、
N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン
N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリエトキシシラン
N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン
N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジエトキシシラン
N-β(アミノプロピル)γ-アミノプロピルメトリメトキシシラン
N-β(アミノエチル)γ-アミノブチルトリメトキシシラン
γ-ウレイドプロピルトリメトキシシラン
γ-ウレイドプロピルトリエトキシシラン
などがあげられるが、これらに限定されるものではない。
【0082】
ただし、線速の速い画像形成装置に搭載してくり返し使用する場合には、脂肪族炭化水素鎖−(CH2)n−のみからなるものの方が、より感度の高い残留電位の上昇などの小さい、優れた電位性能が得られることも、本発明者等の検討により分かった。
【0083】
アミノ基に導入される脂肪族もしくは芳香族の炭化水素基としては、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基
ビニル基、アリル基など、不飽和脂肪族炭化水素の残基
フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などのアリール基
などが例としてあげられるが、これらに限定されるものではない。また、これらが何れかの置換基で置換されたものでもよい。
【0084】
2級アミノ基を末端にもつ有機官能基としては、具体的に
例えば
N-メチル-γ-アミノプロピル基
N-エチル-γ-アミノプロピル基
N-ビニル-γ-アミノプロピル基
N-アリル-γ-アミノプロピル基
N-フェニル-γ-アミノプロピル基
N-トリル-γ-アミノプロピル基
などがあげられ、この有機官能基をもつシランカップリング剤としては
N-メチル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン
N-エチル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン
N-ビニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン
N-アリル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン
N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン
N-トリル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン
などがあげられるが、これらに限定されるものではない。
【0085】
これらの化合物は、本発明の目的を、特に高いレベルで達することができるものということであげたものであり、これ以外の化合物でも本発明の目的を達するものは多く存在する。
【0086】
本発明において中間層は、上記の有機金属化合物、シランカップリング剤をそれぞれ少なくとも1種含み、必要に応じては上記のもののみの中から、あるいは上記以外のものも含み、2種以上混合して用いることができる。
【0087】
また必要に応じて、樹脂等、その他の化合物を必要量だけ含有することもできる。
【0088】
以上のようにして、本発明の第1の目的を達成するに充分な、優れた中間層を得ることができた。
【0089】
また本発明の第2の目的にある「線速の速い高速の画像形成装置に搭載して長時間繰り返し使用しても、コントラストと解像度の優れた画像を維持する」ことのためには、非常に高感度であり、かつ繰り返し使用時の性能安定性に優れたCGMが必要である。本発明者等の今日までの検討の結果、イミダゾールペリレン化合物が高感度、高解像度の点で最も好ましいCGMとして挙げられる。
【0090】
イミダゾールペリレン化合物は次の二つの構造式のいずれかの構造をとるものである。
【0091】
【化2】
【0092】
またこのイミダゾールペリレン化合物としては、Cu-Kα線に対するX線回折スペクトル(ブラッグ角2θ)の6.3±0.2°、12.4±0.2°、25.3±0.2°、27.1±0.2°にピークを有する結晶型であって、12.4±0.2°のピーク強度が最大であると同時に同ピークの半値幅が0.65°以上であり、かつ11.5±0.2°に明瞭なピークを示さない状態で存在するものが、特に好ましい。(図6参照)
CGMのキャリア発生能は、CGMの分子構造に依存するばかりではなく、それらの分子の集合形態、例えば結晶構造などに大きく依存する。上記X線回折スペクトルが得られるような結晶構造のものが、イミダゾールペリレン化合物のなかでもキャリア発生能が高く優れた性能を示すものとして、本発明者らの最適化の検討のなかで見いだされた。
【0093】
イミダゾールペリレン化合物の結晶型については、a、γ、ε、ρ型などがあり、上記結晶型はρ型結晶に基づき、これを有機溶媒中に分散微粒化することにより得られる。この分散微粒化の方法としては、例えば、昇華精製したイミダゾール化合物を硫酸を用いてアシッドペースト処理(アモルファス化あるいは低結晶化)し、これを親和性の高い有機溶媒中でポリマーバインダーを介在させながら穏やかに分散することによって結晶成長させる、といった方法が挙げられる。この方法においては均一な微粒化が達成され、また機械的衝撃が小さいために結晶欠陥の導入による特性低下が避けられる。
【0094】
また本発明の第3の目的にある「露光光源が半導体レーザ等の長波長域のものであっても、充分な光感度をもつ」ことのためには、CGMが長波長領域でも充分な分光感度をもつことにより、微少な露光量の差にも対応して忠実に電荷を発生することが必要である。このことにより、コントラストや解像度の優れた画像を形成することができる。このような諸特性を考えあわせて、CGMとしてはチタニルフタロシアニン(TiOPcと略することがある)が最も好適である。
【0095】
TiOPcの基本構造は次の一般式で表されるものである。
【0096】
【化3】
【0097】
式中、X1,X2,X3及びX4はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はアルコキシ基を表し、n,m,l及びkはそれぞれ0〜4の整数を表す。
【0098】
この中、X1,X2,X3,X4いずれも水素原子であるものが好ましい。
【0099】
またこのTiOPcとしては、Cu-Kα線に対するX線回折スペクトル(ブラッグ角2θ)の9.5±0.2°、9.7±0.2°、11.7±0.2°、15.0±0.2°、23.5±0.2°、24.1±0.2°、及び27.3±0.2°にピークを有する結晶型であるものが、特に好ましい。
【0100】
TiOPcの結晶型についてはA、B、Y型等があり、上記結晶型はY型TiOPcであり、他の結晶型に比べ非常に高い電荷発生能を示し、その優れた性能から特に好ましいものとして挙げられる。
【0101】
以上のようなイミダゾールペリレン化合物やチタニルフタロシアニンを含む感光体はその優れた電荷発生能よりそれらを含む感光体は線速の速い高速の複写機や半導体レーザーに搭載した場合でもコントラストや解像度については申し分のない特性を示す。
【0102】
しかしながら、白ヌケ(あるいは黒ポチ)などの微小画像欠陥や転写メモリー(転写による帯状のカブリ)やカブリなど、画像に関する問題が従来の特に樹脂系の中間層を用いる場合には解決していなかった。
【0103】
本発明が画像欠陥を克服できた原因について電子写真の原理から考えると次のようになる。電子写真の原理はコロナ放電などの手段で表面を負に帯電させられた有機感光体に光があたるとホールとエレクトロンが生成し、生成したホールが表面の負電荷を消去して表面に光照射量に応じた静電潜像ができる事にある。そのため光照射以外での導電性支持体からのホールの注入があると同様に負に帯電した感光体表面の電位を下げ、それが画像欠陥やカブリとなってしまう。
【0104】
特にイミダゾールペリレンやチタニルフタロシアニンのような高感度なCGMは導電性支持体の欠陥や汚れなどからホールが注入しやすく、画像欠陥となる(通常現像では白ヌケ、反転現像で黒ポチ)。特に反転現像では白地に黒点となるため、欠陥の影響が大きい。それを防ぐためにホールの注入をブロッキングする均一な膜が中間層の必須な要件の一つと成っている。樹脂層の中間層を用いた場合は、この様な欠陥を、抑制する機能が不充分である。また、セラミック系中間層についても比較的薄膜で形成して用いた場合はホールの注入のブロッキング性が不充分であり、ある程度の厚膜で用いることが必要である、しかし、セラミック系中間層を厚膜化することにより、クラックが生じやすくなり、白ヌケ、黒ポチなどが、逆により生じやすくなる場合が多く、適正点を見いだすことが難しかった。本発明者等は、この問題を支持体表面の形状、具体的には、表面粗さと、中間層の膜厚の組み合せを適正範囲となるよう制御することにより、この問題を解決できることを、見い出した。また、さらに中間層の構成材料を最適化することにより、特に優れた性能を引き出せることも見い出した。
【0105】
また、このような局部的な欠陥とは別に反転現像特有の現象として前回紙面の無かった部分に生じる帯状のカブリ(転写跡カブリ=転写メモリー)がある。これは転写工程に原因がある。転写工程とはトナーが感光体の静電潜像上に乗ったトナーを紙の上に転写させる工程であり、通常はコロナ放電を紙の裏側から行う事を言う。この際、どうしても紙面以外の感光体部分にも転写のためのコロナ電荷が一部直接浴びられることになる。
【0106】
通常、複写機で行われる正規現像プロセスでは帯電と同極性の転写電荷を浴びせるので問題は起きない。しかし反転現像では負帯電感光体の場合、それと逆極の正帯電で転写を行うため、感光体表面に直接コロナ放電が浴びせられると、その部分に生じた正電荷により感光体内部に負電荷が誘起される。(負電荷が蓄積される場所は電荷発生層と中間層の界面付近にあると考えられる)この負電荷が消去されずに次の帯電(負帯電)を抑えると、その部分(前回の転写で紙が無かった部分)に充分な帯電電位が得られず、それが画像上に帯状のカブリとなって現れる。これを防ぐには中間層がホールをブロックすると共にエレクトロンを速やかにリークする性質を有することが必要である。即ちチタニルフタロシアニンのような高感度な素材をもって反転現像を行うレーザープリンター用の感光体においては中間層はホールに対しては絶縁性であり、エレクトロンに対しては導電性の性質、つまりN型半導体としての性質が要求される。この様な性質は樹脂系中間層では難しく、一般に良く使われるポリアミド樹脂でも転写跡カブりが押さえられてはいない。
【0107】
セラミック系中間層は、この性質においても優れ、特に、本発明中で最適なものとして記載している種類のものは、より優れた性能を示すものである、本発明は、支持体の表面粗さという点に注目し、安定した成膜性を、実現することによりこの優れた性能を有するセラミック系中間層を、上記の問題を高いレベルで解決できる中間層として実用化することに成功した。
【0108】
本発明の中間層は、中間層の構成材料、つまり有機金属化合物とシランカップリング剤を溶剤に溶かした溶液(前記で塗布液と呼んでいたもの)を導電性支持体上に塗布し、乾燥硬化して形成される。該溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、トルエン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、セルソルブアセテート等のエステル類等が挙げられるが、これらに限られるわけではない。またこれらは単独、あるいは混合して用いられる。また必要に応じて水を混合してもよい。
【0109】
塗布液の塗布方法としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、ブレードコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、カーテンコーティング法等を用いることができる。
【0110】
塗布膜の乾燥条件は、乾燥温度としては10〜250℃、好ましくは90〜200℃が、乾燥時間としては5分〜5時間、好ましくは20分〜2時間の時間で、送風乾燥、あるいは静止乾燥により行うことができる。
【0111】
中間層の上には感光層が設けられるが、感光層は、単層構造でも積層構造でもよい。
【0112】
単層構造の場合は、電荷発生物質を電荷輸送物質に分散させた感光層等を挙げることができる。
【0113】
積層構造の場合は、電荷発生層と電荷輸送層とに機能分離されたものが挙げられる。導電性支持体上における電荷発生層と電荷輸送層との積層順序はいずれが先であってもよい。ただし本発明の各目的をより高いレベルで達成するためには、今日においてより高感度で電位安定性に優れたものが形成可能なことから、電荷発生層の上に電荷輸送層が積層された負帯電型のものが好ましい。
【0114】
電荷発生層は、電荷発生物質(CGM)を必要に応じてバインダー樹脂中に分散させて形成される。CGMとしては、例えばセレン及びセレン合金、CdS,CdSe、CdSSe,ZnO及びZnS等の無機光導電体、金属または無金属フタロシアニン化合物、ビスアゾ化合物、トリスアゾ化合物等のアゾ化合物、スクエアリウム化合物、アズレニウム化合物、ペリレン系化合物、インジコ化合物、キナクリドン化合物、多環キノン系化合物、シアニン色素、キサンテン染料、ポリ-N-ビニルカルバゾールとトリニトロフルオレノンなどからなる電荷移動錯体等が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。またこれらは必要に応じて二種以上混合して用いてもよい。ただし本発明の目的を最も高いレベルで達成するためには、前記したように、ペリレン化合物の一種、イミダゾールペリレン化合物や金属フタロシアニン化合物の一種、チタニルフタロシアニン(TiOPc)が好ましい。特に第2の目的に対してはイミダゾールペリレン化合物が第3の目的に対してはTiOPcが、特に好ましいCGMである。
【0115】
また、電荷発生層に使用可能なバインダー樹脂としては、例えばポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコン樹脂、メラミン樹脂、並びにこれら樹脂の繰り返し単位のうち二つ以上を含む共重合体樹脂、例えば塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体樹脂、また高分子有機半導体、例えばポリ-N-ビニルカルバゾール、等が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。上記のうちCGMとしてイミダゾールペリレン化合物を用いた場合に好ましいバインダーとしては、ポリビニルブチラール樹脂が、TiOPcを用いた場合に好ましいバインダーとしては、シリコン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂、あるいは両方を混合したものなどが挙げられる。
【0116】
電荷輸送層は、電荷輸送物質(CTM)を単独で、あるいはバインダー樹脂とともに構成される。CTMとしては、例えばカルバゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリ-1-ビニルピレン、ポリ-9-ビニルアントラセン等が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。またこれらは単独でも、二種以上の混合で用いてもよい。
【0117】
また、電荷輸送層に使用可能なバインダー樹脂としては、例えばポリカーボネート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン-アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、スチレン-メタクリル酸エステル共重合体樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0118】
また繰り返し使用した際の疲労劣化を少なくするために、あるいは耐久性を向上させるために、感光体の各層いずれにでも従来公知の酸化防止剤、紫外線吸収剤、電子受容性物質、表面改質剤、可塑剤等、環境依存性低減剤などを、必要に応じて適当量添加して用いることができる。
【0119】
また耐久性向上のために、必要に応じて感光層以外に保護層等の非感光層を設けてもよい。
【0120】
既に述べてきたように本発明のセラミック中間層を含む感光体はプリンター、デジタルコピアなど反転現像プロセスを含む画像形成方法において特にその効果を発揮する。
【0121】
これに限定されるものではないが、図1に該画像形成方法を採用したデジタルコピアの例をあげ、本プロセスを説明する。
【0122】
図1の画像形成装置においては、画像読み取り部2において、原稿に照射光源からの光をあてた反射光を色分解してCCDで結像する。このCCDで受けた光情報を電気信号に変え、この画像データが画像書き込み部3に送られる。
【0123】
一方、像形成を担う感光体ドラム1は帯電ユニット4でコロナ放電により均一に帯電され、続いて画像書き込み部3のレーザー光源から像露光が感光体ドラム1上に照射される。そして次の現像ユニット5で反転現像され、露光部にトナー像が形成される。本例のようにカラー画像形成装置の場合は、画像読み取り時に色分解された各分解色ごとに、帯電、レーザー露光による画像書き込みとそれに対応するカラートナーが現像される、というプロセスが繰り返され、イエロー、マゼンタ、シアン、黒トナーの4色トナー像が、感光体上に形成される。
【0124】
4色トナー像は、転写極6で記録紙に一度に転写される。記録紙は分離極7により、感光体ドラムから分離され、定着器8で定着される。一方感光体ドラムは、クリーニング装置9により清掃される。
【0125】
上記においては4色トナー像を説明したが、場合によっては2色など他の数の複数色でのトナー像、あるいは単色トナー像を形成してもよい。
【0126】
また、トナー像の形成方法、記録紙への転写方法も異なるものであってもよい。
【0127】
さらにまた上記の他、あらかじめ画像情報をROM,フロッピーディスク等の画像メモリに記憶させ、必要に応じて画像メモリ内の情報を取り出して、画像形成部に出力させることができる。従って本例のように画像読み取り部を持たず、コンピュータ等からの情報をメモリに記憶させ画像形成部へ出力させる装置も、本発明の画像形成プロセスに含まれる。これらの最も一般的なものとして、LEDプリンターやLBP(レーザービームプリンター)がある。
【0128】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0129】
〔作製例1〕
〈中間層〉
有機金属化合物(例示化合物A3)* 140g
シランカップリング剤(B1) 60g
イソプロピルアルコール 2000ml
エチルアルコール 500ml
*:例示化合物は以後単に(A3)のごとく表示し、化4〜7に構造式を示した。
【0130】
を混合し、スターラーで撹拌して中間層塗布液を調製した。調製当日に、この塗布液を、表1にある種々の表面粗さをもったアルミニウム基体上に浸漬塗布法で塗布し、100℃で30分間乾燥した、その際、中間層の膜厚が、表1にある種々の膜厚になるよう形成した。
【0131】
従って、アルミニウム基体の表面粗さが8水準、中間層の膜厚が9水準、これらをそれぞれ組み合せた計72種類の条件でアルミ基体上に中間層を形成した。
【0132】
【表1】
【0133】
〈電荷発生層〉
電荷発生物質(C1) 40g
ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM−S 積水化学) 15g
メチルエチルケトン 200ml
を混合し、サンドミルで10時間分散し、中間層の上に浸漬塗布して、膜厚0.5μmの電荷発生層を形成した。
【0134】
〈電荷輸送層〉
電荷輸送物質(D1) 200g
ビスフェノールZ型ポリカーボネート 300g
(ユーピロンZ300,三菱瓦斯化学社製)
1,2-ジクロルエタン 2000ml
を混合し、溶解して、電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
【0135】
以上のようにして、72種類の条件の感光体を形成し、これを評価結果と共に後記表2に示す。
【0136】
〔作製例2〜14〕
作製例2については表3に示すごとく、作製例1と同様72種類の条件で、作製例3〜14については表4に示すごとく、アルミニウム基体の表面粗さと、中間層の膜厚の組み合せについて表1の◎部分(Rmax=1.0μm(Rz=0.9μm)中間層膜厚1.0μmと、Rmax=3.0μm、Rz=2.9μmで中間層膜厚3.0μm、各々作製条件−1,−2とする)の2種類のみの条件で、アルミニウム基体上に中間層を形成した。
【0137】
尚、その他の作製条件については、中間層塗布液の有機金属化合物(A3)、シランカップリング剤(B1)の7組み合せを、表4の作製例2〜14にあるよう変更した他は作製例1と同様にして、感光体を作製した。
【0138】
〔作製例15〕
電荷発生層を以下のように変えた他、作製例1と同様にして感光体を作製した。
【0139】
〈電荷発生層〉
電荷発生物質(C2) 70g
(下記の〔昇華例〕を経て〔アシッドペースト処理例〕によって得られたAP品のイミダゾールペリレン化合物)
ポリビニルブチラール樹脂 15g
(エスレックBL−S,積水化学社製)
メチルエチルケトン 2500ml
α-クロルナフタレン 800ml
を混合し、260℃で6時間反応させた。反応生成物のX線回折スペクトルを示す(図6参照)
放冷した後、析出物を濾取し、メタノールで繰り返し洗浄した。加熱乾燥して下記「化6」に示すC2の(1)と(2)の混合物としてイミダゾールペリレン化合物51.1gを得た。尚、合成品のX線回折スペクトルを図3に示した。
【0140】
【化4】
【0141】
【化5】
【0142】
【化6】
【0143】
【化7】
【0144】
〔昇華例〕
合成例1で得たイミダゾールペリレン化合物は5×10-4〜5×10-3torrの圧力下において500℃の加熱条件下で昇華精製を行った。揮発性の不純物はシャッターを用いて除去した。得られた精製結晶はもう一度同様の昇華処理を行って更に高純度化した。このようにして2回の昇華操作を経たものを昇華品と呼び、そのX線回折スペクトルを図4に示した。
【0145】
〔アシッドペースト処理例〕
イミダゾールペリレン化合物の昇華品20gを600mlの濃硫酸に溶解した液をグラスフィルターで濾過した後、1200mlの純水中に滴下して析出させた。これを濾取し純水で充分に洗浄してから乾燥させた。こうして得られたものをAP品(アシッドペースト処理品)と呼び、そのX線回折スペクトルを図5に示した。
【0146】
〔作製例16〕
電荷発生層を以下のように変えた他は作製例1と同様にして感光体を作製した。100gのC3と50gポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM−S積水化学)とメチルエチルケトン2000mlを混合しサンドミルで10時間分散し中間層の上に浸漬塗布して厚さ0.8μの電荷発生層を形成した。
【0147】
〔作製例17〕
中間層を以下のように変えた他は、作製例1と同様にして感光体を作製した。
【0148】
ポリアミド樹脂(CM8000)60gをメタノール2000mlに溶解しアルミニウム基体上に浸漬塗布法で塗布し室温で乾燥して中間層を作った。
【0149】
〔評価1〕
作製例1〜2での感光体の形成において中間層を塗布し、乾燥した際に目視でクラック発生の様子を観察した。
【0150】
また全層を塗布して形成した感光体を複写機C Konica U-BIX4045(コニカ(株)社製)に搭載し実写テストを行い、画像特性について評価した、画像特性については、次の2つの項目について評価した。
【0151】
▲1▼ベタ黒の不均一性
反射濃度1.3の原稿(黒紙)をコピーした際の微細な白ヌケによるベタ黒画像の不均一性。
【0152】
▲2▼ハーフトーン画像のスジ状の濃度ムラ
反射濃度0.3の原稿(ハーフトーン紙)をコピーした際のスジ状に生じる濃度ムラ。
【0153】
▲1▼は、中間層のクラック(目視で確認しにくい、微小に発生しているものも含む)や、中間層の膜厚が薄いことによるブロッキング性不足等に起因し、高温高湿環境下で最も発生しやすい。
【0154】
▲2▼は、基体表面の洗浄不良や、CGLの膜厚ムラに起因するものである。評価は▲1▼,▲2▼共30℃、相対湿度80%(高温高湿)で行った。評価結果の判定は、以下の3レベルに区分して行った。
【0155】
▲1▼についてはコピー画像のベタ黒において、画像を1cm2角の領域に細分した場合に直径0.3mm以上の白ヌケ部が1個以上発生している領域が、
×は、10%以上の割合で
△は、1〜10%の割合で
○は、1%以下の割合で(ほとんど発生なし)
ある場合、というように区分した。
【0156】
また▲2▼については洗浄不良部(よごれ等の残存部)に起因するハーフトーン画像上のスジ状の濃度のムラが、
×は、はっきりと目視確認できる場合
△は、軽微だが、目視確認できる場合
○は、全く、目視確認できない場合
というように、区分した。
【0157】
また、中間層、塗布乾燥後のクラックの発生度合も上記の画像評価の項目▲2▼と同様、目視で確認できるかどうかで判定した。
【0158】
評価結果は表2〜3に示した。
【0159】
【表2】
【0160】
【表3】
【0161】
また、基体の最大表面粗さ(Rmax)と中間層膜厚(L)の各組み合せの画像特性のレベルを○〜×でプロットし、良好な特性の得られる適正使用領域を、それぞれ図7,8に示した。なお、図7、8の横軸には、Rmaxの値にて表示したが、同一基体の対応するRzの値は、表2、3の最上欄にRmaxと併記されている。
【0162】
その際、項目▲1▼,▲2▼のうち、より悪い特性だった項目(適正使用領域となり得なかった主要因)のレベルを示した。
【0163】
また、項目▲1▼,▲2▼共、良好な特性(○レベル)が得られたRmaxとLの組み合せの領域を、破線で囲った。
【0164】
また、図中には、良好な特性が得られなかった要因についても、各領域ごとに記載した。
【0165】
〔評価2〕
作製例1〜17の感光体について、〔評価1〕と同様に、クラック発生の様子と、画像特性について評価した。
【0166】
ただし、画像の評価項目▲1▼については、○レベルのなかでも、感光ドラム1周分の画像において、白ヌケ部の欠陥が生じている領域が全くない場合を特に優れた特性として◎レベルで区分する。
【0167】
また電位特定についても以下の項目について、合わせて評価した。
【0168】
なお、測定環境は、10℃、相対湿度20%(低温低湿)である。
【0169】
黒紙電位Vb:反射濃度1.3の原稿に対する表面電位
残留電位Vr:光除電後の表面電位
また、作製例3〜16については、感光体の作製条件としては、
1)Rmax=1.0μm,膜厚L=1.0μm
2)Rmax=3.0μm, 〃 =3.0μm
の2種類のみで行ったが、作製例1〜2については、それ以外の組み合せについても、行っている。
【0170】
ただし、ここでは、作製例1〜2についても、上記の2種類の作製条件についてのみ、評価を行った。
【0171】
評価結果は、表4に示した。
【0172】
【表4】
【0173】
〔作製例18〕
電荷発生層を以下の様に変更した他は、作製例1と同様にして感光体を作製した。
【0174】
〈電荷発生層〉
電荷発生物質(C4) 60g
(合成例2において得られた図2のX線回折スペクトルを有するチタニルフタロシアニン)
シリコーン樹脂溶液 700g
(KR5240,15%キシレン-ブタノール溶液,信越化学社製)
メチルエチルケトン 2000ml
を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0175】
〔合成例2〕
1,3-ジイミノイソインドリン 29.2g
チタニウムテトライソプロポキシド 17.0g
スルホラン 200ml
を混合し、窒素雰囲気下に140℃で2時間反応させた。
【0176】
放冷した後、析出物を濾取し、クロロホルムで洗浄、2%の塩酸水溶液で洗浄、水洗、メタノール洗浄して、乾燥の後、25.5g(88.5%)のチタニルフタロシアニン(C4)を得た。
【0177】
この生成物は、20倍量の濃硫酸に溶解し、100倍量の水にあけて析出させて、濾取した後に、ウエットケーキを1,2-ジクロルエタンにて50℃で10時間加熱して図2に示すX線回折スペクトルをもつ結晶型の物を得た。
【0178】
〔作製例19〕
中間層を、作製例2と同じものに変更した他は作製例18と同様にして感光体を作製した。
【0179】
〔評価3〕
作製例18〜19の感光体について、〔評価1〕と同様にクラックの発生の様子を評価した、また、感光体の画像特性については、フルカラーレーザービームプリンタ(ヒューレット・パッカード社製,Color Laser Jet)に搭載し、実写テストを行い画像特性について評価した。画像特性については、次の3つ項目について評価した。
【0180】
▲1▼黒ポチ
(白色コピー画像上の黒ポチの発生度合い)
▲2▼ハーフトーン画像のスジ状の濃度ムラ
(反射濃度0.3のコピー画像を出した際のスジ状に生じる濃度ムラ)
▲3▼ハーフトーン画像の干渉縞による濃度ムラ
(反応濃度0.3のコピー画像を出した際の干渉縞による濃度ムラ)
▲1▼,▲2▼の欠陥の発生する要因,評価環境,判定の区分などは〔評価1〕で記載したものとそれぞれ同じである。ただし▲1▼については評価対象の欠陥の種類が「白ヌケ部」でなく「黒ポチ部」である。
【0181】
▲3▼は、露光レーザビームの反射光が干渉を生じることによる縞模様の濃度ムラである。評価は20℃、相対湿度50%(常温常湿)で行った、干渉縞による濃度ムラの発生レベルの判定区分は、〔評価1〕の▲2▼について記載したものと同じである。
【0182】
またクラックの発生度合いも〔評価1〕と同様に評価した。
【0183】
評価結果は、表5,6に示した。
【0184】
また作製例1〜2で示したと同様に適正使用領域を表した図を図9,10に示した、図では、項目1〜3のうち最も悪い特性だった項目のレベルを示した。
なお、図9、10の横軸には、Rmaxの値にて表示したが、同一基体の対応するRzの値は、表5、6の最上欄にRmaxと併記されている。
【0185】
【表5】
【0186】
【表6】
【0187】
【発明の効果】
本発明により、下記の効果を得ることができる。
【0188】
1.中間層を形成した電子写真感光体において広範囲の温湿度条件で繰り返し使用しても、充分な帯電能と低い残留電位、さらに優れた画像特性を示すことができるような中間層を安定して提供すること。つまり、電位特性、画像特性の優れた中間層を提供すること。
【0189】
2.線速の速い高速の画像形成装置に搭載して長時間繰り返し使用しても、コントラストと解像度の優れた画像を維持することができ、白ヌケ、カブリ、濃度低下などの画像欠陥を生じず、電位安定性も優れた電子写真感光体を提供すること。
【0190】
3.画像形成装置の露光光源が半導体レーザ等の長波長域のものであっても、充分な光感度をもつことによりコントラストと解像度の優れた画像を形成することができ、かつ黒ポチ、転写メモリーによるカブリ、濃度低下などの画像欠陥を生じず、電位安定性も優れた電子写真感光体を提供すること。
【0191】
4.長時間繰り返し使用しても、白ヌケ、カブリ、濃度低下などの画像欠陥の生じない画像形成装置を提供すること。
【0192】
5.半導体レーザー等の長波長域光源による露光や反転現像などLBPやデジタル複写機で一般にみられるプロセス条件を用いても、コントラストや解像度の優れた画像を得ることができ、かつ黒ポチ、カブリ、濃度低下などの画像欠陥の生じない画像形成装置を提供すること。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の断面図。
【図2】本発明に係るチタニルフタロシアニン(合成例2)のX線回折スペクトル。
【図3】本発明に係るイミダゾールペリレン化合物(合成品)のX線回折スペクトル。
【図4】本発明に係るイミダゾールペリレン化合物(昇華品)のX線回折スペクトル。
【図5】本発明に係るイミダゾールペリレン化合物(AP品)のX線回折スペクトル。
【図6】本発明に係るイミダゾールペリレン化合物のX線回折スペクトル。
【図7】導電性支持体の表面粗さ(Rmax)及び中間層膜厚L(μm)と画像特性の関係図。
【図8】導電性支持体の表面粗さ(Rmax)及び中間層膜厚L(μm)と画像特性の関係図。
【図9】導電性支持体の表面粗さ(Rmax)及び中間層膜厚L(μm)と画像特性の関係図。
【図10】導電性支持体の表面粗さ(Rmax)及び中間層膜厚L(μm)と画像特性の関係図。
【符号の説明】
1 感光体ドラム
2 画像読み取り部
3 画像書き込み部
4 帯電ユニット
5 現像ユニット
6 転写極
7 分離極
8 定着器
9 クリーニング装置
Claims (8)
- 導電性支持体上に、中間層及び感光層を積層した電子写真感光体において、前記導電性支持体の表面粗さが最大高さ(Rmax)又は10点平均粗さ(Rz)が、0.5μm以上4.0μm以下であり、前記中間層は有機金属化合物とシランカップリング剤との反応生成物からなり、かつ平均膜厚Lが下記の条件を満たし、感光層がイミダゾールペリレン化合物を含むことを特徴とする電子写真感光体。
0.3〔μm〕+(0.1×R〔μm〕)≦L〔μm〕≦3.0〔μm〕+(0.5×R〔μm〕)
(RはRmax又はRzである。) - 前記イミダゾールペリレン化合物が、 Cu − K α線に対するX線回析スペクトルの 6.3 ± 0.2 °、 12.4 ± 0.2 °、 25.3 ± 0.2 °、 27.2 ± 0.2 °にピークを有する結晶型であって 12.4 ± 0.2 °のピークが最大であると同時に同ピークの半値幅が 0.65 °以上であり、かつ 11.5 ± 0.2 °に明瞭なピークを示さない状態で存在することを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
- 導電性支持体上に、中間層及び感光層を積層した電子写真感光体において、前記導電性支持体の表面粗さが最大高さ(R max )又は 10 点平均粗さ(R z )が、 0.5 μ m 以上 4.0 μ m 以下であり、前記中間層は有機金属化合物とシランカップリング剤との反応生成物からなり、かつ平均膜厚Lが下記の条件を満たし、感光層がチタニルフタロシアニンを含むことを特徴とする電子写真感光体。
0.3 〔μ m 〕+ (0.1 ×R〔μ m 〕 ) ≦L〔μ m 〕≦ 3.0 〔μ m 〕+ (0.5 ×R〔μ m 〕 )
(RはR max 又はR z である。) - 前記チタニルフタロシアニンが Cu − K α線に対するX線回析スペクトルの 9.6 ± 0.2 °、 11.7 ± 0.2 °、 15.0 ± 0.2 °、 24.1 ± 0.2 °、 27.2 ± 0.2 °にピークを有する結晶型であることを特徴とする請求項3記載の電子写真感光体。
- 導電性支持体上に、中間層及び感光層を積層した電子写真感光体において、前記導電性支持体の表面粗さが最大高さ(R max )又は 10 点平均粗さ(R z )が、 0.5 μ m 以上 4.0 μ m 以下であり、前記中間層は有機金属化合物とシランカップリング剤との反応生成物からなり、かつ平均膜厚Lが下記の条件を満たし、感光層がビスアゾ化合物を含むことを特徴とする電子写真写真感光体。
0.3 〔μ m 〕+ (0.1 ×R〔μ m 〕 ) ≦L〔μ m 〕≦ 3.0 〔μ m 〕+ (0.5 ×R〔μ m 〕 )
(RはR max 又はR z である。) - 有機金属化合物が下記一般式(1)で表される化合物であり、シランカップリング剤が下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の電子写真感光体。
(1) (RO)mMXn
(2) (Z)a(A)bSi(Y)c
(式(1)中、Rはアルキル基を表し、Mはジルコニウム、チタニウムまたはアルミニウムを表し、Xはアセト酢酸エステル残基またはβジケトン残基を表し、m,nは1以上の整数を表す。ただしMがジルコニウムまたはチタニウムの場合、m+nは4であり、Mがアルミニウムの場合はm+nは3である。式(2)中、Zは加水分解性基を表し、Aはアルキル基またはアリール基を表し、Yは− BOOCC(R ′ ) = CH 2 、− BNHR ″または− BNH 2 を表す。R′はアルキル基を表し、R″はアルキル基またはアリール基を表し、Bはアルキレ ン基または− O −,− NH −,− NR ′−,− CO −を含むアルキレン基を表す。a,cは1以上、bは0以上の整数を表し、a+b+cは4である。) - 請求項1〜7のいずれか1項記載の電子写真感光体を用い、かつ該感光体上に 600nm 以上 850nm 以下に主たるエネルギーピークを有する光源で像様露光し、その後、反転現像することを特徴とする画像形成方法。
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